JP3233736B2 - ポリエステル系潜在捲縮糸 - Google Patents

ポリエステル系潜在捲縮糸

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隆雄 宮崎
政行 森崎
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,新規な形態の捲縮を潜
在的に有し,適度な嵩高性とソフトでドレープ性に富ん
だ風合を有する織編物を得るのに好適なポリエステル系
潜在捲縮糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のマルチフィラメント糸に波状捲縮
を付与する加工法としては,押込法や賦型法があるが,
中でも加熱流体を用いた押込法がよく知られている(特
開昭47-25450号公報参照) 。この加熱流体押込法で得ら
れる捲縮加工糸は,ジグザクな波形捲縮を有するので,
凹凸変化やボリューム感は得られるものの,風合が粗硬
となる。また,衣料用の細繊度糸では技術的にもコスト
的にも問題が多く,このため,衣料用分野においては糸
開発がほとんど行われていないのが実状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の欠点
を解消し,衣料用分野において最近特に要望の強いファ
ッションの多様化に応え得る汎用性の高い捲縮加工糸,
すなわち,潜在捲縮を有し,製編織すれば,適度の嵩高
性があり,ソフトでドレープ性に富んだ織編物とするこ
とができるポリエステル系潜在捲縮糸を提供することを
技術的な課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために,ポリエステル低配向糸条を用い,そ
の熱的構造変化について鋭意研究を行った結果,糸条の
分子構造が特定範囲の配向度と結晶化度を有しており,
かつ波状捲縮の発現能を有しておれば,両者の相乗効果
によって上記目的を達成できることを見出し,本発明に
到達した。
【0005】すなわち,本発明は,弛緩熱処理により波
状捲縮が発現するポリエステルマルチフィラメント糸で
あって,糸条を構成する単フィラメントの複屈折率 (Δ
n)が0.02〜0.120,かつ結晶化度が35%以下であること
を特徴とするポリエステル系潜在捲縮糸を要旨とするも
のである。
【0006】以下,本発明について詳細に説明する。
【0007】まず,本発明のポリエステル系潜在捲縮糸
は,糸条を構成する単フィラメントの複屈折率(Δn)
が0.020 〜0.120 であり,かつ結晶化度が35%以下であ
ることが重要である。
【0008】このように,本発明の糸条は,複屈折率
(Δn)と結晶化度がともに低いので分子構造は変化し
やすい特定下の領域にあり,このため,外部応力等に対
して比較的容易に変化する等,柔軟な構造を有すること
が特徴である。したがって,本発明の糸条は,曲げ,捩
じり,絡み等の外力に対して順応しやすく,この糸条に
延伸,弛緩,追撚等を施したり,他の特殊素材との合
撚,交絡加工等の複合化を容易に行うことが可能であ
る。本発明のポリエステル系潜在捲縮糸は,このように
他の糸条と複合することによって新規な風合を創造でき
る等,より大きな効果を発揮し,衣料分野において汎用
性を有するものである。
【0009】また,本発明の糸条は,単独で使用するこ
ともできるが,この場合,追撚を施して用いれば,布帛
にした場合,ドレープ性が格段に向上する。
【0010】さらに,本発明の糸条は,上記の特長を有
するとともに,弛緩熱処理によって波状の捲縮が顕在化
することも特徴の1つである。
【0011】本発明の糸条には,見かけ上の捲縮はほと
んど付与されていないが,染色等の後工程での弛緩熱処
理によって各単フィラメントの長手方向に波状の捲縮が
発現するので,この糸条を使用して得られる織編物に適
度な嵩高性とソフト感が付与される。
【0012】このように,本発明の糸条は,複屈折率
(Δn)と結晶化度が低い特定下の分子構造を有するポ
リエステルフィラメントの柔軟な物性と波状の潜在捲縮
の顕在化との相乗効果によって,織編物に新規なドレー
プ性とソフト感,さらには適度の嵩高性を付与するもの
である。なお,本発明の糸条においては,潜在捲縮を有
するものであれば,弛緩熱処理前に顕在した捲縮を有し
ていてもよい。
【0013】このように,本発明では,比較的低配向かつ
低結晶化度のポリエステル単フィラメントが集合するこ
とによって上記作用効果を発揮する。したがって,高配
向,高結晶化度,つまり複屈折率(Δn)が0.120 を超
えたり,結晶化度が35%を上回ると,繊維の内部構造が
安定化するため,好ましいドレープ性が得られない。ま
た,複屈折率(Δn)が0.020 未満で,結晶化度が極端
に低い糸条の場合,単フィラメントの一部が脆化しやす
く,さらに,後工程,例えば,撚糸,製織,製編等の工程
