JP3235784B2 - 鋼板の製造ライン及び鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板の製造ライン及び鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温鋼板をオンラインで冷却して高品質の製品を得る鋼
板の製造において、平坦度に優れた鋼板を製造する鋼板
の製造ライン及び鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高温鋼板の冷却と圧延とを組み合
わせた制御圧延や、オンラインで鋼板を冷却する制御冷
却において、製品の高品質化に伴って、高精度の温度制
御、特に冷却停止温度制御が行われている。
【0003】一般に、熱間圧延された高温の鋼板は、圧
延直後の鋼板の温度分布や形状、又は表面状態の相違に
起因して、冷却中に冷却むらが生じやすい。鋼板の冷却
むらは、冷却装置の性能にも起因して発生しやすい。そ
して、鋼板の冷却むらが発生すると、冷却後に鋼板の変
形や、残留応力、材質のバラツキ等が発生する。
【0004】特に、熱間圧延された厚鋼板をオンライン
で冷却する場合には、鋼板の上面及び下面に対する冷却
が上下で対称に行われにくいために、冷却中に、鋼板の
変形による製造ラインの通板障害など、操業上のトラブ
ルも発生する。また、このように変形した鋼板は後工程
において、プレスや矯正機による精整処理を要するので
コスト高ともなる。
【0005】そこで、オンラインにて均一に鋼板を冷却
するために、以下の観点からいくつかの技術が開示され
ている。
【0006】その第1の方法は、冷却装置において、冷
却後の冷却水の水切りを完全に行い、さらに、鋼板から
速やかに冷却残水を除去する方法であり、次のようなも
のが開示されている。 1)鋼板の上面に向けて、空気ノズルを上下自在に配置
し、噴射される空気によって鋼板上面の水切りを行う方
法(実開昭53−39508号公報)。 2)テーブルローラ上を移送される鋼板の一方の側端側
に水噴射ノズルを設け、これより鋼板の幅方向に高圧の
スプレー水を噴射し、鋼板上に滞留している残水を鋼板
の他方の側端から排除する方法(特開平7−9023号
公報)。 3)上下に設けられたゴムラインニングロールで鋼板を
間に挟んで押圧し、水切りする方法(実開昭8−125
611号公報及び実開昭59−161062号公報)。 4)水切りロールを配置し、その出側の板幅方向中央部
に水噴射ノズルを設け、これより両側端部に向けて水を
噴射するとともに水切りロールに向けて水を噴射し、水
切りする方法(特開昭60−206516号公報及び実
開平7−33406号公報)。
【0007】第2の方法は、加速冷却装置内で鋼板を冷
却中、鋼板各部位での温度履歴が上下面の対応する位置
でできるだけ同じになるようにする方法であり、次のよ
うなものが開示されている。 5)厚鋼板を2つの冷却装置にオンラインで通過させて
冷却する装置において、その第1段では上下のスリット
ノズルから冷却水を噴射し、第2段の冷却装置でスプレ
ーノズルから冷却水を噴射して厚鋼板を冷却する装置
(特開昭61−153235号公報)。 6)鋼板の上方及び下方に設けられたスリットノズルか
ら、15〜25°の角度で鋼板に対して冷却水を噴射し
て冷却する方法(特開昭61−264137号公報)。 7)鋼板を挟んでその上下に、相対向する2組のノズル
を設けそのノズルから冷却水を噴射して鋼板を冷却する
方法(特開昭59−144513号公報)。 8)上部冷却ノズルとして、板幅方向に長いスリットノ
ズルを上流側ロールの出側近傍に設け、鋼板の表面に沿
って進行方向に冷却水を噴射する。上面側冷却水は、下
流側ロールの近傍で吸水される。一方、下部ノズルも上
部ノズル同様のスリットノズルであるが、ロール間中央
部に設けられて、鋼板下面に向けて冷却水を噴射する
(特開昭63−168215号公報)。
【0008】しかしながら、前記1)、2)のような技
術では幅広の厚鋼板の場合には大量の冷却水を流すの
で、これを非接触状態で堰き止め、鋼板の側端部へ押し
やり排除することは難しい。また、3)、4)のような
技術では、漏水排除の効果はある程度発揮されるが、鋼
板にひずみが発生している場合に、鋼板と水切りロール
との隙間から冷却水が流出するという問題点がある。よ
って、1)〜4)の方法によっては、オンラインで鋼板
を十分均一に冷却することができない。
【0009】また、5)〜8)に示すような技術には以
下のような問題点がある。すなわち、実際には、鋼板上
面においては、鋼板に衝突した冷却水の噴流による冷却
に加え、鋼板上面を流れる衝突後の滞留水による冷却が
