JP3234909B2 - インバータ制御装置、およびインバータの制御方法 - Google Patents

インバータ制御装置、およびインバータの制御方法

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JP3234909B2
JP3234909B2 JP33362496A JP33362496A JP3234909B2 JP 3234909 B2 JP3234909 B2 JP 3234909B2 JP 33362496 A JP33362496 A JP 33362496A JP 33362496 A JP33362496 A JP 33362496A JP 3234909 B2 JP3234909 B2 JP 3234909B2
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博一 小玉
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    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/42Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal
    • H02M7/44Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電力変換器等に用
いられるインバータの出力波形制御を行うインバータ制
御装置、およびインバータの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、インバータ装置として、図7
に示すものがある。このインバータ装置50は、直流電
源51を入力として交流の負荷52を駆動するインバー
タ主回路53の制御を行うものであって、ディジタル・
シグナル・プロセッサ(以下、DSPと称す)からなる
インバータ制御装置54を使用してインバータ主回路5
3の出力電流を瞬時値制御している。
【0003】以下、インバータ制御装置54による制御
方法を説明する。すなわち、インバータ主回路53の出
力電流を電流検出器55で検出したうえで、その出力電
流をA/D変換器56によって所定のサンプリング周波
数でA/D変換する。そして、A/D変換した出力電流
信号IOを基準電流信号ICとともにインバータ制御装置
54に入力する。
【0004】インバータ制御装置54はそのソフトウエ
アのプログラミングにより誤差増幅部57とPWM演算
部58とを備えており、まず、誤差増幅部57が、出力
電流信号IOと基準電流信号ICとを基にして誤差増幅信
号E=K(IC―IO)を計算する。ここでKは比例ゲイン
である。
【0005】PWM演算部58ではこの誤差増幅信号E
に基づいて、インバータ主回路53を構成するスイッチ
ング素子(図示省略)のゲートオン時間Tonを算出す
る。そしてインバータ制御装置54で算出したゲートオ
ン時間Tonをタイマ・カウンタ回路59に出力する。タ
イマ・カウンタ回路59では、入力されたゲートオン時
間Tonを基にして各スイッチング素子のゲート駆動信号
Gを作成して、ゲート駆動回路60に出力する。ゲート
駆動回路60では入力されたゲート駆動信号Gを基にし
てインバータ主回路53のスイッチングを行う。
【0006】なお、インバータ制御装置54における出
力電流信号IOおよび基準電流信号Icの入力タイミン
グ、誤差増幅信号Eの計算、ゲートオン時間Tonの計算
および出力のタイミングは所定のサンプリング周期で連
続的に実行されるようになっている。
【0007】このインバータ制御装置54を、比例制御
系とみなして説明すると、次のようになる。すなわち、
図8の制御ブロック図に示すように、インバータ(PW
M演算部58,タイマ・カウンタ回路59,ゲート駆動
回路60,およびインバータ主回路53等を含む)71
の出力電流信号IOを電流検出回路70(電流検出器5
5とA/D変換器56が相当する)で検出して誤差増幅
部57に入力する。誤差増幅部57では、減算部57a
において、別途入力される基準電流信号Icから出力電
流信号IOを減算(Ic−IO)し、さらにその減算結果
に対して比例制御部57bにおいて比例ゲインKで比例
補償(増幅)したうえで、その出力(=誤差増幅信号)
Eをインバータ71に出力する。インバータ71では、
比例制御部57bの出力Eを基にして出力電流信号IO
を形成する。
【0008】このようにして形成された出力電流信号I
Oには、インバータ71の構造上、避けることができな
い外乱Nが重畳される。外乱Nの一例として次のような
作用により生じる外乱Nがある。すなわち、インバータ
主回路53を構成するIGBT(Insulated Gate Bipol
ar Transistor)などのスイッチ素子のオン時のコレク
タ電流が実際のオン時間に比例しないことに起因する非
線形作用で外乱Nが発生する。このような外乱Nが生じ
ると、基本周波数の高調波歪みが出力電流に重畳され
る。
【0009】このような外乱Nの影響を排除する方法と
して、比例制御部57bの比例ゲインKを無限大に大き
くすることが考えられる。比例ゲインKは大きくすれば
するほど、出力電流信号IOに現れる外乱Nの影響が小
さくなり、理想的には比例ゲインKを無限大とすること
により基準電流信号Icと出力電流信号IOとの間の誤差
を0にすることができる。
【0010】ところが、実際のインバータ制御装置50
では、インバータ主回路53やその周辺回路等において
遅延等の周波数特性を有しているため、比例ゲインKを
大きくすると制御系が不安定となって発振を生じるた
め、比例ゲインKを無闇に大きくすことは現実的な解決
策とは言えない。
【0011】これに対して、従来のインバータ制御装置
50においては、出力電流信号IOの高周波発振を抑制
するために、誤差増幅部57の出力側に低域通過フィル
タ61(図7参照)を設け、この低域通過フィルタ61
によって比例制御部57bの出力(=誤差増幅信号)E
のろ波を行うことで高周波域の比例ゲインKを下げ、ろ
波後の出力Fを用いてPWM演算を実行することも試み
られている。
【0012】しかしながら、このような対策を施して
も、低域通過フィルタ61自体に遅延が含まれており、
対策手段として設けた低域通過フィルタ61によって新
たな遅延が生じるため、必ずしも高周波の発振現象を抑
制できるとは限らなかった。
【0013】また、低域通過フィルタ61を用いて高周
波域の比例ゲインKを効率よく下げるためには、一般
に、・カットオフ周波数を低くする、・減衰量を大きく
する、といった手段が講じられるが、このような手段を
講じると、やはり低域通過フィルタ61の遅延を大きく
してしまうため、簡単に比例ゲインKを下げることもで
きなかった。
【0014】そこで、本願発明の発明者らは、上述した
遅延の影響を排除したインバータ制御装置を、特平7
−267495号でもって既に提案している。以下、説
明する。
【0015】このインバータ制御装置は周期成分制御手
段によりインバータ出力を希望出力波形に調整してい
る。すなわち、まず、インバータ出力の基本波の1周期
を単位区間として、インバータ出力波形と希望出力波形
との間の誤差を算出することで、基本波の1周期分の誤
差波形パターンを形成する。そして、形成した誤差波形
パターンを問題となる遅延に対応する位相分だけ相対的
