JP3233558B2 - 過酸化水素除去装置 - Google Patents

過酸化水素除去装置

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JP3233558B2 JP19643995A JP19643995A JP3233558B2 JP 3233558 B2 JP3233558 B2 JP 3233558B2 JP 19643995 A JP19643995 A JP 19643995A JP 19643995 A JP19643995 A JP 19643995A JP 3233558 B2 JP3233558 B2 JP 3233558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、過酸化水素を含
有する排水を処理するための過酸化水素除去装置に関す
る。また、過酸化水素含有排水とともに有機物を含有す
る排ガスを処理することができる過酸化水素除去装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】排水中に過酸化水素が含まれると、CO
D(化学的酸素要求量)が上昇する。このため、排水中
の過酸化水素は確実に除去する必要がある。また、フッ
素含有排水の排水処理において、過酸化水素が未処理で
あると、凝集沈殿工程で沈殿すべきフロックに過酸化水
素から発生する酸素の微細な気泡が付着して、沈殿その
ものが妨げられ、処理水質が悪化する。このため、排水
処理において、過酸化水素含有排水は、一般の凝集沈殿
工程とは別に処理されている。
【0003】従来、排水中の過酸化水素を除去するため
の過酸化水素除去装置としては、図5に示すようなもの
が知られている(特開平6−91258号公報)。この
過酸化水素除去装置70は、処理槽33内に、底側の金
網105と周壁106とで仕切られ上方へ開いた接触部
111と、上記周壁106を介して接触部111の外側
を取り巻く沈降部112とを有している。接触部111
の下側周囲には、沈降部112を接触部111に連通さ
せる開口106と、接触部111内に水平方向に排水を
流入させるための供給口104とが設けられている。動
作時には、接触部111内に、予め槽有効容量の1〜3
5%の割合で粒状活性炭が入れられる。この状態で、配
管7Aから槽底の供給口103を通して、過酸化水素含
有排水が処理槽33内に導入される。この過酸化水素含
有排水は、金網105を通して接触部111内に浸入
し、接触部111を満たす。一方、分岐された配管7B
から水平供給口104を通して、過酸化水素含有排水
(この流量は弁120によって調節される)が接触部1
11内に導入される。この結果、接触部111内に上向
流とともに渦巻き流が生じて、粒状活性炭と過酸化水素
含有排水とが接触し、活性炭の触媒作用によって過酸化
水素が水と酸素とに分解される。この処理後の排水は接
触部111からオーバフローして沈降部112に入り、
バッフル板117の陰に設けられた排出口118から配
管21を通して排出される。ここで、上記処理後の排水
とともに粒状活性炭が沈降部112にオーバフローして
も、この粒状活性炭は沈降部112でしばらく滞留して
沈降し、開口106を通して接触部111へ戻る。した
がって、沈降部112の排出口118からは上澄水のみ
が排出される。
【0004】この種の過酸化水素除去装置は、例えば図
4に示すように、半導体工場1で発生する過酸化水素含
有排水を処理する排水処理系統80に組み込まれること
が多い。一般に、IC(集積回路)等を製造する半導体
工場の生産室1内には、いわゆるRCA洗浄(RCA社
によって開発された洗浄方法であって、典型的にはNH
4OH,HClおよびH2Oを使用して有機物を除去する
第1段階と、HCl,H22およびH2Oを使用してアル
カリ金属や重金属を除去する第2段階とからなる。)を
行う装置37や、アセトン,イソプロピールアルコール
等の有機溶剤を使用する装置2等の生産装置が多数設け
られている。RCA洗浄装置37等からの過酸化水素含
有排水は配管26を通して原水槽5に流入し、この原水
槽5で水量及び水質がある程度調整される。その後、こ
の排水は、原水槽ポンプ6によって配管7を通して過酸
化水素除去装置70に導入される。過酸化水素除去装置
70の槽33において、上述のように、その排水中の過
酸化水素が酸素と水に分解される。そして、この処理後
の排水が配管21を通して処理水槽23へ流出する。こ
の処理水槽23の水質は、酸化還元電位計34によって
検査される。
【0005】また、図4に示すように、RCA洗浄装置
37や有機溶剤使用装置2等からの有機物を含む排ガス
(有機物含有排ガス)は、過酸化水素含有排水の処理系
統80とは別に、有機物含有排ガスのための処理系統9
0によって処理されている。すなわち、有機物含有排ガ
スは生産室1の有機溶剤使用装置2やRCA洗浄装置3
7等から発生して、生産室1外に設置してある生産室排
気ファン35によって排気され、排気ダクト36Aを経
て活性炭吸着塔32A,32Bに導入される。そして、
この活性炭吸着塔32A,32Bに充填してある活性炭
にその排ガス中の有機物が吸着され、排ガスから有機物
が除去される。ただし、この有機物吸着過程は有機物を
分解するものではないから、活性炭が吸着した有機物が
吸着飽和量に到達すると、活性炭から有機物を脱着する
必要がある。そこで、通常、活性炭吸着塔が2塔以上設
置され、これらの活性炭吸着塔32A,32Bで交互に
吸着と脱着を繰り返すことにより、全体として有機物含
有排ガスが連続的に処理される。脱着された有機物は、
排気ダクト36Bを通して回収されるか、または更に排
水処理設備で処理される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体工場
1で発生する過酸化水素含有排水の水量と水質は、日に
よって、または時刻によって大きく変動する。半導体工
場1に上記RCA洗浄装置37や有機溶剤使用装置2等
の生産装置が多数存在し、生産工程の都合上、過酸化水
素を含有した薬品等を使用する時期が一定ではないから
である。また、生産装置を過酸化水素で殺菌洗浄する際
にも、多量の過酸化水素含有排水が発生する。このた
め、原水槽5で過酸化水素含有排水の水量及び水質をあ
る程度調整したとしても、時として、過酸化水素除去装
置70に流入する排水の水量が大きく増加し、また、そ
の過酸化水素濃度が大きく増加することがある。
【0007】しかしながら、上記従来の過酸化水素除去
装置70では、過酸化水素含有排水の水量の増加や過酸
化水素濃度の増加には、殆ど対応できないという問題が
ある。その理由は、上記従来の過酸化水素除去装置70
では、一定量の粒状活性炭を排水と同じ向きに渦巻き流
によって循環させているだけであるから、粒状活性炭を
槽111内全域に均等に分布させることができず、ま
た、粒状活性炭と排水との接触面の変化が少ないことか
ら、過酸化水素を除去する能力が低いからである。
【0008】なお、一般的に言って、排水処理装置で
は、流入する排水の水質が悪化(ここでは過酸化水素濃
度が増加)した場合は流入水量を制限することが運転上
のテクニックである。しかし、上記従来の過酸化水素除
去装置70では、流入水量を制限すると、槽111内の
撹拌力が低下して、粒状活性炭が槽底に沈降し、触媒と
