JP3230975B2 - 交流電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

交流電動機のベクトル制御装置

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JP3230975B2 JP34396095A JP34396095A JP3230975B2 JP 3230975 B2 JP3230975 B2 JP 3230975B2 JP 34396095 A JP34396095 A JP 34396095A JP 34396095 A JP34396095 A JP 34396095A JP 3230975 B2 JP3230975 B2 JP 3230975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交流誘導電動機又は
永久磁石同期電動機のベクトル制御を行う交流電動機の
ベクトル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流電力を交流電力に変換するインバー
タのような電力変換装置を介して交流電動機を制御する
方式において、特に高速な制御応答を目的とする方式と
して電動機の一次電流を磁束方向と平行な磁化電流とこ
れと直交する方向のトルク電流とに分離して制御を行う
ベクトル制御方式が知られている。
【0003】図23は従来の誘導電動機を制御対象とす
る交流電動機のベクトル制御装置の一例を示している。
この従来のベクトル制御装置100は、ベクトル制御指
令演算手段101、d軸電流制御手段102、q軸電流
制御手段103、すべり角周波数積分手段104、電圧
座標変換手段105及び三角波発生手段106、パルス
幅変調(PWM)電圧発生手段107で構成される。な
お、インバータは相電圧が3レベル出力の3相出力PW
Mインバータとして説明する。
【0004】そしてベクトル制御指令値演算手段101
は、磁束指令値ΦRefとトルク指令値TqRefを入力とし
て、次の数1式の演算によって磁化電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値ωsRef
を出力する。
【0005】
【数1】 ただし、M:電動機の相互インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス R2:電動機の二次抵抗 またd軸電流制御手段102は、ベクトル制御指令値演
算手段101から出力される磁化電流指令値IdRefから
磁化電流実際値Idを差引いた値を入力とし、次の数2式
で表わされる比例積分制御により磁束軸電圧指令値VdRe
fを出力する。
【0006】
【数2】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン q軸電流制御手段103は、ベクトル制御指令値演算手
段101から出力されるトルク電流指令値IqRefからト
ルク電流実際値Iqを差引いた値を入力とし、次の数3式
で表わされる比例積分制御によりトルク軸電圧指令値Vq
Refを出力する。
【0007】
【数3】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン さらにすべり角周波数積分手段104は、ベクトル制御
指令値演算手段101から出力されたすべり角周波数指
令値ωsRefを入力として、入力の積分値をすべり周波数
位相角θsとして出力する。すなわち、次の数4式の演
算を実行するのである。
【0008】
【数4】 ただし、s:微分演算子 さらに電圧座標変換手段105は、d軸電流制御手段1
02から出力される磁束軸電圧指令値VdRefと、q軸電
流制御手段103から出力されるトルク軸電圧指令値Vq
Refと、すべり角周波数積分手段104から出力される
すべり周波数位相角θs及び電動機回転子位相角θrの和
であるインバータ出力電圧位相角θ1とを入力として、
次の数5式の演算によりU相、V相、W相それぞれの電
圧指令値VuRef,VvRef,VwRefを出力する。
【0009】
【数5】 三角波発生手段106は、次の数6式に示した3レベル
出力のインバータ用の正負2つの一定角周波数ωswの三
角波TRIp,TRImを発生して出力する。
【0010】
【数6】 ここで、θsw=ωsw・tであり、かつ2π>θsw≧0であ
る。
【0011】そしてPWM電圧発生手段107は、これ
らの電圧座標変換手段105からの各相の電圧指令値Vu
Ref,VvRef,VwRefと、三角波発生手段106からの三角
波TRIp,TRImを入力として、次の数7式の演算によって
各相のPWM電圧指令VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力する。
【0012】
【数7】 U相の場合: VuRef≧TRIpのとき: VuPWM=Vdc/2 TRIp>VuRef>TRImのとき: VuPWM=0 VuRef≦TRImのとき: VuPWM=−Vdc/2 V相の場合: VvRef≧TRIpのとき: VvPWM=Vdc/2 TRIp>VvRef>TRImのとき: VvPWM=0 VvRef≦TRImのとき: VvPWM=−Vdc/2 W相の場合: VwRef≧TRIpのとき: VwPWM=Vdc/2 TRIp>VwRef>TRImのとき: VwPWM=0 VwRef≦TRImのとき: VwPWM=−Vdc/2 また従来の永久磁石同期電動機を制御対象とする交流電
動機のベクトル制御装置は、図24に示すような構成で
ある。この従来の交流電動機のベクトル制御装置110
は、ベクトル制御指令演算手段111、d軸電流制御手
段112、q軸電流制御手段113、電圧座標変換手段
115及び三角波発生手段106、パルス幅変調(PW
M)電圧発生手段117で構成される。なお、ここでも
インバータは相電圧が3レベル出力の3相出力PWMイ
ンバータとする。
【0013】ベクトル制御指令値演算手段111は、磁
束電流指令値ΦRefとトルク指令値TqRefを入力として、
次の数8式の演算によって磁束方向電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRefを出力する。ただし、永久磁石
の磁束方向をd軸、磁束方向と直交する方向をq軸とす
る。
【0014】
【数8】 ただし、Φf:永久磁石磁束 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス またd軸電流制御手段112は、ベクトル制御指令値演
算手段111から出力される磁束方向電流指令値IdRef
から磁束方向電流実際値Idを差引いた値を入力とし、次
の数9式で表わされる比例積分制御により磁束軸電圧指
令値VdRefを出力する。
【0015】
【数9】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン q軸電流制御手段113は、ベクトル制御指令値演算手
段111から出力されるトルク電流指令値IqRefからト
ルク電流実際値Iqを差引いた値を入力とし、次の数10
式で表わされる比例積分制御によりトルク軸電圧指令値
VqRefを出力する。
【0016】
【数10】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン さらに電圧座標変換手段115は、d軸電流制御手段1
12から出力される磁束軸電圧指令値VdRefとq軸電流
制御手段113から出力されるトルク軸電圧指令値VdRe
fと電動機回転子位相角θrとを入力として、次の数11
式の演算によりU相、V相、W相それぞれの電圧指令値
VuRef,VvRef,VwRefを出力する。
【0017】
【数11】 三角波発生手段106は、上記の誘導電動機を制御対象
とする場合と同様に数6式に示した3レベル出力のイン
バータ用の正負2つの一定角周波数ωswの三角波TRIp,T
RImを発生して出力する。
【0018】そしてPWM電圧発生手段117は、これ
らの電圧座標変換手段115からの各相の電圧指令値Vu
Ref,VvRef,VwRefと、三角波発生手段106からの三角
波TRIp,TRImを入力として、次の数12式の演算によっ
て各相のPWM電圧指令VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力す
る。
【0019】
【数12】 U相の場合: VuRef≧TRIpのとき: VuPWM=Vdc/2 TRIp>VuRef>TRImのとき: VuPWM=0 VuRef≦TRImのとき: VuPWM=−Vdc/2 V相の場合: VvRef≧TRIpのとき: VvPWM=Vdc/2 TRIp>VvRef>TRImのとき: VvPWM=0 VvRef≦TRImのとき: VvPWM=−Vdc/2 W相の場合: VwRef≧TRIpのとき: VwPWM=Vdc/2 TRIp>VwRef>TRImのとき: VwPWM=0 VwRef≦TRImのとき: VwPWM=−Vdc/2 このようなベクトル制御方式を採用した交流電動機のベ
クトル制御装置は、電動機出力トルクと電動機磁束とを
制御するために電動機の電流、電圧などをベクトル量と
見なし、電動機の固定子巻線上から見ると交流量である
これらの値を回転磁界上から見て直流量に変換し、これ
を磁束と平行な成分とこれと直交する成分とに分離して
それぞれを電流瞬時値制御によって独立に制御するよう
にしている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の交流電動機のベクトル制御装置では、次のような
問題点があった。すなわち、交流電動機のベクトル制御
装置では、電力変換装置の出力周波数が可変であると共
に、電流制御の高速応答性を実現するためにパルス幅変
調(PWM)を行って出力電圧の大きさを可変制御する
必要がある。
【0021】しかしながら、電力変換装置の出力容量を
低減するためには、出力電圧を最大限に利用することが
必要であり、ベクトル制御のために出力電圧を可変にし
て出力電圧の上限に余裕を持たせることは、電力変換装
置の出力容量の増加、さらにはこの結果として装置の体
積、重量の増加を招くことになる問題点があった。
【0022】また永久磁石同期電動機のベクトル制御を
行う場合には、電動機の回転数が高い領域では端子電圧
が電力変換装置の最大出力電圧に近づいて電流瞬時値制
御が不安定になるため、電動機の端子電圧が電力変換装
置の最大出力電圧を超えないように磁束方向に弱め磁束
電流を流すが、この電流は電動機トルクに寄与しないも
のであるので、上記の課題に加えて、必要以上の弱め磁
束電流を流すことによって電動機の発熱量の増加と電力
変換装置の出力容量の増加を招くことになる問題点があ
った。
【0023】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、交流電圧を交流電動機に供給する電力
変換装置の出力電圧の大きさを最大値で固定したままで
も電動機トルクの高速な制御が可能な交流電動機のベク
トル制御装置を提供することを目的とする。
【0024】本発明の他の目的は、永久磁石同期電動機
のベクトル制御において、弱め磁束電流を必要最小限に
しつつ制御系の安定性を確保することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、誘導
電動機を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及
び位相の制御が可能な電力変換装置を介して前記誘導電
動機に供給される一次電流を前記誘導電動機の磁束と平
行な磁束方向成分(磁化電流)とこれに直交するトルク
方向成分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御
する交流電動機のベクトル制御装置において、磁束指令
値とトルク指令値と磁束補正値とを入力とし、磁化電流
指令値とトルク電流指令値とすべり角周波数指令値とを
算出するベクトル制御指令値演算手段と、前記ベクトル
制御指令値演算手段からの磁化電流指令値とトルク電流
指令値とを入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁
束と直交する方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出
する電圧指令値演算手段と、前記電圧指令値演算手段か
らの磁束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令
値とを入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向
に対する電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変換手
段と、前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、
電圧ベクトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトル
の大きさ指令値演算手段と、前記極座標変換手段からの
電圧ベクトルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段からの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電
圧固定指令とを入力とし、前記電圧固定指令に基づいて
新たな電圧ベクトルの大きさを算出する電圧固定手段
と、前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大き
さと前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、
前記電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率
演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算手段からのす
べり角周波数指令値を積分してすべり周波数位相角とし
て出力するすべり角周波数積分手段と、前記ベクトル制
御指令値演算手段からの磁化電流指令値と、磁化電流実
際値とを入力とし、前記磁束補正値を算出して前記ベク
トル制御指令値演算手段に入力として与える磁束補正値
演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの
角度、前記すべり角周波数積分手段からのすべり周波数
位相角及び前記誘導電動機の回転子位相角の和である電
力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段か
らの変調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパ
ルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生
手段とを備えたものである。
【0026】この請求項1の発明では、磁束指令値とト
ルク指令値とをもとにして磁化電流指令値とトルク電流
指令値を算出し、これらの磁化電流指令値とトルク電流
指令値とをもとにして電圧ベクトル指令値を算出する。
そしてこの電圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度
を電力変換装置の出力電圧位相角にフィードフォワード
で加えることによって電流制御の応答速度を速める。
【0027】また磁束補正値を用いて磁化電流指令値、
トルク電流指令値を補正することにより、実際の磁束の
変化を考慮して誘導電動機の出力トルクをトルク指令値
に追従させる。
【0028】請求項2の発明は、請求項1の発明の交流
電動機のベクトル制御装置において、さらに、前記ベク
トル制御指令値演算手段からのトルク電流指令値と、ト
ルク電流実際値とを入力とし、すべり周波数位相角補正
値を演算して前記電力変換装置の出力電圧位相角に加算
するために出力するトルク電流制御手段を備えたもので
ある。
【0029】この請求項2の発明では、トルク電流指令
値とトルク電流実際値との差から算出したすべり周波数
位相角補正値によって電力変換装置の出力電圧位相角を
補正することにより、電動機出力トルクをトルク指令値
に正確に追従させる。
【0030】請求項3の発明は、誘導電動機を制御対象
として、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可
能な電力変換装置を介して前記誘導電動機に供給される
一次電流を前記誘導電動機の磁束と平行な磁束方向成分
(磁化電流)とこれに直交するトルク方向成分(トルク
電流)とに分離し、各々を独立に制御する交流電動機の
ベクトル制御装置において、磁束指令値とトルク指令値
と磁束補正値とを入力とし、磁化電流指令値とトルク電
流指令値とすべり角周波数指令値とを算出するベクトル
制御指令値演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算手
段からの磁化電流指令値とトルク電流指令値とを入力と
し、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向
のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演
算手段と、前記電力変換装置の出力電圧の角周波数を入
力とし、第1重み係数と第2重み係数とを算出する重み
係数演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算手段から
の磁化電流指令値と、磁化電流実際値との差に前記重み
係数演算手段からの第1重み係数を乗じた値を入力と
し、磁束方向成分電圧補正値を算出するd軸電流制御手
段と、前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電
流指令値と、トルク電流実際値との差に前記重み係数演
算手段からの第1重み係数を乗じた値を入力とし、トル
ク方向成分電圧補正値を算出するq軸電流制御手段と、
前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
に前記d軸電流制御手段からの磁束方向成分電圧補正値
を加算して新たな磁束方向成分電圧指令値とし、前記電
圧指令値演算手段からのトルク方向成分電圧指令値に前
記q軸電流制御手段からのトルク方向成分電圧補正値を
加算して新たなトルク方向成分電圧指令値とし、これら
の新たな磁束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧
指令値とを入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束
方向に対する電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変
換手段と、前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力と
し、電圧ベクトルの大きさの指令値を算出する電圧ベク
トルの大きさ指令値演算手段と、前記極座標変換手段か
らの電圧ベクトルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ
指令値演算手段からの電圧ベクトルの大きさの指令値
と、電圧固定指令とを入力とし、前記電圧固定指令に基
づいて新たな電圧ベクトルの大きさを算出する電圧固定
手段と、前記新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変
換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装
置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数指
令値を積分してすべり周波数位相角として出力するすべ
り角周波数積分手段と、前記ベクトル制御指令値演算手
段からの磁化電流指令値と、磁化電流実際値との差に前
記重み係数演算手段からの第2重み係数を乗じた値を入
力とし、前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指
令値演算手段に入力として与える磁束補正値演算手段
と、前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流
指令値と、トルク電流実際値との差に前記重み係数演算
手段からの第2重み係数を乗じた値を入力とし、すべり
周波数位相角補正値を演算して前記すべり角周波数積分
手段からのすべり周波数位相角に加算するために出力す
るトルク電流制御手段と、前記極座標変換手段からの電
圧ベクトルの角度、前記すべり角周波数積分手段からの
すべり周波数位相角、前記トルク電流制御手段からのす
べり周波数位相角補正値及び前記誘導電動機の回転子位
相角の和である電力変換装置の出力電圧位相角と、前記
変調率演算手段からの変調率とを入力とし、前記電力変
換装置の出力のパルス幅変調電圧指令値を出力するパル
ス幅変調電圧発生手段とを備えたものである。
【0031】この請求項3の発明では、磁束指令値とト
ルク指令値とをもとにして磁化電流指令値とトルク電流
指令値を算出し、これらの磁化電流指令値とトルク電流
指令値とをもとにして電圧ベクトル指令値を算出する。
そしてこの電圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度
を電力変換装置の出力電圧位相角にフィードフォワード
で加えることによって電流制御の応答速度を速める。
【0032】また磁束補正値を用いて磁化電流指令値、
トルク電流指令値を補正し、またd軸電流補正値、q軸
電流補正値を用いて電圧ベクトル指令値を補正し、さら
にすべり周波数位相角補正値によって電力変換装置の出
力電圧位相角を補正することにより、実際の磁束の変化
を考慮して誘導電動機の出力トルクをトルク指令値に正
確に追従させる。
【0033】請求項4の発明は、誘導電動機を制御対象
として、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可
能な電力変換装置を介して前記誘導電動機に供給される
一次電流を前記誘導電動機の磁束と平行な磁束方向成分
(磁化電流)とこれに直交するトルク方向成分(トルク
電流)とに分離し、各々を独立に制御する交流電動機の
ベクトル制御装置において、磁束指令値とトルク指令値
と磁束補正値と二次抵抗補正値とを入力とし、磁化電流
指令値とトルク電流指令値とすべり角周波数指令値とを
算出するベクトル制御指令値演算手段と、前記ベクトル
制御指令値演算手段からの磁化電流指令値及びトルク電
流指令値と前記二次抵抗補正値とを入力とし、磁束方向
成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向
