JP3228411B2 - 液晶表示装置の駆動回路 - Google Patents

液晶表示装置の駆動回路

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JP3228411B2
JP3228411B2 JP06579198A JP6579198A JP3228411B2 JP 3228411 B2 JP3228411 B2 JP 3228411B2 JP 06579198 A JP06579198 A JP 06579198A JP 6579198 A JP6579198 A JP 6579198A JP 3228411 B2 JP3228411 B2 JP 3228411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス駆動方式の液晶表示装置の駆動回路に関し、特に、
低消費電力を実現する液晶表示装置の駆動回路に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス駆動方式の液晶表
示装置は、一般に、透明な画素電極及び薄膜トランジス
タ(TFT)が夫々配置された半導体基板と、面全体に
透明な電極が1つ形成された対向基板と、これら2枚の
基板が対向し双方の間に液晶が封入された構造を有す
る。この液晶表示装置は、スイッチング機能を有するT
FTを制御することにより各画素電極に所定の電圧を印
加し、各画素電極と対向基板電極との間の電位差によっ
て液晶の透過率を変化させて画像を表示する。
【0003】半導体基板上には、各画素電極へ印加する
階調電圧(データ信号)を送るデータ線と、TFTのス
イッチング制御信号(走査信号)を送る走査線とが配線
されている。各走査線にはパルス状の走査信号がゲート
ドライバから供給され、走査線に印加された走査信号が
ハイレベルのとき、その走査線に繋がるTFTが全てオ
ンとなり、そのときにデータ線に送られた階調電圧が、
オンとなったTFTを介して画素電極に印加される。そ
して、走査信号がローレベルとなり、TFTがオフ状態
に変化すると、画素電極に印加された階調電圧は、次の
データが印加されるまでの間保持される。更に、各走査
線に順次に走査信号が供給されて、全画素電極に所定の
階調電圧が印加され、フレーム周期で階調電圧の書き替
えが行われることによって画像が表示される。
【0004】上記のように液晶表示装置では、データ線
を介して画素電極に階調電圧を印加することによって液
晶を駆動する。特に、データ線を駆動するデータドライ
バは、1画素分の液晶容量だけでなく、配線抵抗や配線
容量を含む大きな容量性負荷をも駆動しなければなら
ず、高い電流供給能力が要求される。また、1画面の書
き替えの間(1フレーム期間)に、ゲートドライバは各
走査線に走査信号を1回供給するのに対し、データドラ
イバは、各データ線にデータ信号を走査線数分だけ供給
する。このため、データドライバには、高速駆動も要求
され、更に多階調表示を行うために、高い出力電圧精度
も要求される。
【0005】上記要求に応えるために種々のデータドラ
イバが開発されており、例えば、出力段にオペアンプを
用いたデータドライバを有する液晶表示装置が知られて
いる。図15は、この従来の液晶表示装置におけるデー
タドライバの構成を示す回路図である。この液晶表示装
置は、抵抗ストリング100の各接続端子で階調電圧を
生成し、デコーダ101で任意の階調電圧を選択し、選
択した階調電圧をオペアンプ102で電流増幅して出力
する構成を有している。図中、103はバイアス電圧の
入力端子であり、104は各オペアンプ102に対応す
る出力端子群である。
【0006】オペアンプは、一般に高い電流供給能力を
もつため、データ線のような大きな容量性負荷を高速に
駆動するのに適している。オペアンプ102に適用可能
なオペアンプには種々のものがあるが、図15に用いる
ことができる最も単純な構造のCMOSオペアンプにつ
いて説明する。
【0007】図16は、上記CMOSオペアンプの一例
を示す構成図であり、(a)は帰還をかけるオペアンプの
構成、(b)は、(a)に示されるオペアンプの内部構成を
詳細に示す回路図である。同図(a)において、オペアン
プは、出力電圧VoutをVin−に入力して帰還をかける
ことにより、Vin+に入力した階調電圧を電流増幅して
出力することができる。
【0008】図16(b)に示すように、オペアンプは、
増幅段110と差動段120とから構成される。差動段
120はカレントミラー回路を含んでおり、このカレン
トミラー回路に流れる電流はbias2によって制御され
る。また、端子126の電圧を差動段120の出力と
し、増幅段110のpチャネル型MOSトランジスタ
(以下、pMOSトランジスタと呼ぶ)111のゲートにバ
イアスしている。
【0009】一方、増幅段110は、pMOSトランジスタ
111及びnチャネル型MOSトランジスタ(以下、nM
OSトランジスタと呼ぶ)112を含み、nMOSトランジス
タ112のドレイン電流はbias1によって制御される。
出力電圧Voutは、端子126の電圧変化に対応して流
れるpMOSトランジスタ111のドレイン電流の大きさに
よって変化し、pMOSトランジスタ111のドレイン電流
の大きさがnMOSトランジスタ112のドレイン電流の大
きさを上回ると出力電圧Voutは上昇し、下回ると出力
電圧Voutは低下する。
【0010】帰還をかけたオペアンプは、Vin+とVou
t(=Vin−)の電圧のずれに対してVoutがVin+に等
しくなるように作用する。Vout<Vin+のときには端
子126の電圧は下がり、pMOSトランジスタ111がオ
ンとなって出力電圧Voutが上昇する。一方、Vout>V
in+のときには端子126の電圧は上がり、pMOSトラン
ジスタ111がオフするため、出力電圧Voutは低下す
る。なお、端子126の電圧変動は速いため、出力電圧
Voutは減衰振動しながらVin+に収束していく。ま
た、発振を防ぐために、位相補償用の容量素子113を
付加している。このような作用により、図16のオペア
ンプは、広い出力電圧範囲を有し、高い電流供給能力で
データ線を駆動することができる。
【0011】しかし、図16のオペアンプでは、出力電
圧Voutを引き上げる駆動能力は高くできるが、出力電
圧Voutを引き下げる駆動能力はbias1によって制限を
受ける。そのため、高い駆動能力のプリチャージ回路を
配設し、所望の階調電圧よりも低い電圧にデータ線をプ
リチャージした後にオペアンプで駆動するという方法を
採る場合もある。
【0012】また、出力電圧Voutの引上げ及び引下げ
の双方に対して高い駆動能力をもつオペアンプとして、
特開昭62-51305号公報に記載のCMOSオペアンプがあ
る。図17は、図15のデータドライバに適用可能な、
上記公報に記載されたCMOSオペアンプを示す回路図
であり、図16のオペアンプよりも高性能且つ低消費電
力型のCMOSオペアンプの構成例を示す。図17(a)
は、帰還をかけるオペアンプの構成を示す回路図、(b)
は、(a)に示すオペアンプの内部構成を示す回路図であ
る。
【0013】図17(a)のオペアンプも図16(a)と同
様に、出力電圧VoutをVin−に入力して帰還をかける
ことにより、Vin+に入力した階調電圧を電流増幅して
出力する。図17(b)に示すオペアンプは、図16のオ
ペアンプが差動段120を1個のみ備えるのに対し、2
個の差動段120、130を備える。この構成により、
オペアンプは、差動段120で増幅段110のpMOSトラ
ンジスタ111を制御し、差動段130で増幅段110
のnMOSトランジスタ112を制御する。これにより、出
力電圧Voutの引上げ及び引下げの双方に対して高い駆
動能力をもつことができる。
【0014】また、図16のオペアンプでは、差動段1
20のカレントミラー回路に供給する電流を比較的抑え
ることはできるが、nMOSトランジスタ112のドレイン
電流は駆動能力に直接影響するため、それほど抑えるこ
とはできない。従って、図16のオペアンプは、定常的
に流れる電流が比較的大きく、静消費電力が大きい。こ
れに対し、図17に示すオペアンプでは、差動段12
0、130双方のカレントミラー回路に流す電流を比較
的抑えることができ、また、増幅段110にはデータ線
