JP3237113U - 柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーン - Google Patents
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Description
本考案は、柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーンに関するものである。
近年では、スプーン等の柄付き器具では、衛生面の観点から使用後に廃棄可能なものが広く用いられている。これらの廃棄可能な柄付き器具は、環境問題への配慮から、プラスチック成型品ではなく、厚紙で成形されたものが多く存在する。
例えば、1枚の厚紙から成形された柄付き器具として、組立式の計量スプーンが提案されている(特許文献1)。この計量スプーンは、スプーン全体が平板状の厚紙で構成されており、この厚紙を折り曲げて組み立てることで、立体的なスプーンとなる。そして、厚紙製であるため、使用後には容易に廃棄できる。
ところで、一般に、厚紙で成形された柄付き器具、例えば、厚紙で成形されたスプーンは、一定の重さ以上の物を掬おうとすると、柄の部分がその物の重さに耐えきれずに折れ曲がってしまう恐れがあった。そのため、柄の部分は、スプーンで掬われる物の重さに対して、十分に耐え得る程度の強度を有することが非常に重要である。
そこで、上記した計量スプーンでは、スプーンの柄に相当する把持部が、折り返されて重ね合わせられた一対の厚紙からなる側板で構成されている。この一対の側板は、下方に配置された折曲部を軸にして上方に向けて谷折りに折り返されて、略隙間なく密接して重ね合わせられている。そのため、把持部では、重ね合わせられた厚紙の剛性によって、把持部を鉛直方向に向けて折り曲げとする力に対して十分な強度が確保されている。
しかし、上記した把持部は、一対の側板を重ね合わせたものであるため、スプーンの使用時には、使用者が把持部を摘まんだ状態又は把持部全体を握った状態で使用しなければならず、非常に使いにくいものであった。
また、例えば、上記した把持部と同様の構成として、厚紙で成形された飲食用の市販品のスプーンの中には、把持部が略V字形に折り曲げられた一対の側板によって構成されたものが存在する。このような把持部を備えたスプーンでは、スプーンの使用時に使用者が把持部を把持する力を緩めてしまうと、一対の側板が厚紙の剛性によって開いてしまうことがあった。そうすると、把持部の一定の強度を確保したまま使用を継続するためには、一対の側板が開かないように使用者が常に気を遣いながら使用しなければならなかった。
さらに、飲食用のスプーンを使用するような場合には、使用者はスプーンの把持部、すなわち、柄の部分を鉛筆等の筆記具と同様の持ち方で把持することが通常である。しかし、上記した計量スプーン又は略V字形の一対の側板で把持部が構成されたスプーンでは、把持部を筆記具と同様の持ち方で把持することが困難であり、その柄の構造が飲食用のスプーンとしては非常に扱いくいものであった。そのため、使用者が把持しやすい柄付き食器の柄構造が求められている。
そこで、本考案は、柄付き食器の柄として十分な強度の確保ができると共に、使用者が把持しやすい柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーンの提供を目的とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、一定の剛性を有するシート部材が折り曲げられて組み立てられる柄付き食器の柄構造であって、前記柄の長手方向に沿って延びて前記柄の底を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて前記柄の側面を構成する第1側面部と、前記底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて、前記第1側面部に対向して前記柄の側面を構成する第2側面部と、折り曲げられた前記第1側面部及び前記第2側面部の間に橋架されて前記第1側面部及び前記第2側面部を係止すると共に、前記柄の上面を構成する上面部と、を有し、前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記上面部によって係止されることにより、前記上面部側が前記底部側よりも開いた状態で、かつ、前記シート部材の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記上面部は、一端が前記第1側面部における前記底部が連接された側とは反対側の端部に連接されて、前記第1側面部に対して谷折りに折り曲げられ、他端が前記第2側面部に係止される、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記第2側面部は、前記底部が連接された側とは反対側の端部において、この端部を切り欠いて形成された係止部を備え、前記係止部は、前記上面部における前記他端が係止される係止片を有し、前記上面部における前記他端は、前記係止片に引っ掛けて係止が可能な拡幅部を有する、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記拡幅部が係止された前記係止片を、前記第2側面部に対して山折りに折り曲げることができる、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記底部が平面で形成された、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記シート部材が厚紙である、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記底部と前記第1側面部との連接部である第1連接部、前記底部と前記第2側面部との連接部である第2連接部、及び、前記第1側面部と前記上面部との連接部である第3連接部において、谷折り線が形成された、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、前記第1側面部及び前記第2側面部のそれぞれは、前記底部と連接された側とは反対側の端部から張り出す指載置片を有し、この指載置片が前記第1側面部及び前記第2側面部のそれぞれに対して山折りに折り曲げることができる、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器は、上記したいずれかの柄付き食器の柄構造を備えた、ことを特徴とする。
