JP2003109659A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2003109659A
JP2003109659A JP2001296616A JP2001296616A JP2003109659A JP 2003109659 A JP2003109659 A JP 2003109659A JP 2001296616 A JP2001296616 A JP 2001296616A JP 2001296616 A JP2001296616 A JP 2001296616A JP 2003109659 A JP2003109659 A JP 2003109659A
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electrolyte secondary
aqueous
lithium
solvent
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Hideo Ota
英男 太田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】非水電解液二次電池において、燃焼に対する安
全性が非常に高く、サイクル特性に優れた電池を実現す
る。 【解決手段】非水溶媒系の電解液を有する非水電解液二
次電池において、非水電解液が、環状で環内にC=C不
飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素(II)とリン酸エ
ステル(I)を含有することを特徴とする。この環状で
環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素とし
ては、例えば、無水5−ノボルネン−2,3ジカルボン
酸や無水endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5
エン−2,3ジカルボン酸などを用いることができる。 式中R1〜R3は炭素数1〜3のアルキル基,R4;R
5はHまたは炭素数1〜3のアルキル基等を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関するものであり、特に難燃性及び電池充放電サイ
クル特性を改善した非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】非水電解液を用いた電池は、高電圧であ
り、高エネルギー密度であるため広く使用されており、
研究も進められている。こうした非水電解液電池におい
ては、非水電解液としては、一般にエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等の高誘電率溶媒に、ジメ
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート等の低粘度溶媒を混合し、LiPF
LiBF等の電解質を溶解させたものを用い、また、
正極活物質には、リチウム含有コバルト酸化物(LiC
oO)が主に用いられている。
【0003】ところで、このような非水電解液を用いた
電池において、充放電のサイクルを繰り返すと、電極で
の酸化反応もしくは還元反応などにより電解液が分解さ
れ、放電容量の低下が起こる。そこで、このような不都
合を回避するために、電極上での反応を抑制する物質を
混合することが試みられている。(特開平9−2518
62号公報参照) さらに、正極活物質としては、従来一般的に使用されて
いるCo系正極活物質に比べて、理論容量が大きく価格
が安価であるLiNiOを含む正極活物質を用いた非
水電解液二次電池が検討されている。しかしながら、特
にこのリチウム含有ニッケル酸化物系正極活物質は、釘
刺し試験などの安全性試験を行った場合、結晶構造の崩
壊により可燃性の非水電解液に着火し、爆発を引き起こ
す可能性が大きい。また、充放電サイクルの進行に伴っ
て容量低下を招くことがあり、前記リチウム含有ニッケ
ル酸化物正極を備えた二次電池は、安全性に劣り、充放
電サイクルが短いため、現状のままでは製品化は困難で
ある。
【0004】一方、非水電解液二次電池において、ビニ
レンカーボネート誘導体のような非水電解液に、自己消
火性のある化合物として知られているリン酸エステル類
を添加して、電池用非水電解液を難燃化することが提案
されている(特開平11−260401号公報参照)。
ところで、このような非水電解液は、リン酸エステル化
合物を添加することによって、難燃性や安全性は向上す
るものの、特に充放電サイクルを繰り返すことで徐々に
分解され、電池特性が大きく劣化してしまうという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水電解液
二次電池の従来技術における上記課題を解決するために
成されたもので、高エネルギー密度の非水電解液二次電
池において、電解液を改良することにより安全性、放電
容量、および充放電サイクル寿命を向上させることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、非水溶媒系の
電解液を有する非水電解液二次電池において、電解液中
に、環状で環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ環式炭
