JP3237477B2 - セラミックコンデンサ - Google Patents
セラミックコンデンサInfo
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- JP3237477B2 JP3237477B2 JP20382295A JP20382295A JP3237477B2 JP 3237477 B2 JP3237477 B2 JP 3237477B2 JP 20382295 A JP20382295 A JP 20382295A JP 20382295 A JP20382295 A JP 20382295A JP 3237477 B2 JP3237477 B2 JP 3237477B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ヒートショック性を
改善した特に高圧用のセラミックコンデンサに関する。
改善した特に高圧用のセラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、遮断器、開閉器、レーザ用や電
源用等に用いられている従来の高圧セラミックコンデン
サは、図4(A)に示すように、円柱形に形成された誘
電体セラミック1の両端面に銀ペースト等を焼き付けて
電極2、2を設け、この電極2、2に金属端子3、3を
導電性接着剤等の接合材4を用いて固定した後、金属端
子3、3の端面を残して全体をエポキシ樹脂等の外装部
材5で覆った構造になっている。
源用等に用いられている従来の高圧セラミックコンデン
サは、図4(A)に示すように、円柱形に形成された誘
電体セラミック1の両端面に銀ペースト等を焼き付けて
電極2、2を設け、この電極2、2に金属端子3、3を
導電性接着剤等の接合材4を用いて固定した後、金属端
子3、3の端面を残して全体をエポキシ樹脂等の外装部
材5で覆った構造になっている。
【0003】上記金属端子3、3は、導電性を加味して
真鍮等の銅系の金属が用いられ、また接合材4には導電
性接着剤の他に半田等が用いられる。
真鍮等の銅系の金属が用いられ、また接合材4には導電
性接着剤の他に半田等が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、銅系の金属
端子3の線膨張係数は、表1に示すように、誘電体セラ
ミック1の2〜4倍と大きく、コンデンサにヒートショ
ックが加えられた時、特に低温時に線膨張係数差による
金属端子の応力によって、図4(B)の如くセラミック
1にクラック6が発生する。即ち、金属端子3の線膨張
係数が大きいため、温度の低下と共にセラミック1より
大きく収縮しようとし、その応力がセラミック1に加わ
って、セラミック1にクラック6が生じることになる。
端子3の線膨張係数は、表1に示すように、誘電体セラ
ミック1の2〜4倍と大きく、コンデンサにヒートショ
ックが加えられた時、特に低温時に線膨張係数差による
金属端子の応力によって、図4(B)の如くセラミック
1にクラック6が発生する。即ち、金属端子3の線膨張
係数が大きいため、温度の低下と共にセラミック1より
大きく収縮しようとし、その応力がセラミック1に加わ
って、セラミック1にクラック6が生じることになる。
【0005】
【表1】
【0006】上記のようなクラックの発生を防止する対
策として、金属端子を線膨張係数の小さいものに変え
て、セラミックに対する応力を小さくするという方法が
あるが、線膨張係数の小さい金属は、概して導電性が低
く、コンデンサの損失が大きくなってしまい、性能が低
下してしまう。しかも銅系の金属に比べ値段が高く、コ
ンデンサのコストアップにつながってしまう。
策として、金属端子を線膨張係数の小さいものに変え
て、セラミックに対する応力を小さくするという方法が
あるが、線膨張係数の小さい金属は、概して導電性が低
く、コンデンサの損失が大きくなってしまい、性能が低
下してしまう。しかも銅系の金属に比べ値段が高く、コ
ンデンサのコストアップにつながってしまう。
【0007】そこで、この発明の課題は、金属端子とセ
ラミックの接合部分で線膨張係数の差を吸収するように
し、ヒートショック性を改善したセラミックコンデンサ
を提供することにある。
ラミックの接合部分で線膨張係数の差を吸収するように
し、ヒートショック性を改善したセラミックコンデンサ
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、金属端子を、線膨張係数が金属
端子より小さくセラミックに近い有孔金属板を介在させ
て接合させた構成を採用したものである。尚、この有孔
金属板は例えばチタンで形成することができる。
するため、この発明は、金属端子を、線膨張係数が金属
端子より小さくセラミックに近い有孔金属板を介在させ
て接合させた構成を採用したものである。尚、この有孔
金属板は例えばチタンで形成することができる。
【0009】
【作用】電極と金属端子の間に介在させた有孔金属板は
線膨張係数が金属端子より小さく、セラミックに近いた
め、ヒートショック時の金属端子の収縮応力を有孔金属
板が吸収し、セラミックに応力が作用するのを緩和し、
セラミックのクラック発生を防止する。
線膨張係数が金属端子より小さく、セラミックに近いた
め、ヒートショック時の金属端子の収縮応力を有孔金属
板が吸収し、セラミックに応力が作用するのを緩和し、
セラミックのクラック発生を防止する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面の図1乃
至図3に基づいて説明する。
至図3に基づいて説明する。