本考案に係るスプーンは、厚紙が折り曲げられて組み立てられるスプーンであって、長手方向に沿って延びて柄の底面を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて前記柄の側面を構成する第1側面部と、前記底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて、前記第1側面部に対向して前記柄の側面を構成する第2側面部と、一端が前記第1側面部における前記底部が連接された側とは反対側の端部に連接されて、前記第1側面部に対して谷折りに折り曲げられると共に、他端が前記第2側面部に係止されて前記柄の上面を構成する上面部と、長手方向に沿って延在させた前記底部、前記第1側面部及び前記第2側面部によって形成され、前記第1側面部及び前記第2側面部の折り曲げに伴って折り曲げられてつぼを構成するつぼ部と、を有し、前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記上面部によって係止されることにより、前記上面部側が前記底部側よりも開いた状態で、かつ、前記厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される、ことを特徴とする。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、一定の剛性を有するシート部材が折り曲げられて組み立てられる柄付き食器の柄構造であって、柄の長手方向に沿って延びて柄の底を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、底部に対して谷折りに折り曲げられて柄の側面を構成する第1側面部と、底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、底部に対して谷折りに折り曲げられて、第1側面部に対向して柄の側面を構成する第2側面部と、折り曲げられた第1側面部及び第2側面部の間に橋架されて第1側面部及び第2側面部を係止すると共に、柄の上面を構成する上面部と、を有している。そして、第1側面部及び第2側面部は、上面部によって係止されることにより、上面部側が底部側よりも開いた状態で、かつ、シート部材の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される。そのため、本考案に係る柄付き食器の柄構造では、底部、第1側面部、第2側面部及び上面部から構成された柄は、その長手方向を切断した断面が多角形の立体的な形状となる。したがって、使用者が、柄を筆記具と同様の持ち方で把持できるので、特に、飲食をする際に把持しやすい。
また、上記した柄の断面における多角形は、底部を頂点とする略三角形状又は底部を上底とする略台形状となる。このような略三角形状又は略台形状の立体的な断面を有する柄は、上面部側又は底部側に対して折れ曲がりにくく、柄付き食器の柄として十分な強度を確保できる。
さらに、第1側面部及び第2側面部がシート部材の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持されているため、この第1側面部及び第2側面部が開こうとする力により、柄を構成する底部、第1側面部、第2側面部及び上面部には、柄の断面における内側から外側に向けて弾発力が常に作用した状態となる。そのため、上記した略三角形状又は略台形状が型崩れしにくく、柄の固定感が安定したものとなる。したがって、使用者が安定して柄を把持することができる。
さらに、第1側面部及び第2側面部がシート部材の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持されているため、この第1側面部及び第2側面部が開こうとする力により、柄を構成する底部、第1側面部、第2側面部及び上面部には、柄の断面における内側から外側に向けて弾発力が常に作用した状態となる。そのため、上記した略三角形状又は略台形状が型崩れしにくく、柄の固定感が安定したものとなる。したがって、使用者が安定して柄を把持することができる。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、上面部の一端が第1側面部における底部が連接された側とは反対側の端部に連接され、第1側面部に対して谷折りに折り曲げられて、上面部の他端が第2側面部に係止される。そのため、柄を構成する底部、第1側面部、第2側面部及び上面部の全てが、1枚のシート部材から構成されている。したがって、1枚のシート部材を折り曲げて柄付き食器の柄を容易に組み立てることができる。また、上面部による第1側面部及び第2側面部の係止が容易になる。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、第2側面部が、底部が連接された側とは反対側の端部において、この端部を切り欠いて形成された係止部を備えている。そして、この係止部は上面部における他端が係止される係止片を有しており、また、上面部における他端は係止片に引っ掛けて係止が可能な拡幅部を有している。そのため、係止片に拡幅部を引っ掛けるだけで、上面部による第1側面部及び第2側面部の係止が可能になる。したがって、柄の組み立てが簡便である。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、拡幅部が係止された係止片を、第2側面部に対して山折りに折り曲げることができる。そのため、拡幅部が係止片に係止された状態において、係止片を拡幅部に重ねるようにして折り曲げることができるので、係止片から拡幅部が外れてしまうことを防止できる。したがって、上面部の他端と第2側面部との係止をより強固なものにできる。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、底部が平面で形成されている。そのため、底部、第1側面部、第2側面部及び上面部から構成される柄の断面が略台形状となるので、使用者が柄を把持しやすい。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、シート部材が厚紙である。そのため、使用者が組み立てやすく、また、環境問題に配慮しつつ、容易に廃棄することができる。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、底部と第1側面部との連接部である第1連接部、底部と第2側面部との連接部である第2連接部、及び、第1側面部と上面部との連接部である第3連接部において、谷折り線が形成されている。そのため、使用者は、柄付き食器の組み立ての際に、第1側面部、第2側面部及び上面部を正確に、かつ、容易に折り曲げることができる。
本考案に係る柄付き食器の柄構造は、第1側面部及び第2側面部のそれぞれが、底部と連接された側とは反対側の端部から張り出す指載置片を有しており、この指載置片が第1側面部及び第2側面部のそれぞれに対して山折りに折り曲げることができる。そのため、組み立てられた柄付き食器において、使用者が柄を把持する際に、柄の外側に向けて張り出して折り曲げられた指載置片に親指を置くことができる。したがって、上面部以外に指載置片にも親指を置いて柄を把持できるので、使用感が向上する。