の充放電に要する電流以外は殆ど流れないため、静消費
電力が小さく、低消費電力化が実現できる。
【0015】特願平9-201833号公報には、静消費電力が
生じない低消費電力の駆動回路が記載されている。図1
8(a)、(b)及び図19(b)は、この公報に記載の駆動
回路の構成例を示す回路図であり、図19(a)は、各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号の各タイミングを示
すタイミングチャートである。この駆動回路は、データ
線をプリチャージした後にMOSトランジスタをソース
フォロワ動作させることにより、入力した階調電圧と等
しい電圧を出力することができる。
【0016】以下、図18(a)の駆動回路について、図
19(a)のタイミングチャートを参照して説明する。ま
ず、スイッチ200をオン、スイッチ203をオフとし
てデータ線を階調電圧Vinより高い電圧E1にプリチャ
ージする。その間、スイッチ201、202の制御によ
り、pMOSトランジスタ141、142双方のゲート電圧
を、階調電圧VinからpMOSトランジスタ141のしきい
値電圧の絶対値だけ低い電圧に制御する。そして、スイ
ッチ200をオフとしてプリチャージを終了し、スイッ
チ203をオンとすると、pMOSトランジスタ142がソ
ースフォロワ動作してデータ線が電圧E1から引き下げ
られる。ここで、pMOSトランジスタ141、142が同
じしきい値電圧であれば、データ線への出力電圧Vout
は階調電圧Vinと等しくなる。なお、出力電圧範囲は、
電源電圧範囲よりもpMOSトランジスタ142のしきい値
電圧分だけ狭くなる。この駆動回路の特徴は、オペアン
プのように定常的に流さなければならない電流がなく、
静消費電力が生じないことである。
【0017】図18(a)に示す駆動回路がpMOSトランジ
スタ141、142と複数のスイッチとから構成される
のに対し、図18(b)に示す駆動回路はnMOSトランジス
タと複数のスイッチとから構成される。図19(b)は、
図18(a)と図18(b)とを組み合わせて構成した駆動
回路である。
【0018】図19(b)に示す駆動回路は、階調電圧V
inに対応してプリチャージ電圧を選択する機能を有して
おり、高電圧側の階調電圧を出力するときに、高電圧電
源E1でデータ線をプリチャージした後にpMOSトランジ
スタ142によって階調電圧Vinまで引き下げる。低電
圧側の階調電圧を出力するときには、低電圧電源E2で
データ線をプリチャージした後にnMOSトランジスタ14
4によって階調電圧Vinまで引き上げる。この駆動回路
では、図18(a)や図18(b)に示した駆動回路に比し
て素子数が増加しているが、出力電圧範囲を電源電圧範
囲まで広げることができる利点がある。
【0019】以上のように、図18及び図19における
駆動回路では、データ線をプリチャージする必要がある
ものの、定常的に流れる電流がないため静消費電力が生
じない。これにより、低消費電力化が実現できる。特
に、容量性負荷が小さい中型・小型の液晶表示装置を駆
動する際には、プリチャージによる余分な消費電力が小
さいので、低消費電力化には効果的な駆動回路である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】近年、携帯機器の発展
に伴い、液晶表示装置の駆動回路には低消費電力が要請
されるようになった。ここで、オペアンプを液晶表示装
置のデータドライバに用いる場合に、図17に示したよ
うな低消費電力型オペアンプを使用するとしても、この
オペアンプは、差動段120や130で定常的に電流を
流す必要があるため静消費電力を消費する。オペアンプ
1個における静消費電力は小さくても、データドライバ
の全出力数分のオペアンプの静消費電力はかなり大きく
なるため、液晶表示装置の駆動に要する消費電力が大き
いという問題(第1の課題)が生じる。
【0021】また、図18(a)や(b)に示した駆動回路
を液晶表示装置のデータドライバに用いた場合には、出
力電圧範囲が電源電圧範囲より狭くなるという問題(第
2の課題)が生じる。図19(b)に示した駆動回路を液
晶表示装置のデータドライバに用いた場合には、階調電
圧Vinに対応して出力回路毎にプリチャージ電圧を選択
するため、出力回路毎にスイッチ200、300を制御
するスイッチ制御回路が必要になり、回路構成が複雑に
なるという問題(第3の課題)が生じる。
【0022】本発明は、上記に鑑み、定常的な電力消費
を伴わない回路構成を有し、出力電圧範囲が広く且つ低
消費電力な液晶表示装置の駆動回路を提供することを目
的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示装置の駆動回路は、走査信号で選
択された画素電極に印加する階調電圧を供給するための
データ線を駆動し、フレーム周期で階調電圧を書き換え
ることによって画像を表示する液晶表示装置の駆動回路
において、任意の階調電圧でデータ線を駆動する1デー
タ駆動期間が少なくとも第1駆動期間と第2駆動期間と
を含み、前記第1駆動期間に出力端子を第1電圧にプリ
チャージするプリチャージ手段と、ソースが第2電圧の
電圧源に接続されゲートバイアスに対応してドレイン電
流を前記出力端子に供給する第1の絶縁ゲート型トラン
ジスタ、及び、前記第1駆動期間に前記ドレイン電流の
前記出力端子への供給を遮断し前記第2駆動期間に前記
ドレイン電流を前記出力端子へ供給するように制御する
第1のスイッチ手段を有する第1回路と、前記第1駆動
期間終了時までに前記第1の絶縁ゲート型トランジスタ
のゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させるゲ
ート電圧制御手段、一端が前記第1の絶縁ゲート型トラ
ンジスタのゲートに接続された容量素子、並びに、該容
量素子の他端と入力端子との接続・遮断及び前記容量素
子の他端と前記出力端子との接続・遮断を制御する第2
のスイッチ手段とを有する第2回路とを備えることを特
徴とする。
【0024】本発明の液晶表示装置の駆動回路は、入力
階調電圧と等しい電圧を出力端子に出力することがで
き、また、電流増幅を行う第1回路と、入力した階調電
圧と出力電圧との差に対応して動作する第2回路という
オペアンプと類似した構成を備え、出力端子を所定の電
圧にプリチャージする必要があるものの、第1及び第2
回路双方が定常的な電力消費を伴わない回路構成を有す
るので、出力電圧範囲を広く且つ低消費電力を実現する
ことができる。
【0025】ここで、前記ゲート電圧制御手段は、ドレ
イン及びゲートが相互に接続され前記第1の絶縁ゲート
型トランジスタと同じ導電型の第2の絶縁ゲート型トラ
ンジスタと、該第2のトランジスタのソースと前記第2
電圧の電圧源との間に配設される第3のスイッチ手段
と、前記第2の絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・
ゲート共通端子と第3電圧の電圧源との間に配設される
第4のスイッチ手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子
と前記第1の絶縁ゲート型トランジスタのゲートとの間
に配設される第5のスイッチ手段とを備え、前記第3及
び第4のスイッチ手段、並びに前記第5のスイッチ手段
の制御によって、前記第1駆動期間終了時までに前記第
1の絶縁ゲート型トランジスタのゲート・ソース間電圧
をしきい値電圧に変化させることが好ましい。
【0026】この場合、簡素な回路構成によって、第1
の絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ソース間電圧
を所定の期間しきい値電圧に維持する制御が可能にな
る。
【0027】また、前記ゲート電圧制御手段は、前記第
1の絶縁ゲート型トランジスタのドレインとゲートとの
間に配設される第3のスイッチ手段と、前記ゲートと第
3電圧の電圧源との間に配設される第4のスイッチ手段
とを備え、前記第3及び第4のスイッチ手段の制御によ
って、前記第1駆動期間終了時までに前記第1の絶縁ゲ
ート型トランジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値
電圧に変化させることも好ましい。
