JP3232447B2 - ビデオ信号の時間軸補正装置 - Google Patents

ビデオ信号の時間軸補正装置

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JP3232447B2 JP35664996A JP35664996A JP3232447B2 JP 3232447 B2 JP3232447 B2 JP 3232447B2 JP 35664996 A JP35664996 A JP 35664996A JP 35664996 A JP35664996 A JP 35664996A JP 3232447 B2 JP3232447 B2 JP 3232447B2
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  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体より再生
したビデオ信号に含まれる時間軸変動成分を除去し、安
定かつ精細な再生画像を得るための時間軸補正装置(T
BC)に関する。
【0002】
【従来の技術】今日広く実用に供されているテレビジョ
ン方式では、原画像を1次元の順次信号に走査分解する
際、各走査線の開始位置を決める水平同期信号と各走査
フィ−ルドの開始位置を決める垂直同期信号とをビデオ
信号に挿入して伝送している。
【0003】そして、このようなビデオ信号をモニタ画
像に表示させる際、モニタ装置がビデオ信号に挿入され
た水平同期信号を分離抽出して得た水平駆動パルス列
(HDパルス)に自らの走査同期系の位相をロックする
ことによって安定に画像表示させるようになっている。
【0004】上記のような走査同期系は、基準信号に同
期して生成されたビデオ信号間の僅かな周波数の差異を
吸収し、また、例えば、伝送雑音などが重畳された場合
においても動作を充分に安定に保つため、入力されたビ
デオ信号の時間軸変動、すなわち、HDパルスの位相変
動(ジッタ)に対する応答速度が比較的に緩慢に設定さ
れている。
【0005】したがって、このようなモニタ装置では、
入力したビデオ信号の位相変動が比較的に緩慢であると
きは、上記の走査同期系がその位相変動に充分に追随し
て走査変換するので、表示画像には顕著な幾何学ひずみ
が表われない。
【0006】しかし、入力したビデオ信号の位相変動が
上記した走査同期系の応答速度範囲を越えるように急唆
に変化する場合は、走査同期系のフライホィ−ル効果に
よってもはやその位相変動は吸収されず表示画像に幾何
学ひずみとして表われ、不快な揺らぎなどとして視認さ
れるようになる。
【0007】一方、ビデオテ−プレコ−ダ、ビデオディ
スクドライブ或いは電子スチルカメラなどのように、時
間的構造を基本的に変えることなくビデオ信号を記録再
生する装置では、記録媒体と磁気ヘッド等の情報読み出
し手段との相対速度がビデオ信号の時間軸変動を発生さ
せる主原因となるため、その相対速度を極力安定化する
ように駆動機構を構成すると共に、残留する時間軸変動
については電子的にこれを除去する時間軸補正装置を備
えている。
【0008】図8は時間軸補正装置の従来例として示し
たブロック図である。記録媒体より読み出されたアナロ
グビデオ信号が復調され、このビデオ信号が時間軸補正
装置に入力すると、同期分離回路11によって水平同期
信号が分離され、続いて書き込みクロック発生器12が
その水平同期信号若しくはその直後に挿入されたカラ−
バ−スト信号に位相が同期し、周波数が水平同期信号の
N倍(N:充分大なる整数)となるように設定された書
き込みクロックパルス列を出力する。
【0009】また、入力したビデオ信号はA/D変換器
13によって量子化される。この量子化過程では各標本
化点が書きみクロックパルス列にしたがって各水平同期
信号間隔を略N等分するようになっている。
【0010】このように各水平同期信号を標本化点によ
