JP3238460B2 - 深絞り用非時効冷延鋼板の製造法 - Google Patents

深絞り用非時効冷延鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用鋼板等の用
途に有効な深絞り性がすぐれ、かつ非時効冷延鋼板の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】深絞り性が優れ、かつ非時効冷延鋼板は
従来、低炭素アルミキルド鋼を箱焼鈍して製造されてい
た。この方法は生産性が悪く、かつコイル内での材質バ
ラツキが大きいという欠点があった。この欠点を克服す
る方法として極低炭素鋼にTi,Nb等の炭窒化物形成
元素を添加したIF鋼を連続焼鈍する方法が多数提案さ
れた。Ti添加鋼では特公昭58−57490号公報、
特開昭58−42752号公報等がある。これらは非時
効で深絞り性が優れた冷延鋼板が連続焼鈍で製造できる
という優れた特徴がある。しかし、Ti添加によりコス
トが高くなり、再結晶温度が高くなり、高温焼鈍が必要
なため連続焼鈍ではヒートバックルが多発し、板形状の
悪化、表面性状の劣化等の生産性を著しく阻害する問題
点がある。またC,Nを完全に析出物として固定するた
め二次加工脆性が生じ易く、またメッキした時のメッキ
密着性が悪いという短所も有する。
【0003】一方、C,Nとの結合力がTiより弱いN
b添加鋼の方法も多数提案されている。例えば特開昭5
6−169752号公報、特開昭58−81952号公
報もやはり深絞り性が優れ、かつ非時効冷延鋼板が連続
焼鈍で製造できる優れた特徴があるが、合金添加による
コスト上昇、Nbが再結晶抑制効果が大であることに起
因する再結晶温度が上昇するという問題があり、連続焼
鈍では先述の高温焼鈍による欠点は避け得ない。
【0004】また、冷延後メッキして使用される表面処
理鋼板とブリキ、チィンフリースチールがある。これら
に時効性があると、缶用として使用される場合、180
〜210℃の印刷焼き付け工程を経て加工されるため絞
り缶ではストレッチャーストレインが発生し商品価値を
損なうという欠点がある。また溶接缶ではフルーティン
グと呼ばれる腰折れが発生し、やはり商品価値を損な
う。この欠点を克服する方法として先述の極低炭素鋼に
Ti,Nb等の炭窒化物形成元素を添加する方法が提案
されている。例えば特開昭58−197224号公報が
ある。この技術思想はTi,Nb添加でC,Nを固定
し、非時効化、軟質化を図ることにあるが、炭窒化物が
微細に析出するため再結晶温度が高くなり、高温焼鈍が
避け得ない。このためブリキのような薄手材を連続焼鈍
すると板の形状が悪くなったり、板破断が生じたりの操
業上のトラブルが多発するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
法の問題点を解消するものであり、鋼を極低炭素化する
ことにより深絞り性が優れ、非時効冷延鋼板を製造する
方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したように
極低炭素化することにより、目的を達成するものであ
る。さらに詳しく述べれば、本発明は重量%でC<0.