でのしごきや摩耗に対して弱く,毛羽や糸切れを誘発す
ることがある。したがって,結晶化度としては,10〜35
%がより好ましい範囲である。
【0014】本発明におけるポリエステルとは,分子鎖
中にエステル結合を有するポリマーであって,ポリエチ
レンテレフタレートで代表されるホモポリマー及びこれ
らのコーポリマーあるいはブレンドポリマー等をも包含
する。
【0015】また,複屈折率Δnは, 偏光顕微鏡とコン
ペンセーターの組合せによる干渉縞計測法により測定し
た値である。さらに,結晶化度(%)は,密度法により
測定し,次式より算出したものである。 Xc=(ρ−ρa )×100 /(ρc −ρa ) ただし,Xc:結晶化度 ρ :試料の密度 ρc :結晶部の密度=1.455(ポリエチレンテレフタレー
トの場合) ρa :非晶部の密度=1.335(ポリエチレンテレフタレー
トの場合)
【0016】次に,本発明のポリエステル系潜在捲縮糸
の製法例について説明する。
【0017】供給糸条としては,ポリエステル繊維の未
延伸糸もしくは高配向未延伸糸を用い, この糸条をその
ままもしくは延伸後,弛緩状態で加熱流体押込捲縮加工
を行う。加熱流体押込捲縮加工とは,供給糸条と加熱流
体を噴射するジェットノズル部と,糸条を収縮あるいは
堆積させる機能と同時に加熱流体を排出させる構造から
なる押込室を有する加工装置を用いて,糸条に加熱流体
による収縮特性と押込特性が複合された加工を行う方法
である。
【0018】加熱流体押込捲縮加工における弛緩率とし
ては,供給糸条,加工条件によっても異なるが,30〜 3
00%の範囲が好ましい。
【0019】また,加熱流体の温度や流体圧力は特に限
定されるものではなく,供給糸条の種類や繊度に応じて
適宜設定すればよいが,加熱温度は 130〜 240℃,流体
圧力は1.0〜5.0kg/cm2 の範囲が好ましく採用され
る。
【0020】なお,この加熱流体押込捲縮加工におい
て,糸条の捲縮を安定させるために,糸条を捲縮加工
後,冷却ゾーンを通過させてもよい。
【0021】
【実施例】次に,本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0022】実施例1〜3, 比較例1〜2 供給糸として,110d/36fのポリエチレンテレフタレート
(PET)高配向未延伸糸と100d/48fのPET延伸糸を
用い,表1に示す条件で加熱流体押込捲縮加工を行っ
た。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように,実施例1〜3で
得られたポリエステル系潜在捲縮糸は,比較例1,2か
らのものに比べて低配向,かつ低結晶化度を示した。
【0025】実施例1〜3で得られた潜在捲縮糸は,若
干伸びやすい性質を有しているため,これらの糸条を低
張力で解舒することが可能な積極送り出し装置を具備し
た丸編機を用い,無地組織(インターロック)に製編
し,この編地に通常のポリエステル染色処理を施したと
ころ,いずれも適度な嵩高性とソフト感,ドレープ性に
優れた風合の布帛が得られた。また,得られた潜在捲縮
糸と他糸条との合撚,インターレース交絡等の組み合わ
せ加工を行ったところ,撚糸性,交絡性とも良好であっ
た。
【0026】一方,比較例1,2で得られた加工糸から
の編地は,凹凸感が強く,粗硬でガサついた風合を有す
るものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリエステル系潜在捲縮糸は,
低配向,低結晶化度であり,かつ波状の潜在捲縮を有し
ているので,この糸条を製編織及び弛緩熱処理すれば,
適度な嵩高性とソフトでドレープ性に富んだ織編物を得
ることが可能であり,さらに,各種特殊素材との組み合
わせが容易である等,汎用性が極めて高い衣料用素材で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 15/00 D03D 15/00 A (56)参考文献 特開 昭59−204938(JP,A) 特開 昭58−174647(JP,A) 特開 昭59−137524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 1/20 D02G 3/24 D01F 6/62 D03D 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弛緩熱処理により波状捲縮が発現するポ
    リエステルマルチフィラメント糸であって,糸条を構成
    する単フィラメントの複屈折率(Δn)が0.02〜0.120,か
    つ結晶化度が35%以下であることを特徴とするポリエス
    テル系潜在捲縮糸。
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