に進相させたうえで、前回の周期期間においてインバー
タを駆動したインバータ駆動波形パターンに加算する。
つまり、所定の進相処理を施した誤差波形パターンを積
分することによりインバータ駆動波形パターンを作成す
る。そして、このようにして作成したインバータ駆動波
形パターンに基づいてインバータ出力を制御する。
【0016】これにより、遅延の影響を排除したうえ
で、インバータ出力波形を徐々に希望出力波形に一致す
るように調整することができ、さらには、前述したよう
な、IGBTのオン時のコレクタ電流がオン時間に比例
しないことに起因する基本周波数の高調波歪みをキャン
セルすることが可能となる。
【0017】
【発明か解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして、遅延の影響の排除と高調波歪みのキャンセル
を図った従来のインバータ制御装置においても、負荷が
急変した場合における波形制御が十分とはいえず、電流
波形の乱れや過電流等の好ましくない現象を生じさせる
という問題があった。以下、説明する。
【0018】所定の進相処理を施した誤差波形パターン
を積分することによりインバータ駆動波形パターンを作
成する従来のインバータ制御装置では、遅延の影響を排
除するために誤差波形パターンを進相処理している。と
ころが、実際の波形処理において誤差波形パターンを進
ませることは不可能であるので、逆に誤差波形パターン
を遅らせることによって、インバータ駆動波形パターン
に対する相対的な進相処理を実行せざるを得ない。その
ため、誤差波形パターンの情報がインバータ出力に反映
されるのは1周期遅れることになる。
【0019】ここで、インバータ71に接続される負荷
52が定常状態である場合、この方法は十分な制御効果
を発揮する。しかしながら、負荷が急変するような場合
には、その急変に対する制御の応答が少なくとも1周期
近く遅れることになり、この遅れの間に、電流波形の乱
れや、過電流等の望ましくない現象を生じさせた。
【0020】本発明は上述のような問題点に鑑み、イン
バータ出力のフィードバック制御において高周波域での
発振の原因となる遅延を補償して安定な制御を行うとと
もに、出力波形歪みの改善、および負荷変動に対する応
答を向上させることを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するために、次のように構成にした。
【0022】請求項1に記載のインバータ制御装置は、
希望出力波形とインバータ出力波形との間の誤差を検出
する誤差検出手段と、前記誤差の周期的な成分が減少す
るようにインバータ出力を制御する周期成分制御手段
と、前記誤差の非定常成分が減少するようにインバータ
出力を制御する非定常成分制御手段とを備えるインバー
タ制御装置であって、前記周期成分制御手段は、系統電
圧のゼロクロス検出パルスが入力されるFIRフィルタ
と、インバータ駆動波形データを更新するためのLMS
アルゴリズム演算部と、前記FIRフィルタからの出力
信号が入力されるPWM演算部とを有し、インバータ駆
動波形データの更新操作は前記LMSアルゴリズム演算
部で行われ、更新されたインバータ駆動波形データは前
記FIRフィルタに与えられ、このFIRフィルタの演
算動作により得られたフィルタ係数としての出力信号が
前記PWM演算部に送出され、該PWM演算部において
PWM演算が行われ、前記誤差が最小となるようにイン
バータ出力が調整されることに特徴を有しており、これ
により次のような作用を有する。すなわち、周期成分制
御手段をデジタル信号処理回路によって構成することに
より、処理途中においてノイズが混入しにくくなる。
【0023】請求項2に記載のインバータ制御装置は、
請求項1に係るインバータ制御装置であって、前記非定
常成分制御手段は、前記誤差を基にして誤差増幅信号を
形成する比例制御部と、前記誤差増幅信号を前記インバ
ータ駆動波形パターンに加算する加算部とを備えてお
り、前記出力制御部は、前記加算部の出力に基づいてイ
ンバータ出力を調整していることに特徴を有しており、
これにより、次のような作用を有する。非定常成分制御
手段を、比例制御手段と同様の構造で構成することがで
き、その分、非定常成分制御手段を簡単に構成すること
ができるようになる
【0024】請求項3に記載のインバータ制御装置は、
請求項2に係るインバータ制御装置であって、前記比例
制御部は、前記誤差の符号に応じて誤差増幅のゲインを
変化させていることに特徴を有しており、これにより次
のような作用を有する。すな わち、たとえば、希望出力
波形よりインバータ出力の波形が小さい場合はゲインを
低めに設定し、逆に大きくなった場合はゲインを大きく
設定することにより、負荷変動によるインバータの出力
過電流や過電圧をより速く抑制することが可能となる。
【0025】請求項4に記載のインバータ制御装置は、
請求項1に係るインバータ制御装置であって、前記非定
常成分制御手段は、前記誤差の所定割合が減少するよう
に制御しており、前記周期成分制御手段は、前記誤差の
周期成分が零になるように制御して、定常状態では、基
本波成分の制御が自動的に周期成分制御手段に移行する
ことに特徴を有しており、これにより次のような作用を
有する。すなわち、まず、非定常成分制御手段がインバ
ータ出力波形制御の動作初期に周期成分の制御を受け待
ち、そののち、徐々に周期成分の制御が周期成分制御手
段に移行していくことになる。そして、負荷が定常な場
合はすべての制御が周期成分制御手段に移行することに
なる。
【0026】請求項5に記載のインバータ制御装置は、
請求項1に係るインバータ制御装置であって、系統電圧
の1周期のうちの半周期は、前記フィルタ係数の適応演
算を行い、残りの半周期は適応演算を行わないことに特
徴を有しており、これにより次のような作用を有する。
すなわち、第2低域通過フィルタのための演算時間を確
保することが可能となる。
【0027】請求項6に記載のインバータの制御方法
は、インバータ出力波形を希望出力波形に調整するイン
バータ制御方法であって、希望出力波形とインバータ出
力波形との間の誤差を検出し、この誤差を最小とするた
めに、インバータ駆動波形データの更新操作をLMSア
ルゴリズム演算部で行い、系統電圧のゼロクロス検出パ
ルスと、更新されたインバータ駆動波形データをFIR
フィルタに与え、このFIRフィルタの演算動作により
得られたフィルタ係数としての出力信号を前記PWM演
算部に送出し、該PWM演算部においてPWM演算が行
われ、前記誤差が最小となるようにインバータ出力が調
整されることに特徴を有している。これ により、次のよ
うな作用を有する。すなわち、インバータ出力がデジタ
ル信号処理されるので、処理途中においてノイズが混入
しにくくなる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明におけるインバータ
制御装置を組み込んだ系統連系インバータ装置1の全体
構成を示す図である。このインバータ装置1は太陽電池
2から出力された直流電力を商用電力系統3と同―の位
相、および周波数(50/60Hz)をもつ交流電力に
変換したのち、商用電力系統3に供給するものである。
【0029】インバータ装置1は、コンデンサ4と、高
周波インバータブリッジ5と、高周波トランス6と、ダ
イオードブリッジ7と、フィルタ回路10と、低周波イ
ンバータブリッジ11と、連系リレー12と、ACフィ