0015%、Mn<0.50%、P<0.020%、S
<0.015%、Al<0.10%、N<0.0050
%で残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼
を、熱間圧延するに際しAr3 点温度以上で圧延を終了
し、熱延最終スタンドを出てから1.0秒以内に30℃
/秒以上の強制冷却する。続いて酸洗および冷間圧延を
施し、再結晶焼鈍を行うことを特徴とする深絞り用非時
効冷延鋼板の製造方法であり、更に上記組成の鋼にTi
<0.020、かつTi<4N%(以下、4N%を単
に4Nと略して記載する)添加することもできる。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。まず本発明
の重要な構成要件であるC,Ti量を特定することで深
絞り性が優れ、非時効鋼板が得られることを知見したラ
ボ実験について説明する。
【0008】C量を0.0003〜0.0040%、T
i量を0.040%以下で変えた極低炭素Alキルド鋼
を真空溶解炉で溶製し、熱延加熱温度を1200℃、板
厚4.0mm、仕上り温度890〜920℃、巻取り温度
が700℃の熱間圧延を行い、引き続いて酸洗、0.8
0mmまで冷延、775℃×1min の再結晶焼鈍、1.0
%の調質圧延を行い、材質特性を調査した。なお熱延最
終パスから強制冷却開始までの時間は0.5秒と2.0
秒で強制冷却速度は50℃/秒、15℃/秒であった。
C,Ti以外の鋼組成はSi:0.006〜0.010
%、Mn:0.18〜0.20%、P:0.006〜
0.008%、S:0.005〜0.009%、Al:
0.055〜0.060%、N:0.0023〜0.0
025%であった。
【0009】図1に、強制冷却条件が熱延最終パスから
強制冷却開始までの時間は0.5秒であり、強制冷却時
間が50℃/秒である場合のr値とCおよびTi量との
関係を示した。図中の線は特性の等高線である。図から
分かるようにC量が15ppm以上では従来技術と同様に
Ti添加によりr値が高くなるが、C量が15ppm 以下
になると、Ti添加量が4N以下、すなわち本試験では
Ti:0.01%以下で従来と異なりr値が向上する。
C:0.0015%以下、Ti:4N以下でr値2.4
という深絞り性の極めて優れた鋼板が製造できる。この
理由は次のように考えられる。極低炭素鋼にTi等の炭
窒化物形成元素を添加する場合はTi添加による固溶C
量が減少すると同時にTiC析出物が増加する2つの面
がある。この2つの要因が深絞り性に都合の良い方位へ
の冷延時の結晶回転、再結晶時の核生成・選択粒成長に
影響を及ぼす。C量が15ppm 以上では固溶Cの影響が
大きいためTiをN+C当量以上添加する必要がある。
しかし、Cが15ppm 以下になると固溶Cの影響がほと
んど無く、析出物の悪影響のみがでるためTiを4N以
上添加すると深絞り性が低下するものと考えられる。
【0010】時効指数については従来のTi無添加材に
ついてC含有量を変化させ、冷却条件別にC量と時効指
数(AI)の関係で図2に示した。図からわかるように
同一C量でも冷却条件によって時効性に差がある。C量
が高くても熱延後に強制冷却開始時間を0.5秒とし、
冷却速度:50℃/秒としたものは15ppm のC量でも
時効指数が1.0kg/mm2 以下になるに対し、冷却開始
時間2.0秒、冷却速度:15℃/秒としたものでは
C:15ppm で時効指数が4.8kg/mm2 と高く、C量
を7ppm にしても2kg/mm2 の時効性を示す。
【0011】冷却速度を50℃/秒の一定とし、最終パ
スから強制冷却開始までの時間を0.1〜2.0秒まで
変えた試験、冷却開始時間を0.5秒とし冷却速度を1
0〜150℃まで変えた試験を行った。用いた鋼は図1
の実験と同じもので、冷却条件以外の熱延、冷却条件も
同一である。上記試験での焼鈍は680℃×30秒で行
い、1.5%の調質圧延後に210℃×20分の高温時
効後にプレスを行いストレッチャーストレインの発生の
有無を調査した。また保定時間30秒で温度を変えた焼
鈍を行い再結晶温度を測定した。再結晶温度は顕微鏡観
察で冷延組織が無くなる温度で表した。その結果を図3
に冷却開始時間と、図4に冷却速度との関係で示した。
図からわかるように冷却開始時間を1.0秒以下にする
とC量が15ppm でもストレッチャーストレインが発生
しない。しかし、冷却開始時間が2.0秒では6ppm ま
でC量を低めてはじめてストレッチャーストレインの発
生を抑えられる。一方、図4から冷却速度を30℃/秒
以上にすると15ppm のC量でもストレッチャーストレ
インが生じない。
【0012】このようにC量以外に熱延後の冷却条件も
時効性に影響することを知見し、本発明を完成した。こ
の事実から最終スタンドをでてから1.0秒以内に30
℃/秒以上の冷却速度を特定した。好ましい範囲は最終
スタンドをでてから0.5秒以内、冷却速度は50℃/
秒である。図3には再結晶温度と強制冷却開始時間の関
係を併記した。この試験のC量範囲では再結晶温度にC
量が影響しなかったのでC量の違うものも平均値で示し
ている。再結晶温度は熱延最終パスから強制冷却開始ま
での時間が短時間になるほど低下する新知見を得た。特
に冷却開始時間が1.0の前後で再結晶温度の変化が大
きい。このことは低温で焼鈍しても再結晶が完了し、先
述の連続焼鈍時の高温焼鈍に起因する欠点を解決できる
という工業的に有益な知見である。
【0013】この実験事実から非時効性で、深絞り性が
良好となり、かつ低温焼鈍が可能な条件として、C<
0.0015%、Ti<0.010%、かつTi<4
N、熱延するに際し、圧延最終スタンドを出てから1.
