JP2003232140A - 集合住宅 - Google Patents

集合住宅

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JP2003232140A
JP2003232140A JP2002030271A JP2002030271A JP2003232140A JP 2003232140 A JP2003232140 A JP 2003232140A JP 2002030271 A JP2002030271 A JP 2002030271A JP 2002030271 A JP2002030271 A JP 2002030271A JP 2003232140 A JP2003232140 A JP 2003232140A
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wall
earthquake
girder
inter
stiffening
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JP2002030271A
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English (en)
Inventor
Kyoji Noguchi
恭二 野口
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Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部空間をその利用用途に応じて任意の区画
に仕切って有効に利用することができ、且つ所望の耐震
性能を有する集合住宅を提供する。 【解決手段】 集合住宅1は、独立柱3a,3bを備え
た第1ラーメン構造体2aと第2ラーメン構造体2bに
よって桁行方向の骨組構造体2が形成され、はり間方向
の骨組構造体が形成される。二つのラーメン構造体の間
に合成耐震壁体10を配置し、合成耐震壁体は、はり間
方向の第1のはり間補剛壁14a,第2のはり間補剛壁
14bと、桁行方向の桁行補剛壁14cとが一体化して
接合され、第1のはり間補剛壁と第2のはり間補剛壁と
の長さ方向の平面視中間部に桁行補剛壁が接合されてほ
ぼH字形の開放水平断面形に形成され、複数階にわたり
連層的に設置された立体耐震壁構造を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の耐震性能を
発揮する耐震壁構造を有する多層の集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、特開平11−303449号
公報には、耐震性能を高めることができる多層の共同住
宅(集合住宅)の構造が開示されている。この共同住宅
では、枠型柱状耐震構造体が、複数のフロア空間にわた
って複数のスラブを上下に貫通する形で共同住宅の本体
構造体に配設されている。この構造では、水平方向の地
震力が枠型柱状耐震構造体にも分散して負担されるの
で、本体構造体に地震力が集中しないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記枠
型柱状耐震構造体は、その水平断面形状が基本的に閉鎖
された筒状または大部分が閉鎖された筒状の閉鎖水平断
面形を構成している。したがって、閉鎖水平断面形を有
する筒状の枠型柱状耐震構造体の内方の吹抜空間などの
利用用途としては、立体駐車設備,階段ユニット,エレ
ベータなどに限定される傾向があった。そのため、共同
住宅に柱状耐震構造体を設けた場合に、共同住宅の内部
空間の利用用途を拡げて有効に利用することが可能な技
術が求められていた。
【0004】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、集合住宅の内部空間をその利用用途
に応じて任意の区画に仕切って有効に利用することがで
き、且つ所望の耐震性能を有する集合住宅を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明にかかる集合住宅は、所定のスパン長さ離隔
し対向して配置された複数の独立柱を備えた第1ラーメ
ン構造体と第2ラーメン構造体とによって桁行方向の骨
組構造体が形成され、桁行方向に直交してはり間方向の
骨組構造体が形成される多層の集合住宅であって、第1
ラーメン構造体と第2ラーメン構造体との間の平面視中
間部に少なくとも一つの合成耐震壁体を配置し、合成耐
震壁体は、はり間方向に配置された第1のはり間補剛壁
と、隣接するはり間方向に配置された第2のはり間補剛
壁と、桁行方向のほぼ1スパン長さに相当する水平長さ
に形成された桁行補剛壁とが一体化して接合され、第1
のはり間補剛壁と第2のはり間補剛壁との長さ方向の平
面視中間部に桁行補剛壁が接合されてほぼH字形の開放
水平断面形に形成され、上下方向に複数階にわたって連
層的に設置された立体耐震壁構造を構成している。ま
た、本発明にかかる別の集合住宅は、所定のスパン長さ
離隔し対向して配置された複数の独立柱を備えた第1ラ
ーメン構造体と第2ラーメン構造体とによって桁行方向
の骨組構造体が形成され、桁行方向に直交してはり間方
向の骨組構造体が形成される多層の集合住宅であって、
第1ラーメン構造体と第2ラーメン構造体との間の平面
視中間部に少なくとも一つの合成耐震壁体を配置し、合
成耐震壁体は、はり間方向に配置された第1のはり間補
剛壁と、隣接するはり間方向に配置された第2のはり間
補剛壁と、桁行方向のほぼ1スパン長さに相当する水平
長さに形成された桁行補剛壁とが一体化して接合され、
互いに平行な第1のはり間補剛壁と第2のはり間補剛壁
とが桁行補剛壁の桁行方向の平面視同一側に接合されて
ほぼコ字形の開放水平断面形に形成され、上下方向に複
数階にわたって連層的に設置された立体耐震壁構造を構
成している。
【0006】前記各集合住宅において、合成耐震壁体が
配置されている1スパンに相当する床面を、桁行補剛壁
で一方の床面領域と他方の床面領域に仕切って、共用領
域または住戸領域とするのが好ましい。また、桁行補剛
壁の平面視の中間部に、人の動線を確保するための壁開
口部を貫通形成しているのが好ましい。好ましくは、合
成耐震壁体が配置されているスパンの両側または一方の
隣接するスパンに、耐震壁が配置されていない少なくと
も一以上のはり間方向の架構面を介在的に設けて、桁行
方向に2スパン以上にわたる無耐震壁構造の住戸領域を
形成している。好ましくは、合成耐震壁体のはり間補剛
壁をはり間方向の架構面内に配置するとともに、はり間
補剛壁の所定の水平長さを、はり間方向の二つの独立柱
間の内法スパン長さより短く形成することにより、はり
間補剛壁の少なくとも一の端部と少なくとも一の独立柱
との間の鉛直面に開放空間を形成している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
の一例を、図1ないし図14を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1ないし図10は本発明の第1の
実施形態を示す図である。図1は集合住宅の平面図、図
2(a)〜(c)は、前記集合住宅の骨組構造体を示す
平面図、図3は、図2(c)の一部を拡大して示す平面
図である。図4(a),(b),図5(a)〜(c)
は、前記集合住宅の床面の利用形態を示す平面図、図6
は前記集合住宅の合成耐震壁体の斜視図、図7は図1の
VII−VII線側面断面図、図8(a)〜(c)は、集合住
宅の一部を拡大して示す平面図、図9(a),(b)
は、地震時における骨組構造体の挙動を説明するための
骨組構造体の平面図である。
【0008】図1に示すように、多層の集合住宅1の基
準階(たとえば、図6に示すFn階)は、桁行方向(集
合住宅1の長手方向で、B方向)に延設された一つの共
用廊下7に沿って複数の住戸領域(住戸空間)11,1
1a,11bを配置し、共用廊下7の反対側にバルコニ
ー8を付設した、片廊下方式の板状平面形を形成してい
る。集合住宅1の桁行方向(B方向)は10スパン、桁
行方向と直交するはり間方向(C方向)は1スパン(対