本考案に係る柄付き食器は、上記したいずれかの柄付き食器の柄構造を備えている。そのため、十分な強度を備え、かつ、使用者が把持しやすい柄の柄付き食器となる。また、使用者による組み立ても簡便である。
本考案に係るスプーンは、厚紙が折り曲げられて組み立てられるスプーンであって、長手方向に沿って延びて柄の底面を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、底部に対して谷折りに折り曲げられて柄の側面を構成する第1側面部と、底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、底部に対して谷折りに折り曲げられて、第1側面部に対向して柄の側面を構成する第2側面部と、一端が第1側面部における底部が連接された側とは反対側の端部に連接されて、第1側面部に対して谷折りに折り曲げられると共に、他端が第2側面部に係止されて柄の上面を構成する上面部と、長手方向に沿って延在させた底部、第1側面部及び第2側面部によって形成され、第1側面部及び第2側面部の折り曲げに伴って折り曲げられてつぼを構成するつぼ部と、を有している。そして、第1側面部及び第2側面部は、上面部によって係止されることにより、上面部側が底部側よりも開いた状態で、かつ、厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される。
そのため、本考案に係るスプーンは、上記した柄付き食器の柄構造と同様の効果を有すると共に、第1連接部及び第2連接部に沿って第1側面部及び第2側面部をそれぞれ折り曲げることにより、同時にスプーンのつぼを形成することができる。したがって、使用者による組み立てが簡便である。
そのため、本考案に係るスプーンは、上記した柄付き食器の柄構造と同様の効果を有すると共に、第1連接部及び第2連接部に沿って第1側面部及び第2側面部をそれぞれ折り曲げることにより、同時にスプーンのつぼを形成することができる。したがって、使用者による組み立てが簡便である。
以下、本考案に係る実施形態を、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態では、柄付き食器の柄構造(以下、単に「柄構造」という。)について、図1から図4に示す柄構造10を備えた柄付き食器であるスプーン1を例として、説明する。なお、以下の説明では、スプーン1の長手方向を前後方向Xとし、前後方向Xに水平に直交する方向を左右方向Yとする。そして、前後方向X及び左右方向Yに直交する鉛直方向を上下方向Zとする。
本実施形態では、柄付き食器の柄構造(以下、単に「柄構造」という。)について、図1から図4に示す柄構造10を備えた柄付き食器であるスプーン1を例として、説明する。なお、以下の説明では、スプーン1の長手方向を前後方向Xとし、前後方向Xに水平に直交する方向を左右方向Yとする。そして、前後方向X及び左右方向Yに直交する鉛直方向を上下方向Zとする。
スプーン1は、図1に示すように、厚紙が所定の形状に打ち抜かれて成形された1枚のシート部材であるブランク2から組み立てることができる。ブランク2は、前後方向Xをスプーン1の長手方向として、前側がスプーン1の先1a側であり、後側がスプーン1の柄尻1b側である。そして、ブランク2は、前後方向Xに沿って延びてスプーン1の柄3の底面を構成する底部4と、この底部4の短手方向、すなわち、左右方向Yにおける両端部に連接されて柄3の側面を構成する一対の側面部5と、この一対の側面部5のうちの一方に連接されて柄3の上面を構成する上面部6と、底部4及び側面部5が前後方向Xに沿って前方に向かって延びて、スプーン1のつぼ1cを構成するつぼ部7とから構成される。
底部4、側面部5、上面部6及びつぼ部7は、ブランク2において一体として成形されており、上面部6を除いて、底部4、側面部5及びつぼ部7が、ほぼ左右対称に成形されている。なお、本実施形態では、厚紙から成形されたブランク2を例に示すが、ブランク2には、例えば、合成樹脂からなるシート部材など、スプーン1の使用者(図示省略)が折り曲げることができ、厚紙程度の一定の剛性を有するシート部材であれば、種々のシート部材を用いることができる。
底部4は、ブランク2の左右方向Yにおけるほぼ中央に形成された略直線状の平板状の部位である。底部4は、左右方向Yの両端部が一対の側面部5に挟まれており、スプーン1において、つぼ1cと柄3の底面を構成する(図2)。そのため、底部4は、ブランク2において、先1aからつぼ部7を通って柄尻1bまで延在している。このとき、底部4は、つぼ部7では、左右方向Yの幅が他の部分と比較して幅広に形成されている。一方で、つぼ部7の後側においてはテーパー状に窄まって幅狭に形成されて、この幅狭の底部4が、つぼ部7の後端から柄尻1bまで形成されている。
側面部5は、底部4の短手方向の両端部、すなわち、左右方向Yの両端部に連接されて、前後方向Xに沿って延びる一対の平板状の部位である。側面部5は、底部4の左側の端部に連接された第1側面部5aと、底部4の右側の端部に連接された第2側面部5bとから構成される。この底部4と第1側面部5aとの連接部が第1連接部11であり、底部4と第2側面部5bとの連接部が第2連接部12である。そして、第1側面部5a及び第2側面部5bは、第1連接部11及び第2連接部12のそれぞれにおいて、底部4に対して谷折りに折り曲げ可能に構成されている。この第1側面部5a及び第2側面部5bは、底部4に対して谷折りに折り曲げられて、互いに対向して柄3の側面を構成する(図2)。また、第1連接部11及び第2連接部12には、後述する谷折り線14が形成されている(図3(a))。
第1側面部5a及び第2側面部5bは、スプーン1において、つぼ1cと柄3の側面を構成する。そのため、底部4と同様に、ブランク2において、先1aからつぼ部7を通って柄尻1bまで延在している。また、第1側面部5a及び第2側面部5bは、つぼ部7では、第1側面部5aが左方向に向けて膨らんだ弧状に形成され、第2側面部5bが右方向に向けて膨らんだ弧状に形成されている。これにより、組み立てられたスプーン1において、外縁が湾曲したつぼ1cが形成される。また、第1側面部5a及び第2側面部5bにおける弧状に形成された部分は、その端部が細かい波形状に打ち抜かれている。
第1側面部5aには、上面部6が連接されている。
上面部6は、左右方向Yにおいて、一端である右端6aが、第1側面部5aにおける底部4が連接された側とは反対側の端部、すなわち、第1側面部5aの左側の端部に連接された板片状の部位である。この第1側面部5aと上面部6との連接部は第3連接部13であり、この第3連接部13にも後述する谷折り線14が形成されている(図3(a))。
