JP3277992B2 - 鋼板の製造ライン及び鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板の製造ライン及び鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温鋼板をオンラインで冷却して、高品質の製品を得る
鋼板の製造において、平坦度に優れた鋼板を製造する製
造ラインおよび製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高温鋼板の冷却と圧延とを組み合
わせた制御圧延や、オンラインで鋼板を冷却する制御冷
却において、製品の高品質化に伴って、高精度の温度制
御、特に冷却停止温度制御が行われている。
【0003】一般に、熱間圧延された高温の鋼板は、圧
延直後の鋼板の温度分布や形状、又は表面状態の相違に
起因して、冷却中に冷却むらが生じやすい。鋼板の冷却
むらは、冷却装置の性能にも起因して発生しやすい。そ
して、鋼板の冷却むらが発生すると、冷却後に鋼板の変
形や、残留応力、材質のバラツキ等が発生する。
【0004】特に、熱間圧延された厚鋼板をオンライン
で冷却する場合には、鋼板の上面及び下面に対する冷却
が上下で対称に行われにくいために、冷却中に、鋼板の
変形による製造ラインの通板障害など、操業上のトラブ
ルも発生する。また、このように変形した鋼板は後工程
において、プレスや矯正機による精整処理を要するので
コスト高ともなる。
【0005】そこで、オンラインにて均一に鋼板を冷却
するために、以下の観点からいくつかの技術が開示され
ている。
【0006】その第1の方法は、冷却装置において、冷
却後の冷却水の水切りを完全に行い、さらに、鋼板から
速やかに冷却残水を除去する方法であり、次のようなも
のが開示されている。 1)鋼板の上面に向けて、空気ノズルを上下自在に配置
し、噴射される空気によって鋼板上面の水切りを行う方
法(実開昭53−39508号公報)。 2)テーブルローラ上を移送される鋼板の一方の側端側
に水噴射ノズルを設け、これより鋼板の幅方向に高圧の
スプレー水を噴射し、鋼板上に滞留している残水を鋼板
の他方の側端から排除する方法(特開平7−9023号
公報)。 3)上下に設けられたゴムラインニングロールで鋼板を
間に挟んで押圧し、水切りする方法(実開昭8−125
611号公報及び実開昭59−161062号公報)。 4)水切りロールを配置し、その出側の板幅方向中央部
に水噴射ノズルを設け、これより両側端部に向けて水を
噴射するとともに水切りロールに向けて水を噴射し、水
切りする方法(特開昭60−206516号公報及び実
開平7−33406号公報)。
【0007】第2の方法は、加速冷却装置内で鋼板を冷
却中、鋼板各部位での温度履歴が上下面の対応する位置
でできるだけ同じになるようにする方法であり、次のよ
うなものが開示されている。 5)厚鋼板を2つの冷却装置にオンラインで通過させて
冷却する装置において、その第1段では上下のスリット
ノズルから冷却水を噴射し、第2段の冷却装置でスプレ
ーノズルから冷却水を噴射して厚鋼板を冷却する装置
(特開昭61−153235号公報)。 6)鋼板の上方及び下方に設けられたスリットノズルか
ら、15〜25°の角度で鋼板に対して冷却水を噴射し
て冷却する方法(特開昭61−264137号公報)。 7)鋼板を挟んでその上下に、相対向する2組のノズル
を設けそのノズルから冷却水を噴射して鋼板を冷却する
方法(特開昭59−144513号公報)。 8)上部冷却ノズルとして、板幅方向に長いスリットノ
ズルを上流側ロールの出側近傍に設け、鋼板の表面に沿
って進行方向に冷却水を噴射する。上面側冷却水は、下
流側ロールの近傍で吸水される。一方、下部ノズルも上
部ノズル同様のスリットノズルであるが、ロール間中央
部に設けられて、鋼板下面に向けて冷却水を噴射する
(特開昭63−168215号公報)。
【0008】しかしながら、前記1)、2)のような技
術では幅広の厚鋼板の場合には大量の冷却水を流すの
で、これを非接触状態で堰き止め、鋼板の側端部へ押し
やり排除することは難しい。また、3)、4)のような
技術では、漏水排除の効果はある程度発揮されるが、鋼
板にひずみが発生している場合に、鋼板と水切りロール
との隙間から冷却水が流出するという問題点がある。よ
って、1)〜4)の方法によっては、オンラインで鋼板
を十分均一に冷却することができない。
【0009】また、5)〜8)に示すような技術には以
下のような問題点がある。すなわち、実際には、鋼板上
