JP3232636B2 - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

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JP3232636B2 JP07891892A JP7891892A JP3232636B2 JP 3232636 B2 JP3232636 B2 JP 3232636B2 JP 07891892 A JP07891892 A JP 07891892A JP 7891892 A JP7891892 A JP 7891892A JP 3232636 B2 JP3232636 B2 JP 3232636B2
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液電池に関
し、特に非水溶媒の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム、ナトリウム等の軽金属を可動
イオン種として含む炭素質材料を負極に用いた非水電解
液電池は、高電圧かつ高エネルギー密度を有するため、
広く民生用電子機器等の電源に用いられており、最近で
は、この種の電池の二次電池化への研究、開発も盛んに
行われている。
【0003】このような炭素質材料を用いた非水電解液
二次電池としては、これまで3V系電池が実現されてい
るが、さらなる高エネルギー密度化を図るべく、4V系
電池へ目指して検討が進められている。そして、このよ
うな非水電解液二次電池においては、たとえば正極活物
質としてLiMn2 4 、LiCoO2 、LiNi
2 、LiFeO2 等のリチウム複合酸化物を用いるこ
とで、4V系電池とすることが可能であることが見い出
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、負極に炭素
質材料を、正極に上記リチウム複合酸化物を使用する上
記非水電解液二次電池の非水溶媒としては、粘度が低い
こと(0.4〜0.5cP)、融点が低いこと(−60
〜−100℃)からエーテル類をその一成分として使用
するものが用いられている。しかしながら、このような
非水溶媒を使用する非水電解液二次電池は、初期特性に
は優れるものの、充電電位を4V以上に設定して充放電
サイクルを繰り返したり、充電状態で長期間貯蔵する
と、特性が大きく劣化し、商品化に至らなかった。
【0005】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、4V系電池とした場合に
も、充放電サイクルの繰り返し、充放電状態での貯蔵に
耐え得る非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、軽金属、軽金属を電荷移動のための可動
イオン種として含む炭素質材料、化合物、合金のいずれ
かからなる負極と、正極と、前記軽金属の塩からなる電
解質を非水溶媒に溶解した電解液とからなる非水電解液
電池において、非水溶媒として、炭酸ジメチル、プロピ
オン酸メチルまたはn−酪酸メチルから選ばれた溶媒
と、γ−ブチロラクトンとの混合溶媒を用いるものであ
る。
【0007】特に、炭酸ジメチルと、プロピオン酸メチ
ルまたはn−酪酸メチルから選ばれた溶媒の混合比(プ
ロピオン酸メチルまたはn−酪酸メチル/炭酸ジメチ
ル)が体積比で0.1〜1の範囲に設定することが望ま
しい。さらに、非水溶媒中におけるγ−ブチロラクトン
の混合比が30〜60体積%とされる。
【0008】本発明者らが検討を重ねた結果、従来の非
水電解液二次電池において、充電電位を4V以上に設定
した場合に生じる特性劣化は、充電に際して非水溶媒の
一成分として混合されているエーテル類が分解すること
によって誘起されることが判明した。そして、エーテル
類の代わりに、エステル類を使用することにより、上記
不都合が解消されることが判明した。
【0009】すなわち、エーテル類の分解電位は、テト
ラヒドロフランが3.7V、1,2−ジメトキシエタン
が4.0Vと一般に低いのに対して、エステル類では、
炭酸プロピレンが4.7V、炭酸エチレンが4.6V、
γ−ブチロラクトンが4.9V、炭酸ジメチルが4.6
V、プロピオン酸メチルが5.0V、n−酪酸メチルが
5.0Vと高い値を示す。
【0010】従来の電池では、電解液成分の内、分解電
位の低いこれらのエーテルが、充電中あるいは充電状態
での長期貯蔵中に分解を起こしてしまい、電池特性を劣
化させるものと考えられる。一方、エステル類は、上述
のように分解電位が高いので、エステル類を非水溶媒と
して使用すればこのような不都合が解消され、充放電サ
イクルの繰り返し、充電状態での長期貯蔵に耐え得るも
のとなる。
【0011】エステル類のうち炭酸プロピレン、炭酸エ
チレン、γ−ブチロラクトンは、比較的安定性が高いだ
けでなく、誘電率が高く、電解質として通常使用されて
いる六フッ化燐酸リチウム、過塩素酸リチウム、ほうフ
ッ化リチウム等の溶質を良く溶かすといった長所を有す
る。(溶かせる電解質量が多いことは、導電率を始めと
する電気化学的特性に好影響を及ぼす。)しかし、これ
らの溶媒は、上記長所を有する反面、粘度が高い(1.