化水素と下記一般式[I]で表されるリン酸エステルを
含有することを特徴とする。
【化3】 (式中、R1,R2,R3は互いに同一であっても異な
っていても良く、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【0007】また、本発明において、環状で環内にC=
C不飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素としては、下記
一般式[II]で表されるものを用いることを特徴とす
る。
【化4】 (式中、R4,R5は互いに同一であっても異なってい
ても良く、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、
カルボニル基、エーテル基を示し、さらにR4もしくは
R5のどちらかにはカルボニル基かエーテル基の少なく
とも1つを含む。またR4,R5は結合により環状構造
であっても良い。)
【0008】さらに、前記非水溶媒として、エチレンカ
ーボネートと、エチレンカーボネートより低融点であり
かつドナー数が18以下である1種以上の非水溶媒との
混合物を用いることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる非水電解液
二次電池(例えば円筒形非水電解液二次電池)を、図1
を参照して説明する。例えばステンレスからなる有底円
筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電
極群3は、前記容器1内に収納されている。前記電極群
3は、正極4、セパレ―タ5及び負極6をこの順序で積
層した帯状物を前記セパレータ5が外側に位置するよう
に渦巻き状に巻回した構造になっている。前記セパレー
タ5は、例えば合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質
フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムから形成され
ている。前記容器1内には、電解液が収容されている。
中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前記電
極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8は、前記
容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口部付
近を内側にかしめ加工することにより前記封口板8は前
記容器1に液密に固定されている。正極端子9は、前記
絶縁封口板8の中央には嵌合されている。正極リ―ド1
0の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9にそ
れぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない負極
リ―ドを介して負極端子である前記容器1に接続されて
いる。
【0010】次に、前記非水電解液、前記正極4および
前記負極6の構成について具体的に説明する。 1)非水電解液の構成 本発明の非水電解液としては、リン酸エステルおよび環
状で環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素
を添加した非水溶媒に、電解質(リチウム塩)を溶解さ
せたものが用いられる。本発明で用いられるリン酸エス
テルとしては、上記一般式[I]で表されるものが使用
される。具体的には、このようなリン酸エステルとし
て、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、モノメチルジエチルホスフェート、ジメチルモノエ
チルホスフェートなどが挙げられる。これらのうち、ト
リメチルホスフェート、ジメチルモノエチルホスフェー
トが難燃性付与の効果が大きいため特に好ましい。
【0011】次に上記一般式[II]で表される本発明で
用いられる環状で環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ
環式炭化水素としては、下記化学式で示される化合物、
たとえば、無水5−ノボルネン−2,3ジカルボン酸
[III]や無水endo−ビシクロ[2.2.2]オク
ト−5エン−2,3ジカルボン酸[IV]などが挙げられ
る。その中でも、下記化学式に示したような橋かけ中に
含有される炭素数が2個であることが望ましい。環式炭
化水素の官能基としては、エーテル基もしくはカルボニ
ル基の少なくとも1つを含むこと好ましく、これらの基
が環状に接続していることが最も好ましい。さらに望ま
しい構造としては、酸無水物である無水endo−ビシ
クロ[2.2.2]オクト−5エン−2,3ジカルボン
酸[IV]である。
【0012】
【化5】
【0013】前記リン酸エステル化合物は、非水溶媒中
に1〜30wt%添加することが好ましく、特に3〜1
5wt%含有することが望ましい。添加量が少ないと十
分な難燃の効果が得られず、多すぎると電解液としての
特性に影響を与える。また、前記環状で環内にC=C不
飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素は、非水溶媒中に
0.5〜7wt%添加することが好ましく、特に1〜5
