JP3237033B2 - 二軸延伸複層フィルム - Google Patents

二軸延伸複層フィルム

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JP3237033B2
JP3237033B2 JP11101793A JP11101793A JP3237033B2 JP 3237033 B2 JP3237033 B2 JP 3237033B2 JP 11101793 A JP11101793 A JP 11101793A JP 11101793 A JP11101793 A JP 11101793A JP 3237033 B2 JP3237033 B2 JP 3237033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛性及び耐熱収縮性に
優れ、かつ良好な帯電防止性を有するポリプロピレン二
軸延伸複層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン二軸延伸フィルムは、そ
の優れた機械的特性及び良好な透明性を生かして食品包
装、繊維包装、工業用途等広い分野で使用されている。
しかし、近年、自動印刷、ラミネート又は自動包装等の
二次加工工程の高速化に伴い、従来のポリプロピレン二
軸延伸フィルムの持つ剛性、耐熱収縮性ではもはや満足
されなくなってきた。そこで、ポリプロピレン二軸延伸
フィルムの剛性及び耐熱収縮性を改善する方策として、
高結晶性のポリプロピレンを用いることが検討されるよ
うになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高結晶性ポリプロピレ
ンを用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、原料ポ
リプロピレンの分子配向と結晶化が高度に進んでいる結
果、剛性及び耐熱収縮性においては優れた特性を有して
いるものの、帯電防止性に大きな問題を持っている。つ
まり、高結晶性ポリプロピレンに、結晶性ポリプロピレ
ン用の従来の帯電防止剤を配合しても帯電防止効果を十
分に発現できないのである。そして、その結果として、
二次加工工程での印刷インクの転写不良、埃の付着等、
静電気発生に起因する問題が多発し、これらの問題の解
決が新たな課題となってきた。
【0004】
【問題を解決する為の手段】本発明者は、高結晶性ポリ
プロピレンを用いた二軸延伸フィルムへの帯電防止性付
与について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の高結晶
性ポリプロピレンに特定の化合物を特定量配合した組成
物を主体とする基材層の少なくとも片面に、特定の結晶
性ポリプロピレンを主体とする表面層が積層された二軸
延伸複層フィルムを用いることにより、所期の目的が達
せられることを知り本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は下記の構成を有する。基材層は、メルトフ
ローレート(以下、MFRという。)とアイソタクチッ
クペンタッド分率(以下、分率(P)という。)との関
係が、 1.00≧P≧0.015 logMFR+0.945 (式1) を満足する高結晶性ポリプロピレンを主成分とする組成
物を主体とするものであり、該組成物中には、化合物
(A)として、一般式
【化2】 で表されるアルキル(またはアルケニル)ジエタノール
アミンが0.05〜0.20重量%と化合物(B)とし
て、一般式 RNH2 (式中のRは、炭素数12〜22のアルキル基またはア
ルケニル基である。)で表されるアルキルアミン(また
は、アルケニルアミン)1モルに対して酸化エチレン2
〜3モルを付加させて得られるポリオキシエチレンアル
キルアミン(または、ポリオキシエチレンアルケニルア
ミン)と炭素数12〜22の高級脂肪酸の中から選ばれ
た少なくとも1種とを反応させて得られた化合物が0.
5〜1.5重量%配合されており、該基材層の少なくと
も片面に、分率(P)が0.900〜0.940の範囲
にある結晶性ポリプロピレンを主体とする表面層が積層
されたことを特徴とする二軸延伸複層フィルム。
【0005】ここでMFRとは、JIS−K7210の
条件14(230℃、2.16kgf)で測定したポリプ
ロピレンの溶融流動指数であって、単位「g/10min」で
表される。また、分率(P)とは、A. Zambelliらによ
ってMacromolecules Vol.6,No.6,925〜926(1973)に発表
されている方法、すなわち、13C-NMRを使用して測
定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック連鎖、言い換えればプロピレンモノマ
ー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプ
ロピレンモノマー単位の分率である。ここで、13C−N
MRのスペクトルの帰属は、Macromolecules Vol.8,No.
