JP3228710U - 集合住宅の架構構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる建物の架構構造を提供する。【解決手段】免震装置によって支持された多層の集合住宅1の架構構造は、桁行方向に並ぶ一対の柱111,111と両柱間を接続する大梁113とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面115,115、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁117,117、及び、対向配置された各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁119、を有する基準構造ブロック110を備える。そして、基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸123,123は乾式壁からなる戸境壁125によって分離されている。【選択図】図1

Description

本考案は、全体が免震装置によって支持された多層の集合住宅の架構構造に関する。
マンション等の集合住宅においては、夫々の事業者独自に種々の工夫が行われている。
特許文献1には、コーナー部に位置する住戸の一方の外周部に外周側架構を設け、他方の外周部に外周側架構を設けない構造とすることで、コーナー部に位置する住戸における採光性、及び眺望の向上を図った集合住宅が記載されている。
特開2018−119311公報
異なる地域、或いは敷地に同一形状及び同一構造の建物を建設すれば、設計に係る工程の一部が簡素化されると共に、各建物にその事業者固有の特長を表現することができる。
しかし、敷地形状と方位によっては、必ずしも同一形状及び同一構造の建物を建設することが最適であるとは限らない。仮に、マンション等の集合住宅を敷地形状と方位に応じて最適な形状となるようにその都度設計するとなれば、設計作業に多大な労力が必要となる。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる建物の架構構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本考案は、免震装置によって支持された多層の集合住宅の架構構造であって、桁行方向に並ぶ一対の柱と前記両柱間を接続する大梁とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する前記柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁、及び、対向配置された前記各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁、を有する基準構造ブロックを備え、該基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸は乾式壁からなる戸境壁によって分離されていることを特徴とする。
本考案によれば、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる。
第一の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 図1のA−A線で切断した集合住宅の一部を示す断面図である。 第二の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第三の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第四の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第五の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第六の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第七の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。 第八の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
以下、本考案を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この考案の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
以下の各実施形態に説明される集合住宅(免震建物)は、全体が免震装置によって支持された多層構造を有し、複数個の基準構造ブロックを組合わせた構成を有する点に特徴がある。また、各集合住宅において桁行方向と梁間方向とは直交しており、4つの柱によって囲まれる基準構造ブロックは平面視矩形状である。以下の各実施形態に示される架構構造は、矛盾しない限り、一の集合住宅に対して適宜組合わせて適用することができる。
〔第一の実施形態〕
図1は、第一の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。図2は、図1のA−A線で切断した集合住宅の一部を示す断面図である。
本考案は、全体が免震装置301(図2)によって支持された多層の集合住宅1の架構構造に関するものである。本実施形態に係る集合住宅1は、複数の(本例では2個の)住戸123、123を含む複数の基準構造ブロック110、110…を桁行方向に順次連接した点に特徴がある。
集合住宅1は、桁行方向に並ぶ一対の柱111、111と両柱間を接続する大梁113とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面115、115、該各架構面115、115の桁行方向の各端部に位置する柱111、111…同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁117、117、及び、対向配置された各大梁113、113の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁119、を有する基準構造ブロック110を備える。集合住宅1において、基準構造ブロック110は桁行方向に複数の住戸123、123を有し、桁行方向に隣接する各住戸123、123は乾式壁からなる戸境壁125によって分離されている。
集合住宅1は、複数の基準構造ブロック110、110…が桁行方向に順次連接された構成を有する。また、桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロック110、110の連接側端部に位置する柱111、111と耐震壁117が、両基準構造ブロック110、110において共有されている。
耐震壁117は、壁と、壁厚と同幅の梁とが一体化された壁式構造であり、各層(各階)に跨がって連層的に形成された連層耐震壁(連層耐力壁)である(図2参照)。
本例においては桁行方向と梁間方向とは直交しており、4つの柱111〜111によって囲まれる基準構造ブロック110は平面視矩形状である。
本例に示す基準構造ブロック110は、1スパンのブロックであり、1スパンの基準構造ブロック110内に複数の(本例では2個の)住戸123、123が形成されている。例えば、桁行方向及び梁間方向の柱間を約12mに設定すると、1住戸あたりの専有面積は平均して70m程度となる。
各基準構造ブロック110、110…の梁間方向の一方側には、桁行方向に沿ってバルコニー127、127…が形成されている。隣接するバルコニー127、127…の床スラブは桁行方向に連続しており、各基準構造ブロック110、110…と共に一体に形成される。各基準構造ブロック110、110…の梁間方向の他方側には、桁行方向に沿って連続的に延びる共用廊下201が形成されている。共用廊下201の床スラブは各基準構造ブロック110、110…と共に一体に形成される。各住戸123、123…の玄関は、各基準構造ブロック110、110…の梁間方向の一方側に、共用廊下201に面して形成される。
集合住宅1の梁間方向の一方側は、各住戸123、123…が配置された住居部100とされ、梁間方向の他方側は、共用廊下201、階段室203、203、及びエレベータ設備等が配置された共用ブロック205等を含む共用部200とされる。
小梁119と戸境壁125は、必ずしも基準構造ブロック110の桁行方向の中央に配置されている必要はない。また、小梁119と戸境壁125の位置は、桁行方向にずれていてもよい。
図2に示すように、集合住宅1の最下層には、免震層300が設けられ、集合住宅1の全体が免震装置301、301…によって支持されている。これにより、梁間方向に対向配置された2つの柱111を接続する梁は、壁厚と同幅の壁梁(耐震壁117)とすることができる。なお、図中符号124は、上下方向に各階層を形成する床スラブを示す。
<効果>
本実施形態によれば、集合住宅を基準構造ブロック単位で捉えて、複数の基準構造ブロックを接続した構造としたので、集合住宅1を敷地形状に応じた平面形状に設計しやすくなる等、集合住宅の設計が容易となる。なお、集合住宅は、複数の基準構造ブロック110を桁行方向に接続した中位構造ブロック130単位で設計されてもよい。
一般的に柱間が7m以上であればワイドスパンとされるが、1スパン構成の基準構造ブロック110を、ワイドスパン、或いはそれ以上の十分な柱間(例えば12m〜14m)を有する大スパン構造とすれば、基準構造ブロック110を桁行方向に分割して複数の住戸123、123を形成しても、十分な採光性と眺望の住戸を実現できる。また、各基準構造ブロック110を1スパンとし、基準構造ブロック内に複数の住戸123、123を形成したので、柱111による採光性及び眺望の低下を防止できる。
基準構造ブロック110を乾式壁による戸境壁125によって分割して複数の住戸123、123を形成するので、住戸割りの自由度が高まる。事後的に戸境壁125を移動させて各住戸の専有面積を変更できる。本例においては、基準構造ブロック110内に2つの住戸を形成したが、基準構造ブロック110内に形成する住戸の数はこれに限られない。
基準構造ブロック110の桁行方向の両端部には壁梁を兼用する耐震壁117、117を配置したので、集合住宅全体の強度を高められる上、住戸内に梁が露出せず、スッキリした印象となる。
〔第二の実施形態〕
図3は、第二の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
本実施形態に係る集合住宅2は、複数の(本例では2個の)基準構造ブロック110、110を桁行方向に連接した複数スパンの(本例では2スパンの)中位構造ブロック130A、130Bが直交するように、L字状に配置した点に特徴がある。第一の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
集合住宅2は、少なくとも2つの基準構造ブロック110、110が桁行方向に連接された中位構造ブロック130(130A、130B)を有する。そして、一の中位構造ブロック130を構成すると共に桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロック110、110の連接側端部に位置する柱111、111と耐震壁117が、両基準構造ブロック110、110において共有されている。中位構造ブロック130は3以上の基準構造ブロック110を桁行方向に接続した構成であってもよい。
集合住宅2のうち、各中位構造ブロック130A、130Bを含む梁間方向の一方側は、各住戸123、123…が配置された住居部100とされ、梁間方向の他方側は、共用廊下201、階段室203、203、及びエレベータ設備等が配置された共用ブロック205等を含む共用部200とされる。
中位構造ブロック130の梁間方向の一方側には桁行方向に沿ってバルコニー127、127…が形成されている。隣接するバルコニー127、127…の床スラブは桁行方向に連続しており、中位構造ブロック130と一体に形成される。一方の中位構造ブロック130Aに形成されたバルコニー127、127…と、他方の中位構造ブロック130Bに形成されたバルコニー127、127…とは、独立した構造である。
各中位構造ブロック130A、130Bの梁間方向の他方側には桁行方向に連続的に延びる共用廊下201が形成されている。共用廊下201は、両中位構造ブロック130A、130Bと一体に形成されると共に、両中位構造ブロック130A、130Bに共用されている。中位構造ブロック130A、130Bは、共用廊下201の床スラブを介して接続され、一体化されている。
一方の中位構造ブロック130Aの大梁113A、113Aの延長線上には、他方の中位構造ブロック130Bの耐震壁117B、117Bが配置されている。大梁113A、113Aと耐震壁117B、117Bとの間に位置する共用廊下201の部分(柱111Aと柱111Bとの間)には、両者を連結する共用部連絡梁211、211が形成されている。大梁113Aと耐震壁117Bと共用部連絡梁211は、同方向に伸びる。
特に、本例においては、各基準構造ブロック110、110…が正方形状であるので、一方の中位構造ブロック130Aの梁間方向の一端側に位置する大梁113Aの延長線上に、他方の中位構造ブロック130Bの桁行方向端部に位置する耐震壁117Bが配置され、一方の中位構造ブロック130Aの梁間方向の他端側に位置する大梁113Aの延長線上に、他方の中位構造ブロック130Bの桁行方向中間部に位置する耐震壁117Bが配置されている。
<効果>
第一の実施形態と同一の構成については、第一の実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
集合住宅を、複数の基準構造ブロックを連接した中位構造ブロック単位で設計するので、種々の平面形状を有した集合住宅を容易に設計できる。
本例は、2つの中位構造ブロック130A、130B(基準構造ブロック110A、110B)の桁行方向が直交するように、両者を組み合わせる場合の例を示している。本例においては、大梁113Aの延長線上に耐震壁117Bが配置され、両者の間に共用部連絡梁211が形成されているので、大梁113から共用部連絡梁211を介して伝達される圧縮力を耐震壁117が受ける。従って、地震時における中位構造ブロック130Bの破壊を防止できる。特に基準構造ブロック110を正方形状とした本例においては、大梁113A、113Aから伝達される圧縮力を夫々耐震壁117B、117Bが受けるので、地震時における中位構造ブロック130Bの破壊をより効果的に防止できる。
なお、集合住宅は、基準構造ブロックの数が異なる複数の中位構造ブロック同士を組合わせた構成を備えてもよい。
〔第三の実施形態〕
図4は、第三の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
第一及び第二の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
本実施形態に係る集合住宅3は、4つの中位構造ブロック130A〜130Dを90度回転対称形に組合わせた構成を有する。隣接する中位構造ブロック130、130同士は、図3と同様にL字状に組み合わせられている。即ち、集合住宅3の住居部100は、第二の実施形態に係る集合住宅2の住居部100を2個組合わせた構成に相当する。
4つの中位構造ブロック130A〜130Dは、共用廊下201の床スラブによって連接、一体化されている。集合住宅3の中央部には、吹き抜け207が形成されている。また、本例においては、複数の基準構造ブロック110、110…のうちの一部の基準構造ブロック110内に、非常階段及びエレベータ等の共用設備を配置して、該基準構造ブロック110を共用ブロック205とした。
なお、4つの中位構造ブロック130〜130は、図4とは逆向きに組合わせられてもよい。即ち、例えば、図4に示す中位構造ブロック130Bの桁行方向に沿って延びる直線を基準に、集合住宅3とは線対称構造を有するように、4つの中位構造ブロック130〜130を組合わせた集合住宅を形成してもよい。
<効果>
第一及び第二の実施形態と同一の構成については、第一及び第二の実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
中位構造ブロック130A〜130Dを90度回転対称形に組合わせたので、平面バランスに優れた集合住宅とすることができる。
共用設備を基準構造ブロック内に配置するので、共用設備の構成を建物毎に個別に設計する場合に比べて、設計作業にかかる労力を低減できる。
〔第四の実施形態〕
図5は、第四の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
本実施形態に係る集合住宅4は、梁間方向の他方側に位置する架構面115、115…が対向するように所定の間隔を空けて離間して配置された2つの中位構造ブロック130(130A、130B)を有する。2つの中位構造ブロック130A、130Bは、その桁行方向が平行になるように配置されている。集合住宅4は、2つの中位構造ブロック130A、130B間に共用設備を有する共用ブロック205を配置することによって、両中位構造ブロック130A、130Bを、共用ブロック205を介して接続し、一体化した点に特徴がある。集合住宅4は、概略H状に形成されている。
第一乃至第三の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
本例に示す中位構造ブロック130は、2個の基準構造ブロック110、110が桁行方向に連接された構成を有している。中位構造ブロック130の構成は第二の実施形態にて説明した通りである。
本例において2つの中位構造ブロック130A、130Bは桁行方向位置が同一となるように並列に配置されている。即ち、一方の中位構造ブロック130Aの各耐震壁117〜117の延長線上に、他方の中位構造ブロック130Bの各耐震壁117〜117が位置する。なお、中位構造ブロック130Aと中位構造ブロック130Bとは、桁行方向にずれて配置されてもよい。
本例に示される共用部200は、共用廊下201と、階段室203と、廊下、エレベータ室、及び各種の共用設備を配置した共用ブロック205と、を含む。本例において、共用ブロック205は、各中位構造ブロック130A、130Bの桁行方向の中間部を接続する。なお、共用ブロック205は、各中位構造ブロック130A、130Bの桁行方向の端部寄りに配置されてもよい。
共用ブロック205は、桁行方向の中間部に配置された耐震壁117A、117Bの延長線上に、これらと同方向に伸びる共用部連絡梁212を有する。共用部連絡梁212は、耐震壁117A、117Bの梁間方向の他端側に設けられた柱111A、111Bに接続されている。本例において両中位構造ブロック130A、130Bの小梁119A、119Bは同一直線上に位置し、共用ブロック205は小梁119A、119Bの延長線上に、これらと同方向に伸びる共用部連絡梁213、213を有する。両共用部連絡梁213、213は、梁間方向の他端側に形成された大梁113A、113Bに接続されている。
2つの中位構造ブロック130A、130Bを桁行方向にずらして配置する場合は、中位構造ブロック130A、130Bの桁行方向位置を基準構造ブロック110単位で決定してもよい。この場合は、両中位構造ブロック130A、130Bの耐震壁117同士が同一直線上に位置することとなる。或いは、中位構造ブロック130A、130Bの桁行方向位置を、基準構造ブロック110の桁行方向長よりも短い単位で決定してもよい。例えば、一方の中位構造ブロック130Aの耐震壁117Aと、他方の中位構造ブロック130Bの小梁119Bとが同一直線上に位置するように、中位構造ブロック130A、130Bの桁行方向位置を決定してもよい。
<効果>
上記各実施形態と同一の構成については、上記各実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
本例は、2つの基準構造ブロック110、110(中位構造ブロック130A、130B)の桁行方向が平行するように、両者を組み合わせる場合の例を示している。本例においては、両中位構造ブロックの梁(壁梁、小梁)を同一直線上に配置し、該直線上に位置する共用ブロック部分に共用部連絡梁を配置したので、耐震性が向上する。
〔第五の実施形態〕
図6は、第五の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
本実施形態に係る集合住宅5は、複数スパン(本例では2スパン)の基準構造ブロック150を備え、該基準構造ブロック150内に複数の住戸163〜163が形成された架構構造を有する点に特徴がある。
集合住宅5は、全体が免震装置301(図2参照)によって支持された多層の免震建物である。
集合住宅5は、桁行方向に並ぶ一対の柱151、151と両柱間を接続する大梁153とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面155、155、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁157、157、及び、対向配置された各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁159、を有する基準構造ブロック150を備える。
本例における基準構造ブロック150は、各大梁153、153の桁行方向中間部に配置された中間柱161、161を備える。中間柱161、161は、架構面155、155を形成する。中間柱161、161には梁間方向に延びる梁が接続されていない。この基準構造ブロック150には、乾式壁からなる戸境壁165、165によって桁行方向に複数の(本例では3個の)住戸163〜163が形成されている。
集合住宅5は、複数の(本例では2個の)基準構造ブロック150、150を桁行方向に接続した構成を要する。桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロック150、150の連接側端部に位置する柱151、151と耐震壁157が、両基準構造ブロック150、150において共有されている。
耐震壁157は、壁と、壁厚と同幅の梁とが一体化された壁式構造であり、各層(各階)に跨がって連層的に形成された連層耐震壁(連層耐力壁)である(図2参照)。
本例においては桁行方向と梁間方向とは直交しており、4つの柱151〜151によって囲まれる基準構造ブロック150は平面視矩形状である。
本例に示す基準構造ブロック150は、2スパンのブロックであり、2スパンの基準構造ブロック150内に複数の(本例では3個の)住戸163〜163が形成されている。例えば、桁行方向の基準構造ブロック150の長さを約24m(柱151と中間柱161との間隔を約12m)に設定し、梁間方向の基準構造ブロック150の長さを約8mに設定して、基準構造ブロック150内に3つの住戸を形成すると、1住戸あたりの専有面積は平均して70m程度となる。
各基準構造ブロック150、150の梁間方向の一方側には、桁行方向に沿ってバルコニー167、167…が形成されている。隣接するバルコニー167、167…の床スラブは桁行方向に連続しており、各基準構造ブロック150、150…と共に一体に形成される。各基準構造ブロック150、150…の梁間方向の他方側には、桁行方向に沿って共用廊下201が形成されている。共用廊下201の床スラブは各基準構造ブロック150、150…と共に一体に形成される。各住戸163、163…の玄関は、各基準構造ブロック150、150…の梁間方向の一方側に、共用廊下201に面して形成される。
集合住宅5の梁間方向の一方側は、各住戸163、163…が配置された住居部100とされ、梁間方向の他方側は、共用廊下201等が配置された共用部200とされる。
小梁159と戸境壁165の位置は、桁行方向にずれていてもよい。
集合住宅5は、その全体が免震装置301、301…(図2参照)によって支持されているため、基準構造ブロック150の桁行方向の両端部に配置された柱151、151を梁間方向に接続する梁は、壁厚と同幅の壁梁(耐震壁157)とすることができる。
集合住宅は、複数の(例えば2個の)基準構造ブロック150、150…を桁行方向に連接した中位構造ブロック170単位で設計されてもよい。
この場合、一の中位構造ブロック170を構成すると共に桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロック150、150の連接側端部に位置する柱151、151と耐震壁157が、両基準構造ブロック150、150において共有される。
中位構造ブロック170の梁間方向の一方側において隣接するバルコニー167、167…の床スラブは桁行方向に連続しており、中位構造ブロック170と一体に形成される。
中位構造ブロック170の梁間方向の他方側には桁行方向に連続的に延びる共用廊下201が形成される。共用廊下201は、中位構造ブロック170と一体に形成される。
<効果>
本実施形態によれば、集合住宅を基準構造ブロック単位で捉えて、複数の基準構造ブロックを組合わせた構造としたので、集合住宅5を敷地形状に応じた平面形状に設計しやすくなる等、集合住宅の設計が容易である。
なお、集合住宅は、複数の基準構造ブロック150を桁行方向に接続した中位構造ブロック170単位で設計されてもよい(図6、図9参照)。また、1の集合住宅内に、1スパンの基準構造ブロック110と複数スパンの基準構造ブロック150とが混在していてもよい。
一般的に柱間が7m以上であればワイドスパンとされるが、複数スパン構成の基準構造ブロック150の各スパンをワイドスパン、或いはそれ以上の十分な柱間(例えば12m〜14m)を有する大スパン構造とすれば、基準構造ブロック150を桁行方向に分割して複数の住戸163〜163を形成しても、十分な採光性と眺望の住戸を実現できる。各基準構造ブロック150を2スパンとし、基準構造ブロック内に複数の住戸163〜163を形成したので、住戸割り(或いは住戸位置)によっては、柱による採光性及び眺望の低下を防止できる。
基準構造ブロック150を乾式壁による戸境壁165によって分割して複数の住戸163、163を形成するので、住戸割りの自由度が高まる。事後的に戸境壁165を移動させて各住戸の専有面積を変更できる。本例においては、基準構造ブロック150内に3つの住戸を形成したが、基準構造ブロック150内に形成する住戸の数はこれに限られない。
基準構造ブロック150の桁行方向の両端部には壁梁を兼用する耐震壁157、157を配置したので、集合住宅全体の強度を高められる上、住戸内に梁が露出せず、スッキリした印象となる。
〔第六の実施形態〕
図7は、第六の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
第五の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
本実施形態に係る集合住宅6は、2つの基準構造ブロック150(150A、150B)の桁行方向が直交するように、L字状に配置した点に特徴がある。一方の基準構造ブロック150Aに形成されたバルコニー167〜167と、他方の基準構造ブロック150Bに形成されたバルコニー167〜167とは、独立した構造である。
各基準構造ブロック150A、150Bの梁間方向の他方側には桁行方向に延びる共用廊下201が形成されている。共用廊下201は、両基準構造ブロック150、150と一体に形成されると共に、両基準構造ブロック150、150に共用されている。2つの基準構造ブロック150、150は、共用廊下201の床スラブを介して接続され、一体化されている。
一方の基準構造ブロック150Aの、梁間方向の一方側に位置する大梁153Aの延長線上には、他方の基準構造ブロック150Bの耐震壁157Bが配置されている。大梁153Aと耐震壁157Bとの間に位置する共用廊下201の部分(柱151Aと柱151Bとの間)には、両者を連結する共用部連絡梁215が形成されている。大梁153Aと耐震壁157Bと共用部連絡梁215は、同方向に伸びる。
一方の基準構造ブロック150Aの、梁間方向の他方側に位置する大梁153Aの延長線上には、他方の基準構造ブロック150Bの小梁159Bが配置されている。大梁153Aと小梁159Bとの間に位置する共用廊下201の部分(柱151Aと大梁153Bとの間)には、両者を連結する共用部連絡梁216が形成されている。大梁153Aと小梁159Bと共用部連絡梁216は、同方向に伸びる。
<効果>
第五の実施形態と同一の構成については、第一の実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
本例は、2つの基準構造ブロック150、150(或いは、中位構造ブロック170、170)の桁行方向が直交するように、両者を組み合わせる場合の例を示している。
本例においては、基準構造ブロック150Aの梁間方向の一方側に位置する大梁153Aの延長線上に基準構造ブロック150Bの耐震壁157Bが配置され、両者の間に共用部連絡梁215が形成されているので、大梁153Aから共用部連絡梁215を介して伝達される圧縮力を基準構造ブロック150Bの耐震壁157Bが受ける。従って、地震時における基準構造ブロック150Bの破壊を防止できる。
更に、本例においては、基準構造ブロック150Aの梁間方向のQ方側に位置する大梁153Aの延長線上に基準構造ブロック150Bの小梁159Bが配置され、両者の間に共用部連絡梁216が形成されているので、大梁153Aから共用部連絡梁216を介して伝達される圧縮力を基準構造ブロック150Bの小梁159こが受ける。従って、地震時における基準構造ブロック150Bの破壊をより効果的に防止できる。
〔第七の実施形態〕
図8は、第七の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
第五及び第六の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
本実施形態に係る集合住宅7は、4つの基準構造ブロック150A〜150Dを90度回転対称形に組合わせた構成を有する。隣接する基準構造ブロック150、150同士は、図7と同様にL字状に組み合わせられている。即ち、集合住宅7の住居部100は、第六の実施形態に係る集合住宅6の住居部100を2個組合わせた構成に相当する。
4つの基準構造ブロック150A〜150Dは、共用廊下201の床スラブによって連接、一体化されている。集合住宅7の中央部には、吹き抜け207が形成されている。また、本例においては、一の基準構造ブロック150Cの一部の空間内に、非常階段及びエレベータ等の共用設備を配置して共用ブロック205とした。共用ブロック205とこれに隣接する住戸163との間にはRC壁166が形成されている。
なお、4つの基準構造ブロック150〜150は、図8とは逆向きに組合わせられてもよい。即ち、例えば、図8に示す基準構造ブロック150Bの桁行方向に沿って延びる直線を基準に、集合住宅7とは線対称構造を有するように、4つの基準構造ブロック150〜150を組合わせた集合住宅を形成してもよい。
<効果>
第五及び第六の実施形態と同一の構成については、第五及び第六の実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
基準構造ブロック150A〜150Dを90度回転対称形に組合わせたので、平面バランスに優れた集合住宅とすることができる。
共用設備を基準構造ブロック内に配置するので、共用設備の構成を建物毎に個別に設計する場合に比べて、設計作業にかかる労力を低減できる。
〔第八の実施形態〕
図9は、第八の実施形態に係る集合住宅の架構構造を示す平面図である。
本実施形態に係る集合住宅8は、複数の(本例では2個の)基準構造ブロック150、150を桁行方向に連接した2つの中位構造ブロック170(170A、170B)を備える。集合住宅8は、梁間方向の他方側に位置する架構面155、155が対向するように所定の間隔を空けて離間して配置された2つの中位構造ブロック170A、170Bを有する。2つの中位構造ブロック170A、170Bは、その桁行方向が平行になるように配置されている。集合住宅8は、2つの中位構造ブロック170A、170B間に共用設備を有する共用ブロック205を配置することによって、両中位構造ブロック170A、170Bを、共用ブロック205を介して接続し、一体化した点に特徴がある。集合住宅8は概略H形状に形成されている。
第五乃至第七の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
本例に示す中位構造ブロック170は、2個の基準構造ブロック150、150が桁行方向に連接された構成を有している。一の中位構造ブロック170を構成すると共に桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロック150、150の連接側端部に位置する柱151、151と耐震壁157が、両基準構造ブロック150、150において共有されている。中位構造ブロック170は3以上の基準構造ブロック150を桁行方向に接続した構成であってもよい。
本例において2つの中位構造ブロック170A、170Bは桁行方向位置が同一となるように並列に配置されている。即ち、一方の中位構造ブロック170の各耐震壁157〜157の延長線上に、他方の中位構造ブロック170の各耐震壁157〜157が位置する。なお、中位構造ブロック170Aと中位構造ブロック170Bとは、桁行方向にずれて配置されてもよい。
本例に示される共用部200は、共用廊下201と、階段及びエレベータ等の共用設備を配置した共用ブロック205と、を含む。共用ブロック205は、各中位構造ブロック170A、170Bの桁行方向の中間部を接続する。各中位構造ブロック170A、170Bは共用廊下201及び共用部205の床スラブを介して接続され、一体化されている。なお、共用ブロック205は、各中位構造ブロック170A、170Bの桁行方向の端部寄りに配置されてもよい。
共用ブロック205は、中位構造ブロック170A、170Bの長手方向の中間部に形成された耐震壁157A、157Bの延長線上に、該耐震壁と同方向(図中左右方向)に延びる連層壁(共用部耐震壁)217を有する。連層壁217は、各層(各階)に跨がって連層的に形成されると共に、エレベータシャフト209の一側面を形成する。また、連層壁217の長手方向(図中左右方向)の両端部には、連層壁217と耐震壁157A、157Bの梁間方向の他端側に設けられた柱151A、151Bとを接続する共用部連絡梁218、218が形成されている。
本例において両中位構造ブロック170A、170Bの小梁159A、159Bは同一直線上に位置する。共用ブロック205は小梁159A、159Bの延長線上に、該小梁と同方向に延びる共用部連絡梁219、219を有する。両共用部連絡梁219、219は、梁間方向の他端側に形成された大梁153A、153Bに接続されている。
更に、梁間方向他方側に位置する一部の中間柱161A、161Bには、中間柱161、161間を接続する共用部連絡梁220が接続されている。
2つの中位構造ブロック170A、170Bを桁行方向にずらして配置する場合は、一方の中位構造ブロック170の耐震壁157と、他方の中位構造ブロック170の小梁159とを同一直線上に配置する構成としてもよい。
<効果>
第五乃至第七の実施形態と同一の構成については、第五及び第六の実施形態に示した効果と同様の効果を奏する。
本例は、2つの基準構造ブロック150、150(中位構造ブロック170A、170B)の桁行方向が平行するように、両者を組み合わせる場合の例を示している。本例においては、両中位構造ブロックの梁(壁梁、小梁)を同一直線上に配置し、該直線上に位置する共用ブロック部分に共用部連絡梁を配置したので、耐震性が向上する。
〔本考案の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、全体が免震装置301によって支持された多層の集合住宅1〜4の架構構造に関する。この架構構造は、桁行方向に並ぶ一対の柱111、111と両柱間を接続する大梁113とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面115、115、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁117、117、及び、対向配置された各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁119、を有する基準構造ブロック110を備える。そして、基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸123、123は乾式壁からなる戸境壁125によって分離されていることを特徴とする。
本態様は、例えば1スパンからなる基準構造ブロックを備える集合住宅の架構構造に関する。
本態様によれば、集合住宅を、基準構造ブロックを備える構造としたので、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる。
<第二の実施態様>
本態様は、全体が免震装置301によって支持された多層の集合住宅5〜8の架構構造に関する。この架構構造は、桁行方向に並ぶ一対の柱151、151と両柱間を接続する大梁153とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面155、155、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁157、157、及び、対向配置された各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁159、を有する基準構造ブロック150を備える。該基準構造ブロックは、各大梁の桁行方向中間部に配置されると共に梁間方向に延びる梁が接続されていない中間柱161、161を有する。そして、基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸163、163…は乾式壁からなる戸境壁165、165によって分離されていることを特徴とする。
本態様は、複数スパンからなる基準構造ブロックを備える集合住宅の架構構造に関する。
本態様によれば、集合住宅を、基準構造ブロックを備える構造としたので、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる。
<第三の実施態様>
本態様に係る集合住宅1(5)の架構構造は、複数の基準構造ブロック110(150)が桁行方向に順次連接された構成を有し、桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロックの連接側端部に位置する柱111(151)と耐震壁117(157)が、両基準構造ブロックにおいて共有されていることを特徴とする。
本態様によれば、集合住宅を、複数の基準構造ブロックを接続した構造としたので、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる。
<第四の実施態様>
本態様に係る集合住宅2〜4(6〜8)の架構構造は、複数の基準構造ブロック110(150)が、共用部200を構成する共用廊下201の床スラブを介して接続されており、共用部は基準構造ブロックに形成された大梁113(153)、小梁119(159)、又は壁梁117(157)の延長線上に形成された共用部連絡梁211〜213(215、216、218〜220)を有することを特徴とする。
本態様によれば、両基準ブロック中の大梁、小梁、又は壁梁との間で共用部連絡梁を介して圧縮力が伝達されるので、地震時における基準構造ブロックの破壊を防止できる。
<第五の実施態様>
本態様に係る集合住宅3(7)の架構構造は、一部の基準構造ブロック110(150)内に共用設備(共用ブロック205)が配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、共用設備を基準構造ブロック内に配置するので、共用設備の構成を建物毎に個別に設計する場合に比べて、設計作業にかかる労力を低減できる。
<第六の実施態様>
本態様に係る集合住宅1〜4(6、8)の架構構造は、少なくとも2つの基準構造ブロック110(150)が桁行方向に連接された中位構造ブロック130(170)を有し、該中位構造ブロック内で桁行方向に隣接する2つの基準構造ブロックの連接側端部に位置する柱111(151)と耐震壁117(157)が、両基準構造ブロックにおいて共有されていることを特徴とする。
本態様によれば、集合住宅を、複数の基準構造ブロックを連接した中位構造ブロック単位で設計するので、敷地形状や方位に応じた平面形状を有する集合住宅を、容易且つバリエーション豊富に設計できる。