ルタ13と、インバータ出力電流検出器14と、系統電
圧検出器15と、A/D変換器16と、インバータ制御
装置17とを備えている。
【0030】コンデンサ4は、太陽電池2から入力され
る直流電圧の変動を抑制している。高周波インバータブ
リッジ5は、インバータ装置1に入力される直流電力を
高周波交流(十〜数百KHz)に変換している。高周波
トランス6は、太陽電池2(―次側)と商用電力系統3
(二次側)とを絶縁している。ダイオードブリッジ7
は、高周波トランス6によって絶縁された高周波交流を
整流している。フィルタ回路10は、DCリアクトル8
およびコンデンサ9で構成されており、ダイオードブリ
ッジ7が整流した整流波形中に含まれる高周波成分を除
去して平滑化している。低周波インバータ11は、フィ
ルタ回路10の直流出力を低周波(50/60〜数百H
z)で折返し制御を行って低周波の交流を作成してい
る。連系リレー12は、インバータ出力、すなわち低周
波インバータブリッジ11で作成された低周波交流と商
用電力系統3との連系および切り離しを行っている。A
Cフィルタ13は、インバータ出力の高調波成分を除去
している。インバータ出力電流検出器14は、インバー
タ出力の電流値を検出している。系統電圧検出器15
は、インバータ出力あるいは商用電力系統3の系統電圧
を検出している。A/D変換器16は出力電流検出器1
5が検出した電流値をA/D変換している。インバータ
制御装置17は、高周波インバータブリッジ5および低
周波インバータブリッジ11を制御している。
【0031】なお、このインバータ装置1では、コンデ
ンサ4,高周波インバータブリッジ5,高周波トランス
6,ダイオードブリッジ7,フィルタ回路10,低周波
インバータブリッジ11,連系リレー12,およびAC
フィルタ13からインバータ主回路が構成されている。
【0032】インバータ制御装置17は、低周波折返し
インバータ制御部20と、低周波ゲート駆動部21と、
高周波PWMインバータ制御部22と、高周波ゲート駆
動部23とを備えている。
【0033】低周波折返しインバータ制御部20は、商
用電力系統における系統電圧のゼロクロスを検出してゼ
ロクロス検出パルスRを作成しており、このゼロクロス
検出パルスRに同期して直流波形の折返し制御を行って
いる。
【0034】低周波ゲート駆動部21は、低周波折返し
インバータ制御部20の制御に基づいて低周波インバー
タブリッジ11のスイッチング制御用のパルス列を出力
している。また、ゼロクロス検出パルスRは高周波PW
Mインバータ制御部22へも供給されている。
【0035】高周波PWMインバータ制御部22は、イ
ンバータ出力電流波形が商用電力系統3における系統電
圧と同位相の正弦波となるように制御している。高周波
ゲート駆動部23は、高周波PWM制御部22の制御に
基づいて高周波インバータブリッジ5のスイッチングを
行っている。
【0036】次に、図2を参照して高周波PWMインバ
ータ制御部22の構成を説明する。高周波PWMインバ
ータ制御部22における処理は、すべてDSPが有する
諸機能を用いて実現される。従って図2に示す高周波P
WMインバータ制御部22はDSP内で行われる処理の
構成を示すものである。
【0037】高周波PWMインバータ制御部22は、イ
ンバータ出力電流信号IOと基準電流信号Icとを基にし
て誤差増幅を行う誤差増幅信号形成部26と、誤差増幅
信号形成部26の出力の高周波成分を除去する第1低域
通過フィルタ27と、第1低域通過フィルタ27の出力
に遅延をかける遅延部28と、遅延部28の出力を積分
する誤差波形積分部29と、誤差波形積分部29の出力
が有する高周波成分を除去する第2低域通過フィルタ3
0と、インバータ出力電流信号IOと基準電流信号Icと
を基にして比例制御を行う比例制御部31と、誤差波形
積分部29の出力に比例制御部31の出力を加算する加
算部32と、加算部32の加算結果に基づいてPWM演
算を行うPWM演算部33とを備えている。
【0038】誤差増幅信号形成部26は、インバータ出
力電流信号IOの絶対値IAを形成する絶対値演算部26
aと、基準電流信号Icを供給する基準波形メモリ26
bと、絶対値IAと基準電流信号Icとから誤差信号e
を形成する減算器26cと、誤差信号eから第1の誤差
増幅信号e1を形成する誤差増幅部26dとを備えてい
る。
【0039】誤差波形積分部29は、この誤差波形積分
部29で形成したインバータ駆動波形パターンを記憶す
る駆動波形メモリ29bと、遅延部28の出力に、駆動
波形メモリ29bで記憶しているインバータ駆動波形パ
ターンPを加算する加算部29aとを備えている。
【0040】なお、インバータ装置1においては、本発
明の請求項1等に記載された誤差検出手段が誤差増幅信
号形成部26により構成されており、請求項1,4等に
記載された出力制御部がPWM演算部33により構成さ
れており、請求項2,5等に記載された駆動波形パター
ン形成部が誤差波形積分部29と遅延部28とから構成
されており、請求項4に記載された加算部が加算部32
により構成されており、請求項6に記載された高周波除
去手段が第2低域通過フィルタ30から構成されてい
る。
【0041】次に、このように構成された高周波PWM
インバータ制御部22の動作を説明する。
【0042】まず、誤差増幅信号形成部26の動作を説
明する。絶対値演算部26aにおいて、A/D変換器1
6から供給されるインバータ出力電流信号IOの絶対値
Aを形成する。減算部26cでは、絶対値演算部26
aから供給される絶対値IAと、基準電流波形メモリ2
6bから供給される基準電流信号Icとからその誤差信
号e(=IA−IO)を形成する。誤差増幅部26dで
は、減算部26cから供給される誤差信号eに誤差増幅
率αを乗算して第1の誤差増幅信号e1(=α(IA
Ic))を形成する。
【0043】なお、基準波形メモリ26bには半波長分
の正弦波データSのテーブルが保存されており、出力電
流信号IOが入力(サンプリング)される毎に順次、正
弦波データSがテーブルから読み出される。基準波形メ
モリ26bから出力された正弦波データSは出力指令C
によりその振幅が決定されて基準電流信号Icとなる。
正弦波データSの読み出し位置は、ゼロクロス検出パル
スRが高周波PWMインバータ制御部(DSP)22に
入力されることによってリセットされる。
【0044】第1低域通過フィルタ(FIR)27は、
誤差増幅信号形成部26から入力された第1の誤差増幅
信号e1に含まれる高周波成分を除去し、高周波ろ波済
みの信号fを遅延部28に出力している。
【0045】遅延部28は信号fに時間(T―τ)の遅
延を与え、遅延済み信号f’を誤差波形積分部29に出
力している。ここでTはインバータ出力電流信号IO
基本周期、τはインバータ主回路、インバータ出力電流
検出器14、第1低域通過フィルタ27等によって構成
されるフィードバックループ内の遅延時間である。
【0046】次に、このようにして形成された遅延済み
信号f’を積分処理する誤差波形積分部29の動作を説
明する。
【0047】駆動波形メモリ29bには、誤差波形積分
部29によって形成されたインバータ駆動波形パターン
のうち、インバータ出力電流信号IOの基本周期Tの半
周期T/2の期間に相当する駆動波形パターンgが保存
されている。駆動波形パターンgは時系列に沿ったI個
のデータ(w0〜wI-1)で構成されている。これらのデ
ータw0〜I-1は、インバータ出力電流信号IOのサンプ
