JP2882044B2 - 熱硬化性樹脂プリプレグ - Google Patents

熱硬化性樹脂プリプレグ

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JP2882044B2 JP32011490A JP32011490A JP2882044B2 JP 2882044 B2 JP2882044 B2 JP 2882044B2 JP 32011490 A JP32011490 A JP 32011490A JP 32011490 A JP32011490 A JP 32011490A JP 2882044 B2 JP2882044 B2 JP 2882044B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、新規な熱硬化性樹脂プリプレグに関し、特
に一般産業用、航空宇宙用などに使用可能な高耐熱性を
有し、かつ可使時間が長く、常温で長期間保存可能な熱
硬化性樹脂プリプレグに関する。
【従来の技術】
繊維強化プラスチックの1つとして、合成樹脂を補強
用繊維に含浸させてなる、プリプレグと呼ばれる基材を
積層し、加圧加熱成形したものが知られている。特に炭
素繊維を補強用繊維として用いたプリプレグは、釣竿、
ゴルフクラブあるいはバドミントンのシャフトなどのス
ポーツ・レジャー用品、板バネやハニカム構造材などの
工業材料、さらには自動車用、航空機用或いは医療材料
用などの各種素材として成形材料の分野で広く利用され
ている。 プリプレグの主要な製造方法としては、マトリック
ス樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を補強用繊維に含浸さ
せ、加熱により脱溶剤してプリプレグを得る溶剤法と、
少なくとも一方に樹脂のホットメルトを塗工した離型
紙の間に補強用繊維を挟み、これを加熱ロールに通して
樹脂を溶融させ、繊維に含浸させるホットメルト法とが
ある。 プリプレグのマトリックス樹脂としては、一般に熱硬
化性のエポキシ樹脂が使用されている。この理由は、補
強用繊維との接着性、可撓性、および積層作業時に要求
される適度のタック性に優れているためである。 しかし、エポキシ樹脂は耐熱性に難点があり、耐熱性
を要求される分野では、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ビスマレイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)樹脂などのいわゆるエンジニアリング・プラス
チックが使用されている。しかし、ポリイミド樹脂やビ
スマレイミド樹脂をマトリックス樹脂とする熱硬化性プ
リプレグは、高価であるばかりでなく、例えば、常温で
の保存可能期間が10〜20日程度と常温での保存安定性に
劣っている。一方、ポリアミド樹脂やPEEK樹脂をマトリ
ックス樹脂とする熱可塑性プリプレグは、常温で半永久
的に保存可能であるものの、高価であるのに加えて、成
形温度が高いという問題点を有していた。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来のプリプレグの問題点を克服
し、優れた耐熱性を有すると同時に、常温で長期間安定
に保存可能で、比較的安価な熱硬化性樹脂プリプレグを
提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に、耐熱性に優れ、且つ比較的安価
な熱硬化性樹脂として、縮合多環芳香族化合物または縮
合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との混合物から
なる原料物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基
またはハロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋
剤とを、前記原料物質もしくは架橋剤の少なくとも一方
と反応性を有する有機スルホン酸化合物、または水不溶
性の有機スルホン酸化合物もしくはスルホン酸基含有重
合体を触媒として反応させることにより得られる縮合多
環系芳香族樹脂を提案した(特願平1−132444号)。 この樹脂をマトリックス樹脂としてプリプレグを製造
した場合、溶剤法では問題なくプリプレグ化することが
できた。しかし、溶剤法で得たプリプレグは、溶剤が揮
発する際にボイドが発生し、最終製品にした場合にボイ