しての機能が低下することになる。また、そもそも半導
体工場では、過酸化水素含有排水の水量の増加と過酸化
水素濃度の増加とが同時に起こる傾向があるため、その
ような運転上のテクニックでは対応困難なことが多い。
【0009】そこで、この発明の目的は、過酸化水素を
除去する能力が高く、半導体工場で発生するような過酸
化水素含有排水の水量の変動や過酸化水素濃度の変動に
も対応できる過酸化水素除去装置を提供することにあ
る。
【0010】また、従来は、過酸化水素含有排水のため
の処理系統80とは別に、有機物含有排ガスのための処
理系統90を設けて有機物含有排ガスを処理しているた
め、イニシアルコストやランニングコストが高くつき、
管理面及び設置スペース等についても大きな不利があ
る。
【0011】そこで、この発明の別の目的は、過酸化水
素含有排水を処理できる上、有機物含有排ガスをも処理
することができる過酸化水素除去装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の過酸化水素除去装置は、導入口を通して
槽内に排水を導入し、導入した排水中の過酸化水素を上
記槽内で分解し、この排水を排出口を通して排出する過
酸化水素除去装置であって、上記槽内に、木炭と、通水
及び通気可能な空隙を有するプラスチック材とを組み合
わせて構成される第1分解部、第2分解部および第3分
解部を備え、上記第1分解部および第2分解部は、上記
槽内に導入される排水の水面レベルよりも下側で、この
槽の底板から離間した鉛直方向の仕切板の両側に設けら
れる一方、上記第3分解部は、上記排水の水面レベルよ
りも上側で、かつ上記第1分解部および第2分解部の上
方に設けられ、上記第1分解部の下方からガスを上方へ
向けて吐出して、上記槽内に導入された排水に、上記第
1分解部から上記仕切板の上縁を越えて上記第2分解部
へ達し、かつ上記第2分解部から上記仕切板の下縁を越
えて上記第1分解部に戻る循環流を生じさせるガス吐出
部と、上記槽内の排水を汲み上げて上記第3分解部上に
散水する散水手段を備えたことを特徴とする。
【0013】この請求項1の過酸化水素除去装置では、
槽内に、例えば排出口のレベルまで排水が導入される。
導入された排水は、ガス吐出部が吐出するガスによって
第1分解部と第2分解部との間で循環され、そこに循環
流が生ずる。そして、排水中の過酸化水素は、第1分解
部および第2分解部において木炭と接触し、この木炭を
触媒として水と酸素ガスとに分解される(一次処理)。
また、槽内の排水は、散水手段によって汲み上げられ
て、第3分解部上に散水される。散水された排水は、第
3分解部を通して落下する過程で、第3分解部の木炭と
接触し、この木炭を触媒として水と酸素ガスとに分解さ
れる(二次処理)。なお、第3分解部を通して落下した
排水は、第1分解部と第2分解部との間に形成された循
環流に合流する。このように、この槽内の排水は、第1
分解部と第2分解部で一次処理されるとともに、第3分
解部で二次処理される。この結果、過酸化水素を除去す
る能力が高くなり、半導体工場で発生するような過酸化
水素含有排水の水量の変動や過酸化水素濃度の変動にも
対応できるようになる。したがって、装置の管理が容易
となる。
【0014】この過酸化水素除去装置において、上記第
1分解部、第2分解部および第3分解部を構成する上記
木炭が備長炭であるのが望ましい。ここで、備長炭と
は、日本古来の木炭で、広葉樹であるウバメガシの白炭
を意味する。
【0015】備長炭は比重が1以上であるから、第1分
解部および第2分解部が排水に浸されたとしても、木炭
自身は浮き上がることがない。また、上記木炭として市
販の備長炭の中から長さ数cm以上の適当なサイズのも
のを選定しておけば、ガス吐出部が吐出するガスや過酸
化水素が分解して生じた酸素ガス等による曝気を受けて
も、上記木炭は移動する(いわゆる踊る)ことがなく、
破壊されることもない。また、第3分解部において、強
力な散水を受けたとしても、上記木炭が破壊されること
はない。したがって、第1分解部、第2分解部および第
3分解部の構成が容易に維持され、結果として、過酸化
水素含有排水の処理コストが低く抑えられる。なお、こ
れに対して、上記木炭が通常の木炭である場合は、その
比重が1以下であるため、木炭自身が水面に浮き、また
曝気によって木炭が踊ったり破壊されたりするおそれが
ある。
【0016】請求項2に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項1に記載の過酸化水素除去装置において、上記槽
内に上記排水とともに流動し得る粒状又は粉状の活性炭
が入れられ、上記第1分解部、第2分解部および第3分
解部は、上記排水に含まれた活性炭を鉛直方向に通過さ
せ得るようになっていることを特徴としている。
【0017】この請求項2の過酸化水素除去装置では、
この槽内に入れられた活性炭は、排水の循環流に乗って
第1分解部と第2分解部との間を循環するとともに、排
水とともに汲み上げられて第3分解部を通して落下して
循環する。この結果、上記第1分解部、第2分解部およ
び第3分解部を排水とともに活性炭が通過する。したが
って、固定状態にある木炭と、排水とともに流動する活
性炭との相乗効果によって、過酸化水素を分解する能力
が格段に高まる。すなわち、図5に示した従来の過酸化
水素除去装置の如く、単に排水とともに活性炭を流動さ
せるだけの場合は、排水に対する活性炭の相対変位が比
較的小さいことから、排水と活性炭との接触面の変化は
少ない。しかし、この請求項2の過酸化水素除去装置で
は、各分解部を構成する固定状態にある木炭やプラスチ
ック材によって、そこを通る排水が撹拌される。したが
って、排水に対する活性炭の相対変位が大きくなって、
排水と活性炭との接触面の変化が大きくなり、排水中の
過酸化水素が上記活性炭によってより多く分解される。
つまり、固定状態の木炭による分解能力と、単に排水と
ともに流動する活性炭による分解能力とを加えただけで
はなく、固定状態の木炭等が排水を撹拌することによる
上記活性炭の分解能力の向上によって、過酸化水素がよ
り多く分解される。なお、排水中に界面活性剤が存在し
ている場合は活性炭が集合して固まる傾向が生じる(そ
の場合、過酸化水素を分解する能力が低下する)が、ガ
ス吐出部からのガスの吐出によって、そのような活性炭
の集合体が粉砕される。したがって、排水中に界面活性
剤が存在していても、過酸化水素を分解する能力が低下
することはない。
【0018】請求項3に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項1または2のいずれか一つに記載の過酸化水素除
去装置において、上記第1分解部、第2分解部および第
3分解部は、上記木炭が通水及び通気可能な隙間をもっ
て水平に配置された木炭層と、上記プラスチック材が水
平に配置されたプラスチック材層とを鉛直方向に交互に
積層して構成されていることを特徴とする。
【0019】この請求項3の過酸化水素除去装置では、
通水及び通気がスムーズに行われる。また、排水が第1
分解部、第2循環部および第3分解部を鉛直方向に通る
際に、排水と木炭とが接触する回数が増す。したがっ
て、排水中の過酸化水素を分解する能力がさらに高ま
る。