4〜10cP)、融点が高いという欠点をも有してい
る。
【0012】そこで、本発明者らは、この様な現状を踏
まえ、高安定、低粘度な溶媒として、まず炭酸ジメチル
(粘度0.585cP)を見出した。(ここで、低粘度
溶媒としてエーテル類を添加することも考えられるが、
エーテル類は安定性が低く、4V系電池の非水溶媒に添
加するには不適当である。)
【0013】ところが、例えば炭酸ジメチルと炭酸プロ
ピレンとを混合した非水溶媒を使用した場合、低温時の
電池特性が不満足なことが分かった。これは、炭酸プロ
ピレンの融点が高いのに加えて炭酸ジメチルも融点が
0.5℃と高く、電解液自体が−10℃程度で凍結して
しまうためである。電池の低温特性は、一般に最低でも
−20℃程度まで要求されることが多いことを考慮する
と、これでは電池として実用性に欠ける。
【0014】そこで、本発明者らは、さらに上記非水溶
媒にプロピオン酸メチルまたはn−酪酸メチルを適量混
合することで、上記非水溶媒の欠点が補われ、電池の低
温特性が向上することを見い出した。これは、プロピオ
ン酸メチル,n−酪酸メチルが、低粘度,低融点である
ためある(プロピオン酸メチル:粘度0.5cP,融点
−87℃、n−酪酸メチル:粘度0.526cP,融点
−95℃)。また、炭酸ジメチル,プロピオン酸メチ
ル,n−酪酸メチルの導電率(20℃)は、それぞれ最
大で11mS/cm、14mS/cm、9mS/cmと
同レベルにあり、この点からみても欠点はカバーしても
長所を損なうことはなく、さらに、プロピオン酸メチ
ル,n−酪酸メチルは、電池の安全性を高める効果もあ
り、凝固点降下用の溶媒として好適なものであると言え
る。
【0015】なお、低粘性,低融点非水溶媒としては、
炭酸プロピレンとプロピオン酸メチルとの2成分混合系
あるいは炭酸プロピレンとn−酪酸メチルとの2成分混
合系も考えられるが、プロピオン酸メチルやn−酪酸メ
チルは、炭酸ジメチルに比べて、正極活物質として多用
されるLiCoO2 等のリチウム複合酸化物を化学的に
還元する力がやや強い。このため、炭酸ジメチルを添加
せずに炭酸プロピレンとプロピオン酸メチルのみより非
水溶媒を構成すると、安定性において不十分なものとな
る。プロピオン酸メチル,n−酪酸メチルは、その比率
をある値以下に抑えれば、他の溶媒による安定化効果に
より、正極活物質との反応性が抑制できる。したがっ
て、非水溶媒を炭酸プロピレン,炭酸エチレン,γ−ブ
チロラクトンの中から選ばれた溶媒と、炭酸ジメチル
と、プロピオン酸メチル,n−酪酸メチルから選ばれた
溶媒より構成することにより、電気化学的特性に優れ、
高安定性、低粘性、低融点のいずれをも満たすものとな
るのである。
【0016】炭酸ジメチルとプロピオン酸メチルまたは
n−酪酸メチルの体積混合比(プロピオン酸メチルまた
はn−酪酸メチル/炭酸ジメチル)は、正極活物質に対
する化学的安定性を確保するには0.1〜1の範囲であ
ることが好ましい。非水溶媒中におけるγ−ブチロラク
トンの混合比は、30〜60体積%であることが望まし
い。
【0017】上記非水電解液電池において使用される負
極としては、リチウム,ナトリウム等のアルカリ金属
や、充放電反応に伴いリチウム等のアルカリ金属をドー
プ/脱ドープする材料を用いることができる。後者の例
としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポ
リマー、あるいはコークス、ポリマー炭、カーボン・フ
ァイバー等の炭素材料を用いることができるが、単位体
積当りのエネルギー密度が大きい点から、炭素質材料を
使用することが望ましい。炭素質材料としては、熱分解
炭素類、コークス類(石油コークス、ピッチコークス、
石炭コークス等)、カーボンブラック(アセチレンブラ
ック等)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体(有機
高分子材料を500℃以上の適当な温度で不活性ガス気
流中、あるいは真空中で焼成したもの)、炭素繊維等が
用いられる。
【0018】一方、正極としては、二酸化マンガン、五
酸化バナジウムのような遷移金属酸化物や、硫化鉄、硫
化チタンのような遷移金属カルコゲン化物、さらにはこ