リング毎に駆動波形メモリ29bから順次読み出され、
加算器29aに送出される。このとき、駆動波形メモリ
29bから読み出されるデータw0〜I-1の読み出し位置
は、ゼロクロス検出パルスRによってリセットされる。
すなわち、ゼロクロス検出パルスRが入力される毎に再
度データw0から順次読み出されるようになる。
【0048】加算器29aは、駆動波形メモリ29bか
ら順次読み出される駆動波形パターン(データw0〜I-1
の系列で構成されている)gと、遅延部28が出力する
信号f’とを加算することで、インバータ駆動波形パタ
ーンPを更新(積分)している。加算部29bの加算に
より更新されたインバータ駆動波形パターンPは、加算
部32に出力されるとともに、駆動波形メモリ29bに
も送られる。駆動波形メモリ29bでは、インバータ駆
動波形パターンPが入力されると、先に読み出した位置
の駆動波形パターンgのデータw0〜I-1を更新する。こ
のようなデータw0〜I-1の更新をデータw0〜I-1レベル
で説明すると、次のようになる。すなわち、駆動波形メ
モリ29bから送出されたデータwiは加算部29aに
おいて上述した加算処理が施されることでデータwi
に更新される。更新されたデータwi’は駆動波形メモ
リ29bに入力され、駆動波形メモリ29bで記憶され
ているデータwiに置き換わる。
【0049】第2低域通過フィルタ30は、駆動波形メ
モリ29bに格納されているデータw0〜I-1を順次読み
出して、駆動波形パターンgが有する高周波成分を除去
したのち、再度、駆動波形メモリ29bに格納してい
る。
【0050】次に比例制御部31の動作を説明する。
【0051】比例制御部31は、誤差増幅部部26dと
同様の誤差増幅器から構成されており、減算器26cで
形成された誤差信号eを比例ゲイン(=誤差増幅率)K
で増幅して第2の誤差増幅信号e2(=K×e)を形成
する。なお、本発明の請求項4等で記載された誤差増幅
信号はこの第2の誤差増幅信号e2が相当している。
【0052】比例制御部31で形成した第2の誤差増幅
信号e2は加算部32に出力される。なお、比例制御部
31と誤差増幅部26dとは、互いに別途異なる比例ゲ
インK、誤差増幅率αの設定が可能になっている。
【0053】加算部32では誤差波形積分部29から入
力されたインバータ駆動波形パターンPに、比例制御部
31から入力される第2の誤差増幅信号e2を加算し
て、その加算結果P’をPWM演算部33に出力してい
る。
【0054】PWM演算部33は、加算結果P’をPW
M変調してゲートオン時間Tonを算出して、高周波ゲー
ト駆動部23に出力している。
【0055】高周波ゲート駆動部23はタイマ・カウン
タ回路36とゲート駆動回路37とを備えている。タイ
マ・カウンタ回路36は高周波PWM制御部22から入
力されるたゲートオン時間Tonを基に、高周波インバー
タブリッジ5のスイッチング用のパルス列PLを形成し
ている。ゲート駆動回路37はタイマ・カウンタ回路3
6が形成したパルス列PLを基にして高周波インバータ
ブリッジ5のスイッチングを行っている。
【0056】次に、高周波PWMインバータ制御部22
の制御動作を電流フィードバック制御とみなして説明す
る。高周波PWMインバータ制御部22では、周期成分
制御手段と、非定常成分制御手段とを備えており、これ
らを並列状態で作動させることに特徴がある。周期成分
制御手段は、誤差波形積分制御により周期成分制御を行
っており、非定常成分制御手段は、比例制御(より厳密
にいえば上記誤差波形積分制御と比例制御との組み合わ
せ)によって非定常成分制御を行っている。
【0057】非定常成分制御手段は、絶対値演算部26
a、減算器26c、比例制御部31、加算部32、およ
びPWM演算部33という処理経路で構成されている。
一方、周期成分制御手段は、誤差増幅信号形成部26、
第1低域通過フィルタ27、遅延部28、誤差波形積分
部29、第2低域通過フィルタ30、加算部32、およ
びPWM演算部33という処理経路で構成されている。
【0058】次に、周期成分制御手段を単体で動作させ
た場合の制御動作を説明する。周期成分制御手段では、
インバータ出力の所定周期期間(本実施の形態では基本
周波数の周期の1/2周期)を1セットとするインバー
タ駆動波形パターンPを形成し、そのインバータ駆動波
形パターンPに対してPWM演算を行う。インバータ駆
動波形パターンPは、商用電力系統3の電圧に同期して
繰り返し用いられる。なお、本実施の形態では基本周波
数の周期の1/2周期としているが、1周期でも良い
し、n周期(n:自然数)でも良い。
【0059】さらには、インバータ駆動波形パターンP
は次のようなフィードバック制御により更新される。す
なわち、駆動波形メモリ29bにおいて前回の所定周期
期間の駆動波形パターンgを記憶しておく―方、誤差信
号生成部26において、所望の周期波形(基準電流信
号)Icとインバータ出力波形(インバータ出力電流信
号)Ioとの差である誤差波形パターン(=誤差信号)
eを形成し、さらにこの誤差波形パターン(=誤差信
号)eに係数α(=誤差増幅率)を乗じて誤差増幅波形
パターン(=第1の誤差増幅信号)e1を形成する。係
数αは正の数であって制御の収束速度と収束時の精度に
関わる係数である。係数αが小さければ制御の収束は遅
いが収束時の精度は高い。一方、係数αが大きいと制御
の収束速度は速まるが収束時の変動が大きくなる。
【0060】そして記憶している前回の所定周期期間の
駆動波形パターンgに誤差増幅波形パターンe1を加算
することで、インバータ駆動波形パターンPを更新す
る。
【0061】このようにして更新されたインバータ駆動
波形パターンPを用いて新たにPWM演算を行い、ゲー
トオン時間TONを形成しているので、インバータ出力電
流信号IOは徐々に所望の周期波形に近づいていく。
【0062】たとえば、IGBTのオン時のコレクタ電
流がゲートオン時間TONに比例しないことに起因する非
線形性をインバータ装置1が有していることがある。こ
の場合、ゲートオン時間TONが短いとインバータは不連
続モードで動作し、コレクタ電流波形は三角波状とな
る。反対にゲートオン時間TONが長くなるとインバータ
は連続モードで動作し、コレクタ電流波形は矩形波に近
くなる。このような状態になると、ゲートオン時間TON
と電流量が比例しなくなり、これに起因して電流歪みが
発生する。
【0063】しかしながら、このような電流歪みはイン
バータ出力電流信号IOの基本周波数の奇数時高調波で
あって、基準電流信号Icに同期した周期的成分の歪み
であることから、周期波形制御手段では、これらの電流
歪みを含めて制御することが可能である。
【0064】さらに、高周波PWMインバータ制御部2
2を構成する周期波形制御手段では、誤差増幅波形パタ
ーン(=第1の誤差増幅信号e1)を時間T―τ(T:
インバータ出力電流信号IOの基本周期、τ:フィード
バックループ内の遅延時間)だけ遅らせる処理(遅延部
28の作用)を施しており、そのために、駆動波形メモ
リ29bにおいて記憶している駆動波形パターンg(こ
れは誤差増幅波形パターン(第1の誤差増幅信号)e1
の位相を記憶している)は相対的に進相している。
【0065】そしてこのときの遅延時間(T−τ)は、
基本周波数の1周期Tだけ遅らした上で、フィードバッ
クループ内の遅延時問τの分だけ進めたものとなってお
り、因果律を満たすように構成されている。これによ