向する独立柱3a,3b間)である。各階(基準階)の
平面形状は、はり間方向に狭く桁行方向に細長い板状を
なしている。複数の独立柱3aと独立柱3bは、所定の
スパン長さLc離隔し、対向して配置されている。ここ
で、「スパン」とは対向配置される2本の柱間の単位
で、「1スパン」とはそれが1単位つまり柱が2本の場
合のことである。また、「スパン長さ」とは柱間の直線
状の距離のことであり、「スパン数」とはスパンの数を
意味する。
【0009】次に、集合住宅1の骨組構造体2を説明す
る。図1,図2(a),(b)に示すように、骨組構造
体2は、桁行方向(B方向)に配置された第1ラーメン
構造体2aおよび第2ラーメン構造体2bと、はり間方
向(C方向)に少なくとも一つ配置された独立連層耐震
壁体9と、第1ラーメン構造体2aと第2ラーメン構造
体2bとの間の平面視中間部(本実施形態では、ほぼ中
央部)に少なくとも一つ配置された合成耐震壁体10と
からなっている。ここで、「骨組構造体」とは、柱や梁
などの線材,耐震壁や壁ブレースなどの面部材を組み合
わせた架構、およびそれに一体化した二次的構造部材で
構成され、地震力などの外力に対して構造設計上抵抗し
得る構造体をいう。
【0010】骨組構造体2は、桁行方向(B方向)で
は、対向して配置された二つのラーメン構造体2a,2
bを有し、第1ラーメン構造体2aが共用廊下7の外側
に配置され、第2ラーメン構造体2bがバルコニー8の
外側に配置されたいわゆるアウトフレームの構成になっ
ている。第1ラーメン構造体2aにおいて、桁行方向の
ラーメン骨組は、複数の独立柱3aと、水平方向に架設
された梁4aとによって構成されている。複数の独立柱
3aは、共用廊下7の外縁部に沿って、桁行方向に任意
のスパン長さで配置されている。第2ラーメン構造体2
bにおいて、桁行方向のラーメン骨組は、複数の独立柱
3bと、水平方向に架設された梁4bとによって構成さ
れている。複数の独立柱3bは、バルコニー8の外縁部
に沿って、桁行方向に任意のスパン長さで配置されてい
る。なお、第1ラーメン構造体2aを共用廊下7と住戸
領域11,11a,11bとの間に配置し、第2ラーメ
ン構造体2bをバルコニー8と住戸領域11,11a,
11bとの間に配置した構成であってもよい。
【0011】第1ラーメン構造体2aと第2ラーメン構
造体2bの対向する二つの独立柱3a,3bを結んだは
り間方向の架構面13が、所定のスパン長さLCを有し
桁行方向に任意のスパン長さ離隔して、複数(図2
(a)に示すように、11個)形成されている。はり間
方向の架構面13は、対向する二つの独立柱3a,3b
を結ぶ水平軸線(図2(a)に一点鎖線で示す)を通る
仮想の鉛直面であって、桁行方向の架構面(第1ラーメ
ン構造体2a、第2ラーメン構造体2bが配置されてい
る仮想の鉛直面)と直交して構成されている。はり間方
向の架構面13に、合成耐震壁体10および独立連層耐
震壁体9などの耐震壁と、梁,柱などを配置することに
よって、はり間方向の骨組構造体2が構成される。な
お、合成耐震壁体10を一つ設けた場合を示しているが
二つ以上配置してもよい。
【0012】次に、合成耐震壁体10について図2,図
3を参照して説明する。図2,図3に示すように、合成
耐震壁体10は、第1のはり間補剛壁(はり間補剛壁)
14aと第2のはり間補剛壁(はり間補剛壁)14bと
桁行補剛壁14cとが一体化して接合されて、開放水平
断面形をなしている。合成耐震壁体10は、上下方向に
複数階にわたって連層的に設置された立体耐震壁構造を
構成している。第1のはり間補剛壁14aは、はり間方
向の架構面13(図2(a))内に配置され、はり間方
向に所定の水平長さW11を有している。第2のはり間補
剛壁14bは、隣接するはり間方向の架構面13内に配
置され、はり間方向に所定の水平長さW12を有してい
る。桁行補剛壁14cは、桁行方向を向いて配置され、
桁行方向のほぼ1スパン長さLBに相当する所定の水平
長さW13に形成されている。
【0013】ここで、「補剛」とは、構造物の剛性を保
持するために補助部材を使用することであり、特に、骨
組構造体2の水平剛性と水平耐力を補って付加する機
能,作用のことである。「開放水平断面形」とは、はり
間補剛壁14a,14bと桁行補剛壁14cとを組み合
わせて形成された合成耐震壁体10の内部が、合成耐震
壁体10の外部と連通した開放的な空間を形成している
水平断面形状をいう。これに対して、「閉鎖水平断面
形」とは、上述の従来の枠型柱状耐震構造体のように、
内部に閉塞された空間を有する筒状のような水平断面形
状をいう。
【0014】合成耐震壁体10は、第1のはり間補剛壁
14aと第2のはり間補剛壁14bとの長さ方向の平面
視中間部(本実施形態では、ほぼ中央部)に桁行補剛壁
14cが接合されてほぼH字形(H字形にはI字形も含
む)の開放水平断面形に形成されている。したがって、
第1のはり間補剛壁14aに対する桁行補剛壁14cの
接合と、第2のはり間補剛壁14bに対する桁行補剛壁
14cの接合は、それぞれ平面視T字形である。
【0015】本実施形態の合成耐震壁体10では、第1
のはり間補剛壁14aの水平断面形は、所定の壁厚さ
(図3の壁厚さT11)と、所定の水平長さ(図3の水平
長さW11)とを有する細長い矩形をなし、壁厚さのほぼ
中心線をはり間方向の架構面13(図2(a))にほぼ
一致させ、その水平長さ方向をはり間方向の架構面13
内に配置している。第2のはり間補剛壁14bの水平断
面形は、所定の壁厚さ(図3の壁厚さT12)と、所定の
水平長さ(図3の水平長さW12)とを有する細長い矩形
をなし、壁厚さのほぼ中心線を、第1のはり間補剛壁1
4aに隣接するはり間方向の架構面13(図2(a))
にほぼ一致させ、その水平長さ方向をはり間方向の架構
面13内に同様に配置している。この合成耐震壁体10
では、第1のはり間補剛壁14aと第2のはり間補剛壁
14bの水平断面形は、同一の壁厚さ(T11=T12)
で、同一の水平長さ(W11=W12)の場合を示してい
る。
【0016】桁行補剛壁14cの水平断面形は、所定の
壁厚さ(図3の壁厚さT13)と、所定の水平長さ(図3
の水平長さW13)とを有する細長い矩形をなし、その水
平長さ方向を桁行方向に配置している。なお、第1のは
り間補剛壁14a,第2のはり間補剛壁14b,桁行補
剛壁14cの壁厚さT11,T12,T13と水平長さW11,
W12,W13は、それぞれ任意に設定することができる。
はり間方向と桁行方向は直交しているので、第1のはり
間補剛壁14aと第2のはり間補剛壁14bは、桁行補
剛壁14cに対してそれぞれ直角に配置されている。第
1のはり間補剛壁14aは、その水平長さ方向を桁行補
剛壁14cの側面の両方(共用廊下7側とバルコニー8
側)に張り出しており、第2のはり間補剛壁14bも、
その水平長さ方向を桁行補剛壁14cの側面の両方(共
用廊下7側とバルコニー8側)に張り出している。
【0017】合成耐震壁体10は、はり間方向の総水平
長さ(ここでは、W11=W12)と桁行方向の総水平長さ
W1B(=W13+T11+T12)とを有して、ほぼH字形の
開放水平断面形に形成されている。合成耐震壁体10の
はり間方向の総水平長さ(W11=W12)は、はり間方向
の相対向する二つの独立柱3a,3b間のスパン長さL
Cより短く形成されていればよい。第1のはり間補剛壁
14aの所定の水平長さ(図3の水平長さW11)と第2
のはり間補剛壁14bの所定の水平長さ(図3の水平長
さW12)は、任意に設定することができる。合成耐震壁
体10のはり間方向の総水平長さと、独立柱3a,3b
間のスパン長さLCとの水平長さ比は、図3ではほぼ1/
4の場合を示しているが、たとえば、1/5〜2/3(好
ましくは、1/4〜1/2)程度にすることができる。合
成耐震壁体10は開放水平断面形に形成されているの
で、前記水平長さ比を大きくしても、合成耐震壁体10
が配置されている1スパンに相当する床面S1にデッド
スペースが発生せず、床面S1を有効利用することがで
きる。
【0018】次に、合成耐震壁体10の間仕切り壁とし
ての機能を説明する。合成耐震壁体10は、耐震性能を
有する「耐震壁」であるとともに、壁体として室内空間