面においては、鋼板に衝突した冷却水の噴流による冷却
に加え、鋼板上面を流れる衝突後の滞留水による冷却が
存在する。一方下面においては鋼板に衝突後の冷却水は
重力の影響によって直ちに鋼板から離脱するので、衝突
噴流のみによる冷却しか期待できず、鋼板の上下面を同
じ方式で冷却する方法では、上下対称の冷却を行うこと
はできない。
【0010】そこで、一般には、鋼板の下面に対する冷
却水の流量や流速を大にし、または、下面の冷却長を長
くするなどの方法、または、鋼板下面側の冷却量と上面
側の冷却量とが同一になるように、上面側の冷却量を調
整する等の調整を行うことが必要である。
【0011】さらに、鋼板の上下面に対する冷却量が同
じであったとしても、鋼板長手方向の冷却分布には明ら
かな相違がある。すなわち、鋼板上面側では、鋼板に冷
却水が衝突した後も、その冷却水は、鋼板の表面上を流
れるので、熱流速は、鋼板の長手方向に一様であるのに
対し、鋼板下面側では、衝突した冷却水は直ちに鋼板の
下面から離脱するために、鋼板長手方向の進行方向に向
かって熱流速が降下する傾向がある。
【0012】鋼板下面の熱流速をあげ、または、鋼板上
面の熱流速を下げる等の手段によって、鋼板上下両面の
冷却量を同じにしても、局所的に見た場合に、長手方向
の位置によっては、常に上下対称の冷却が行われている
とは言い難く、従って、鋼板の上面および仮面の温度履
歴が同じにはならず、その結果、このような温度履歴の
相違から、鋼板に残留ひずみや変形が生じることは避け
られない。上記5)から8)の技術ではこれらの点が解
決されておらず、均一な冷却を得るのは容易ではない。
【0013】このように、均一な冷却を得るのは実際に
は非常に難しく、冷却後に平坦な鋼板を得るためには、
ひずみの小さい状態の鋼板を送り込み、水切り性を確保
することと、冷却装置から送り出された鋼板を所要の平
坦な形状に矯正処理することが、不可欠である。そこ
で、次のような技術が開示されている。 9)熱間圧延機の直後に設けられた第1のホットレベラ
ーで矯正後、このレベラーの直後に設けられた冷却装置
で冷却を行い、さらに第2のホットレベラーで矯正して
平坦な鋼板を得る技術(特開昭54−124864号公
報)。 10)圧延材を第1ローラレベラーにて矯正後、冷却装
置にて加速冷却し、第2ローラレベラーにて再度矯正
し、且つ、レバース圧延中は第1ローラレベラーの上部
ロールを上昇させておくことにより、平坦な鋼板を得る
技術(特開平3−128122号公報)。 11)熱間圧延あるいは熱間矯正後に加速冷却した後、
オンラインにて矯正する際に板幅方向の温度分布が10℃
以下になった時点で矯正する技術(特開昭61−262
428号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術9)〜1
1)では、第1の形状矯正装置による矯正後、加速冷却
し、続いて第2の形状矯正装置により最終矯正するオン
ライン処理を考えている。一方、このような加速冷却材
の製造範囲は板厚100mm位までを考える必要がある
が、板厚100mmの鋼板の矯正を考えると、その形状矯
正装置は負荷荷重の大きなものを使用する必要がある。
しかも第1、第2の形状矯正装置ともに、このような設
備とする必要があり、設備費が高価となるという問題点
がある。
【0015】また、形状矯正装置を、冷却装置の前後ど
ちらか一方にのみ設けて、1台の形状矯正装置で冷却の
前後2回にわたって矯正を行うようにすると、全ての鋼
板を逆送する必要が出てきて、次材と干渉しないように
しなければならないため、生産性を著しく阻害するとい
う問題点がある。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みて行われた
もので、安価な鋼板製造ラインにおいて、能率を損なわ
ず、熱間圧延後の高温の鋼板をオンライン冷却により均
一に冷却し、平坦で均質な鋼板を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷
却装置、第2の形状矯正装置がこの順序で配列され、オ
ンラインで鋼板を冷却、矯正する機能を有する鋼板の製
造ラインにおいて、第2の形状矯正装置は冷却後の鋼板
全部に対して、充分な形状矯正能力を有するものであ
り、第1の形状矯正装置は、所定厚み以下の鋼板のみ
を、冷却装置において当該鋼板の均一冷却が可能な形状
矯正する形状矯正能力を有するものであることを特徴
とする鋼板の製造ライン(請求項1)である。
【0018】ここで、「所定厚み」は、当該鋼板製造ラ