【0020】請求項4に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項2または3に記載の過酸化水素除去装置におい
て、上記第2分解部に関して上記仕切板と反対の側に、
この槽の底板から離間した内側壁が設けられるととも
に、この内側壁の外側に、この槽の底板に連なり上記排
出口を持つ外側壁が設けられて、上記内側壁と外側壁と
の間に、上記排水中の活性炭を沈降させる活性炭沈降部
が形成されていることを特徴とする。
【0021】この請求項4の過酸化水素除去装置では、
排水中の活性炭は活性炭沈降部で確実に沈降するので、
上記排出口を通して活性炭が流出することはなく、上澄
水のみが流出する。したがって、排出口から流出する処
理水の水質が確保される。なお、この活性炭沈降部で沈
降した活性炭は、上記第1分解部と第2分解部との間に
形成された循環流に合流する。
【0022】請求項5に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項4に記載の過酸化水素除去装置において、上記槽
の底板のうち上記活性炭沈降部および第2分解部の下に
相当する部分が、上記第1分解部側に向かって傾斜して
いることを特徴とする。
【0023】この請求項5の過酸化水素除去装置では、
排水とともに第2分解部を通って第2分解部の下に達し
た活性炭や、活性炭沈降部で沈降した活性炭は、上記排
水の循環流から受ける力に加えて、この槽の底板の傾斜
に沿って重力によって第1分解部側へ容易に移動する。
詳しくは、それらの活性炭は、この槽の底板の傾斜に沿
って、上記内側壁と底板との隙間や上記仕切板と底板と
の隙間を通って第1分解部側まで移動して、上記第1分
解部および第2分解部を通る排水の循環流に合流する。
したがって、この槽内に入れられた活性炭は、特定の箇
所に滞留することなく、槽内全域を循環して、排水中の
過酸化水素を有効に分解する。
【0024】請求項6に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項4または5に記載の過酸化水素除去装置におい
て、上記散水手段は、上記排水の水面レベルよりも下側
から立ち上がり上記第3分解部上に延びる導管を通して
上記排水を汲み上げるエアーリフトポンプを有し、上記
活性炭沈降部内に酸化還元電位計が設けられ、この酸化
還元電位計が検出した上記排水の酸化還元電位に応じ
て、上記エアーリフトポンプの汲み上げ量を制御する制
御部を備えたことを特徴とする。
【0025】この請求項6の過酸化水素除去装置では、
制御部は、活性炭沈降部内の排水の酸化還元電位に応じ
て、エアーリフトポンプの汲み上げ量を制御する。例え
ば、槽内に導入される過酸化水素含有排水の水量が増加
して上記活性炭沈降部内の過酸化水素濃度が上昇した場
合、制御部は、過酸化水素濃度の上昇に応じてエアーリ
フトポンプの汲み上げ量を増加させる。この場合、上記
第3分解部を通る循環水量が増加するとともに、第2分
解部17を通過した後の排水が汲み上げられるので、第
1分解部16と第2分解部との間の循環水量が増加す
る。この結果、過酸化水素を分解する能力が高まり、槽
内の排水中の過酸化水素濃度が低くなるように制御され
る。この制御は人を介在させず自動的に行われるので、
過酸化水素濃度が迅速に低下する。一方、槽内に導入さ
れる過酸化水素含有排水の水量が減少して上記活性炭沈
降部内の過酸化水素濃度が低下した場合、制御部は、過
酸化水素濃度の低下に応じてエアーリフトポンプの汲み
上げ量を減少させる。この結果、エアーリフトポンプの
仕事量が少なくて済み、その分だけエネルギが節約され
る。したがって、半導体工場で発生するような過酸化水
素含有排水の水量の変動や過酸化水素濃度の変動にも、
迅速かつ経済的に対応できるようになり、装置の管理が
さらに容易になる。
【0026】請求項7に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の過酸化水素除去
装置において、上記ガス吐出部は、上記第1分解部の下
方に配置された、ガス吐出用の穴を持つ散気管を備え、
この散気管に、上記槽の壁面を貫通して有機物含有排ガ
スを供給する配管が接続されるようにしたことを特徴と
する。
【0027】この請求項7の過酸化水素除去装置では、
請求項1乃至6の過酸化水素除去装置と同様に過酸化水
素含有排水を処理できる上、次のようにして有機物含有
排ガスをも処理することができる。すなわち、この請求
項7の過酸化水素除去装置では、上記第1分解部の下方
に配置された散気管に、例えば半導体工場が排出する有
機物含有排ガスを供給する配管が接続される。この有機
物含有排ガスは、上記散気管から上方へ向けて排水中に
吐出されて、上記排水に第1分解部と第2分解部との間
の循環流を生じさせるとともに、自ら第1分解部を通
る。この第1分解部を通る過程で、排ガス中の有機物
は、排水中の過酸化水素や過酸化水素が分解して発生し
た酸素ガスによって酸化される。また、上記排ガス中の
有機物は第1分解部を構成する木炭に吸着される。一
方、第1分解部を構成するプラスチック材の空隙がある
ので排ガスと排水とが効率よく接触して、排ガス中の有
機物が排水に効率よく溶解する。したがって、上記有機
物は排水に溶解した状態で、排水中の過酸化水素や過酸
化水素が分解して発生した酸素ガスによっても酸化され
る。このようにして、第1分解部において有機物含有排
ガスが化学的に処理される(一次処理)。次に、一次処
理後の排ガスは、上記第1分解部の上方に存する第3分
解部を通る。この第3分解部を通る過程で、排ガス中に
残存している有機物は、下方の排水中の過酸化水素が分
解して発生した酸素ガスによって酸化される。また、上
記排ガス中に残存している有機物は第3分解部を構成す
る木炭に吸着される。一方、第3分解部を構成するプラ
スチック材の空隙の存在により排ガスと排水とが効率よ
く接触して、排ガス中に残存している有機物が排水に効
率よく溶解する。したがって、上記有機物は排水に溶解
した状態で、排水中の過酸化水素や過酸化水素が分解し
て発生した酸素ガスによっても酸化される。このように
して、第3分解部において有機物含有排ガスがさらに化
学的に処理される(二次処理)。また、上記第3分解部
では、過酸化水素が既にある程度分解されており、第1
分解部に比して過酸化水素の影響が少ない。したがっ
て、微生物がある程度発生し、繁殖することができる。
このような微生物は、上記排ガス中に含まれる有機物を
処理するのに役立つ。
【0028】このように、この請求項7の過酸化水素除
去装置は、過酸化水素含有排水を処理できる上、有機物
含有排ガスをも処理することができる。したがって、そ
れらの処理を別系統で行う場合に比して、イニシャルコ
ストやランニングコストを低減できる。また、半導体工
場で発生するような過酸化水素含有排水の水量の変動や
過酸化水素濃度の変動にも対応できるので、装置の管理
が容易となる。さらに、装置の設置スペースも節約する
ことができる。
【0029】特に、槽内に粒状又は粉状の活性炭が入れ
られている場合は、流動する活性炭が排ガス中の有機物
を吸着し、その後、発生する酸素ガスによって有機物が
酸化される。また、第3分解部においては、上記活性炭
を含んだ排水が散水されるので、排ガス中の有機物が、
単に気液の接触による排水への吸収だけでなく、気液の