成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演算手段と、前
記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値と
トルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクトル
の大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度と
を算出する極座標変換手段と、前記電力変換装置の直流
リンク電圧を入力とし、電圧ベクトルの大きさの指令値
を算出する電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段と、前
記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記電
圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクトル
の大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前記
電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさを
算出する電圧固定手段と、前記電圧固定手段からの新た
な電圧ベクトルの大きさと前記電力変換装置の直流リン
ク電圧とを入力とし、前記電力変換装置の出力電圧の変
調率を算出する変調率演算手段と、前記ベクトル制御指
令値演算手段からのすべり角周波数指令値を積分してす
べり周波数位相角として出力するすべり角周波数積分手
段と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流
指令値と、磁化電流実際値と前記二次抵抗補正値とを入
力とし、前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指
令値演算手段に入力として与える磁束補正値演算手段
と、前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流
指令値と、トルク電流実際値と前記トルク指令値とを入
力とし、前記二次抵抗補正値を算出して前記ベクトル制
御指令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁束補正値演
算手段とに入力として与える二次抵抗補正値演算手段
と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前
記すべり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及
び前記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装
置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調
率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変
調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを
備えたものである。
【0034】この請求項4の発明では、磁束指令値、ト
ルク指令値から算出した磁化電流指令値、トルク電流指
令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、この電
圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度を電力変換装
置の出力電圧位相角にフィードフォワードで加えること
によって出力電流の応答速度を速める。
【0035】また磁化電流指令値と磁化電流実際値との
差から算出した磁束補正値を用いて磁化電流指令値、ト
ルク電流指令値を補正し、さらにトルク電流指令値とト
ルク電流実際値との差から算出した二次抵抗補正値を用
いてすべり角周波数指令値、電圧ベクトル指令値を補正
することによって電動機出力トルクをトルク指令値に正
確に追従させる。
【0036】請求項5の発明は、誘導電動機を制御対象
として、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可
能な電力変換装置を介して前記誘導電動機に供給される
一次電流を前記誘導電動機の磁束と平行な磁束方向成分
(磁化電流)とこれに直交するトルク方向成分(トルク
電流)とに分離し、各々を独立に制御する交流電動機の
ベクトル制御装置において、磁束指令値とトルク指令値
と磁束補正値と二次抵抗補正値とを入力とし、磁化電流
指令値とトルク電流指令値とすべり角周波数指令値とを
算出するベクトル制御指令値演算手段と、前記ベクトル
制御指令値演算手段からの磁化電流指令値及びトルク電
流指令値と前記二次抵抗補正値とを入力とし、磁束方向
成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向
成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演算手段と、前
記電力変換装置の出力電圧の角周波数を入力とし、第1
重み係数と第2重み数とを算出する重み係数演算手段
と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指
令値と、磁化電流実際値との差に前記重み係数演算手段
からの第1重み係数を乗じた値を入力とし、磁束方向成
分電圧補正値を算出するd軸電流制御手段と、前記ベク
トル制御指令値演算手段からのベクトル電流指令値とベ
クトル電流実際値との差に前記重み係数演算手段からの
第1重み係数を乗じた値を入力とし、トルク方向成分電
圧補正値を算出するq軸電流制御手段と、前記電圧指令
値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値に前記d軸電
流制御手段からの磁束方向成分電圧補正値を加算して新
たな磁束方向成分電圧指令値とし、前記電圧指令値演算
手段からのトルク方向成分電圧指令値に前記q軸電流制
御手段からのトルク方向成分電圧補正値を加算して新た
なトルク方向成分電圧指令値とし、これらの新たな磁束
方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを入
力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対する
電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、前
記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベク
トルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大きさ
指令値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベク
トルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算手
段からの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定指
令とを入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな電
圧ベクトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記新
たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変換装置の直流リ
ンク電圧とを入力とし、前記電力変換装置の出力電圧の
変調率を算出する変調率演算手段と、前記ベクトル制御
指令値演算手段からのすべり角周波数指令値を積分して
すべり周波数位相角として出力するすべり角周波数積分
手段と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電
流指令値と、磁化電流実際値と前記二次抵抗補正値と前
記重み係数演算手段からの第2重み係数とを入力とし、
前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算
手段に入力として与える磁束補正値演算手段と、前記ベ
クトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令値と、
トルク電流実際値との差に前記重み係数演算手段からの
第2重み係数を乗じた値と、前記トルク指令値と前記q
軸電流制御手段からのトルク方向成分電圧補正値とを入
力とし、前記二次抵抗補正値を算出して前記ベクトル制
御指令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁束補正値演
算手段とに入力として与える二次抵抗補正値演算手段
と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前
記すべり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及
び前記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装
置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調
率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変
調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを
備えたものである。
【0037】この請求項5の発明では、磁束指令値とト
ルク指令値とをもとにして磁化電流指令値とトルク電流
指令値を算出し、これらの磁化電流指令値とトルク電流
指令値とをもとにして電圧ベクトル指令値を算出する。
そしてこの電圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度
を電力変換装置の出力電圧位相角にフィードフォワード
で加えることによって電流制御の応答速度を速める。
【0038】また磁束補正値を用いて磁化電流指令値、
トルク電流指令値を補正し、またd軸電流補正値、q軸
電流補正値を用いて電圧ベクトル指令値を補正し、さら
に二次抵抗補正値を用いてすべり角周波数指令値と電圧
ベクトル指令値とを補正することにより、誘導電動機の
出力トルクをトルク指令値に正確に追従させる。
【0039】請求項6の発明は、誘導電動機を制御対象
として、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可
能な電力変換装置を介して前記誘導電動機に供給される
一次電流を前記誘導電動機の磁束と平行な磁束方向成分
(磁化電流)とこれに直交するトルク方向成分(トルク
電流)とに分離し、各々を独立に制御する交流電動機の
ベクトル制御装置において、磁束指令値とトルク指令値
と前記磁束推定値演算手段からの磁束推定値とを入力と
し、磁化電流指令値とトルク電流指令値とすべり角周波
数指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、
前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電圧指
令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電圧指
令値とを算出する電圧指令値演算手段と、前記電圧指令
値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値とトルク方向
成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクトルの大きさと
前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度とを算出する
極座標変換手段と、前記電力変換装置の直流リンク電圧
を入力とし、電圧ベクトルの大きさの指令値を算出する
電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段と、前記極座標変
換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記電圧ベクトル
の大きさ指令値演算手段からの電圧ベクトルの大きさの
指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前記電圧固定指
令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさを算出する電
圧固定手段と、前記電圧固定手段からの新たな電圧ベク
トルの大きさと前記電力変換装置の直流リンク電圧とを
入力とし、前記電力変換装置の出力電圧の変調率を算出
する変調率演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算手
段からのすべり角周波数指令値を積分してすべり周波数
位相角として出力するすべり角周波数積分手段と、磁化
電流実際値を入力とし、前記磁束推定値を算出して前記
ベクトル制御指令値演算手段に入力として与える磁束推
定値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクト
ルの角度、前記すべり角周波数積分手段からのすべり周
波数位相角及び前記誘導電動機の回転子位相角の和であ
る電力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手
段からの変調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力
のパルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧
発生手段とを備えたものである。
【0040】この請求項6の発明では、磁束指令値、ト
ルク指令値から算出した磁化電流指令値、トルク電流指
令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、この電
圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度を電力変換装
置の出力電圧位相角にフィードフォワードで加えること
によって出力電流の応答速度を速める。
【0041】また電力変換装置の出力電圧ベクトルの大
きさを固定するモードでは、磁化電流実際値から算出し
た磁束推定値を用いて磁化電流指令値、トルク電流指令
値、すべり角周波数指令値を算出することによって電動
機の出力トルクをトルク指令値に正確に追従させる。
【0042】請求項7の発明は、請求項6の交流電動機
のベクトル制御装置において、前記ベクトル制御指令値
演算手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実際値
とを入力とし、すべり周波数位相角補正値を演算して前
記電力変換装置の出力電圧位相角に加算するために出力
するトルク電流制御手段を備えたものである。
【0043】この請求項7の発明では、電力変換の出力
電圧ベクトルの大きさを固定するモードでは、磁束推定
値を用いて磁化電流指令値、トルク電流指令値、すべり
角周波数指令値を算出し、さらにすべり周波数位相角補
正値を用いて電力変換装置の出力電圧位相角を補正する
ことによって電動機出力トルクをトルク指令値に正確に
追従させる。
【0044】請求項8の発明は、誘導電動機を制御対象
として、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可
能な電力変換装置を介して前記誘導電動機に供給される
一次電流を前記誘導電動機の磁束と平行な磁束方向成分
(磁化電流)とこれに直交するトルク方向成分(トルク
電流)とに分離し、各々を独立に制御する交流電動機の
ベクトル制御装置において、磁束指令値とトルク指令値
と磁束推定値と二次抵抗補正値と電圧固定指令とを入力
とし、磁化電流指令値とトルク電流指令値とすべり角周
波数指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段
と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指
令値及びトルク電流指令値と前記二次抵抗補正値とを入
力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する
方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令
値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁束方向
成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを入力と
し、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対する電圧
ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、前記電
力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベクトル
の大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトル
の大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段か
らの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定指令と
を入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベ
クトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記電圧固
定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変
換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装
置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数指
令値を積分してすべり周波数位相角として出力するすべ
り角周波数積分手段と、磁化電流実際値と前記二次抵抗
補正値とを入力とし、前記磁束推定値を算出して前記ベ
クトル制御指令値演算手段に入力として与える磁束推定
値演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの
トルク電流指令値と、トルク電流実際値と前記トルク指
令値とを入力とし、前記二次抵抗補正値を算出して前記
ベクトル制御指令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁
束推定値演算手段とに入力として与える二次抵抗補正値
演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの
角度、前記すべり角周波数積分手段からのすべり周波数
位相角及び前記誘導電動機の回転子位相角の和である電
力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段か
らの変調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパ
ルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生
手段とを備えたものである。
【0045】この請求項8の発明では、磁束指令値、ト
ルク指令値から算出した磁化電流指令値、トルク電流指
令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、この電
圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度を電力変換装
置の出力電圧位相角にフィードフォワードで加えること
によって出力電流の応答速度を速める。
【0046】またトルク電流指令値とトルク電流実際値
との差から算出した二次抵抗補正値を用いて磁化電流指
令値、トルク電流指令値、電圧ベクトル指令値を補正
し、さらに電力変換装置の出力電圧ベクトルの大きさを
固定するモードでは、磁束推定値を用いて磁化電流指令
値、トルク電流指令値、すべり角周波数指令値を算出す
ることによって電動機出力トルクをトルク指令値に正確
に追従させる。
【0047】請求項9の発明は、請求項8の交流電動機
のベクトル制御装置において、前記磁束推定値演算手段
が、電動機回転子角周波数と前記ベクトル制御指令値演
算手段からのすべり角周波数指令値と前記極座標変換手
段からの電圧ベクトルの角度と前記電圧固定手段からの
電圧ベクトルの大きさとを入力とし、前記磁束推定値を
算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として
与えるようにしたものである。
【0048】この請求項9の発明では、すべり角周波数
指令値と電圧ベクトルの角度と電圧ベクトルの大きさと
電動機回転子角周波数とをもとにして算出した磁束推定
値を用いて磁化電流指令値、トルク電流指令値、すべり
角周波数指令値を算出することによって電動機出力トル
クをトルク指令値に正確に追従させる。
【0049】請求項10の発明は、請求項8の交流電動
機のベクトル制御装置において、前記磁束推定値演算手
段が、電動機回転子角周波数と前記ベクトル制御指令値
演算手段からのすべり角周波数指令値と前記極座標変換
手段からの電圧ベクトルの角度と前記電圧固定手段から
の電圧ベクトルの大きさと前記二次抵抗補正値演算手段
からの二次抵抗補正値とを入力とし、前記磁束推定値を
算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として
与えるようにしたものである。
【0050】この請求項10の発明では、トルク電流指
令値とトルク電流実際値との差から算出した二次抵抗補
正値を用いて磁化電流指令値、トルク電流指令値、電圧
ベクトル指令値、磁束推定値を補正し、さらに電力変換
装置の出力電圧ベクトルの大きさを固定するモードで
は、磁束推定値を用いて磁化電流指令値、トルク電流指
令値、すべり角周波数指令値を算出することによって電
動機出力トルクをトルク指令値に正確に追従させる。
【0051】請求項11の発明は、永久磁石同期電動機
を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及び位相
の制御が可能な電力変換装置を介して前記永久磁石同期