上面部6は、左右方向Yにおいて、一端である右端6aが、第1側面部5aにおける底部4が連接された側とは反対側の端部、すなわち、第1側面部5aの左側の端部に連接された板片状の部位である。この第1側面部5aと上面部6との連接部は第3連接部13であり、この第3連接部13にも後述する谷折り線14が形成されている(図3(a))。
上面部6は、第3連接部13において、第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げ可能に構成されている。そして、折り曲げられた上面部6では、上面部6の他端である左端6bが、第2側面部5bに係止される。具体的には、上面部6の左端6bは、第2側面部5bの底部4が連接された側とは反対側、すなわち、第2側面部5bの右側の端部に係止される。
また、上面部6の左端6bには、自由端として形成された拡幅部6cが形成されている。この拡幅部6cは、第2側面部5bの右側の端部に形成された係止部8に係止される。拡幅部6cは、左端6bにおける前後方向Xの両端部が、上面部6の他の部分と比較して、前方及び後方に向けて張り出して形成される。この前方及び後方に張り出した部分は、凸部6dであり、R加工が施されている。なお、上面部6における拡幅部6c以外の部分は、右端6a側の前後方向Xの幅が、拡幅部6cの基部である拡幅基部6e側の前後方向Xの幅よりもわずかに狭く、右側に向けてテーパー状に形成されている。
係止部8は、第2側面部5bの右側の端部に形成された凹状に開口した部位である。具体的には、係止部8は、第2側面部5bにおける右側の端部において、第2側面部5bの一部が、左側に向けて略台形状に切り欠かれて形成される。このとき、係止部8は、第2側面部5bにおける左側を下底とし、右側を下底よりも短い上底として、略台形状に切り欠かれている。そのため、係止部8は、右側に向けてテーパー状に窄まって開口する開口部8aと、この開口部8aの前端及び後端において形成される係止片8bとから構成される。また、後側の係止片8bは、前側の係止片8bと比較してわずかに大きく張り出しており、その基部において山折り線15が形成されている(図3(a))。そのため、後側の係止片8bは、容易に、山折り線15に沿って、第2側面部5bに対して山折りに折り曲げることができる。
なお、山折り線15は、ブランク2の表面に設けられた罫線又は筋線であり、ブランク2の表面を切り欠く若しくは切り込む、又は、ブランク2の表面にエンボス加工をすることによって形成される。本実施形態では、ブランク2の表面を切り込むことによって山折り線15が形成されている。この切り込みを入れる方法としては、ブランク2を所定の深さまで切り込むクリーズカット、ハーフカット又は半切りが用いられる。
指載置片5cは、第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれにおける底部4と連接された側とは反対側の端部から張り出す部位である。ブランク2では、第1側面部5aの左側の端部から張り出す指載置片5cと、第2側面部5bの右側の端部から張り出す指載置片5cとが、一対で形成されている。また、指載置片5cは、その基部に山折り線15が形成されており(図3(b))、容易に、山折り線15に沿って、第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれに対して山折りに折り曲げることができる。
なお、ブランク2では、右側の指載置片5cは、後側の係止片8bと一体に形成されている。
また、本実施形態では、第1側面部5a及び第2側面部5bにおいて指載置片5cが形成されたブランク2を例に示すが、ブランクは、指載置片5cが形成されていないものでもよく、さらに、右側の指載置片5cと後側の係止片8bとが一体に形成されておらず、別々に形成されたものでもよい。
なお、ブランク2では、右側の指載置片5cは、後側の係止片8bと一体に形成されている。
また、本実施形態では、第1側面部5a及び第2側面部5bにおいて指載置片5cが形成されたブランク2を例に示すが、ブランクは、指載置片5cが形成されていないものでもよく、さらに、右側の指載置片5cと後側の係止片8bとが一体に形成されておらず、別々に形成されたものでもよい。
開口部8aは、その基部である開口基部8cの長さD1が、上面部6の拡幅部6c以外の部分における前後方向Xの長さD2よりも長く形成されている。そのため、開口部8aに上面部6の拡幅部6c以外の部分を差し込むことができる。さらに、開口基部8cの長さD1は、拡幅部6cにおける前後方向Xの長さD3よりも短く形成されている。そのため、上面部6の拡幅部6c以外の部分を開口部8aに差し込んだ状態で、凸部6dを係止片8bに引っ掛けることで、上面部6の左端6bを第2側面部5bに係止することができる。
また、上面部6は、右端6aから拡幅基部6eまでの左右方向Yの長さD4が、柄3部分における底部4の左右方向Yの長さD5よりも長く形成されている。そのため、折り曲げられた第1側面部5a及び第2側面部5bの間に上面部6が橋架されて、上面部6の左端6bが第2側面部5bの係止部8に係止されると、上面部6によって係止された第1側面部5a及び第2側面部5bは、上面部6側が底部4側よりも開いた状態で係止される(図2及び図3(b))。
ブランク2では、図3(a)に示すように、第1連接部11、第2連接部12及び第3連接部13において、谷折り線14が形成されている。そのため、図3(b)に示すように、第1側面部5a及び第2側面部5bを、容易に、谷折り線14沿って、底部4に対して谷折りに折り曲げることができる。同様に、上面部6を、容易に、谷折り線14沿って、第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げることができる。
なお、谷折り線14は、山折り線15と同様に、ブランク2の表面に設けられた罫線又は筋線であり、ブランク2の表面を切り欠く若しくは切り込む、又は、ブランク2の表面にエンボス加工をすることによって形成される。本実施形態では、ブランク2の表面を切り込むことによって谷折り線14が形成されている。この切り込みを入れる方法としては、ブランク2を所定の深さまで切り込むクリーズカット、ハーフカット又は半切りが用いられる。
なお、谷折り線14は、山折り線15と同様に、ブランク2の表面に設けられた罫線又は筋線であり、ブランク2の表面を切り欠く若しくは切り込む、又は、ブランク2の表面にエンボス加工をすることによって形成される。本実施形態では、ブランク2の表面を切り込むことによって谷折り線14が形成されている。この切り込みを入れる方法としては、ブランク2を所定の深さまで切り込むクリーズカット、ハーフカット又は半切りが用いられる。