り、前記フィードバックループ内で生じる遅延の影響を
排除することができるようになる。
【0066】さらにまた、第2低域通過フィルタ30に
より、適宜インバータ駆動波形パターンPに対して高周
波除去を施しているため、遅延部28に設定した遅延時
間(T−τ)のなかに、位相換算でπ/2以上の誤差が
生じてインバータ駆動波形パターンPが発振するような
場合においても、第2低域通過フィルタ30による高周
波除去により、このような発振を抑制することができ
る。なお、第2低域通過フィルタ30における高周波除
去においても、その信号処理により遅延が生じるが、こ
の遅延もまた、上述した遅延の補償操作によって補償す
る遅延時間τ内に組み込んでしまえば、問題はない。
【0067】インバータ駆動波形パターンPのフィード
バック制御(これは主として誤差波形積分部29が行
う)についてさらに詳細に説明する。
【0068】高周波PWMインバータ制御部(DSP)
22におけるサンプリング周期をΔt、離散時間をnと
すると、時間nにおいて遅延部28から誤差波形積分部
29に入力される信号f’は、次の(1)式となる。
【0069】 f’=f(n−L) …(1) f(n):第1低域通過フィルタ27の出力(=高周波が
除去された誤差増幅信号e1) L:(T―τ)/Δt 誤差波形積分部29に入力された遅延部28の出力f’
は、加算部29aにおいて、次の式(2)に示すよう
に、駆動波形メモリ29bで記憶している前回周期の駆
動波形パターンg(n)に加算されて、インバータ駆動波
形パターンP(n)となる。
【0070】 P(n)=g(n)+f’…(2) ここで、駆動波形パターンg(n)は次の3式となる。
【0071】 g(n)=wn mod I(n) …(3) I=T/(2Δt) n mod I:nをIで割った余り I:駆動波形パターンg(n)を構成するデータWi(i=0,
1,…,I-1)の総数T:インバータ出力電流信号IOの基
本周波数 Δt:高周波PWMインバータ制御部(DSP)22の
サンブリング周期さらに駆動波形メモリ29bでは駆動
波形パターンg(n)のデータwiを次の(4)式で更新す
る。
【0072】 wn mod I(n+1)=p(n)…(4) インバータ駆動波形データwiは初期状態ではすべて0
であるが、上記式(4)によって逐次更新され、徐々に
最適な値へと近づいていく。
【0073】第2低域通過フィルタ30は、駆動波形パ
ターンgのデータ数列wiをろ波するものであり、駆動
波形パターンgのデータ数列wiそのものを次の(5)
式で示すように、FIR型の直線位相ローパスフィルタ
でフィルタリングする。
【数1】 M:第2低域通過フィルタ30のタップ数(奇数) bm:フィルタ係数 駆動波形メモリ29bで記憶している駆動波形パターン
gのデータwiを、式(5)で算出したデータ数列Wi
(n)に更新することで、駆動波形メモリ29bに記憶す
る駆動波形パターンg(n)に含まれる高周波成分を除去
することができる。さらには、式(5)における(M―
1)/2はこのフィルタ処理における遅延時間であり、
右辺のインバータ駆動波形データwをこの遅延分進める
ことにより、フィルタ処理における遅延を相殺してい
る。なお、式(5)の演算は他の演算処理との特別な同
期をとる必要はなく、処理時間に余裕がある時に適宜実
行すればよい。
【0074】次に、周期成分制御手段による周期成分制
御を図3に示す波形に基づいて、具体的に説明する。
【0075】図3(a)に示すように、高周波PWMイ
ンバータ制御部22に入力される出力電流信号IOはイ
ンバータ装置1内での信号処理によって、基準電流信号
Cに対してτaだけ遅延している。そのため、減算部
26cが出力する誤差信号eは、図3(b)に示すよう
な波形となる。そして、この誤差信号eに対して誤差増
幅部26dで誤差増幅率α(0<α≦1)を乗算処理す
ることで、誤差増幅信号e1を形成して、第1低域通過
フィルタ27に出力する。第1低域通過フィルタ27で
は、誤差増幅信号e1の高周波成分を除去したのち、図
3(c)に示す出力fとして遅延部28に出力する。こ
のとき、第1低域通過フィルタ27の出力fは、第1低
域通過フィルタ27のろ波処理により、τbだけ遅延し
た状態で出力される。
【0076】遅延部28は、誤差増幅信号e1を図3
(d)に示すように、時間T−τ(T=インバータ出力
電流信号IOの基本周期、τ=τa+τb)だけ遅延さ
せるたうえで、誤差波形積分部29に出力する。
【0077】誤差波形積分部29では、遅延部28の出
力f’と、駆動波形メモリ29bで記憶している前回の
周期期間での駆動波形パターンgとを加算部29aで加
算処理を行うことで、図3(e)に示すように、インバ
ータ駆動波形パターンPを更新する。
【0078】以上のように、周期成分制御手段では、外
乱Nの影響やインバータ装置1内に生じる遅延の影響を
排除することができる。しかしながら、遅延の影響を排
除するために行う相対的な進相処理により、負荷が急変
するような場合には、その急変に対する制御の応答が少
なくとも1周期近く遅れることになり、この遅れの間
に、電流波形の乱れや、過電流等の望ましくない現象を
生じさせるという不都合がある。
【0079】次に、非定常成分制御手段を単体で動作さ
せた場合の制御動作を説明する。すなわち、誤差増幅部
57で形成された誤差信号e(=Ic−IO)は比例制御
部31に入力される。比例制御部31では、誤差信号e
を比例ゲインKで比例補償(増幅)して第2の誤差増幅
信号e2を形成する。このようにして形成した第2の誤
差増幅信号e2を基にして、PWM演算部33におい
て、ゲートオン時間TONを作成し、このゲートオン時間
ONに基づいて高周波ゲート駆動部23が高周波インバ
ータブリッジ5をスイッチングする。
【0080】ここで、インバータ制御装置17等の伝達
特性を単位増幅であると仮定し、インバータ装置1その
もののゲインを1とすると、出力電流信号IOは、次の
(6)式となる。
【0081】 IO=Ic×K/(1+K) …(6) しかしながら、出力電流信号IOにはインバータ装置1
の構造上、避けることができない外乱Nが重畳される。
外乱Nの一例として次のような作用により生じる外乱N
がある。すなわち、インバータ主回路53を構成するI
GBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの
スイッチ素子のオン時のコレクタ電流が実際のオン時間
に比例しないことに起因する非線形作用で外乱Nが発生
する。このような外乱Nが生じると、基本周波数の高調
波歪みが出力電流に重畳される。
【0082】出力電流信号IOにはこのような外乱Nが
重畳されるので、実際の出力電流信号IOは次の(7)
式となる。
【0083】 IO=Ic×K/(1+K) + N×1/(1+K) …(7) このように、非定常成分制御手段は、基本的には、比例
制御手段と同様の制御動作により非定常成分制御を行っ
ており、外乱Nの影響を排除することができない。さら
には、インバータ装置1内に発生する遅延の影響を排除
することもできない。しかしながら、インバータ駆動波
形パターンPに対して相対的な進相処理を行っておら
ず、負荷3が急変するような場合であっても、その急変
に対して迅速に応答制御することができ、負荷3の急変
によって電流波形の乱れや、過電流等の望ましくない現
象を生じさせるという不都合は起きない。
【0084】インバータ装置1では、周期成分制御手段