電動機に供給される一次電流を前記永久磁石同期電動機
の磁束と平行な方向の成分(磁束方向電流)とこれに直
交する方向の成分(トルク電流)とに分離し、各々を独
立に制御する交流電動機のベクトル制御装置において、
磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値とを入力とし、
磁束方向電流指令値とトルク電流指令値とを算出するベ
クトル制御指令値演算手段と、前記ベクトル制御指令値
演算手段からの磁束方向電流指令値とトルク電流指令値
とを入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直
交する方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電
圧指令値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁
束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを
入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対す
る電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、
前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
さ指令値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベ
クトルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算
手段からの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定
指令とを入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな
電圧ベクトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記
電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記
電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力
変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段
と、前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電
流指令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束
補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入
力として与える磁束補正値演算手段と、前記極座標変換
手段からの電圧ベクトルの角度及び前記永久磁石同期電
動機の回転子位相角の和である電力変換装置の出力電圧
位相角と、前記変調率演算手段からの変調率とを入力と
し、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電圧指令値
を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備えたもので
ある。
【0052】この請求項11の発明では、磁束指令値、
トルク指令値から算出した磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、
この電圧ベクトル指令値をもとにして永久磁石同期電動
機の電圧フィードフォワード制御を行うことによって電
動機の回転数が高い領域でも電動機制御を安定させる。
【0053】また磁束方向電流指令値と磁束方向電流電
流実際値との差から算出した磁束補正値を用いて磁束方
向電流指令値、トルク電流指令値を補正することによっ
て電動機出力トルクをトルク指令値に正確に追従させ
る。
【0054】請求項12の発明は、請求項11の交流電
動機のベクトル制御装置において、前記ベクトル制御指
令値演算手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実
際値とを入力とし、前記トルク電流実際値が前記トルク
電流指令値に追従するようなトルク角補正値を演算し
て、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度と前
記永久磁石同期電動機の回転子位相角と共に加算するた
めに出力するトルク電流制御手段を備えたものである。
【0055】この請求項12の発明では、磁束補正値を
用いて磁束方向電流指令値、トルク電流指令値を補正
し、さらにトルク電流指令値とトルク電流実際値との差
から算出したトルク角補正値によって電力変換装置の出
力電圧位相角を補正することによって電動機出力トルク
をトルク指令値に正確に追従させる。
【0056】請求項13の発明は、永久磁石同期電動機
を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及び位相
の制御が可能な電力変換装置を介して前記永久磁石同期
電動機に供給される一次電流を前記永久磁石同期電動機
の磁束と平行な方向の成分(磁束方向電流)とこれに直
交する方向の成分(トルク電流)とに分離し、各々を独
立に制御する交流電動機のベクトル制御装置において、
磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指令
値及びトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値とを
入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交す
る方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指
令値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁束方
向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを入力
とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対する電
圧ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、前記
電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベクト
ルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大きさ指
令値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクト
ルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段
からの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定指令
とを入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな電圧
ベクトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記電圧
固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力
変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換
装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、
前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束補正
値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力と
して与える磁束補正値演算手段と、前記ベクトル制御指
令値演算手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実
際値と前記トルク指令値とを入力とし、前記永久磁石磁
束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段と
電圧指令値演算手段とに入力として与える永久磁石磁束
補正値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベク
トルの角度及び前記永久磁石同期電動機の回転子位相角
の和である電力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調
率演算手段からの変調率とを入力とし、前記電力変換装
置の出力のパルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅
変調電圧発生手段とを備えたものである。
【0057】この請求項13の発明では、磁束指令値、
トルク指令値から算出した磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、
この電圧ベクトル指令値をもとにして永久磁石同期電動
機の電圧フィードフォワード制御を行うことによって電
動機の回転数が高い領域でも電動機制御を安定させる。
【0058】また磁束方向電流指令値と磁束方向電流電
流実際値との差から算出した磁束補正値を用いて磁束方
向電流指令値、トルク電流指令値を補正し、さらにトル
ク電流指令値とトルク電流実際値との差から算出した永
久磁石磁束補正値によってトルク電流指令値、電圧ベク
トル指令値を補正することによって電動機出力トルクを
トルク指令値に正確に追従させる。
【0059】請求項14の発明は、永久磁石同期電動機
を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及び位相
の制御が可能な電力変換装置を介して前記永久磁石同期
電動機に供給される一次電流を前記永久磁石同期電動機
の磁束と平行な方向の成分(磁束方向電流)とこれに直
交する方向の成分(トルク電流)とに分離し、各々を独
立に制御する交流電動機のベクトル制御装置において、
磁束指令値とトルク指令値と磁束推定値とを入力とし、
磁束方向電流指令値とトルク電流指令値とを算出するベ
クトル制御指令値演算手段と、前記ベクトル制御指令値
演算手段からの磁束方向電流指令値とトルク電流指令値
とを入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直
交する方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電
圧指令値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁
束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを
入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対す
る電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、
前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
さ指令値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベ
クトルの大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算
手段からの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定
指令とを入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな
電圧ベクトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記
電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記
電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力
変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段
と、磁束方向電流実際値を入力とし、前記磁束推定値を
算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として
与える磁束推定値演算手段と、前記極座標変換手段から
の電圧ベクトルの角度及び前記永久磁石同期電動機の回
転子位相角の和である電力変換装置の出力電圧位相角
と、前記変調率演算手段からの変調率とを入力とし、前
記電力変換装置の出力のパルス幅変調電圧指令値を出力
するパルス幅変調電圧発生手段とを備えたものである。
【0060】この請求項14の発明では、磁束指令値、
トルク指令値から算出した磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、
この電圧ベクトル指令値をもとにして永久磁石同期電動
機の電圧フィードフォワード制御を行うことによって電
動機の回転数が高い領域でも電動機制御を安定させる。
【0061】また電力変換装置の出力電圧ベクトルの大
きさを固定するモードでは、磁束方向電流実際値から算
出した磁束推定値を用いて磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値を算出することによって電動機出力トルクを
トルク指令値に正確に追従させる。
【0062】請求項15の発明は、請求項14の交流電
動機のベクトル制御装置において、前記ベクトル制御指
令値演算手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実
際値とを入力とし、前記トルク電流実際値が前記トルク
電流指令値に追従するようなトルク角補正値を演算し
て、前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度と前
記永久磁石同期電動機の回転子位相角と共に加算するた
めに出力するトルク電流制御手段を備えたものである。
【0063】この請求項15の発明では、電力変換装置
の出力電圧ベクトルの大きさを固定するモードでは、磁
束方向電流実際値から算出した磁束推定値を用いて磁束
方向電流指令値、トルク電流指令値を算出し、さらにト
ルク電流指令値とトルク電流実際値との差をもとにして
算出したトルク角補正値によって電力変換装置の出力電
圧位相角を補正することによって電動機出力トルクをト
ルク指令値に正確に追従させる。
【0064】請求項16の発明は、永久磁石同期電動機
を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及び位相
の制御が可能な電力変換装置を介して前記永久磁石同期
電動機に供給される一次電流を前記永久磁石同期電動機
の磁束と平行な方向の成分(磁束方向電流)とこれに直
交する方向の成分(トルク電流)とに分離し、各々を独
立に制御する交流電動機のベクトル制御装置において、
磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指令
値とトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値とを入
力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する
方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令
値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁束方向
成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを入力と
し、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対する電圧
ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、前記電
力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベクトル
の大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトル
の大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段か
らの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定指令と
を入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベ
クトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記電圧固
定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変
換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装
置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、前
記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記電
圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさとを入力
とし、前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令
値演算手段に入力として与える磁束補正値演算手段と、
前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記永久磁石
磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段
と前記電圧指令値演算手段とに入力として与える永久磁
石磁束補正値演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算
手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実際値とを
入力とし、前記トルク電流実際値が前記トルク電流指令
値に追従するようなトルク角補正値を算出するトルク電
流制御手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトル
の角度、前記トルク電流制御手段からのトルク角補正値
及び前記永久磁石同期電動機の回転子位相角の和である
電力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段
からの変調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力の
パルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発
生手段とを備えたものである。
【0065】この請求項16の発明では、磁束指令値、
トルク指令値から算出した磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、
この電圧ベクトル指令値をもとにして永久磁石同期電動
機の電圧フィードフォワード制御を行うことによって電
動機の回転数が高い領域でも電動機制御を安定させる。
【0066】またトルク電流指令値とトルク電流実際値
との差をもとにして算出したトルク角補正値によって電
力変換装置の出力電圧位相角を補正し、さらに電圧指令
値ベクトルの大きさと出力電圧ベクトルの大きさとの差
をもとにして算出した磁束補正値と、磁束方向電流指令
値と磁束方向電流実際値との差から算出した永久磁石磁
束補正値とを用いて磁束方向電流指令値、トルク電流指
令値、電圧ベクトル指令値を補正することによって電動
機出力トルクをトルク指令値に正確に追従させる。
【0067】請求項17の発明は、永久磁石同期電動機
を制御対象として、出力電圧の大きさと周波数及び位相
の制御が可能な電力変換装置を介して前記永久磁石同期
電動機に供給される一次電流を前記永久磁石同期電動機
の磁束と平行な方向の成分(磁束方向電流)とこれに直
交する方向の成分(トルク電流)とに分離し、各々を独
立に制御する交流電動機のベクトル制御装置において、
磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指令
値とトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値とを入
力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する
方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令
値演算手段と、前記電圧指令値演算手段からの磁束方向
成分電圧指令値とトルク方向成分電圧指令値とを入力と
し、電圧ベクトルの大きさと前記磁束方向に対する電圧
ベクトルの角度とを算出する極座標変換手段と、前記電
力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベクトル
の大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトル
の大きさと前記電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段か
らの電圧ベクトルの大きさの指令値と、電圧固定指令と
を入力とし、前記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベ
クトルの大きさを算出する電圧固定手段と、前記電圧固
定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変
換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装
置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、前
記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指令
値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束補正値
を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力とし