wt%添加することが望ましい。添加量が少ないと、充
放電サイクル特性において十分な効果が得られず、多す
ぎると電解液としての特性に影響を与える。
【0014】本発明で用いられる非水溶媒では、リン酸
エステルと環状で環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ
環式炭化水素を含有する溶媒として、公知の非水溶媒を
用いることができ、特に限定はされないが、エチレンカ
ーボネート(EC)(以下第3溶媒と称す)と前記エチ
レンカーボネートより低融点であり且つドナー数が18
以下である1種以上の非水溶媒(以下第4溶媒と称す)
との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いることが好ま
しい。このような非水溶媒は、黒鉛構造の発達した炭素
質物を含む負極に対して安定で、電解液の還元分解また
は酸化分解が起き難く、さらに導電性が高いという利点
がある。エチレンカーボネートを単独で含む非水電解液
では、黒鉛化した炭素質物に対して還元分解されに難い
性質を持つ利点があるが、融点が高く(39℃〜40
℃)粘度が高いため、導電率が小さく常温作動の二次電
池では不向きである。一方、エチレンカーボネートに混
合する第4の溶媒は混合溶媒を前記エチレンカーボネー
トよりも粘度を小さくして導電性を向上させる。また、
ドナー数が18以下の第4の溶媒(ただし、エチレンカ
ーボネートのドナー数は16.4)を用いることにより
前記エチレンカーボネートがリチウムイオンに選択的に
溶媒和し易くなくなり、黒鉛構造の発達した炭素質物に
対して前記第4の溶媒の還元反応が抑制されることが考
えられる。また、前記第4の溶媒のドナー数を18以下
にすることによって、酸化分解電位がリチウム電極に対
して4V以上となり易く、高電圧なリチウム二次電池を
実現できる利点も有している。
【0015】前記第4の溶媒としては、例えば鎖状カー
ボネートが好ましく、中でもジメチルカーボネート(D
MC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチ
ルカーボネート(DEC)、またはプロピレンカーボネ
ート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、アセ
トニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、
キシレンまたは、酢酸メチル(MA)などが挙げられ
る。これらの第4の溶媒は、単独または2種以上の混合
物の形態で用いることができる。特に、前記第4の溶媒
はドナー数が16.5以下であることがより好ましい。
前記第4の溶媒の粘度は、25℃において28cp以下
であることが好ましい。前記混合溶媒中の前記エチレン
カーボネート(第3溶媒)の配合量は、体積比率で10
〜80%であることが好ましい。この範囲を逸脱する
と、導電性の低下あるいは溶媒の分解がおき、充放電効
率が低下する恐れがある。より好ましい前記エチレンカ
ーボネートの配合量は体積比率で20〜75%である。
非水溶媒中のエチレンカーボネートの配合量を20体積
%以上に高めることにより電解液の導電率が向上され
る。
【0016】前記第3溶媒と第4溶媒の混合溶媒のより
好ましい組成は、ECとMEC、ECとPCとMEC、
ECとMECとDEC、ECとMECとDMC、ECと
MECとPCとDECの混合溶媒で、MECの体積比率
は30〜70%とすることが好ましい。このようにME
Cの体積比率を30〜70%、より好ましくは40〜6
0%にすることにより、導電率を向上できる。一方、溶
媒の還元分解反応を抑える観点から、炭酸ガス(C
)を溶解した電解液を用いると、容量とサイクル寿
命の向上に効果的である。前記混合溶媒(非水溶媒)に
は水分や、有機過酸化物(例えばグリコール類、アルコ
ール類、カルボン酸類)などが不純物として存在してい
ることが多い。これらの各不純物は、サイクル寿命や容
量の低下に影響を与える恐れがあり、また高温(60℃
以上)貯蔵時の自己放電も増大する恐れがある。このよ
うなことから、非水溶媒を含む電解液においては前記不
純物はできるだけ低減されることが好ましい。具体的に
は、水分は50ppm以下、有機過酸化物は1000p
pm以下であることが好ましい。
【0017】前記非水電解液に含まれる電解質として
は、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ
化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム
(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAs
)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiC
SO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミ
ドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウ
ム塩(電解質)が挙げられる。中でもLiPF、Li
BF、LiN(CFSOを用いるのが好まし
い。前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.
