JP3735908B2 - 電気掃除機の梱包装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機を収納する電気掃除機の梱包装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気掃除機の梱包装置に用いられる緩衝材は、環境破壊に繋がるとされる発泡スチロール等の樹脂によるものから、紙などのリサイクル可能な材料を使用した物に移行しつつある。
【0003】
これらの中で、段ボールを緩衝材として用いる物には、特開平6−72486号公報に示されたものある。すなわち、掃除機本体1の底部に密接するシート状の底部固定材3に、掃除機本体1より突出する脚部或いは車輪の当接部分に凹部3cを設けることにより掃除機本体の動揺を阻止すると共に、掃除機本体1とは逆方向に複数箇所の折り曲げ部3aを設けることにより、外箱2に底部と掃除機本体1の底部との間に空間を設けることが可能となる。また掃除機本体1の上部に門型に折り曲げた段ボールなどのシート状の上部固定材4を配することにより、掃除機本体1の動揺を阻止することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の構成では、底部固定材3や上部固定材4がシート状であり、変形の度合いが大きいために掃除機本体の動揺阻止が不充分となることがある。
【0005】
また、外箱のみで荷重を受ける構造であるために、積み重ね等により外箱の変形が発生しやすく、最悪の場合掃除機本体に大きな荷重が加わり掃除機本体の破壊を招くことがある。
【0006】
本発明はこれらの課題を解消して荷重や衝撃から掃除機本体を保護する能力の高い、段ボール材を用いた電気掃除機の梱包装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより、掃除機本体を固定するための開口部と、この開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、開口平面と連接して設けられたフラップの端部を同緩衝構造体の他の面に設けた係止穴に係止することにより構成される受圧フラップの端部を、係止穴に挿入される部分と係止穴を設けた平面に対して垂直に当接する部分の2つの部分より構成し、前記受圧フラップの端部の垂直・水平の両方向の動きを規制した事を特徴とするもので、掃除機本体が外装箱内で動揺することのないよう、強固に固定することができ、かつ荷重に強くすることができる。また受圧フラップに対してかかる荷重のうち、垂直・水平の各成分を支えることができるため、緩衝構造体の中で最も面積が広く変形しやすい開口平面と、これと相対する平面の間隔を押し縮めるような力が働いても、係止穴を設けた面に当接する部分によって緩衝構造体の変形を最小限にとどめることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項に記載の発明は、段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、開口平面と連接して設けられたフラップの端部を同緩衝構造体の他の面に設けた係止穴に係止することにより構成される受圧フラップ端部を、係止穴に挿入される部分と係止穴を設けた平面に対して垂直に当接する部分の2つの部分より構成し、前記受圧フラップ端部の垂直・水平の両方向の動きを規制した。これにより掃除機本体が外装箱内で動揺することのないよう、強固に固定することができ、かつ荷重に強くすることができる。また、受圧フラップに対してかかる荷重のうち、垂直・水平の各成分を支えることができるため、緩衝構造体の中で最も面積が広く変形しやすい開口平面と、これと相対する平面の間隔を押し縮めるような力が働いても、係止穴を設けた面に当接する部分によって緩衝構造体の変形を最小限にとどめることができる。
【0009】
本発明の請求項に記載の発明は、開口平面の、受圧フラップに連続する部分のみを開口平面の他の部分と連続面を持たないよう独立させたもので、緩衝構造体の開口平面の、受圧フラップに連続する部分のみを開口平面の他の部分と連続面を持たないよう独立させることで、梱包に衝撃が加わっても段ボールの折曲部で生じるバネ効果により、掃除機本体に加わる緩衝を吸収することができる。
【0010】
本発明の請求項に記載の発明は、段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、前記開口部外周の掃除機本体の外面に当接する部分に設けたフラップの折曲線上に一個、或いは複数個の穴を設けたもので、掃除機本体が外装箱内で動揺することのないよう、強固に固定することができ、かつ荷重に強くすることができる。また、緩衝構造体開口部外周の掃除機本体の外面に当接する部分に設けたフラップの折曲線上に一個、或いは複数個の穴を設けることにより、フラップ平面が変形しやすくなり、曲率の小さい外径の曲面や小さな突起部などであれば、フラップのバネ効果を落とすことなく疑似曲線を作り出すことができる。