を仕切る機能を有する「間仕切り壁」である。合成耐震
壁体10は、桁行方向のスパン長さLB、はり間方向の
スパン長さLCの1スパンに相当する床面S1の、平面視
中間部に配置されている(図2(c),図3参照)。床
面S1は、桁行方向のスパン長さLBと、はり間方向のス
パン長さLCとを有する矩形平面形に形成されている。
合成耐震壁体10は、第1ラーメン構造体2aと第2ラ
ーメン構造体2bとの間の住戸領域11a,11の奥行
き寸法(図3の奥行き寸法Lmax)の任意の平面的位置
に配置することができる。
【0019】桁行方向に配置されている桁行補剛壁14
cは、1スパンに相当する床面S1を、桁行補剛壁14
cの一方の床面領域(図3の下方側でバルコニー8側)
S1bと、他方の床面領域(図3の上方側で共用廊下7
側)S1aに仕切っている。桁行補剛壁14cと、第1の
はり間補剛壁14aのうち桁行補剛壁14cから独立柱
3aの方向に延びた部位と、第2のはり間補剛壁14b
のうち桁行補剛壁14cから独立柱3aの方向に延びた
部位とによって、平面視三方向が区画された凹部空間S
PAを区画している。これと同様に、桁行補剛壁14c
と、第1のはり間補剛壁14aのうち桁行補剛壁14c
から独立柱3bの方向に延びた部位と、第2のはり間補
剛壁14bのうち桁行補剛壁14cから独立柱3bの方
向に延びた部位とによって、平面視三方向が区画された
凹部空間SPBを区画している。合成耐震壁体10はほ
ぼH字形の開放水平断面形に形成されているので、合成
耐震壁体10の内部には閉塞した空間を形成していな
い。したがって、合成耐震壁体10によって形成された
凹部空間SPA,SPBの領域を、床が設けられた有床構
造、または、上下階に連通する吹抜け空間が設けられた
無床構造の何れにしてもよい。
【0020】はり間方向の架構面13(図2(a))内
にそれぞれ配置されているはり間補剛壁14a,14b
の各水平長さW11,W12は、はり間方向の二つの独立柱
3a,3b間の内法スパン長さLC1よりそれぞれ短く形
成されている。これにより、はり間補剛壁14a,14
bの少なくとも一の端部(ここでは、両端部)と、少な
くとも一の独立柱(ここでは、二つの独立柱3a,3
b)との間の鉛直面に、開放空間を形成している(図3
参照)。すなわち、第1のはり間補剛壁14aの一方の
端部20aと独立柱3aとの間には開放空間24aが形
成され、第1のはり間補剛壁14aの他方の端部20b
と独立柱3bとの間には、他の開放空間24bが形成さ
れている。これと同様に、第2のはり間補剛壁14bの
一方の端部21aと独立柱3aとの間には開放空間25
aが形成され、第2のはり間補剛壁14bの他方の端部
21bと独立柱3bとの間には、他の開放空間25bが
形成されている。
【0021】このように、合成耐震壁体10は間仕切り
壁の機能を有するので、合成耐震壁体10が配置されて
いる1スパンに相当する床面S1を、桁行補剛壁14c
で一方の床面領域S1bと他方の床面領域S1aに仕切っ
て、共用領域または住戸領域として設計プラニングする
ことができる。
【0022】以下、図4(a),(b),図5(a)〜
(c)を参照して、床面S1の利用形態を説明する。こ
こで、一方の床面領域S1bは、バルコニー8側の床面
で、図4,図5に示す合成耐震壁体10の桁行補剛壁1
4cの平面視下側である。他方の床面領域S1aは、共用
廊下7側の床面で、図4,図5に示す合成耐震壁体10
の桁行補剛壁14cの平面視上側である。図4(a)で
は、一方の床面領域S1bを住戸領域11aとし、他方の
床面領域S1aを、たとえば、エレベータ32などの昇降
設備を配置するための共用領域として利用している。住
戸領域11aを構成する一方の床面領域S1bは、有床構
造とするが、共用領域の床面領域S1aのうち昇降設備が
配置されている範囲は、上下階に連通する吹抜け空間を
設けた無床構造である。図4(b)では、一方の床面領
域S1bを住戸領域11aとし、他方の床面領域S1aを、
共用廊下7と連続したホールなどを配置する共用領域と
して利用している。その結果、たとえば、両隣の住戸
(住戸領域11a,11)への玄関を、ホールから直接
に出入りするはり間方向の壁面に設けることができる。
【0023】図5(a),(b)では、桁行補剛壁14
cの平面視の中間部に、人の動線Eを確保するための壁
開口部14dを貫通形成している。図5(a)では、一
方の床面領域S1bおよび他方の床面領域S1aの両方を、
昇降設備を収納する共用領域として利用している。一方
の床面領域S1bにはエレベータ32を配置し、他方の床
面領域S1aには階段(昇降設備の一種)33を配置し、
矢印Eに示すように桁行補剛壁14cの壁開口部14d
を人が通って、両方の床面領域S1b,S1aの間を移動で
きるように構成している。図5(b),(c)は、一方
の床面領域S1bおよび他方の床面領域S1aを、住戸領域
として利用している。図5(b)に示すように、1スパ
ンに相当する床面S1全体を一住戸として利用する場合
は、図5(a)に示す合成耐震壁体10の場合と同様
に、桁行補剛壁14cに壁開口部14dを設けて、住戸
内の人の動線Eを確保することができる。
【0024】図5(c)では、一方の床面領域S1bを、
隣接するスパンの住戸領域と連続して平面視L字形の大
きな住戸領域11aとして形成するとともに、他方の床
面領域S1aを、隣接するスパンの住戸領域と連続して平
面視逆L字形の大きな住戸領域11aとして形成してい
る。すなわち、合成耐震壁体10が配置されているスパ
ンの床面S1を、桁行補剛壁14cの平面視の一方に一
方の住戸領域11aを配置し平面視の他方に他方の住戸
領域11aを配置するように、区画することができる。
したがって、一方の住戸領域11aは、合成耐震壁体1
0の平面視左側(図5(c)の左側)に隣接する2スパ
ンからなる矩形状の床面領域S2と、床面S1において桁
行補剛壁14cの平面視下方側(図5(c)の下方側)
に位置する矩形状の床面領域S1bとにより構成されるこ
とになる。また、他方の住戸領域11aは、合成耐震壁
体10より平面視右側の2スパンからなる矩形状の床面
領域S2と、床面S1において桁行補剛壁14cより平面
視上方の矩形状の床面領域S1aとにより構成されること
になる。図4,図5に示すように、合成耐震壁体10は
間仕切り壁の機能を発揮するので、集合住宅1の内部空
間をその利用用途に応じて任意の区画に仕切って有効に
利用することができる。なお、桁行補剛壁14cの平面
視の一方と他方に配置する共用領域や住戸領域を、上述
の例のほか任意に選択することができる。
【0025】次に、合成耐震壁体10の、耐震性能を有
する「耐震壁」の構造およびその機能について説明す
る。図6において、合成耐震壁体10は、はり間方向に
所定の水平長さを有するはり間補剛壁14a,14b
と、桁行方向に所定の水平長さを有する桁行補剛壁14
cとを組み合わせたほぼH字形の開放水平断面形に形成
され、上下方向に複数階にわたって連層的に設置された
立体耐震壁構造を構成している。図6では、集合住宅1
のFn+1階における合成耐震壁体10の断面を示して
いる。なお、合成耐震壁体10は、集合住宅1の下部か
ら上部まで全階にわたって設置された場合を示している
が、一部の複数階にわたって連層的に設置された場合で
もよい。
【0026】合成耐震壁体10は、立体耐震壁構造に構
成されているので、はり間方向の地震力Qcと桁行方向
の地震力Qbとに対して、はり間補剛壁14a,14b
と桁行補剛壁14cとが一体化した開放水平断面形の耐
震壁として機能する。桁行方向の地震力Qbに対して
は、合成耐震壁体10は、H字形水平断面の強軸方向で
抵抗するので、第1のはり間補剛壁14aおよび第2の
はり間補剛壁14bが曲げモーメント(図6の曲げモー
メントMb)に抵抗し、桁行補剛壁14cが水平力(図
6の水平力Qb)に抵抗する断面耐力を有する。はり間
方向の地震力Qcに対しては、合成耐震壁体10は、第
1のはり間補剛壁14aおよび第2のはり間補剛壁14
bが、曲げモーメント(図6の曲げモーメントMc)お
よび水平力(図6の水平力Qc)の両方に抵抗する断面
耐力を有する。しかし、はり間方向の地震力Qcに対し
ては、H字形水平断面の弱軸方向で抵抗するので、第1