5〜2.0モル/1とすることが望ましい。
【0018】2)正極4の構成 この正極4は、活物質としてリチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有マンガン酸化物、リチウム含有ニッケ
ル酸化物が良好である。さらにこれらの化合物中の遷移
金属の一部を他の金属で置換した複合酸化物からなる物
質を用いることもできる。前記正極4は、例えば、前記
リチウム含有ニッケル酸化物を主成分とする粒子,導電
剤、結着剤及び溶媒を混合することによりスラリーを調
製し、このスラリーを集電体に塗布、乾燥した後、加圧
成形することにより作製される。前記リチウム含有ニッ
ケル酸化物は、ニッケル成分がニッケルとコバルトとの
固溶体か、またはニッケルとマンガンとの固溶体である
組成にしても良い。
【0019】前記リチウム含有ニッケル酸化物を主成分
とする粒子は、例えば次に示す方法により合成すること
ができる。リチウム水酸化物、リチウム酸化物、リチウ
ム炭酸塩及びリチウム硝酸塩から選ばれる少なくとも1
種と、ニッケル水酸化物、ニッケル酸化物、ニッケル炭
酸塩及びニッケル硝酸塩から選ばれる少なくとも1種
と、リチウムフッ化物とをモル比0.85〜1.0:
0.8〜0.95:0.05〜0.35で混合し、得ら
れた混合物を酸素雰囲気中にて550℃〜600℃に保
持した後、より好ましくは550℃にて5時間程度保持
した後に、酸素雰囲気中にて600℃〜680℃で5時
間以上焼成することによって前記リチウム含有ニッケル
酸化物を主成分とする粒子合成する。前記リチウム含有
ニッケル酸化物を主成分とする粒子は、リチウム水酸化
物、リチウム酸化物、リチウム炭酸塩、リチウム硝酸
塩、ニッケル水酸化物、ニッケル酸化物、ニッケル炭酸
塩、ニッケル硝酸塩、リチウムフッ化物のような未反応
物を含むことを許容する。
【0020】前記導電剤としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。前記導電剤は、酸素雰囲気中において150℃〜2
50℃で5時間以上熱処理が施されていると良い。前記
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リエーテルサルフォン(PES)、エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)等を用いることができる。前記集電体
としては、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、ニッ
ケル箔等を用いることが好ましい。
【0021】3)負極6の構成 この負極6としては、例えばリチウムイオンを吸蔵・放
出する物質(例えば炭素質物、カルコゲン化合物、軽金
属)からなるもの等を用いることができる。中でも、リ
チウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物又はリチウムイ
オンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物を含む負極は、
前記二次電池のサイクル寿命などの電池特性が向上する
ために好ましい。前記リチウムイオンを吸蔵・放出する
炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解
気相炭素物質、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ
系炭素を挙げることができる。前記メソフェーズピッチ
系炭素の中でも、2500℃以上で黒鉛化したメソフェ
ーズピッチ系炭素繊維、2500℃以上で黒鉛化したメ
ソフェーズ球状カーボンが良い。このような炭素繊維
や、球状カーボンを含む負極は、容量が高くなるために
好ましい。前記炭素質物は、特に示差熱分析で700℃
以上に発熱ピーク、より好ましくは800℃以上に発熱
ピークを有し、X線回折による黒鉛構造の(101)回
折ピーク(P101)と(100)回折ピーク(P10
0)の強度比P101/P100が0.7〜2.2の範
囲にあることが好ましい。このような炭素質物を含む負
極はリチウムイオンの急速な吸蔵・放出ができるため、
前記二次電池の急速充放電性能が向上される。前記リチ
ウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物として
は、二硫化チタン(TiS)、二硫化モリブデン(M
oS)、セレン化ニオブ(NbSe)などを挙げる
ことができる。このようなカルコゲン化合物を負極に用
いると、前記二次電池の電圧は低下するものの前記負極
の容量が増加するため、前記二次電池の容量が向上され
る。更に、前記負極はリチウムイオンの拡散速度が大き
いため、前記二次電池の急速充放電性能が向上される。
【0022】前記リチウムイオンを吸蔵・放出する軽金
属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネ
シウム合金、リチウム金属、リチウム合金などを挙げる
ことができる。前記負極は、例えば、前記炭素質物か、
あるいは前記カルコゲン化合物と、結着剤と溶媒を混合
してスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布
し、乾燥した後、加圧成形することにより作製される。
【0023】前記結着剤としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いること
ができる。前記集電体としては、例えば銅箔、ステンレ
ス箔、ニッケル箔等を用いることが好ましい。
【0024】なお、前述した図1では正極と負極の間に
セパレータを介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の容