【0028】この場合も、簡素な回路構成によって、第
1の絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ソース間電
圧を所定の期間しきい値電圧に維持する制御が可能にな
る。
【0029】本発明の液晶表示装置の駆動回路は、走査
信号で選択された画素電極に印加する階調電圧を供給す
るためのデータ線を駆動し、フレーム周期で階調電圧を
書き換えることによって画像を表示する液晶表示装置の
駆動回路において、任意の階調電圧でデータ線を駆動す
る1データ駆動期間が少なくとも第1駆動期間と第2駆
動期間とを含み、ソースが第1の電圧源に接続されゲー
トバイアスに対応してドレイン電流を前記出力端子に供
給する第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタ、ソ
ースが第2の電圧源に接続されゲートバイアスに対応し
てドレイン電流を前記出力端子に供給する第1のnチャ
ネル絶縁ゲート型トランジスタ、前記第1駆動期間に前
記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイ
ン電流の前記出力端子への供給を遮断し前記第2駆動期
間に前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタの
ドレイン電流を前記出力端子へ供給するように制御する
第1のスイッチ手段、及び、前記第1駆動期間に前記第
1のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電
流の前記出力端子への供給を遮断し前記第2駆動期間に
前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレ
イン電流を前記出力端子へ供給するように制御する第2
のスイッチ手段を有する第1回路と、前記第1駆動期間
終了時までに前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トラン
ジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化さ
せる第1のゲート電圧制御手段、前記第1駆動期間終了
時までに前記第1のnチャネル絶縁ゲート型トランジス
タのゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させる
第2のゲート電圧制御手段、一端が前記第1のpチャネ
ル絶縁ゲート型トランジスタのゲートに接続された第1
の容量素子、一端が前記第1のnチャネル絶縁ゲート型
トランジスタのゲートに接続された第2の容量素子、前
記第1の容量素子の他端と入力端子との接続・遮断及び
前記第1の容量素子の他端と前記出力端子との接続・遮
断を制御する第3のスイッチ手段、及び、前記第2の容
量素子の他端と入力端子との接続・遮断及び前記第2の
容量素子の他端と前記出力端子との接続・遮断を制御す
る第4のスイッチ手段を有する第2回路とを備えること
を特徴とする。
【0030】上記構成の液晶表示装置の駆動回路は、入
力階調電圧と等しい電圧を出力端子に出力することがで
き、また、プリチャージが不要な回路構成で、電流増幅
を行う第1回路と、入力した階調電圧と出力電圧との差
に対応して動作する第2回路というオペアンプと類似し
た構成を備え、第1及び第2回路双方が定常的な電力消
費を伴わない回路構成を有するので、出力電圧範囲を広
く且つ低消費電力を実現することができる。
【0031】ここで、第3のスイッチ手段と第4のスイ
ッチ手段とを同一のスイッチ手段で構成すれば、簡素な
回路構成で、出力電圧を引き上げる動作と引き下げる動
作とを同じタイミングで行うこともできる。
【0032】またここで、前記第1のゲート電圧制御手
段は、ドレインとゲートとが相互に接続された第2のp
チャネル絶縁ゲート型トランジスタと、該第2のpチャ
ネル絶縁ゲート型トランジスタのソースと前記第1の電
圧源との間に配設される第5のスイッチ手段と、前記第
2のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・
ゲート共通端子と第3の電圧源との間に配設される第6
のスイッチ手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子と前
記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲート
との間に配設される第7のスイッチ手段とを備え、前記
第5及び第6のスイッチ手段、並びに前記第7のスイッ
チ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時までに
前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲー
ト・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させることも好
ましい。
【0033】同様に、前記第2のゲート電圧制御手段
も、ドレインとゲートとが相互に接続された第2のnチ
ャネル絶縁ゲート型トランジスタと、該第2のnチャネ
ル絶縁ゲート型トランジスタのソースと前記第2の電圧
源との間に配設される第8のスイッチ手段と、前記第2
のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ゲ
ート共通端子と第4の電圧源との間に配設される第9の
スイッチ手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子と前記
第1のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲートと
の間に配設される第10のスイッチ手段とを備え、前記
第8及び第9のスイッチ手段、並びに前記第10のスイ
ッチ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時まで
に前記第1のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲ
ート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させることが
好ましい。
【0034】また上記と異なる第1のゲート電圧制御手
段として、前記第1のゲート電圧制御手段が、前記第1
のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレインとゲ
ートとの間に配設される第5のスイッチ手段と、前記ト
ランジスタのゲートと第3の電圧源との間に配設される
第6のスイッチ手段とを備え、前記第5及び第6のスイ
ッチ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時まで
に前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲ
ート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させることも
好ましい態様である。
【0035】或いは、上記と異なる第2のゲート電圧制
御手段として、前記第2の電圧制御手段が、前記第1の
nチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレインとゲー
トとの間に配設される第7のスイッチ手段と、前記トラ
ンジスタのゲートと第4の電圧源との間に配設される第
8のスイッチ手段とを備え、前記第7及び第8のスイッ
チ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時までに
前記第1のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲー
ト・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させることも好
ましい態様である。
【0036】以上のように、本発明の液晶表示装置の駆
動回路によれば、前述した第1の課題に対しては、第1
回路及び第2回路において定常的に流れる電流がないた
め、静消費電力を消費せずに駆動回路全体の消費電力を
小さくすることができる。また、前述した第2の課題に