と非定常成分制御手段とを併設して、これら制御手段の
制御操作を並行して行わせており、これにより、両制御
手段が、互いの欠点を補完し合い、前述の非線形性に起
因する外乱Nの影響の排除、遅延の影響の排除、および
負荷の急変に対する迅速な制御応答を実現している。
【0085】以下、周期成分制御手段と非定常成分制御
手段とを並列に動作させたインバータ制御装置17全体
の制御動作を図4を参照しながら説明する。なお、図4
では、図示の都合上、インバータ出力電流信号IO等を
半周期分のみ記載している。
【0086】周期成分制御手段においては、インバータ
駆動波形パターンPに対して相対的な進相処理を行って
いるため、フィードバックの効果が現れるのは1周期遅
れる。そのため、制御動作を開始した最初の1周期は非
定常成分制御手段による制御だけがインバータ出力電流
信号IOに現れる。なお、以下、説明では説明を容易に
するため、非定常成分制御手段(比例制御部31)の比
例ゲインK=1、周期成分制御手段における収束係数μ
(=誤差増幅部26dの誤差増幅率α)=1と仮定して
いる。
【0087】まず最初の1周期目において、非定常成分
制御手段だけが機能して、そのときのインバータ出力電
流信号IO(1)は、次の(8)式となる。
【0088】 IO(1)=I2(1)=IC/2 …(8) I2(1〜n):非定常制御手段によって制御されたインバ
ータ出力電流信号 IC:基準電流信号 このインバータ出力電流信号IO(1)を図示すると、図4
(a)となる。さらに、このときの電流誤差(誤差信
号)e(1)(=Ic−IO(1))は、周期成分制御手段によ
りフィードバックされ、次の周期期間において、周期制
御による出力電流信号I1(2)として現れる。このとき、
同様に、非定常成分制御手段による非定常成分制御によ
る出力電流信号I2(2 )も現れる。出力電流信号I2(2)
は次の(9)式となる。
【0089】 I2(2)=(IC―I1(2))/2 …(9) I1(2〜n):周期成分制御手段によって制御されたイン
バータ出力電流信号したがって、2周期目のインバータ
出力電流信号IO(2)は、次の(10)式となる。
【0090】 IO(2)=I1(2)+I2(2) =IC/2+IC/4 …(10) このインバータ出力電流信号IO(2)を図示すると、図4
(b)となる。
【0091】さらに、このときの電流誤差(誤差信号)
(2)(=Ic−IO(2))は、周期成分制御手段によりフ
ィードバックされ、次の周期期間において、周期制御に
よる出力電流信号I1(3)として現れる。このとき、同様
に、非定常成分制御手段による非定常成分制御による出
力電流信号I2(3)も現れる。したがって、3周期目のイ
ンバータ出力電流信号IO(3)は次の(11)式となる。
【0092】 IO(3)=I1(3)+I2(3) =(IC/2+IC/4)+IC/8 …(11) したがって、n周期目のインバータ出力電流信号IO(n)
は次の(12)式となる。
【0093】 IO(n)=I1(n)+I2(n) …(12) I1(n)=(1−21-n)×IC2(n)=2-n×IC このようにして、インバータ出力電流信号IOのすべて
が周期成分制御手段による制御を受ける電流成分I
1(2〜n)に移行していく。しかしながら微妙な負荷変動
などによる非定常成分は、周期波形制御手段では制御不
可能であるので、これによって生じる電流誤差について
は、そのうちのいくらかが(K=1のときは電流誤差の
1/2)を非定常成分制御手段が補うことになり、周期
成分制御手段単独の場合よりも電流歪みを小さくするこ
とが可能になる。
【0094】なお、上述したインバータ装置1において
は、非定常成分制御手段(比例制御部31)の比例ゲイ
ンKは一定であることを前提にして説明したが、誤差信
号eの符号に応じて非定常成分制御手段(比例制御部3
1)の比例ゲインKを変化させてもよい。たとえば、基
準電流信号Icよりインバータ出力電流信号IOの波形が
小さい場合(誤差信号eの符号が+となった場合)、比
例ゲインKを低めに設定する一方、基準電流信号Icよ
りインバータ出力電流信号IOの波形が大きい場合(誤
差信号eの符号が−となった場合)には、比例ゲインK
を大きく設定する。そうすれば、負荷の急激な変動によ
ってインバータ装置1の出力電流が過電流となるような
状態をより速く抑制することが可能となる。
【0095】ところで、インバータ装置1では、非定常
成分制御手段として、比例制御手段(従来の技術参照)
と同様の構成を用いているが、比例制御手段は本来、周
期成分、非定常成分の区別なく、すべての信号成分を制
御する制御手段であり、比例制御手段単体では非定常成
分のみを対象とする制御は行えない。
【0096】しかしながら、比例制御手段と周期成分制
御手段とを併設し、これら制御手段を並列動作させれ
ば、インバータ出力電流信号IOの周期成分が周期成分
制御手段により優先的に制御されるために、比例制御手
段により制御される信号成分は、専ら非定常成分とな
る。つまり、比例制御手段と周期成分制御手段とを並列
動作させれば、インバータ出力電流信号IOから周期成
分と非定常成分とを分離する機能(信号分離機能)を、
周期成分制御手段が果たし、これによって比例制御手段
が非定常成分制御手段として機能することになる。以
下、説明する。
【0097】非定常成分制御手段(比例制御手段)の比
例ゲインをKとすると、非定常成分制御手段(比例制御
手段)によって制御されたインバータ出力電流信号IO2
は基準電流信号IcのK/(K+1)倍の電流波形、つ
まり、IO2=Ic×K/(K+1)となる。しかしなが
ら、非定常成分制御手段(比例制御手段)と周期成分制
御手段とを並列動作させると、非定常成分制御手段(比
例制御手段)により制御されるインバータ出力電流信号
O2’は基準電流信号Icから周期成分制御手段により
制御されるインバータ出力電流信号IO1を差し引いた電
流波形Ic−IO1のK/(K+1)倍の電流波形、つま
り、IO2’=(Ic−IO2’)×K/(K+1)とな
る。このことにより、周期成分制御手段の方が非定常成
分制御手段より優先されることがわかる。
【0098】図5は、非定常成分制御手段(比例制御手
段)による制御において、IGBTのオン時のコレクタ
電流がオン時間に比例しないことに起因する基本周波数
の高調波歪みを有する場合の動作波形の概念図を示すも
のである。IGBTのオン時のコレクタ電流がオン時間
に比例しないことにより、制御動作を開始した最初の1
周期の非定常成分制御(比例制御)によるインバータ出
力電流信号I2(1)は図5(a)に示すように、奇数次高
調波を含む歪んだ波形となる。しかしながら、このイン
バータ装置1においては、非定常成分制御(比例制御)
と周期成分制御とを並列して動作させているため、次の
周期においてこれらの高調波歪みを補正するように周期
成分制御による電流出力が行われ、図5(b)に示すよ
うに、歪みは若干補正されていく。このように、周期を
重ねていけば、図5(c)に示すように、周期的な歪み
成分は周期成分制御によって徐々に補正されていく。そ
して、最終的には周期成分制御手段によって基本波とと
もに高調波成分も含めてインバータ出力電流信号IO
すべてが周期成分制御手段の制御をうけた電流I1に移
行していき、負荷変動などによる非定常成分だけを非定
常成分制御手段(比例制御手段)が補正することにな
る。したがって、どちらか一つの制御手段(周期成分制