インで製造可能な板厚の内、上限でない特定の厚みをい
う。
【0019】また、前記課題を解決するための第2の手
段は、前記第1の手段であって、前記所定厚みが、鋼板
を第2の形状矯正装置まで空走して第2の形状矯正装置
により矯正し、再び冷却装置まで逆送しても、冷却開始
温度が確保される最低厚みであることを特徴とするもの
(請求項2)である。
【0020】本発明者らは、効果的な矯正設備を考える
にあたって、圧延仕上り後の時間経過と温度降下の関係
を調べた。結果の一例として圧延仕上り表面温度が90
0℃の場合の結果を図3に示す。板厚が大きいほど、温
度降下量が小さくなり、所定の材質の鋼板を得るための
冷却開始温度下限(OLAC開始温度として図示されている
温度)に対して充分な時間的余裕がある。このことか
ら、板厚が大きく充分に時間の余裕があるものは、いっ
たん冷却装置の後方まで送り、そこから冷却装置まで逆
送しても、加速冷却開始温度確保の点からは何ら問題は
ないと考えた。
【0021】また、加速冷却の前後に矯正装置を設ける
場合の装置の並びとしては、従来技術にもあるように、
熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷却装置、第2の形
状矯正装置の順に配列する方法が考えられる。この場
合、全ての鋼板の形状矯正処理をする必要があることか
ら、このような、高負荷荷重に耐えうる矯正装置が少な
くとも1つは必要である。
【0022】このことから、第2の形状矯正装置を全て
の鋼板の形状矯正が可能なものとし、板厚の大きなもの
は、この第2の形状矯正装置まで送り、形状矯正した
後、冷却装置まで逆送して加速冷却を行っても加速冷却
開始温度は充分に確保できることがわかった。
【0023】第2の冷却装置まで送って形状矯正を行っ
た後冷却装置まで逆送した場合に、、冷却開始温度が確
保されないのは板厚が薄い鋼板であり、これらの鋼板の
みの形状矯正を第1の形状矯正装置で行うことにすれ
ば、第1の形状矯正装置は負荷荷重が小さくなり、その
構造を簡易化することができる。よって、第1の形状矯
正装置の価格を安価なものとすることができ、ライン全
体の価格も安価にできる。
【0024】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段において鋼板を冷却、矯
正して製造する方法であって、熱間圧延後の鋼板に対し
て、(a)当該鋼板の厚みが前記所定厚み以下であれば、
第1の形状矯正装置により形状矯正を行った後冷却装置
により冷却を行い、その後第2の形状矯正装置により最
終形状矯正を行い、(b)当該鋼板の厚みが前記所定厚み
を超える場合には、鋼板を第2の形状矯正装置まで空走
して第2の形状矯正装置により矯正し、再び冷却装置ま
で逆送して冷却装置により冷却を行い、その後第2の形
状矯正装置により最終形状矯正を行うことを特徴とする
もの(請求項3)である。
【0025】この手段によれば、第1の形状矯正装置が
使用できる薄い鋼板に対しては、第1の形状矯正装置→
冷却装置→第2の形状矯正装置と1パスで冷却・矯正を
行うことができるので、能率の良い作業が可能となる。
よって、逆送を伴うのは、第1の形状矯正装置が使用で
きない厚さの厚い鋼板に限られるので、全体としての作
業能率が向上する。
【0026】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段において鋼板を冷却、矯
正して製造する方法であって、熱間圧延後の鋼板に対し
て、(a)当該鋼板の厚みが前記所定厚み以下であれば第
1の形状矯正装置により形状矯正を行った後冷却を行
い、その後第2の形状矯正装置により最終形状矯正を行
い、(b)当該鋼板の厚みが前記所定厚みを超える場合に
は、(1)当該鋼板の形状が、第1の形状矯正機で、当該
鋼板の均一冷却が可能な形状に矯正できる程度に良好で
ある場合には、第1の形状矯正装置により形状矯正を行
った後冷却装置により冷却を行い、その後第2の形状矯
正装置により最終形状矯正を行い、(2)当該鋼板の形状
が、第1の形状矯正機では、当該鋼板の均一冷却が可能
な形状に矯正できない程度に悪い場合には、鋼板を第2
の形状矯正装置まで空走して第2の形状矯正装置により
矯正し、再び冷却装置まで逆送して冷却装置により冷却
を行い、その後第2の形状矯正装置により最終形状矯正
を行うことを特徴とする鋼板の製造方法(請求項4)で
ある。
【0027】この方法によれば、鋼板の厚さが前記所定
板厚よりも厚い場合でも、圧延後の鋼板の形状が良く、
形状矯正のための負荷が軽いため第1の形状矯正装置で