対して本駆動回路は、電源電圧の範囲と等しい出力電圧
範囲をもつことができる。前述の第3の課題に対して本
駆動回路は、各出力回路に共通なスイッチ制御信号を必
要とするだけで、出力回路毎に異なるスイッチ制御が不
要なので、回路構成が複雑にはならない。更に、本駆動
回路は、オペアンプのような位相補償を行う必要もな
く、設計も容易である。
【0037】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を更に詳細
に説明する。図1は、本発明の第1実施形態例における
液晶表示装置の駆動回路を示す回路図であり、(a)は駆
動回路の構成、(b)は(a)の各スイッチを制御するスイ
ッチ制御信号のタイミングチャート、(c)は出力電圧の
様子を示す波形図である。ここでは、説明を簡単にする
ため、絶縁ゲート型トランジスタとしてMOSトランジ
スタを用いた場合について説明する。他の絶縁ゲート型
トランジスタについては、MOSトランジスタの場合と
同様となるので説明は省略する。
【0038】図1(a)に示すように、駆動回路は、電流
増幅を行う第1回路10と、入力した階調電圧Vinと出
力電圧Voutの差に対応して動作する第2回路20と、
プリチャージ手段とを備えている。第2回路20は、電
圧制御手段30及び電圧切替え手段50を備える。入力
端子61には階調電圧Vinが入力され、出力端子63に
は液晶表示装置のデータ線が接続される。
【0039】第1回路10におけるpMOSトランジスタ1
1は、ソースが電圧源E1に、ドレインがスイッチ13
を介して出力端子62に接続される。第2回路20で
は、電源制御手段30が端子64を介してpMOSトランジ
スタ11のゲートに接続され、容量素子21は端子64
と端子63との間に接続される。そして電圧切替え手段
50は、入力端子61と端子63との間に接続したスイ
ッチ51と、出力端子62と端子63との間に接続した
スイッチ52から構成され、端子63に階調電圧Vin及
び出力電圧Voutを交互に入力する。なお、電圧制御手
段30は、端子64との接続を遮断するスイッチ31を
含むものとし、スイッチ31を介して端子64に接続す
る。また、容量素子21の容量はpMOSトランジスタ11
のゲート容量より十分大きいとする。また、プリチャー
ジ手段として、スイッチ15を介して電圧源E2(E2
<E1)を出力端子62に接続する。
【0040】図1(b)では、各スイッチ制御信号は、任
意の階調電圧を出力する1データ出力期間に第1駆動期
間と第2駆動期間との2段階の駆動期間を有する。そし
て、t0〜t2を第1駆動期間とし、t2〜t3を第2
駆動期間とする。なお、本実施の形態を含む全ての実施
形態例の説明において、各スイッチの制御信号は各スイ
ッチの素子番号の前に符号Sを付加した記号で表すもの
とし、各スイッチの状態はそのスイッチ制御信号がハイ
レベルのときにオンになり、ローレベルのときにオフに
なるものとする。
【0041】以下に、図1(a)、(b)、(c)を参照し
て、本実施形態例における作用と効果を説明する。ま
ず、第1駆動期間(t0〜t2)では、スイッチ13を
オフ、スイッチ15をオンとして出力電圧Voutを電源
電圧E2にプリチャージする。更に、スイッチ51をオ
ン、スイッチ52をオフとして、端子63に階調電圧V
inを入力する。また、電圧制御手段30のスイッチ31
をオンとし、pMOSトランジスタ11のゲート・ソース間
電圧がしきい値電圧を維持するように端子64の電圧を
制御する。これにより、容量素子21に電荷を蓄え、容
量素子21の両端を所定の電圧差に保つ。
【0042】次に、第2駆動期間(t2〜t3)では、
スイッチ15をオフ、スイッチ13をオンとする。更
に、電圧制御手段30のスイッチ31をオフとし、その
後にスイッチ51をオフ、スイッチ52をオンとして、
端子63に出力電圧Voutを入力する。このとき、端子
64を介して接続される容量素子21とpMOSトランジス
タ11のゲート容量とに夫々蓄えられた電荷は閉じ込め
られ、これらの容量間では電荷の総和が保存される。ま
た、端子63の電圧が階調電圧Vinから出力電圧Vout
に切り替わると、容量素子21を介して端子64の電圧
が変化し、pMOSトランジスタ11のゲートバイアス電圧
が変化する。ここで、容量素子21の容量が、pMOSトラ
ンジスタ11のゲート容量に比べて十分大きければ、端
子63の電圧が変化しても容量素子21とpMOSトランジ
スタ21のゲート容量の間に生じる電荷の移動量は容量
素子21に蓄えられた電荷量に比べて十分小さく、容量
素子21の両端の電圧差は殆ど変化しない。
【0043】従って、pMOSトランジスタ11のゲートバ
イアス電圧の変化量は、階調電圧Vinから出力電圧Vou
tの変化量と同じになる。第1駆動期間で、出力端子6
2は、十分低い電源電圧E2にプリチャージされている
ので、第2駆動期間で端子63の電圧が階調電圧Vinか
ら出力電圧Vout(=E2)に変化すると、pMOSトラン
ジスタ11のゲートバイアス電圧がVinとVoutの電圧
差だけ引き下げられ、pMOSトランジスタ11はオンとな
り、ドレイン電流が流れて出力電圧Voutが電源電圧E
2から上昇する。このとき、pMOSトランジスタ11の電
流供給能力は、VinとVoutの電圧差に依存し、出力電
圧Voutが階調電圧Vinに近づくにつれて電流供給能力
は低くなる。従って、出力電圧Voutの変化は、階調電
圧Vinとの電圧差が大きい間は急激に変化し、階調電圧
Vinに近づくにつれて変化が緩やかになり、最終的に階
調電圧Vinとほぼ等しい電圧になる。
【0044】このような作用により、本実施の形態は階
調電圧Vinと等しい電圧を出力することができる。ま
た、このときの出力電圧範囲は、上限の電圧E1から下
限の電圧E2までの電源電圧範囲を出力することができ
る。また出力精度は、端子64の電圧が最適に制御され
ているならば、容量素子21とpMOSトランジスタ11の
ゲート容量との容量比で決まる。
【0045】従って、pMOSトランジスタ11のゲート容
量に対して容量素子21の容量比が大きいほど1回の駆
動による出力精度は高くなる。また1データ出力期間
に、第1駆動期間と第2駆動期間の2段階駆動を複数回
繰り返すことによって出力精度を高めることもできる。
これは、2回目以降の駆動では、階調電圧Vinと出力電
圧Voutの電圧差が十分小さくなっており、容量間に閉
じ込められた電荷の移動量も小さいからである。但しこ
の場合、1データ出力期間に行うプリチャージを1回だ
けにするため、スイッチ15を1回目の第1駆動期間の
間だけオンとし、1データ出力期間内の2回目以降の第
1駆動期間ではオフしたままとなるように制御する。
【0046】本実施形態例における駆動回路で消費され
る電力は、プリチャージを含むデータ線の充放電電力と
容量素子21の充放電電力だけであり、本実施形態例に
よって低消費電力の駆動回路を実現することができる。
プリチャージ電源E2は、階調電圧Vin以下の電圧であ
れば可変電圧でもよく、階調に対応して最適なガンマ補
正用電源電圧を入力してもよい。この場合に、プリチャ
ージによる充放電が少ないので、消費電力を更に抑える
ことができ、また、短い時間でプリチャージが完了する
ので駆動速度を高めることもできる。但しこの場合に
は、出力回路毎にプリチャージ電圧を制御する回路を付
加する必要がある。
【0047】本実施形態例における駆動回路は、図16
及び図17で説明した従来のオペアンプに比して、第1
及び第2回路10、20双方が定常的な電力を消費しな
い点や、位相補償が不要で設計が簡単であるという点で
優れている。
【0048】図18(a)、(b)と比較すると、本実施形
態例では、出力端子に電流を供給するMOSトランジス
タのソースを電圧源に接続しているので、電源電圧範囲
内の任意の電圧を出力することができる。また、電源電
圧範囲内の任意の電圧を出力可能な図19(b)と比較す
ると、本実施形態例では、複数のデータ線を駆動する場
合でも各データ線の出力回路毎にプリチャージ電圧を制
御する回路を付加する必要はなく、回路構成が簡単であ
る。
【0049】本実施形態例では、特に低消費電力化を必
要とし、ある程度の電流供給能力があれば十分駆動可能
な中・小型の液晶表示装置の駆動回路として用いると効