のはり間補剛壁14aと第2のはり間補剛壁14bとが
共働して抵抗する。合成耐震壁体10のはり間方向の実
質的水平長さは、第1のはり間補剛壁14aの水平長さ
W11と第2のはり間補剛壁14bの水平長さW12のうち
長い方の寸法となる(図3,図6参照)。
【0027】図7に示すように、合成耐震壁体10の下
端部近傍と独立連層耐震壁体9の下端部近傍には、張出
し支持部36が固定されている。張出し支持部36は、
合成耐震壁体10および独立連層耐震壁体9からはり間
方向の両方向に張出して、基礎構造物35に接続されて
いる。これにより、合成耐震壁体10は、張出し支持部
36により主にはり間方向の地震時の転倒抵抗スパン長
さがほぼLcに拡張される。したがって、集合住宅1
は、基礎の転倒耐力,骨組の水平耐力,水平剛性などの
構造的特性が向上する。特に、骨組構造体2のはり間方
向に地震力QCが作用した際には、合成耐震壁体10お
よび独立連層耐震壁体9の下端に発生する鉛直力が、張
出し支持部36を介することにより、基礎構造物35を
支持する両端部(独立柱3a,3bの位置)の杭37に
伝達される。これにより、集合住宅1は、地震時の基礎
の転倒に対して強い骨組を有することになる。
【0028】図3,図7に示すように、合成耐震壁体1
0は、はり間方向では、はり間補剛壁14a,14bの
両端部20a,20b,21a,21bと、第1ラーメ
ン構造体2aと第2ラーメン構造体2bの各独立柱3
a,3bとの間の各床位置で、境界梁5a,5b,6
a,6bがそれぞれ設けられている有梁構造を形成して
いる。すなわち、第1のはり間補剛壁14aの一方の端
部20aと第1ラーメン構造体2aの独立柱3aとの間
の床位置では、境界梁5aが設けられている。第1のは
り間補剛壁14aの他方の端部20bと第2ラーメン構
造体2bの独立柱3bとの間の床位置では、境界梁5b
が設けられている。これと同様に、第2のはり間補剛壁
14bの一方の端部21aと独立柱3aとの間の床位置
では、境界梁6aが設けられている。第2のはり間補剛
壁14bの他方の端部21bと独立柱3bとの間の床位
置では、境界梁6bが設けられている。合成耐震壁体1
0は、桁行方向では、桁行補剛壁14cが接合されてい
る位置とは反対側の床位置で、はり間補剛壁14a,1
4bの側面部に境界梁が設けられていない無梁構造を形
成している。
【0029】合成耐震壁体10が配置されているスパン
の両側のスパン(または、一方の隣接するスパン)に、
耐震壁が配置されていない少なくとも一以上のはり間方
向の架構面13(図2(a))を介在的に設けて、桁行
方向に2スパン以上にわたる床面S2に無耐震壁構造の
住戸領域を形成している(図1,図4,図5参照)。し
たがって、床面S2,S2は桁行方向に2スパン以上にわ
たってはり間方向の耐震壁のない広々した室内空間を形
成し、骨組構造体とは別個に、間仕切り壁,戸境壁を自
由に設置することができる。ここで、合成耐震壁体10
が設置されている床面S1は、桁行補剛壁14cの一方
の床面領域S1b(図3の下方側のバルコニー8側)と、
他方の床面領域S1a(図3の上方側の共用廊下7側)に
仕切られている。したがって、2スパン以上にわたる床
面S2,S2の広々とした住戸領域11a,11と、一方
の床面領域S1bまたは他方の床面領域S1aとを連続させ
て、平面視L字形または平面視逆L字形の大きな住戸領
域11a,11を形成することができる。この平面視L
字形または平面視逆L字形の住戸領域11a,11で
は、はり間方向の耐震壁のない広々とした大きな室内空
間を形成し、間仕切り壁,戸境壁を自由に設置すること
ができる。
【0030】はり間方向の架構面13内には、所定の水
平長さV1(図1)を有する独立連層耐震壁体9が配置
されている。独立連層耐震壁体9は、2スパンあけては
り間方向を向いて一つまたは複数配置されている。独立
連層耐震壁体9が配置されているはり間方向の架構面1
3の両側または一方の隣接するスパンにおいて、独立連
層耐震壁体9が配置されていない少なくとも一以上のは
り間方向の架構面13を介在的に設けている。その結
果、桁行方向に2スパン以上にわたる床面S2,S3に無
耐震壁構造の住戸領域(室内空間)11a,11を形成
している(図1参照)。これにより、桁行方向では無梁
構造を形成して、居住性のよい広い住戸空間を実現して
いる。
【0031】独立連層耐震壁体9は、耐震壁を上下方向
に複数階にわたって連層的に設置した耐震壁構造を構成
している。なお、独立連層耐震壁体9は、集合住宅1の
下部から上部まで全階にわたって設置された場合を示し
ているが、一部の複数階にわたって連層的に設置された
場合でもよい。独立連層耐震壁体9の水平長さV1は、
はり間方向の二つの独立柱3a,3b間の内法スパン長
さLC1(図3)より短く形成されている。これにより、
独立連層耐震壁体9の少なくとも一の端部と少なくとも
一の独立柱との間に、開放空間を形成している。すなわ
ち、独立連層耐震壁体9の一方の端部27aと独立柱3
aとの間に開放空間26aを形成し、他方の端部27b
と独立柱3bとの間に他の開放空間26bを形成してい
る(図1参照)。
【0032】次に、図8(a)〜(c)を参照して、集
合住宅1において耐震壁が配置されていないはり間方向
の架構面13(図2(a))の構造を説明する。はり間
方向の架構面13の構造は、床荷重など常時鉛直荷重を
負担すればよく、地震力は合成耐震壁体10および独立
連層耐震壁体9で負担する。図8(a)は、第1ラーメ
ン構造体2aの独立柱3aと第2ラーメン構造体2bの
独立柱3bとの間に梁12を架設したものである。図8
(b)は、図8(a)の梁12を支持する内部柱28
を、はり間方向のスパン長さLCのほぼ中央部に設置し
たものである。図8(c)は、図8(a),(b)に示
す梁12を使用しないで、床スラブをフラットスラブ構
造に構成し、スラブを支持する内部柱28を、はり間方
向のスパン長さLCのほぼ中央部に設置したものであ
る。
【0033】次に、図9(a),(b)を参照して、地
震時における骨組構造体2の挙動を説明する。図9
(a),(b)に示すように、はり間方向の同一架構面
13(図2(a))に配置されている対向する二つの独
立柱3a,3bおよび合成耐震壁体10と、同一架構面
13に配置されている対向する二つの独立柱3a,3b
および独立連層耐震壁体9とが、それぞれはり間方向の
架構を形成する。合成耐震壁体10の設置数および独立
連層耐震壁体9の設置数を適宜設定して、はり間方向の
骨組構造体2を構成する。図9(a)は、桁行方向に地
震力Qbが作用した場合を示す。この地震力Qbに対し
て、第1ラーメン構造体2aと第2ラーメン構造体2b
と合成耐震壁体10とが有効に抵抗する。合成耐震壁体
10が水平力Qbを分担することによって、第1ラーメ
ン構造体2aと第2ラーメン構造体2bが分担する水平
力Qbを、大幅に軽減することができる。このように、
地震時には、合成耐震壁体10が水平力Qbを負担して
いるので、ラーメン構造体2a,2bの負担する水平力
が軽減され、桁行方向の梁4a,4bに発生している応
力や各階の層間変位が上下方向でほぼ均一になる。高層
の集合住宅1であっても、階高,梁の断面成を全階にわ
たって同一にして、骨組構造体2の部材の標準化を促進
することができることになり、型枠工事,梁部材のプレ
キャスト化など種々の領域で利点を発揮する。また、桁
行方向の骨組の水平剛性と水平耐力が向上し、桁行方向
とはり間方向の両方向の骨組の水平剛性が同じになる傾
向を示すので、バランスのよい骨組みとなる。
【0034】図9(b)は、はり間方向に地震力Qcが
作用した場合を示す。この地震力Qcに対して、一つま
たは複数(図9(b)では一つ)の合成耐震壁体10
と、一つまたは複数(図9(b)では三つ)の独立連層
耐震壁体9が有効に抵抗する。合成耐震壁体10と独立
連層耐震壁体9を設けたので、はり間方向の水平剛性お
よび水平耐力を高めることができる。合成耐震壁体10
と独立連層耐震壁体9の設置する数を設計上設定するこ
とによって、合理的な振動特性を得ることができる。
【0035】図10(a)〜(c)は、第1の実施形態
における合成耐震壁体10の各種変形例を示す概略構成