て与える磁束補正値演算手段と、前記極座標変換手段か
らの電圧ベクトルの大きさと前記電圧固定手段からの新
たな電圧ベクトルの大きさとを入力とし、前記永久磁石
磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段
と前記電圧指令値演算手段とに入力として与える永久磁
石磁束補正値演算手段と、前記ベクトル制御指令値演算
手段からのトルク電流指令値と、トルク電流実際値とを
入力とし、前記トルク電流実際値が前記トルク電流指令
値に追従するようなトルク角補正値を算出するトルク電
流制御手段と、前記極座標変換手段からの電圧ベクトル
の角度、前記トルク電流制御手段からのトルク角補正値
及び前記永久磁石同期電動機の回転子位相角の和である
電力変換装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段
からの変調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力の
パルス幅変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発
生手段とを備えたものである。
【0068】この請求項17の発明では、磁束指令値、
トルク指令値から算出した磁束方向電流指令値、トルク
電流指令値をもとにして電圧ベクトル指令値を算出し、
この電圧ベクトル指令値をもとにして永久磁石同期電動
機の電圧フィードフォワード制御を行うことによって電
動機の回転数が高い領域でも電動機制御を安定させる。
【0069】またトルク電流指令値とトルク電流実際値
との差をもとにして算出したトルク角補正値によって電
力変換装置の出力電圧位相角を補正し、さらに磁束方向
電流指令値と磁束方向電流実際値との差をもとにして算
出した磁束補正値と、電圧指令値ベクトルの大きさと出
力電圧ベクトルの大きさとの差をもとにして算出した永
久磁石磁束補正値とを用いて磁束方向電流指令値、トル
ク電流指令値、電圧ベクトル指令値を補正することによ
って電動機出力トルクをトルク指令値に正確に追従させ
る。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。
【0071】<実施の形態1> 図1は本発明の交流電動機のベクトル制御装置の実施の
形態1を示している。この実施の形態1の交流電動機の
ベクトル制御装置201は、電力変換装置(以下、イン
バータと称する)として相電圧が3レベル出力の3相出
力パルス幅変調(PWM)方式インバータのベクトル制
御を行うことによって3相交流誘導電動機の駆動制御す
るもので、ベクトル制御指令値演算手段1、電圧指令値
演算手段2、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ
指令値演算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段
6、PWM電圧発生手段7、すべり角周波数積分手段8
及び磁束補正値演算手段9から構成されている。
【0072】ベクトル制御指令値演算手段1は、外部か
ら入力されるトルク指令値TqRefと、外部から入力され
る磁束指令値ΦRefと磁束補正値演算手段9が後述する
演算処理に基づいて出力する磁束補正値ΔΦとの差とを
用いて、次の数13式の演算によって磁化電流指令値Id
Ref、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値ω
sRefを出力する。
【0073】
【数13】 ただし、M:電動機の相互インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス R2:電動機の二次抵抗
【0074】電圧指令値演算手段2は、ベクトル制御指
令値演算手段1から出力される磁化電流指令値IdRefと
トルク電流指令値IqRefを入力として、次の数14式の
演算によって磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸電圧指
令値VqRefを出力する。
【0075】
【数14】 ただし、R1:電動機の一次抵抗 R2:電動機の二次抵抗 L1:電動機の一次インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス ω1 :インバータ出力電圧角周波数 ωr :電動機回転子角周波数 極座標変換手段3は、電圧指令値演算手段2から出力さ
れる磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸電圧指令値VqRef
を入力として、次の数15式に基づく演算により、電圧
ベクトルの大きさ|V|と電圧ベクトルの磁束軸に対する
角度δを出力する。
【0076】
【数15】 電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段4は、インバータ
の直流リンク電圧Vdcを入力として電圧固定モードでの
電圧ベクトルの大きさの指令値|V|Refを出力する。例え
ば、|V|Refがインバータの最大出力電圧の場合は次の数
16式で表される。
【0077】
【数16】 電圧固定手段5は、極座標変換手段3の出力である電圧
ベクトルの大きさ|V|と、電圧ベクトルの大きさ指令値
演算手段4の出力である電圧ベクトルの大きさの指令値
|V|Refを入力として、電圧固定指令Vfixに従って新たな
電圧ベクトルの大きさ|V|fixを出力する。
【0078】ここで、電圧固定指令Vfixは、外部から与
えられる指令であり、インバータ出力電圧、したがって
電動機回転数に応じて次のように与えられる。 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定するとき:Vfix=1 (インバータ出力電圧が最大電圧に達し、インバータ周
波数が増加しても出力電圧が一定、したがって電動機回
転数も一定の場合) インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定しないとき:Vfix=0 (インバータ出力電圧が最大電圧に達するまでの間で、
インバータ周波数に出力電圧が比例し、したがって電動
機回転数も比例する場合)の値をとる。そして、電圧固
定手段5は、この電圧固定指令Vfixの値に従って、 電圧固定指令Vfix=1のとき:|V|fix=|V|Ref 電圧固定指令Vfix=0のとき:|V|fix=|V|(入力をそのまま出力する) の形の出力を行う。
【0079】すべり角周波数積分手段8は、ベクトル制
御指令値演算手段1から出力されたすべり角周波数指令
値ωsRefを入力として、入力の積分値をすべり周波数位
相角θsとして出力する。すなわち、次の数17式の演
算を行ってすべり周波数位相角θsを出力するのであ
る。
【0080】
【数17】 ただし、s:微分演算子 次に、変調率演算手段6は、電圧固定手段5から出力さ
れる電圧ベクトルの大きさ|V|fixと、インバータ直流リ
ンク電圧Vdcを入力として、次の数18式の演算によっ
てインバータ出力電圧の変調率αを出力する。
【0081】
【数18】 PWM電圧発生手段7においては、すべり角周波数積分
手段8から出力されるすべり周波数位相角θs、極座標
変換手段3から出力される電圧ベクトルの角度δ及び電
動機回転子位相角θrの和であるインバータ出力電圧位
相角θ1と、変調率演算手段6から出力される変調率α
とを入力として、次の数20式の演算によってU,V,
W3相のPWM電圧指令VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力す
る。
【0082】ただし、数20式におけるU,V,W各相
の出力電圧位相角θu,θv,θwは、インバータ出力電圧
位相角θ1を用いて次の数19式の演算に基づいて得た
ものである。
【0083】
【数19】 またインバータ出力相電圧は、例えば、図2に示す1周
期当り正負1つずつのパルスを有する3レベル出力のP
WM波形であり、各相の出力電圧位相角θu,θv,θwを
用いて次の数20式の演算によってU相、V相、W相そ
れぞれのPWM電圧指令を出力する。そしてこのPWM
電圧指令に基づいて、インバータは出力電圧の制御を行
うのである。
【0084】
【数20】 θa=arccos(α)として、 U相の場合: θa>θu≧0のとき: VuPWM=0 (π−θa)>θu≧θaのとき: VuPWM=Vdc/2 (π+θa)>θu≧(π−θa)のとき: VuPWM=0 (2π−θa)>θu≧(π+θa)のとき: VuPWM=−Vdc/2 2π>θu≧(2π−θa)のとき: VuPWM=0 V相の場合: θa>θv≧0のとき: VvPWM=0 (π−θa)>θv≧θaのとき: VvPWM=Vdc/2 (π+θa)>θv≧(π−θa)のとき: VvPWM=0 (2π−θa)>θv≧(π+θa)のとき: VvPWM=−Vdc/2 2π>θv≧(2π−θa)のとき: VvPWM=0 W相の場合: θa>θw≧0のとき: VwPWM=0 (π−θa)>θw≧θaのとき: VwPWM=Vdc/2 (π+θa)>θw≧(π−θa)のとき: VwPWM=0 (2π−θa)>θw≧(π+θa)のとき: VwPWM=−Vdc/2 2π>θw≧(2π−θa)のとき: VwPWM=0 さて磁束補正値演算手段9は、ベクトル制御指令値演算
手段1の出力である磁化電流指令値IdRefと、磁化電流
実際値Idの差を入力とし、数21式に基づく比例積分制
御により磁束補正値ΔΦを出力する。そしてこの磁束補
正値ΔΦによってベクトル制御指令値演算手段1は磁化
電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正して電
動機出力トルクをトルク指令値TqRefに追従させるので
ある。
【0085】
【数21】 このようにして、この実施の形態1の交流電動機のベク
トル制御装置201によれば、磁束指令値ΦRef、トル
ク指令値TqRefから算出した磁化電流指令値IdRef、トル
ク電流指令値IqRefをもとにして電圧ベクトル指令値VdR
ef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁束方向に対
する角度をインバータの出力電圧位相角θ1にフィード
フォワードで加えることによって出力電流の応答速度を
速めることができる。
【0086】また磁化電流指令値IdRefと磁化電流実際
値Idとの差から算出した磁束補正値ΔΦを用いて磁化電
流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正すること
によって、電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正
確に追従させることができる。
【0087】なお、この実施の形態1の交流電動機のベ
クトル制御装置において、磁束補正値演算手段9を図3
に示す構成の磁束補正値演算手段9−1に変更すること
ができる。この図3に示す磁束補正値演算手段9−1
は、一次遅れフィルタ演算手段91と、積分演算手段9
2とで構成され、磁化電流実際値Idを一次遅れフィルタ
演算手段91に入力し、その出力とベクトル制御指令値
演算手段1の出力である磁化電流指令値IdRefとの差ΔI
dを積分演算手段92に入力し、さらにその出力に電動
機の相互インダクタンスMを乗じた値を磁束補正値ΔΦ
として出力する。ここで、一次遅れフィルタ演算手段9
1の一次遅れ時定数Tと積分演算手段92の積分ゲイン
Giは次の数22式によって表される。
【0088】
【数22】 ただし、Ti:積分ゲインの時定数 R2:電動機の二次抵抗 L2:電動機の二次インダクタンス 電動機制御系において、電流の変動に対して磁束の追従
は一次遅れであるため、電流偏差を見て磁束を制御する
場合には一次遅れの補正をしてやる必要がある。ところ
が、この磁束補正値演算手段9−1における積分演算手
段92には時定数Tiがあり、制御ループには一次遅れの
時定数L2/R2がある。そこで、一次遅れフィルタ演算手
段91の一次遅れ時定数Tをこの数22式のように設定
することによって、制御ループの遅れに対して後の積分
による遅れTi分を前段の一次遅れフィルタ演算手段91
において早めておき、磁束補正値演算手段9−1の全体
として一次遅れになるようにしているのである。この構
成によって、ベクトル制御指令値演算手段1に入力され
る磁束指令値ΦRefとΔΦとの差(ΦRef−ΔΦ)は制御
の対象である誘導電動機の実際の二次磁束の値、及びそ
の変化と一致する。このため、電動機の出力トルクをト
ルク指令値TqRefに容易に追従させることができる。
【0089】<実施の形態2> 次に、本発明の実施の形態2について、図4に基づいて
説明する。この実施の形態2の交流電動機のベクトル制
御装置は、図1に示したベクトル制御装置に対してさら
に、トルク電流演算手段10を新たに付加した点を特徴
とし、その他の構成は図1に示した実施の形態1のもの
と共通する。
【0090】トルク電流制御手段10は、ベクトル制御
指令値演算手段1から出力されるトルク電流指令値IqRe
fとトルク電流実際値Iqとの差を入力として、この値に
ゲインG(s)を乗じた値をすべり周波数位相角補正値Δθ
sとして出力する。つまり、次の数23式を実行して、
すべり角周波数積分手段8からの出力であるすべり周波
数位相角θsに加えるのである。
【0091】
【数23】Δθs=G(s)・(IqRef−Iq) ただし、s:微分演算子 したがって、PWM電圧発生手段7は、すべり角周波数
積分手段8から出力されるすべり周波数位相角θs、ト
ルク電流制御手段10から出力されるすべり周波数位相
角補正値Δθs、極座標変換手段3から出力される電圧
ベクトルの角度δ及び電動機回転子位相角θrの和とし
て与えられるインバータ出力電圧位相角θ1と、変調率
演算手段6から出力される変調率αとを入力とし、上記
数19式、数20式の演算によってU,V,W3相のP
WM電圧指令VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力することにな
る。
【0092】この実施の形態2の交流電動機のベクトル
制御装置202によれば、磁束指令値ΦRef、トルク指
令値TqRefから算出した磁化電流指令値IdRef、トルク電
流指令値IqRefをもとにして電圧ベクトル指令値VdRef,V
qRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁束方向に対する
角度をインバータの出力電圧位相角θ1にフィードフォ
ワードで加えることによって出力電流の応答速度を速め
ることができる。
【0093】また磁化電流指令値IdRefと磁化電流実際
値Idとの差から算出した磁束補正値ΔΦを用いて磁化電
流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、さら
にトルク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差
から算出したすべり周波数位相角補正値Δθsによって
インバータ出力電圧位相角θ1を補正することによっ
て、電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追
従させることができる。
【0094】<実施の形態3> 次に、本発明の実施の形態3の交流電動機のベクトル制
御装置203について、図5に基づいて説明する。この
実施の形態3の交流電動機のベクトル制御装置203
は、実施の形態1と同様に、相電圧が3レベル出力の3
相出力PWM方式インバータのベクトル制御を行うこと
によって3相交流誘導電動機の駆動制御するもので、ベ
クトル制御指令値演算手段1、電圧指令値演算手段2、
極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手
段4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、PWM電圧
発生手段7、すべり角周波数積分手段8、磁束補正値演
算手段9−2、トルク電流制御手段10−1、重み係数
演算手段11、d軸電流制御手段12及びq軸電流制御
手段13から構成されている。本実施の形態では重み係
数K1,K2を導入することを特徴とするが、これは次の理
由による。可変電圧制御は、電圧指令値演算手段2から
出力されるd軸電圧指令VdRef、q軸電圧指令VqRefに誤
差が多く含まれやすい低速運転領域にて、過電流による
保護動作や電流不足による加速不良を防止するために用
いる。低速運転領域にて電圧指令に誤差が多く含まれや
すいのは、インバータ出力電圧角周波数ω1が小さい運
転領域のため温度によって大きく変化する抵抗電圧降下
分の影響が相対的に大きくなるためである。このこと
は、誘導電動機の速度センサレス制御が低速で不安定に
なる理由として周知である。そして、この可変電圧制御
では、速度が高くなっても電動機電圧が大きくなり、イ
ンバータ出力最大電圧を少しでも超えると、制御不安定
になってしまうため、限界出力電圧をインバータ出力最
大電圧の例えば90%程度に設定し、それを超えた場合
には電動機電圧が低くなるように磁束指令(または磁束
電流指令値)を低下させる。一方、一定電圧制御は、電
圧指令値演算手段2から出力されるd軸電圧指令VdRe
f、q軸電圧指令VqRefで電圧ベクトル振幅・位相を決定
し、電圧ベクトル位相をq軸電流の指令とフィードバッ
ク値とが合うようにすべり周波数を補正する制御を行
う。電流フィードバック制御の結果が電圧振幅に反映さ
れないので速度が高くなって電動機電圧が大きくなりイ
ンバータ出力最大電圧を超えたとしても、制御が不安定
になることがなく、したがって、インバータ出力最大電
圧を100%出力することが可能である。そこで、これ
らの可変電圧制御と一定電圧制御のそれぞれの利点を活
かすために、速度に応じて両制御を切り換えるが、速度
条件で瞬時に両制御モードを切り換えると制御過渡変動
により出力トルクの急変や脈動などの問題が発生してし
まう。これを回避するために、重み係数K1,K2を導入
し、両制御が徐々に切り替わるようにするのである。
【0095】本実施の形態の特徴をなす重み係数演算手
段11は、図6に示すように絶対値演算手段111と制
御モード切替判別手段112と変化率リミット部113
とで構成される。制御モード切替判別手段112は、イ
ンバータ出力電圧角周波数ω1の絶対値|ω1|を入力と
して、次の条件判別により制御モードCmodeを出力す
る。
【0096】 それまでがCmode=1のとき:|ω1|≧ωCHG2ならば、Cmode=0 |ω1|<ωCHG2ならば、Cmode=1 それまでがCmode=0のとき:|ω1|≧ωCHG1ならば、Cmode=0 |ω1|<ωCHG1ならば、Cmode=1 ただし、ωCHG2≧ωCHG1 つまり、図6より明らかなように、インバータ出力電圧
角周波数ω1が小さく、|ω1|<ωCHG1の状態であれば
必ずCmode=1であり、インバータ出力電圧角周波数ω
1が大きくて|ω1|>ωCHG2であれば必ずCmode=0に
設定されるが、角周波数ω1がωCHG1〜ωCHG2の近辺で
変動する場合にCmodeが0,1の切り替わりが頻繁に発
生しないようにヒシテリシステムを設定しているのであ
る。変化率リミット部113は制御モード切替判別手段
112から出力される制御モードCmodeを入力とし、こ
の制御モードCmodeの値に応じて上昇、下降速度に制限
を与えた値を重み係数K1として出力する。
【0097】制御モードCmodeがタイミングt=0にお
いて1から0に変化した場合を例にして説明すると、変
化率の制限値をaとするとき、重み係数K1は次のように
変化する。
【0098】 t<0のとき: K1=0 1/a≧t>0のとき:K1=a×t t≧1/aのとき: K1=1 また制御モードCmodeがタイミングt=0で0から1に
変化した場合には、重み係数K1は次のように変化する。
【0099】 t<0のとき: K1=1 1/a≧t>0のとき:K1=1−a×t t≧1/aのとき: K1=0 そしてこれらの各場合の重み係数K1に対して、もう一つ
の重み係数K2は、 K2=1−K1 として出力される。
【0100】d軸電流制御手段12は、ベクトル制御指
令値演算手段1から出力される磁化電流指令値IdRefか
ら磁化電流実際値Idを差引いた値に、重み係数演算手段
11から出力される重み係数K1を乗じた値を入力とし、
次の数24式で表される比例積分制御によって磁束軸電
圧補正値ΔVdを出力する。
【0101】
【数24】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン このd軸電流制御手段12で算出された磁束軸電圧補正
値ΔVdは電圧指令値演算手段2から出力される磁束軸電
圧指令値VdRefに加算されて新たな磁束軸電圧指令値VdR
efとして極座標変換手段3に入力される。
【0102】q軸電流制御手段13は、ベクトル制御指
令値演算手段1から出力されるトルク電流指令値IqRef
からトルク電流実際値Iqを差引いた値に、重み係数演算
手段11から出力される重み係数K1を乗じた値を入力と
し、次の数25式で表される比例積分制御によってトル
ク軸電圧補正値ΔVqを出力する。
【0103】
【数25】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン このq軸電流制御手段13で算出されたトルク軸電圧補
正値ΔVqは電圧指令値演算手段2から出力されるトルク
軸電圧指令値VqRefに加算されて新たなトルク軸電圧指
令値VqRefとして極座標変換手段3に入力される。
【0104】トルク電流制御手段10−1は、ベクトル
制御指令値演算手段1から出力されるトルク電流指令値
IqRefからトルク電流実際値Iqを差引いた値に、重み係
数演算手段11から出力される上記の重み係数K2を乗じ
た値を入力とし、この値にゲインG(s)を乗じた値をすべ
り周波数位相角補正値Δθsとして出力する。つまり、
次の数26式を実行するのである。
【0105】
【数26】Δθs=G(s)・K2・(IqRef−Iq) ただし、s:微分演算子 こうして得られるすべり周波数位相角補正値Δθsは、
極座標変換手段3から出力される電圧ベクトルの角度δ
とすべり角周波数積分手段8から出力されるすべり周波
数位相角θsと電動機の回転子位相角θrとの和に加算さ
れて、インバータ出力電圧位相角θ1としてPWM電圧
発生手段7に入力される。
【0106】磁束補正値演算手段9−2は、ベクトル制
御指令値演算手段1の出力である磁化電流指令値IdRef
から磁化電流実際値Idを差引いた値に、重み係数演算手
段11から出力される重み係数K2を乗じた値を入力と
し、次の数27式で表される比例積分制御により磁束補
正値ΔΦを出力する。
【0107】
【数27】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン そしてベクトル制御指令値演算手段1は、この磁束補正
値演算手段9−2の出力する磁束補正値ΔΦによって磁
化電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正して
電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに追従させるの
である。
【0108】この実施の形態3の交流電動機のベクトル
制御装置203によれば、磁束指令値ΦRef、トルク指
令値TqRefから算出した磁化電流指令値IdRef、トルク電
流指令値IqRefをもとにして電圧ベクトル指令値VdRef,V
qRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁束方向に対する
角度をインバータの出力電圧位相角θ1にフィードフォ
ワードで加えることによって出力電流の応答速度を速め
ることができる。
【0109】また磁束補正値ΔΦを用いて磁化電流指令
値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、またすべり
周波数位相角補正値Δθsによってインバータ出力電圧
位相角θ1を補正し、さらには磁束軸電圧補正値ΔVd、
トルク軸電圧補正値ΔVqそれぞれを用いて電圧指令値演
算手段2から出力される磁束軸電圧指令値VdRefとトル
ク軸電圧指令値VqRefとを補正することによって、電動
機出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させる
ことができる。
【0110】<実施の形態4> 次に、本発明の実施の形態4の交流電動機のベクトル制
御装置204について、図7に基づいて説明する。この
実施の形態4の交流電動機のベクトル制御装置204
は、実施の形態1と同様に、相電圧が3レベル出力の3
相出力PWM方式インバータのベクトル制御を行うこと
によって3相交流誘導電動機の駆動制御するもので、ベ
クトル制御指令値演算手段1−1、電圧指令値演算手段
2−1、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、P
WM電圧発生手段7、すべり角周波数積分手段8、磁束
補正値演算手段9−3及び二次抵抗補正値演算手段14
を備えている。
【0111】ベクトル制御指令値演算手段1−1は、外
部から入力されるトルク指令値TqRefと、外部から入力
される磁束指令値ΦRefと磁束補正値演算手段9が後述
する演算処理に基づいて出力する磁束補正値ΔΦとの差
と、二次抵抗補正値演算手段14が後述する演算処理に
基づいて出力する二次抵抗補正値ΔR2とを用いて、次の
数28式の演算によって磁化電流指令値IdRef、トルク
電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値ωsRefを出力
する。
【0112】
【数28】 ただし、M:電動機の相互インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス R2:電動機の二次抵抗 電圧指令値演算手段2は、ベクトル制御指令値演算手段
1から出力される磁化電流指令値IdRefとトルク電流指
令値IqRefと、二次抵抗補正値演算手段14から出力さ
れる二次抵抗補正値ΔR2とを入力として、次の数29式
の演算によって磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸電圧
指令値VqRefを出力する。
【0113】
【数29】 ただし、R1:電動機の一次抵抗 R2:電動機の二次抵抗 L1:電動機の一次インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス ω1 :インバータ出力電圧角周波数 ωr :電動機回転子角周波数 磁束補正値演算手段9−3は図8に示すように、一次遅
れフィルタ演算手段91と、積分演算手段92とで構成
され、磁化電流実際値Idを一次遅れフィルタ演算手段9
1に入力し、この出力と、ベクトル制御指令値演算手段
1の出力である磁化電流指令値IdRefとの差ΔIdと、二
次抵抗補正値演算手段14からの二次抵抗補正値ΔR2と
を積分演算手段92に入力し、この積分演算手段92の
出力に電動機の相互インダクタンスMを乗じた値を磁束
補正値ΔΦとして出力する。ここで、一次遅れフィルタ
演算手段91の一次遅れ時定数Tと積分演算手段92の
積分ゲインGiは次の数30式によって表される。この採
用理由は、実施の形態1の場合と同様である。ただし、
第2式の右辺第1項の分母に二次抵抗補正値ΔR2を加え
ているのは、一次遅れフィルタの時定数Tをより厳密に
表すためである。
【0114】
【数30】 ただし、Ti:積分ゲインの時定数 R2:電動機の二次抵抗 L2:電動機の二次インダクタンス 二次抵抗補正値演算手段14は、ベクトル制御指令値演
算手段1−1から出力されるトルク電流指令値IqRefか
らトルク電流実際値Iqとの差と、トルク指令TqRefを入
力とし、次の数31式で表される比例積分制御により二
次抵抗補正値ΔR2を算出して、ベクトル制御指令値演算
手段1−1、電圧指令値演算手段2−1及び磁束補正値
演算手段9−3それぞれに出力する。
【0115】
【数31】 ただし、s:微分演算子 Grp:比例ゲイン Gri:積分ゲイン このような式により二次抵抗補正値を求める理由は次に
よる。二次抵抗実値に比べて数13式におけるR2の値が
小さいとトルク電流Iqが流れにくくなる。そこで|R2|
を強調するために、正側ではR2をより大きくし、負側で
はR2をより小さくするためにΔR2により補正するのであ
る。なお、その他の構成部分は図1に示した実施の形態
1と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0116】以上の構成によって、この実施の形態4に
よれば、磁束指令値ΦRefとトルク指令値TqRefから算出
した磁化電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefをも
とにして電圧ベクトル指令値VdRef,VqRefを算出し、電
圧ベクトル指令値の磁束方向に対する角度をインバータ
の出力電圧位相角θ1にフィードフォワードで加えるこ
とにより出力電流応答速度を速めることができる。
【0117】また磁化電流指令値IdRefと磁化電流実際
値Idとの差から求めた磁束補正値ΔΦを用いて磁化電流
指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、さらに
トルク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差及
びトルク指令値TqRefから求めた二次抵抗補正値ΔR2を
用いてすべり角周波数指令値ωsRef、電圧ベクトル指令
値VdRef,VqRef、さらには磁束補正値ΔΦを補正するこ
とによって電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正
確に追従させることができる。
【0118】<実施の形態5> 次に、本発明の実施の形態5の交流電動機のベクトル制
御装置を図9に基づいて説明する。この実施の形態5の
交流電動機のベクトル制御装置205は、ベクトル制御
指令値演算手段1−1、電圧指令値演算手段2−1、極
座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段
4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、PWM電圧発
生手段7、すべり角周波数積分手段8、磁束補正値演算
手段9−4、重み係数演算手段11、d軸電流制御手段
12、q軸電流制御手段13及び二次抵抗補正値演算手
段14−1から構成されている。
【0119】二次抵抗補正値演算手段14−1は、ベク
トル制御指令値演算手段1−1から出力されるトルク電
流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差に重み係数
演算手段11から出力される重み係数K2を乗じた値と、
q軸電流制御手段13の出力であるトルク軸電圧補正値
ΔVqと、トルク指令値TqRefとを入力とし、トルク指令
値TqRefと電圧指令値演算手段2−1の出力であるトル
ク軸電圧指令値VqRefとの条件判別により、次の数32
式で表わされる比例積分制御によって二次抵抗補正値Δ
R2を出力する。
【0120】
【数32】 ただし、s:微分演算子 Gr1p,Gr2p:比例ゲイン Gr1i,Gr2i:積分ゲイン この式の意味は次の通りである。この実施の形態の場
合、重み係数演算手段11の出力する重み係数を使用す
る。この重み係数K2はω1の値によって変化する。そこ
で重み係数演算手段11においてCmode=1の場合には
(この場合、K2=0)、IqがIqrefに正確に追従するの
で入力(Iq−IqRef)には偏差が出ないため、q軸制御
手段13の出力ΔVqによって二次抵抗補正値ΔR2(=Δ
R2-1)を求める。しかしながら、重み係数演算手段11
においてCmode=0の場合には(この場合、K2=1)、
実施の形態4と同様の手法で二次抵抗補正値ΔR2(=Δ
R2-2)を算出する。そしてヒシテリシステムが働いてい
る範囲ではK2=0〜1の値をとるので、ΔR2=Δ2-1+
ΔR2-2とするのである。磁束補正値演算手段9−4は図
10に示した構成であり、一次遅れフィルタ演算手段9
1と、積分演算手段92とで構成され、磁化電流実際値
Idを一次遅れフィルタ演算手段91に入力し、その出力
とベクトル制御指令値演算手段1−1の出力である磁化
電流指令値IdRefとの差ΔIdに重み係数K2を乗じた値と
を積分演算手段92に入力し、さらにその出力に電動機
の相互インダクタンスMを乗じた値を磁束補正値ΔΦと
して出力する。つまり、次の数33式に従う演算によっ
て磁束補正値ΔΦを算出するのである。ここで、一次遅
れフィルタ演算手段91の一次遅れ時定数Tと積分演算
手段92の積分ゲインGiは前述の数30式によって表さ
れる。また磁束補正値演算手段9−4を採用する理由
は、図3を用いて説明した実施の形態1の場合と同様で
ある。
【0121】
【数33】 ただし、s:微分演算子 M:電動機の相互インダクタンス ベクトル制御指令値演算手段1−1は、磁束指令値ΦRe
fと磁束補正値演算手段9−4の出力である磁束補正値
ΔΦとの差と、トルク指令値TqRefと、二次抵抗補正値
演算手段14−1の出力である二次抵抗補正値ΔR2とを
入力とし、前述の数28式によって磁化電流指令値IdRe
f、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値ωsR
efを算出する。
【0122】電圧指令値演算手段2−1は、ベクトル制
御指令値演算手段1−1からの磁化電流指令値IdRefと
トルク電流指令値IqRef及び二次抵抗補正値演算手段1
4−1からの二次抵抗補正値ΔR2を入力とし、前述の数
29式によって磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸電圧
指令値VqRefとを算出する。
【0123】なお、その他の構成部分、すなわち、極座
標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段
4、電圧固定手段5、変調率演算手段6及びPWM電圧
発生手段7は図1に示した実施の形態1と同様の構成で
あり、また重み係数演算手段11、d軸電流制御手段1
2及びq軸電流制御手段13は図5に示した実施の形態
3と同様の構成である。
【0124】したがって、重み係数演算手段11は、図
6に示すように絶対値演算手段111と制御モード切替
判別手段112と変化率リミット部113とで構成さ
れ、重み係数K1,K2を出力する。
【0125】d軸電流制御手段12は、ベクトル制御指
令値演算手段1から出力される磁化電流指令値IdRefか
ら磁化電流実際値Idを差引いた値に、重み係数演算手段
11から出力される重み係数K1を乗じた値を入力とし、
前述の数24式で表される比例積分制御によって磁束軸
電圧補正値ΔVdを出力し、この磁束軸電圧補正値ΔVdを
電圧指令値演算手段2−1から出力される磁束軸電圧指
令値VdRefに加算して新たな磁束軸電圧指令値VdRefとし
て極座標変換手段3に入力する。
【0126】またq軸電流制御手段13は、ベクトル制
御指令値演算手段1から出力されるトルク電流指令値Iq
Refからトルク電流実際値Iqを差引いた値に、重み係数
演算手段11から出力される重み係数K1を乗じた値を入
力とし、前述の数25式で表される比例積分制御によっ
てトルク軸電圧補正値ΔVqを出力し、このトルク軸電圧
補正値ΔVqを電圧指令値演算手段2−1から出力される
トルク軸電圧指令値VqRefに加算して新たなトルク軸電
圧指令値VqRefとして極座標変換手段3に入力する。
【0127】以上の構成により、この実施の形態5の交
流電動機のベクトル制御装置205では、磁束指令値Φ
Refとトルク指令値TqRefから算出した磁化電流指令値Id
Ref、トルク電流指令値IqRefをもとにして電圧ベクトル
指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁
束方向に対する角度をインバータの出力電圧位相角θ1
にフィードフォワードで加えることにより出力電流応答
速度を速めることができる。
【0128】また磁化電流指令値IdRefと磁化電流実際
値Idとの差から求めた磁束補正値ΔΦを用いて磁化電流
指令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとを補正し、トル
ク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差とトル
ク指令値TqRefとから求めた二次抵抗補正値ΔR2を用い
てすべり角周波数指令値ωsRef、電圧ベクトル指令値Vd
Ref,VqRef、磁束補正値ΔΦそれぞれを補正し、さらに
磁束軸電圧補正値ΔVdを用いて磁束軸電圧指令値VdRef
を補正すると共に、トルク軸電圧補正値ΔVqを用いてト
ルク軸電圧指令値VqRefを補正することによって電動機
出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させるこ
とができる。
【0129】<実施の形態6> 次に、本発明の実施の形態6の交流電動機のベクトル制
御装置を図11に基づいて説明する。この実施の形態6
の交流電動機のベクトル制御装置206は、ベクトル制
御指令値演算手段1−2、電圧指令値演算手段2、極座
標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段
4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、PWM電圧発
生手段7、すべり角周波数積分手段8及びこの実施の形
態6の特徴をなす磁束推定値演算手段15から構成され
ている。
【0130】磁束推定値演算手段15は内部を一次遅れ
フィルタで構成し、電動機の磁化電流実際値Idを入力と
し、次の数34式に基づく演算によって、一次遅れフィ
ルタの出力に電動機の相互インダクタンスMを乗じた値
を電動機の磁束推定値Φ_Hとして出力する。なお、一次
遅れをかける理由は、図3に示した実施の形態1の磁束
補正値演算手段9−1と同様であり、電流に対する磁束
の追従に一次遅れ特性があるためである。
【0131】
【数34】 ただし、R2:電動機の二次抵抗 L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス s:微分演算子 ベクトル制御指令値演算手段1−2は、磁束指令値ΦRe
fとトルク指令値TqRef、磁束推定値演算手段15からの
磁束推定値Φ_H及び電圧固定指令Vfixを入力とし、次の
数35式の演算によって磁化電流指令値IdRef、トルク
電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値ωsRefを出力
する。ここで、電圧固定指令Vfixは、次の値をとるもの
である。
【0132】 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定するとき:Vfix=1 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定しないとき:Vfix=0 そして、これらの電圧固定指令Vfixの値が0又は1かを
判別条件として、次の数35式に基づいて、磁化電流指
令値IdRef、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指
令値ωsRefを出力する。
【0133】
【数35】 ただし、M:電動機の相互インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス R2:電動機の二次抵抗 この数35式は、Vfix=0のときには磁束指令ΦRefに
一致した磁束実値が得られるが、Vfix=1のときには電
圧が固定されてしまい、磁束指令ΦRefに一致した磁束
実値が得られないため、磁束推定値Φ-Hを用いることを
意味している。なお、その他の構成部分は図1に示した
実施の形態1と同様の構成であり、その詳しい説明を省
略する。
【0134】以上の構成により、この実施の形態6の交
流電動機のベクトル制御装置206では、磁束指令値Φ
Refとトルク指令値TqRefとから算出した磁化電流指令値
IdRef及びトルク電流指令値IqRefをもとに電圧ベクトル
指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁
束方向に対する角度δをインバータの出力電圧位相角θ
1にフィードフォワードで加えることにより出力電流の
応答速度を速めることができる。
【0135】またインバータ出力電圧ベクトルの大きさ
を固定するモードでは、磁化電流実際値Idに基づいて算
出した磁束推定値Φ_Hを用いて磁化電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRef及びすべり角周波数指令値ωsRe
fを算出することにより、電動機出力トルクをトルク指
令値Tqrefに正確に追従させることができる。
【0136】<実施の形態7> 次に、本発明の実施の形態7の交流電動機のベクトル制
御装置を図12に基づいて説明する。この実施の形態7
の交流電動機のベクトル制御装置207は、図11に示
した実施の形態6の交流電動機のベクトル制御装置20
6において、さらにトルク電流制御手段10を付加した
ことを特徴するものであり、その他の構成部分は図11
に示した実施の形態6と同様である。
【0137】この実施の形態7の特徴をなすトルク電流
制御手段10は、ベクトル制御指令値演算手段1−2か
ら出力されるトルク電流指令値IqRefとトルク電流実際
値Iqとの差を入力とし、実施の形態2の場合と同様に数
23式に基づいてすべり周波数位相角補正値Δθs を算
出する。
【0138】そしてPWM電圧発生手段7は、変調率演
算手段6から出力される変調率αと、すべり角周波数積
分手段8から出力されるすべり周波数位相角θs と、ト
ルク電流制御手段10から出力される電圧ベクトルの角
度δと、電動機の回転子位相角θr との和をインバータ
出力電圧位相角θ1 として入力し、前述の数19,20
式に基づいてU,V,W3相のPWM電圧指令VvPWM,V
vPWM,VwPWMを出力する。
【0139】以上の構成により、この実施の形態7の交
流電動機のベクトル制御装置207では、磁束指令値Φ
Refとトルク指令値TqRefとから算出した磁化電流指令値
IdRef及びトルク電流指令値IqRefをもとに電圧ベクトル
指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁
束方向に対する角度δをインバータの出力電圧位相角θ
1にフィードフォワードで加えることにより出力電流の
応答速度を速めることができる。
【0140】またインバータ出力電圧ベクトルの大きさ
を固定するモードでは、磁化電流実際値Idに基づいて算
出した磁束推定値Φ_Hを用いて磁化電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRef及びすべり角周波数指令値ωsRe
fを算出し、さらにすべり周波数位相角補正値Δθsによ
ってインバータ出力電圧位相角θ1を補正することによ
り、電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追
従させることができる。
【0141】<実施の形態8> 次に、本発明の実施の形態8の交流電動機のベクトル制
御装置について、図13に基づいて説明する。この実施
の形態8の交流電動機のベクトル制御装置208は、ベ
クトル制御指令値演算手段1−3、電圧指令値演算手段
2−1、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令
値演算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、P
WM電圧発生手段7、すべり角周波数積分手段8、二次
抵抗補正値演算手段14及び磁束推定値演算手段15−
1から構成されている。
【0142】二次抵抗補正値演算手段14は図7に示し
た実施の形態4のものと同様で、ベクトル制御指令値演
算手段1−3から出力されトルク電流指令値IqRefから
トルク電流実際値Iqを差引いた値と、トルク指令値TqRe
fとを入力とし、前述の数31式で表わされる比例積分
制御によって二次抵抗補正値ΔR2を得て、ベクトル制御
指令値演算手段1−3、電圧指令値演算手段2−1及び
磁束推定値演算手段15−1に出力する。
【0143】磁束推定値演算手段15−1は内部を一次
遅れフィルタで構成し、電動機の磁化電流実際値Idと、
二次抵抗補正値演算手段14の出力である二次抵抗補正
値ΔR2とを入力とし、次の数36式に基づき、磁化電流
実際値Idを入力とした一次遅れフィルタの出力に電動機
の相互インダクタンスMを乗じた値を電動機の磁束推定
値Φ_Hとして出力する。
【0144】
【数36】 ただし、s:微分演算子 R2:電動機の二次抵抗 L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス なお、この数36式で、一次遅れフィルタの時定数Tを
L2/R2ではなく、L2/(R2+ΔR2)としたのは、この後者の
方がより厳密に一次遅れの時定数を表しているためであ
る。ベクトル制御指令値演算手段1−3は、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefと、二次抵抗補正値演算手段