果的である。また、液晶表示装置以外でも容量性負荷を
駆動する駆動回路として用いることが可能である。
【0050】第2実施形態例 図2は、本発明の第2実施形態例における駆動回路を示
す図であり、(a)は駆動回路の構成、(b)は(a)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
トである。
【0051】本実施形態例の駆動回路は、図1の場合と
同様に、電流増幅を行う第1回路10と、入力した階調
電圧Vinと出力電圧Voutとの差に対応して動作する第
2回路20と、プリチャージ手段とを備えている。ま
た、第2回路20は、電圧制御手段40及び電圧切替え
手段50を備える。なお、図2(a)では、図1(a)と同
じ動作をする素子又は端子については、図1と同じ素子
番号又は端子番号を用いている。
【0052】第1回路10におけるnMOSトランジスタ1
2は、ソースを電圧源E2に、ドレインがスイッチ14
を介して出力端子62に接続される。第2回路20で
は、電圧制御手段40が端子65を介してnMOSトランジ
スタ12のゲートに接続され、容量素子22は端子65
と端子63との間に接続される。電圧切替え手段50
は、図1と同様に、入力端子61と端子63との間に接
続したスイッチ51と、出力端子62と端子63との間
に接続したスイッチ52から構成され、端子63に階調
電圧Vin及び出力電圧Voutを交互に入力する。なお、
電圧制御手段40は、端子65との接続を遮断するスイ
ッチ41を含むものとし、スイッチ41を介して端子6
5に接続する。また、容量素子22の容量はnMOSトラン
ジスタ12のゲート容量より十分大きいとする。また、
プリチャージ手段として、スイッチ16を介して電圧源
E1(E1>E2)を出力端子62に接続する。図2
(b)では、各スイッチ制御信号は、図1と同様に第1駆
動期間と第2駆動期間の2段階の駆動期間をもつ。
【0053】本実施形態例における駆動回路による作用
及び効果は、第1実施形態例の場合と同様であるので、
詳細な説明は省略する。第1実施形態例における駆動回
路(図1)がデータ線を低い電圧電源E2にプリチャー
ジした後に階調電圧Vinまで引き上げる駆動回路である
のに対し、本実施形態例における駆動回路(図2)は、
データ線を高い電圧電源E1にプリチャージした後に階
調電圧Vinまで引き下げる駆動回路である。
【0054】従って、本実施形態例における駆動回路も
階調電圧Vinと等しい電圧を出力することができ、その
出力電圧は、電源電圧範囲と等しい電圧を出力すること
ができる。また、1データ出力期間に、第1駆動期間と
第2駆動期間との2段階駆動を複数回繰り返して駆動す
れば、より精度の高い電圧を出力することができる。ま
た、本実施形態例で消費される電力は、プリチャージを
含むデータ線の充放電電力と容量素子22の充放電電力
だけであり、本実施形態例により低消費電力の駆動回路
を実現することができる。また、プリチャージ電源E1
として、階調電圧Vin以上の最適なガンマ補正用電源電
圧を入力することにより、消費電力を更に抑えることも
できる。
【0055】第3実施形態例 図3は、本発明の第3実施形態例における駆動回路を示
す図であり、(a)は駆動回路の構成、(b)は(a)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
トである。
【0056】図3(a)に、図1(a)の駆動回路における
電圧制御手段30の構成を具体的に示す。図3(a)で
は、電圧制御手段30を除く駆動回路の構成は図1(a)
と同様であり、各素子番号は図1(a)を参照することと
する。また、図1(a)と同じ素子番号をもつ各スイッチ
素子のオン・オフのタイミングも図1(b)の場合と同様
である。図3(b)では、各スイッチ制御信号は、図1
(b)と同様に任意の階調電圧を出力する1データ出力期
間に第1駆動期間(t0〜t2)と第2駆動期間(t2
〜t3)との2段階の駆動期間を有するが、更に第1駆
動期間(t0〜t2)の間に時間t1を設けた。また、
電圧制御手段30に含まれないスイッチ素子のスイッチ
制御信号については括弧を付けて示した。
【0057】以下に本実施形態例における駆動回路の作
用と効果を説明する。なお、駆動回路全体の作用と効果
は第1実施形態例で説明しているので省略し、ここで
は、図3(a)の電圧制御手段30の作用について説明す
る。
【0058】電圧制御手段30におけるpMOSトランジス
タ32は、ゲートとドレインとが相互に接続され、その
ゲート・ドレイン共通端子がスイッチ31を介して端子
64に、スイッチ34を介して電圧源E3(E3<E
1)に接続されている。また、ソースがスイッチ33を
介して電圧源E1に接続される。なお、pMOSトランジス
タ32のしきい値電圧はpMOSトランジスタ11と等しい
とし、また、電圧E1と電圧E3との電圧差はpMOSトラ
ンジスタ32のしきい値電圧より大きいとする。
【0059】次に、電圧制御手段30の各スイッチの制
御について説明する。第1駆動期間前半(t0〜t1)
では、スイッチ33をオフ、スイッチ31及びスイッチ
34をオンとし、端子64を電圧E3に保持する。第1
駆動期間後半(t1〜t2)では、スイッチ31はオン
のままで、スイッチ34をオフした後にスイッチ33を
オンとする。このとき、pMOSトランジスタ32がオンと
なり、端子64の電圧は、電圧E3からpMOSトランジス
タ32のゲート・ソース間電圧がしきい値電圧となるレ
ベルまで引き上げられる。pMOSトランジスタ32がpMOS
トランジスタ11と等しいしきい値電圧をもてば、この
ときの端子64の電圧によって、pMOSトランジスタ11
のゲート・ソース間電圧もしきい値電圧に維持される。
そして第2駆動期間(t2〜t3)では、スイッチ31
をオフとする。なお、第1駆動期間においてpMOSトラン
ジスタ11のゲートバイアスは変化するが、スイッチ1
3がオフしているため、電圧制御手段30により出力電
圧Voutが影響を受けることはない。また、第2駆動期
間(t2〜t3)のスイッチ33及びスイッチ34のオ
ン・オフの状態は、少なくともいずれか一方がオフして
いればよい。
【0060】以上のように、図3の電圧制御手段30
は、第1駆動期間終了時までにpMOSトランジスタ11の
ゲート・ソース間電圧がしきい値電圧となるように端子
64の電圧を制御することができる。従って、本実施形
態例によると、第1実施形態例で説明したような作用と
効果を奏することができる。
【0061】また、本実施形態例を応用すれば、図2の
電圧制御手段40も、pMOSトランジスタ12としきい値
電圧が等しいpMOSトランジスタと、3個のスイッチを用
いて容易に構成することができる。
【0062】第4実施形態例 図4は、本発明の第4実施形態例における駆動回路を示
す図であり、(a)は駆動回路の構成、(b)は(a)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
トである。
【0063】図4(a)は、図1(a)の駆動回路における
電圧制御手段30を第3実施形態例とは異なる構成で具
体的に示す図である。本実施形態例の駆動回路では、電
圧制御手段30を除く構成は図1(a)の場合と同様であ
り、各素子番号は図1(a)を参照する。図1(a)と同じ
素子番号をもつ各スイッチ素子のオン・オフのタイミン
グも図1(b)と同様である。図4(b)では、各スイッチ
制御信号は、図1(b)と同様に任意の階調電圧を出力す
る1データ出力期間に第1駆動期間(t0〜t2)と第
2駆動期間(t2〜t3)との2段階の駆動期間を有す
るが、更に第1駆動期間(t0〜t2)の間に時間t1
を設けた。また、電圧制御手段30に含まれないスイッ
チ素子のスイッチ制御信号については括弧を付けて示し
た。
【0064】以下に本実施形態例における作用及び効果
を説明する。なお、駆動回路全体の作用と効果は第1の
実施の形態で説明しているので省略し、ここでは、図4
(a)の電圧制御手段30の作用について説明する。
【0065】図4の電圧制御手段30は、図3の電圧制
御手段30を更に良好にした回路である。まず、図3の
電圧制御手段30の課題について説明してから、図4の
電圧制御手段30の作用を説明する。
【0066】第3実施形態例(図3)では、電圧制御手
段30にpMOSトランジスタ11としきい値電圧が等しい
