JP3237245B2 - 緩衝部材及び緩衝部材の製造方法 - Google Patents

緩衝部材及び緩衝部材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、商品等の被梱包物を梱
包箱に収納する緩衝部材及び緩衝部材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、被梱包物を梱包箱に収納する場
合、外部からの衝撃を緩衝するために梱包箱と被梱包物
との間に発泡スチロールを嵌め込むことが一般であっ
た。
【0003】しかし、この発泡スチロールを使用した
後、廃却処理するためには、発泡スチロールを焼却する
ならば、その焼却によるガスが原因で大気が汚染され、
また、発泡スチロールを地中に埋込むならば、発泡スチ
ロールは分解しないので、いつまでも存在することとな
り、地球環境にとって悪影響を及ぼすものとなってい
た。
【0004】このため、図8に示すように、発泡スチロ
ールの替わりに、段ボール等の紙材で筒状に折曲形成さ
れた緩衝部材を、梱包箱の各辺に対応する数だけ梱包箱
と被梱包物との間に嵌め込むことによって、被梱包物を
梱包箱に収納していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した緩衝部材によ
れば、段ボール等の紙材で筒状に折曲形成された緩衝部
材を梱包箱の各辺に対応する梱包箱と被梱包物との間に
別々に嵌め込む構成であるため、梱包箱のコーナーに衝
撃が加わると、図8に示すように、コーナー1aに位置す
る緩衝部材3aからの力がA点に加わり、緩衝部材3aが図
8において下方向ずれようとする。この場合、被梱包物
2 に押圧力が加わり、被梱包物が壊れ易くなるという問
題があった。
【0006】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、梱包箱のコーナーに衝撃
が加わっても緩衝部材がずれにくく、もって被梱包物が
壊れにくい緩衝部材及び緩衝部材の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の緩衝部材
は、梱包箱に衝撃を緩衝するよう被梱包物を収容するた
めに梱包箱と被梱包物との間に介在させる紙材で形成さ
れた緩衝部材であって、梱包箱当接部と被梱包物当接部
とを隔てて形成した基体と、梱包箱当接部と被梱包物当
接部とを隔てて形成し基体の両端から連設された対向体
とからなり、梱包箱のコーナーに当接する基体又は対向
体は、その被梱包物当接部を梱包箱のコーナーに当接し
ない対向体又は基体の梱包箱当接部から連設させるとと
もに、梱包箱のコーナーに当接しない対向体又は基体の
被梱包物当接部の端部が、梱包箱のコーナーに当接する
基体又は対向体の被梱包物当接部に当接するよう形成し
た構成としてある。
【0008】請求項2記載の緩衝部材の製造方法は、略
四角形状の紙材に2つの切溝を略平行となるよう略中央
まで形成し、この切溝を区切りとして中央部を折曲して
筒状とし、切溝を区切りとして残余部を中央部とは逆方
向に折曲して筒状となるよう形成し、切溝の延長線上を
支点として残余部を中央部側に折曲することにより行う
ようにしている。
【0009】
【作用】請求項1記載の構成によれば、梱包箱のコーナ
ーに衝撃が加わると、基体と対向体との連設位置に衝撃
が加わった後、それを支点として対向体又は基体の被梱
包物当接部の端部が基体又は対向体の被梱包物当接部に
当接し、衝撃力が基体の被梱包物当接部と対向体の被梱
包物当接部とに分力される。
【0010】請求項2記載の構成によれば、一つの紙材
を折曲することによって緩衝部材を製造することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図7に基
づいて説明する。なお、従来例と基本的機能が同様の部
材には同じ符号を付している。
【0012】すなわち、梱包体は、図1に示すように、
段ボール等で形成された梱包箱1 と、この梱包箱1 に収
納される商品等の被梱包物2 と、梱包箱1 と被梱包物2
との間に介在させる緩衝部材3 とから構成されている。
緩衝部材3 は、図2に示すように、段ボール等の紙材を
屈曲して形成し、梱包箱当接部6 と被梱包物当接部7と
を有した基体4 と、梱包箱当接部8 と被梱包物当接部9
とを有し基体4 の両端から連設された対向体5 とから構
成されている。基体4 は、梱包箱当接部6 及び被梱包物
当接部7 間を隔てて形成し、梱包箱1 の側面に当接する
ように配設される。対向体5 は、梱包箱当接部8 及び被
梱包物当接部9 間を隔てて形成し、梱包箱1 のコーナー
1aに当接するように配設される。梱包箱1 に緩衝部材3
を配設した状態で、基体4の被梱包物当接部7の端部4a
(図3参照)が対向体5 の被梱包物当接部8 に当接し、
被梱包物当接部8 が基体4 の被梱包物当接部7の端部4a
に当接する。これにより、基体4 と対向体5 との間の角
度を常に一定に保ことができるのである。
【0013】かかる緩衝部材は、梱包箱1 のコーナー1a
に衝撃が加わると、図3に示すように、まず衝撃力Fが