14からの二次抵抗補正値ΔR2と、磁束推定値演算手段
15−1からの磁束推定値Φ_Hと、電圧固定指令Vfixと
を入力とし、次の数37式の演算によって磁化電流指令
値IdRef、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指令
値ωsRefを出力する。
【0145】ここでも、電圧固定指令Vfixは、次の値を
とる。
【0146】 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定するとき:Vfix=1 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定しないとき:Vfix=0 そして、これらの電圧固定指令Vfixの値が0又は1かを
判別条件として、次の数37式に基づいて、磁化電流指
令値IdRef、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指
令値ωsRefを出力する。
【0147】
【数37】 ただし、M:電動機の相互インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス R2:電動機の二次抵抗 なお、このようにVfixの値によりΦRefとΦ-Hとを区別
して用いる理由は、実施の形態6における数35式の場
合と同じである。さらに電圧指令値演算手段2−1は、
ベクトル制御指令値演算手段1−3からの磁化電流指令
値IdRefとトルク電流指令値IqRef及び二次抵抗補正値演
算手段14からの二次抵抗補正値ΔR2を入力とし、前述
の数29式に基づいて磁束軸電圧指令値VdRefとトルク
軸電圧指令値VqRefを算出する。
【0148】なお、その他の構成部分は図1に示した実
施の形態1と同様の構成であり、その詳しい説明を省略
する。
【0149】以上の構成により、この実施の形態8の交
流電動機のベクトル制御装置208では、磁束指令値Φ
Refとトルク指令値TqRefとから算出した磁化電流指令値
IdRef及びトルク電流指令値IqRefをもとに電圧ベクトル
指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁
束方向に対する角度δをインバータの出力電圧位相角θ
1にフィードフォワードで加えることにより出力電流の
応答速度を速めることができる。
【0150】また二次抵抗補正値ΔR2を用いて磁化電流
指令値IdRef、トルク電流指令値IqRef、電圧ベクトル指
令値VdRef,VqRefを補正し、さらにインバータ出力電圧
ベクトルの大きさを固定するモードでは、磁化電流実際
値Idと二次抵抗補正値ΔR2とに基づいて算出した磁束推
定値Φ_Hを用いて磁化電流指令値IdRef、トルク電流指
令値IqRef及びすべり角周波数指令値ωsRefを算出する
ことにより、電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに
正確に追従させることができる。
【0151】<実施の形態9> 次に、本発明の実施の形態9の交流電動機のベクトル制
御装置について、図14に基づいて説明する。この実施
の形態9の交流電動機のベクトル制御装置209は、ベ
クトル制御指令値演算手段1−2、電圧指令値演算手段
2、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演
算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、PWM
電圧発生手段7、すべり角周波数積分手段8及びこの実
施の形態9の特徴をなす磁束推定値演算手段15−2か
ら構成されている。
【0152】磁束推定値演算手段15−2はベクトル制
御指令値演算手段1−2から出力されるすべり角周波数
指令値ωsRefと、極座標変換手段3から出力される電圧
ベクトルの角度δと、電圧固定手段5から出力される電
圧ベクトルの大きさ|V|fixと、電動機回転子角周波数ω
r とを入力とし、次の数38式に従って磁化電流推定値
Id_Hとトルク電流推定値Iq_Hとを算出し、さらにこれら
の値から磁束推定値Φ_Hを算出してベクトル制御指令値
演算手段1−2に出力する。
【0153】
【数38】 ただし、R1:電動機の一次抵抗 R2:電動機の二次抵抗 L1:電動機の一次インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス s:微分演算子 この数38式の意味は、次の通りである。まず、(i)第
1式、第2式の右辺に適当な初期値、例えばΦ-H=Id-H
=Iq-H=0を代入して、各左辺のId-H,Iq-Hを最初に求
める。(ii)第3式において、(i)で求めたId-Hを代入し
てΦ-Hを求める。(iii)続いて、(i)で求めたId-H,Iq-H
と(ii)で求めたΦ-Hを第1式、第2式の右辺に代入し
て、各左辺のId-H,Iq-Hを求める。(iv)第3式におい
て、(iii)で求めたId-Hを代入してΦ-Hを求める。(v)次
に、(iii)で求めたId-H,Iq-Hと(iv)で求めたΦ-Hを第
1式、第2式の右辺に代入して、各左辺のId-H,Iq-Hを
求める。以降、(iv)のステップと(v)のステップを繰り
返すことにより、磁化電流推定値Id-Hとトルク電流推定
値Iq-Hとを算出し、さらにこれらの値から磁束推定値Φ
-Hを求める演算を繰り返し、ベクトル制御指令値演算手
段1−2に出力するのである。ここにおいて、磁化電流
推定値Id-H、トルク電流推定値Iq-Hを求める演算式は一
般的に誘導電動機の制御系のシミュレータに採用されて
いる計算式であり、したがって、数38式を用いて磁束
推定値Φ-Hを算出することは、誘導電動機制御系のシミ
ュレーションによって磁束推定値Φ-Hを厳密に求めてい
ることになる。ベクトル制御指令値演算手段1−2は、
図11に示した実施の形態6のベクトル制御装置206
の場合と同様に、磁束指令値ΦRefとトルク指令値TqRe
f、磁束推定値演算手段15−2からの磁束推定値Φ_H
及び電圧固定指令Vfixを入力とし、前述の数35式の演
算によって磁化電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqR
ef、すべり角周波数指令値ωsRefを出力する。
【0154】なお、その他の構成部分は図1に示した実
施の形態1と同様の構成であり、その詳しい説明を省略
する。
【0155】以上の構成により、この実施の形態9の交
流電動機のベクトル制御装置209では、磁束指令値Φ
Refとトルク指令値TqRefとから算出した磁化電流指令値
IdRef及びトルク電流指令値IqRefをもとに電圧ベクトル
指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の磁
束方向に対する角度δをインバータの出力電圧位相角θ
1にフィードフォワードで加えることにより出力電流の
応答速度を速めることができる。
【0156】またインバータ出力電圧ベクトルの大きさ
を固定するモードでは、数38式に基づく演算によって
得られた磁束推定値Φ_Hを用いて磁化電流指令値IdRe
f、トルク電流指令値IqRef及びすべり角周波数指令値ω
sRefを算出することにより、電動機出力トルクをトルク
指令値TqRefに正確に追従させることができる。
【0157】<実施の形態10> 次に、本発明の実施の形態10の交流電動機のベクトル
制御装置について、図15に基づいて詳説する。この実
施の形態10の交流電動機のベクトル制御装置210は
実施の形態8のベクトル制御装置208とほぼ同様の構
成であって、ベクトル制御指令値演算手段1−3、電圧
指令値演算手段2−1、極座標変換手段3、電圧ベクト
ルの大きさ指令値演算手段4、電圧固定手段5、変調率
演算手段6、PWM電圧発生手段7、すべり角周波数積
分手段8、二次抵抗補正値演算手段14及び磁束推定値
演算手段15−3から構成されている。
【0158】二次抵抗補正値演算手段14は図13に示
した実施の形態8のものと同様で、ベクトル制御指令値
演算手段1−3から出力されトルク電流指令値IqRefか
らトルク電流実際値Iqを差引いた値と、トルク指令値Tq
Refとを入力とし、前述の数31式で表わされる比例積
分制御によって二次抵抗補正値ΔR2を得て、ベクトル制
御指令値演算手段1−3、電圧指令値演算手段2−1及
び磁束推定値演算手段15−3に出力する。
【0159】この実施の形態10の特徴をなす磁束推定
値演算手段15−3は、図13に示した実施の形態8に
おける磁束推定値演算手段15−1と入力が異なってお
り、ベクトル制御指令値演算手段1−3から出力される
すべり角周波数指令値ωsRefと、極座標変換手段3から
出力される電圧ベクトルの角度δと、電圧固定手段5か
ら出力される電圧ベクトルの大きさ|V|fixと、電動機回
転子角周波数ωrと、二次抵抗補正値演算手段14から
出力される二次抵抗補正値ΔR2とを入力とし、次の数3
9式に基づき、磁化電流推定値Id_Hとトルク電流推定値
Iq_Hとを算出し、さらにこれらの値から磁束推定値Φ_H
を算出して出力する。なお、この演算式の意味は数38
式と同様であり、誘導電動機の制御系の厳密なシミュレ
ーションにより磁束推定値Φ-Hを求めるものである。
【0160】
【数39】 ただし、R1:電動機の一次抵抗 R2:電動機の二次抵抗 L1:電動機の一次インダクタンス L2:電動機の二次インダクタンス M:電動機の相互インダクタンス s:微分演算子 ベクトル制御指令値演算手段1−3は、磁束指令値ΦRe
fとトルク指令値TqRefと、二次抵抗補正値演算手段14
からの二次抵抗補正値ΔR2と、磁束推定値演算手段15
−3からの磁束推定値Φ_Hと、電圧固定指令Vfixとを入
力とし、前述の数37式の演算によって磁化電流指令値
IdRef、トルク電流指令値IqRef、すべり角周波数指令値
ωsRefを出力する。
【0161】さらに電圧指令値演算手段2−1は、ベク
トル制御指令値演算手段1−3からの磁化電流指令値Id
Refとトルク電流指令値IqRef、二次抵抗補正値演算手段
14からの二次抵抗補正値ΔR2を入力とし、前述の数2
9式に基づいて磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸電圧
指令値VqRefを算出する。
【0162】なお、その他の構成部分は図1に示した実
施の形態1と同様の構成であり、その詳しい説明を省略
する。
【0163】以上の構成により、この実施の形態10の
交流電動機のベクトル制御装置210では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefとから算出した磁化電流指令
値IdRef及びトルク電流指令値IqRefをもとに電圧ベクト
ル指令値VdRef,VqRefを算出し、電圧ベクトル指令値の
磁束方向に対する角度δをインバータの出力電圧位相角
θ1にフィードフォワードで加えることにより出力電流
の応答速度を速めることができる。
【0164】また二次抵抗補正値ΔR2を用いて磁化電流
指令値IdRef、トルク電流指令値IqRef、電圧ベクトル指
令値VdRef,VqRef及び磁束推定値Δ_Hを補正し、さらに
インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定するモード
では、数39式に基づいて算出した磁束推定値Φ_Hを用
いて磁化電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRef及び
すべり角周波数指令値ωsRefを算出することにより、電
動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させ
ることができる。
【0165】<実施の形態11> 次に、本発明の実施の形態11の交流電動機のベクトル
制御装置について、図16に基づいて説明する。この実
施の形態11の交流電動機のベクトル制御装置211
は、インバータとして相電圧が3レベル出力の3相出力
PWM方式インバータのベクトル制御を行うことによっ
て永久磁石同期電動機を駆動制御するもので、ベクトル
制御指令値演算手段1−4、電圧指令値演算手段2−
2、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大きさ指令値演
算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段6、PWM
電圧発生手段7及び磁束補正値演算手段9−5から構成
されている。
【0166】ベクトル制御指令値演算手段1−4は、磁
束指令値ΦRefと磁束補正値演算手段9−5から出力さ
れる磁束補正値ΔΦとの差と、トルク指令値TqRefとを
入力とし、次の数40式に基づく演算によって、磁束方
向電流指令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとを算出す
る。ここで永久磁石の磁束方向をd軸、磁束方向と直交
する方向をq軸とする。
【0167】
【数40】 ただし、Φf:永久磁石の磁束 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス 電圧指令値演算手段2−2は、ベクトル制御指令値演算
手段1−4から出力される磁束方向電流指令値IdRefと
トルク電流指令値IqRefとを入力とし、次の数41式に
基づく演算によって磁束軸電圧指令値VdRefとトルク軸
電圧指令値VqRefとを出力する。
【0168】
【数41】 VdRef=Rd・IdRef−ωr・Lq・IqRef VqRef=Rq・IqRef+ωr・(Ld・IdRef+Φf) ただし、Φf:永久磁石の磁束 ωr:電動機の回転子角周波数 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス Rd:電動機のd軸抵抗 Rq:電動機のq軸抵抗 磁束補正値演算手段9−5は、ベクトル制御指令値演算
手段1−4から出力される磁束方向電流指令値IdRefと
電動機の磁束方向電流実際値Idとの差を入力とし、次の
数42式の演算によって磁束補正値ΔΦを算出し、ベク
トル制御指令値演算手段1−4に与える。
【0169】
【数42】 ただし、T:一次遅れ時定数 この数42式では、磁束補正値ΔΦの算出は右辺の第2
項及び第3項のLd・(IdRef-Id)だけで行えるが、さらに
第1項の1/(1+s・T)の一次遅れ項を用いることによって
ノイズカットを行うことにより、補正値をより厳密化し
ている。PWM電圧発生手段7は、極座標変換手段3か
らの電圧ベクトルの角度δと電動機回転子位相角θrと
の和としてのインバータ出力電圧位相角θ1と、変調率
演算手段6からの変調率αとを入力とし、前述した数1
9,20式の演算によりU,V,W各相のインバータ出
力PWM電圧VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力する。
【0170】なお、その他の構成部分については、図1
に示した実施の形態1のものと同様であるので、その詳
しい説明を省略する。
【0171】以上の構成により、この実施の形態11の
交流電動機のベクトル制御装置211では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0172】また磁束方向電流指令値IdRefと磁束方向
電流実際値Idとの差から算出した磁束補正値ΔΦを用い
て磁束方向電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを
補正することにより電動機出力トルクをトルク指令値Tq
Refに正確に追従させることができる。
【0173】<実施の形態12> 次に、本発明の実施の形態12の交流電動機のベクトル
制御装置について、図17に基づいて説明する。この実
施の形態12の交流電動機のベクトル制御装置212
は、実施の形態11のベクトル制御装置211に対し
て、さらにトルク電流制御手段10−2を付加した構成
である。したがって、その他の構成部分については実施
の形態11と共通する。
【0174】この実施の形態12において付加されたト
ルク電流制御手段10−2は、ベクトル制御指令値演算
手段1−4から出力されるトルク電流指令値IqRefとト
ルク電流実際値Iqとの差を入力とし、次の数43式で表
わされる比例積分制御によってトルク角補正値Δθを求
め、これを電動機回転子位相角θrに加算する形で出力
する。
【0175】
【数43】 ただし、s:微分演算子 Gtp:比例ゲイン Gti:積分ゲイン PWM電圧発生手段7は、極座標変換手段3からの出力
である電圧ベクトルの角度δとトルク電流制御手段10
−2からの出力であるトルク角補正値Δθと外部からの
電動機回転子位相角θrとの和としてのインバータ出力
電圧位相角θ1と、変調率演算手段6からの出力である
変調率αとを入力とし、前述の数19,20式に基づい
てU,V,W各相のインバータ出力PWM電圧VuPWM,V
vPWM,VwPWMを出力する。
【0176】以上の構成により、この実施の形態12の
交流電動機のベクトル制御装置212では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0177】また磁束補正値ΔΦを用いて磁束方向電流
指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、さらに
トルク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差か
ら算出したトルク角補正値Δθによってインバータ出力
電圧位相角θ1を補正することにより電動機出力トルク
をトルク指令値TqRefに正確に追従させることができ
る。
【0178】<実施の形態13> 次に、本発明の実施の形態13の交流電動機のベクトル
制御装置について、図18に基づいて説明する。この実
施の形態13の交流電動機のベクトル制御装置213
は、相電圧が3レベル出力の3相出力PWM方式インバ
ータのベクトル制御を行うことによって永久磁石同期電
動機を駆動制御するもので、ベクトル制御指令値演算手
段1−5、電圧指令値演算手段2−3、極座標変換手段
3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段4、電圧固定
手段5、変調率演算手段6、PWM電圧発生手段7、磁
束補正値演算手段9−5及び永久磁石磁束補正値演算手
段16から構成されている。
【0179】この実施の形態13の特徴をなす永久磁石
磁束補正値演算手段16は、ベクトル制御指令値演算手
段1−5から出力されるトルク電流指令値IqRefとトル
ク電流実際値Iqとの差と、トルク指令値TqRefとを入力
として、次の数44式で表わされる比例積分制御によっ
て永久磁石磁束補正値ΔΦfを出力する。
【0180】
【数44】 ただし、s:微分演算子 Gfp:比例ゲイン Gfi:積分ゲイン この数44式の意味は、永久磁石の磁束がずれるとトル
ク電流に偏差が現れるので、永久磁石補正値をトルク電
流の偏差に基づいて算出するが、このトルク電流の偏差
の出方が弱まるようにトルク指令の正負により永久磁石
磁束の補正方向を異ならせているのである。ベクトル制
御指令値演算手段1−5は、磁束指令値ΦRefと磁束補
正値演算手段9−5から出力される磁束補正値ΔΦとの
差と、トルク指令値TqRefと、永久磁石磁束補正値演算
手段16の出力である永久磁石磁束補正値ΔΦfとを入
力とし、次の数45式に基づく演算によって、磁束方向
電流指令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとを算出す
る。ここでも永久磁石の磁束方向をd軸、磁束方向と直
交する方向をq軸とする。
【0181】
【数45】 ただし、Φf:永久磁石の磁束 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス 電圧指令値演算手段2−3は、ベクトル制御指令値演算
手段1−5から出力される磁束方向電流指令値IdRefと
トルク電流指令値IqRef及び永久磁石磁束補正値演算手
段16からの出力である永久磁石磁束補正値ΔΦfを入
力とし、次の数46式に基づく演算によって磁束軸電圧
指令値VdRefとトルク軸電圧指令値VqRefとを出力する。
【0182】
【数46】 VdRef=Rd・IdRef−ωr・Lq・IqRef VqRef=Rq・IqRef+ωr・(Ld・IdRef+Φf+ΔΦf) ただし、Φf:永久磁石の磁束 ωr:電動機の回転子角周波数 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス Rd:電動機のd軸抵抗 Rq:電動機のq軸抵抗 なお、その他の構成部分については、図16に示した実
施の形態11のものと同様であるので、その詳しい説明
を省略する。
【0183】以上の構成により、この実施の形態13の
交流電動機のベクトル制御装置213では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0184】また磁束補正値ΔΦを用いて磁束方向電流
指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、またト
ルク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差から
算出した永久磁石磁束補正値ΔΦfによってトルク電流
指令値IqRef、電圧ベクトル指令値VdRef,VqRefを補正
することにより電動機出力トルクをトルク指令値TqRef
に正確に追従させることができる。
【0185】<実施の形態14> 次に、本発明の実施の形態14の交流電動機のベクトル
制御装置について、図19に基づいて説明する。この実
施の形態14の交流電動機のベクトル制御装置214
は、相電圧が3レベル出力の3相出力PWM方式インバ
ータのベクトル制御を行うことによって永久磁石同期電
動機を駆動制御するもので、ベクトル制御指令値演算手
段1−6、電圧指令値演算手段2−2、極座標変換手段
3、電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段4、電圧固定
手段5、変調率演算手段6、PWM電圧発生手段7及び
磁束推定値演算手段15−4から構成されている。
【0186】磁束推定値演算手段15−4は、磁束方向
電流実際値Idを入力とし、次の数47式によって磁束推
定値Φ_Hを出力する。
【0187】
【数47】Φ_H=Ld・Id+Φf ただし、Ld:電動機のd軸インダクタンス Φf:永久磁石の磁束 ベクトル制御指令値演算手段1−6は、磁束指令値ΦRe
fと磁束推定値演算手段15−4の出力である磁束推定
値Φ_Hとトルク指令値TqRefと電圧固定指令Vfixとを入
力とし、次の数48式の演算によって磁束方向電流指令
値IdRefとトルク電流指令値IqRefとを出力する。ここで