pMOSトランジスタ32を用いている。しかし、実際の半
導体プロセスにおいては、隣り合う同サイズのトランジ
スタでもしきい値電圧が異なる場合がある。pMOSトラン
ジスタ11及びpMOSトランジスタ32双方のしきい値電
圧にずれが生じた際に、出力電圧Voutはしきい値電圧
のずれの大きさだけ入力電圧Vinからずれる場合があ
る。この課題を解決するために、pMOSトランジスタ32
の機能をpMOSトランジスタ11にもたせた回路が図4に
示す回路である。
【0067】図4(a)の電圧制御手段30において、ス
イッチ36は、pMOSトランジスタ11のドレイン・ゲー
ト間に接続し、スイッチ35は電圧源E3(E3<E
1)と端子64の間に接続する。このとき、電圧E1と
電圧E3との間の電圧差はpMOSトランジスタ11のしき
い値電圧より大きいとする。
【0068】次に、電圧制御手段30の各スイッチの制
御について説明する。第1駆動期間前半(t0〜t1)
では、スイッチ35をオン、スイッチ36をオフとし、
端子64を電圧E3に保持する。第1駆動期間後半(t
1〜t2)では、スイッチ35をオフとした後にスイッ
チ36をオンとする。このときpMOSトランジスタ11が
オンとなり、端子64の電圧は、電圧E3からpMOSトラ
ンジスタ11のゲート・ソース間電圧がしきい値電圧と
なるレベルまで引き上げられ、維持される。そして第2
駆動期間(t2〜t3)では、スイッチ13をオフとす
る。なお、第1駆動期間においてpMOSトランジスタ11
のゲートバイアスは変化するが、スイッチ13をオフし
ているため、電圧制御手段30により出力電圧Voutが
影響を受けることはない。
【0069】また、図4(a)では、第2駆動期間におい
て端子64と電圧制御手段30との接続を切断するスイ
ッチ31をもたないが、スイッチ35及びスイッチ36
がスイッチ31の役割を果たすことができ、スイッチ3
5及びスイッチ36の双方を第2駆動期間でオフとする
ことにより、端子64と電圧制御手段30との接続を切
断した状態にすることができる。このように図4におけ
る駆動回路は、pMOSトランジスタ11を第1駆動期間で
は第2回路20として、第2駆動期間では第1回路10
として利用することにより、第3実施形態例(図3)で
生じる可能性があるMOSトランジスタのしきい値電圧
のずれによる出力電圧精度の低下は生じず、また素子数
を削減することもできる。
【0070】以上のように、図4の電圧制御手段30
は、第1駆動期間終了時までにpMOSトランジスタ11の
ドレイン・ソース間電圧がしきい値電圧となるように端
子64の電圧を制御することができる。従って、本実施
形態例では、第1実施形態例で説明したような作用と効
果とを奏することができる。また、本実施形態例を応用
すれば、図2における電圧制御手段40も、nMOSトラン
ジスタ11と2個のスイッチとを用いて容易に構成する
ことができる。
【0071】第5実施形態例 図5は、本発明の第5実施形態例における駆動回路を示
す図であり、(a)は駆動回路の構成、(b)は(a)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
トである。
【0072】図5(a)は、図1(a)と図2(a)とを組み
合わせた駆動回路であり、双方のプリチャージ手段を除
去し、各入力端子61を相互に接続し、且つ各出力端子
62を相互に接続している。図1(a)の構成要素である
第1回路10と第2回路20を夫々10A、20Aと
し、図2(a)の構成要素である第1回路10、第2回路
20を夫々10B、20Bとした。
【0073】第1回路10A及び第2回路20Aは、階
調電圧Vinまで電圧を引き上げることができ、第1回路
10B及び第2回路20Bは、階調電圧Vinまで電圧を
引き下げることができるので、プリチャージ手段が不要
な駆動回路となっている。また、電圧制御手段30及び
電圧制御手段40として、第3実施形態例又は第4実施
形態例における電圧制御手段30を用いることができ
る。
【0074】次に、図5(b)を参照して各スイッチの制
御について説明する。任意の階調電圧を出力する1デー
タ出力期間では、前半(t0〜t3)は第1回路10A
及び第2回路20Aを図1(b)と同様に2段階で駆動
し、後半(t3〜t6)は第1回路10B及び第2回路
20Bを図2(b)と同様に2段階で駆動するように各ス
イッチ制御信号が制御される。このとき、電圧制御手段
30は、少なくともt0〜t2の間動作させればよく、
電圧制御手段40は、少なくともt3〜t5の間動作さ
せればよい。これにより、t0〜t3では、出力電圧V
outが階調電圧Vinよりも低い場合に出力電圧Voutを階
調電圧Vinまで引き上げ、t3〜t6では、出力電圧V
outが階調電圧Vinよりも高い場合に出力電圧Voutを階
調電圧Vinまで引き下げる。また、1データ出力期間
に、t0〜t6の一連のスイッチ制御を複数回繰り返し
て駆動すれば、より精度の高い電圧を出力することがで
きる。なお、詳しい作用については、上記各実施形態例
と同様であるので説明を省略する。
【0075】以上のように、本実施形態例によると、階
調電圧Vinと等しい電圧を出力することができ、また、
電源電圧範囲と等しい出力電圧範囲をもつことができ
る。更に、本実施形態例によると、プリチャージによる
充放電電力も生じないので、更に低消費電力の駆動回路
を実現することができる。
【0076】第6実施形態例 図6は、本発明の第6実施形態例における駆動回路を示
す図であり、(a)は駆動回路の構成、(b)は(a)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
トである。
【0077】図6(a)は、図5(a)の電圧切替え手段5
0A及び電圧切替え手段50Bを1つの電圧切替え手段
50に共有させた駆動回路である。各素子番号は、図1
(a)、図2(a)又は図5(a)を参照する。また、電圧制
御手段30及び電圧制御手段40として、第3実施形態
例又は第4実施形態例における電圧制御手段30を用い
ることができる。
【0078】図6(b)によるスイッチ制御方法は、図5
(b)の場合とほぼ同様である。電圧制御手段30は、少
なくともt0〜t2の間動作させればよく、電圧制御手
段40は、少なくともt3〜t5の間動作させればよ
い。但し、電圧切替え手段50は、図5(a)の電圧切替
え手段50A及び電圧切替え手段50B双方の役割を果
たすので、t0〜t3及びt3〜t5において同じ動作
を繰り返す。これにより、t0〜t3では、出力電圧V
outが階調電圧Vinよりも低い場合に出力電圧Voutを階
調電圧Vinまで引き上げ、t3〜t6では、出力電圧V
outが階調電圧Vinよりも高い場合に出力電圧Voutを階
調電圧Vinまで引き下げる。
【0079】以上のように、本実施形態例によると、第
5実施形態例の場合と同様の作用と効果を奏することが
できる。なお、本実施形態例の駆動回路では、第5実施
形態例の場合よりもスイッチ素子数を減らすことができ
るが、容量素子21及び容量素子22を階調電圧Vinで
同時に充電するので、容量素子21及び容量素子22を
交互に充電する第5実施形態例よりも、入力容量はやや
大きくなる。
【0080】第7実施形態例 図7は、本発明の第7実施形態例における駆動回路を示
す図であり、同図(a)は、図6(a)の駆動回路を図6
(b)と異なるスイッチ制御方法で駆動するときのスイッ
チ制御信号のタイミングチャート、図7(b)は、図7
(a)のスイッチ制御信号によって図6(a)を駆動したと
きの出力電圧の様子を示す波形図である。
【0081】図6(b)による駆動方法は、1データ出力
期間の前半と後半で出力電圧Voutを引き上げる動作と
引き下げる動作を分離して、最終的に出力電圧Voutを
階調電圧Vinへ到達させる駆動方法である。それに対し
て本実施形態例は、同じタイミングで出力電圧Voutを
引き上げる動作又は引き下げる動作を行うことができる
駆動方法である。なお、1データ出力期間は、第1駆動
期間(t0〜t2)と第2駆動期間(t2〜t3)との
2段階で駆動するものとする。
【0082】以下に、図6(a)及び図7を参照して、本
実施形態例の作用と効果について説明する。まず、第1
駆動期間では、電圧制御手段30及び電圧制御手段40