接触による排水への吸収と流動している活性炭への吸着
との両方の作用を受けるので、有機物が効果的に処理さ
れる結果となる。詳しくは、槽内の活性炭は、最初は過
酸化水素を分解させる触媒として作用する。次に、活性
炭は、表面に有機物を吸着し、過酸化水素の分解により
発生した酸素ガスによってその有機物に対する酸化を受
けて、新しい表面を露出させる。そして、再び過酸化水
素を分解させる触媒として作用し、又はその表面に有機
物を吸着する。このように、槽内の活性炭は一連のサイ
クルを繰り返して作用する。したがって、図4に示した
従来例のように活性炭吸着塔を2塔以上設けて交互に吸
着と脱着を行うような手間をかける必要がなく、装置の
管理がさらに容易となる。
【0030】また、特に、上記第1分解部及び第3分解
部が木炭層とプラスチック材層とを鉛直方向に交互に積
層して構成されている場合、第1分解部や第3分解部を
通る排ガスは水平方向に関して均等に上昇する。したが
って、第1分解部や第3分解部の全体が機能して、排ガ
ス中の有機物が効率良く処理される。
【0031】請求項8に記載の過酸化水素除去装置は、
請求項7に記載の過酸化水素除去装置において、板面に
通水及び通気可能な又はさらに上記活性炭を通すことが
できる貫通穴を複数分散して形成してなる均等板が、上
記第3分解部の下方で、かつ上記排水の水面レベルより
も上側に水平に配置されていることを特徴とする。
【0032】この請求項8の過酸化水素除去装置では、
第1分解部を通って上昇した排ガスや酸素ガスが均等板
によって水平方向に均等に分散される。この結果、排ガ
スや酸素ガスは第3分解部の全域を均等に上昇する。し
たがって、第3分解部の全体が機能して、排ガス中の有
機物が効率良く処理される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の過酸化水素除去
装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】図1は、この発明を具体化した過酸化水素
除去装置50が半導体工場の生産室1の外部に設置され
た状態を示している。
【0035】この過酸化水素除去装置50は、導入口4
1を通して導入される過酸化水素を含んだ排水と、配管
4を通して導入される有機物を含んだ排ガスとを同時に
処理するための、略直方体状の槽51を備えている。こ
の槽51のサイズは、例えば高さが約2m、槽51の横
断面は約1m角程度である。
【0036】この槽51は、排気ダクト20が設けられ
た天板51Aと、排水導入口41が設けられた底板51
Eと、これらの天板と底板とをつなぐ左側板51Bと、
内側壁としての右側板51Cと、上部に排水排出口42
が設けられたこの右側板51Cの半分程度の高さを持つ
外側壁としての右側板51Dを有している(簡単のた
め、手前と奥の側板は図示を省略している。)。底板5
1Eの略右半分は水平方向に対して角度αだけ傾斜した
傾斜部51Fとなっている。右側板51Cの上縁は天板
51Aに接続される一方、右側板51Cの下縁は底板の
傾斜部51Fから離間している。また、右側板51Dの
下縁は底板の傾斜部51Fの上縁に接続されている。天
板51Aの右端には排気ダクト20、底板51Eの平坦
部には排水導入口41、右側板51Dの上部には排水排
出口42がそれぞれ設けられている。
【0037】この槽51内には、排水とともに流動し得
る粒状又は粉状の活性炭11が入れられている。この活
性炭11は、木炭と同様に、排水中の過酸化水素を水と
酸素ガスに分解する触媒としての作用を示すとともに、
槽51内に導入された排ガス中の有機物を吸着する作用
を示す。
【0038】上記槽51内には、上記排出口42のレベ
ルよりも下側に、槽内を左半分と右半分とに仕切る鉛直
方向の仕切板13が設けられている。仕切板13の上縁
は排出口42のレベルよりも若干低い位置にあり、仕切
板13の下縁は底板51Eから離間している。なお、仕
切板13の材料には特に限定はなく、鋼板製でも樹脂製
でもコンクリート製でも良い。
【0039】この仕切板13の下縁近傍と左側板51B
の対応箇所との間、右側板51Cの下縁近傍と仕切板1
3の対応箇所との間に、それぞれ格子板14B,14C
が水平に架設されている。これらの格子板14B,14
C上で、かつ排出口42のレベルよりも下側に、それぞ
れ排水中の過酸化水素を分解等するための第1分解部1
6,第2分解部17,第3分解部8が設けられている。
また、左側板51Bと右側板51Cとの間で、上記排出
口42のレベルよりも上側に、格子板14Aが水平に架
設されている。この格子板14A上に、天板51Aとの
間に隙間をもって、排水中の過酸化水素を分解等するた
めの第3分解部8が設けられている。
【0040】上記各格子板14B,14C,14Aは、
一定の長さ、幅、厚み(長さ>幅>厚み)を持つ板材
を、長さ方向を水平に向け、幅方向を鉛直に向けた状態
で、水平面内で格子状に組み立てたものである。板材の
幅方向が鉛直に向けられているので、各格子板14B,
14C,14Aは比較的大きな強度で各分解部16,1
7,8を支えることができる。また、各格子板14B,
14C,14Aは、鉛直方向の投影面積が比較的小さい
ので、排水や排ガスを鉛直方向にスムーズに通過させる
ことができる。
【0041】上記第1分解部16、第2分解部17およ
び第3分解部8は、それぞれ木炭層とプラスチック材層
とを鉛直方向に交互に積層して構成されている。上記木
炭層は、略円柱状の複数の木炭9が通水及び通気可能
で、かつ活性炭11を通すことができる隙間をもって水
平に配置された層である。一方、上記プラスチック材層
は、通水及び通気可能で、かつ活性炭11を通すことが
できる空隙を有するプラスチック材10が水平に配置さ
れた層である。
【0042】木炭9は排水中の過酸化水素を水と酸素ガ
スに分解する触媒としての作用を示す。ここでは、木炭
9として備長炭を選定する。備長炭は、日本古来の木炭
で、広葉樹であるウバメガシの白炭を意味する。この備
長炭は、比重が1以上であるから、第1分解部16およ
び第2分解部17が排水に浸されたとしても、浮き上が
ることがない。この備長炭のサイズは、直径4センチ〜
6センチで、長さが5センチ以上のものを選定するのが
好ましい。このように選定しておけば、強力な曝気を受
けても、木炭9は移動する(いわゆる踊る)ことがな
く、破壊されることもない。また、第3分解部8におい
て、強力な散水を受けたとしても、破壊されることはな
い。したがって、第1分解部16、第2分解部17およ
び第3分解部8の構成を容易に維持でき、排水や排ガス
を良好に撹拌することができる。なお、市販の備長炭に
は大小各サイズがあるが、最大長さが7〜8cm程度の
備長炭もあるので、選定は容易である。
【0043】一方、プラスチック材10としては、具体
的には、ラシヒリングや、ベルルサドルや、インタロッ
クサドルや、テラレットや、ポールリング等を選定すれ
ば良い。これらは、一般の排ガス処理装置にも用いられ
ている部材であり、空気抵抗が比較的少ないものであ
る。
【0044】上記各分解部16,17および8は、上述
のように木炭層とプラスチック材層とを鉛直方向に交互
に積層して構成されているので、通水及び通気をスムー
ズに行うことができる。また、排水が各分解部16,1
7および8を通る際に、排水と木炭とが接触する回数を
増やすことができる。したがって排水中の過酸化水素を
分解する能力を高めることができる。さらに、排ガスが
第1分解部16および第3分解部8を通る際に、各プラ
スチック材層で水平方向に拡散して、水平方向に関して
均等に上昇する。したがって、第1分解部16や第3分
解部8の全体が機能して、排ガス中の有機物を効率良く
分解することができる。
【0045】この槽51内で、第1分解部16及びそれ
を支持する格子板14Bの下方の、底板51Eの平坦部
上に、ガス吐出部として、ガス吐出用の複数の穴を持つ
散気管12が水平に配置されている。上方の第1分解部
16へ向けてガスを水平方向に関して均等に吐出するた
めに、この散気管12は、図において奥手前に複数平行
に並べられている。散気管12は、槽51外から供給さ
れたガス、この例では有機物含有排ガスを上方へ向けて
吐出する。これにより、槽51内に導入された排水に、
第1分解部16から仕切板13の上縁を越えて第2分解
部17へ達し、かつ第2分解部17から仕切板13の下
縁を越えて第1分解部16に戻る循環流を生じさせる。
仕切板13が槽51内を仕切っているので、第1分解部
16における上向流と第2分解部17における下向流と
が互いに干渉することがなく、この結果、上記循環流が
効率良く生じる。
【0046】槽51の底板51の傾斜部51Fの角度α
は、選定した活性炭11の種類にもよるが、概して30
度以上であれば、第2分解部17の下に達した活性炭1
1を次第に第1分解部16側へ移動させることができ
る。この傾斜部51Fに沿って循環流から受ける力や重
力によって第1分解部16側へ移動してきた活性炭11
は、散気管12より吐出される排ガスの上昇流によっ
て、排水とともに第1分解部16内を上昇することがで
きる。
【0047】また、第3分解部8の下方で、かつ排出口
42のレベルよりも上側に均等板25が水平に配置され
ている。この均等板25には、板面に通水及び通気可能
で、かつ活性炭11を通すことができる複数の貫通穴が
分散して形成されている。この均等板25は、下方の第
1分解部16や第2分解部17から上昇してきた有機物
含有排ガスや過酸化水素が分解して発生した酸素ガス
を、第3分解部8に対して、出来る限り均等に分配する
ためのものである。
【0048】この槽51の右側板51Cと51Dとの間
の部分24は活性炭沈降部として働く。すなわち、この
活性炭沈降部24は、右側板51Cの下縁と底板の傾斜
部51Fとの隙間を介して槽51内(右側板51Cの左
側の部分)と連通しているだけであるから、排水の流れ
の影響をあまり受けない。したがって、排水が排出口4
2を通して流出する前に、この活性炭沈降部24で排水
中の活性炭11を沈降させることができる。なお、活性
炭沈降部24における排水の滞留時間は流入水量に対し
て1時間以上であるのが望ましい。
【0049】右側板51Cに沿って、槽51内の排水を
汲み上げて第3分解部上に散水する散水手段としてのエ
アーリフトポンプ18が設けられている。このエアーリ
フトポンプ18は、L字状の散水管19と、散水管19
の下部(Lの先端)に収容された散気管15とからなっ
ている。散水管19は、活性炭沈降部24の下部から右
側板51Cに沿って立ち上がり、天板51A近傍で屈曲
して右側板51Cを貫通し、第3分解部8の上方を水平
に延びて左側板51Bに達し、そこで左側板51Bに取
り付けられている。散水管19の水平部分(左側板51
Bと右側板51Cとの間の部分)の下面には、活性炭1
1を含む排水を散水するための複数の穴が設けられてい
る。第3分解部8上に均等に散水を行うために、この散
水管19は、図において奥手前に複数平行に設けられて
いる。散気管15は、槽51外のエアーリフト用ブロワ
22から供給された空気を、各散水管19の下部で上方
へ向けて吐出する。この空気流によって、活性炭11を
含む排水が活性炭沈降部24の下部から汲み上げられ
て、第3分解部8上に散水される。このとき、活性炭沈
降部24で沈降した活性炭11の大部分が排水とともに
汲み上げられるので、活性炭11を比較的多く含む排水
を第3分解部8上に供給することができる。
【0050】符号1は生産室であり、半導体工場におけ
る生産現場としての生産室を意味している。この生産室
1の内部には有機物使用生産装置2やRCA洗浄装置3
7等が設置されている。RCA洗浄装置37は、ウエハ
洗浄における代表的な洗浄装置であって、過酸化水素を
含有する薬品を使用している。また、半導体工場におけ
る有機物使用生産装置としては、有機溶剤使用生産装置
があり、その代表例としてはイソプロピールアルコール
やアセトンを使用する生産装置が該当する。この半導体
工場では、この他にも図示しない各種の有機物使用生産
装置が使用されている。生産室1の内部には生産室排気
ブロワ3が設置されている。この生産室排気ブロワ3
は、有機物使用生産装置2とRCA洗浄装置37から発
生する有機物含有排ガスを吸引して、排ガス用配管4を
経て、槽51内の第1分解部16の下方に設けられた散
気管12に供給する。この散気管12から有機物含有排
ガスが上方へ向けて吐出される。なお、排気ファンでは
なく排気ブロワ3を設置している理由は、水深のある第
1分解部16の下方より有機物含有排ガスを吐出させる
ために、排気能力の高いものが必要だからである。排気
ブロワ3の種類は散気管12の水深によって決定すれば
良い。
【0051】この散気管12から吐出させる有機物含有
排ガスの量は、有機物の濃度によって異なるが、排ガス
による撹拌効率も考慮すると、第1分解部の容積1M
当たり1日当たり50M程度が良い。基本的には、排
ガス中の有機物濃度によって決定する事が望ましい。す
なわち、その排ガス量は第1分解部16での上昇流を起
こさせるための風量と排ガス中の有機物が処理されるべ
く風量でもある。
【0052】この生産室1のRCA洗浄装置37等から
の過酸化水素含有排水(アンモニアや塩酸等をも含む)
は、配管26を通して原水槽5に流入し、この原水槽5
に4時間から12時間程度滞留して水量と水質がある程
度調整される。原水槽5で水量と水質が調整された排水
は、原水槽ポンプ6によって汲み出され、配管7を経
て、導入口41を通して槽51内に導入される。原水槽
ポンプ6は、原水槽5内の過酸化水素含有排水を1日当
たり20〜22時間かけて槽51内に汲み出せるように
設計すれば良い。
【0053】この過酸化水素除去装置50の動作時に
は、槽51内に、排出口42のレベルまで排水が導入さ
れる。導入された排水は、散気管12が吐出する排ガス
によって第1分解部16と第2分解部17との間で循環
され、そこに循環流が生ずる。そして、排水中の過酸化
水素は、第1分解部16および第2分解部において木炭
9と接触し、この木炭を触媒として水と酸素ガスとに分
解される(一次処理)。また、槽51内の排水は、エア
ーリフトポンプ18によって汲み上げられて、第3分解
部8上に散水される。散水された排水は、第3分解部8
を通して落下する過程で、第3分解部8の木炭9と接触
し、この木炭9を触媒として水と酸素ガスとに分解され
る(二次処理)。なお、第3分解部8を通して落下した
排水は、第1分解部16と第2分解部17との間に形成
された循環流に合流する。このように、この槽51内の
排水は、第1分解部16と第2分解部17で一次処理さ
れるとともに、第3分解部8で二次処理される。この結
果、過酸化水素を除去する能力が高くなり、半導体工場
で発生するような過酸化水素含有排水の水量の変動や過
酸化水素濃度の変動にも対応できるようになる。したが
って、装置の管理が容易となる。
【0054】また、この槽51内に入れられた活性炭1
1は、排水の循環流に乗って第1分解部16と第2分解
部17との間を循環するとともに、排水とともに汲み上
げられて第3分解部8を通して落下して循環する。この
結果、上記第1分解部16、第2分解部17および第3
分解部8を排水とともに活性炭11が通過する。したが
って、固定状態にある木炭9と、排水とともに流動する
活性炭11との相乗効果によって、過酸化水素を分解す
る能力が格段に高めることができる。すなわち、各分解
部16,17,8を構成する固定状態にある木炭9やプ
ラスチック材10によって、そこを通る排水が撹拌され
るので、排水に対する活性炭11の相対変位を大きくし
て、排水と活性炭11との接触面の変化を大きくし、排
水中の過酸化水素を上記活性炭11によってより多く分
解することができる。
【0055】活性炭沈降部24内の排出口42の近傍に
は、排水中の過酸化水素濃度を測定するための酸化還元
電位計34が設けられている。制御部60が、この酸化
還元電位計34の酸化還元電位計34が検出した排水の
酸化還元電位に応じて、エアーリフト用ブロワ22をイ
ンバータ制御する。すなわち、酸化還元電位計34が検
出する過酸化水素濃度が予め定められた上限基準値より
も増加したときは、制御部60はエアーリフト用ブロワ
22の回転数を増して吐出風量を増加させる。ブロワ2
2の吐出風量が増加すると、エアーリフト用散気管15
から吐出する空気量が増して、エアーリフトポンプ18
の汲み上げ量が増加する。この結果、第3分解部8を通
る循環水量が増加するとともに、第2分解部17を通過
した後の排水が汲み上げられるので、第1分解部16と
第2分解部との間の循環水量が増加する。この結果、過
酸化水素を分解する能力が高まり、過酸化水素濃度が低
くなるように制御される。この制御は人を介在させず自
動的に行われ、過酸化水素濃度を迅速に低下させること
ができる。一方、酸化還元電位計34が検出する過酸化
水素濃度が予め定められた下限基準値よりも低下した場
合、制御部60は、過酸化水素濃度の低下に応じてエア
ーリフトポンプの汲み上げ量を減少させる。この結果、
エアーリフトポンプの仕事量が少なくて済み、その分だ
けエネルギが節約される。このように制御を行うことに
よって、半導体工場で発生するような過酸化水素含有排
水の水量の変動や過酸化水素濃度の変動にも、迅速かつ
経済的に対応できるようになる。また、この過酸化水素
除去装置50の管理がさらに容易になる。
【0056】排水とともに流動する活性炭11は活性炭
沈降部24で沈降する。そして、上澄水のみがオーバフ
ローして、排出口42から配管21を通して処理水槽2
3に流入する。
【0057】一方、上記散気管12が上方へ向けて吐出
する有機物含有排ガスは、槽51内の排水に上記循環流
を生じさせるとともに、自ら第1分解部16を通る。第
1分解部16が木炭層とプラスチック材層とを鉛直方向
に交互に積層して構成されているので、第1分解部16
を通る排ガスは水平方向に関して均等に上昇する。この
第1分解部16を通る過程で、排ガス中の有機物は、排
水中の過酸化水素や過酸化水素が分解して発生した酸素
ガスによって酸化される。また、上記排ガス中の有機物
は第1分解部16を構成する木炭9に吸着される。一
方、第1分解部16を構成するプラスチック材10の空
隙のお陰で排ガスと排水とが効率よく接触して、排ガス
中の有機物が排水に効率よく溶解する。したがって、上
記有機物は排水に溶解した状態で、排水中の過酸化水素
や過酸化水素が分解して発生した酸素ガスによっても酸
化される。このようにして、第1分解部16において有
機物含有排ガスが化学的に処理される(一次処理)。次
に、一次処理後の排ガスは、過酸化水素が分解して生じ
た酸素ガスとともに上昇し、均等板25によって水平方
向に関して均等に分散され、この状態で第3分解部8に
入る。第3分解部8が木炭層とプラスチック材層とを鉛
直方向に交互に積層して構成されているので、第3分解
部8を通る排ガスは水平方向に関して均等に上昇する。
この第3分解部8を通る過程で、排ガス中に残存してい
る有機物は、下方の排水中の過酸化水素が分解して発生
した酸素ガスによって酸化される。また、上記排ガス中
に残存している有機物は第3分解部8を構成する木炭9
に吸着される。一方、第3分解部8を構成するプラスチ
ック材10の空隙のお陰で排ガスと排水とが効率よく接
触して、排ガス中に残存している有機物が排水に効率よ
く溶解する。したがって、上記有機物は排水に溶解した
状態で、排水中の過酸化水素や過酸化水素が分解して発
生した酸素ガスによっても酸化される。このようにし
て、第3分解部において有機物含有排ガスがさらに化学
的に処理される(二次処理)。
【0058】特に、槽51内に粒状又は粉状の活性炭1
1が入れられているので、第1分解部16において流動
する活性炭11が排ガス中の有機物を吸着し、その後、
発生する酸素ガスによって有機物が酸化される。また、
第3分解部8においては、上記活性炭11を含んだ排水
が散水されるので、排ガス中の有機物が、単に気液の接
触による排水への吸収だけでなく、気液の接触による排
水への吸収と流動している活性炭11への吸着との両方
の作用を受けるので、有機物を効果的に処理することが
できる。詳しくは、槽51内の活性炭11は、最初は過
酸化水素を分解させる触媒として作用する。次に、活性
炭11は、表面に有機物を吸着し、過酸化水素の分解に
より発生した酸素ガスによってその有機物に対する酸化
を受けて、新しい表面を露出させる。そして、再び過酸
化水素を分解させる触媒として作用し、又はその表面に
有機物を吸着する。このように、槽51内の活性炭は一
連のサイクルを繰り返して作用する。したがって、図4
に示した従来例のように活性炭吸着塔を2塔以上設けて
交互に吸着と脱着を行うような手間をかける必要がな
く、装置の管理を容易に行うことができる。
【0059】また、上記第3分解部8では、過酸化水素
が既にある程度分解されており、第1分解部16に比し
て過酸化水素の影響が少ない。したがって、微生物があ
る程度発生し、繁殖することができる。このような微生
物は、上記排ガス中に含まれる有機物を処理するのに役
立つ。
【0060】このように、この過酸化水素除去装置50
は、過酸化水素含有排水を処理できる上、有機物含有排
ガスをも処理することができる。したがって、それらの
処理を別系統で行う場合に比して、イニシャルコストや
ランニングコストを低減できる。また、半導体工場で発
生するような過酸化水素含有排水の水量の変動や過酸化
水素濃度の変動にも対応できるので、装置の管理を容易
に行うことができる。さらに、装置の設置スペースも節
約することができる。なお、この装置は、排ガス中に有
機物が含有されていなくても、散気管12がガスを上方
へ吐出させる限り、過酸化水素を効率良く分解すること
ができる。
【0061】活性炭11としては、市販されている直径
2〜3mm(最大4mm)程度のものを採用するのが便
利である。活性炭11は、容量計算で槽51の容量に対
して0.5%程度の量を添加するのを目安とするが、こ
れは絶対条件でなく、あくまでも流入する排水中の過酸
化水素濃度、排ガス処理量などによって、最適添加量を
決定する。実際には0.4%程度が最適である。なお、
処理効果を期待して、活性炭11の添加量をあまりにも
増大させると、活性炭11が槽51内に沈澱して、活性
炭11の作用を有効に発揮できなくなる。さらには、各
分解部16,17,8における木炭9同士の隙間が閉塞
状態となり、動作上の障害となる。
【0062】散水管19の穴は、活性炭11によって目
詰まりしないように、活性炭11のサイズよりも大きい
サイズに設定する必要がある。実際には、選定した活性
炭11のサイズの4倍以上のサイズに設定すれば、問題
なく目詰まりを防止することができる。
【0063】均等板25に分散して形成されている穴の
総面積は、均等板25を通過すべきガス(有機物含有排
ガスと、第1分解部16,第2分解部17で発生する酸
素ガス)の風量と、排水の量とに基づいて算出する。具
体的には、単位時間当たりに上記有機物含有排ガス及び
酸素ガスが通過できる面積と、単位時間当たりに上記排
水が通過できる面積との合計を算出して、均等板25の
穴の総面積とする。均等板25の各穴の直径は、選定し
た活性炭11の大きさにもよるが、活性炭11の直径の
5倍以上に設定すれば良く、例えば直径10cm程度に設
定すれば良い。
【0064】次に、上記過酸化水素除去装置50を実際
に動作させて排水処理を行ったときの結果を述べる。
【0065】上記過酸化水素除去装置50において、そ
れぞれ第1分解部16の容量を600リットル、第2分
解部17の容量を400リットル、第3分解部8の容量
を500リットルに設定した。処理前に過酸化水素濃度
が346ppmである過酸化水素含有排水を処理した結
果、処理後の過酸化水素濃度を1ppmに低下させること
ができた。
【0066】また、排ガス中の有機物の代表としてイソ
プロピールアルコールを測定した。排ガス用配管4での
イソプロピールアルコール濃度が1mg/(NM3)である
排ガスを処理した結果、槽51の上部の排気ダクト20
でのイソプロピールアルコール濃度を0.2mg/(N
3)以下、つまり処理前の5分の1以下に低減すること
ができた。
【0067】また、図3に示すように、処理前の過酸化
水素濃度を故意に変動させて、処理後の過酸化水素濃度
を測定した。具体的には、原水槽5の過酸化水素濃度を
最大500ppmから最低100ppmまで時間的に変動させ
た。この場合、活性炭沈降部24内の酸化還元電位計3
4が検出する過酸化水素濃度に応じて、制御部60がブ
ロワ22のインバータ制御を行い、エアーリフトポンプ
18の汲み上げ量を制御する。この結果、安定して1pp
m以下の過酸化水素濃度を達成することができた。した
がって、例えば酸化還元電位計34が検出する過酸化水
素濃度の許容範囲を0.3〜0.5ppmに設定すること
ができる。酸化還元電位計34が検出する過酸化水素濃
度がその許容範囲以上になればブロワ22の回転数を上
げてエアーリフトポンプ18の汲み上げ量を多くし、過
酸化水素濃度を低下させることができる。一方、酸化還
元電位計34が検出する過酸化水素濃度がその許容範囲
以下になればブロワ22の回転数を下げてエネルギ節約
を行うことができる。
【0068】なお、図2に示すように、原水槽5内に酸
化還元電位計39を設置しても良い。このようにした場
合、酸化還元電位計39によって、流入する排水の過酸
化水素濃度を、図1の構成に比して、より早い時点で検
知することができる。したがって、この酸化還元電位計
39が検出する過酸化水素濃度に基づいて、制御部60
によってエアーリフトポンプ18の汲み上げ量を制御す
ることによって、排水の水量や水質の変動に対して、よ
り迅速に対応することができる。
【0069】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に記
載の過酸化水素除去装置は、過酸化水素含有排水を第1
分解部と第2分解部で一次処理するとともに、第3分解
部で二次処理するので、過酸化水素を除去する能力を高
めることができる。したがって、半導体工場で発生する
ような過酸化水素含有排水の水量の変動や過酸化水素濃
度の変動にも対応でき、装置の管理を容易に行うことが
できる。
【0070】特に、上記木炭が1以上の比重を持つ備長
炭である場合、第1分解部および第2分解部が排水に浸
されたとしても、木炭自身は浮き上がることがない。ま
た、上記木炭として市販の備長炭の中から長さ数cm以
上の適当なサイズのものを選定しておけば、ガス吐出部
が吐出するガスや過酸化水素が分解して生じた酸素ガス
等による曝気を受けても、上記木炭は移動する(いわゆ
る踊る)ことがなく、破壊されることもない。また、第
3分解部において、強力な散水を受けたとしても、上記
木炭が破壊されることはない。したがって、第1分解
部、第2分解部および第3分解部の構成を容易に維持す
ることができ、結果として、過酸化水素含有排水の処理
コストを低く抑えることができる。
【0071】請求項2の過酸化水素除去装置では、槽内
に入れられた活性炭が、排水とともに上記第1分解部、
第2分解部および第3分解部を通過するので、固定状態
にある木炭と、排水とともに流動する活性炭との相乗効
果によって、過酸化水素を分解する能力を格段に高める
ことができる。
【0072】請求項3に記載の過酸化水素除去装置は、
上記第1分解部、第2分解部および第3分解部は、上記
木炭が通水及び通気可能な隙間をもって水平に配置され
た木炭層と、上記プラスチック材が水平に配置されたプ
ラスチック材層とを鉛直方向に交互に積層して構成され
ているので、通水及び通気をスムーズに行うことができ
る。また、排水が第1分解部、第2循環部および第3分
解部を鉛直方向に通る際に、排水と木炭とが接触する回
数が増すので、排水中の過酸化水素を分解する能力をさ
らに高めることができる。
【0073】請求項4に記載の過酸化水素除去装置で
は、排水中の活性炭は活性炭沈降部で確実に沈降するの
で、上記排出口を通して活性炭が流出するのを防止で
き、排出口から流出する処理水の水質を確保することが
できる。
【0074】請求項5に記載の過酸化水素除去装置は、
排水とともに第2分解部を通って第2分解部の下に達し
た活性炭や、活性炭沈降部で沈降した活性炭が第1分解
部側へ容易に移動する。したがって、槽内に入れられた
活性炭が特定の箇所に滞留することなく、槽内全域を循
環して、排水中の過酸化水素を有効に分解することがで
きる。
【0075】この請求項6の過酸化水素除去装置では、
制御部は、活性炭沈降部内の排水の酸化還元電位に応じ
て、エアーリフトポンプの汲み上げ量を制御するので、
半導体工場で発生するような過酸化水素含有排水の水量
の変動や過酸化水素濃度の変動にも、迅速かつ経済的に
対応でき、装置の管理をさらに容易に行うことができ
る。
【0076】請求項7の過酸化水素除去装置は、請求項
1乃至6の過酸化水素除去装置と同様に過酸化水素含有
排水を処理できる上、次のようにして有機物含有排ガス
をも処理することができる。したがって、それらの処理
を別系統で行う場合と比較して、イニシャルコストやラ
ンニングコストを低減できる。また、半導体工場で発生
するような過酸化水素含有排水の水量の変動や過酸化水
素濃度の変動にも対応できるので、装置の管理が容易と
なる。さらに、装置の設置スペースも節約することがで
きる。
【0077】特に、槽内に粒状又は粉状の活性炭が入れ
られている場合は、流動する活性炭が排ガス中の有機物
を吸着し、その後、発生する酸素ガスによって有機物が
酸化される。このとき、活性炭の新しい表面が露出し、
そこに再び排ガス中の有機物を吸着する。すなわち、槽
内の活性炭は、排ガス中の有機物を処理するために一連
のサイクルを繰り返して作用する。したがって、図4に
示した従来例のように活性炭吸着塔を2塔以上設けて交
互に吸着と脱着を行うような手間をかける必要がなく、
装置の管理をさらに容易に行うことができる。
【0078】また、特に、上記第1分解部及び第3分解
部が木炭層とプラスチック材層とを鉛直方向に交互に積
層して構成されている場合、第1分解部や第3分解部を
通る排ガスは水平方向に関して均等に上昇する。したが
って、第1分解部や第3分解部の全体が機能して、排ガ
ス中の有機物を効率良く処理することができる。
【0079】請求項8の過酸化水素除去装置では、均等
板が、第1分解部を通って上昇した排ガスや酸素ガスを
水平方向に均等に分散するので、排ガスや酸素ガスが第
3分解部の全域を均等に上昇する。したがって、第3分
解部の全体が機能して、排ガス中の有機物を効率良く処
理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の過酸化水素除去装置を用いた排水
及び排ガス処理系統を示す図である。
【図2】 図1の排水処理系統において、原水槽に酸化
還元電位計を設置した変形例を示す図である。
【図3】 図1の排水処理系統による排水処理結果を示
す図である。
【図4】 従来の排水処理系統及び排ガス処理系統を示
す図である。
【図5】 従来の過酸化水素除去装置を示す図である。
【符号の説明】
3 生産室排気ブロワ 8 第3分解部 9 木炭 10 プラスチック材 11 活性炭 12 排ガス用散気管 13 仕切板 14A,14B,14C 格子板 15 エアーリフト用散気管 16 第1分解部 17 第2分解部 18 エアーリフトポンプ 19 散水管 22 エアーリフト用ブロワ 24 活性炭沈降部 25 排ガス用均等板 34,39 酸化還元電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−124581(JP,A) 特開 平5−345188(JP,A) 実開 昭52−15537(JP,U) 特公 昭51−33353(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58,1/28,1/70

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導入口を通して槽内に排水を導入し、導
    入した排水中の過酸化水素を上記槽内で分解し、この排
    水を排出口を通して排出する過酸化水素除去装置であっ
    て、 上記槽内に、木炭と、通水及び通気可能な空隙を有する
    プラスチック材とを組み合わせて構成される第1分解
    部、第2分解部および第3分解部を備え、 上記第1分解部および第2分解部は、上記槽内に導入さ
    れる排水の水面レベルよりも下側で、この槽の底板から
    離間した鉛直方向の仕切板の両側に設けられる一方、 上記第3分解部は、上記排水の水面レベルよりも上側
    で、かつ上記第1分解部および第2分解部の上方に設け
    られ、 上記第1分解部の下方からガスを上方へ向けて吐出し
    て、上記槽内に導入された排水に、上記第1分解部から
    上記仕切板の上縁を越えて上記第2分解部へ達し、かつ
    上記第2分解部から上記仕切板の下縁を越えて上記第1
    分解部に戻る循環流を生じさせるガス吐出部と、 上記槽内の排水を汲み上げて上記第3分解部上に散水す
    る散水手段を備えたことを特徴とする過酸化水素除去装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の過酸化水素除去装置に
    おいて、 上記槽内に上記排水とともに流動し得る粒状又は粉状の
    活性炭が入れられ、 上記第1分解部、第2分解部および第3分解部は、上記
    排水に含まれた活性炭を鉛直方向に通過させ得るように
    なっていることを特徴とする過酸化水素除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の過酸化水素除
    去装置において、 上記第1分解部、第2分解部および第3分解部は、上記
    木炭が通水及び通気可能な隙間をもって水平に配置され
    た木炭層と、上記プラスチック材が水平に配置されたプ
    ラスチック材層とを鉛直方向に交互に積層して構成され
    ていることを特徴とする過酸化水素除去装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の過酸化水素除
    去装置において、 上記第2分解部に関して上記仕切板と反対の側に、この
    槽の底板から離間した内側壁が設けられるとともに、こ
    の内側壁の外側に、この槽の底板に連なり上記排出口を
    持つ外側壁が設けられて、上記内側壁と外側壁との間
    に、上記排水中の活性炭を沈降させる活性炭沈降部が形
    成されていることを特徴とする過酸化水素除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の過酸化水素除去装置に
    おいて、 上記槽の底板のうち上記活性炭沈降部および第2分解部
    の下に相当する部分が、上記第1分解部側に向かって傾
    斜していることを特徴とする過酸化水素除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の過酸化水素除
    去装置において、 上記散水手段は、上記排水の水面レベルよりも下側から
    立ち上がり上記第3分解部上に延びる導管を通して上記
    排水を汲み上げるエアーリフトポンプを有し、上記活性
    炭沈降部内に酸化還元電位計が設けられ、 この酸化還元電位計が検出した上記排水の酸化還元電位
    に応じて、上記エアーリフトポンプの汲み上げ量を制御
    する制御部を備えたことを特徴とする過酸化水素除去装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の
    過酸化水素除去装置において、 上記ガス吐出部は、上記第1分解部の下方に配置され
    た、ガス吐出用の穴を持つ散気管を備え、 この散気管に、上記槽の壁面を貫通して有機物含有排ガ
    スを供給する配管が接続されるようにしたことを特徴と
    する過酸化水素除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の過酸化水素除去装置に
    おいて、 板面に通水及び通気可能な又はさらに上記活性炭を通す
    ことができる複数の貫通穴を分散して形成してなる均等
    板が、上記第3分解部の下方で、かつ上記排水の水面レ
    ベルよりも上側に水平に配置されていることを特徴とす
    る過酸化水素除去装置。
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