れらとリチウムとの複合化合物〔LiX MO2 (但し、
Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.5≦x≦1で
ある)で表わされる複合酸化物〕などを用いることがで
きる。特に、高電圧、高エネルギー密度が得られ、サイ
クル特性にも優れることから、リチウム・コバルト複合
酸化物やリチウム・コバルト・ニッケル複合酸化物が望
ましい。
【0019】なお、本発明の非水電解液電池の仕様とし
ては、3V系電池,4V系電池であっても一次電池,二
次電池であってもいずれでもよい。
【0020】
【作用】炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラ
クトンは、安定性が高く、高誘電率であるが、高粘度、
高融点といった欠点を有する。このような炭酸プロピレ
ン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンに炭酸ジメチル
を混合すると、粘度が低減し、さらに、プロピオン酸メ
チルまたはn−酪酸メチルを添加すると、凝固点が降下
して−20℃程度の低温環境下においても凍結しなくな
り、非水溶媒として好適なものとなる。
【0021】なお、炭酸ジメチルとプロピオン酸メチル
またはn−酪酸メチルを混合する際に、炭酸ジメチルと
プロピオン酸メチルまたはn−酪酸メチルの体積混合比
(プロピオン酸メチルまたはn−酪酸メチル/炭酸ジメ
チル)および全非水溶媒中の炭酸プロピレン、炭酸エチ
レン、γ−ブチロラクトンの混合比を適正なものとする
と、安定性、導電率、凝固点、粘度が最適化する。
【0022】
【実施例】本発明の好適な実施例について実験結果に基
づいて説明する。なお、本実施例は、本発明を二次電池
に適用した例である。
【0023】実施例1 図1に本実施例で作製する円筒型非水電解液二次電池を
示す。まず、帯状正極1を以下のようにして作製した。
市販の炭酸リチウムと炭酸コバルトを、組成比Li/C
o=1:1となるように混合し、空気中で900℃−5
時間焼成して、リチウム・コバルト酸化物LiCoO2
を得た。この得られたリチウム複合酸化物を正極活物質
として91重量部、導電剤として黒鉛6重量部、結着剤
としてポリフッ化ビニリデン3重量部を混合し、更にN
−メチル−2−ピロリドンで混練して、ペースト状とし
た。そして、このペーストを帯状のアルミニウム箔の両
面に塗布して帯状正極1を作成した。
【0024】次に、帯状負極2を以下のようにして作成
した。粉砕したピッチコークス90重量部に、結着剤と
してポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、N−メ
チル−2−ピロリドンで混練、ペースト状にした。そし
て、このペーストを帯状の銅箔の両面に塗布して帯状負
極を作成した。
【0025】なお、正極1及び負極2には、集電を行な
うため、それぞれアルミニウム製の正極リード端子3
と、ニッケル製の負極リード端子4とを接触してある。
このようにして作成された正極1および負極2を間に、
ポリプロピレン製のマイクロポーラス・フィルムからな
るセパレータ5を介在させながら互いに積層し、多数回
巻回して、渦巻型の電極体を作った。
【0026】そして、該電極体を、ニッケル・メッキを
施した鉄製電池容器6中に収納し、負極リード端子4
を、電池容器6の内底部にスポット溶接により接続し、
一方、正極リード端子3は、電池封口板7に同様にして
接続した。
【0027】次いで、電極を収納した電池容器6中に、
炭酸プロピレンと炭酸ジメチルとプロピオン酸メチルと
を4:4:2なる体積混合比で混合した混合溶媒に、六
フッ化燐酸リチウム1モル/1を溶解させた電解液を注
液し、該電池容器6と前記電池封口板7とをポリプロピ
レン製パッキング8を介して嵌合してかしめ、密封する
ことで、円筒型非水電解液二次電池(実施例電池1)を
作製した。なお、上記円筒型非水電解液二次電池の寸法
は、外径20mm、高さ50mm、容量は1000mA
hであった。
【0028】実施例2〜実施例6 非水溶媒として表1に示す組成を有する混合溶媒を使用
する以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池