により出力電圧Voutが影響を受けないように、スイッ
チ13及びスイッチ14をオフとする。また、スイッチ
51をオン、スイッチ52をオフとして端子63に階調
電圧Vinを入力する。更に、電圧制御手段30のスイッ
チ31及び電圧制御手段40のスイッチ41を夫々オン
とし、pMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12
のゲート・ソース間電圧がほぼしきい値電圧となるよう
に端子64及び端子65の電圧を夫々制御する。これに
より、容量素子21及び容量素子22に電荷を蓄え、双
方の容量素子の両端を所定の電圧差に保つ。また、第1
駆動期間では、出力電圧Voutは前出力期間の電圧がそ
のまま保持される。なお、電圧制御手段30及び電圧制
御手段40として、第3実施形態例又は第4実施形態例
における電圧制御手段30を用いることができる。
【0083】次に、第2駆動期間では、スイッチ13及
びスイッチ14をオンとする。更に、電圧制御手段30
のスイッチ31及び電圧制御手段40のスイッチ41を
夫々オフとし、その後にスイッチ51をオフ、スイッチ
52をオンとして、端子63に出力電圧Voutを入力す
る。このとき、端子64を介して接続されている容量素
子21とpMOSトランジスタ11のゲート容量とに夫々蓄
えられた電荷は閉じ込められ、同様に端子65を介して
接続されている容量素子22とnMOSトランジスタ12の
ゲート容量とに夫々蓄えられた電荷は閉じ込められ、こ
れらの容量間では電荷の総和が保存される。
【0084】また、端子63の電圧が階調電圧Vinから
出力電圧Voutに切り替わると、容量素子21、22を
介して端子64、65の電圧が夫々変化し、pMOSトラン
ジスタ11及びnMOSトランジスタ12のゲートバイアス
電圧が変化する。ここで、容量素子21、22の各容量
が夫々、pMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ1
2のゲート容量に比べて十分大きければ、端子63の電
圧が変化しても、容量素子とMOSトランジスタのゲー
ト容量との間に生じる電荷の移動量は容量素子に蓄えら
れる電荷量に比べて十分小さく、容量素子21、22の
各両端の電圧差は殆ど変化しない。従って、pMOSトラン
ジスタ11及びnMOSトランジスタ12のゲートバイアス
電圧の変化量は、階調電圧Vinから出力電圧Voutの変
化量と同じとなる。
【0085】第2駆動期間開始時(t2)では、Vin>
Voutのときに、pMOSトランジスタ11及びnMOSトラン
ジスタ12の各ゲートバイアス電圧がVinとVoutの電
圧差だけ引き下げられ、pMOSトランジスタ11がオン、
nMOSトランジスタ12がオフとなり、出力電圧Voutが
上昇する。一方、Vin<Voutのときには、双方のゲー
トバイアス電圧がVinとVoutの電圧差だけ引き上げら
れ、pMOSトランジスタ11がオフ、nMOSトランジスタ1
2がオンとなり、出力電圧Voutが低下する。このと
き、pMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12双
方の電流供給能力は、VinとVoutの電圧差に依存し、
出力電圧Voutが階調電圧Vinに近づくにつれて低くな
る。従って、出力電圧Voutの変化は、階調電圧Vinと
の電圧差が大きい間は急激に変化し、階調電圧Vinに近
づくにつれて変化が緩やかになり、最終的に階調電圧V
inとほぼ等しい電圧になる。
【0086】図7(b)では、初期状態(t0)の出力電
圧をVoとし、階調電圧がVin1(Vin1>Vo)のと
きの出力波形を実線で示し、階調電圧がVin2(Vin2
<Vo)のときの出力波形を点線で示している。第1駆
動期間(t0〜t2)では、出力電圧は保持され、第2
駆動期間(t2〜t3)で階調電圧と等しい電圧とな
る。
【0087】第6実施形態例と比較した場合に、本実施
形態例は、出力電圧Voutを引き上げる動作と引き下げ
る動作とを同じタイミングで行い、階調電圧Vinと等し
い電圧を出力することができるので、駆動速度を速くす
ることができ、また少ないスイッチ制御信号で駆動する
ことができる。但し、本実施形態例では、電圧制御手段
30と端子64との接続、又は電圧制御手段40と端子
65との接続を切断するスイッチの動作に注意する必要
がある。以下に、図6(a)のスイッチ31及びスイッチ
41双方の動作について図7(a)及び図8を参照して説
明する。
【0088】図8は、第7実施形態例における作用を説
明するための回路図である。同図では、スイッチ31及
びスイッチ41双方をCMOSスイッチから夫々構成
し、第2駆動期間で夫々オフとした場合の状態を示して
いる。スイッチ制御用の電圧として電源電圧E1及びE
2(E2<E1)を用いた場合に、スイッチ31のnMOS
トランジスタ31Nのゲートに電圧E2を、pMOSトラン
ジスタ31Pのゲートに電圧E1を夫々印加する。同様
に、スイッチ41のnMOSトランジスタ41Nのゲートに
電圧E2を、pMOSトランジスタ41Pのゲートに電圧E
1を夫々印加して、スイッチ31及びスイッチ41を夫
々オフとする。
【0089】第2駆動期間で、端子63の電圧を階調電
圧Vinから出力電圧Voutに切り替えると、端子64及
び端子65も端子63と同じ電圧変化を生じる。そのた
め、電圧変化が大きい場合には、端子64が瞬間的に電
源電圧E1より高い電圧となる場合や、又は端子65が
瞬間的に電源電圧E2より低い電圧となる場合がある。
そこで、まず端子64が電源電圧E1より高い電圧とな
る場合について説明する。これは、第2駆動期間開始時
においてVin<Voutの状態のときである。端子63が
VinからVoutに瞬間的に変化し、端子64の電圧が電
圧E1から更にpMOSトランジスタ31Pのしきい値電圧
分も上回ると、pMOSトランジスタ31Pがオンとなり、
端子64から端子37へ電荷が流れる。これにより、端
子64の電圧のそれ以上の上昇は抑えられ、容量素子2
1の両端の電圧差は第1駆動期間終了時に保持された電
圧差よりも小さくなる。
【0090】一方、第1回路10では、pMOSトランジス
タ11はオフ、nMOSトランジスタ12がオンとなり、出
力電圧Voutは低下して階調電圧Vinへ近づいていく。
端子63には出力電圧Voutが入力されているので、出
力電圧Voutの電圧変化に伴って端子64の電圧も低下
し、pMOSトランジスタ31Pは再びオフとなる。そし
て、出力電圧Voutが階調電圧Vin付近に到達すると、
容量素子21の両端の電圧差が小さくなったことによ
り、pMOSトランジスタ11のゲートバイアスが第1駆動
期間終了時の電圧よりも下がり、pMOSトランジスタ11
がオンとなってしまう。このとき、pMOSトランジスタ1
1とnMOSトランジスタ12が同時にオンとなる状態が生
じ、このような状態では出力電圧Voutの精度は低下
し、また、電源電圧E1からE2へ貫通電流が流れるた
め、消費電力が増加するという問題が生じる。
【0091】次に、端子65が電源電圧E2よりも低い
電圧となる場合について説明する。これは、第2駆動期
間開始時においてVin>Voutの状態のときである。端
子63がVinからVoutに瞬間的に変化し、端子65の
電圧が電圧E2から更にnMOSトランジスタ41Nのしき
い値電圧分も下回ると、nMOSトランジスタ41Nがオン
となり、端子47から端子65へ電荷が流れる。これに
より、端子65の電圧のそれ以上の低下は抑えられ、容
量素子22の両端の電圧差は第1駆動期間終了時に保持
された電圧差よりも小さくなる。端子64の電圧変化と
同様の作用で、出力電圧Voutが階調電圧Vin付近に近
づくと、容量素子22の両端の電圧差が小さくなったこ
とにより、nMOSトランジスタ12のゲートバイアスが第
1駆動期間終了時の電圧よりも上がり、nMOSトランジス
タ12がオンとなってしまう。このとき、pMOSトランジ
スタ11とnMOSトランジスタ12とが同時にオンとなる
状態が生じ、このような状態では、出力電圧Voutの精
度は低下し、また電源電圧E1からE2へ貫通電流が流
れるため、消費電力が増加するという問題が生じる。
【0092】以上のように、図8においては第2駆動期
間で、スイッチ31やスイッチ41が一時的にオンとな
る場合があり、その場合には、第1回路10に貫通電流