5,687〜689(1975)に基づいて行なう。ちなみに、後述の
実施例における分率(P)の測定では、270MHz のFT-
NMR装置を用い、27,000回 の積算測定により、シグ
ナル検出限界を分率(P)で0.001まで向上させて行な
った。
【0006】本発明で用いる高結晶性ポリプロピレンと
は、分率(P)とMFRとの関係が 1.00≧P≧0.015 logMFR+0.945・・(式1) を満足する高結晶性ポリプロピレンである。この高結晶
性ポリプロピレンのMFRには特別な制限はないが、ポ
リプロピレン二軸延伸フィルムに通常使用されている
0.5〜10g/10minの範囲のものが好ましい。上記式
1の意味する処は、一般に低いMFRのポリプロピレン
においては分率(P)も低い値を示すので、使用すべき
高結晶性ポリプロピレンのMFRに対応する分率(P)
の下限値を規定したものである。また、分率(P)の上
限値は、1.00である。
【0007】このような高結晶性ポリプロピレンは、例
えば特開昭58-104907号公報 に記載された方法によって
製造できる。すなわち次の方法によって得る事ができ
る。有機アルミニウム化合物(I)として例えば、トリ
エチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリ
ド等もしくは有機アルミニウム化合物(I)と電子供与
体、例えば、ジイソアミルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル等との反応生成物(VI)を四塩
化チタンと反応させて得られる固体生成物(II)に、
さらに電子供与体と電子受容体例えば、無水塩化アルミ
ニウム、四塩化チタン、四塩化バナジウム等とを反応さ
せて得られる固体生成物(III)を有機アルミニウム
化合物(IV)例えば、トリエチルアルミニウムもしく
はジエチルアルミニウムモノクロリド等および芳香族カ
ルボン酸エステル(V)例えば、安息香酸エステル、p
−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチルもしくはp
−トルイル酸−2−エチルヘキシル等と組合せ、該芳香
族カルボン酸エステル(V)と該固体生成物(III)
とのモル比率をV/III=0.1〜10.0 に設定した触媒
の存在下にプロピレンを1段階以上で重合させることに
よって得られる。この場合の1段階とは、これらの単量
体の連続的な又は一時的な供給の1区分を意味する。
尚、本発明においては、前記式1の分率(P)とMFR
との関係を満足する範囲内で、上記の高結晶性ポリプロ
ピレンに他のポリオレフィンを混合して用いることもで
きる。
【0008】他のポリオレフィンとしては、プロピレン
単独重合体、プロピレンを主成分とし、これにエチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン
の1種または2種以上を共重合成分とする結晶性ランダ
ム共重合体もしくは結晶性ブロック共重合体、超低密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル
−1−ペンテン等のポリオレフィン類、エチレン・プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体ゴム等の合成ゴム等を例示できる。
【0009】本発明で用いられる化合物(A)は、
【0010】
【化3】
【0011】で表されるアルキル(またはアルケニル)
ジエタノールアミンであり、具体的には、牛脂脂肪酸ジ
エタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、オ
レイルジエタノールアミン、ベヘニルジエタノールアミ
ン、パルミチルジエタノールアミン等が例示される。ま
た、化合物(A)の配合量は、基材層の主体となる高結
晶性ポリプロピレンを主成分とする組成物中に、0.0
5〜0.20重量%配合されていなければならない。該
化合物(A)の配合量が0.05重量%未満では、帯電
防止効果の発現が極めて遅くて実用に供し難くなる。ま
た、該量が0.20重量%を超すと二軸延伸複層フィル
ムの表面に粘着性が生じるので好ましくない。
【0012】本発明で用いられる化合物(B)は、一般
式 RNH2 (式中のRは、炭素数12〜22のアルキル基またはア
ルケニル基である。)で表されるアルキルアミン(また
はアルケニルアミン)に1モル対し酸化エチレン2〜3
モルを付加させて得られるポリオキシエチレンアルキル
アミン(またはポリオキシエチレンアルケニルアミン)
と炭素数12〜22の高級脂肪酸の中から選ばれた少な
くとも1種とを反応させて得られた化合物である。
【0013】化合物(B)の配合量は、基材層の主体と
なる高結晶性ポリプロピレンを主成分とする組成物中
に、0.5〜1.5重量%配合されていなければならな
い。この配合量が0.5重量%未満では十分な帯電防止
効果が得られず、1.5重量%を超すと二軸延伸複層フ
ィルムの表面に化合物(B)のブリードが顕著になり、
フィルムの透明性、印刷適性、ラミネート適性を損なう