0秒以内に30℃/秒以上の強制冷却する条件を特定し
た。好ましい範囲は強制冷却開始までの時間を0.5秒
以内、強制冷却速度50℃/秒である。従来法ではC量
を単に低下させるだけでは連続焼鈍で深絞り性を高くで
きなく、TiをC,N,Sの当量以上添加する必要があ
るとされていたが、C量を15ppm 以下にすれば、Ti
を添加しなくても、添加する場合でも0.020%以
下、かつ4N以下で非時効で極めて深絞り性の優れた鋼
板が製造できることを見いだした。この実験事実からC
量、Ti量を特定した。
【0014】以下本発明を構成する鋼組成について説明
する。Si,Mn,Pは鋼板の硬質化する元素であるこ
とが良く知られている。このためこれらの元素は低い方
が好ましいが、不可避的に混入するSに起因する熱間脆
性を回避するため、Mnは0.05%以上添加すること
が好ましい。上限は延性から0.50%以下にする必要
がある。Pも延性を確保するために0.020%以下に
する必要がある。Sは熱間脆性の原因となる元素である
ことが良く知られている。このためS量は0.015%
以下に特定した。
【0015】Alは添加元素ではなく脱酸剤が残存した
もので、鋼中のN成分と結合して結晶粒の粗大化を抑制
して深絞り性を向上する成分であるが、多量な含有は鋼
の加工性を劣化する問題から0.10%以下とした。N
はAlN,TiNとして析出し、再結晶温度上昇、結晶
粒成長を抑制し、深絞り性を良好とするのに害するので
低いほど好ましい。この理由からN<0.0050%を
特定した。好ましい範囲はN<0.0025%である。
【0016】Tiは先述したように従来技術のように多
量に添加する必要がなく、0.020%以下、Ti<4
Nで良い。Ti量をNの関係で特定した理由は先述の試
験結果で0.010%のTi量で深絞り性が良好な鋼板
が得られたが、この範囲はN量の4倍に相当しており、
0.020%以下、かつTi<4NのTi添加ではTi
Nのみが析出しており、一方、過剰Tiは本発明の方法
では深絞り性が劣化するためである。Tiは添加しなく
ても良いが、微量のTi添加により熱延巻取り温度が低
い場合でも優れた深絞り性が得られ、また再結晶温度が
低くなり、即ち低温で焼鈍しても優れた深絞り性を有す
る鋼板を製造できるという特徴がある。
【0017】このような組成の鋼は転炉等の通常の溶解
炉−真空脱ガス処理によって溶製される。続いて、連続
鋳造されて鋼片となる。続いて熱延されるが、熱延加熱
温度によって本発明の特徴が左右されないので、何度で
もかまわない。本発明では主に1050〜1250℃の
範囲で実施している。熱延仕上げ温度はAr3 以上にす
る必要がある。熱延仕上げ温度がAr3点以下になると
板厚制御が難しくなると共に鋼帯の形状が崩れ操業性を
悪化する。また本発明の熱延終了後の強制冷却開始時間
を早める効果がAr3 点温度以下では無くなる。仕上げ
熱延最終パスは通常、軽圧下であるが、最終圧下率を高
くすると本発明の特徴である深絞り性を向上、非時効性
を確保する最大C量を高めることができる。この点から
熱延仕上げ最終パスを20%以上、あるいは最終2パス
の累積圧下率を40%以上の熱延をすることが好まし
い。熱延仕上げスタンドをでてから1.0秒以内に30
℃/秒以上の強制冷却が必要である。好ましい範囲は熱
延仕上げ最終スタンドをでてから0.5秒以内、50℃
/秒以上の強制冷却速度である。本発明のようにTi等
の添加量が少ないか、または無い場合は鋼板の面内異方
性が大きくなる傾向にあり、面内異方性が大きいとプレ
ス成形性が劣化する。熱延後の冷却条件を熱延仕上げス
タンドを出てから1.0秒以内に30℃/秒以上の強制
冷却すると面内異方性も小さくなると同時に再結晶温度
も低下する。巻取り温度は特に規定しなくても良いが、
Ti添加がない時は深絞り性を高めるために650〜7
50℃で実施することが好ましい。Tiを添加した場合
は酸洗性、コイル内の材質バラツキを少なくするために
650℃以下とすることが好ましい。
【0018】このようにして製造された熱延板は脱スケ
