JP3231419U - 眼鏡のテンプル、眼鏡フレームおよび眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】べっ甲の質感や良さを備えるとともに、モダン部分の耳かかりの調整が容易である眼鏡のテンプル、眼鏡フレームおよび眼鏡を提供することを目的としている。【解決手段】眼鏡フレームAのテンプル1aを、0.1〜0.2mmの粒径のべっ甲粉末に水を含ませた状態で、水蒸気雰囲気下で加熱圧縮成形して得た圧縮成形体で形成するようにした。【選択図】 図2
Description
本考案は、眼鏡のテンプル、眼鏡フレームおよび眼鏡に関する。
眼鏡フレームのフロントやテンプルには、アセテート、セルロイド、ナイロンなどの樹脂材料、ニッケル合金、チタン、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料、べっ甲、動物の角(ホーン)、木、竹などの天然材料が単独で、あるいは、複合して用いられ、特にテンプルのモダン部分は、天然材料や樹脂材料で形成されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、耳の位置、耳の形状や顔の幅などは、眼鏡の使用者ごとに異なる。
ところで、耳の位置、耳の形状や顔の幅などは、眼鏡の使用者ごとに異なる。
そこで、眼鏡店においては、一般に、眼鏡を購入し、使用する人の耳の位置、耳の形状や顔の幅に適合するように、テンプル、特にそのモダン部分の形状を変形させて、眼鏡のずれがなく、フィット感を高めるように調整(フィッティング)をしている。
この調整は、変形させる部分が、天然材料や樹脂材料で形成されている場合、変形させようとする部分を、塑性変形しやすいように加熱し、加熱部分を手や治具を用いて徐々に曲げるようにしている。
この調整は、変形させる部分が、天然材料や樹脂材料で形成されている場合、変形させようとする部分を、塑性変形しやすいように加熱し、加熱部分を手や治具を用いて徐々に曲げるようにしている。
一方、軽量で、質感もよく、高級感もあることから人気がある本べっ甲製の眼鏡フレームは、樹脂材料製のものに比べて上記調整が難しく、熟練者が、経験を基に調整を行うようにしている。
しかし、昨今は、熟練者が少なくなっており、本べっ甲製の眼鏡フレームの調整に時間が掛かったり、使用者に十分満足のいく調整ができない場合がある。
しかし、昨今は、熟練者が少なくなっており、本べっ甲製の眼鏡フレームの調整に時間が掛かったり、使用者に十分満足のいく調整ができない場合がある。
本考案は、上記事情に鑑みて、べっ甲の質感や良さを備えるとともに、モダン部分の耳かかりの調整が容易である眼鏡のテンプル、眼鏡フレームおよび眼鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本考案にかかる眼鏡のテンプルは、モダン部が、少なくともべっ甲粉末の圧縮成形体で形成されるとともに、本べっ甲より熱変形容易な易熱変形部を備えていることを特徴としている。
本考案において、易熱変形部は、本べっ甲より熱変形容易であれば特に限定されないが、熱変形性を考慮すれば、80%以上がべっ甲粉末の圧縮成形体で形成されていることが好ましい。
なお、易熱変形部を熱変形させるには、一般に用いられている眼鏡用熱風ヒーターを用いて130℃前後に加熱すればよい。
なお、易熱変形部を熱変形させるには、一般に用いられている眼鏡用熱風ヒーターを用いて130℃前後に加熱すればよい。
本考案の眼鏡のテンプルは、特に限定されないが、易熱変形部以外が、本べっ甲で形成されている構成としても構わない。
すなわち、本べっ甲のみの眼鏡フレームに近い高級感を備えるとともに、易熱変形部を、加熱すれば、耳かかりなどの調整を、熟練を要さずに容易に行うことができる。
すなわち、本べっ甲のみの眼鏡フレームに近い高級感を備えるとともに、易熱変形部を、加熱すれば、耳かかりなどの調整を、熟練を要さずに容易に行うことができる。
本考案の眼鏡のテンプルは、前記易熱変形部の少なくとも表面が着色されている構成としてもよい。
圧縮成形体は、べっ甲粉末に水を含ませた状態にしたケーキ状体をテンプルやモダン形状のキャビティを有する圧縮成形金型内に入れて飽和水蒸気雰囲気中で直接圧縮成形する方法や、ケーキ状体を板状に圧縮成形した一次圧縮成形体をテンプル形状やモダン部分の形状に打ち抜く方法によって得ることができる。
圧縮圧力は、特に限定されないが、200〜400kgf/cm2が好ましく、250〜400kgf/cm2がより好ましい。
圧縮圧力は、特に限定されないが、200〜400kgf/cm2が好ましく、250〜400kgf/cm2がより好ましい。
また、圧縮成形体を所望の色に着色するために、ケーキ状体には、顔料を添加しておいてもよい。圧縮成形にあたり、複数の異なるケーキ状体を混ぜる、あるいは、色別に金型内で所望の位置に並べ、複数の色柄の圧縮成形体とすることもできる。
さらに、易熱変形部は、所望の熱変形性を備えれば、圧縮成形体の表面に着色塗装を施す、本べっ甲に薄板を積層するなどの後装飾を圧縮成形体に施しても構わない。
さらに、易熱変形部は、所望の熱変形性を備えれば、圧縮成形体の表面に着色塗装を施す、本べっ甲に薄板を積層するなどの後装飾を圧縮成形体に施しても構わない。
圧縮成形体の原材料となるべっ甲粉末は、その粒径が0.1mm〜0.2mmのものを用いることが好ましい。
すなわち、粒径が粗すぎると、表面平滑化するために圧縮成形体表面を研磨した場合、べっ甲粉末粒子の一部が露出して、平滑化できない恐れがあり、細かすぎると、凝集等により、べっ甲粉末粒子が均一分散されたケーキ状体を得にくくなる恐れがある。