図である。なお、この各種変形例や後述する第2の実施
形態において、図1ないし図9に示す実施形態と同一ま
たは相当部分には同一符号を付してその説明を省略し、
異なる部分のみ説明する。図10(a)〜(c)に示す
合成耐震壁体10は、はり間方向に所定の水平長さW1
1,W12をそれぞれ有するはり間補剛壁14a,14b
と、桁行方向に所定の水平長さW13を有する桁行補剛壁
14cとを組み合わせた開放水平断面形を形成し、上下
方向に複数階にわたって連層的に設置された立体耐震壁
構造を構成している。すなわち、合成耐震壁体10は、
はり間方向の架構面13(図2(a))内に配置され所
定の水平長さW11を有する第1のはり間補剛壁14a
と、隣接するはり間方向の架構面13内に配置され、所
定の水平長さW12を有する第2のはり間補剛壁14b
と、桁行方向のほぼ1スパン長さに相当する水平長さW
13に形成された桁行補剛壁14cとが一体化して接合さ
れている。そして、第1のはり間補剛壁14aと第2の
はり間補剛壁14bとの長さ方向の平面視中間部(好ま
しくは、図10(b),(c)に示すようにほぼ中央
部)に桁行補剛壁14cが接合されてほぼH字形の開放
水平断面形に形成されている。
【0036】図10(a)に示す合成耐震壁体10は、
第1のはり間補剛壁14aと第2のはり間補剛壁14b
との長さ方向の平面視中間部に桁行補剛壁14cが接合
されて、ほぼH字形の開放水平断面形に形成されてい
る。合成耐震壁体10の水平断面形は、第1のはり間補
剛壁14aの水平長さW11と第2のはり間補剛壁14b
の水平長さW12とがほぼ同じ(W11=W12)になるよう
に構成している。第1のはり間補剛壁14aは、桁行補
剛壁14cの位置から一方の端部20aまでの水平長さ
がW11aであり、桁行補剛壁14cの位置から他方の端
部20bまでの水平長さがW11bであり、両方の水平長
さの和が第1のはり間補剛壁14aの全体の水平長さW
11となる(W11a+W11b=W11)。そして、水平長さW
11aと水平長さW11bは異なる寸法である。第2のはり間
補剛壁14bも、第1のはり間補剛壁14aと同様の構
成を有している。こうすることにより、合成耐震壁体1
0が配置されている1スパンに相当する床面S1を、桁
行補剛壁14cで一方の床面領域と他方の床面領域に仕
切る場合に、一方の凹部空間SPBを他方の凹部空間S
PAよりその平面形が小さくなるように設計することが
可能になる。
【0037】図10(b)に示す合成耐震壁体10は、
第1のはり間補剛壁14aの水平長さW11より第2のは
り間補剛壁14bの水平長さW12の方が短くなるような
水平断面形を有している。そして、第2のはり間補剛壁
14bの壁厚さT12を、第1のはり間補剛壁14aの壁
厚さT11より厚く形成し、両方のはり間補剛壁14a,
14bにおいて、壁厚さと水平長さの積がほぼ同じ(T
11×W11=T12×W12)になるように構成している。こ
うすることにより、地震時の曲げモーメントMb,Mc
(図6)に対する第1のはり間補剛壁14aと第2のは
り間補剛壁14bの断面耐力をほぼ同じにすることがで
きる。なお、両方のはり間補剛壁14a,14bにおけ
る壁厚さと水平長さの積については、T11×W11=T12
×W12が好ましいが、必ずしもこれに限定されない。図
10(c)に示す合成耐震壁体10は、図5(a),
(b)に示す合成耐震壁体10の構成と同じであり、桁
行補剛壁14cの平面視の中間部(ここでは、ほぼ中央
部)には、人の動線を確保するための壁開口部14dが
貫通形成されている。なお、壁開口部14dを、図10
(a),(b)などに示す合成耐震壁体10に形成した
場合であってもよい。
【0038】(第2の実施形態)図11ないし図14を
参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は集合住宅1の平面図、図12は、集合住宅1の
骨組構造体の一部を拡大して示す平面図である。図1
1,図12に示すように、第2の実施形態にかかる集合
住宅1は、桁行方向(B方向)が13スパンで、第1の
実施形態で示すH字形の合成耐震壁体10と独立連層耐
震壁体9の他に、コ字形の合成耐震壁体50を有してい
る。これ以外の構成は、第1の実施形態の集合住宅1と
ほぼ同じ構成であり、同一符号を付している。第1ラー
メン構造体2aと第2ラーメン構造体2bの対向する二
つの独立柱3a,3bを結んだはり間方向の架構面13
(図2(a))が、所定のスパン長さLCを有し桁行方
向に任意のスパン長さ離隔して、複数(14個)形成さ
れている。はり間方向の架構面13に、H字形の合成耐
震壁体10,コ字形の合成耐震壁体50および独立連層
耐震壁体9などの耐震壁と、梁,柱などを配置すること
によって、はり間方向の骨組構造体2が構成される。な
お、H字形の合成耐震壁体10とコ字形の合成耐震壁体
50を一つずつ設けた場合を示しているが、それぞれ二
つ以上配置してもよい。
【0039】次に、合成耐震壁体50について説明す
る。合成耐震壁体50は、第1のはり間補剛壁(はり間
補剛壁)54aと第2のはり間補剛壁(はり間補剛壁)
54bと桁行補剛壁54cとが一体化して接合されて、
開放水平断面形をなしている。合成耐震壁体50は、上
下方向に複数階にわたって連層的に設置された立体耐震
壁構造を構成している。なお、合成耐震壁体50は、集
合住宅1の下部から上部まで全階にわたって設置された
場合を示しているが、一部の複数階にわたって連層的に
設置された場合でもよい。
【0040】第1のはり間補剛壁54aは、はり間方向
の架構面13(図2(a))内に配置され、はり間方向
に所定の水平長さW21を有している。第2のはり間補剛
壁54bは、隣接するはり間方向の架構面13内に配置
され、はり間方向に所定の水平長さW22を有している。
桁行補剛壁54cは、桁行方向を向いて配置され、桁行
方向のほぼ1スパン長さLBに相当する所定の水平長さ
W23に形成されている。合成耐震壁体50は、互いに平
行な第1のはり間補剛壁54aと第2のはり間補剛壁5
4bとが、桁行補剛壁54cの桁行方向の平面視同一側
に接合されて、ほぼコ字形の開放水平断面形に形成され
ている。したがって、第1のはり間補剛壁54aに対す
る桁行補剛壁54cの接合と、第2のはり間補剛壁54
bに対する桁行補剛壁54cの接合は、それぞれ平面視
L字形,逆L字形である。
【0041】合成耐震壁体50では、第1のはり間補剛
壁54aの水平断面形は、所定の壁厚さ(図12の壁厚
さT21)と、所定の水平長さ(図12の水平長さW21)
とを有する細長い矩形をなし、壁厚さのほぼ中心線をは
り間方向の架構面13にほぼ一致させ、その水平長さ方
向をはり間方向の架構面13内に配置している。第2の
はり間補剛壁54bの水平断面形は、所定の壁厚さ(図
12の壁厚さT22)と、所定の水平長さ(図12の水平
長さW22)とを有する細長い矩形をなし、壁厚さのほぼ
中心線を、第1のはり間補剛壁54aに隣接するはり間
方向の架構面13にほぼ一致させ、その水平長さ方向を
はり間方向の架構面13内に同様に配置している。この
合成耐震壁体50では、第1のはり間補剛壁54aと第
2のはり間補剛壁54bの水平断面形は、同一の壁厚さ
(T21=T22)で同一の水平長さ(W21=W22)であ
る。
【0042】桁行補剛壁54cの水平断面形は、所定の
壁厚さ(図12の壁厚さT23)と、所定の水平長さ(図
12の水平長さW23)とを有する細長い矩形をなし、そ
の水平長さ方向を桁行方向に配置している。なお、第1
のはり間補剛壁54a,第2のはり間補剛壁54b,桁
行補剛壁54cの壁厚さT21,T22,T23と水平長さW
21,W22,W23は、それぞれ任意に設定することができ
る。はり間方向と桁行方向は直交しているので、第1の
はり間補剛壁54aと第2のはり間補剛壁54bは、桁
行補剛壁54cに対してそれぞれ直角に配置されてい
る。第1のはり間補剛壁54aと第2のはり間補剛壁5
4bは、その水平長さ方向を桁行補剛壁14cの側面の
一方(たとえば、共用廊下7側)に張り出している。
【0043】合成耐震壁体50は、はり間方向の総水平
長さ(ここでは、W21=W22)と桁行方向の総水平長さ
W2B(=W23+T21+T22)とを有して、ほぼコ字形の
開放水平断面形に形成されている。合成耐震壁体50の
はり間方向の総水平長さ(W21=W22)は、はり間方向
の相対向する二つの独立柱3a,3b間のスパン長さL
Cより短く形成されていればよい。第1のはり間補剛壁
54aの所定の水平長さ(図12の水平長さW21)と第
2のはり間補剛壁54bの所定の水平長さ(図12の水
平長さW22)は、任意に設定することができる。合成耐
震壁体50のはり間方向の総水平長さと、独立柱3a,
3b間のスパン長さLCとの水平長さ比は、図12では
ほぼ1/4の場合を示しているが、たとえば、1/5〜2
/3(好ましくは、1/4〜1/2)程度にすることがで
きる。合成耐震壁体50は開放水平断面形に形成されて
いるので、前記水平長さ比を大きくしても、合成耐震壁
体50が配置されている1スパンに相当する床面S1に
デッドスペースが発生せず、床面S1を有効利用するこ
とができる。
【0044】次に、合成耐震壁体50の間仕切り壁とし
ての機能を説明する。合成耐震壁体50は、耐震性能を
有する「耐震壁」であるとともに、壁体として室内空間
を仕切る機能を有する「間仕切り壁」である。合成耐震
壁体50は、桁行方向のスパン長さLB、はり間方向の
スパン長さLCの1スパンに相当する床面S1の、平面視
中間部に配置されている。合成耐震壁体50は、第1ラ
ーメン構造体2aと第2ラーメン構造体2bとの間の住
戸領域11の奥行き寸法(図12の奥行き寸法Lmax)
の任意の平面的位置に配置することができる。
【0045】桁行方向に配置されている桁行補剛壁54
cは、1スパンに相当する床面S1を、桁行補剛壁54
cの一方の床面領域(図12の下方側でバルコニー8
側)S1bと、他方の床面領域(図12の上方側で共用廊
下7側)S1aに仕切っている。桁行補剛壁54cと第1
のはり間補剛壁54aと第2のはり間補剛壁54bとに
よって、平面視三方向が区画された凹部空間SPAを区
画している。合成耐震壁体50はほぼコ字形の開放水平
断面形に形成されているので、合成耐震壁体50の内部
には閉塞した空間を形成していない。したがって、合成
耐震壁体50によって形成された凹部空間SPAの領域
を、床が設けられた有床構造、または、上下階に連通す
る吹抜け空間が設けられた無床構造の何れにしてもよ
い。
【0046】はり間方向の架構面13(図2(a))内
にそれぞれ配置されているはり間補剛壁54a,54b
の各水平長さW21,W22は、はり間方向の二つの独立柱
3a,3b間の内法スパン長さLC1よりそれぞれ短く形
成されている。これにより、はり間補剛壁54a,54
bの少なくとも一の端部(ここでは、両端部)と、少な
くとも一の独立柱(ここでは、二つの独立柱3a,3
b)との間の鉛直面に、開放空間を形成している。すな
わち、第1のはり間補剛壁54aの一方の端部60aと
独立柱3aとの間には開放空間64aが形成され、第1
のはり間補剛壁54aの他方の端部60bと独立柱3b
との間には、他の開放空間64bが形成されている。こ
れと同様に、第2のはり間補剛壁54bの一方の端部6
1aと独立柱3aとの間には開放空間65aが形成さ
れ、第2のはり間補剛壁54bの他方の端部61bと独
立柱3bとの間には、他の開放空間65bが形成されて
いる。
【0047】このように、合成耐震壁体50は間仕切り
壁の機能を有するので、合成耐震壁体50が配置されて
いる1スパンに相当する床面S1を、桁行補剛壁54c
で一方の床面領域S1bと他方の床面領域S1aに仕切っ
て、共用領域または住戸領域として設計プラニングする
ことができる。合成耐震壁体50が配置されている1ス
パンに相当する床面S1の利用形態としては、第1の実
施形態の図4(a),(b),図5(a)〜(c)に示
した利用形態の例などと同様であり、集合住宅1の内部
空間をその利用用途に応じて任意の区画に仕切って有効
に利用することができる。なお、桁行補剛壁54cの平
面視の一方と他方に配置する共用領域や住戸領域を、上
述の例のほか任意に選択することができる。
【0048】合成耐震壁体50の、耐震性能を有する
「耐震壁」の構造およびその機能も、H字形の合成耐震
壁体10とほぼ同様である。図12,図6に示すよう
に、合成耐震壁体50は、立体耐震壁構造に構成されて
いるので、はり間方向の地震力Qcと桁行方向の地震力
Qb(図6)とに対して、はり間補剛壁54a,54b
と桁行補剛壁54cとが一体化した開放水平断面形の耐
震壁として機能する。桁行方向の地震力Qbに対して
は、合成耐震壁体50は、第1のはり間補剛壁54aお
よび第2のはり間補剛壁54bが曲げモーメント(図6
の曲げモーメントMb)に抵抗し、桁行補剛壁54cが
水平力(図6の水平力Qb)に抵抗する断面耐力を有す
る。はり間方向の地震力Qc(図6)に対しては、合成
耐震壁体50は、第1のはり間補剛壁54aおよび第2
のはり間補剛壁54bが、曲げモーメント(図6の曲げ
モーメントMc)および水平力(図6の水平力Qc)の両
方に抵抗する断面耐力を有する。しかし、合成耐震壁体
50は、第1のはり間補剛壁54aと第2のはり間補剛
壁54bが桁行補剛壁54cによって一体化されたほぼ
コ字形の開放水平断面形に形成されているので、はり間
方向の地震力Qcに対しては、第1のはり間補剛壁54
aと第2のはり間補剛壁54bとが共働して抵抗する。
合成耐震壁体50のはり間方向の実質的水平長さは、第
1のはり間補剛壁54aの水平長さW21と第2のはり間
補剛壁54bの水平長さW22のうち長い方の寸法とな
る。
【0049】図7と同様に、H字形の合成耐震壁体1
0,コ字形の合成耐震壁体50および独立連層耐震壁体
9の各下端部近傍には、張出し支持部36(図7参照)
が固定されている。張出し支持部36は、合成耐震壁体
10,50および独立連層耐震壁体9からはり間方向の
両方向に張出して、基礎構造物35に接続されている。
これにより、合成耐震壁体10,50は、張出し支持部
36により主にはり間方向の地震時の転倒抵抗スパン長
さがほぼLcに拡張される。したがって、集合住宅1
は、基礎の転倒耐力,骨組の水平耐力,水平剛性などの
構造的特性が向上する。特に、骨組構造体2のはり間方
向に地震力QCが作用した際には、合成耐震壁体10,
50および独立連層耐震壁体9の下端に発生する鉛直力
が、張出し支持部36を介することにより、基礎構造物
35を支持する両端部(独立柱3a,3b)の杭37に
伝達される。これにより、集合住宅1は、地震時の基礎
の転倒に対して強い骨組を有することになる。
【0050】図11,図12に示すように、合成耐震壁
体50は、はり間方向では、はり間補剛壁54a,54
bの両端部60a,60b,61a,61bと、第1ラ
ーメン構造体2aと第2ラーメン構造体2bの各独立柱
3a,3bとの間の各床位置で、境界梁5a,5b,6
a,6bがそれぞれ設けられている有梁構造を形成して
いる。すなわち、第1のはり間補剛壁54aの一方の端
部60aと第1ラーメン構造体2aの独立柱3aとの間
の床位置では、境界梁5aが設けられている。第1のは
り間補剛壁54aの他方の端部60bと第2ラーメン構
造体2bの独立柱3bとの間の床位置では、境界梁5b
が設けられている。これと同様に、第2のはり間補剛壁
54bの一方の端部61aと独立柱3aとの間の床位置
では、境界梁6aが設けられている。第2のはり間補剛
壁54bの他方の端部61bと独立柱3bとの間の床位
置では、境界梁6bが設けられている。合成耐震壁体5
0は、桁行方向では、桁行補剛壁54cが接合されてい
る位置とは反対側の床位置で、はり間補剛壁54a,5
4bの側面部に境界梁が設けられていない無梁構造を形
成している。合成耐震壁体50が配置されているスパン
S1の両側のスパン(または、一方の隣接するスパン)
に、耐震壁が配置されていない少なくとも一以上のはり
間方向の架構面13(図2(a))を介在的に設けて、
桁行方向に2スパン以上にわたる床面S2に無耐震壁構
造の住戸領域を形成している(図11参照)。
【0051】はり間方向の架構面13内には、所定の水
平長さV1(図11)を有する独立連層耐震壁体9が配
置されている。この独立連層耐震壁体9についての構
成,作用効果は第1の実施形態と同様である。また、第