【0011】図1と図2に示すように、セラミックコン
デンサは、誘電体セラミック1の両端面に設けた電極
2、2に導電性の接合材4を用いて金属端子3、3を固
定するのであるが、電極2、2と金属端子3、3の間に
有孔金属板11を介在させ、セラミック1の外側を両金
属端子3、3の端面を残してエポキシ樹脂系の外装樹脂
5でモールドした構造になっている。
デンサは、誘電体セラミック1の両端面に設けた電極
2、2に導電性の接合材4を用いて金属端子3、3を固
定するのであるが、電極2、2と金属端子3、3の間に
有孔金属板11を介在させ、セラミック1の外側を両金
属端子3、3の端面を残してエポキシ樹脂系の外装樹脂
5でモールドした構造になっている。
【0012】上記誘電体セラミック1は、SrTiO3
を主成分とした粉末原料を円柱状に成形焼成し、このセ
ラミック1の両端面に設けた電極2、2は銀ペーストを
印刷して焼付けることによって形成され、この電極2、
2上に設ける接合材4は導電性のエポキシ樹脂系接着剤
を印刷して形成される。
を主成分とした粉末原料を円柱状に成形焼成し、このセ
ラミック1の両端面に設けた電極2、2は銀ペーストを
印刷して焼付けることによって形成され、この電極2、
2上に設ける接合材4は導電性のエポキシ樹脂系接着剤
を印刷して形成される。
【0013】前記有孔金属板11は、その線膨張係数が
金属端子3より小さく、誘電体セラミック1に近い材質
を用い、接合材4上に置いた状態でその上に金属端子3
を載せ、加熱硬化させることにより、有孔金属板11の
孔12を埋める接合材4が電極2上に金属端子3を固定
することになる。
金属端子3より小さく、誘電体セラミック1に近い材質
を用い、接合材4上に置いた状態でその上に金属端子3
を載せ、加熱硬化させることにより、有孔金属板11の
孔12を埋める接合材4が電極2上に金属端子3を固定
することになる。
【0014】上記有孔金属板11は、図3(A)の場
合、1mm角の四角い孔12を多数並べて設けたが、孔
12は図3(B)のように円形孔のほか、多角形や不定
形の何れの形状でも同様の効果が得られ、図3(C)は
有孔金属板11として金網で形成した例を示している。
合、1mm角の四角い孔12を多数並べて設けたが、孔
12は図3(B)のように円形孔のほか、多角形や不定
形の何れの形状でも同様の効果が得られ、図3(C)は
有孔金属板11として金網で形成した例を示している。
【0015】この有孔金属板11の材質は、例えばチタ
ンTR28Cを用いるが、真鍮に比べセラミック1に与
える応力が小さくなるような材質の金属を用いればクラ
ック発生の防止効果が得られる。特に、線膨張係数がセ
ラミックのそれに近く、弾性率が小さいものがより好ま
しい。なお、金属板11として孔を有さないものを用い
ることは、応力緩和効果が劣化するとともに、金属板1
1と電極2との導電性も劣化する恐れがあるため好まし
くない。
ンTR28Cを用いるが、真鍮に比べセラミック1に与
える応力が小さくなるような材質の金属を用いればクラ
ック発生の防止効果が得られる。特に、線膨張係数がセ
ラミックのそれに近く、弾性率が小さいものがより好ま
しい。なお、金属板11として孔を有さないものを用い
ることは、応力緩和効果が劣化するとともに、金属板1
1と電極2との導電性も劣化する恐れがあるため好まし
くない。
【0016】例えば、SUS631等の析出硬化系ステ
ンレス、SUS430等のフェライト系ステンレス、S
US410S等のマルテンサイト系ステンレス、パーマ
ロイ等の鉄−ニッケル合金は、線膨張係数が小さいので
応力緩和効果が得られる。
ンレス、SUS430等のフェライト系ステンレス、S
US410S等のマルテンサイト系ステンレス、パーマ
ロイ等の鉄−ニッケル合金は、線膨張係数が小さいので
応力緩和効果が得られる。
【0017】次に、有孔金属板11を用いたこの発明の
セラミックコンデンサと、有孔金属板を用いていない従
来のセラミックコンデンサを用いて行なったヒートショ
ック試験の結果を表2に示す。表中Gはクラックの発生
なしを示し、NGはクラック発生と発生の割合を示す。
セラミックコンデンサと、有孔金属板を用いていない従
来のセラミックコンデンサを用いて行なったヒートショ
ック試験の結果を表2に示す。表中Gはクラックの発生
なしを示し、NGはクラック発生と発生の割合を示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2から明らかなように、従来品では30
0サイクルでクラックが発生したのに対し、本発明の実
施例では1000サイクルまでクラックは発生しなかっ
た。
0サイクルでクラックが発生したのに対し、本発明の実
施例では1000サイクルまでクラックは発生しなかっ
た。
【0020】表3は、有孔金属板11として用いるチタ
ンと、セラミック及び金属端子を形成する真鍮の線膨張
係数と剛性であるヤング率の材料定数を示している。
ンと、セラミック及び金属端子を形成する真鍮の線膨張
係数と剛性であるヤング率の材料定数を示している。
【0021】
【表3】
【0022】この発明のセラミックコンデンサは、真鍮
に比べ線膨張係数がセラミックに近いチタン製の有孔金
属板11を真鍮製の金属端子3とセラミック1の間に挿
入しているので、コンデンサのヒートショック時におい
て、低温時の金属端子3の収縮応力を有孔金属板11が
吸収し、セラミック1に収縮応力が作用するのを緩和
し、これによってセラミックコンデンサのヒートショッ
ク性が改善される。
に比べ線膨張係数がセラミックに近いチタン製の有孔金