御手段,非定常成分制御手段)によりインバータ出力電
流信号IOの制御を行う場合よりも電流歪みを小さくす
ることが可能となっている。
【0099】以上のように、周期成分制御手段と非定常
成分制御手段とを並列動作させれば、出力波形歪の低減
(周期成分制御手段の効果)と、迅速な応答性(非定常
成分制御手段の効果)とを両立できるという、各制御手
段単独の動作では取得不可能であった効果を生じさせる
ことができる。
【0100】なお、比例制御部31の入力の前段に周期
成分と非定常成分を分離する信号分離器38(図2参
照)を挿入し、比例制御部31には、信号分離器28を
介して非定常成分のみが入力されるように構成してもよ
い。
【0101】なお、インバータ装置1では、非定常成分
制御手段の電流フィードバックループ内で生じる遅延に
対する補償を行っていない。これは、従来の比例制御手
段に見られた高調波歪みを、インバータ装置1の周期成
分制御手段によって補償することができるため、非定常
成分制御手段における比例ゲインKを高調波発振が生じ
ない程度に小さくすることができるためである。
【0102】本発明は、次に説明する適応FIR(Fini
te Impulse Response)型ディジタルフィルタにより構
成された高周波PWMインバータ制御部40においても
実施することができる。すなわち、本発明が有する周期
成分制御手段は、前述したように、インバータ出力電流
信号IOの基本彼の半周期を1単位とする周期波形の生
成を行い、系統電圧の零クロスに同期して出力すればよ
いわけであり、このような周期波形は基本彼の半周期分
の電流誤差波形を順次積分していくことにより形成され
る。そのため、本発明は、図6に示す適応FIRディジ
タルフィルタを用いた高周波PWMインバータ制御部4
0においても構成することができる。
【0103】高周波PWMインバータ制御部40は、基
本的には、図2で示した構成とほぼ同じであるが、電流
増幅波形の積分操作において、前回周期期間における駆
動波形パターンgに対して誤差波形パターン(=誤差増
幅信号e1)を相対的に進める演算に際して、駆動波形
パターンgの方を遅らせることに特徴がある。
【0104】この高周波PWMインバータ制御部40
は、図2の高周波PWMインバータ制御部22における
誤差増幅部26d,遅延部28,加算器29a、および
駆動波形メモリ29bに替えて、適応FIRフィルタ4
1,LMSアルゴリズム演算部42、および遅延部43
を備えている。なお、本発明の請求項3に記載されたフ
イルタ係数更新部は、この高周波PWMインバータ制御
部40において、LMSアルゴリズム演算部42から構
成されている。
【0105】以下、この高周波PWMインバータ制御部
40の制御動作を説明する。
【0106】適応FIRフィルタ41には、系統電圧の
ゼロクロス検出パルスRである入力信号x(n)が入力さ
れる。この入力信号x(n)は、次の(13)式となる。
【数2】 N=T/(2Δt) T:系統電圧の周期 Δt:サンプリング周期 n:サンプリング時間(離散時間) このような入力信号x(n)が入力された適応FIRフィ
ルタ41は、次の(14)式で表される出力信号y(n)
を出力する。
【数3】 I:適応FIRフィルタ41のタップ数(I=N) 式(14)において、δ(n-mN-i)は、i=n−mNのと
きだけ1の値をとることを考慮すれば、出力y(n)は次
の(15)式になる。
【0107】 y(n)=Wn mod N(n)…(15) これにより、適応FIRフィルタ41の出力y(n)とし
て、フィルタ係数wiが順番に出力されることがわか
る。この出力信号y(n)に基づいてPWM演算部33に
おいてPWM演算が行われ、その演算結果に基づいてイ
ンバータ装置1が駆動される。つまり、高周波PWMイ
ンバータ制御部40では、適応FIRフィルタ41のフ
ィルタ係数wiがインバータ駆動波形パターンPのデー
タwiとなる。
【0108】一方、このようにして形成された系統連系
点のインバータ出力電流信号IOは、インバータ出力電
流検出器14(図1参照)で検出される。検出されたイ
ンバータ出力電流信号IOはA/D変換器16(図1参
照)でデジタル信号IO(n)に変換されたのち、高周波P
WMインバータ制御部(DSP)40に入力される。高
周波PWMインバータ制御部40に入力されたインバー
タ出力電流信号IO(n)は絶対値演算部26aで絶対値I
A(n)に変換される。減算器26cは基準波形メモリ26
bから出力された基準電流信号Icと絶対値IA(n)とを
比較して誤差信号e(n)=Ic(n)−IA(n)を形成する。
【0109】第1低域通過フィルタ27は、誤差信号e
(n)に含まれているスイッチングノイズ等のアナログ系
高周波ノイズを除去して、電流誤差信号e’(n)を形成
する。
【0110】ここで、適応FIRフィルタ41の出力か
ら第1低域通過フィルタ27の出力に到る経路の伝連関
数C(z)を、離散時間dの遅延(z-d)であると仮定す
る(C(z)=z-d)。このような条件で、E(n)={e’
(n)}2を評価関数として最小化するとき、評価関数E
(n)の勾配は、次の式(16)となる。
【数4】 したがって、次の(17)式に示すように、上述した式
(16)の勾配とは逆の方向にフィルタ係数wi(n)を徐
々に更新していけば、評価関数E(n)、すなわち電流誤
差信号e’(n)のパワーが最小値に徐々に近づいてい
く。なお、このような制御を行うためには、位相誤差が
π/2以下であることが制御条件となるのはいうまでも
ない。
【数5】 μ:収束係数であって正の小さな値をとり、この係数は
誤差増幅部26dの誤差増幅率αが相当する最終的に得
られるインバータ駆動波形データの更新アルゴリズム
は、上記式(17)となり、この更新式(17)は誤差
信号e(n)をμ倍して積分を行う形となっている。
【0111】なお、実際の高周波PWMインバータ制御
部40では、上述した式(17)ではなく、次に示す式
(18)を用いている。これは次のような理由によって
いる。すなわち、系統電圧の1周期のうちの半周期間は
フィルタ係数wiの適応演算を行い、残りの半周期間は
適応演算を行わないようにして、第2低域通過フィルタ
30のための演算時間を確保している。
【数6】 式(18)において、r(n)はゼロクロス検出パルス列
であるX(n)を一つおきに間引いたパルス列を意味して
おり、このr(n)には遅延部42によって離散時間dの
遅延が付加されている。この遅延処理dが、式(18)
におけるインバータ駆動波形データの更新に際し、誤差
波形パターンを相対的に進相させる作用(実質的にはイ
ンバータ駆動波形パターンを遅らせる作用を発揮する。
【0112】なお、高周波PWMインバータ制御部40
においては、式(18)によるインバータ駆動波形デー
タの更新操作は、LMSアルゴリズム演算部42におい
て行われる。また、高周波PWMインバータ制御部40
では、第2低域通過フィルタ30は、適応FIRフィル
タ41のフィルタ係数列wiの高周波成分除去のために
用いられ、その処理動作は高周波PWMインバータ制御
部22における第2低域通過フィルタ30の処理動作
(式(5)参照)と同様であるため、その説明は省略す
る。さらには、高周波PWMインバータ制御部40にお
ける比例制御部31の処理動作も、高周波PWMインバ
ータ制御部22における比例制御部31と同様であるた
め、その説明は省略する。