<第七の実施態様>
本態様に係る集合住宅2〜4(6〜8)の架構構造は、複数の中位構造ブロック130(170)が、共用部200を構成する共用廊下201の床スラブを介して接続されており、共用部は基準構造ブロックに形成された大梁113(153)、小梁119(159)、又は壁梁117(157)の延長線上に形成された共用部連絡梁211〜213(215、216、218〜220)を有することを特徴とする。
本態様によれば、両中位構造ブロック中の大梁、小梁、又は壁梁との間で共用部連絡梁を介して圧縮力が伝達されるので、地震時における中位構造ブロックの破壊を防止できる。
<第八の実施態様>
本態様に係る集合住宅8の架構構造は、梁間方向の一方側(共用廊下201側)に位置する架構面155、155が対向するように所定の間隔を空けて離間して配置された一対の中位構造ブロック170、170を有し、該各中位構造ブロックの桁行方向の適所が共用部200を構成する共用廊下201の床スラブを介して接続されており、共用部は両中位構造ブロックの耐震壁157、157の延長線上に形成された共用部耐震壁217を有することを特徴とする。
本態様によれば、複数の構造ブロック間に共用部耐震壁を配置することによって、耐震性が向上する。
1〜8…集合住宅、110…基準構造ブロック、111…柱、113…大梁、115…架構面、117…耐震壁(壁梁)、119…小梁、123…住戸、124…床スラブ、125…戸境壁、127…バルコニー、130…中位構造ブロック、150…基準構造ブロック、151…柱、153…大梁、155…架構面、157…耐震壁、159…小梁、161…中間柱、163…住戸、165…戸境壁、166…RC壁、167…バルコニー、170…中位構造ブロック、200…共用部、201…共用廊下、203…階段室、205…共用ブロック、209…エレベータシャフト、211〜213…共用部連絡梁、215、216…共用部連絡梁、217…連層壁、218〜220…共用部連絡梁、300…免震層、301…免震装置

Claims (8)

  1. 免震装置によって支持された多層の集合住宅の架構構造であって、
    桁行方向に並ぶ一対の柱と前記両柱間を接続する大梁とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する前記柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁、及び、対向配置された前記各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁、を有する基準構造ブロックを備え、
    該基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸は乾式壁からなる戸境壁によって分離されていることを特徴とする集合住宅の架構構造。
  2. 免震装置によって支持された多層の集合住宅の架構構造であって、
    桁行方向に並ぶ一対の柱と前記両柱間を接続する大梁とを夫々有し、梁間方向に離間して対向配置される一対のラーメン構造の架構面、該各架構面の桁行方向の各端部に位置する前記柱同士を梁間方向に接続すると共に壁梁を兼用する一対の耐震壁、及び、対向配置された前記各大梁の桁行方向中間部適所を梁間方向に接続する小梁、を有する基準構造ブロックを備え、
    該基準構造ブロックは、前記各大梁の桁行方向中間部に配置されると共に梁間方向に延びる梁が接続されていない中間柱を有し、
    前記基準構造ブロック内において桁行方向に隣接配置された各住戸は乾式壁からなる戸境壁によって分離されていることを特徴とする集合住宅の架構構造。
  3. 複数の前記基準構造ブロックが桁行方向に順次連接された構成を有し、桁行方向に隣接する2つの前記基準構造ブロックの連接側端部に位置する前記柱と前記耐震壁が、前記両基準構造ブロックにおいて共有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集合住宅の架構構造。
  4. 複数の前記基準構造ブロックが、共用部を構成する共用廊下の床スラブを介して接続されており、該共用部は前記基準構造ブロックに形成された前記大梁、前記小梁、又は前記壁梁の延長線上に形成された共用部連絡梁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の集合住宅の架構構造。
  5. 一部の前記基準構造ブロック内に共用設備が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集合住宅の架構構造。
  6. 少なくとも2つの前記基準構造ブロックが桁行方向に連接された中位構造ブロックを有し、該中位構造ブロック内で桁行方向に隣接する2つの前記基準構造ブロックの連接側端部に位置する前記柱と前記耐震壁が、前記両基準構造ブロックにおいて共有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集合住宅の架構構造。
  7. 複数の前記中位構造ブロックが、共用部を構成する共用廊下の床スラブを介して接続されており、該共用部は前記基準構造ブロックに形成された前記大梁、前記小梁、又は前記壁梁の延長線上に形成された共用部連絡梁を有することを特徴とする請求項6に記載の集合住宅の架構構造。
  8. 梁間方向の一方側に位置する架構面が対向するように所定の間隔を空けて離間して配置された一対の前記中位構造ブロックを有し、
    該各中位構造ブロックの桁行方向の適所が共用部を構成する共用廊下の床スラブを介して接続されており、
    前記共用部は前記両中位構造ブロックの前記耐震壁の延長線上に形成された共用部耐震壁を有することを特徴とする請求項6に記載の集合住宅の架構構造。
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