存在する。一方下面においては鋼板に衝突後の冷却水は
重力の影響によって直ちに鋼板から離脱するので、衝突
噴流のみによる冷却しか期待できず、鋼板の上下面を同
じ方式で冷却する方法では、上下対称の冷却を行うこと
はできない。
【0010】そこで、一般には、鋼板の下面に対する冷
却水の流量や流速を大にし、または、下面の冷却長を長
くするなどの方法、または、鋼板下面側の冷却量と上面
側の冷却量とが同一になるように、上面側の冷却量を調
整する等の調整を行うことが必要である。
【0011】さらに、鋼板の上下面に対する冷却量が同
じであったとしても、鋼板長手方向の冷却分布には明ら
かな相違がある。すなわち、鋼板上面側では、鋼板に冷
却水が衝突した後も、その冷却水は、鋼板の表面上を流
れるので、熱流速は、鋼板の長手方向に一様であるのに
対し、鋼板下面側では、衝突した冷却水は直ちに鋼板の
下面から離脱するために、鋼板長手方向の進行方向に向
かって熱流速が降下する傾向がある。
【0012】鋼板下面の熱流速をあげ、または、鋼板上
面の熱流速を下げる等の手段によって、鋼板上下両面の
冷却量を同じにしても、局所的に見た場合に、長手方向
の位置によっては、常に上下対称の冷却が行われている
とは言い難く、従って、鋼板の上面および仮面の温度履
歴が同じにはならず、その結果、このような温度履歴の
相違から、鋼板に残留ひずみや変形が生じることは避け
られない。上記5)から8)の技術ではこれらの点が解
決されておらず、均一な冷却を得るのは容易ではない。
【0013】このように、均一な冷却を得るのは実際に
は非常に難しく、冷却後に平坦な鋼板を得るためには、
ひずみの小さい状態の鋼板を送り込み、水切り性を確保
することと、冷却装置から送り出された鋼板を所要の平
坦な形状に矯正処理することが、不可欠である。そこ
で、次のような技術が開示されている。 9)熱間圧延機の直後に設けられた第1のホットレベラ
ーで矯正後、このレベラーの直後に設けられた冷却装置
で冷却を行い、さらに第2のホットレベラーで矯正して
平坦な鋼板を得る技術(特開昭54−124864号公
報)。 10)圧延材を第1ローラレベラーにて矯正後、冷却装
置にて加速冷却し、第2ローラレベラーにて再度矯正
し、且つ、レバース圧延中は第1ローラレベラーの上部
ロールを上昇させておくことにより、平坦な鋼板を得る
技術(特開平3−128122号公報)。 11)熱間圧延あるいは熱間矯正後に加速冷却した後、
オンラインにて矯正する際に板幅方向の温度分布が10℃
以下になった時点で矯正する技術(特開昭61−262
428号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術9)〜1
1)では、第1の形状矯正装置による矯正後、加速冷却
し、続いて第2の形状矯正装置により最終矯正するオン
ライン処理を考えている。一方、このような加速冷却材
の製造範囲は板厚100mm位までを考える必要がある
が、板厚100mmの鋼板の矯正を考えると、その形状矯
正装置は負荷荷重の大きなものを使用する必要がある。
しかも第1、第2の形状矯正装置ともに、このような設
備とする必要があり、設備費が高価となるという問題点
がある。
【0015】また、形状矯正装置を、冷却装置の前後ど
ちらか一方にのみ設けて、1台の形状矯正装置で冷却の
前後2回にわたって矯正を行うようにすると、全ての鋼
板を逆送する必要が出てきて、次材と干渉しないように
しなければならないため、生産性を著しく阻害するとい
う問題点がある。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みて行われた
もので、冷却前鋼板の矯正を安価な設備により能率を損
なわず実施し、それにより熱間圧延後の高温の鋼板をオ
ンライン冷却により均一に冷却し、平坦で均質な鋼板を
製造する方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷
却装置、第2の形状矯正装置がこの順序で配列され、オ
ンラインで鋼板を冷却、矯正する機能を有する鋼板の製
造ラインにおいて、第1の形状矯正装置が反り矯正機構
と繰返し曲げ形状矯正機構を有し、第1の形状矯正装置
の繰返し曲げ形状矯正機構が、そのラインを通る最大の
板厚より薄い所定板厚以下の鋼板についてのみ、繰返し
曲げ形状矯正能力を有することを特徴とする鋼板の製造
ライン(請求項1)である。
【0018】この手段においては、第1の形状矯正装置
は、鋼板の形状を、冷却装置における水切りロールで水
切りが十分に行える程度の形状に矯正する役割を持って
いる。
【0019】圧延終了後の板の平坦度不良としては、耳