2の実施形態の集合住宅1でも、この集合住宅1におい
て耐震壁が配置されていないはり間方向の架構面13
(図2(a))の構造は、図8(a)〜(c)で説明し
た第1の実施形態と同じである。すなわち、はり間方向
の架構面13の構造は、床荷重など常時鉛直荷重を負担
すればよく、地震力は合成耐震壁体10,50および独
立連層耐震壁体9で負担する。
【0052】本第2の実施形態においても、地震時にお
ける骨組構造体2の挙動は、図9(a),(b)に示す
第1の実施形態と同様である。すなわち、はり間方向の
同一架構面13(図2(a))に配置されている対向す
る二つの独立柱3a,3bおよび合成耐震壁体10,5
0と、同一架構面13に配置されている対向する二つの
独立柱3a,3bおよび独立連層耐震壁体9とが、それ
ぞれはり間方向の架構を形成する。合成耐震壁体10,
50の設置数および独立連層耐震壁体9の設置数を適宜
設定して、はり間方向の骨組構造体2を構成する。図9
(a)に示すように、桁行方向に地震力Qbが作用する
と、この地震力Qbに対して、第1ラーメン構造体2a
と第2ラーメン構造体2bと合成耐震壁体10,50と
が有効に抵抗する。合成耐震壁体10,50が水平力Q
bを分担することによって、第1ラーメン構造体2aと
第2ラーメン構造体2bが分担する水平力Qbが大幅に
軽減される。このように、地震時には、合成耐震壁体1
0,50が水平力Qbを負担しているので、第1の実施
形態と同様の作用効果を奏する。
【0053】図9(b)に示すように、はり間方向に地
震力Qcが作用すると、この地震力Qcに対して、一つま
たは複数(図11では一つ)のH字形の合成耐震壁体1
0と、一つまたは複数(図11では一つ)のコ字形の合
成耐震壁体50と、一つまたは複数(図11では三つ)
の独立連層耐震壁体9が有効に抵抗する。合成耐震壁体
10,50と独立連層耐震壁体9を設けたので、はり間
方向の水平剛性および水平耐力を高めることができる。
合成耐震壁体10,50と独立連層耐震壁体9の設置す
る数を設計上設定することによって、合理的な振動特性
を得ることができる。
【0054】図13(a),(b)は、第2の実施形態
における合成耐震壁体50の各種変形例を示す概略構成
図である。図13(a),(b)に示す合成耐震壁体5
0は、はり間方向に所定の水平長さW21,W22をそれぞ
れ有するはり間補剛壁54a,54bと、桁行方向に所
定の水平長さW23を有する桁行補剛壁54cとを組み合
わせた開放水平断面形を形成し、上下方向に複数階にわ
たって連層的に設置された立体耐震壁構造を構成してい
る。すなわち、合成耐震壁体50は、はり間方向の架構
面13(図2(a))内に配置され所定の水平長さW21
を有する第1のはり間補剛壁54aと、隣接するはり間
方向の架構面13内に配置され、所定の水平長さW22を
有する第2のはり間補剛壁54bと、桁行方向のほぼ1
スパン長さに相当する水平長さW23に形成された桁行補
剛壁54cとが一体化して接合されている。そして、互
いに平行な第1のはり間補剛壁54aと第2のはり間補
剛壁54bとが桁行補剛壁54cの桁行方向の平面視同
一側に接合されてほぼコ字形の開放水平断面形に形成さ
れている。
【0055】図13(a)に示す合成耐震壁体50の水
平断面形は、第1のはり間補剛壁54aの水平長さW21
と第2のはり間補剛壁54bの水平長さW22とがほぼ同
じ(W21=W22)で、且つ、図12に示す合成耐震壁体
50における各水平長さW21,W22より短くなるように
構成している。桁行補剛壁54cとはり間補剛壁54
a,54bとの関係に関しては、たとえば各水平長さW
21,W23が、W21<(W23/2)となるようにしている。
また、第1のはり間補剛壁54aの壁厚さT21と第2の
はり間補剛壁54bの壁厚さT22とがほぼ同じ(T21=
T22)で、且つ、図12に示す合成耐震壁体50におけ
る各壁厚さT21,T22より厚くしている。その結果、両
方のはり間補剛壁54a,54bにおいて、壁厚さと水
平長さの積がほぼ同じ(T21×W21=T22×W22)で、
且つ、図12に示す合成耐震壁体50のはり間補剛壁に
おける壁厚さと水平長さの積の値とほぼ同じになるよう
に構成している。こうすることにより、地震時の曲げモ
ーメントMb,Mc(図6)に対する、第1のはり間補剛
壁54aと第2のはり間補剛壁54bの断面耐力をほぼ
同じで、且つ、図12に示す合成耐震壁体50の断面耐
力とほぼ同じにすることができる。なお、両方のはり間
補剛壁54a,54bにおける壁厚さと水平長さの積に
ついては、T21×W21=T22×W22が好ましいが、必ず
しもこれに限定されない。
【0056】図13(b)に示す合成耐震壁体50は、
第1のはり間補剛壁54aの水平長さW21より第2のは
り間補剛壁54bの水平長さW22の方が短くなるような
水平断面形に構成している。第1のはり間補剛壁54a
の壁厚さT21は、第2のはり間補剛壁54bの壁厚さT
22とほぼ同じになっている。なお、図13(a),
(b)に示す合成耐震壁体50において、図10(c)
に示すように桁行補剛壁54cの平面視の中間部(たと
えば、ほぼ中央部)に、人の動線を確保するための壁開
口部14dを貫通形成する場合であってもよい。
【0057】図14は、第2の実施形態における集合住
宅の変形例を示す平面図である。図14に示す多層の集
合住宅1は、その平面形状がL字形(または、V字形)
に屈曲した板状になっている。この集合住宅1では、第
1ラーメン構造体2aと第2ラーメン構造体2bとの間
の平面視中間部(ここでは、ほぼ中央部)に、二つのコ
字状の合成耐震壁体50が配置されている。合成耐震壁
体50の桁行補剛壁54cの平面視の一方に(はり間補
剛壁54a,54bが配置されている側に)、階段33
とエレベータ32を収納する共用領域を配置している。
独立連層耐震壁体9は、合成耐震壁体50に対して2ス
パンあけて配置されている。この集合住宅1において
も、第1,第2の実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0058】上述の第1,第2の実施形態のように、本
発明では、集合住宅1に合成耐震壁体10,50などを
配置することにより、桁行補剛壁14c,54cとはり
間補剛壁14a,14b,54a,54bを耐震壁およ
び間仕切り壁として利用し、集合住宅1の内部空間をそ
の利用用途に応じて任意の区画に仕切って有効に利用す
ることができ、また、集合住宅1は所望の耐震性能を有
する。H字形の合成耐震壁体10は、第1のはり間補剛
壁14aと第2のはり間補剛壁14bとの長さ方向の平
面視中間部に桁行補剛壁14cが接合されてほぼH字形
の開放水平断面形に形成されており、また、コ字形の合
成耐震壁体50は、互いに平行な第1のはり間補剛壁5
4aと第2のはり間補剛壁54bとが桁行補剛壁54c
の桁行方向の平面視同一側に接合されてほぼコ字形の開
放水平断面形に形成されている。したがって、桁行補剛
壁14c,54cで仕切られた両方のスペースを、利用
用途に応じて有効に利用することができる。
【0059】集合住宅1に合成耐震壁体10,50など
を設けたので、地震時に桁行方向の第1ラーメン構造体
2aおよび第2ラーメン構造体2bの負担する地震力が
大幅に軽減される。はり間補剛壁14a,14b(また
は、はり間補剛壁54a,54b)の両端部と二つの独
立柱3a,3bとの間に、開放空間24a,24b,2
5a,25b(または、開放空間64a,64b,65
a,65b)を形成しているので、住戸領域11a,1
1などをさらに広く構成することが可能になり、また、
この開放空間に戸境壁を設けて仕切ることもできる。独
立連層耐震壁体9の両端部と二つの独立柱3a,3bと
の間に開放空間26a,26bを形成している。この開
放空間26a,26bを利用して領域を連通させたり、
開放空間26a,26bに戸境壁を設けて区画すること
によって、住戸領域11,11a,11bを、平面視で
任意の形状に容易に構成することができる。
【0060】以上、本発明の第1,第2の実施形態を説
明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加等
が可能である。集合住宅の基準階の平面形は、片廊下方