ールして冷間圧延される。冷間圧延は通常の方法で行う
が高圧下冷延率の方が深絞り性に有利なので70%以上
とすることが好ましい。焼鈍は連続焼鈍でも箱焼鈍でも
かまわないが、本発明の効果は連続焼鈍方法で顕著であ
る。焼鈍温度は再結晶温度以上にすることが深絞り性を
確保するために必要である。本発明の方法は従来のIF
鋼のように再結晶温度が高くないので650〜800℃
の範囲で焼鈍しているが、もちろん800℃以上の高温
で焼鈍すればより優れた深絞り性、張り出し性の鋼板が
製造可能である。再結晶後の冷却は急速冷却しても、徐
冷しても良いし、過時効処理をしても、しなくても本発
明の特徴を損なわないので特に限定の必要がない。焼鈍
された鋼板は必要に応じ、調質圧延され、製品に供せら
れる。容器用等に用いられるブリキ、チィンフリースチ
ールは本発明の方法でT−1の軟質鋼板が製造可能であ
るので、調質圧延によりテンパー度を制御する従来技術
(特公昭51−4116号公報)を応用すれば全グレー
ドのブリキが調質工程のみで造り分けられる。なお本発
明の鋼板の製造法は冷延鋼板のみならず、鉛、亜鉛、ア
ルミニウム、クロム、錫−鉛合金等のメッキ鋼板の原板
まで対象範囲とすることができる。
【0019】
【実施例】
[実施例1]表1に記載成分の鋼を転炉溶製−真空脱ガ
ス処理によって溶製し、同表記載の条件で熱間圧延し
た。この熱延板を酸洗後に表2記載の条件で冷延、引き
続いて再結晶焼鈍、1.0%の調質圧延後材質特性を調
査し、同表に記載した。二次加工性は絞り比2.0の円
筒カップ絞り試験片を−100℃で円錐治具で押さえ側
壁の縦割れの有無で判定し、縦割れ無しが○、縦割れ発
生材を×で表現している。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】A,B,C,DはTiを添加していない鋼
の実施例である。どのコイルも共にr値が2.2以上の
優れた深絞り性を有しており、時効指数も零で非時効性
を示し、二次加工性も優れ、延性も54%以上の伸びを
有し優れている。F〜Kは微量Tiを添加した実施例で
ある。いずれもr値2.3以上で優れた深絞り性、時効
指数=0の非時効性、二次加工性も良好な特性を示す。
Hは冷延圧下率、焼鈍温度を高めた実施例である。この
コイルはr値が2.8、伸びが58%と極めて優れた加
工性を有している。LはC量が本発明範囲外の実施例で
ある。このコイルは深絞り性の指標であるr値が低く、
伸びも低い。また時効指数が50N/mm2 と時効性が大
きい。MはTi量が本発明範囲外の実施例ある。このコ
イルは従来技術で優れた深絞り性を有する製造法の実施
例である。非時効であるが、本発明範囲内の実施例に比
較すると延性、深絞り性が低く、二次加工性が劣ってお
り、加えてTi量が0.045%も添加することによる
合金コストが高い。NはAlが本発明範囲外の実施例で
あるが、伸び、r値が低い。Oは成分的には本発明範囲
にあるが熱延後の冷却条件が本発明範囲外の実施例であ
る。r値も本発明の実施例に比較して劣り、延性が低く
なり、時効性を示すようになり、本発明の目的を達成し
ない。以上実施例で詳細に説明したようにC,Ti量、
熱延後の冷却条件を満足することではじめて深絞り性が
優れ非時効、二次加工性が優れた鋼板が低コストで得ら
れることがわかる。
【0023】[実施例2]表3に示す化学組成の厚さ2
00mmの連続鋳造スラブを同表に示す熱延条件で熱延し
た。引き続いて酸洗後に同表に示す条件で冷延した。続
いて表4に示す条件で焼鈍・調質圧延し、Snメッキを
行い、210℃×20分の時効後に材質試験を実施し
た。その結果を表4に示した。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】本発明範囲で製造されたものはストレッチ
ャーストレインが発生しなく、フルーティング評点も良
好で非時効、軟質鋼板が得られることがわかる。C−1
はTi添加の実施例であるが巻取り温度が低いにもかか
わらずやはり非時効軟質鋼板が得られている。I−1は
調質圧延を25%と高めた実施例で、この板はDI成形