波・中伸びと長手方向端部の反りがあげられる。耳波・
中伸びは圧延時の板幅内での伸び率分布に起因してお
り、狭い間隔で繰り返し現れることもあり、その曲率も
急激に変わることがある。一方、先後端の反りは曲率が
変化したとしてもなだらかである。このため、耳波・中
伸びの矯正には短いスパンでの曲げを与えることを必要
としその時の曲げ荷重が大きくなるが、端部の反りに関
しては、長いスパンの曲げを加えればよく、その曲げ荷
重は小さくなる。
【0020】本手段においては、第1の形状矯正装置が
反り矯正機構と繰返し曲げ形状矯正機構を併せ持ってい
るので、端部の反りを反り矯正機構により、耳波・中伸
びを繰返し曲げ形状矯正機構により、それぞれ矯正でき
る。よって、どのような形状の鋼板についても、冷却装
置における水切りロールで水切りが十分に行える程度の
形状に矯正することが可能となる。
【0021】耳波・中伸びは板厚20mm程度以下の比較的
薄い鋼板によくみられ、板長全体に生じることもありえ
る。一方、板厚が大きくなると、板長手方向端部に反り
が見られるだけで、その間の部分は平坦な場合が多くな
る。よって、板厚が比較的薄い場合は、板長全体にわた
って繰返し曲げ形状矯正機構により形状矯正を行い、板
厚が厚い場合は、繰返し曲げ形状矯正機構を使用せず、
反り矯正機構のみにより先後端だけを形状矯正すればよ
い。 これにより、全ての板厚に亘って繰返し曲げ形状矯
正が可能であるような強力な繰返し曲げ形状矯正機構が
必要でなくなるので、設備費を安価にすることができ
る。
【0022】
【0023】
【0024】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段の製造ラインを使用した鋼板の製造方法
であって、第1の形状矯正装置では、先後端反りが発生
していない鋼板に対しては、反り矯正機構を使用せず、
熱間圧延後の鋼板の全長にわたって平坦度不良が生じて
いない鋼板に対しては、繰返し曲げ形状矯正機構を使用
しないことを特徴とする鋼板の製造方法(請求項2)で
ある。
【0025】前述したように、板厚の薄い鋼板では全長
にわたって平坦度不良が生じやすく、板厚の厚い鋼板で
は先後端反りが発生しやすい。よって、両者が同時に発
生することは少ないので、本手段の方法を用いることに
より、繰返し曲げ矯正機構と反り矯正機構を同時に使用
する機会を減らし、作業能率を向上させることができ
る。特に、反り矯正機構による板の矯正においては、板
を停止しその形状矯正量を確認しながら板の形状を平坦
にする手法を採用する場合には、反り矯正機構を必要以
上に使用しないことにより、大幅に作業能率を上げるこ
とができる。
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1
例を示す概略図である。図1において、1は熱間圧延
機、2は第1の形状矯正装置である簡易ローラレベラ、
3は加速冷却装置、4は第2の形状矯正装置であるロー
ラレベラであり、この順に配置されている。
【0029】簡易ローラレベラ2には、反り矯正機構で
あるノックダウンロール5と、繰り返し曲げ矯正機構で
あるレベラロール6が設けられている。レベラロール6
の数は、ローララベラ4のレベラロールの数に比べて少
なくなっており、よって、簡易ローラレベラ2において
は、所定厚み以下の鋼板に対してのみ平坦度の矯正が可
能なようになっている。
【0030】後に述べる実施例に使用した設備として
は、簡易ローラレベラ2は、ロール径400mm、ロール本
数5本の2重式ホットレベラーとし、レベリングロール
中央にたわみを押えるためのサポートロールを設けた。
このホットレベラーでは、幅3600mmの鋼板で板厚が20mm
をこえると、レベリング中のロールたわみが大きくな
り、逆に平坦度不良が生じる。よって、簡易ローラレベ
ラのレベラロールによる矯正は、この範囲の板厚、板幅
においてのみ使用するが、板厚が20mm以上を超える鋼板
では、耳波・中伸びが発生することはほとんど無いの
で、実用上は問題とならない。
【0031】ローラレベラ4は、ロール径250mm、ロー
ル本数9本の4重式ホットレベラーとした。ここで、形
状矯正装置はオンラインの形状矯正装置として一般的な
ローラレベラーとしたが、別に連続プレス等他の方法で
も支障はなく、ローラレベラーに限定されるものではな
い。また、簡易ローラレベラ2の反り矯正機構として
は、一般的にローラレベラーに組合わせて用いられるノ
ックダウンロール5を採用し、走間における反り矯正が
可能なようにした。
【0032】しかし、走間における反り矯正が可能であ
れば別にプレス等でも何ら問題はなく、ノックダウン方