ってN等分することがこの時間軸補正装置の構成上最も
肝要な点であって、ビデオ信号の時間軸変動によって各
水平走査期間が一定でなくとも、A/D変換器13が一
水平走査期間当り略N個の量子化信号系列を発生する。
【0011】上記した書き込みクロックパルスは書き込
みアドレスカウンタ14によって数され、主メモリ1
5の書き込みアドレスを更新する。書き込みクリアパル
ス発生器16は水平同期信号が到来する度に、例えば、
水平同期信号の前縁の検出によって書き込みアドレスカ
ウンタ14を所定の値に強制的に設定するように動作す
る。
【0012】この結果、主メモリ15に格納された量子
化信号系列は概念上、水平同期信号位置毎に位相が整列
し、時間軸変動が概ね除去されたN個の標本点からなる
配列となる。
【0013】主メモリ15に格納された量子化系列を基
準となる水平同期信号に同期させて出力させる場合は、
書き込み過程と対称に構成された読み出しクロック発生
器17、読み出しクリアパルス発生器18、読み出しア
ドレスカウンタ19によって行なう。
【0014】つまり、読み出しクロック発生器17が基
準水平同期信号に同期し、かつ、その周波数が基準水平
走査周波数のN倍となる読み出しクロックパルス列を発
生し、また、読み出しアドレスカウンタ19がその読み
出しクロックパルスを計数して主メモリ15のアドレス
を進めると共に読み出しクリアパルス発生器18が基準
水平同期信号にしたがって読み出しアドレスカウンタ1
9を所定値に設定する。
【0015】これより、主メモリ15に格納されている
量子化信号系列が所定のアドレスから順次読み出され、
D/A変換器20によって最終的に時間軸変動が除去さ
れ、かつ、基準位相に同期したビデオ信号が出力され
る。
【0016】上記したように、この従来の時間軸補正装
置は、時間軸変動を含むビデオ信号の水平同期信号若し
くはカラ−バ−スト信号の位相に注目し、この位相の変
化に追随して自から位相を同期するようにした標本化パ
ルス列、すなわち、書き込みクロックパルス列を用いて
相対的に時間軸変動を吸収するように量子化信号系列を
格納する構成としたことに原理上集約される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の時間軸
補正装置には次のような問題点がある。入力するビデオ
信号の水平同期信号若しくはカラ−バ−スト信号と書き
込みクロックパルスの位相差が常に一定となるように、
書き込みクロックパルスをPLL回路等で発生させる必
要があり、ハ−ドウェアの構成が複雑となる。
【0018】PLL回路等を用いた書き込みクロックパ
ルス発生回路は、一般に入力位相変動に対するル−プの
応答性と、ロックインレンジ、残留位相雑音などの安定
性とが互いに相反する関係にあるため、記録媒体の駆動
機構によってもたらされる不確定な時間軸変動に対し充
分な精度で補正することが極めて困難となる。したがっ
て、記録媒体の駆動機構は一定の範囲を越える時間軸変
動が生起しないように高価なものを使用することにな
り、また、高精度の加工と調整が必要となる。
【0019】また、常時変化しているビデオ信号の時間
軸変動を、水平同期信号毎の標本値として検出している
ため、比較的急峻に変化する時間軸変動に対して無視で
きない補正誤差を残留させる。
【0020】本発明は上記した従来の時間軸補正装置の
問題点にかんがみ、比較的急峻に変化する時間軸の変動
に対しても、複雑なハ−ドウェアを用いることなく充分
に時間軸補正のできるビデオ信号の時間軸補正装置を提
案することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明は、時
間軸変動を含むビデオ信号から基準位相に同期した標本
化パルス列を用いて量子化信号系列を生成し、この量子
化信号系列を記憶手段に格納した後、その量子化信号系
列を読み出して時間軸変動を補正する時間軸補正装置に
関する。