【0011】
本発明の請求項に記載の発明段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、前記緩衝構造体および外装箱の、掃除機本体の把手に近接する部分に運搬穴を設け、梱包装置の外部から掃除機本体の把手を握れるようにしたもので、緩衝構造体および外装箱の、掃除機本体の把手に近接する部分に運搬穴を設け、梱包装置の外部から掃除機本体の把手を握れるようにすることにより、製品持ち帰りなどの際に運搬用のひもを掛けたりすることなく容易に持ち運びができる。
【0012】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の梱包装置の分解斜視図である。掃除機本体5は前後をそれぞれ前部緩衝構造体6と後部緩衝構造体7により挟持されており、この状態で外装箱8に収納される。これらの上部にはノズル、延長管、ホース等を内包した付属品箱9が収納される。5aは掃除機本体5の一部に設けた把手であり、前部緩衝構造体6と外装箱8の把手5aに近接する部分にはそれぞれ運搬穴a6aと運搬穴b8aが設けられる。
【0014】
図2は後部緩衝構造体7の斜視図であり、図3はその展開図である。
【0015】
図3に示す段ボールシート材を折線に沿って折り曲げ、背面外10の内側に背面内11を、側面外12の内側に側面内13を、それぞれ貼り付けることで後部緩衝構造体7の箱状の外形が形成される。開口平面14には多くの穴と切り込みが有り、これらによりフラップa15、フラップb16、フラップc17、フラップd18、フラップe19、フラップf20、フラップg21、および受圧フラップ22が形成される。受圧フラップ22の端部23を係止穴a24および係止穴b25に係止させることにより受圧フラップ端部23は下方への動きを規制される。また、受圧フラップ端部23の一部に端部当接部23aを設けているので、受圧フラップ端部23の背面内11側への水平方向の動きは規制される。フラップ17、18および受圧フラップ22の折曲線上にはそれぞれ穴a26,穴b27,穴c28が設けられている。連接面14aは開口平面14上の他の部分とこの平面上で接続していないため、折曲部を中心に回動自在である。
【0016】
図4は複両面段ボールの断面図である。段数が多く薄い外面29と、段数が少なく厚い内面30からなっている。
【0017】
図5は、フラップe19付近を梱包状態でフラップに対して垂直に断面したものである。
【0018】
掃除機本体9と外装箱8の間には側面外12、側面内13およびフラップe19が隙間なく挟まった状態になっているが、開口平面14とフラップe19の折曲線は図中a部に空間が形成されるよう、掃除機本体5より離されている。
【0019】
前部緩衝構造体6についても、掃除機本体5に合わせた開口部の形状が異なる以外は後部緩衝構造体7とほぼ同様の構成をとる。
【0020】
次に上記構成における動作・作用について説明する。
【0021】
箱状の前後緩衝構造体6、7が、外装箱8にかかる上下方向の荷重を支えるので、外装箱8をつぶれにくくすることができ、開口平面14に設けたフラップa15、フラップb16、フラップc17、フラップd18、フラップe19、フラップf20、フラップg21および受圧フラップ22により、掃除機本体5が外装箱8内で動揺することがないよう強固に固定することができる。また側面および背面を二重壁とし更にこれらを接着することで、より一層上下方向の荷重に対して強くすることができる。
【0022】
また、後部緩衝構造体7内部の掃除機本体5の下面と当接する部分に、設けた受圧フラップ22の端部23を、同緩衝構造体7の背面外10と背面内11に設けた係止穴a24と係止穴b25に係止させるので、掃除機本体5の重量を広い面で確実に受けて背面10,11にも荷重を分配することで、緩衝構造体7が掃除機本体5の重量によって過度に変形したり、破壊されたりするのを防ぐことができる。
【0023】
また、後部緩衝構造体7の受圧フラップ端部23の一部に端部当接部23aを設けているので、受圧フラップ22が開口平面14と背面内11をつなぐ梁の役目を果たし、開口平面14と背面内11の間隔を押し縮めるような前後方向の力が働いても、後部緩衝構造体7の変形を最小限にとどめることができる。
【0024】
また、後部緩衝構造体7の開口平面14と連接面14aが連続面を持たないよう独立させることで、段ボールの折曲部で生じるバネ効果による緩衝力を最大限に生かすことができ、掃除機本体5に加わる衝撃を和らげることができる。
【0025】
また、後部緩衝構造体7に外面29と内面30の段数が異なる複両面段ボールを用いることで、フラップ等の折曲部で生じるバネ効果を更に大きなものとし、緩衝効果を高めることができる。
【0026】
また、後部緩衝構造体7の掃除機本体5の外面に当接する部分に設けたフラップc17およびフラップd18の折曲線上に穴a26および穴b27を設けることで、フラップ平面が変形しやすくなり、フラップ折曲部でのバネ効果を低下させることなく、容易に疑似曲線を作り出すことができる。