後にフランジ成形性を調査したが割れの発生もなく良好
に成形できた。
【0028】一方、成分的には本発明範囲内にあるが、
熱延条件が本発明範囲外のA−2,B−2,C−2,E
−2は硬質であり、肌あれが発生した。これらは組織を
観察すると未再結晶部が存在していた。また成分的には
本発明範囲内で、熱延後の冷却条件が本発明範囲外のD
−2の肌あれの発生が無いが、ストレッチャーストレイ
ンが発生、フルーティングが不合格で、硬度も高い。製
造方法は本発明範囲内であるが成分的に本発明範囲外の
K−1はストレッチャーストレインが発生、L−1は硬
質で肌あれが発生している。N−1はTiが本発明範囲
外の実施例であるが、やはり軟質な鋼板が得られていな
い。以上の実施例で分かるように、成分的にも熱延条件
も本発明範囲内ではじめて低温連続焼鈍でも軟質で非時
効な鋼板が製造できる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明によれ
ば非時効性で深絞り性が優れた、しかも二次加工性が良
好な冷延鋼板および軟質かつ非時効な表面処理鋼板を連
続焼鈍で製造できる。従来技術のようにTi,Nbを多
量に添加しなくてもよく、しかも連続焼鈍の焼鈍温度を
低くできるので低コストで製造できることからも工業的
にも極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】r値に及ぼすC量とTi量との関係を示す図。
【図2】時効指数に及ぼす熱延後の冷却条件、C量の影
響を示す図。
【図3】再結晶およびストレッチャーストレインに及ぼ
す再結晶温度およびC量と、強制冷却開始までの時間と
の影響を示す図。
【図4】再結晶およびストレッチャーストレインに及ぼ
す再結晶温度およびC量と強制冷却速度との影響を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 真之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 亀田 正春 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 村上 英邦 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭61−276930(JP,A) 特開 平1−188630(JP,A) 特開 昭60−155625(JP,A) 特公 昭61−7455(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C <0.0015%、 Mn<0.50%、 P <0.020%、 S <0.015%、 Al<0.10%、 N <0.0050%、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼を、
    熱間圧延するに際しAr3 点温度以上で圧延を終了し、
    最終圧延スタンドを出てから1.0秒以内に30℃/秒
    以上の冷却速度で強制冷却せしめ、続いて酸洗および冷
    間圧延、再結晶焼鈍を行うことを特徴とする深絞り用非
    時効冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C <0.0015%、 Mn<0.50%、 P <0.020%、 S <0.015%、 Al<0.10%、 N <0.0050%、 Ti<0.020%、 かつTi<4N、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼を、
    熱間圧延するに際しAr3 点温度以上で圧延を終了し、
    最終圧延スタンドを出てから1.0秒以内に30℃/秒
    以上の冷却速度で強制冷却せしめ、続いて酸洗および冷
    間圧延、再結晶焼鈍を行うことを特徴とする深絞り用非
    時効冷延鋼板の製造方法。
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