電圧固定指令Vfixは、 インバータ出力電圧ベクトルの大きさを固定するとき:Vfix=1 インバータ出力電圧ベクトルの大きさのを固定しないとき:Vfix=0 の値をとる。
【0188】
【数48】 ただし、Φf:永久磁石の磁束 Ld:電動機のd軸インダクタンス Lq:電動機のq軸インダクタンス なお、その他の構成部分については、図16に示した実
施の形態11のものと同様であるので、その詳しい説明
を省略する。
【0189】以上の構成により、この実施の形態14の
交流電動機のベクトル制御装置214では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0190】またインバータ出力電圧ベクトルの大きさ
を固定するモードでは、磁束方向電流実際値から算出し
た磁束推定値Φ_Hを用いて磁束方向電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRefを算出することにより電動機出
力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させること
ができる。
【0191】<実施の形態15> 次に、本発明の実施の形態15の交流電動機のベクトル
制御装置について、図20に基づいて説明する。この実
施の形態15の交流電動機のベクトル制御装置215
は、図19に示した実施の形態14のベクトル制御装置
214に対して、さらにトルク電流制御手段10−2を
付加した構成である。したがって、その他の構成部分に
ついては実施の形態14と共通する。
【0192】この実施の形態15において付加されたト
ルク電流制御手段10−2は、ベクトル制御指令値演算
手段1−4から出力されるトルク電流指令値IqRefとト
ルク電流実際値Iqとの差を入力とし、前述の数43式で
表わされる比例積分制御によってトルク角補正値Δθを
求め、これを電動機回転子位相角θrに加算する形で出
力する。
【0193】PWM電圧発生手段7は、極座標変換手段
3からの出力である電圧ベクトルの角度δとトルク電流
制御手段10−2からの出力であるトルク角補正値Δθ
と外部からの電動機回転子位相角θrとの和としてのイ
ンバータ出力電圧位相角θ1と、変調率演算手段6から
の出力である変調率αとを入力とし、前述の数19,2
0式に基づいてU,V,W各相のインバータ出力PWM
電圧VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力する。
【0194】以上の構成により、この実施の形態15の
交流電動機のベクトル制御装置215では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0195】またインバータ出力電圧ベクトルの大きさ
を固定するモードでは、磁束補正値ΔΦを用いて磁束方
向電流指令値IdRef、トルク電流指令値IqRefを補正し、
さらにトルク電流指令値IqRefとトルク電流実際値Iqと
の差から算出したトルク角補正値Δθによってインバー
タ出力電圧位相角θ1を補正することにより電動機出力
トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させることが
できる。
【0196】<実施の形態16> 次に、本発明の実施の形態16の交流電動機のベクトル
制御装置について、図21に基づいて詳説する。この実
施の形態16の交流電動機のベクトル制御装置216
は、永久磁石同期電動機を制御対象とするベクトル制御
装置であって、ベクトル制御指令値演算手段1−5、電
圧指令値演算手段2−3、極座標変換手段3、電圧ベク
トルの大きさ指令値演算手段4、電圧固定手段5、変調
率演算手段6、PWM電圧発生手段7、磁束補正値演算
手段9−6、トルク電流制御手段10−2及び永久磁石
磁束補正値演算手段16−1から構成されている。
【0197】磁束補正値演算手段9−6は、極座標変換
手段3から出力される電圧ベクトルの大きさ|V|と、電
圧固定手段5から出力される新たな電圧ベクトルの大き
さ|V|fixとを入力とし、次の数49式で表わされる比例
積分制御によって磁束補正値ΔΦを求めてベクトル制御
指令値演算手段1−5に与える。
【0198】
【数49】 ただし、s:微分演算子 Gp:比例ゲイン Gi:積分ゲイン 永久磁石磁束補正手段16−1は、ベクトル制御指令値
演算手段1−5から出力される磁束方向電流指令値IdRe
fと磁束方向電流実際値Idとの差を入力とし、次の数5
0式で表わされる比例積分制御によって永久磁石磁束補
正値ΔΦfを求めてベクトル制御指令値演算手段1−5
と電圧指令値演算手段2−3に与える。
【0199】
【数50】 ただし、s:微分演算子 Gfp:比例ゲイン Gfi:積分ゲイン ベクトル制御指令値演算手段1−5は、磁束指令値ΦRe
fと磁束補正値演算手段9−6からの磁束補正値ΔΦと
永久磁石磁束補正値演算手段16−1からの永久磁石磁
束補正値ΔΦfとトルク指令値TqRefとを入力とし、前述
の数45式に基づく演算によって磁束方向電流指令値Id
Refとトルク電流指令値IqRefとを出力する。
【0200】電圧指令値演算手段2−3は、ベクトル制
御指令値演算手段1−5からの磁束方向電流指令値IdRe
fとトルク電流指令値IqRef、及び永久磁石磁束補正値演
算手段16−1からの永久磁石磁束補正値ΔΦfを入力
とし、前述の数46式に基づく演算によって磁束軸電圧
指令値VdRefとトルク軸電圧指令値VqRefとを出力する。
【0201】トルク電流制御手段10−2は、ベクトル
制御指令値演算手段1−5から出力されるトルク電流指
令値IqRefとトルク電流実際値Iqとの差を入力とし、前
述の数43式で表わされる比例積分制御によってトルク
角補正値Δθを求め、電動機回転子位相角θrに加算す
る形で出力する。
【0202】PWM電圧発生手段7は、極座標変換手段
3からの電圧ベクトルの角度δとトルク電流制御手段1
0−2からのトルク角補正値Δθと電動機回転子位相角
θrとの和であるインバータ出力電圧位相角θ1と、変調
率演算手段6からの変調率αとを入力とし、前述の数1
9,20式に基づく演算によってU,V,W各相のイン
バータ出力PWM電圧VuPWM,VvPWM,VwPWMを出力す
る。
【0203】なお、その他の構成部分については、図1
6に示した実施の形態11のものと同様であるので、そ
の詳しい説明を省略する。
【0204】以上の構成により、この実施の形態16の
交流電動機のベクトル制御装置216では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0205】またトルク角補正値Δθによってインバー
タ出力電圧位相角θ1を補正し、また電圧ベクトル指令
値の大きさ|V|と出力電圧ベクトルの大きさ|V|fixとの
差から求めた磁束補正値ΔΦと、磁束方向電流指令値Id
Refと磁束方向電流実際値Idとの差から求めた永久磁石
磁束補正値ΔΦfとを用いて磁束方向電流指令値IdRef、
トルク電流指令値IqRef、電圧ベクトル指令値Vdref,Vq
Refを補正することにより、つまり、全体の磁束補正値
ΔΦは磁束補正値演算手段9−6により得て磁束補正を
行い、永久磁石の磁束分と電流による磁束分との比率が
ベクトル制御指令値演算手段1−5、電圧指令値演算手
段2−3の内部計算において必要となるために、永久磁
石磁束補正値演算手段16−2により永久磁石磁束補正
値ΔΦfを求めてこれらに与えることによって永久磁石
電動機特性を正確にモデリングすることにより、電動機
出力トルクをトルク指令値TqRefに正確に追従させるこ
とができる。
【0206】<実施の形態17> 次に、本発明の実施の形態17の交流電動機のベクトル
制御装置を図22に基づいて説明する。この実施の形態
17の交流電動機のベクトル制御装置217は、永久磁
石同期電動機を制御対象とするベクトル制御装置であっ
て、ベクトル制御指令値演算手段1−5、電圧指令値演
算手段2−3、極座標変換手段3、電圧ベクトルの大き
さ指令値演算手段4、電圧固定手段5、変調率演算手段
6、PWM電圧発生手段7、磁束補正値演算手段9−
6、トルク電流制御手段10−2及び永久磁石磁束補正
値演算手段16−1から構成されている。この実施の形
態17のベクトル制御装置217は、図21に示した実
施の形態16のベクトル制御装置216に対して、磁束
補正値演算手段9−5,9−6と永久磁石磁束補正値演
算手段16−2,16−1との間で入力を交換した形に
なっている。
【0207】したがって、磁束補正値演算手段9−5
は、ベクトル制御指令値演算手段1−5から出力される
磁束方向電流指令値IdRefと磁束方向電流実際値Idとの
差を入力とし、前述の数42式に基づく演算によって磁
束補正値ΔΦを求めてベクトル制御指令値演算手段1−
5に与える。
【0208】永久磁石磁束補正値演算手段16−2は、
この実施の形態17の場合には、極座標変換手段3から
出力される電圧ベクトルの大きさ|V|と、電圧固定手段
5から出力される新たな電圧ベクトルの大きさ|V|fixと
を入力とし、次の数51式で表わされる比例積分制御に
よって永久磁石磁束補正値ΔΦfを求めてベクトル制御
指令値演算手段1−5と電圧指令値演算手段2−3に与
える。
【0209】
【数51】 ただし、s:微分演算子 Gfp:比例ゲイン Gfi:積分ゲイン ベクトル制御指令値演算手段1−5は、磁束指令値ΦRe
fと磁束補正値演算手段9−5からの磁束補正値ΔΦと
永久磁石磁束補正値演算手段16−2からの永久磁石磁
束補正値ΔΦfとトルク指令値TqRefとを入力とし、前述
の数45式に基づく演算によって磁束方向電流指令値Id
Refとトルク電流指令値IqRefとを出力する。
【0210】電圧指令値演算手段2−3は、ベクトル制
御指令値演算手段1−5からの磁束方向電流指令値IdRe
fとトルク電流指令値IqRef及び永久磁石磁束補正値演算
手段16−2からの永久磁石磁束補正値ΔΦfを入力と
し、前述の数46式に基づく演算によって磁束軸電圧指
令値VdRefとトルク軸電圧指令値VqRefとを出力する。
【0211】なお、その他の構成部分については、図2
1に示した実施の形態16のものと同様であるので、そ
の詳しい説明を省略する。
【0212】以上の構成により、この実施の形態17の
交流電動機のベクトル制御装置217では、磁束指令値
ΦRefとトルク指令値TqRefから算出した磁束方向電流指
令値IdRefとトルク電流指令値IqRefとをもとにして電圧
ベクトル指令値VdRef,VqRefを演算し、電圧フィードフ
ォワード制御を行うことにより電動機の回転数が高い領
域でも電動機制御を安定させることができる。
【0213】またトルク角補正値Δθによってインバー
タ出力電圧位相角θ1を補正し、電圧ベクトル指令値の
大きさ|V|と出力電圧ベクトルの大きさ|V|fixとの差か
ら求めた永久磁石磁束補正値ΔΦfと、磁束方向電流指
令値IdRefと磁束方向電流実際値Idとの差から求めた磁
束補正値ΔΦとを用いて磁束方向電流指令値IdRef、ト
ルク電流指令値IqRef、電圧ベクトル指令値Vdref,VqRe
fを補正することにより、実施の形態16と同様の理由
によって電動機出力トルクをトルク指令値TqRefに正確
に追従させることができる。
【0214】
【発明の効果】以上のように請求項1〜請求項10のい
ずれかの発明によれば、磁束指令値とトルク指令値とを
もとにして磁化電流指令値とトルク電流指令値を算出
し、これらの磁化電流指令値とトルク電流指令値とをも
とにして電圧ベクトル指令値を算出し、この電圧ベクト
ル指令値の磁束方向に対する角度を電力変換装置の出力
電圧位相角にフィードフォワードで加えることによって
誘導電動機のトルク制御の応答速度を速めることができ
る。
【0215】また磁束補正値あるいは磁束推定値を用い
て磁化電流指令値、トルク電流指令値を補正することに
より、実際の磁束の変化を考慮して誘導電動機の出力ト
ルクをトルク指令値に正確に追従させることができる。
【0216】またすべり周波数位相角補正値を用いて電
力変換装置の出力電圧位相角を補正することにより、誘
導電動機の出力トルクをトルク指令値にいっそう正確に
追従させることができる。
【0217】請求項11〜請求項17のいずれかの発明
によれば、磁束指令値とトルク指令値とをもとにして磁
束方向電流指令値とトルク電流指令値を算出し、これら
の磁束方向電流指令値とトルク電流指令値とをもとにし
て電圧ベクトル指令値を算出して電圧フィードフォワー
ド制御を行うことによって永久磁石同期電動機の回転速
度が高い領域でも電動機制御の安定性を確保することが
できる。
【0218】また磁束補正値あるいは磁束推定値、さら
には永久磁石磁束補正値を用いて磁束方向電流指令値、
トルク電流指令値を補正することにより、磁束方向電流
を必要最小限として永久磁石動議電動機の出力トルクを
トルク指令値に正確に追従させることができる。
【0219】またトルク角補正値を用いて電力変換装置
の出力電圧位相角を補正することにより電動機出力トル
クをトルク指令値に正確に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の回路ブロック図。
【図2】上記の実施の形態1におけるPWM波形を示す
タイミングチャート。
【図3】上記の実施の形態1における磁束補正値演算手
段の他の例を示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態2の回路ブロック図。
【図5】本発明の実施の形態3の回路ブロック図。
【図6】上記の実施の形態3における重み係数演算手段
の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の実施の形態4の回路ブロック図。
【図8】上記の実施の形態4における磁束補正値演算手
段の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の実施の形態5の回路ブロック図。
【図10】上記の実施の形態5における磁束補正値演算
手段の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の実施の形態6の回路ブロック図。
【図12】本発明の実施の形態7の回路ブロック図。
【図13】本発明の実施の形態8の回路ブロック図。
【図14】本発明の実施の形態9の回路ブロック図。
【図15】本発明の実施の形態10の回路ブロック図。
【図16】本発明の実施の形態11の回路ブロック図。
【図17】本発明の実施の形態12の回路ブロック図。
【図18】本発明の実施の形態13の回路ブロック図。
【図19】本発明の実施の形態14の回路ブロック図。
【図20】本発明の実施の形態15の回路ブロック図。
【図21】本発明の実施の形態16の回路ブロック図。
【図22】本発明の実施の形態17の回路ブロック図。
【図23】従来例の回路ブロック図。
【図24】他の従来例の回路ブロック図。
【符号の説明】
1,1−1〜1−6 ベクトル制御指令値演算手段 2,2−1〜2−3 電圧指令値演算手段 3 極座標変換手段 4 電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段 5 電圧固定手段 6 変調率演算手段 7 パルス幅変調(PWM)電圧発生手段 8 すべり角周波数積分手段 9,9−1〜9−6 磁束補正値演算手段 10,10−1〜10−2 トルク電流制御手段 11 重み係数演算手段 12 d軸電流制御手段 13 q軸電流制御手段 14,14−1 二次抵抗補正値演算手段 15,15−1〜15−4 磁束推定値演算手段 16,16−1,16−2 永久磁石磁束補正値演算手
段 201〜217 ベクトル制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値とを入力とし、
    磁化電流指令値とトルク電流指令値とすべり角周波数指
    令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電圧指
    令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電圧指
    令値とを算出する電圧指令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値とを入力とし、前記磁束補正値を算
    出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として与
    える磁束補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及び前
    記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ベクトル制御指令値演算手段からの
    トルク電流指令値と、トルク電流実際値とを入力とし、
    すべり周波数位相角補正値を演算して前記電力変換装置
    の出力電圧位相角に加算するために出力するトルク電流
    制御手段を備えて成る請求項1記載の交流電動機のベク
    トル制御装置。
  3. 【請求項3】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値とを入力とし、
    磁化電流指令値とトルク電流指令値とすべり角周波数指
    令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電圧指
    令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電圧指
    令値とを算出する電圧指令値演算手段と、 前記電力変換装置の出力電圧の角周波数を入力とし、第
    1重み係数と第2重み係数とを算出する重み係数演算手
    段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値との差に前記重み係数演算手段から
    の第1重み係数を乗じた値を入力とし、磁束方向成分電
    圧補正値を算出するd軸電流制御手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値との差に前記重み係数演算手段
    からの第1重み係数を乗じた値を入力とし、トルク方向
    成分電圧補正値を算出するq軸電流制御手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    に前記d軸電流制御手段からの磁束方向成分電圧補正値
    を加算して新たな磁束方向成分電圧指令値とし、前記電
    圧指令値演算手段からのトルク方向成分電圧指令値に前
    記q軸電流制御手段からのトルク方向成分電圧補正値を
    加算して新たなトルク方向成分電圧指令値とし、これら
    の新たな磁束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧
    指令値とを入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束
    方向に対する電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変
    換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変換装置の
    直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装置の出力
    電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値との差に前記重み係数演算手段から
    の第2重み係数を乗じた値を入力とし、前記磁束補正値
    を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力とし
    て与える磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値との差に前記重み係数演算手段
    からの第2重み係数を乗じた値を入力とし、すべり周波
    数位相角補正値を演算して前記すべり角周波数積分手段
    からのすべり周波数位相角に加算するために出力するト
    ルク電流制御手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角、前記
    トルク電流制御手段からのすべり周波数位相角補正値及
    び前記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装
    置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調
    率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変
    調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを
    備えて成る交流電動機のベクトル制御装置。
  4. 【請求項4】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と二次抵抗補正
    値とを入力とし、磁化電流指令値とトルク電流指令値と
    すべり角周波数指令値とを算出するベクトル制御指令値
    演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    及びトルク電流指令値と前記二次抵抗補正値とを入力と
    し、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向
    のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演
    算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値と前記二次抵抗補正値とを入力と
    し、前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値
    演算手段に入力として与える磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値と前記トルク指令値とを入力と
    し、前記二次抵抗補正値を算出して前記ベクトル制御指
    令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁束補正値演算手
    段とに入力として与える二次抵抗補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及び前