【0027】
また、後部緩衝構造体7の内側の平面に掃除機本体5を直接、或いはフラップ等を介して間接的に当接させることで、掃除機本体5をより強固に固定することができ、かつ段ボール断面特有の平面に垂直方向の衝撃に対する緩衝効果により掃除機本体に加わる外装箱8外部の衝撃を和らげることができる。
【0028】
また、後部緩衝構造体7に設けたフラップの折曲線に当たる開口部輪郭を、掃除機本体5の輪郭よりも僅かに大きくすることにより、掃除機本体5は各フラップ、受圧フラップ22、後部緩衝構造体7内面など、面を中心として支えられることになるため、線で支持される部分が減少し、それに伴い梱包物が振動等にさらされた際に発生する擦り傷を減少させることができる。
【0029】
また、前部緩衝構造体6と外装箱8の、把手5aに近接する部分に運搬穴a6aおよび運搬穴b8aを設けることにより、製品持ち帰りなどの際に、運搬用のひも等をかけることなく容易に持ち運びができる。
【0030】
さらに本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態中の床移動型電気掃除機以外に縦型電気掃除機で用いるなど、発明の趣旨を変更しない範囲において種々の修正、設計変更が可能であることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、以下のような特有の効果を有する。(1)多重壁はその内面に掃除機本体を当接させたとき、緩衝効果を高める。(2)容易に強固な固定力が得られる接着による組立法は、はめ込みなどの組立法に比べて、緩衝構造体の強度確保や、組立の自動化の面で有利であり、梱包装置全体の才数減少やコスト低下が図りやすい。(3)フラップの折曲線に設けた穴は緩衝効果も生む。(4)開口平面の一部を利用してフラップや受圧フラップを形成しているため、段ボールの使用面積が少なくてすみ材料コストを安くすることができる。(5)運搬の際、被梱包物のうち最も重量が大きい掃除機本体の把手を直接持つことができるので、外装箱に開口部を設けてその部分を持つ場合などと比較して、開口部の段ボール端面が指に食い込んだり、開口部が梱包の重量のために破れてきたりといったことが無く、長時間の運搬にも充分耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の梱包装置の分解斜視図
【図2】 同緩衝構造体を示す斜視図
【図3】 同緩衝構造体の展開図
【図4】 同緩衝構造体の要部断面図
【図5】 同梱包装置の要部断面図
【図6】 従来例を示した電気掃除機の梱包装置の分解斜視図
【符号の簡単な説明】
5 掃除機本体
5a 把手
6 前部緩衝構造体
6a 運搬穴a
7 後部緩衝構造体
8 外装箱
8a 運搬穴b
17 フラップc
19 フラップe
22 受圧フラップ
23 端部
23a 係止端面
24 係止穴a
26 穴a

Claims (4)

  1. 段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、開口平面と連接して設けられたフラップの端部を同緩衝構造体の他の面に設けた係止穴に係止することにより構成される受圧フラップ端部を、係止穴に挿入される部分と係止穴を設けた平面に対して垂直に当接する部分の2つの部分より構成し、前記受圧フラップ端部の垂直・水平の両方向の動きを規制した事を特徴とする電気掃除機の梱包装置。
  2. 開口平面の、受圧フラップに連続する部分のみを前記開口平面の他の部分と連続面を持たないよう独立させたことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機の梱包装置。
  3. 段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、前記開口部外周の掃除機本体の外面に当接する部分に設けたフラップの折曲線上に一個、或いは複数個の穴を設けたことを特徴とした電気掃除機の梱包装置。
  4. 段ボール材を折曲して成る箱体に切り込みを入れることにより掃除機本体を固定するための開口部とこの開口部外周にフラップを設けた緩衝構造体を掃除機本体の前後、左右、上下、或いは角部の何れか複数箇所に設けて、緩衝構造体で掃除機本体を挟持した状態で外装箱内に収納し、前記緩衝構造体および外装箱の、掃除機本体の把手に近接する部分に運搬穴を設け、梱包装置の外部から掃除機本体の把手を握れるようにしたことを特徴とする電気掃除機の梱包装置。
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CN108639541A (zh) * 2018-06-11 2018-10-12 四川省思硕教育科技有限公司 一种计算机邮递用减震安装箱

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