さらに、ブランク2では、図1及び図3(a)に示すように、左右方向Yにおいて、第1側面部5aにおける第1連接部11から第3連接部13までの長さD6と、第2側面部5bにおける第2連接部12から係止部8の開口基部8cまでの長さD7が、同じ長さで構成されている。そのため、底部4に対して谷折りに折り曲げられた第1側面部5a及び第2側面部5bの間に上面部6が橋架されると、上面部6と底部4とが略平行となる。これにより、柄3の断面は、上面部6と底部4とが略平行で、かつ、上面部6側が底部4側よりも開いた略台形状となる(図3(b))。
つぼ部7は、前後方向Xの前方に向けて延在する底部4、第1側面部5a及び第2側面部5bによって形成されており、スプーン1のつぼ1cを構成する(図1及び図2)。また、つぼ部7では、第1連接部11及び第2連接部12に形成された谷折り線14が、底部4の形状に沿って、先1a近傍まで延在している。そのため、第1側面部5a及び第2側面部5bが底部4に対して谷折りに折り曲げられると、つぼ部7においても第1側面部5a及び第2側面部5bが谷折り線14に沿って折り曲げられて、立体的なつぼ1cが形成される(図2)。なお、つぼ部7における谷折り線14は、ブランク2の表面にエンボス加工をすることによって形成されている。
本実施形態では、柄構造10を備える柄付き食器としてスプーン1を例に説明したが、柄構造10を備える柄付き食器はスプーン1に限定されず、また、つぼ部7の形状もつぼ1cを構成するものに限定されない。したがって、柄構造10はスプーン以外の柄付き食器にも用いることができる。例えば、つぼ1cに代えて、フォーク型又はナイフ型等の目的に応じた種々の柄付き食器に採用することができる。
次に、本実施形態のスプーン1の組み立て方法について説明する。
まず、平板状のブランク2において、第1連接部11を軸にして、第1側面部5aを底部4に対して谷折りに折り曲げる。続けて、第2連接部12を軸にして、第2側面部5bを底部4に対して谷折りに折り曲げる。このとき、つぼ部7では、第1側面部5a及び第2側面部5bの折り曲げに伴って、谷折り線14に沿ってつぼ部7が折り曲げられて、つぼ1cが形成される。次いで、第3連接部13を軸にして、上面部6を第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げる。
まず、平板状のブランク2において、第1連接部11を軸にして、第1側面部5aを底部4に対して谷折りに折り曲げる。続けて、第2連接部12を軸にして、第2側面部5bを底部4に対して谷折りに折り曲げる。このとき、つぼ部7では、第1側面部5a及び第2側面部5bの折り曲げに伴って、谷折り線14に沿ってつぼ部7が折り曲げられて、つぼ1cが形成される。次いで、第3連接部13を軸にして、上面部6を第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げる。
そして、折り曲げられた第1側面部5a及び第2側面部5bを重ね合わせるように窄めた状態で、上面部6における拡幅部6c以外を係止部8の開口部8aに差し込んだ後に、第1側面部5a及び第2側面部5bを開放する。そうすると、第1側面部5a及び第2側面部5bが厚紙の剛性によって開くことにより、拡幅部6cの凸部6dが係止部8の係止片8bに引っ掛かる。これにより、上面部6の左端6bが第2側面部5bに係止されると共に、第1側面部5a及び第2側面部5bの間に橋架された上面部6によって、第1側面部5a及び第2側面部5bが係止される。そして、第1側面部5a及び第2側面部5bは、ブランク2の剛性に逆らって折り曲げられた状態が維持される。このようにして、柄構造10を備えるスプーン1が組み立てられる。
また、組み立てられたスプーン1においては、図4に示すように、後側の係止片8bを、山折り線15に沿って、第2側面部5bに対して山折りに折り曲げて、後側の凸部6dに重ねることができる。これにより、係止片8bと凸部6dとの引っ掛かりをより強固なものにできる。さらに、左右に一対で設けられた指載置片5cを、第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれに対して山折りに折り曲げてもよい。これにより、折り曲げられた指載置片5cが、左右方向Yの外側に向けて略水平に張り出す一対の指置きとなる。
なお、スプーン1は、図2に示すように、指載置片5c及び後側の係止片8bが折り曲げられていない状態で使用することもできる。
なお、スプーン1は、図2に示すように、指載置片5c及び後側の係止片8bが折り曲げられていない状態で使用することもできる。
次に、本実施形態に係る柄構造10の効果について説明する。
柄構造10は、底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6を有している。そして、上面部6によって係止された第1側面部5a及び第2側面部5bが、上面部6側が底部4側よりも開いた状態で、かつ、厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される。そのため、底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6から構成される柄3は、その長手方向を切断した断面が略台形状の立体的な形状となる(図3(b))。したがって、使用者が柄3を筆記具と同様の持ち方で把持できるので、特に、飲食をする際に把持しやすい。また、上面部6があることで、筆記具と同様の持ち方で把持する際には、使用者の親指を上面部6に載置できるので、使用者が安定して柄3を把持することができる。
柄構造10は、底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6を有している。そして、上面部6によって係止された第1側面部5a及び第2側面部5bが、上面部6側が底部4側よりも開いた状態で、かつ、厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される。そのため、底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6から構成される柄3は、その長手方向を切断した断面が略台形状の立体的な形状となる(図3(b))。したがって、使用者が柄3を筆記具と同様の持ち方で把持できるので、特に、飲食をする際に把持しやすい。また、上面部6があることで、筆記具と同様の持ち方で把持する際には、使用者の親指を上面部6に載置できるので、使用者が安定して柄3を把持することができる。
さらに、柄3は、その断面が略台形状の立体的な形状であることで、上面部6側又は底部4側に対して折れ曲がりにくく、十分な強度を確保できる。このような柄3における立体的な断面形状は、柄3の強度を保持するために重要であり、例えば、柄3の断面が略三角形状である場合にも、同様の効果を得ることができる。なお、柄3の断面を略三角形状とする場合には、底部4を平面ではなく一直線の部位として構成する。このようにすることで、柄3の断面が、主として、第1側面部、第2側面部及び上面部で構成される略三角形状となる。