ドを潰した跡が残り、外観不良となるばかりでなく、残
存する溶剤がプリプレグを成形する際のボイド発生の原
因となるという難点がある。これに対し、溶剤を使用し
ないホットメルト法では、この問題を回避することがで
き有利である。 そこで、上記樹脂をホットメルト法によりプリプレグ
化しようと試みたところ、樹脂の塗工工程で多数の引っ
掻いたような傷が発生し、きれいな樹脂フィルムが得ら
れなかった。樹脂フィルムに傷があると、その部分の繊
維に十分に樹脂が含浸されず、プリプレグの目すき(繊
維と繊維の間に隙間ができる現象)の原因となり、ひい
ては最終製品の外観不良や強度低下につながる。 さらに研究を進めた結果、上記樹脂のフィルムの傷
は、樹脂中に含まれている溶剤不溶分に原因があり、予
め樹脂から溶剤不溶分を除去しておくことによりこの問
題を回避することができることを見出し、本発明を完成
した。 ここに、本発明は、上述した縮合多環系芳香族樹脂か
ら、溶剤不溶分を除去することにより得られた樹脂を、
ホットメルト法により補強用繊維に含浸させてなる、熱
硬化性樹脂プリプレグを要旨とする。
【作用】
以下、本発明の構成をその作用と共に詳述する。 本発明のプリプレグにおいてマトリックス樹脂として
用いる縮合多環系芳香族樹脂およびその製造法について
まず説明する。 この樹脂の原料物質は、縮合多環芳香族化合物または
これと単環芳香族化合物との混合物である。縮合多環芳
香族化合物としては、ナフタレン、アセナフテン、フェ
ナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタ
セン、フルオランテン、ペリレン、ピセンおよびそれら
のアルキル誘導体、各種ベンゾピレン、各種ベンゾペリ
レン等の縮合多環炭化水素類、ならびにナフトール等の
ヒドロキシ置換誘導体が挙げられ、これらの2種以上の
混合物も使用できる。原料物質として使用できる単環芳
香族化合物としては、フェノール、アルキルフェノー
ル、レゾルシン等のフェノール類やジフェニル、ジフェ
ニルエーテル、アルキルベンゼン等の単環芳香族化合物
が挙げられ、これらを前記縮合多環芳香族化合物と併用
することができる。以上のような2以上の芳香族化合物
がメチレン基、フェニレン基またはキシリレン基等で連
結された多核構造の芳香族化合物も原料物質として使用
できる。また、上記のような芳香族化合物を主成分とす
る石炭系または石油系の重質油類、ピッチ類も原料物質
として使用可能である。 好ましい原料物質は、縮合多環芳香族化合物としてナ
フタレンを含むものである。 本発明で用いる樹脂の製造に使用する架橋剤は、少な
くとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基を
有する芳香族化合物であり、このような化合物の例とし
ては、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、アントラセ
ン、ピレン等の単環もしくは縮合多環芳香族化合物また
はそれらのアルキル誘導体等の炭化水素化合物のポリ
(ヒドロキシメチル)またはポリ(ハロメチル)置換誘
導体が挙げられる。特に好ましい架橋剤は、ジヒドロキ
シメチルベンゼン(キシレングリコール)、ジヒドロキ
シメチルキシレン、トリヒドロキシメチルベンゼン、ジ
ヒドロキシメチルナフタレン等である。 上記の原料物質と架橋剤とを酸触媒の存在下に反応さ
せるが、本発明で用いる樹脂の製造においては、原料物
質または架橋剤の少なくとも一方と反応性のある酸触媒
か、水不溶性の酸触媒を使用する。 反応性の酸触媒の例としては、架橋剤のヒドロキシメ
チル基またはハロメチル基と反応し易い有機芳香族スル
ホン酸、あるいは原料芳香族化合物と反応するヒドロキ
シメチル基、ハロメチル基またはホルミル基を有する有
機芳香族スルホン酸を挙げることができる。 架橋剤のヒドロキシメチル基やハロメチル基と反応し
易い酸触媒としては、縮合多環芳香族核(ナフタレン核
など)またはフェノール核を有する有機スルホン酸、ま
たはカルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、不飽和炭
化水素基等を有する有機芳香族スルホン酸が挙げられ
る。このうち特に好ましいのは、縮合多環芳香族スルホ
ン酸およびフェノールスルホン酸であり、具体的には、
ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸、アセナフテンスルホン酸、アントラセンスルホン
酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸等で
ある。 一方、原料芳香族化合物と反応するヒドロキシメチル
基、ハロメチル基またはホルミル基を有する有機スルホ
ン酸としては、ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、
ヒドロキシメチルナフタレンスルホン酸、ジヒドロキシ
メチルナフタレンスルホン酸、クロロメチルベンゼンス
ルホン酸、クロロメチルナフタレンスルホン酸、ホルミ
ルベンゼンスルホン酸、ホルミルナフタレンスルホン酸
等が挙げられる。 水不溶性の酸触媒としては、スチレン重合体をジビニ
ルベンゼンで架橋させたものをスルホン化したポリスチ
レンスルホン酸樹脂、フェノールスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸等をアルデヒドか少なくとも2個のヒドロ
キシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物
からなる架橋剤と縮合させたフェノールスルホン酸樹
脂、あるいは縮合多環多核芳香族樹脂のスルホン化物等
を挙げることができる。縮合多環多核芳香族樹脂のスル
ホン化物は、縮合多環多核芳香族樹脂を濃硫酸でスルホ
ン化したのち、水溶性の酸を水洗浄等で除去することに
より容易に得ることができる。 また、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジドデシルベ
ンゼンスルホン酸等の疎水基を有する水不溶性の有機ス
ルホン酸化合物も使用することができる。 酸触媒の使用量は、原料物質の反応性、反応温度など
により異なるが、一般的には原料物質と架橋剤との混合
物に対し0.2重量%以上必要で、好ましくは、1〜20重
量%である。酸触媒の使用量が、0.2重量%以下では十
分に縮合反応が進行せず、生成する樹脂が十分な熱硬化
性を示さない。また、20重量%以上では、反応速度が速
くなり過ぎて反応制御が困難となるばかりでなく、生成
する樹脂も不均質なものとなり好ましくない。 架橋剤と被架橋原料(原料物質+酸触媒)の配合比
は、モル比で0.7〜6が好ましい。0.7以下であると生成
する樹脂は熱硬化性を示さず、逆に6以上になると架橋
剤が過剰となり、反応が逆に抑制傾向を示し、やや不均
質な生成物を与えることとなる。より好ましい範囲とし
てはモル比で1〜3である。 反応温度は約50〜200℃、好ましくは80〜180℃であ
る。反応圧力は、通常常圧ないし若干の加圧であるが、
反応の結果生成する縮合水を反応系から除去して反応効
率を高めるためには、減圧下で反応せしめることもでき
る。 反応は、溶融状態で行なうのが簡単であるが、適当な
溶媒または分散媒を用いて実施することもできる。ま
た、溶媒等を用いて反応させた場合、未反応の水溶性の
遊離酸が残留していても、溶媒分離時に除去できるので
有利である。溶融重合の場合でも、適当な溶媒で水溶性
の遊離酸を除去することができる。 前記の反応の進行に伴って反応物の粘度が上昇し、熱
硬化性樹脂(Bステージ樹脂)が得られるが、さらにこ
れを加熱して反応を進めると、不溶不融性の硬化体が生
成する。したがって、プリプレグ製造用のマトリックス
樹脂として使用するには、Bステージの段階で温度を下
げて、反応を停止させる。この段階の樹脂は、未だ加熱
溶融性を有している。プリプレグのマトリックス樹脂と
しては、70℃における粘度が10,000〜30,000cpsの範囲
内であるものが好ましい。この状態の樹脂は、100〜350
℃に加熱することによって、容易に熱硬化物となる。 本発明においては、上述したように、得られた樹脂か
ら予め溶剤不溶分を除去しておくことが、傷のないホッ
トメルトフィルムを得るために重要である。溶剤不溶分
の除去は、樹脂を適当な有機溶剤に溶かし、濾過により
固形物を除去することにより行うことができる。この際
に使用する有機溶剤としては、γ−ブチロラクトン、ニ
トロベンゼン、ジオキサン、ジクロロメタンなどの極性
有機溶剤が挙げられる。この後、濾液から溶媒を蒸発等
で除去することにより、溶剤不溶分を含まない樹脂が得
られる。 本発明に用いる補強用繊維としては、炭素繊維、ガラ
ス繊維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊
維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維を初めとす
る有機繊維、さらには炭化珪素繊維、炭化チタン繊維、
ボロン繊維、アルミナ繊維など、製品に求められる特性
に応じていかなるものを使用してもよい。 補強用繊維の形態も、長繊維フィラメントを一方向に
引きそろえたロービング、クロス、不織布などのシート
状のもの、さらにはチョップドストランドマットなど、
積層体とすることができるものであれば特に制限はな
い。 プリプレグの製造は、上述したホットメルト法により
行う。即ち、予め溶剤不溶分を適当な方法で除去し、使
用した溶剤も除去した上記の縮合多環系芳香族樹脂を加
熱溶融させ、ホットメルト塗布により適当な離型シート
に塗工する。少なくとも片方がこの塗工シートからなる
二枚の離型シートの間に補強用繊維を挟んだ積層体を形
成し、この積層体を加熱ロールの間に挟んで加熱・加圧
し、樹脂を溶融させて補強用繊維に含浸させる。冷却
後、通常は積層体をそのまま巻取り、プリプレグ製品と
して保管する。離型シートは通常はプリプレグの使用時
に剥離する。 本発明のプリプレグは、プレス成形、オートクレーブ
成形、テープワインディング成形等、従来のエポキシ系
プリプレグで用いられてきた各種の方法で積層すること
により成形できる。また、成形時にプリプレグを40〜80
℃に加熱することにより、適当なタック性およびドレー
プ性を付与することも可能である。 上述した各種成形により得られた積層品は、最後に17
0〜230℃の温度に4〜12時間加熱することによりポスト
キュア(後硬化)させることが好ましい。この熱処理に
より架橋がさらに進み、積層品の耐熱性および機械的特
性が著しく向上する。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。実施例において、部および%は、特に指定のない限
り、重量部および重量%である。 実施例1 縮合多環芳香族化合物としてナフタレン(NAP)を100
部、架橋剤としてパラキシレングリコール(PXG)を173
部(PXG/NAPモル比1.6)、酸触媒として架橋剤のヒドロ
キシメチル基と反応性のあるβ−ナフタレンスルホン酸
8.3部からなる混合物を、110℃に3時間加熱することに
より、付加縮合反応させて、Bステージ状態の樹脂を得
た。この樹脂は外観が褐色透明であり、70℃における溶
融粘度が20,000cps、数平均分子量が1,000であった。 この樹脂をジクロロメタンに溶解し、得られた溶液を
濾過して、溶剤不溶分を除去した。次いで、ジクロロメ
タン溶媒を蒸発により除去することによりホットメルト
法に適する樹脂を調製した。次にこの溶剤不溶分を含ま
ない樹脂をホットメルト法により炭素繊維ロービングに
含浸させて、一方向炭素繊維プリプレグを得た。プリプ
レグ化は、樹脂含有量が38%になるように樹脂目付け量
を92g/m2に調製しながら行った。この際、離型シートへ
の樹脂の塗工(製膜)工程は何ら問題なく、均一できれ
いな樹脂フィルムが得られ、最終製品のプリプレグも良
好であった。 このようにして得られたプリプレグを、成形後の厚さ
が2mmとなる枚数だけ一方向に積層し、ホットプレスに
より100kg/cm2の圧力下、190℃で30分間加圧加熱成形し
た後、オーブン中で200℃で4時間ポストキュアを行
い、成形板を得た。 得られた成形板から試験片を採取し、各種温度で曲げ
強度を測定した。試験結果を第1図に示す。第1図から
分かるように、このプリプレグ硬化物は耐熱性に優れ、
200℃を超える高温でもなお高強度を保持していた。ま
た、このプリプレグは常温安定性にも優れ、6カ月以上
常温(約23℃)に放置しても成形性(樹脂の流れ性)に
変化はなかった。 比較例1 実施例1と同様の方法で樹脂を合成し、この樹脂か
ら、溶剤不溶分を除去せずに、実施例1と同様にホット
メルト法により炭素繊維ロービングに含浸させ、一方向
炭素繊維プリプレグの製造を試みた。しかしながら、樹
脂の塗工工程で樹脂中の不溶分のために樹脂フィルムに
引っ掻いたような傷が発生し、きれいな樹脂フィルムが
得られず、そのためプリプレグに目すきが生成し、良好
なプリプレグが得られなかった。 比較例2 市販のエポキシ樹脂A(ダウケミカル社製、D.E.R.38
3)65部と、別の市販エポキシ樹脂B(同社製、D.E.R.6
64U)35部とを100℃で撹拌混合した後、硬化剤としてジ
アミノジフェニルスルホン(DDS)6部およびジシアン