すなわち、粒径が粗すぎると、表面平滑化するために圧縮成形体表面を研磨した場合、べっ甲粉末粒子の一部が露出して、平滑化できない恐れがあり、細かすぎると、凝集等により、べっ甲粉末粒子が均一分散されたケーキ状体を得にくくなる恐れがある。
上記のようなべっ甲粉末は、特に限定されないが、亀の甲羅を粉砕し、粉末にしたのち、不純物を取り除き、さらに精密粉砕して得られる。
本考案にかかる眼鏡のテンプルは、以上のように、モダン部が、少なくともべっ甲粉末の圧縮成形体で形成されるとともに、本べっ甲より熱変形容易な易熱変形部を備えているので、モダン部分を加熱することによってべっ甲の粒子間を接合するにかわ成分が柔らかくなり、外部から力を加えることによって少なくともモダン部分を容易に変形させることができる。
また、圧縮成形体が、べっ甲粉末を圧縮成形しただけであるので、べっ甲の質感やや良さを備えたものとなる。
また、圧縮成形体が、べっ甲粉末を圧縮成形しただけであるので、べっ甲の質感やや良さを備えたものとなる。
以下に、本考案を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1および図2は、本考案にかかる眼鏡フレームの第1の実施の形態をあらわしている。
図1および図2は、本考案にかかる眼鏡フレームの第1の実施の形態をあらわしている。
図1および図2に示すように、この眼鏡フレームAは、左右一対のテンプル1aとフロント2aと、を備えている。
テンプル1aおよびフロント2aは、以下のようにして製造されるべっ甲粉末の圧縮成形体で主に形成されている。
テンプル1aおよびフロント2aは、以下のようにして製造されるべっ甲粉末の圧縮成形体で主に形成されている。
すなわち、上記圧縮成形体は、たとえば、まず、粒子径が0.1〜0.2mmのべっ甲粉末に水を含ませたケーキ状体にし、このケーキ状体を圧縮金型に入れるとともに、水蒸気雰囲気のオートクレーブ内で圧力250kgf/cm2で圧縮成形して板状一次成形体を得る。
板状一次成形体を、ほぼテンプルやフロントの形状に打ち抜いたのち、塗装および研磨してテンプル1aおよびフロント2aを得る。
この眼鏡フレームAは、テンプル1aがべっ甲粉末の圧縮成形体からなるので、テンプル1a全体が易熱変形部となっている。
したがって、テンプル1aのモダン部11を、加熱することによって容易にモダン部11を手や治具を用いて変形させることができる。
したがって、テンプル1aのモダン部11を、加熱することによって容易にモダン部11を手や治具を用いて変形させることができる。
すなわち、眼鏡店の店舗にて、あまり熟練者でない店員でも、客の耳かかりのよい眼鏡フレームAに調整することができる。
もちろん、テンプル本体部12も加熱により容易に変形させることができる。
もちろん、テンプル本体部12も加熱により容易に変形させることができる。
図3は、本考案にかかる眼鏡フレームの第2の実施の形態をあらわしている。
図3に示すように、この眼鏡フレームBは、フロント2bが本べっ甲で形成されている。
図3に示すように、この眼鏡フレームBは、フロント2bが本べっ甲で形成されている。
一方、テンプル1bは、モダン部11が第1の実施の形態のテンプル1aと同様の圧縮成形体で形成され、テンプル1bのテンプル本体部13が本べっ甲で形成されている。
すなわち、このテンプル1bは、モダン部11のみが易熱変形部となっている。
そして、このテンプル1bは、図示していないが、本べっ甲製のテンプル本体部材と、圧縮成形体製のモダン部形成部材の端面同士を突き合せた状態で、水の存在下、熱圧着して両部材を接合することによって得ることができる。
すなわち、このテンプル1bは、モダン部11のみが易熱変形部となっている。
そして、このテンプル1bは、図示していないが、本べっ甲製のテンプル本体部材と、圧縮成形体製のモダン部形成部材の端面同士を突き合せた状態で、水の存在下、熱圧着して両部材を接合することによって得ることができる。
本考案は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、テンプルの圧縮成形体で形成された部分の表面がカラー塗装されていたが、べっ甲粉末に顔料を添加して圧縮成形したものでも構わない。
また、必要な熱変形性を損なわない範囲で、水の存在下、熱圧着して圧縮成形体の表面に本べっ甲の薄板を張り合わせるようにしても構わない。
また、必要な熱変形性を損なわない範囲で、水の存在下、熱圧着して圧縮成形体の表面に本べっ甲の薄板を張り合わせるようにしても構わない。
A,B 眼鏡フレーム
1a,1b テンプル
11 モダン部
12,13 テンプル本体
2a,2b フロント
1a,1b テンプル
11 モダン部
12,13 テンプル本体
2a,2b フロント
Claims (6)
- モダン部に、少なくともべっ甲粉末の圧縮成形体で形成され、本べっ甲より熱変形容易な易熱変形部を備えていることを特徴とする眼鏡のテンプル。
- 前記易熱変形部以外が、本べっ甲で形成されている請求項1に記載の眼鏡のテンプル。
- 前記易熱変形部の少なくとも表面が着色されている請求項1または請求項2に記載の眼鏡のテンプル。
- 前記べっ甲粉末の平均粒径が0.1〜0.2mmである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の眼鏡のテンプル。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のテンプルを備えた眼鏡フレーム。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のテンプルを備えた眼鏡。
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2021
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