【0113】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次のよう
な効果が得られる。請求項1の効果 周期成分制御手段をデジタル信号処理回路によって構成
することで、処理途中においてノイズが混入しにくくな
った。これにより、安定したインバータ波形制御を実現
することができた。請求項2の効果 非定常成分制御手段を、比例制御手段と同様の構造で構
成することができるので、その分、非定常成分制御手段
を簡単に構成することができるようになって、本発明の
効果を奏するインバータ制御装置を安価に提供すること
ができた。請求項3の効果 負荷変動によるインバータの出力過電流や過電圧をより
速く抑制することが可能となり、その分、さらに安定し
たインバータ出力波形制御を実現することができた。 請求項4の効果 まず、非定常成分制御手段がインバータ出力波形制御の
動作初期に周期成分の制御を受け待ち、そののち、徐々
に周期成分の制御が周期成分制御手段に移行していくこ
とになる。そして、負荷が定常な場合はすべての制御が
周期成分制御手段に移行することになる。請求項5の効果 第2低減通過フィルタのための演算時間を確保すること
が可能となる。 請求項6の効果 インバータ出力がデジタル信号処理回路によって処理さ
れ、その処理途中においてノイズが混入しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるインバータ装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態のインバータ制御装置の構
成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態のインバータ制御装置において、波
形形成途中に現れる信号波形をそれぞれ示す図である。
【図4】実施の形態のインバータ装置における各タイミ
ング時のインバータ出力電流信号の波形をそれぞれ示す
図である。
【図5】実施の形態のインバータ装置における各タイミ
ング時のインバータ出力電流信号の波形をそれぞれ示す
図である。
【図6】インバータ制御装置の変形例の構成を示すブロ
ック図である。
【図7】従来例のインバータ装置の構成を示すブロック
図である。
【図8】従来例のインバータ制御装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
Ic 基準電流信号 IO 出力
電流信号 e 誤差信号 E 誤差増
幅信号 Ic 基準電流信号 e1 第1
の誤差増幅信号 e2 第2の誤差増幅信号 α 誤差
増幅率 P インバータ駆動波形パターン g 駆動波
形パターン P’ 加算結果 1 インバータ装置 17 インバ
ータ制御装置 22 高周波PWMインバータ制御部 26 誤差増幅信号形成部 26a 絶対
値演算部 26b 基準波形メモリ 26c 減算
器 26d 誤差増幅部 27 第1
低域通過フィルタ 28 遅延部 29 誤差
波形積分部 29a 加算器 29b 駆動
波形メモリ 30 第2低域通過フィルタ 31 比例
制御部 32 加算部 33 PW
M演算部 38 信号分離器 40 高周波PWM
インバータ制御部 41 適応FIRフィルタ 42 LMSアルゴ
リズム演算部 43 遅延部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 浩史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−8170(JP,A) 特開 平7−87748(JP,A) 特開 平6−62591(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希望出力波形とインバータ出力波形との
    間の誤差を検出する誤差検出手段と、 前記誤差の周期的な成分が減少するようにインバータ出
    力を制御する周期成分制御手段と、 前記誤差の非定常成分が減少するようにインバータ出力
    を制御する非定常成分制御手段とを備えるインバータ制
    御装置であって、 前記周期成分制御手段は、 系統電圧のゼロクロス検出パルスが入力されるFIRフ
    ィルタと、 インバータ駆動波形データを更新するためのLMSアル
    ゴリズム演算部と、 前記FIRフィルタからの出力信号が入力されるPWM
    演算部とを有し、 インバータ駆動波形データの更新操作は前記LMSアル
    ゴリズム演算部で行われ、更新されたインバータ駆動波
    形データは前記FIRフィルタに与えられ、このFIR
    フィルタの演算動作により得られたフィルタ係数として
    の出力信号が前記PWM演算部に送出され、該PWM演
    算部においてPWM演算が行われ、前記誤差が最小とな
    るようにインバータ出力が調整されることを特徴とする
    インバータ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインバータ制御装置であ
    って、 前記非定常成分制御手段は、前記誤差を基にして誤差増
    幅信号を形成する比例制御部と、前記誤差増幅信号を前
    記インバータ駆動波形パターンに加算する加算部とを備
    えており、前記出力制御部は、前記加算部の出力に基づいてインバ
    ータ出力を調整していることを特徴とするインバータ制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインバータ制御装置であ
    って、 前記比例制御部は、前記誤差の符号に応じて誤差増幅の
    ゲインを変化させていることを特徴とするインバータ制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインバータ制御装置であ
    って、 前記非定常成分制御手段は、前記誤差の所定割合が減少
    するように制御しており、 前記周期成分制御手段は、
    残留誤差の周期成分が零になるように制御して、定常状
    態では、基本波成分の制御が自動的に周期成分制御手段
    に移行することを特徴とするインバータ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のインバータ制御装置であ
    って、 系統電圧の1周期のうちの半周期間は、前記フィルタ係
    数の適応演算を行い、残りの半周期間は適応演算を行わ
    ないことを特徴とするインバータ制御装置。
  6. 【請求項6】 インバータ出力波形を希望出力波形に調
    整するインバータの制御方法であって、 希望出力波形とインバータ出力波形との間の誤差を検出
    し、この誤差を最小とするために、インバータ駆動波形
    データの更新操作をLMSアルゴリズム演算部で行い、
    系統電圧のゼロクロス検出パルスと、更新されたインバ
    ータ駆動波形データをFIRフィルタに与え、このFI
    Rフィルタの演算動作により得られたフィルタ係数とし
    ての出力信号を前記PWM演算部に送出し、該PWM演
    算部においてPWM演算を行う周期成分制御処理と、 検出した誤差の非定常成分が減少するようにインバータ
    出力を制御する非定常成分制御処理とを並行して行うこ
    とを特徴とするインバータの制御方法。
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