形状矯正が可能である場合には、第1の形状矯正装置を
用いて、冷却と形状矯正を、逆送無く1パスで実施可能
であるので、作業能率が更に向上する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。図1は冷却装置と、形状矯正装置を合わせて備えた
厚板の製造ラインを示したものである。図1において、
1は熱間圧延機、2は第1の形状矯正装置、3は加速冷
却装置、4は第2の形状矯正装置であり、これらは、ラ
インの前側から後側に向かってこの順に配置されてい
る。なお、図1においては、形状矯正装置はオンライン
の形状矯正装置として一般的なローラレベラーとしてい
るが、連続プレス等他の装置を用いても支障はなく、形
状矯正装置はローラレベラーに限定されるものではな
い。
【0029】この設備を用いて、図2に示す5種類の運
転方法で板厚12mm、板厚40mmの鋼板の製造を行
った。
【0030】運転方法Aは、第1の形状矯正装置2で形
状矯正後、加速冷却装置3で加速冷却を行い、第2の形
状矯正装置4で最終形状矯正をする方法である。
【0031】運転方法Bは、第1の形状矯正装置2と加
速冷却装置3を素通りさせ、第2の形状矯正装置4で形
状矯正後、鋼板を加速冷却装置3の前面まで逆送して、
加速冷却装置3により加速冷却を行い、第2の形状矯正
装置4で最終形状矯正をする方法である。
【0032】運転方法Cは、第1の形状矯正装置2で形
状矯正後、加速冷却装置3で加速冷却を行い、その後第
1の形状矯正装置2の前面まで逆送して、第1の形状矯
正装置で最終形状矯正する方法である。
【0033】運転方法Dは、第1の形状矯正装置2で形
状矯正後、加速冷却装置3で加速冷却を行い、第2の形
状矯正装置4を使用せず、製品とする方法である。
【0034】運転方法Eは、第1の形状矯正装置2で形
状矯正をすることなく、熱間圧延後の鋼板をそのまま加
速冷却装置3に送って加速冷却し、その後第2の形状矯
正装置4で最終形状矯正を行う方法である。
【0035】なお、運転方法A,Cでは第1の形状矯正
装置は、ロール径350mm、ロール本数5本の2重式
ホットレベラーとし、運転方法Dでは第1の形状矯正装
置をロール径250mm、ロール本数9本の4重式ホッ
トレベラーとした。第2の形状矯正装置はすべて、ロー
ル径250mm、ロール本数9本の4重式ホットレベラ
ーである。
【0036】本鋼種では、製品の特性を確保するため
に、加速冷却開始温度は780℃以上とする必要があ
る。また、熱間圧延終了後表面温度が900℃になるま
で第1の形状矯正装置2の全面で鋼板を待機させ、その
条件を統一した。加速冷却を500℃で停止した後、冷
却床で室温まで冷却された後の鋼板の急峻度を測定し
た。
【0037】その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】板厚12mm材については、Case3では、運転
方法がBであるので、形状矯正後に逆送工程が含まれて
加速冷却開始までに時間がかかり、加速冷却開始温度が
確保できていない。Case4では、運転方法がCであっ
て、加速冷却後に逆送工程が含まれるので、加速冷却が
終了し、矯正が終了するまで次材を処理できず、能率が
下がっている。Case5では、上下面の冷却が若干ずれて
いたため、鋼板の平坦度が損なわれている。そして、第
2の形状矯正装置4による形状矯正が行われていないた
め、損なわれた平坦度がそのまま残ってしまっている。
Case6では、運転方法がEであるので、加速冷却時の鋼
板の形状が良好でなく、上面に水が滞留したために大き
なひずみが発生した。
【0040】板厚40mm材については、Case7では、運転
方法がAであるため、第1の形状矯正装置2で十分に形
状が矯正されておらず、レベラーのロールがたわみ、か
えって形状を乱すことになり、Case6と同様に上面に水
が滞留したために大きなひずみが発生した。Case8で
は、運転方法がCであって、加速冷却後に逆送工程が含
まれるので、加速冷却が終了し、矯正が終了するまで次
材を処理できず、Case4と同様に能率が下がっている。C
ase9では、運転方法がDであるので、第2の形状矯正装
置4による形状矯正が行われておらず、損なわれた平坦
度がそのまま残ってしまい、Case5と同様にひずみが発
生した。Case10では、運転方法がEであるので、加速冷
却時の鋼板の形状が良好でなく、上面に水が滞留したた
めに、Case6と同様にひずみが発生した。
【0041】以上に対し、本発明の実施例であるCase