ジアミド(DICY)4部を加え、プリプレグ用エポキシ樹
脂を調製した。 このエポキシ樹脂を用いて、実施例1と同様にホット
メルト法により一方向炭素繊維プリプレグを製造したと
ころ、樹脂の塗工工程およびプリプレグ化工程共に何ら
問題なく、外観良好なプリプレグを得ることができた。 得られたエポキシ樹脂系プリプレグを、成形後の厚さ
が2mmとなる枚数だけ一方向に積層し、ホットプレスに
より20kg/cm2の圧力下、160℃で30分間加圧加熱成形し
た後、オーブン中で180℃で3時間ポストキュアを行
い、成形板を得た。 得られた成形板から試験片を採取し、各種温度で曲げ
強度を測定した結果を第1図に示す。第1図から分かる
ように、このプリプレグ硬化物は常温では高強度を示す
が、高温下では強度が著しく低下した。 比較例3 市販のポリイミド/T−800繊維プリプレグ(化成ファ
イバーライト社製、HyE 1066CN)を、成形後の厚さが2m
mとなる枚数だけ一方向に積層し、ホットプレスにより1
00kg/cm2の圧力下、270℃で60分間加圧加熱成形した
後、オーブン中で315℃で4時間ポストキュアを行い成
形板を得た。 得られた成形板から試験片を採取し、各種温度で曲げ
強度を測定した結果を第1図に示す。第1図から分かる
ように、このプリプレグ硬化物は非常に耐熱性に優れ、
300℃を超える高温でもなお高強度を保持していた。し
かし、このプリプレグを常温(約23℃)で2カ月放置し
たところ、成形性(樹脂の流れ性)がかなり低下した。
また、このプリプレグはかなり高価である。
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のプリプレグは次の効
果を示す。 マトリックス樹脂として用いる縮合多環系芳香族樹脂
が耐熱性に優れているため、エポキシ樹脂に比べて著し
く優れた耐熱性を示し、200〜250℃程度の温度までは充
分に使用可能である。 マトリックス樹脂は、従来より耐熱性樹脂として使用
されてきたポリイミド樹脂等に比べて安価である。 可使期間が長く、常温で6カ月以上と長期間安定に保
存することができる。 加熱成形温度は200℃前後でよく、ポリイミドをマト
リックス樹脂とするプリプレグの300℃以上に比べて著
しく低く、この面でも経済的に有利である。 樹脂から溶剤不溶分を予め除去しておくことにより、
ホットメルト法によるプリプレグ製造において、傷のな
い樹脂塗工フィルムを形成でき、目すきのない外観良好
なプリプレグを得ることができ、その結果、最終製品の
外観不良や強度低下が防止される。 以上の総合的な結果として、耐熱性および機械的特性
に優れたプリプレグを、比較的安価に、且つ作業性よく
製造することができ、耐熱性を必要とする用途への繊維
強化プラスチックの適用拡大に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例および比較例で得られたプリプレグ硬
化物の各種温度での曲げ強度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 明彦 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金 化工株式会社鹿島工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/04 - 5/10 C08J 5/24 B29B 11/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縮合多環芳香族化合物または縮合多環芳香
    族化合物と単環芳香族化合物との混合物からなる原料物
    質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロ
    メチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを、前
    記原料物質もしくは架橋剤の少なくとも一方と反応性を
    有する有機スルホン酸化合物、または水不溶性の有機ス
    ルホン酸化合物もしくはスルホン酸基含有重合体を触媒
    として反応させて得た縮合多環系芳香族樹脂から、溶剤
    不溶分を除去することにより得られた樹脂を、ホットメ
    ルト法により補強用繊維に含浸させてなる、熱硬化性樹
    脂プリプレグ。
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