属板11を真鍮製の金属端子3とセラミック1の間に挿
入しているので、コンデンサのヒートショック時におい
て、低温時の金属端子3の収縮応力を有孔金属板11が
吸収し、セラミック1に収縮応力が作用するのを緩和
し、これによってセラミックコンデンサのヒートショッ
ク性が改善される。
【0023】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、金属
端子とセラミックの間に、線膨張係数が金属端子より小
さくセラミックに近い有孔金属板を介在させたので、セ
ラミックコンデンサのヒートショック時の低温時におけ
る金属端子の収縮応力を有孔金属板が吸収し、該収縮応
力がセラミックに作用するのを緩衝し、セラミックにク
ラックが発生するのを防止してセラミックコンデンサの
ヒートショック性を改善することができる。
端子とセラミックの間に、線膨張係数が金属端子より小
さくセラミックに近い有孔金属板を介在させたので、セ
ラミックコンデンサのヒートショック時の低温時におけ
る金属端子の収縮応力を有孔金属板が吸収し、該収縮応
力がセラミックに作用するのを緩衝し、セラミックにク
ラックが発生するのを防止してセラミックコンデンサの
ヒートショック性を改善することができる。
【0024】また、有孔金属板を用いても導電性等従来
の性能を損なうことなく、かつ、コストアップを最小限
に抑えたままヒートショック性を改善できる。
の性能を損なうことなく、かつ、コストアップを最小限
に抑えたままヒートショック性を改善できる。
【図1】この発明に係るセラミックコンデンサの分解斜
視図。
視図。
【図2】同上の縦断正面図。
【図3】(A)乃至(C)は有孔金属板の異なった例を
示す平面図。
示す平面図。
【図4】(A)は従来のセラミックコンデンサを示す縦
断正面図、(B)は同上のクラック発生を示す説明図。
断正面図、(B)は同上のクラック発生を示す説明図。
1 誘電体セラミック 2 電極 3 金属端子 4 接合材 5 外装部材 11 有孔金属板 12 孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−124254(JP,A) 特開 平6−45180(JP,A) 実開 平4−121722(JP,U) 実開 平3−96028(JP,U) 実開 昭56−114532(JP,U) 実開 平4−25221(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/12
Claims (2)
- 【請求項1】 誘電体セラミックの両端面に形成した電
極に導電性の接合材を用いて金属端子を電気的に固定
し、金属端子の端面を残して全体を外装部材で覆ったセ
ラミックコンデンサにおいて、前記金属端子は、線膨張
係数が金属端子より小さくセラミックに近い有孔金属板
を介在させて接合されていることを特徴とするセラミッ
クコンデンサ。 - 【請求項2】 有孔金属板がチタンで形成されている請
求項1記載のセラミックコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20382295A JP3237477B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | セラミックコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20382295A JP3237477B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | セラミックコンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0935987A JPH0935987A (ja) | 1997-02-07 |
JP3237477B2 true JP3237477B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=16480295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20382295A Expired - Fee Related JP3237477B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | セラミックコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3237477B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3206735B2 (ja) * | 1998-01-29 | 2001-09-10 | ティーディーケイ株式会社 | セラミックコンデンサ |
JP5716078B2 (ja) * | 2013-12-04 | 2015-05-13 | 太陽誘電株式会社 | セラミックコンデンサ |
JP5876177B2 (ja) * | 2015-03-16 | 2016-03-02 | 太陽誘電株式会社 | セラミックコンデンサ |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP20382295A patent/JP3237477B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0935987A (ja) | 1997-02-07 |
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