また、柄構造10は、第1側面部5a及び第2側面部5bが厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持されている。そのため、第1側面部5a及び第2側面部5bが開こうとする力により、柄3を構成する底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6には、柄3の断面における内側から外側に向けて弾発力が常に作用した状態となる。そうすると、柄3の断面が略台形状から型崩れしにくく、柄3の固定感が安定したものとなる。したがって、使用者が安定して柄3を把持することができる。
柄構造10は、上面部6の左端6bが、第1側面部5aにおける底部4が連接された側とは反対側の端部に連接されている。そして、上面部6が第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げられて、上面部6の右端6aが第2側面部5bに係止される。そのため、柄3を構成する底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6の全てが1枚の厚紙であるブランク2から構成されており、ブランク2を折り曲げるだけで柄3を容易に組み立てることができる。また、上面部6による第1側面部5a及び第2側面部5bの係止も容易である。
柄構造10は、第2側面部5bが、底部4が連接された側とは反対側の端部において、この端部を切り欠いて形成された係止部8を備えており、この係止部8には係止片8bが形成されている。そして、上面部6の左端6bには、係止片8bに引っ掛けて係止が可能な拡幅部6cが形成されている。そのため、係止片8bに拡幅部6cを引っ掛けるだけで、上面部6による第1側面部5a及び第2側面部5bの係止が可能になる。したがって、柄3の組み立てが簡便である。
また、柄構造10は、係止片8bに拡幅部6cが係止された状態において、係止片8bを第2側面部5bに対して山折りに折り曲げて、拡幅部6cに重ねることができる。これにより、拡幅部6cが係止片8bから外れてしまうことを防止でき、上面部6の左端6bと第2側面部5bとの係止をより強固なものにできる。
さらに、この場合には、上方に向けて張り出していた係止片8bが、折り曲げられて拡幅部6cに重ねられた状態となるので、係止片8bを折り曲げない場合と比較して、使用者にとってより把持しやすい柄3の形状となる。また、上方視した場合においても、凸部6dが係止片8bに隠れて、後側の係止片8b及び凸部6dのいずれもが張り出していない状態となるので、使用者が把持しやすい柄3の形状となる。さらに、折り曲げられた後側の係止片8bの右端と、第2側面部5bに係止された上面部6の左端6bとが一部で重なるため、上面部6の左端6bから柄尻1bまでが滑らかな形状になり、使用者が違和感なく柄3を把持することができる。
さらに、この場合には、上方に向けて張り出していた係止片8bが、折り曲げられて拡幅部6cに重ねられた状態となるので、係止片8bを折り曲げない場合と比較して、使用者にとってより把持しやすい柄3の形状となる。また、上方視した場合においても、凸部6dが係止片8bに隠れて、後側の係止片8b及び凸部6dのいずれもが張り出していない状態となるので、使用者が把持しやすい柄3の形状となる。さらに、折り曲げられた後側の係止片8bの右端と、第2側面部5bに係止された上面部6の左端6bとが一部で重なるため、上面部6の左端6bから柄尻1bまでが滑らかな形状になり、使用者が違和感なく柄3を把持することができる。
柄構造10は、底部4が平面で形成されている。そのため、底部4、第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6から構成される柄3の断面が略台形状となる。したがって、使用者が柄3を把持しやすい。
また、柄構造10は、ブランク2が厚紙から構成されているので、使用者が組み立てやすく、環境問題に配慮して容易に廃棄することができる。
また、柄構造10は、ブランク2が厚紙から構成されているので、使用者が組み立てやすく、環境問題に配慮して容易に廃棄することができる。
柄構造10は、第1連接部11、第2連接部12及び第3連接部13において、谷折り線14が形成されている。この谷折り線14は、ブランク2において、谷折りに折り曲げられる側の表面を切り込むことによって形成されている(図3(a))。そのため、第1連接部11及び第2連接部12において、底部4に対して谷折りに折り曲げられた第1側面部5a及び第2側面部5bは、それぞれ底部4に圧接する(図3(b))。そうすると、第1連接部11及び第2連接部12では、第1側面部5a及び第2側面部5bと底部4とが互いに開く方向に向けた弾発力が常に作用する。また、同様に、第3連接部13において、第1側面部5aに対して谷折りに折り曲げられた上面部6は、第1側面部5aに圧接する。そうすると、第3連接部13では、第1側面部5aと上面部6とが互いに開く方向に向けた弾発力が常に作用する。これらの弾発力が作用することにより、柄3の断面における略台形状が型くずれしにくく、また、柄3の固定感がより安定したものとなる。
さらに、谷折り線14が形成されていることで、スプーン1の組み立ての際には、使用者が第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6を正確に、かつ、容易に折り曲げることができる。
さらに、谷折り線14が形成されていることで、スプーン1の組み立ての際には、使用者が第1側面部5a、第2側面部5b及び上面部6を正確に、かつ、容易に折り曲げることができる。
柄構造10は、第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれが、底部4と連接された側とは反対側の端部から張り出す指載置片5cを有している。そして、この指載置片5cは、第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれに対して山折りに折り曲げることができる。そのため、折り曲げられた指載置片5cを、左右方向Yの外側に向けて略水平に張り出す一対の指置きとして使用することができる。したがって、使用者が、上面部6以外に、指載置片5cに親指を置いて柄3を把持できるので、使用感が向上する。