ので好ましくない。
【0014】本発明における基材層の主体となる高結晶
性ポリプロピレンを主成分とする組成物には、高結晶性
ポリプロピレン、化合物(A)、化合物(B)の他に、
酸化防止剤、耐光安定剤、造核剤、滑剤、中和剤等の結
晶性ポリプロピレンに通常添加される各種の添加剤を本
発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
尚、ブロッキング防止剤を添加しても構わないが、二軸
延伸複層フィルムの透明性を損なうばかりでなく、帯電
防止効果の発現も遅くなることがあるので添加しない方
が望ましい。
【0015】本発明における表面層の主体となる結晶性
ポリプロピレンを主成分とする組成物を構成する結晶性
ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であって、
その分率(P)が0.900〜0.940の範囲にあ
り、そのMFRが0.5〜15g/10min の範囲のもので
ある。ここで、結晶性ポリプロピレンの分率(P)が
0.900未満では二軸延伸複層フィルムの耐熱収縮性
が低下したり、帯電防止剤のフィルム表面へのブリード
アウトが顕著となり外観を損ねるので好ましくない。ま
た、0.940を超えると帯電防止剤のフィルム表面へ
のブリードアウトが少なく、良好な帯電防止効果が得ら
れなくなる。
【0016】本発明における表面層の主体となる結晶性
ポリプロピレンには、ブロッキング防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、耐光安定剤、造核剤、滑剤、中和剤等
の結晶性ポリプロピレンに通常添加される各種の添加剤
を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。
【0017】本発明で基材層および表面層に用いる組成
物もしくは該組成物を主体とした混合物は、それぞれリ
ボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(商品名)の様な
混合機で混合した後に、押出機等の混練機で混練して調
製することができる。二軸延伸複層フィルムを得る方法
としては、a)基材層に用いる組成物もしくは該組成物
を主体とした混合物と表面層に用いる組成物もしくは該
組成物を主体とした混合物とを、溶融共押出して基材層
の片面または両面に表面層が積層されたシートとし、こ
のシートを二軸延伸する方法、b)未延伸もしくは一軸
延伸した基材層のシートを予め製造しておき、該基材層
シートに表面層に用いる組成物もしくは該組成物を主体
とした混合物を溶融押出して張り合わせた後、二軸延伸
もしくは基材層の延伸方向と直角方向に一軸延伸する方
法等がある。なお、二軸延伸複層フィルムの表面層の外
面にはコロナ放電処理を施して帯電防止剤がフィルム表
面にブリードするのを促進することが好ましい。
【0018】この様にして得られた二軸延伸複層フィル
ムの全厚みは、その目的に応じて選定されるが、通常は
5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲であ
る。また、表面層の厚さは、基材層の主成分である高結
晶性ポリプロピレンの特徴である剛性、耐熱収縮性を損
なわない範囲内であれば、特に制限はされないが、通常
は1〜5μmの範囲であり、両層の厚さ比率(全層厚み
/表面層厚み)を20/0.5〜20/8、好ましくは
20/1〜20/5に設定することが望ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例におけるフィ
ルムの物性は、以下の方法を用いて測定した。 (1)ヘイズ:ASTM D 1003に準拠。 (2)ヤング率:ASTM D 882に準拠。大きな
ヤング率を示すもの程、高い剛性を備えたフィルムであ
ることを示す。 (3)加熱収縮率:MD(縦方向)、およびTD(横方
向)の各測定方向にそれぞれ長さ(L0)20cm×幅1c
m の試験片を切り取り、各試料を140℃のオーブン中
で15分間加熱した後、それぞれの長さ(L1)cm を測
定し、次式によって各測定方向の熱収縮率(S%)を求
めた。 S=100×(L1−L0)/L0 (4)帯電圧減衰率:商品名「スタチックオネストメー
ター」(宍戸商会(株)製)を用いて測定した。温度4
0℃、相対湿度60%の条件で1日間状態調節した試料
フィルム表面(コロナ放電処理面)に該表面から20mm
の位置に設定した電極から放電圧10kVで放電し、該フ
ィルム表面を帯電させる。帯電圧が飽和に達した後、放
電を止め、その30秒後に残存する帯電圧(C)と飽和
帯電圧(Cs )とから次式によって減衰率(R%)を求
めた。 R=100×(Cs−C)/Cs (5)ブルーミングインデックス:温度40℃、相対湿
度60℃の条件で7日間状態調節した試料フィルムのヘ
イズ値(H)から、製膜直後の該フィルムのヘイズ値
(H0) を差し引いた値をブルーミングインデックスと
した。ヘイズ値はASTM D 103に準拠して測定
した。