【0022】そして、この時間軸補正装置は、上記ビデ
オ信号が有する水平同期信号の位相差を上記標本化パル
ス列のパルス間隔以下の精度で各水平同期信号毎に計測
する第一の補間手段を含む位相誤差計測手段を備えてい
る。
【0023】また、この時間軸補正装置は、この位相誤
差計測手段によって水平同期信号毎に計測された位相誤
差にもとづき、上記ビデオ信号の標本点毎に時間軸変動
値を求める第二の補間手段と、上記各標本点毎に求めら
れた時間軸変動値にそれぞれ対応して補正するように上
記量子化信号系列を移相する第三の補間手段とを備えて
構成されている。
【0024】上記のように構成した時間軸補正装置は、
入力するビデオ信号の水平同期信号が到来毎に、ビデオ
信号の位相誤差が標本化パルスのパルス間隔以下の精度
で計測される。そして、ビデオ信号はこのように計測さ
れた位相誤差値にもとづいて標本点毎に時間軸変動値が
求められ、また、各々の時間軸変動値に対応させて補正
するように上記した量子化信号系列を移相させる
【0025】この結果、ソフトウェアの改良によって構
成することができるので、記録媒体の駆動機構が複雑な
構成とならず、また、この駆動機構の高精度な加工、調
整などが不要となる。
【0026】
【0027】このように構成した時間軸補正装置は、入
力したビデオ信号が標本毎に移相補正されるので、高
精度の時間軸補正装置となり、ジッタによる補正誤差の
残留がほとんど生じない。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面に沿って説明する。図1は本発明に係る時間軸補正
装置の基本形態を示すブロック図であり、21はクラン
プ回路、22はA/D変換器、23はビデオフレ−ムメ
モリ、24はデジタル演算回路(DSP)、25は命令
デ−タメモリ(ROM)、26は書き込みアドレスカウ
ンタを示す。また、27はD/A変換器、28は低域フ
ィルタ(LPF)、29は読み出しアドレスカウンタを
示す。
【0029】クランプ回路21は、時間軸変動を伴うビ
デオ信号を入力し、このビデオ信号の直流レベルを固定
する。このクランプ回路21には、ビデオ信号のペデス
タルレベルを一定値に固定するペデスタルクランク回路
と、同期信号の先端レベルを固定するシンクチップクラ
ンク回路などを備える。
【0030】A/D変換器22は、クランプ回路21か
らのビデオ信号を入力し、このビデオ信号を基準位相に
同期した標本化パルス毎に量子化し、量子化信号系列を
ビデオフレ−ムメモリ23に順次格納させる。
【0031】また、標本化パルスは通例外部から与えら
れる基準信号(一般的には色副搬送波信号、周波数Fs
c)に同期し、その周波数FpがFp=n・Fscを満
たすように定められる。この結果、標本化パルスの周波
数Fpは基準水平走査周波数のN倍(N:整数)とな
り、ビデオ信号の一水平走査期間が一般にN個の標本点
を含むことになる。
【0032】なお、NTSC標準方式では水平走査周波
数Fhに対し、Fsc=Fh・(455/2)に設定さ
れている。また、通常nは、n=4ないしn=8を選
ぶ。このことから、入力したビデオ信号と外部基準信号
の周波数が接近している場合(周波数が±1/Nの精度
以内)は、N=n・(455/2)、つまり、N=91
0ないしN=1820となる。
【0033】書き込みアドレスカウンタ26は、標本化
パルスを計数し、上記した量子化信号を格納させるビデ
オフレ−ムメモリ23のアドレスを順次更新させる。ま
た、このアドレスカウンタ26は、入力したビデオ信号
から分離した垂直同期信号、或いは、記録媒体の走査開
始点として媒体駆動機構が通列1フィ−ルド毎に発生す
るインデックス信号が到来する度に所定値にプリセット
する。これより、入力したビデオ信号の量子化信号系列
が垂直同期信号、或いは、媒体走査開始点が所定のアド
レスから始まるようにビデオフレ−ムメモリ23に格納
される。
【0034】デジタル演算回路24は、デジタル信号プ
ロセッサまたはCPU中央演算処理装置から構成してあ
る。このデジタル演算回路24は、所定の演算処理プロ
グラム命令や固定デ−タ等を格納させた命令デ−タメモ
リ25からデ−タを遂次読み出し、ビデオフレ−ムメモ
リ23に格納された上記の量子化信号系列を順次演算処
理し、このメモリ23に格納された原信号系列から時間
軸変動を検出し、時間軸変動を補正した新たな信号系列
にそのメモリ23を書き替える。
【0035】なお、このデジタル演算回路24、デ−タ
バス、アドレスバスなど本システム制御系は上記した標
本化パルスより充分に高速なクロックパルスによつて処
理動作し、ビデオ信号の入出力、ビデオフレ−ムメモリ
23などの動作に支障のないように構成してある。
【0036】読み出しアドレスカウンタ29は、標本化
パルスを計数し、この計数にしたがってビデオフレ−ム
メモリ23に格納されている信号系列を順次読み出す。
つまり、ビデオフレ−ムメモリ23に格納されている、
時間軸変動の補正された信号系列を順次読み出してD/
A変換器27に送る。
【0037】低域フィルタ28は、D/A変換されたビ
デオ信号を入力して不要な高次成分を除去し、最終的に
時間軸変動の補正されたビデオ信号を出力する。
【0038】なお、上記のように読み出しを行なうとき
に、フレ−ム同期パルスによって読み出しアドレスカウ
ンタ29をプリセットする構成とすれば、色副搬送波の
同期(Gen,Lock)のみならず、フレ−ムを同期
させたビデオ信号を得ることができる。
【0039】次に、デジタル演算回路24によって行な
われる時間軸変動の検出とその補正について説明する。 (1) 時間軸変動の検出 時間軸変動の検出は入力したビデオ信号が有する水平同
期信号の位相誤差を検出する。図2()は入力したビ
デオ信号の一部を、図2()は標本化パルス列を各々
示し、図2()は量子化進系列を水平同期信号部分に
ついて拡大して示したものである。
【0040】図示する如く、入力したビデオ信号のクラ
ンプレベルに対して相対的に決められたスレッショルド
値Sthを、例えば、水平同期信号の前縁が過ぎる時刻
をもって水平同期信号の位相を計測する。スレッショル
ド値Sthはベデスタルレベルとシンクチップレベルの
略中間に設定してある。なお、このスレッショルド値S
thは入力したビデオ信号レベルに対して適応的に定め
た固定値としてもよい。
【0041】上記のように、スレッショルド値Sthを
中間値に設定する理由は、通常パルス信号の中間値付近
が最も急峻に変化し、重畳雑音や後述する補間検出に伴
う誤差の発生が僅少となることが期待できるからであ
る。このように、基準信号に同期した標本化パルスと水
平同期信号との相対位相から位相誤差を検出する。
【0042】なお、水平同期信号の位相計測点として
は、この同期信号の前縁の他に、その同期信号の後縁を
用いてもよい。また、重畳雑音などによる検出誤差改善
の方法としてはそれら前縁と後縁の位相計測の平均値を
用いたり、重畳雑音の状況に対応(明らかに疑わしい場
合など)して適応的に加重平均を用いる方式等を採用す
る。
【0043】水平同期信号の前縁がスレッショルド値S
thを過ぎる時刻Thは一般にサンプル時刻と一致せ
ず、相隣り合う二つの標本点の間となる。既に述べたよ
うに標本化パルスの同期は基準水平走査周期の1/Nに
設定されているので、仮に入力したビデオ信号と基準信
号の相対位相の間に全く相差がない場合、各水平同期信
号の間には丁度N個の標本化パルスが含まれることにな
り、この結果、観測される水平同期信号の位相が常に一
定となる。
【0044】ところが、入力したビデオ信号の時間軸が
変動していると、水平同期信号の位相がその時間軸変動
にしたがって変化することになる。図2では、フレ−ム
周期パルスから数えて第L番目の水平同期信号について
観測された相対位相をTh(L)と表示してある。な
お、Lはラインナンバ−であり、NTSC方式では1番
目から525番までテレビジョン方式の走査線に対応し
て付与される。
【0045】次に、標本番号について説明する。上記し
たように、量子化信号系列は外部から送られるフレ−ム
同期パルスによって所定値にプリセットされたアドレス
カウンタ26によって遂次ビデオフレ−ムメモリ23に
格納されているので、本来各標本値にはメモリの所定の
アドレス値が対応している。
【0046】しかしながら、上記アドレス値はメモリ制
御を目的とし付与されているので、位相検出アルゴリズ
ムの説明には次の標本番号を用いる。なお、この番号法
は以下に述べるアルゴリズムを説明するために概念上用
いるものであって、装置の構成上は必ずしもこの通りで
ある必要はない。
【0047】標本番号iは符号付き整数であって、水平
同期信号の前縁部分で遂次減少する標本値が初めてスレ
ッショルド値Sthに等しいか又はそれ以下となった場
合、i=1とし、以後1づつ加算して、i=2,3・・
・・・・・とする。i=1の一つ前の標本番号は一つ減
算してi=0とし、さらにそれ以前の標本点については
負号を付けてi=−1、−2・・・・・・とする。した
がって、各標本値と標本番号の関係は図2(c)、図3
(a)、(b)に示すようになる。一水平走査期間に丁
度N個の標本点を含む場合、i=N−Kはi=Kと同義
である。(K=1、2・・・・・・・N−1)
【0048】一般に第i番目の標本値をD(i)で表わ
し、第N番目の標本化パルスから数えて第i番目と第
(i+1)番目の標本化パルスの間で水平同期信号の前
縁が過ぎた場合、標本値間隔で正規化された相対位相T
h(L)は位相遅れ方向を正とし、一次補間を適用して
図4から求めることができる。
【0049】 すなわち、△T={D(i)−D(i+1)}/{D(i)−Sth} Th(L)=i+△T Th(L)=i+{D(i)−Sth} /{D(i)−D(i+1)}・・・・・・(式1) となる。ただし、iは符号付き整数、Lはラインナンバ
−である。
【0050】図3(a)はiが正、すなわち、位相遅れ
の場合、図3(b)はiが負、すなわち、位相進みの場
合について各々模式的に描いた説明図であるが、実際に
はこのような大きな位相差となることは極めて少ない。
通例ビデオ信号の再生装置に用いられる記録媒体の駆動
機構は、基準位相に同期回転するように制御されている
ので、入力したビデオ信号の時間軸が一水平走査期間当
り一標本化時間を越えて極端に変動することは極めてま
れであって、上記式1のiは事実上“0”または“−
1”となる。
【0051】一般に入力ビデオ信号には、例えば、記録
媒体、或いは、再生過程や伝送過程で発生した雑音信号
が含まれる。このため、水平同期信号の前縁部に重畳し
た雑音信号によって相対位相検出に生ずる誤差を軽減す
るため、位相検出に先だってその雑音信号を除去するた
めの低域フィルタ処理を行なうことが好ましい。
【0052】また、離散的に与えられたK個の標本点
は、たかだか(K−1)次の多項式で補間近似し得るこ
とが知られている。本実施形態では、演算処理速度優先
の観点から一次補間を用いているが、一般にスレッショ
ルド値Sthを過ぎる点の周りのK個の標本値を用いて
(K−1)次補間を行なうこともきる。ただし、演算量
の増加に見合う精度の改善が得られないので、実用上は
2次補間までが限度となる。
【0053】(2) 時間軸変動の補正 次に、時間軸変動の補正について、零次ホ−ルドによる
補正と、高次ホ−ルドによる補正に分けて説明する。
A. 零次ホ−ルド図5に示す如く、上記した位相検出
によって得られた各水平同期信号の位相Th(L)を、
当該水平同期信号を含む一水平走査期間全体の位相とみ
なして、これを補正する。なお、相隣り合う二つの標本
値の間を、先行する標本値とみなして階段状に補間する
ことを、一般に零次ホ−ルドと呼ぶ。
【0054】元系列D(k)を、例えば、注目水平同期
信号直前のフロントポ−チから次の水平同期信号直前の
フロントポ−チまで、当該注目水平同期信号を含む一水
平走査期間となるように選ぶ。
【0055】添え字Kは通常(時間軸変動に伴う水平走
査期間の誤差が標本化パルスの高々一周期を越えない場
合) K=−P0、−P0+1、・・・・・0,1,2,・・
・・N−P0−1 となる。ただし、P0は注目水平同期信号の連続性を確
保するため、直前のフロントポ−チを含むように設定さ
れた整数値であって、例えば、NTSC方式に於いて標
本化周波数を4・Fscに選ぶと、P0はフロントポ−
チ長“22”を越えない適当な値に設定される。
【0056】上記のように検出された注目水平同期信号
の位相Th(L)を丁度打ち消す様に、元系列D(k)
の全ての標本点に対し、 Co=−Th(L) ・・・・・・(式2) だけ一律に位相を進めてなる新たな系列D(k)′を想
定する。系列D(k)′は水平同期信号毎に零次ホ−ル
ドされた補正値C0によって時間軸変動が補正されてい
る。図5では元系列をD(k)・・・・○・実線、新系
列をD(k)′・・・□・点線で示してある。
【0057】このように、標本点を任意の値だけ時間軸
上で補正して得た第2の系列D(k)′は、概念上、従
来技術で実施されていたように入力ビデオ信号に位相同
期した標本化パルス(書き込みクロック)を用いて量子
化された系列に相等しい。
【0058】従来技術では相対的に時間軸変動が吸収さ
れた第2の系列D(K)′を主メモリ15に格納してい
た。本発明では時間軸変動を含む元系列D(k)をビデ
オフレ−ムメモリ23に格納したことによって、既に各
標本点の時刻は確定しているので、元系列値D(k)を
該当標本化位置に於いて、新系列D(k)′から補間さ
れる第3の系列E(k)となるように修正することで時
間軸補正を行なう。
【0059】ビデオフレ−ムメモリ23に格納されてい
る元系列D(k)と位相補正量C0から直接第3の系列
E(k)を得る過程を説明する。
【0060】この修正の手続きは、注目標本値位置Kの
周りの複数の標本値を内挿する補間関数を想定し、当該
補間関数を位相補正量だけ時間軸に沿って推移した後、
補正値E(k)を補間することと同義である。
【0061】補間関数として、例えば、2次関数を適用
すると、第i番目の補正値E(i)は、注目標本値D
(i)、それと隣り合う二つの標本値D(i−1)、D
(i+1)、位相補正量C0=−Th(L)を用いて、 E(i)=(C0/2)・(C0+1)・D(i-1)+(1-C0∧2)・D(i)+(C0/2)・(C0-1)・D(i+1)・・(式
3) で与えられる。
【0062】上記補間手段を実施する際、一般に高次の
補間関数を適用した方が補間誤差を少なくする観点から
は好ましい。然るに、いたずらに高次の関数を適用する
ことはそれだけ多くの演算手続きが要求されるため、装
置の高速化を招くことになる。
【0063】NTSC方式のテレビジョン信号に於い
て、標本化パルスの周波数を4・Fscとした場合、1
次補間を適用すると水平解像度400TV本での減衰量
は最大6.9dBとなるが、2次補間の場合ではその減
衰量が2.8dBに改善される。3次以上の補間関数を
適用することも本発明の論理にもとづいて可能である。
【0064】以上説明した補正過程により、上記第3の
系列E(k)は、標本化パルスのN個毎に少なくともそ
の水平同期信号の位相が整列するように各標本値が修正
され、ビデオフレ−ムメモリ23に格納される。
【0065】また、ビデオフレ−ムメモリ23に格納さ
れた標本値の読み出し処理は従来技術で説明した内容と
同じである。なお、読み出し処理に先だって、N個毎に
格納されている第3の系列E(k)の同期信号部分を雑
音除去などの目的で予め命令デ−タメモリ25に用意さ
れた規定の系列値に置き換えることもできる。
【0066】上記したように、零次ホ−ルドによる時間
軸補正によって、ハ−ドウェアに特別な時間軸補正手段
を具備しなくとも水平同期信号の位相の整列したビデオ
信号を得ることができるが、次に水平同期信号の位相整
列のみならず、画像全体にわたって更に高精度に補正す
る補正手段について説明する。
【0067】B. 零式ホ−ルドによる残留ジッタ 上記したように各水平同期信号の位相Th(L)を、当
該水平同期信号に続く一水平走査期間全体にわたって零
次ホ−ルドした結果、その零次ホ−ルドによって補正さ
れた画像について図6を参照しながら説明する。
【0068】図6(a)は一定の輝度レベルに設定され
た矩形図形のビデオモニタ表示例であって、表示走査は
慣習にしたがつて画面の左から右の方向としてある。な
お、黒点で示した枠状部分30は画面「黒」を示し、そ
の枠内31は画面「白」の白ヌキを示している。零次ホ
−ルドによって補正された第3の系列E(k)をビデオ
フレ−ムメモリ23から順次読み出し、上記のビデオモ
ニタに表示させると、図示のように画面左、すなわち水
平走査開始点に近い方の輪郭は比較的ひずみが無く表示
されるのに対し、画面右、すなわち水平走査終了点に近
い方の輪郭に比較的大きなひずみを生じ、また、不鮮明
に表示される場合がある。
【0069】図6(b)は同図(a)に示したラインナ
ンバ−、L−2、……………、………L+2に対応す
るビデオ信号を、各水平同期信号を基準位相に揃え、か
つ、各ラインに引き続く次の水平同期信号の位相検出点
との関係を含めて、その一部を時間方向に拡大して示し
た模式的な説明図である。
【0070】同図において、ビデオ信号の実線で表示さ
れた部分が上述の時間軸補正処理上の一水平走査期間、
すなわち、第3の系列E(k)の標本番号K=−P0、
・・・・・0、・・・・、N−P0−1の計N個の標本
値に相当する。
【0071】また、点線で示される次の水平同期信号
は、上記したように、補正処理の過程で第3の系列E
(k)の時間連続性はフロントポ−チ部に於いて既に消
失している。
【0072】上記の如く、画面右側に於いて不都合の生
ずる理由は、瞬時ジッタJ(t)と、上記水平同期信号
毎に検出され、零次ホ−ルドされたジッタ標本値Th
(L)、(L:ラインナンバ−)との誤差にある。
【0073】すなわち、水平走査開始点では両者J
(t)、Th(L)の値は一致しているが、ジッタが比
較的急激に変化する場合、水平走査の終了点、すなわ
ち、画面右に向かうにつれて両者の差が増大し、このた
め補正が不完全となることによるものである。
【0074】本発明は、ジッタ検出における上記零次ホ
−ルド誤差に注目し、更に高次ホ−ルドを適用して上記
欠点を改善する手段を提供する。
【0075】C. 高次ホ−ルド図7は本発明の一実施形態を示し、 図7(a)は入力ビ
デオ信号の一部を、図7(b)は標本化パルス列を、図
7(c)は入力ビデオ信号に含まれるジッタを、図7
(d)は入力ビデオ信号系列D(i)と、高次ホ−ルド
によって得られた更に高精度の補正値F(i)との関係
を模式的に示した拡大図である。
【0076】上記した零次ホ−ルドにおいて一水平走査
期間全体にわたって一律に適用した位相補正量C0に替
えて、元系列D(k)の各標本位置毎に異なる補正量C
(k)だけ位相を進めてなる補正系列D(k)″を想定
する。(図7(d)□にて示す。)
【0077】このように各標本位置毎に異なる位相補正
が行なわれた場合においても、注目標本位置Kに置ける
補正値F(k)を補間手段を用いて算出することができ
る。例えば、図示のように、注目標本値D(i)と、そ
れに相隣り合う2つの標本値D(i−1)、D(i+
1)、各標本位置に置ける移送量C(i−1)、C
(i)、C(i+1)について2次補間を適用すると、
D(i)に対する補正値F(i)は、
【0078】
【数1】 で与えられる。
【0079】ところで、補正しようとする水平走査期間
内の各移送量C(i)は、当該水平走査期間を含む複数
の水平走査期間(水平同期信号の前縁)毎に得られる移
送誤差を補間演算する。例えば、この補間演算として、
一次補間を適用すると、
【数2】 で与えられる。C1(i)は一次補間である。
【0080】また、デジタル演算回路24の演算速度が
充分早く、更に補正誤差の改善にその能力を振り向けら
れる構成においては、例えば、2次補間演算を用いて、
【0081】
【数3】 を用いてもよい。C2(i)は2次補間である。原理上
は更に高次の補間を用いることも可能である。
【0082】Nは充分に大きいと見なされるので、上記
補間関数の次数にかかわらず移送量C(i)に隣り合う
二つの補正量C(i±1)は、微分量dを用いて、 C(i±1)=C(i)±d・・・・・・・(式6.1) 但し、 d=Th(L+1)−Th(L)/N ・・・・・(式6.2) で近似する。なお、一次補間の場合の上式は正確となる
から近似ではない。
【0083】例えば、一次補間による移送量C1(i)
を用いて、元系列の標本値D(i)を補正すると、最終
的に目的とする補正値F(i)は、
【0084】
【数4】 で与えられる。上式は微分量dの2次項を無視して得る
近似式である。
【0085】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る時間軸
補正装置によれば、デジタル演算処理によって時間軸変
動を補正し、また、この演算処理に加えて残留ジッタに
よる時間軸変動を補正する構成としたことから、ビデオ
信号の時間軸変動をソフトウェア構成によって高精度に
補正することができる。この結果、記録媒体の駆動機構
として加工、調整の容易なものが使用でき、また、その
駆動機構の構成も簡単化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本形態を示す時間軸補正装置のブロ
ック図である。
【図2】図2()は入力ビデオ信号の一部を、図2
)は標本化パルス列を各々示し、図2()は量子
化信号系列を水平同期信号部分について拡大して示した
図である。
【図3】入力ビデオ信号の位相検出手段を示す説明図
で、図3(a)は位相遅れの状態を、図3(b)は位相進
みの状態を各々示した説明図である。
【図4】入力ビデオ信号の位相を計算式で求めるための
説明図である。
【図5】入力ビデオ信号の時間軸変動を零次ホ−ルドに
したがって補正する状態を示したビデオ信号の部分図で
ある。
【図6】零次ホ−ルドによって時間軸補正されたビデオ
信号にジッタによる時間軸変動が残留することを示す説
明図である。
【図7】高次ホ−ルドによる時間軸変動の補正を行なう
本発明の一実施形態を示し、図7(a)は入力ビデオ信
号の一部を、図7(b)は標本化パルス列を、図7(c)
は入力ビデオ信号に含まれるジッタを各々示し、図7
(d)は高次ホ−ルドによる時間軸変動の補正を示す説
明図である。
【図8】従来例として示したビデオ信号の時間軸補正装
置を示すブロック図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間軸変動を含むビデオ信号から基準位
    相に同期した標本化パルス列を用いて量子化信号系列を
    生成し、この量子化信号系列を記憶手段に格納した後、
    その量子化信号系列を読み出して時間軸変動を補正する
    時間軸補正装置において、 上記ビデオ信号が有する水平同期信号の位相差を上記標
    本化パルス列のパルス間隔以下の精度で各水平同期信号
    毎に計測する第一の補間手段を含む位相誤差計測手段
    と、 この位相誤差計測手段によって水平同期信号毎に計測さ
    れた位相誤差にもとづき、上記ビデオ信号の標本点毎に
    時間軸変動値を求める第二の補間手段と、 上記各標本点毎に求められた時間軸変動値にそれぞれ対
    応して補正するように上記量子化信号系列を移相する第
    三の補間手段 とを備えたことを特徴とするビデオ信号の
    時間軸補正装置。
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