特に、柄構造10では、使用者に柄3が把持されるとき、底部4が人差し指と中指の間に挟まれて、上面部6が親指で押さえられた状態となる。この場合に、例えば、柄構造10を備えたスプーン1において、つぼ1cが使用者の口元に運ばれる際には、つぼ1cで掬われた物がこぼれないように、つぼ1cが水平である状態が保たれたまま、口元まで運ばれることが重要である。しかし、使用者が上面部6に親指を置いた状態で、つぼ1cを水平に保ちながら口元まで運ぼうとすると、手首を強く捻る又は肘を上げる動作が必要になる。これは、通常のスプーンでは生じない不自然な動きである。そこで、使用者がつぼ1cを口元に運ぶ際には、上面部6から後方に親指をスライドさせて、指載置片5cに親指を置いてスプーン1を押えることで、手首が捻りやすく、つぼ1cを口元に運びやすくなる。したがって、柄3の使用感が向上し、通常のスプーンと遜色のない使用感を得ることができる。また、柄構造10では、上面部6と指載置片5cとがほぼ同一平面となるため、上面部6及び指載置片5c間において親指をスライドさせやすい。
特に、柄構造10では、使用者に柄3が把持されるとき、底部4が人差し指と中指の間に挟まれて、上面部6が親指で押さえられた状態となる。この場合に、例えば、柄構造10を備えたスプーン1において、つぼ1cが使用者の口元に運ばれる際には、つぼ1cで掬われた物がこぼれないように、つぼ1cが水平である状態が保たれたまま、口元まで運ばれることが重要である。しかし、使用者が上面部6に親指を置いた状態で、つぼ1cを水平に保ちながら口元まで運ぼうとすると、手首を強く捻る又は肘を上げる動作が必要になる。これは、通常のスプーンでは生じない不自然な動きである。そこで、使用者がつぼ1cを口元に運ぶ際には、上面部6から後方に親指をスライドさせて、指載置片5cに親指を置いてスプーン1を押えることで、手首が捻りやすく、つぼ1cを口元に運びやすくなる。したがって、柄3の使用感が向上し、通常のスプーンと遜色のない使用感を得ることができる。また、柄構造10では、上面部6と指載置片5cとがほぼ同一平面となるため、上面部6及び指載置片5c間において親指をスライドさせやすい。
柄構造10を備えたスプーン1は、上記した柄構造10と同様の効果を有すると共に、第1連接部11及び第2連接部12に沿って第1側面部5a及び第2側面部5bのそれぞれを折り曲げることで、同時にスプーン1のつぼ1cを形成することができる。そのため、使用者による組み立てが簡便である。
また、柄構造10では、スプーン1が、1枚の厚紙で構成されたブランク2から組み立てられている。そのため、省スペースで運搬及び保管することができ、コスト性及び廃棄性に優れるスプーン1を提供できる。また、このスプーン1は、組み立て及び分解も簡便である。
以上、本考案の実施形態を詳述したが、本考案は上記した実施形態に限定されるものではない。そして、本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本実施形態に係る柄構造10では、上面部6が第1側面部5aに連接された例を示したが、上面部は第1側面部又は第2側面部に連接されておらず、独立して成形されたものでもよい。
また、柄構造10は、上面部6に拡幅部6cが形成されていなくてもよく、さらに、第2側面部5bに係止部8が形成されていなくてもよい。この場合には、例えば、糊代を設けて構成され、この糊代を介して糊等の接着剤又はステープラーで固定される上面部や、別途の部材、例えば、ゴムバンド等の固着具を用いて固定される上面部でもよい。
また、柄構造10は、上面部6に拡幅部6cが形成されていなくてもよく、さらに、第2側面部5bに係止部8が形成されていなくてもよい。この場合には、例えば、糊代を設けて構成され、この糊代を介して糊等の接着剤又はステープラーで固定される上面部や、別途の部材、例えば、ゴムバンド等の固着具を用いて固定される上面部でもよい。
さらに、例えば、本実施形態に係る柄構造10では、ブランク2において、左側の側面部5が第1側面部5aであり、この第1側面部5aに上面部6が連接された例を示したが、左右を反転させて、右側の側面部を第1側面部として、この第1側面部に上面部を連接したものでもよい。したがって、上面部を連接する側面部は任意で定めることができる。ただし、使用者が右手で把持する場合には、スプーン1のように、左側の側面部を第1側面部として、この第1側面部に上面部を連接した柄構造を用いる方が、使用者が把持しやすい柄となる点に留意する。
また、本実施形態に係る柄構造10では、上面部6が板片状に形成された例を示したが、上面部は、第1側面部及び第2側面部を係止でき、かつ、柄の上面を構成できるものであればよく、例えば、第1側面部及び第2側面部の間に嵌め込まれる略三角形状又は略台形状の立体的な形状に形成された部材でもよい。
さらに、本実施形態に係る柄構造10では、底部4が平面であるものを例に示したが、底部は一直線で構成されたものでもよい。この場合には、底部、第1側面部、第2側面部及び上面部から構成される柄の断面は、略三角形状の立体的な形状になる。
また、本実施形態に係る柄構造10では、第2側面部5bに係止片8bを有する係止部8が形成され、この係止部8に係止される凸部6dを有する拡幅部6cが上面部6に形成された例を示したが、係止部及び拡幅部の態様は、上面部を係止できるものであれば任意である。例えば、上面部の先端に差込片を形成し、この差込片が差し込み可能な切り込みが第2側面部に設けられたものでもよい。
さらに、本実施形態に係る柄構造10では、第1連接部11、第2連接部12及び第3連接部13に谷折り線14が形成された例を示したが、谷折り線14が形成されていないものでもよい。また、指載置片5c及び後側の係止片8bに山折り線15が形成されていないものでもよい。
また、本実施形態に係る柄構造10では、指載置片5cが設けられたスプーン1を例に示したが、指載置片5cが形成されていないものでもよい。
さらに、本実施形態に係る柄構造10では、後側の係止片8bのみが折り曲げられたスプーン1を例に示したが、前側及び後側の両方の係止片8bが折り曲げ可能に構成されたものでもよい。
1 スプーン
1a 先
1b 柄尻
1c つぼ
2 ブランク
3 柄
4 底部
5 側面部
5a 第1側面部
5b 第2側面部
5c 指載置片
6 上面部
6a 右端
6b 左端
6c 拡幅部
6d 凸部
6e 拡幅基部
7 つぼ部
8 係止部
8a 開口部
8b 係止片
8c 開口基部
10 柄付き食器の柄構造
11 第1連接部
12 第2連接部
13 第3連接部
14 谷折り線
15 山折り線
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7 長さ
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
1a 先
1b 柄尻
1c つぼ
2 ブランク
3 柄
4 底部
5 側面部
5a 第1側面部
5b 第2側面部
5c 指載置片
6 上面部
6a 右端
6b 左端
6c 拡幅部
6d 凸部
6e 拡幅基部
7 つぼ部
8 係止部
8a 開口部
8b 係止片
8c 開口基部
10 柄付き食器の柄構造
11 第1連接部
12 第2連接部
13 第3連接部
14 谷折り線
15 山折り線