(実施例電池2〜実施例電池6)を作成した。
【0029】比較例1,比較例2 非水溶媒として表1に示す組成を有する混合溶媒を使用
する以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池
(比較例電池1,比較例電池2)を作成した。
【0030】
【表1】
【0031】そして、このようにして作成された各電池
について、定電圧充電により4.2Vまで充電した後
(作成された電池は放電状態であるので)、以後の評価
を行った。
【0032】充放電サイクル繰り返し後の容量維持率の
検討 まず、各電池について、0.5Cの定電流充放電試験を
行ない、500サイクル後の容量維持率を求めた。その
結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2からわかるように、充放電サイクルに
伴う容量の低下は、比較例電池1,比較例電池2では大
きいのに対して、実施例電池1〜実施例電池6において
は、500サイクルを越えても70%以上の容量を維持
している。
【0035】また、500サイクル終了時点で、電池を
分解して内容物の調査を行った結果、比較例電池1で
は、セパレータが濃い褐色に変色しており、比較例電池
4では、赤褐色に変色していた。これは、充放電サイク
ル中に非水溶媒の分解が生じていたことを如実に表わす
ものであり、特に、比較例電池4で赤褐色だったのは、
電解液の分解に加えて、正極活物質のLiCoO2 の一
部が溶出したことを示している。
【0036】一方、実施例電池1〜実施例電池6では、
ほとんど変色が見られず、比較例電池に見られたような
電解液の分解が起こっていないことが示された。
【0037】充電状態で貯蔵した場合の容量維持率の検
次に、各電池を充電状態で45℃、1,000時間貯蔵
した後、0.2C定電流放電を行い、開路電圧および容
量維持率を調べた。その結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3からわかるように、比較例電池1,比
較例電池2では、容量維持率がいずれも60%以下であ
るのに対して、実施例電池1〜実施例電池6では、いず
れも貯蔵後において80%以上の容量を保っている。ま
た、各電池について分解調査を行ったところ、上述の場
合と同様に比較例電池1,比較例電池2では、非水溶媒
の分解が生じており、一方実施例電池1〜実施例電池6
では何ら異常が生じていないことを示唆する結果が得ら
れた。
【0040】次に、非水溶媒にプロピオン酸メチルまた
はn−酪酸メチルを添加することによる効果を調べた。
【0041】プロピオン酸メチルを混合することによる
非水溶媒の凝固点の変化 まず、炭酸プロピレン、炭酸ジメチルおよびプロピオン
酸メチルを混合してなる非水溶媒について、プロピオン
酸メチルと炭酸ジメチルの混合体積比(プロピオン酸メ
チル/炭酸ジメチル)を表4に示すように変え、それぞ
れの非水溶媒について凝固点を調べた。その結果を表4
に示す。なお、プロピオン酸メチルは、正極活物質であ
るリチウム複合酸化物を還元する力がやや強いため、こ
れが電池特性に影響する可能性が考えられるので、凝固
点と同時にLiCoO2 に対する還元性の有無について
も調べた。その結果も併せて表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4からわかるように、非水溶媒において
は、プロピオン酸メチルが全く添加されていない場合に
は凝固点が−10℃と高く、プロピオン酸メチルの混合
体積比の増大に伴って、凝固点が降下する。そして、プ
ロピオン酸メチル/炭酸ジメチルを0.1以上とするこ
とにより、凝固点は実用範囲とされる−20℃以下にま
で低下する。一方、正極活物質に対する安定性は、プロ
ピオン酸メチル/炭酸ジメチルを1以下に抑えれば維持
できる。
【0044】n−酪酸メチルを混合することによる非水
溶媒の凝固点の変化 炭酸プロピレン、炭酸ジメチルおよびn−酪酸メチルを
混合してなる非水溶媒について、n−酪酸メチルと炭酸
ジメチルの混合体積比(n−酪酸メチル/炭酸ジメチ
ル)を表4に示すように変え、それぞれの非水溶媒につ
いて凝固点を調べた。その結果を表4に示す。また、L