    記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  5. 【請求項5】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と二次抵抗補正
    値とを入力とし、磁化電流指令値とトルク電流指令値と
    すべり角周波数指令値とを算出するベクトル制御指令値
    演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    及びトルク電流指令値と前記二次抵抗補正値とを入力と
    し、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向
    のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演
    算手段と、 前記電力変換装置の出力電圧の角周波数を入力とし、第
    1重み係数と第2重み数とを算出する重み係数演算手段
    と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値との差に前記重み係数演算手段から
    の第1重み係数を乗じた値を入力とし、磁束方向成分電
    圧補正値を算出するd軸電流制御手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのベクトル電流指
    令値とベクトル電流実際値との差に前記重み係数演算手
    段からの第1重み係数を乗じた値を入力とし、トルク方
    向成分電圧補正値を算出するq軸電流制御手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    に前記d軸電流制御手段からの磁束方向成分電圧補正値
    を加算して新たな磁束方向成分電圧指令値とし、前記電
    圧指令値演算手段からのトルク方向成分電圧指令値に前
    記q軸電流制御手段からのトルク方向成分電圧補正値を
    加算して新たなトルク方向成分電圧指令値とし、これら
    の新たな磁束方向成分電圧指令値とトルク方向成分電圧
    指令値とを入力とし、電圧ベクトルの大きさと前記磁束
    方向に対する電圧ベクトルの角度とを算出する極座標変
    換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記新たな電圧ベクトルの大きさと前記電力変換装置の
    直流リンク電圧とを入力とし、前記電力変換装置の出力
    電圧の変調率を算出する変調率演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    と、磁化電流実際値と前記二次抵抗補正値と前記重み係
    数演算手段からの第2重み係数とを入力とし、前記磁束
    補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入
    力として与える磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値との差に前記重み係数演算手段
    からの第2重み係数を乗じた値と、前記トルク指令値と
    前記q軸電流制御手段からのトルク方向成分電圧補正値
    とを入力とし、前記二次抵抗補正値を算出して前記ベク
    トル制御指令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁束補
    正値演算手段とに入力として与える二次抵抗補正値演算
    手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及び前
    記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  6. 【請求項6】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と前記磁束推定値演算手段か
    らの磁束推定値とを入力とし、磁化電流指令値とトルク
    電流指令値とすべり角周波数指令値とを算出するベクト
    ル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電圧指
    令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電圧指
    令値とを算出する電圧指令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 磁化電流実際値を入力とし、前記磁束推定値を算出して
    前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として与える磁
    束推定値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及び前
    記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ベクトル制御指令値演算手段からの
    トルク電流指令値と、トルク電流実際値とを入力とし、
    すべり周波数位相角補正値を演算して前記電力変換装置
    の出力電圧位相角に加算するために出力するトルク電流
    制御手段を備えて成る請求項6記載の交流電動機のベク
    トル制御装置。
  8. 【請求項8】 誘導電動機を制御対象として、出力電圧
    の大きさと周波数及び位相の制御が可能な電力変換装置
    を介して前記誘導電動機に供給される一次電流を前記誘
    導電動機の磁束と平行な磁束方向成分(磁化電流)とこ
    れに直交するトルク方向成分(トルク電流)とに分離
    し、各々を独立に制御する交流電動機のベクトル制御装
    置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束推定値と二次抵抗補正
    値と電圧固定指令とを入力とし、磁化電流指令値とトル
    ク電流指令値とすべり角周波数指令値とを算出するベク
    トル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁化電流指令値
    及びトルク電流指令値と前記二次抵抗補正値とを入力と
    し、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交する方向
    のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指令値演
    算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのすべり角周波数
    指令値を積分してすべり周波数位相角として出力するす
    べり角周波数積分手段と、 磁化電流実際値と前記二次抵抗補正値とを入力とし、前
    記磁束推定値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手
    段に入力として与える磁束推定値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値と前記トルク指令値とを入力と
    し、前記二次抵抗補正値を算出して前記ベクトル制御指
    令値演算手段と電圧指令値演算手段と磁束推定値演算手
    段とに入力として与える二次抵抗補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記す
    べり角周波数積分手段からのすべり周波数位相角及び前
    記誘導電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  9. 【請求項9】 前記磁束推定値演算手段が、ベクトル制
    御指令値演算手段からのすべり角周波数指令値と前記極
    座標変換手段からの電圧ベクトルの角度と前記電圧固定
    手段からの電圧ベクトルの大きさと電動機回転子角周波
    数とを入力とし、前記磁束推定値を算出して前記ベクト
    ル制御指令値演算手段に入力として与えることを特徴と
    する請求項8記載の交流電動機のベクトル制御装置。
  10. 【請求項10】 前記磁束推定値演算手段が、電動機回
    転子角周波数と前記ベクトル制御指令値演算手段からの
    すべり角周波数指令値と前記極座標変換手段からの電圧
    ベクトルの角度と前記電圧固定手段からの電圧ベクトル
    の大きさと前記二次抵抗補正値演算手段からの二次抵抗
    補正値とを入力とし、前記磁束推定値を算出して前記ベ
    クトル制御指令値演算手段に入力として与えることを特
    徴とする請求項8記載の交流電動機のベクトル制御装
    置。
  11. 【請求項11】 永久磁石同期電動機を制御対象とし
    て、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可能な
    電力変換装置を介して前記永久磁石同期電動機に供給さ
    れる一次電流を前記永久磁石同期電動機の磁束と平行な
    方向の成分(磁束方向電流)とこれに直交する方向の成
    分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御する交
    流電動機のベクトル制御装置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値とを入力とし、
    磁束方向電流指令値とトルク電流指令値とを算出するベ
    クトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電
    圧指令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電
    圧指令値とを算出する電圧指令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束補正
    値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力と
    して与える磁束補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度及び前記
    永久磁石同期電動機の回転子位相角の和である電力変換
    装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変
    調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅
    変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段と
    を備えて成る交流電動機のベクトル制御装置。
  12. 【請求項12】 前記ベクトル制御指令値演算手段から
    のトルク電流指令値と、トルク電流実際値とを入力と
    し、前記トルク電流実際値が前記トルク電流指令値に追
    従するようなトルク角補正値を演算して、前記極座標変
    換手段からの電圧ベクトルの角度と前記永久磁石同期電
    動機の回転子位相角と共に加算するために出力するトル
    ク電流制御手段を備えて成る請求項11記載の交流電動
    機のベクトル制御装置。
  13. 【請求項13】 永久磁石同期電動機を制御対象とし
    て、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可能な
    電力変換装置を介して前記永久磁石同期電動機に供給さ
    れる一次電流を前記永久磁石同期電動機の磁束と平行な
    方向の成分(磁束方向電流)とこれに直交する方向の成
    分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御する交
    流電動機のベクトル制御装置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
    補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
    指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値及びトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値と
    を入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交
    する方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧
    指令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束補正
    値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力と
    して与える磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値と前記トルク指令値とを入力と
    し、前記永久磁石磁束補正値を算出して前記ベクトル制
    御指令値演算手段と電圧指令値演算手段とに入力として
    与える永久磁石磁束補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度及び前記
    永久磁石同期電動機の回転子位相角の和である電力変換
    装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変
    調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅
    変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段と
    を備えて成る交流電動機のベクトル制御装置。
  14. 【請求項14】 永久磁石同期電動機を制御対象とし
    て、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可能な
    電力変換装置を介して前記永久磁石同期電動機に供給さ
    れる一次電流を前記永久磁石同期電動機の磁束と平行な
    方向の成分(磁束方向電流)とこれに直交する方向の成
    分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御する交
    流電動機のベクトル制御装置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束推定値とを入力とし、
    磁束方向電流指令値とトルク電流指令値とを算出するベ
    クトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値とトルク電流指令値とを入力とし、磁束方向成分電
    圧指令値と前記磁束と直交する方向のトルク方向成分電
    圧指令値とを算出する電圧指令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 磁束方向電流実際値を入力とし、前記磁束推定値を算出
    して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力として与え
    る磁束推定値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度及び前記
    永久磁石同期電動機の回転子位相角の和である電力変換
    装置の出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変
    調率とを入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅
    変調電圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段と
    を備えて成る交流電動機のベクトル制御装置。
  15. 【請求項15】 前記ベクトル制御指令値演算手段から
    のトルク電流指令値と、トルク電流実際値とを入力と
    し、前記トルク電流実際値が前記トルク電流指令値に追
    従するようなトルク角補正値を演算して、前記極座標変
    換手段からの電圧ベクトルの角度と前記永久磁石同期電
    動機の回転子位相角と共に加算するために出力するトル
    ク電流制御手段を備えて成る請求項14記載の交流電動
    機のベクトル制御装置。
  16. 【請求項16】 永久磁石同期電動機を制御対象とし
    て、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可能な
    電力変換装置を介して前記永久磁石同期電動機に供給さ
    れる一次電流を前記永久磁石同期電動機の磁束と平行な
    方向の成分(磁束方向電流)とこれに直交する方向の成
    分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御する交
    流電動機のベクトル制御装置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
    補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
    指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値とトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値とを
    入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交す
    る方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指
    令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさとを入
    力とし、前記磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指
    令値演算手段に入力として与える磁束補正値演算手段
    と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記永久磁石
    磁束補正値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段
    と前記電圧指令値演算手段とに入力として与える永久磁
    石磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値とを入力とし、前記トルク電流
    実際値が前記トルク電流指令値に追従するようなトルク
    角補正値を算出するトルク電流制御手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記ト
    ルク電流制御手段からのトルク角補正値及び前記永久磁
    石同期電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
  17. 【請求項17】 永久磁石同期電動機を制御対象とし
    て、出力電圧の大きさと周波数及び位相の制御が可能な
    電力変換装置を介して前記永久磁石同期電動機に供給さ
    れる一次電流を前記永久磁石同期電動機の磁束と平行な
    方向の成分(磁束方向電流)とこれに直交する方向の成
    分(トルク電流)とに分離し、各々を独立に制御する交
    流電動機のベクトル制御装置において、 磁束指令値とトルク指令値と磁束補正値と永久磁石磁束
    補正値とを入力とし、磁束方向電流指令値とトルク電流
    指令値とを算出するベクトル制御指令値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値とトルク電流指令値と前記永久磁石磁束補正値とを
    入力とし、磁束方向成分電圧指令値と前記磁束と直交す
    る方向のトルク方向成分電圧指令値とを算出する電圧指
    令値演算手段と、 前記電圧指令値演算手段からの磁束方向成分電圧指令値
    とトルク方向成分電圧指令値とを入力とし、電圧ベクト
    ルの大きさと前記磁束方向に対する電圧ベクトルの角度
    とを算出する極座標変換手段と、 前記電力変換装置の直流リンク電圧を入力とし、電圧ベ
    クトルの大きさの指令値を算出する電圧ベクトルの大き
    さ指令値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧ベクトルの大きさ指令値演算手段からの電圧ベクト
    ルの大きさの指令値と、電圧固定指令とを入力とし、前
    記電圧固定指令に基づいて新たな電圧ベクトルの大きさ
    を算出する電圧固定手段と、 前記電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさと
    前記電力変換装置の直流リンク電圧とを入力とし、前記
    電力変換装置の出力電圧の変調率を算出する変調率演算
    手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からの磁束方向電流指
    令値と磁束方向電流実際値とを入力とし、前記磁束補正
    値を算出して前記ベクトル制御指令値演算手段に入力と
    して与える磁束補正値演算手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの大きさと前記
    電圧固定手段からの新たな電圧ベクトルの大きさとを入
    力とし、前記永久磁石磁束補正値を算出して前記ベクト
    ル制御指令値演算手段と前記電圧指令値演算手段とに入
    力として与える永久磁石磁束補正値演算手段と、 前記ベクトル制御指令値演算手段からのトルク電流指令
    値と、トルク電流実際値とを入力とし、前記トルク電流
    実際値が前記トルク電流指令値に追従するようなトルク
    角補正値を算出するトルク電流制御手段と、 前記極座標変換手段からの電圧ベクトルの角度、前記ト
    ルク電流制御手段からのトルク角補正値及び前記永久磁
    石同期電動機の回転子位相角の和である電力変換装置の
    出力電圧位相角と、前記変調率演算手段からの変調率と
    を入力とし、前記電力変換装置の出力のパルス幅変調電
    圧指令値を出力するパルス幅変調電圧発生手段とを備え
    て成る交流電動機のベクトル制御装置。
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