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7 長さ
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
Claims (10)
- 一定の剛性を有するシート部材が折り曲げられて組み立てられる柄付き食器の柄構造であって、
前記柄の長手方向に沿って延びて前記柄の底を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて前記柄の側面を構成する第1側面部と、前記底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて、前記第1側面部に対向して前記柄の側面を構成する第2側面部と、折り曲げられた前記第1側面部及び前記第2側面部の間に橋架されて前記第1側面部及び前記第2側面部を係止すると共に、前記柄の上面を構成する上面部と、を有し、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記上面部によって係止されることにより、前記上面部側が前記底部側よりも開いた状態で、かつ、前記シート部材の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される、
ことを特徴とする柄付き食器の柄構造。 - 前記上面部は、一端が前記第1側面部における前記底部が連接された側とは反対側の端部に連接されて、前記第1側面部に対して谷折りに折り曲げられ、他端が前記第2側面部に係止される、
ことを特徴とする請求項1に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記第2側面部は、前記底部が連接された側とは反対側の端部において、この端部を切り欠いて形成された係止部を備え、
前記係止部は、前記上面部における前記他端が係止される係止片を有し、
前記上面部における前記他端は、前記係止片に引っ掛けて係止が可能な拡幅部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記拡幅部が係止された前記係止片を、前記第2側面部に対して山折りに折り曲げることができる、
ことを特徴とする請求項3に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記底部が平面で形成された、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記シート部材が厚紙である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記底部と前記第1側面部との連接部である第1連接部、前記底部と前記第2側面部との連接部である第2連接部、及び、前記第1側面部と前記上面部との連接部である第3連接部において、谷折り線が形成された、
ことを特徴とする請求項2又は請求項2を引用する請求項3から請求項6のいずれか1項に記載された柄付き食器の柄構造。 - 前記第1側面部及び前記第2側面部のそれぞれは、前記底部と連接された側とは反対側の端部から張り出す指載置片を有し、この指載置片が前記第1側面部及び前記第2側面部のそれぞれに対して山折りに折り曲げることができる、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された柄付き食器の柄構造。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載された柄付き食器の柄構造を備えた柄付き食器。
- 厚紙が折り曲げられて組み立てられるスプーンであって、
長手方向に沿って延びて柄の底面を構成する底部と、この底部における短手方向の一方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて前記柄の側面を構成する第1側面部と、前記底部における短手方向の他方の端部に連接されると共に、前記底部に対して谷折りに折り曲げられて、前記第1側面部に対向して前記柄の側面を構成する第2側面部と、一端が前記第1側面部における前記底部が連接された側とは反対側の端部に連接されて、前記第1側面部に対して谷折りに折り曲げられると共に、他端が前記第2側面部に係止されて前記柄の上面を構成する上面部と、長手方向に沿って延在させた前記底部、前記第1側面部及び前記第2側面部によって形成され、前記第1側面部及び前記第2側面部の折り曲げに伴って折り曲げられてつぼを構成するつぼ部と、を有し、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記上面部によって係止されることにより、前記上面部側が前記底部側よりも開いた状態で、かつ、前記厚紙の剛性に逆らって折り曲げられた状態で維持される、
ことを特徴とするスプーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022000435U JP3237113U (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | 柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022000435U JP3237113U (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | 柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3237113U true JP3237113U (ja) | 2022-04-14 |
Family
ID=81079747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022000435U Active JP3237113U (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | 柄付き食器の柄構造、この柄構造を備えた柄付き食器、及び、この柄構造を備えたスプーン |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3237113U (ja) |
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2022
- 2022-02-15 JP JP2022000435U patent/JP3237113U/ja active Active
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Ref document number: 3237113 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |