JP3232647B2 - 熱硬化性樹脂プリプレグの製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂プリプレグの製造方法

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JP3232647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂プリプレ
グの製造方法に関し、特に一般産業用、航空宇宙用など
に使用可能な高耐熱性を有し、かつ可使時間が長く、常
温で長期間保存可能な熱硬化性樹脂プリプレグの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチックの一つとして、合
成樹脂を補強用繊維に含浸させてなる、プリプレグと呼
ばれる基材を積層し、加圧加熱成形したものが知られて
いる。特に炭素繊維を補強用繊維として用いたプリプレ
グは、釣竿、ゴルフクラブあるいはバドミントンのシャ
フトなどのスポーツ・レジャー用品にとどまらず、板バ
ネやハニカム構造材などの工業材料、さらには自動車
用、航空機用或いは医療材料用などの各種素材として高
強度成形材料の分野で広く利用されている。
【0003】プリプレグの主要な製造方法としては、
マトリックス樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を補強用繊
維に含浸させ、加熱により脱溶媒してプリプレグを得る
溶剤法と、少なくとも一方にホットメルト樹脂を塗工
した離型紙の間に補強用繊維を挟み、これを加熱ロール
に通して樹脂を溶融させ、繊維に含浸させるホットメル
ト法とがある。
【0004】プリプレグのマトリックス樹脂としては、
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が最も一般的である。
この理由は、補強用繊維との接着性および積層作業時に
要求される適度のタック性・ドレープ性に優れているた
めである。
【0005】しかし、エポキシ樹脂は耐熱性に難点があ
るので、耐熱性を要求される分野では、ポリイミド樹
脂、ビスマレイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES) 樹脂などのい
わゆるエンジニアリング・プラスチックが使用されてい
る。ところが、ポリイミド樹脂やビスマレイミド樹脂を
マトリックス樹脂とする熱硬化性樹脂プリプレグは、高
価であるばかりでなく、例えば、常温での保存可能期間
が10〜20日程度と常温での保存安定性に劣っている。一
方、PEEKやPES 樹脂をマトリックスとする熱可塑性樹脂
プリプレグは、常温で半永久的に保存可能であるもの
の、高価であるのに加えて、成形温度が高く、成形が難
しいという問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のプリプレグの問題点を克服し、優れた耐熱性を有す
ると同時に、常温で長期間安定に保存可能で、比較的安
価である上、タック性やドレープ性に優れ、作業が容易
な熱硬化性樹脂プリプレグを製造することができる方法
を提供することを目的とする。
【0007】本発明者らは、先に、耐熱性に優れ、且つ
比較的安価な熱硬化性樹脂として、縮合多環芳香族化合
物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との
混合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒドロキ
シメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物か
らなる架橋剤とを、前記原料物質もしくは架橋剤の少な
くとも一方と反応性を有する有機スルホン酸化合物、ま
たは水不溶性の有機スルホン酸化合物もしくはスルホン
酸基含有重合体を触媒として反応させることにより得ら
れる縮合多環系芳香族樹脂を提案した(特開平3−393
号公報) 。
【0008】さらに、本発明者らは、この縮合多環系芳
香族樹脂を反応を適度の段階で止めることにより低粘度
化し、この低粘度の縮合多環系芳香族樹脂から溶剤不溶
分を除去して得た樹脂を、ホットメルト法により補強用
繊維に含浸させてなる熱硬化性樹脂プリプレグを提案し
た (特願平2−320114号) 。
【0009】この熱硬化性樹脂プリプレグは、マトリッ
クスである上記縮合多環系芳香族樹脂が耐熱性に優れた
比較的安価な樹脂であることから、比較的安価で耐熱性
に優れ、しかも常温での保存期間も少なくとも6ヵ月以
上と長い。しかし、上記のホットメルト法で作製したプ
リプレグは、タック性とドレープ性の点で不十分であ
る。また、製造時に、溶剤不溶分を除去する工程が必要
である上、含浸に加熱・加圧ローラを有する特定の装置
が必要であって、製造作業にも問題がある。さらに、補
強繊維がクロス形態のものである場合には、含浸性が悪
くプリプレグ化しにくいという問題もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記縮合
多環系芳香族樹脂をマトリックス樹脂とする熱硬化性樹
脂プリプレグが抱える上述した問題点を解決するために
さらに研究を続けた結果、溶剤法を用いると、比較的簡
単な装置でプリプレグを作製できる上、脱溶媒後のプリ
プレグ中に溶媒を適度に残留させておくことによりタッ
ク性とドレープ性を変動させることができ、適度のタッ
ク性・ドレープ性を有する熱硬化性樹脂プリプレグを容
易に製造することができることを見出し、本発明を完成
した。
【0011】ここに、本発明は、縮合多環芳香族化合物
または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との混
合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒドロキシ
メチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物から
なる架橋剤とを、前記原料物質もしくは架橋剤の少なく
とも一方と反応性のあるスルホン酸基を有する化合物、
または水不溶性のスルホン酸基を有する化合物の存在下
で反応させて得た縮合多環系芳香族樹脂を、沸点80℃以
下の低沸点溶媒50〜90重量%と沸点100 ℃以上の中・高
沸点溶媒10〜50重量%とからなる混合溶媒に溶解させ、
得られた溶液を補強用繊維に含浸させた後、80℃以下の
温度で脱溶媒することを特徴とする、熱硬化性樹脂プリ
プレグの製造方法を要旨とする。
【0012】
【0013】本発明の熱硬化性樹脂プリプレグの製造方
法は、ホットメルト法では含浸の困難なクロス状やマッ
トのプリプレグの製造に特に適している。
【0014】
【作用】以下、本発明の構成をその作用と共に詳述す
る。本発明のプリプレグにおいてマトリックス樹脂とし
て用いる縮合多環系芳香族樹脂およびその製造法につい
てまず説明する。
【0015】この樹脂の原料物質は、縮合多環芳香族化
合物またはこれと単環芳香族化合物との混合物である。
縮合多環芳香族化合物としては、ナフタレン、アセナフ
テン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、クリセ
ン、ナフタセン、フルオランテン、ペリレン、ピセンお
よびそれらのアルキル誘導体、各種ベンゾピレン、各種
ベンゾペリレン等の縮合多環炭化水素類、ならびにナフ
トール等のヒドロキシ置換誘導体が挙げられ、これらの
2種以上の混合物も使用できる。単環芳香族化合物とし
ては、フェノール、アルキルフェノール、レゾルシン等
のフェノール類やジフェニル、ジフェニルエーテル、ア
ルキルベンゼン等の単環芳香族化合物が挙げられ、これ
らを前記縮合多環芳香族化合物と併用することができ
る。以上のような2以上の芳香族化合物がメチレン基、
フェニレン基またはキシリレン基等で連結された多核構
造の芳香族化合物も原料物質として使用できる。また、
上記のような芳香族化合物を主成分とする石炭系または
石油系の重質油類、ピッチ類も原料物質として使用可能
である。好ましい原料物質は、縮合多環芳香族化合物と
してナフタレンを含むものである。
【0016】本発明で用いる樹脂の製造に使用する架橋
剤は、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロ
メチル基を有する芳香族化合物であり、このような化合
物の例としては、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、ア
ントラセン、ピレン等の単環もしくは縮合多環芳香族化
合物またはそれらのアルキル誘導体等の炭化水素化合物
のポリ (ヒドロキシメチル) またはポリ (ハロメチル)
置換誘導体が挙げられる。特に好ましい架橋剤は、ジヒ
ドロキシメチルベンゼン (キシリレングリコール)、ジ
ヒドロキシメチルキシレン、トリヒドロキシメチルベン
ゼン、ジヒドロキシメチルナフタレン等である。
【0017】上記の原料物質と架橋剤とを酸触媒の存在
下に反応させるが、本発明で用いる樹脂の製造において
は、反応性の酸触媒 (即ち、原料物質または架橋剤の少
なくとも一方と反応性のある酸触媒) か、水不溶性の酸
触媒を使用する。
【0018】反応性の酸触媒の例としては、架橋剤のヒ
ドロキシメチル基またはハロメチル基と反応し易い有機
芳香族スルホン酸、あるいは原料芳香族化合物と反応す
るヒドロキシメチル基、ハロメチル基またはホルミル基
を有する有機芳香族スルホン酸を挙げることができる。
【0019】架橋剤のヒドロキシメチル基やハロメチル
基と反応し易い酸触媒としては、縮合多環芳香族核 (ナ
フタレン核など) またはフェノール核を有する有機スル
ホン酸、またはカルボキシル基、アミノ基、エポキシ
基、不飽和炭化水素基等を有する有機芳香族スルホン酸
が挙げられる。このうち特に好ましいのは、縮合多環芳
香族スルホン酸およびフェノールスルホン酸であり、具
体的には、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレン
スルホン酸、アセナフテンスルホン酸、アントラセンス
ルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン
酸等である。
【0020】一方、原料芳香族化合物と反応するヒドロ
キシメチル基、ハロメチル基またはホルミル基を有する
有機スルホン酸としては、ヒドロキシメチルベンゼンス
ルホン酸、ヒドロキシメチルナフタレンスルホン酸、ジ
ヒドロキシメチルナフタレンスルホン酸、クロロメチル
ベンゼンスルホン酸、クロロメチルナフタレンスルホン
酸、ホルミルベンゼンスルホン酸、ホルミルナフタレン
スルホン酸等が挙げられる。
【0021】水不溶性の酸触媒としては、スチレン重合
体をジビニルベンゼンで架橋させたものをスルホン化し
たポリスチレンスルホン酸樹脂、フェノールスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸等をアルデヒドか少なくとも
2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基を有する
芳香族化合物からなる架橋剤と縮合させたフェノールス
ルホン酸樹脂、あるいは縮合多環多核芳香族樹脂のスル
ホン化物等を挙げることができる。縮合多環多核芳香族
樹脂のスルホン化物は、縮合多環多核芳香族樹脂を濃硫
酸でスルホン化したのち、水溶性の酸を水洗浄等で除去
することにより容易に得ることができる。また、ジノニ
ルナフタレンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン
酸等の疎水基を有する水不溶性の有機スルホン酸化合物
も使用することができる。
【0022】酸触媒の使用量は、原料物質の反応性、反
応温度などにより異なるが、一般的には原料物質と架橋
剤との混合物に対し0.2 重量%以上必要で、好ましく
は、1〜20重量%である。酸触媒の使用量が、0.2 重量
%以下では十分に縮合反応が進行せず、生成する樹脂が
十分な熱硬化性を示さない。また、20重量%以上では、
反応速度が速くなり過ぎて反応制御が困難となるばかり
でなく、生成する樹脂も不均質なものとなり好ましくな
い。
【0023】架橋剤と被架橋原料 (原料物質+酸触媒)
の配合比は、モル比で0.7 〜6が好ましい。0.7 以下で
あると生成する樹脂は熱硬化性を示さず、逆に6以上に
なると架橋剤が過剰となり、反応が逆に抑制傾向を示
し、やや不均質な生成物を与えることとなる。より好ま
しい範囲としてはモル比で1〜3である。
【0024】反応温度は約50〜200 ℃、好ましくは80〜
180 ℃である。反応圧力は、通常常圧ないし若干の加圧
であるが、反応の結果生成する縮合水を反応系から除去
して反応効率を高めるためには、減圧下で反応させるこ
ともできる。
【0025】反応は、溶融状態で行なうのが簡単である
が、適当な溶媒または分散媒を用いて実施することもで
きる。また、溶媒等を用いて反応させた場合、未反応の
水溶性の遊離酸が残留していても、溶媒分離時に除去で
きるので有利である。溶融重合の場合でも、適当な溶媒
で水溶性の遊離酸を除去することができる。
【0026】前記の反応の進行に伴って反応物の粘度が
上昇し、熱硬化性樹脂 (Bステージ樹脂) が得られる
が、さらにこれを加熱して反応を進めると、不溶不融性
の硬化体が生成する。したがって、プリプレグ製造用の
マトリックス樹脂として使用するには、Bステージの段
階で温度を下げて、反応を停止させる。この段階の樹脂
は、未だ加熱溶融性を有している。プリプレグのマトリ
ックス樹脂としては、70℃における粘度が10,000〜30,0
00 cpsの範囲内であるものが好ましい。この状態の樹脂
は、 100〜350 ℃に加熱することによって、容易に熱硬
化物となる。
【0027】本発明によれば、こうして得られた縮合多
環系芳香族樹脂をマトリックス樹脂として、溶剤法によ
りプリプレグを製造する。即ち、この樹脂を有機溶媒に
溶解させ、得られた溶液を補強用繊維に含浸させた後、
脱溶媒すると、プリプレグが得られる。ここで、有機溶
媒としては、沸点の異なる2種以上の溶媒の混合溶媒を
用いる。混合溶媒を用いることにより、低沸点溶媒の沸
点付近の温度で脱溶媒を行うことにより、比較的低温で
の脱溶媒が可能となる上、脱溶媒後の残存溶媒量を制御
することが容易となり、プリプレグ製品の品質(成形
性、作業性)が安定化する。
【0028】本発明で使用する有機溶媒は、上記縮合多
環系芳香族樹脂を溶解させるものであればいかなるもの
でもよい。具体的には、ジクロロメタン (39.8℃) 、テ
トラヒドロフラン (THF, 65℃) 、メチルエチルケト
ン (MEK, 79.6℃) 、 1,4−ジオキサン(101℃) 、
1,1,2−トリクロロエタン(114℃) 、クロロベンゼン(13
1.6℃) 、シクロヘキサノン(155℃) 、イソホロン(215.
2℃) 、γ−ブチロラクトン(206℃) などが例示され
る。カッコ内の温度は常圧沸点である。このような有機
溶媒から、低沸点溶媒と中・高沸点溶媒との組合わせで
2種以上選択し、上記樹脂の溶解に用いる混合溶媒を調
製することが好ましい。
【0029】本発明の方法においては、脱溶媒を80℃以
下、より好ましくは70℃以下の温度で行うことが好まし
い。溶媒の除去を80℃を超える温度で行うと、プリプレ
グ中にボイドが発生することがある。また、脱溶媒時の
加熱温度が90℃を超えると、樹脂の硬化反応が進行し
て、タック性とドレープ性が低下する。
【0030】従って、樹脂の溶解に使用する混合溶媒の
うち、低沸点溶媒は沸点が80℃以下のもの、中・高沸点
溶媒としては沸点100 ℃以上のものを使用することが好
ましい。混合溶媒の混合比率は、沸点80℃以下の低沸点
溶媒が溶媒全体の50〜90重量%を占めるようにすること
が好ましい。低沸点溶媒の割合が50重量%を下回ると、
溶媒の除去に時間がかかるばかりでなく、脱溶媒後に残
存する溶媒の割合が多くなり、得られたプリプレグの成
形作業時にボイドやクラックが発生する原因ともなる。
一方、低沸点溶媒の割合が90重量%を超えると、脱溶媒
後の残存溶媒の量が少なくなりすぎて、プリプレグに適
度なタック性やドレープ性を安定して付与することが困
難となる。
【0031】混合溶媒の使用量は、25℃での溶液粘度が
0.05〜100 ポイズ、より好ましくは0.5 〜10ポイズの範
囲内の樹脂溶液 (樹脂ワニス) を生ずるような量で使用
することが好ましい。このような粘度範囲の溶液を使用
すると、補強用繊維への含浸性や脱溶媒性が良好とな
る。従って、得られる溶液の樹脂濃度は、使用する縮合
多環系芳香族樹脂の種類に応じて変動する。
【0032】こうして調製した縮合多環系芳香族樹脂の
溶液 (ワニス) に、補強用繊維を含浸させ、次いで脱溶
媒してプリプレグを製造する。この含浸と脱溶媒は、比
較的簡単な構造の慣用の湿式法プリプレグ製造装置を用
いて実施することができる。即ち、補強用繊維を樹脂溶
液の浴中に導入し、樹脂を含浸させた後、ローラで余分
な樹脂を絞り取ると同時にさらに含浸を行い、その後、
加熱により脱溶媒 (乾燥) して、離型シート間に挟み込
んで巻き取ることによりプリプレグを製造する方法であ
る。
【0033】脱溶媒は、前述したように、好ましくは80
℃以下の温度での加熱により行い、溶媒の一部をプリプ
レグ中に適度に残留させることが好ましい。それによ
り、プリプレグに任意のタック性やドレープ性を付与す
ることができる。プリプレグ中の残存溶媒量は、プリプ
レグの成形性とのかねあいもあるが、プリプレグの重量
に基づいて、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましく
は2〜10重量%である。残存溶媒量が1重量%未満では
プリプレグのタック性・ドレープ性が充分ではなく、15
重量%を超えると、プリプレグを成形する時にボイドの
原因となり、成形性が低下する。溶媒残存量は、脱溶媒
の加熱温度と加熱時間により所望の量に調整することが
できる。
【0034】補強用繊維としては、炭素繊維、ガラス繊
維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、
ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維などの有機繊
維、さらには炭化珪素繊維、炭化チタン繊維、ボロン繊
維、アルミナ繊維などのセラミック系繊維など、製品に
求められる特性に応じて、いかなるものを使用してもよ
い。
【0035】補強用繊維の形態も、長繊維フィラメント
を一方向に引きそろえたロービング以外に、クロス (織
物) 、不織布などのシート状のもの、さらにはチョップ
ドストランドマットなど、積層体とすることができるも
のであればいかなるものでもよい。本発明の方法は、含
浸性に優れた樹脂溶液を使用するので、溶融樹脂では含
浸の困難なクロスや他のシート状、マット状の補強用繊
維を用いたプリプレグの製造に特に適している。クロス
としては、通常の平織、朱子織、一方向織などの組織の
ものの他に、バイアス織物や三次元織物を使用すること
ができる。
【0036】本発明の方法により製造されたプリプレグ
は、プレス成形、オートクレーブ成形、テープワインデ
ィング成形等、従来のエポキシ系プリプレグで用いられ
てきた各種の方法で積層することにより成形できる。得
られた積層品は、最後に 170〜230 ℃の温度に4〜12時
間加熱することによりポストキュア (後硬化) させるこ
とが好ましい。この熱処理により架橋がさらに進み、積
層品の耐熱性および機械的特性が著しく向上する。
【0037】本発明の方法で製造された熱硬化性樹脂プ
リプレグの成形・硬化により得られた積層品は、樹脂の
耐熱性および機械的性質が良好であるため、200 〜250
℃程度の温度までは充分に使用可能であり、一般産業用
のみならず、航空宇宙用にも適用可能である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例において、部および%は、特に指定の
ない限り、重量部および重量%である。また、実施例に
おいて、タック性とドレープ性の評価は、「次世代複合
材料ハンドブック」 (日本規格協会発行) に記載の規格
SACOI−Fに従って行った。
【0039】実施例1 縮合多環芳香族化合物としてナフタレン(NAP) を100
部、架橋剤としてp−キシリレングリコール(PXG) を17
3 部(PXG/NAPモル比 1.6) 、酸触媒として架橋剤のヒド
ロキシメチル基と反応性のあるβ−ナフタレンスルホン
酸 8.3部からなる混合物を、110 ℃で3時間加熱・攪拌
することにより付加縮合反応させて、Bステージ状態の
縮合多環系芳香族樹脂を得た。この樹脂は、外観が褐色
透明であり、70℃における溶融粘度が20,000 cps、数平
均分子量が1,000 であった。
【0040】この樹脂100 部を、THF80%とジオキサ
ン20%の混合溶媒100 部に溶解させ、常温における粘度
が1ポイズ(100 cps) の樹脂ワニスを調製した。次に、
慣用の湿式法プリプレグ製造装置を用いて、この樹脂ワ
ニス中に炭素繊維ロービングを通過させることにより炭
素繊維に樹脂を含浸させた後、60℃で1時間乾燥させて
溶媒を除去し、樹脂含有量40%の一方向炭素繊維プリプ
レグを作製した。このプリプレグ中の残存溶媒量は、プ
リプレグの重量に基づいて4%であった。
【0041】このようにして得られたプリプレグを、成
形後の厚さが2mmとなる枚数だけ一方向に積層し、ホッ
トプレスにより100 kgf/cm2 の圧力下、190 ℃で30分間
加圧加熱成形した。さらに、オーブン中で200 ℃、4時
間のポストキュアを行い、積層板を得た。積層時の作業
性 (タック性、ドレープ性) は良好であり、得られた積
層板にボイド、クラックなどの欠陥は認められず、成形
性も良好であった。
【0042】この積層板から試験片を採取し、各種温度
で曲げ強度を測定した。試験結果を図1に示す。図1か
ら分かるように、このプリプレグ成形品は耐熱性に優れ
ており、200 ℃を超える高温でもなお高強度を保持して
いた。また、このプリプレグは常温安定性にも優れ、6
ヵ月以上常温 (約23℃) に放置しても、成形性 (樹脂の
流れ性) に変化はなかった。
【0043】実施例2 実施例1と同様の方法で縮合多環系芳香族樹脂の樹脂ワ
ニスを調製し、この樹脂ワニス中にCガラス繊維クロス
(180 g/m2) を通過させることにより、クロスに樹脂を
含浸させ、その後60℃で1時間乾燥させて溶媒を除去
し、樹脂含有量45%のクロス・プリプレグを得た。この
プリプレグ中の残存溶媒量は5%であった。得られたク
ロス・プリプレグは目すきもなく、樹脂によるガラス繊
維クロスの含浸は十分に行われた。
【0044】このプリプレグを、成形後の厚さが2mmと
なる枚数だけ積層し、120 ℃で20分間予熱した後、ホッ
トプレスにより100 kgf/cm2 の圧力下、190 ℃で60分間
加圧加熱成形した。さらに、オーブン中で200 ℃、4時
間のポストキュアを行い、積層板を得た。積層時の作業
性 (タック性、ドレープ性) は良好であり、得られた積
層板にボイド、クラックなどの欠陥は認められず、成形
性も良好であった。
【0045】この成形品の耐熱強度および常温保存性は
実施例1と同様に良好であった。また、この成形品の各
種温度での曲げ強度を、図1に示す。図1からわかるよ
うに、補強用繊維がガラス繊維であるため、炭素繊維を
用いた実施例1のプリプレグに比べて高温強度自体は低
いが、耐熱性は実施例1のプリプレグと同様に優れてお
り、200 ℃程度を超える温度でも強度を実質的に保持し
ていた。
【0046】比較例1 実施例1と同様の方法で縮合多環系芳香族樹脂を合成
し、この樹脂を用いてホットメルト法により一方向プリ
プレグを作製した。即ち、樹脂を加熱溶融させた状態で
離型シートに塗工した後、この塗工シート上に炭素繊維
ロービングを導入し、加熱ロールの間に挟んで加熱・加
圧することにより樹脂を溶融させて炭素繊維に含浸さ
せ、樹脂含有量38%の一方向炭素繊維プリプレグを作製
した。得られたプリプレグは、目すきもなく、含浸性は
良好であった。
【0047】こうして得たプリプレグを用いて、実施例
1と同様に成形し、積層板を作製した。得られた積層板
は、ボイドやクラックがなく、成形性は良好であった
が、積層作業時にプリプレグ同士が接着しにくかった
り、プリプレグの柔軟性が不足したため、積層作業性は
よくなかった。
【0048】比較例2 実施例1と同様の方法で縮合多環系芳香族樹脂を合成
し、この樹脂を用いてホットメルト法によりクロス・プ
リプレグを作製した。即ち、樹脂を加熱溶融させた状態
で離型シートに塗工した後、この塗工シート2枚の間に
Cガラス繊維クロス(180 g/m2)を導入し、加熱ロールの
間に挟んで加熱・加圧することにより樹脂を溶融させて
ガラスクロスに含浸させ、ガラスクロス・プリプレグの
製造を試みた。プリプレグ化は、樹脂含有量が47%にな
るように、樹脂目付け量を85 g/m2に調整して行った。
しかし、クロスへの溶融樹脂の含浸性が悪いために樹脂
含有量は29%にとどまり、目すきの多いプリプレグしか
得られなかった。
【0049】比較例3 実施例1と同様の方法で縮合多環系芳香族樹脂を合成
し、この樹脂100 部をジオキサン100 部に溶解させ、常
温における粘度が1ポイズ(100 cps) の樹脂ワニスを調
製した。次に、この樹脂ワニスを用いて実施例1と同様
の方法で一方向プリプレグを作製した。即ち、樹脂ワニ
ス中を炭素繊維ロービングを通過させることにより、炭
素繊維に樹脂を含浸させた後、60℃で1時間乾燥させて
溶媒を除去し、樹脂含有量40%の一方向炭素繊維プリプ
レグを作製した。このプリプレグ中の残存溶媒量は、プ
リプレグの重量に基づいて17%であった。
【0050】このようにして得られたプリプレグを、実
施例1と同様にして積層・成形して積層板を作製した。
積層時の作業性は良好であったが、得られた積層板はボ
イドがひどく、ひどい場合には積層板表面にふくれが観
察された。また、表面性状もよくなかった。この成形性
の著しい低下は、プリプレグ中に残存する多量の溶媒が
成形時に揮発したためであると考えられる。
【0051】比較例4 市販のポリイミド/T-800繊維プリプレグ (化成ファイ
バーライト社製、HyE1066CN) を、成形後の厚さが2mm
となる枚数だけ一方向に積層し、ホットプレスにより10
0 kgf/cm2 の圧力下、270 ℃で60分間加圧加熱成形した
後、オーブン中で315 ℃、4時間のポストキュアを行
い、積層板を作製した。しかしながら、作業性も不十分
である上、得られた積層板にはボイドが多く観察され、
成形性もあまりよくなかった。
【0052】この積層板から試験片を採取し、各種温度
で曲げ強度を測定した結果をやはり図1に示す。図1か
ら分かるように、このプリプレグ硬化物は非常に耐熱性
に優れ、300 ℃を超える高温でもなお高強度を保持して
いた。ただし、本発明により縮合多環系芳香族樹脂をマ
トリックス樹脂として同様に作製した実施例1のプリプ
レグの方が、225 ℃より低温側では曲げ強度が高いこと
は注目される。
【0053】また、このポリイミド系のプリプレグを常
温 (約23℃) で2ヵ月放置したところ、成形性 (樹脂の
流れ性) がかなり低下した。さらに、このプリプレグ
は、本発明で用いる縮合多環系芳香族樹脂に比べてかな
り高価である。
【0054】以上の各実施例および比較例におけるプリ
プレグの外観、タック性、ドレープ性、成形性の結果
を、次の表1にまとめて示す。表1からわかるように、
本発明方法により製造されたプリプレグは、これらのい
ずれの特性も良好であるのに対し、比較例で得られたプ
リプレグは少なくとも一つの特性で劣っていた。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のプリプ
レグは次の効果を示す。 マトリックス樹脂として用いる縮合多環系芳香族樹脂
が耐熱性に優れているため、エポキシ樹脂に比べて著し
く優れた耐熱性を示し、 200〜250 ℃程度の温度までは
充分に使用可能である。
【0057】マトリックス樹脂は、従来より耐熱性樹
脂として使用されてきたポリイミド樹脂等に比べて安価
である。
【0058】可使期間が長く、常温で6ヵ月以上と長
期間安定に保存することができる。
【0059】加熱成形温度は200 ℃前後でよく、ポリ
イミドをマトリックス樹脂とするプリプレグの300 ℃以
上に比べて著しく低く、この面でも経済的に有利であ
る。
【0060】縮合多環系芳香族樹脂を、沸点の異なる
2種以上の有機溶媒からなる混合溶媒、好ましくは沸点
80℃以下の低沸点溶媒と沸点100 ℃以上の中・高沸点溶
媒からなる混合溶媒に溶解させて得た樹脂ワニスに補強
用繊維を含浸させた後、溶媒の一部 (好ましくは残存溶
媒量1〜15重量%) が残るように脱溶媒を行うことによ
り、適度のタック性・ドレープ性を有し (作業性が良
好) 、ボイドやクラックのない成形品を製造できる (成
形性が良好) なプリプレグを比較的簡単に得ることがで
きる。
【0061】補強用繊維が、含浸のより困難なクロス
或いはマット状のものであっても、十分な量の樹脂を含
浸させることができ、良好なプリプレグを製造すること
ができる。
【0062】以上の総合的な結果として、耐熱性、成形
性、作業性および機械的特性に優れたプリプレグを、比
較的安価かつ簡便な工程で製造することができ、耐熱性
を必要とする用途への繊維強化プラスチックの適用拡大
に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られたプリプレグ成形
品の高温曲げ強度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 狩野 治之 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金 化工株式会社研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−393(JP,A) 特開 昭58−74726(JP,A) 特開 平4−28720(JP,A) 特開 平4−103306(JP,A) 特許2882044(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08J 3/24 C08L 87/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環芳香族化合物または縮合多環芳
    香族化合物と単環芳香族化合物との混合物からなる原料
    物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハ
    ロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを、
    前記原料物質もしくは架橋剤の少なくとも一方と反応性
    のあるスルホン酸基を有する化合物、または水不溶性の
    スルホン酸基を有する化合物の存在下で反応させて得た
    縮合多環系芳香族樹脂を、沸点80℃以下の低沸点溶媒50
    〜90重量%と沸点100 ℃以上の中・高沸点溶媒10〜50重
    量%とからなる混合溶媒に溶解させ、得られた溶液を補
    強用繊維に含浸させた後、80℃以下の温度で脱溶媒する
    ことを特徴とする、熱硬化性樹脂プリプレグの製造方
    法。
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