器内に収納した円筒形非水電解液二次電池に適用した例
を説明したが、例えば、正極と負極との間にセパレータ
を介在し、これを複数枚積層した積層物を有底矩形筒状
の容器内に収納した角形非水電解液二次電池にも同様に
適用することができる。前記二次電池は、前記正極と前
記負極の間にセパレータを介在して電極群を作製し、前
記電極群及び非水電解液を容器内に収納し、前記容器を
封口することにより製造することができる。この積層型
の電池の負極、セパレータ及び電解液としては、前述し
たのと同様なものを用いることができる。
【0025】本発明によれば、前記非水電解液二次電池
は、前記電解液を用いることにより、サイクル特性が向
上でき、爆発・発火を抑制することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例1〜6および比較例1
〜5を図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は
下記の実施例に何ら限定されるものではなくその要旨を
変更しない範囲において適宜変更して実施することが可
能である。
【0027】<正極の作製>LiOH・HOとNi
(OH)とLiF等の添加元素を混合し、酸素1気圧
中にて550℃に5時間保持し、650℃で20時間焼
成した後、粉砕することによりリチウム含有ニッケル酸
化物を主成分とする粒子を作製した。得られた粒子と、
導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤としてのポ
リテトラフルオロエチレン粉末とを、重量比率80:1
7:3で混合し正極合剤とした。
【0028】<非水電解液の調製>リン酸エステル化合
物に環状で環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ環式炭
化水素およびエチレンカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネ
ートからなる混合溶媒に電解質としてのLiPFをそ
の濃度が1mol/lになるように溶解させて非水電解
液を調製した。
【0029】<評価用電池の作製>得られた正極と炭素
負極およびセパレータを巻き込んで円筒状のステンレス
缶に詰め、表1に示す電解液組成の非水電解液を注液後
に封口して実施例1〜6および比較例1〜5の電池を作
製した。このときの電池サイズを、直径18mm、長さ
650mmとした。
【0030】次いで、上記方法により得られた電池に、
釘刺し試験を行った。表2に釘刺し試験の結果とサイク
ル試験の結果を示す。釘刺し試験は、電池缶の側面から
直径2.5mmの釘を110mm/Sの速度でプレスを
用いて刺しこみ、電池の状態の観察および最高到達温度
を測定することによって行った。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】その結果、表2の実施例に示したように、
リン酸エステルおよび環状で環内にC=C不飽和結合を
含む橋かけ環式炭化水素とリチウム含有ニッケル酸化物
との組み合わせでは、高い安全性とサイクル特性が得ら
れた。一方、比較例1に示したように環状で環内にC=
C不飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素を含まない系で
はサイクル特性が非常に悪かった。また比較例2〜4の
様にリン酸エステルを含まない系では安全性が全く確保
できていない。さらに、比較例5においてはサイクル特
性が不十分であった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
安全性及びサイクル寿命が向上された非水電解液二次電
池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池を示す断面
図。
【符号の説明】
1…容器 3…電極群 4…正極 5…セパレータ 6…負極 8…封口板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非水溶媒系の電解液を有する非水電解液二
    次電池において、電解液が、非水溶媒に混合した環状で
    環内にC=C不飽和結合を含む橋かけ環式炭化水素と、
    下記一般式[I]で表されるリン酸エステルを含有する
    ことを特徴とする非水電解液二次電池。 【化1】 (式中、R1,R2,R3は互いに同一であっても異な
    っていても良く、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】前記環状で環内にC=C不飽和結合を含む
    橋かけ環式炭化水素が、下記一般式[II]で表されるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二
    次電池。 【化2】 (式中、R4,R5は互いに同一であっても異なってい
    ても良く、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、
    カルボニル基、エーテル基を示し、さらにR4もしくは
    R5のどちらかにはカルボニル基かエーテル基の少なく
    とも1つを含む。またR4,R5は結合により環状構造
    であっても良い。)
  3. 【請求項3】前記非水溶媒が、エチレンカーボネート
    と、エチレンカーボネートより低融点でありかつドナー
    数が18以下である1種以上の非水溶媒との混合物であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非
    水電解液二次電池。
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