梱包箱1 に当接する対向体5 に加わる。次に、対向体5
及び基体4 の連設点A点に衝撃力が加わり、A点を支点
として時計方向の回転力が対向体5 に発生するがB点に
当たって回転力が止まる。そして、衝撃力Fが基体4の
被梱包物当接部7 方向と対向体5 の被梱包物当接部8 方
向とにそれぞれ分力(f1,f2)される。
【0014】この緩衝部材は、四角形状をなした段ボー
ル等の紙材を折曲して形成する。まず、図4に示すよう
に、紙材10に4つの切溝11,11,12,12 を略平行となるよ
う略中央まで形成する。次に、図5に示すように、切溝
11,11,12,12 を区切りとして中央部4 (基体)を破線で
折曲して筒状とする。次に、図6に示すように、切溝1
1,11,12,12 を区切りとして残余部5 (対向体)を中央
部4 とは逆方向に破線で折曲して筒状とする。次に、図
7に示すように、切溝11,11の延長線上13, 13を支点と
して残余部5 を中央部4 側に折曲することによって緩衝
部材3 を形成するのである。
【0015】なお、本実施例によれば、緩衝部材は、対
向体を梱包箱のコーナーに当接するように形成している
が、基体が梱包箱のコーナーに当接し、対向体が梱包箱
のコーナーに当接しないものでもよい。また、基体と対
向体との長さは、梱包箱や被梱包物の大きさに合わせて
適宜定めるとよい。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の緩衝部材によれば、梱包
箱のコーナーに衝撃が加わると、基体と対向体との連設
位置に衝撃が加わった後、それを支点として対向体又は
基体 被梱包物当接部の端部が基体又は対向体の被梱包
物当接部に当接し、衝撃力が基体の被梱包物当接部と対
向体の被梱包物当接部とに分力されるので、梱包箱のコ
ーナーに衝撃が加わっても緩衝部材がずれにくく、もっ
て被梱包物が壊れにくいものとなる。
【0017】請求項2記載の緩衝部材の製造方法によれ
ば、一つの紙材を折曲することによって緩衝部材を製造
することができ、被梱包物と梱包箱とに嵌め込む作業が
簡単なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を組み込んだ梱包体の分解斜
視図である。
【図2】図1のものの要部を示す斜視図である。
【図3】図1のものの梱包箱のコーナーに衝撃が加わっ
た状態を示す説明図である。
【図4】紙材に切溝を設けた状態を示す正面図である。
【図5】図4のものの中央部を折曲した状態を示す斜視
図である。
【図6】図5のものの残余部を折曲した状態を示す斜視
図である。
【図7】図6のものの残余部を中央部方向に折曲した状
態を示す斜視図である。
【図8】従来のものの梱包箱のコーナーに衝撃が加わっ
た状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 梱包箱 1a コーナー 2 被梱包物 3 緩衝部材 4 基体(中央部) 4a 端部 5 対向体(残余部) 6 梱包箱当接部 7 被梱包物当接部 8 梱包箱当接部 9 被梱包物当接部 10 紙材 11 切溝 12 切溝 13 切溝の延長線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−22293(JP,A) 実開 平4−121272(JP,U) 実開 平2−108823(JP,U) 実開 昭55−318(JP,U) 実開 昭53−121280(JP,U) 実開 昭52−70676(JP,U) 実開 平6−44773(JP,U) 実開 昭50−17379(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/113 B65D 5/50 101 B65D 77/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梱包箱に衝撃を緩衝するよう被梱包物を
    収容するために梱包箱と被梱包物との間に介在させる紙
    材で形成された緩衝部材であって、梱包箱当接部と被梱
    包物当接部とを隔てて形成した基体と、梱包箱当接部と
    被梱包物当接部とを隔てて形成し基体の両端から連設さ
    れた対向体とからなり、梱包箱のコーナーに当接する基
    体又は対向体は、その被梱包物当接部を梱包箱のコーナ
    ーに当接しない対向体又は基体の梱包箱当接部から連設
    させるとともに、梱包箱のコーナーに当接しない対向体
    又は基体の被梱包物当接部の端部が、梱包箱のコーナー
    に当接する基体又は対向体の被梱包物当接部に当接する
    よう形成したことを特徴とする緩衝部材。
  2. 【請求項2】 略四角形状の紙材に2つの切溝を略平行
    となるよう略中央まで形成し、この切溝を区切りとして
    中央部を折曲して筒状とし、切溝を区切りとして残余部
    を中央部とは逆方向に折曲して筒状となるよう形成し、
    切溝の延長線上を支点として残余部を中央部側に折曲す
    る緩衝部材の製造方法。
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