式に限定されるものではない。なお、各装置間の距離も
図1中に合わせて示している。この距離は既存の設備や
工場レイアウトの許す範囲でいくらにしてもかまわない
が、熱間圧延後の鋼板が搬送中に空冷されて、加速冷却
の冷却開始温度を下回らないように、搬送速度や、圧延
終了温度、加速冷却開始温度や搬送速度により決めら
れ、無限に大きくすることはできない。
【0033】
【実施例】図2に、加速冷却装置3における水切り性能
と、板厚(mm)及び急峻度(%)との関係を示す。これ
によると、板厚が薄くなるほど形状が悪くても(急峻度
が大きくても)水切り特性は良好であること、板厚があ
る程度厚くても、ある程度の急峻度以下であれば水切り
特性は良好であることが分かる。
【0034】反り矯正機構として、発明の実施の形態の
説明で述べたノックダウンロール方式を採用し、最適と
考えられる圧下量で多くの板を走間で矯正し、その時の
急峻度を調査した結果を図3に示す(板厚はmm、急峻度
は%である)。図3において示されている曲線は、図2
において、水切り特性の良、不良の境界となっていた曲
線である。図3によると、走間反り矯正後の急峻度は、
すべて当該曲線の下側にあり、このデータから、走間で
反り矯正を行っても、加速冷却装置で水切り不良が起こ
らないことが分かる。
【0035】発明の実施の形態で示した装置を用いて、
板厚40mm×板長25mの鋼板の製造を行い、加速冷却装置
を出た直後の鋼板の温度分布を放射温度計にて測定し
た。圧延終了後の鋼板の形状は、後端で長さ2000mm、高
さ100mmの反りが生じていた。なお、この板寸法では、
簡易ローラレベラ2で繰返し曲げ矯正を行うと、矯正反
力が大きくなり設備破損につながるので、繰返し曲げ矯
正は実施していない。また、板長は簡易ローラレベラ2
の出側と加速冷却装置3の入り側間の距離よりも大き
く、簡易ローラレベラ2にて形状矯正中に、加速冷却装
置3内に鋼板が到達している。なお、いずれのCaseにお
いても、ローラレベラ4は使用している。
【0036】反り矯正運転方法とその結果を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1において、Case1は、反り矯正を走間
で行いながら鋼板を順送し、加速冷却装置3で冷却した
場合のもので、鋼板後端部の反り矯正中に、鋼板の前半
部分の加速冷却が行われている。この場合は、鋼板中の
温度分布も小さく、かつ作業能率も良好であった。
【0039】Case2においては、加速冷却装置3を停止
した状態で鋼板を送り、反り矯正装置の位置に鋼板後端
部が来た状態で鋼板を停止させて反り矯正を行い、その
後、鋼板先端部が加速冷却装置3前面に来るまで鋼板を
逆送してから加速冷却を開始した。この場合は、鋼板中
の温度分布は小さかったが、作業能率が15本/hに低下
した。
【0040】Case3においては、加速冷却装置3を作動
させたまま、反り矯正装置の位置に鋼板後端部が来た状
態で鋼板を停止させて反り矯正を行い。そのまま、鋼板
を通過させた。この条件では、加速冷却を実施しなが
ら、鋼板を停止させた状態で鋼板の後端部の反り矯正を
行った結果、板の先端部の冷却時間が長くなりすぎたた
め、板内で大きな温度分布が生じており、冷却床にて大
きなひずみが発生した。
【0041】Case4においては、反り矯正装置を使用し
なかったので、後端の反りにより、水切りロールが浮き
上がり水が漏洩して、その結果、温度分布が生じ、冷却
床にて大きなひずみが発生した。
【0042】次に、板厚15mm×板幅3200mm×板長45mの
鋼板の製造を行った。圧延終了後の鋼板の形状は、急峻
度0.5〜1.5%の耳波がほぼ全長にわたって生じていた。
なお、先端に長さ1500mm、高さ40mmの反りが生じてい
た。
【0043】この鋼板について、簡易ローラレベラ2の
運転条件を変えてテストを行った。この場合において
も、板長は簡易ローラレベラ2の出側と加速冷却装置3
の入り側間の距離よりも大きく、簡易ローラレベラ2に
て形状矯正中に、加速冷却装置3内に鋼板が到達してい
る。運転条件とその結果を表2に示す。なお、いずれの
Caseにおいても、ローラレベラ4は使用している。
【0044】
【表2】
【0045】表2において、Case1では、簡易ローラレ
ベラ2で繰り返し曲げ矯正をし、かつ反り矯正装置で先
端の反りを修正して鋼板を順送し、加速冷却装置3にお
いて加速冷却を行った。この条件では、繰返し曲げ矯正
により、耳波、後端の反り量とも小さくなったため、均
一な冷却がなされ、ひずみの発生もなく、均質な製品が
得られた。また、作業能率が低下することも無かった。