式の板状平面形と、屈曲したL字形平面形について説明
したが、その他の屈曲した平面形(たとえば、コ字
形),内部の吹き抜け空間を有する平面形(ロ字形,C
字形など)でもよい。合成耐震壁体10,50の構造種
別は、鉄筋コンクリート造(RC造)または鉄骨鉄筋コ
ンクリート造(SRC造)の他に、鉄骨造その他により
構成し得る。合成耐震壁体10,50の耐震壁としての
機能は、柱および梁からなる純ラーメン構造に比較し
て、高い水平剛性および水平耐力を有する正面視ほぼ面
状の構造部材であればよく、RC造またはSRC造の耐
震壁の他に、靱性に富む極低降伏点鋼を使用した制震壁
として構成してもよい。なお、各図中同一符号は同一ま
たは相当部分を示す。
【0061】
【発明の効果】本発明は、合成耐震壁体を設けて上述の
ように構成したので、集合住宅の内部空間をその利用用
途に応じて任意の区画に仕切って有効に利用することが
でき、且つ集合住宅は所望の耐震性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図10は本発明の第1の実施形態を
示す図で、図1は集合住宅の平面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、前記集合住宅の骨組構
造体を示す平面図である。
【図3】図2(c)の一部を拡大して示す平面図であ
る。
【図4】図4(a),(b)は、前記集合住宅の床面の
利用形態を示す平面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、前記集合住宅の床面の
利用形態を示す平面図である。
【図6】前記集合住宅の合成耐震壁体の斜視図である。
【図7】図1のVII−VII線側面断面図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、集合住宅の一部を拡大
して示す平面図である。
【図9】図9(a),(b)は、地震時における骨組構
造体の挙動を説明するための骨組構造体の平面図であ
る。
【図10】図10(a)〜(c)は、第1の実施形態に
おける合成耐震壁体の各種変形例を示す概略構成図であ
る。
【図11】図11ないし図14は本発明の第2の実施形
態を示す図で、図11は集合住宅の平面図である。
【図12】前記集合住宅の骨組構造体の一部を拡大して
示す平面図である。
【図13】図13(a),(b)は、第2の実施形態に
おける合成耐震壁体の各種変形例を示す概略構成図であ
る。
【図14】第2の実施形態における集合住宅の変形例を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 集合住宅 2 骨組構造体 2a 第1ラーメン構造体 2b 第2ラーメン構造体 3a,3b 独立柱 7 共用廊下 8 バルコニー 9 独立連層耐震壁体 10 合成耐震壁体 11,11a,11b 住戸領域 13 はり間方向の架構面 14a 第1のはり間補剛壁 14b 第2のはり間補剛壁 14c 桁行補剛壁 14d 壁開口部 24a,24b,25a,25b 開放空間 50 合成耐震壁体 54a 第1のはり間補剛壁 54b 第2のはり間補剛壁 54c 桁行補剛壁 64a,64b,65a,65b 開放空間 B方向 桁行方向 C方向 はり間方向 E 動線 LB スパン長さ LC スパン長さ LCl 内法スパン長さ S1 床面 S1a 他方の床面領域 S1b 一方の床面領域 SPA,SPB 凹部空間 W11,W12,W13 水平長さ W21,W22,W23 水平長さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のスパン長さ離隔し対向して配置さ
    れた複数の独立柱を備えた第1ラーメン構造体と第2ラ
    ーメン構造体とによって桁行方向の骨組構造体が形成さ
    れ、桁行方向に直交してはり間方向の骨組構造体が形成
    される多層の集合住宅であって、 第1ラーメン構造体と第2ラーメン構造体との間の平面
    視中間部に少なくとも一つの合成耐震壁体を配置し、 合成耐震壁体は、 はり間方向に配置された第1のはり間補剛壁と、隣接す
    るはり間方向に配置された第2のはり間補剛壁と、桁行
    方向のほぼ1スパン長さに相当する水平長さに形成され
    た桁行補剛壁とが一体化して接合され、 第1のはり間補剛壁と第2のはり間補剛壁との長さ方向
    の平面視中間部に桁行補剛壁が接合されてほぼH字形の
    開放水平断面形に形成され、 上下方向に複数階にわたって連層的に設置された立体耐
    震壁構造を構成していることを特徴とする集合住宅。
  2. 【請求項2】 所定のスパン長さ離隔し対向して配置さ
    れた複数の独立柱を備えた第1ラーメン構造体と第2ラ
    ーメン構造体とによって桁行方向の骨組構造体が形成さ
    れ、桁行方向に直交してはり間方向の骨組構造体が形成
    される多層の集合住宅であって、 第1ラーメン構造体と第2ラーメン構造体との間の平面
    視中間部に少なくとも一つの合成耐震壁体を配置し、 合成耐震壁体は、 はり間方向に配置された第1のはり間補剛壁と、隣接す
    るはり間方向に配置された第2のはり間補剛壁と、桁行
    方向のほぼ1スパン長さに相当する水平長さに形成され
    た桁行補剛壁とが一体化して接合され、 互いに平行な第1のはり間補剛壁と第2のはり間補剛壁
    とが桁行補剛壁の桁行方向の平面視同一側に接合されて
    ほぼコ字形の開放水平断面形に形成され、 上下方向に複数階にわたって連層的に設置された立体耐
    震壁構造を構成していることを特徴とする集合住宅。
  3. 【請求項3】 合成耐震壁体が配置されている1スパン
    に相当する床面を、桁行補剛壁で一方の床面領域と他方
    の床面領域に仕切って、共用領域または住戸領域とする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の集合住宅。
  4. 【請求項4】 桁行補剛壁の平面視の中間部に、人の動
    線を確保するための壁開口部を貫通形成したことを特徴
    とする請求項1,2または3に記載の集合住宅。
  5. 【請求項5】 合成耐震壁体が配置されているスパンの
    両側または一方の隣接するスパンに、耐震壁が配置され
    ていない少なくとも一以上のはり間方向の架構面を介在
    的に設けて、桁行方向に2スパン以上にわたる無耐震壁
    構造の住戸領域を形成していることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかの項に記載の集合住宅。
  6. 【請求項6】 合成耐震壁体のはり間補剛壁をはり間方
    向の架構面内に配置するとともに、はり間補剛壁の所定
    の水平長さを、はり間方向の二つの独立柱間の内法スパ
    ン長さより短く形成することにより、 はり間補剛壁の少なくとも一の端部と少なくとも一の独
    立柱との間の鉛直面に開放空間を形成していることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の集合
    住宅。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012225022A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Ohbayashi Corp 集合住宅、及びその施工方法
JP2013019217A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Taisei Corp 集合住宅の架構構造

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JP2012225022A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Ohbayashi Corp 集合住宅、及びその施工方法
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