【0020】実施例1〜3、比較例1〜6 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=3.4
g/10min 、分率(P)=0.984)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物(A)としてステ
アリルジエタノールアミンを、化合物(B)としてはス
テアリルジエタノールアミン1モルとステアリン酸1モ
ルとをエステル化反応させて得られる反応生成物を各々
後述の表1および表3に示す割合で配合して100重量
%とし、次に各々造粒機によりペレット化して、基材層
用の各組成物を得た。また、表1および表3に示す分率
(P)を有する結晶性ポリプロピレンを主体とし、該結
晶性ポリプロピレンに、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.13重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%およびステアリン
酸カルシウム0.10重量%を配合して100重量%と
し、各々造粒機によりペレット化して、表面層用の各組
成物を得た。次に、基材層用組成物を押出機(口径65
mm)に供給し、表面層用組成物を押出機(口径40mm)
に供給し、240℃で溶融したのち、二つのマニホール
ドを備えたTダイより共押出し、40℃の冷却ロールで
冷却して、複層シート(厚み1mm)を得た。この際に、
表面層の厚みが0.1mmになるように調整して共押出し
た 。次に該複層シートをパンタグラフ式二軸延伸試験
装置を用いてまず158℃で100秒間加熱したのち、
10m/minの延伸速度で縦方向に5.0倍、横方向に
8.5倍逐次延伸して、全厚み20μm、表面層厚み2
μmの二軸延伸複層フィルムを得た。更に、該各複層フ
ィルムにおける表面層の表面にコロナ放電処理を施し
た。該各複層フィルムを用いて所定の各種試験片を調製
し、該所定の試験片を用いてヘイズ、ヤング率、加熱収
縮率、帯電圧減衰率、ブルーミングインデックス(以
下、B.I.という。)を測定した。その結果を表2お
よび表4に示す。
【0021】実施例4、5 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=3.4
g/10min 、分率(P)=0.984)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物(A)としてステ
アリルジエタノールアミンを0.12重量%、化合物
(B)としてはステアリルジエタノールアミン1モルと
ステアリン酸1モルとをエステル化反応させて得られる
反応生成物1.0重量%を配合して100重量%とし、
これを造粒機によりペレット化して、基材層用組成物を
得た。また、結晶性ポリプロピレン(MFR=3.8g/
10min 、分率(P)=0.932)を主体とし、該結晶
性ポリプロピレンに、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメ
ート)〕メタン0.03重量%およびステアリン酸カル
シウム0.10重量%を配合し、造粒機によりペレット
化し表面層用組成物を得た。次に、基材層用組成物を押
出機(口径65mm)に供給し、表面層用組成物を押出機
(口径40mm)に供給し、240℃で溶融したのち、二
つのマニホールドを備えたTダイより共押出し、40℃
の冷却ロールで冷却して、複層シート(厚み1mm)を得
た。この際に、実施例4では表面層の厚みが0.20mm
になるように、実施例5では表面層厚みが0.05mmに
なるように調整して共押出した。次に該複層シートをパ
ンタグラフ式二軸延伸試験装置を用いてまず158℃で
100秒間加熱したのち、10m/minの延伸速度で縦方
向に5.0倍、横方向に8.5倍逐次延伸して、2種の
二軸延伸複層フィルム(全厚み20μm;表面層厚みは
実施例4の場合には4μm、実施例5の場合には1μm
程度である。)を得た。更に、該各複層フィルムにおけ
る表面層の表面にコロナ放電処理を施した。該各複層フ
ィルムを用いて所定の各種試験片を調製し、該所定の試
験片を用いてヘイズ、ヤング率、加熱収縮率、帯電圧減
衰率、B.I.を測定した。その結果を表2に示す。
【0022】実施例6 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=2.5
g/10min 、分率(P)=0.963)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物(A)としてラウ
リルジエタノールアミンを0.10重量%、化合物
(B)としてステアリルアミン1モルと酸化エチレン
2.5モルとを付加反応させて得られたポリオキシエチ
レンステアリルアミン1モル相当量とステアリン酸80
重量%とパルミチン酸20重量%とで構成される混合脂
肪酸1.2モル相当量とをエステル化反応させて得られ
た反応生成物1.2重量%を配合して100重量%と
し、これを造粒機によりペレット化して、基材層用組成
物を得た。また、結晶性ポリプロピレン(MFR=2.