【0046】Case2では、先端反り矯正のみを行い、繰
り返し曲げ矯正を実施しなかった。その結果、加速冷却
装置3において、水切りロールが浮き上がって水が漏洩
したため、温度分布が生じ、製品に大きなひずみが生じ
た。
【0047】Case3では、簡易ローラレベラ2を使用せ
ず、加速冷却を行った。その結果、やはり、加速冷却装
置3において、水切りロールが浮き上がって水が漏洩し
たため、温度分布が生じ、製品に大きなひずみが生じ
た。
【0048】このように、第1の矯正機に反り矯正機構
と繰返し曲げ矯正機構を設け、必要に応じて反り矯正機
構と繰返し曲げ矯正機構を使うことで、適正な加速冷却
を実施でき、かつ、形状・材質ともに均一な鋼板を得る
ことができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷却装置、第2
の形状矯正装置がこの順序で配列され、オンラインで鋼
板を冷却、矯正する機能を有する鋼板の製造ラインにお
いて、第1の形状矯正装置が反り矯正機構と繰返し曲げ
形状矯正機構を有し、第1の形状矯正装置の繰返し曲げ
形状矯正機構が、そのラインを通る最大の板厚より薄い
所定板厚以下の鋼板についてのみ、繰返し曲げ形状矯正
能力を有するようにしているので、どのような形状の鋼
板についても、冷却装置における水切りロールで水切り
が十分に行える程度の形状に矯正することが可能とな
る。
【0050】また、第1の形状矯正装置の繰返し曲げ形
状矯正機構を、そのラインを通る最大の板厚より薄い
定板厚以下の鋼板についてのみ、繰返し曲げ形状矯正能
力を有する程度のものとしているので、設備費を安価に
することができる。
【0051】また、第1の形状矯正装置では、先後端反
りが発生していない鋼板に対しては、反り矯正機構を使
用せず、熱間圧延後の鋼板の全長にわたって平坦度不良
が生じていない鋼板に対しては、繰返し曲げ形状矯正機
構を使用しないことにより、作業能率を向上させること
ができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す図である。
【図2】加速冷却装置における水切り性能と、板厚及び
急峻度との関係を示す図である。
【図3】ノックダウンロール方式を採用し、最適と考え
られる圧下量で鋼板を走間で矯正し、その時の急峻度を
調査した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延機 2 簡易ローラレベラ 3 加速冷却装置 4 ローラレベラ 5 ノックダウンロール 6 レベラロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21D 1/00 B21D 1/00 A (56)参考文献 特開 平3−128122(JP,A) 特開 平9−85340(JP,A) 日本鉄鋼協会編、「第3版鉄鋼便覧▲ III▼(1)圧延基礎・鋼板」、丸善 株式会社、昭和55年5月15日、p.263 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 1/05 B21B 1/22 B21B 1/26 B21B 45/02 320

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷却
    装置、第2の形状矯正装置がこの順序で配列され、オン
    ラインで鋼板を冷却、矯正する機能を有する鋼板の製造
    ラインにおいて、第1の形状矯正装置が反り矯正機構と
    繰返し曲げ形状矯正機構を有し、第1の形状矯正装置の
    繰返し曲げ形状矯正機構が、そのラインを通る最大の板
    厚より薄い所定板厚以下の鋼板についてのみ、繰返し曲
    げ形状矯正能力を有することを特徴とする鋼板の製造ラ
    イン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の 製造ラインを使用した
    鋼板の製造方法であって、第1の形状矯正装置では、先
    後端反りが発生していない鋼板に対しては、反り矯正機
    構を使用せず、熱間圧延後の鋼板の全長にわたって平坦
    度不良が生じていない鋼板に対しては、繰返し曲げ形状
    矯正機構を使用しないことを特徴とする鋼板の製造方
    法。
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日本鉄鋼協会編、「第3版鉄鋼便覧▲III▼(1)圧延基礎・鋼板」、丸善株式会社、昭和55年5月15日、p.263

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