1、Case2では、冷却開始温度が確保でき、能率を損なう
ことなく、平坦な鋼板が得られることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、冷却装置の前後に設けられる2つの形状矯正装置の
うちの一方を、所定厚み以下の鋼板を、当該鋼板の均一
冷却が可能な形状に矯正するだけの形状矯正能力を有す
るものとしているので、この形状矯正装置の価格を安価
にすることができる。
【0043】そして、鋼板の厚さ、形状に応じて、2つ
の形状矯正装置の使用方法を変えているので、平坦度の
良好な鋼板を作業能率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための厚板の製造ラ
インの例を示すである。
【図2】本発明の実施例の運転方法と、比較例の運転方
法を示す図である。
【図3】圧延後の鋼板の放冷時間と鋼板温度の関係の例
を示す図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延機 2 第1の形状矯正装置 3 加速冷却装置 4 第2の形状矯正装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−124864(JP,A) 特開 平3−128122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延機、第1の形状矯正装置、冷却
    装置、第2の形状矯正装置がこの順序で配列され、オン
    ラインで鋼板を冷却、矯正する機能を有する鋼板の製造
    ラインにおいて、第2の形状矯正装置は冷却後の鋼板全
    部に対して充分な形状矯正能力を有するものであり、第
    1の形状矯正装置は、所定厚み以下の鋼板のみを、冷却
    装置において当該鋼板の均一冷却が可能な形状に矯正す
    る形状矯正能力を有するものであることを特徴とする鋼
    板の製造ライン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される鋼板の製造ライン
    であって、前記所定厚みが、鋼板を第2の形状矯正装置
    まで空走して第2の形状矯正装置により矯正し、再び冷
    却装置まで逆送しても、冷却開始温度が確保される最低
    厚みであることを特徴とする鋼板の製造ライン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された鋼板
    の製造ラインにおいて鋼板を冷却、矯正して製造する方
    法であって、熱間圧延後の鋼板に対して、(a)当該鋼板
    の厚みが前記所定厚み以下であれば、第1の形状矯正装
    置により形状矯正を行った後冷却装置により冷却を行
    い、その後第2の形状矯正装置により最終形状矯正を行
    い、(b)当該鋼板の厚みが前記所定厚みを超える場合に
    は、鋼板を第2の形状矯正装置まで空走して第2の形状
    矯正装置により矯正し、再び冷却装置まで逆送して冷却
    装置により冷却を行い、その後第2の形状矯正装置によ
    り最終形状矯正を行うことを特徴とする鋼板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載された鋼板
    の製造ラインにおいて鋼板を冷却、矯正して製造する方
    法であって、熱間圧延後の鋼板に対して、(a)当該鋼板
    の厚みが前記所定厚み以下であれば第1の形状矯正装置
    により形状矯正を行った後冷却を行い、その後第2の形
    状矯正装置により最終形状矯正を行い、(b)当該鋼板の
    厚みが前記所定厚みを超える場合には、(1)当該鋼板の
    形状が、第1の形状矯正機で、当該鋼板の均一冷却が可
    能な形状に矯正できる程度に良好である場合には、第1
    の形状矯正装置により形状矯正を行った後冷却装置によ
    り冷却を行い、その後第2の形状矯正装置により最終形
    状矯正を行い、(2)当該鋼板の形状が、第1の形状矯正
    機では、当該鋼板の均一冷却が可能な形状に矯正できな
    い程度に悪い場合には、鋼板を第2の形状矯正装置まで
    空走して第2の形状矯正装置により矯正し、再び冷却装
    置まで逆送して冷却装置により冷却を行い、その後第2
    の形状矯正装置により最終形状矯正を行うことを特徴と
    する鋼板の製造方法。
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