8g/10min 、分率(P)=0.905)を主体とし、該
結晶性ポリプロピレンに、2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%およびステアリン
酸カルシウム0.10重量%を配合して100重量%と
し、造粒機によりペレット化し表面層用組成物を得た。
次に、基材層用組成物を一方の押出機(口径65mm)に
供給し、表面層用組成物を押出機(口径40mm)に供給
し、240℃で溶融したのち、二つのマニホールドを備
えたTダイより共押出し、40℃の冷却ロールで冷却し
て、複層シート(厚み1mm)を得た。この際に、表面層
厚みが0.1mmになるように調整して共押出した。次
に、該複層シートをパンタグラフ式二軸延伸試験装置を
用いてまず158℃で100秒間加熱したのち、10m
/minの延伸速度で縦方向に5.0倍、横方向に8.5倍
逐次延伸して、二軸延伸複層フィルム(全厚み20μ
m;表面層厚み2μm)、を得た。更に、該複層フィル
ムの表面層の表面にコロナ放電処理を施した。該複層フ
ィルムを用いて各種試験片を作成し、該試験片を用いて
ヘイズ、ヤング率、加熱収縮率、帯電圧減衰率、B.
I.を測定した。その結果を表2に示す。
【0023】実施例7 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=5.4
g/10min 、分率(P)=0.972)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物(A)として牛脂
脂肪酸ジエタノールアミンを0.10重量%、化合物
(B)としてステアリルジエタノールアミン1モルとパ
ルミチン酸1モルとをエステル化反応させて得られた反
応生成物1.2重量%を配合して100重量%とし、こ
れを造粒機によりペレット化して、基材層用組成物を得
た。また、結晶性ポリプロピレン(MFR=4.1g/10
min 、分率(P)=0.921)を主体とし、該結晶性
ポリプロピレンに、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメー
ト)〕メタン0.03重量%およびステアリン酸カルシ
ウム0.10重量%を配合して100重量%とし、造粒
機によりペレット化し表面層用組成物を得た。次に、基
材層用組成物を一方の押出機(口径65mm)に供給し、
表面層用組成物を押出機(口径40mm)に供給し、24
0℃で溶融したのち、二つのマニホールドを備えたTダ
イより共押出し、40℃の冷却ロールで冷却して、複層
シート(厚み1mm)を得た。この際に、表面層厚みが
0.1mmになるように調整して共押出した。次に、該複
層シートをパンタグラフ式二軸延伸試験装置を用いて、
まず158℃で100秒間加熱したのち、10m/minの
延伸速度で縦方向に5.0倍、横方向に8.5倍逐次延
伸して、二軸延伸複層フィルム(全厚み20μm;表面
層厚み2μm)、を得た。更に、該複層フィルムの表面
層の表面にコロナ放電処理を施した。該複層フィルムを
用いて各種試験片を調製し、該試験片を用いてヘイズ、
ヤング率、加熱収縮率、帯電圧減衰率、B.I.を測定
した。その結果を表2に示す。
【0024】比較例7 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=3.4
g/10min 、分率(P)=0.984)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物(A)としてステ
アリルジエタノールアミンを0.20重量%、化合物B
としてはステアリルジエタノールアミン1モルとステア
リン酸1モルとをエステル化反応させて得られる反応生
成物を1.3重量%配合して100重量%とし、これを
造粒機によりペレット化して、基材層用組成物を得た。
該組成物を押出機(口径65mm)に供給し、240℃で
溶融した後、Tダイより押出し、40℃の冷却ロールで
冷却して単層シート(厚み1mm)を得た。次に該複層シ
ートをパンタグラフ式二軸延伸試験装置を用いてまず1
58℃で100秒間加熱したのち、10m/minの延伸速