iCoO2 に対する還元性の有無についても調べた。そ
の結果を併せて表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】表5からわかるように、非水溶媒において
は、n−酪酸メチルが全く添加されていない場合には凝
固点が−10℃と高く、n−酪酸メチルの混合体積比の
増大に伴って、凝固点が降下する。そして、n−酪酸メ
チル/炭酸ジメチルを0.1以上とすることにより、凝
固点は実用範囲とされる−20℃以下にまで低下する。
一方、正極活物質に対する安定性は、n−酪酸メチル/
炭酸ジメチルを1以下に抑えれば維持できる。
【0047】したがって、以上の結果から、非水溶媒
を、炭酸プロピレン,炭酸エチレン,γ−ブチロラクト
ン等から選ばれた溶媒と、炭酸ジメチルと、プロピオン
酸メチルまたはn−酪酸メチルにより構成することによ
り、4V系電池においても安定で、長期間の充放電サイ
クルや、充電状態での長期貯蔵にも耐え得る、極めて好
特性な電池を得ることができることがわかった。
【0048】また、プロピオン酸メチル/炭酸ジメチル
(体積比)またはn−酪酸メチル/炭酸ジメチル(体積
比)を0.1〜1、全非水溶媒に占める炭酸プロピレ
ン、炭酸エチレン、γ−プチロラクトンから選ばれた溶
媒の混合比を30〜60体積%とすると、安定性、導電
率、凝固点、粘度が最適化されることがわかった。
【0049】なお、本実施例では、電解質として六フッ
化燐酸リチウムを使用したが、ほうフッ化リチウムや過
塩素酸リチウム等の他のリチウム塩にした場合でも、類
似の結果が得られた。さらに、ここでは、4V系非水電
解液二次電池とした場合の効果について記述したが、3
V系電池、一次電池とした場合にも本発明の効果が発揮
されることは明白である。
【0050】
【発明の効果】上述したように、本発明は、リチウム、
ナトリウム等の軽金属、またはこれらを電荷移動のため
の可動イオン種として含む炭素質材料、化合物、合金か
らなる負極と、正極と、前記軽金属の塩からなる電解質
を非水溶媒に溶解した電解液とからなる非水電解液電池
において、非水溶媒として、炭酸ジメチル、プロピオン
酸メチルまたはn−酪酸メチルから選ばれた溶媒と、γ
−ブチロラクトンとの混合溶媒を用いているので、4V
系電池においても安定で、長期間の充放電サイクルや、
充放電状態での長期貯蔵にも耐え、しかも低温特性も優
れる極めて好特性な電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液電池の一例構成例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1・・・帯状正極 2・・・帯状負極 3・・・正極リード端子 4・・・負極リード端子 5・・・セパレータ 6・・・電池容器 7・・・電池封口板 8・・・パッキング 9・・・絶縁板 10・・・絶縁板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属、軽金属を電荷移動のための可動
    イオン種として含む炭素質材料、化合物、合金のいずれ
    かからなる負極と、正極と、前記軽金属の塩からなる電
    解質を非水溶媒に溶解した電解液とからなる非水電解液
    電池において、 前記非水溶媒は、炭酸ジメチル、プロピオン酸メチルま
    たはn−酪酸メチルから選ばれた溶媒と、γ−ブチロラ
    クトンとの混合溶媒であることを特徴とする非水電解液
    電池。
  2. 【請求項2】 炭酸ジメチルと、プロピオン酸メチルま
    たはn−酪酸メチルから選ばれた溶媒の混合比(プロピ
    オン酸メチルまたはn−酪酸メチル/炭酸ジメチル)が
    体積比で0.1〜1の範囲であることを特徴とする請求
    項1記載の非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 上記非水溶媒中におけるγ−ブチロラク
    トンの混合比が30〜60体積%であることを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液電池。
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