度で縦方向に5.0倍、横方向に8.5倍逐次延伸し
て、二軸延伸単層フィルム(厚み20μm)を得た。更
に、該単層フィルムの片面にコロナ放電処理を施した。
該単層フィルムを用いて所定の各種試験片を調製し、該
試験片を用いてヘイズ、ヤング率、加熱収縮率、帯電圧
減衰率、B.I.を測定した。その結果を表4に示す。
【0025】比較例8 粉末状高結晶性プロピレン単独重合体(MFR=2.3
g/10min 、分率(P)=0.935)を主体とし、該プ
ロピレン単独重合体に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール0.10重量%、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナメート)〕メタン0.03重量%、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量%および化合物Bとしてステアリ
ルジエタノールアミン1モルとステアリン酸1モルとを
エステル化反応させて得られる反応生成物を1.0重量
%配合して100重量%とし、これを造粒機によりペレ
ット化して、基材層用組成物を得た。該組成物を押出機
(口径65mm)に供給し、240℃で溶融した後、Tダ
イより押出し、40℃の冷却ロールで冷却して単層シー
ト(厚み1mm)を得た。次に該複層シートをパンタグラ
フ式二軸延伸試験装置を用いてまず158℃で100秒
間加熱したのち、10m/minの延伸速度で縦方向に5.
0倍、横方向に8.5倍逐次延伸して、二軸延伸単層フ
ィルム(厚み20μm)を得た。更に、該単層フィルム
の片面にコロナ放電処理を施した。該単層フィルムを用
いて所定の各種試験片を調製し、該試験片を用いてヘイ
ズ、ヤング率、加熱収縮率、帯電圧減衰率、B.I.を
測定した。その結果を表4に示す。
【0026】
【発明の効果】以上の結果より、本発明の二軸延伸複層
フィルムは、優れた帯電防止効果を短時間に発現させる
ものであることが判明した。そして、その結果、二次加
工工程での静電気に関わる諸問題、例えば印刷インクの
転写不良、埃の付着等を殆ど完全に解消できるようにな
った。また、本発明の二軸延伸複層フィルムは、その高
い剛性を利して印刷工程、コーティング工程又は包装工
程での高速機械処理適性に優れている。さらに、極めて
小さな熱収縮しか生じないという特性によって、多色印
刷工程で色ずれが発生しにくく、コーティングや印刷に
おける乾燥工程での寸法安定性に優れている。加えて、
従来の単層のフィルムに比べて透明性が大幅に改善され
包装用基材としてより内容物の高級感を引き出すことが
可能であるなどの利点を有している。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層は、メルトフローレートとアイソタ
    クチックペンタッド分率(P)との関係が、 1.00≧P≧0.015 logMFR+0.945 を満足する高結晶性ポリプロピレンを主成分とする組成
    物を主体とするものであり、該組成物中には、化合物
    (A)として、一般式 【化1】 で表されるアルキル(またはアルケニル)ジエタノール
    アミンが0.05〜0.20重量%と化合物(B)とし
    て、一般式 RNH2 (式中のRは、炭素数12〜22のアルキル基またはア
    ルケニル基である。)で表されるアルキルアミン(また
    は、アルケニルアミン)1モルに対して酸化エチレン2
    〜3モルを付加させて得られるポリオキシエチレンアル
    キルアミン(または、ポリオキシエチレンアルケニルア
    ミン)と炭素数12〜22の高級脂肪酸の中から選ばれ
    た少なくとも1種とを反応させて得られた化合物が0.
    5〜1.5重量%配合されており、該基材層の少なくと
    も片面に、アイソタクチックペンタッド分率(P)が
    0.900〜0.940の範囲にある結晶性ポリプロピ
    レンを主成分とする表面層が積層されたことを特徴とす
    る二軸延伸複層フィルム。
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