が流れて消費電力が増加するという現象が起きる。電圧
制御手段30及び40双方に第4実施形態例を用いる場
合には、図8におけるスイッチ31と同様の作用をする
CMOS構成の図4のスイッチ35、36や、図8にお
けるスイッチ41と同様の作用をするCMOS構成の2
つのスイッチが、第2駆動期間で一時的にオンとなる場
合があり、同様に、第1回路10に貫通電流が流れて消
費電力が増加する現象が起きる。このような消費電力の
増加を最小限に抑えるためには、1データ出力期間にお
いて、図7(a)の第1駆動期間と第2駆動期間との2段
階の駆動を少なくとも2回以上繰り返す必要がある。1
回目の第2駆動期間の間隔を短くすれば、貫通電流によ
る消費電力の増加を最小限に抑えることができる。
【0093】また、1回目の第1駆動期間と第2駆動期
間との駆動により、出力電圧Voutは階調電圧Vinにあ
る程度近づいているため、2回目以降の駆動によって容
易に階調電圧Vinと等しい電圧を出力することができ
る。階調電圧Vinと出力電圧Voutとの電圧差がある程
度小さい場合には、第2駆動期間で端子64や端子65
の電圧が電源電圧E1を大きく上回ったり、電源電圧E
2を大きく下回ったりすることはないので、貫通電流は
生じない。従って、2回目以降の駆動では、第2駆動期
間に貫通電流を生じることはない。
【0094】以上のように、本実施形態例では、プリチ
ャージを必要とせず、また、出力電圧Voutを引き上げ
る動作と引き下げる動作を同じタイミングで行い、階調
電圧Vinと等しい電圧を出力することができる。更に、
図7(a)の第1駆動期間と第2駆動期間の2段階の駆動
を少なくとも2回以上繰り返すことにより、比較的消費
電力の小さい駆動回路を実現することができる。
【0095】第8実施形態例 図9は、本発明の第8実施形態例における駆動回路を示
す図である。同図では、図6(a)の出力端子62にスイ
ッチ17を介して電圧源E5を接続している。また、各
スイッチの制御方法は図7(a)と同様とする。
【0096】以下に、図7(a)及び図9を参照して、本
実施形態例の作用と効果について説明する。まず、第1
駆動期間では、スイッチ17をオンとして電圧源E5で
データ線をプリチャージする。電圧源E5は階調電圧V
inに近い任意の電圧供給源であればよく、例えば電圧源
E5が階調電圧Vinに近いガンマ補正用電源電圧でもよ
い。その場合、VinとVoutとの電圧差はいつも小さい
ので、第7実施形態例で述べたような第2駆動期間にお
ける貫通電流の発生を防ぐことができる。
【0097】第9実施形態例 図10は、本発明の第9実施形態例における液晶表示装
置のデータドライバの構成を示す回路図であり、図15
に示した従来技術におけるオペアンプ102を出力回路
60に置き換えた構成例である。
【0098】図10では、抵抗ストリング100の各接
続端子で階調電圧を生成し、デコーダ101で任意の階
調電圧を選択し、出力回路60で階調電圧を電流増幅し
て出力する。この出力回路60には、上記第1〜第8実
施形態例を適宜用いることができる。上記各実施形態例
における入力端子61は、図10のデコーダ101の出
力端子と接続し、上記各実施形態例における出力端子6
2は、図10の出力端子群104となる。また、出力回
路60に含まれる各スイッチは、各出力回路に共通なス
イッチ制御信号71によって制御される。
【0099】出力回路60に含まれる各スイッチは、各
出力回路に共通な端子63から供給されるスイッチ制御
信号によって制御される。このように本実施形態例は、
従来のデータドライバのオペアンプを第1〜第8の実施
形態例に置き換えるだけで、新しいデータドライバを簡
単に構成することができる。第1〜第8実施形態例にお
いては、静消費電力を生じないので、新しいデータドラ
イバは従来のデータドライバよりも消費電力を大幅に削
減することができる。なお、第1、第2及び第9の各実
施形態例では、出力する階調電圧に対応してプリチャー
ジ電圧を変える場合には、各出力回路毎にプリチャージ
制御回路を付加する必要がある。
【0100】本実施形態例では、出力回路60に含まれ
る容量素子を第1駆動期間毎に充電しなければならない
ため、デコーダ101の出力インピーダンスが比較的小
さくなるように、抵抗ストリング100及びデコーダ1
01を構成することが好ましい。
【0101】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。前記各実施形態例で説明した本発明の液晶
表示装置の駆動回路及び駆動方法について、シミュレー
ションにより具体的に実施し、出力電圧及び消費電力の
解析から本発明の効果を実証する。
【0102】シミュレーションは、上記各実施形態例に
おける出力端子62に、対角10インチのSVGAパネ
ルに相当する1データ線負荷70を接続し、1データ線
負荷70への出力電圧及び駆動回路の消費電力を調べ
る。なお、1データ線負荷70は、20pFの容量素子
2個と10kΩの抵抗とから構成するパイ型の等価回路
とし、また、1データ出力期間は約30μsとした。
【0103】また、本発明の各実施形態例における駆動
回路の消費電力と比較するため、図17に示した従来技
術のオペアンプの消費電力を単純に見積もる。図17の
オペアンプにおいて、電源電圧VDDを5V、VSSを
0Vとし、bias2及びbias3の制御によって差動段12
0、130双方に5μAの電流を定常的に流すとする
と、オペアンプ1個の消費する静消費電力は約50μW
となる。この計算値を各実施形態例の消費電力と比較す
る。
【0104】実施例1 まず、プリチャージが必要な第1〜第4実施形態例に対
応する実施例1について説明する。図11は、本実施例
における駆動回路を説明するための図であり、(a)はシ
ミュレーション回路、(b)はスイッチ制御信号のタイミ
ングチャートを夫々示す。図12は、図11(a)におけ
る階調電圧Vin及びデータ線負荷70に夫々出力される
出力波形のシミュレーション結果を示すグラフである。
【0105】本実施例では、第1実施形態例における電
圧制御手段30として第4実施形態例における電圧制御
手段30を用いている。また、第2及び第3実施形態例
における効果は、本実施例から容易に推測できるのでそ
の説明は省略する。
【0106】図11(a)では、各電圧源はE1=5V、
E2=E3=0Vとし、各スイッチは、スイッチ15を
nMOSトランジスタから構成し、他は全てCMOSスイッ
チから構成した。各MOSトランジスタの素子サイズ
は、nMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタのチャネル
長(Ln、Lp)を共に約1μmとし、チャネル幅はpM
OSトランジスタをWp、nMOSトランジスタをWnとして
図中に記した。また、MOSトランジスタのしきい値電
圧は、基板電圧がソース電圧と等しい状態で、pMOSトラ
ンジスタは−1V、nMOSトランジスタは1Vとした。容
量素子21は、pMOSトランジスタ11のゲート容量に比
べて十分大きい2pFの素子を用いた。図11(b)で
は、第1駆動期間(t0〜t2)を約2μs、第2駆動
期間(t2〜t3)を約28μsとし、第1駆動期間の
前半(t0〜t1)及び後半(t1〜t2)は夫々約1
μsとした。
【0107】図12は、1データ出力期間(約30μ
s)に同期させて0V又は5Vを、図11(a)に示す回
路の階調電圧Vinとして入力したときの出力波形であ
る。図12では、階調電圧Vinを破線で示し、データ線
負荷70に出力される出力波形を実線で示している。ま
た、スイッチ制御信号のタイミングと出力波形の変化と
の対応を示すため、図中の0〜30μsではt2、t3
を示し、同様に30〜60μsではt0、t2、t3を
括弧付きで示す。このような表示は、以下の実施例でも
同様に行う。
【0108】図12におけるシミュレーション結果よ
り、出力波形の変化は、t0〜t2では電圧E2(0
V)にプリチャージされ、t2〜t3で階調電圧Vinと
ほぼ等しい電圧が出力されている。このことから、図1
1(a)の駆動回路が、階調電圧Vinとほぼ等しい電圧を
出力することができ、また、電源電圧範囲と等しい出力
電圧範囲をもつことが可能であることが示された。この
とき電源電圧5Vで消費される電力は、1データ線負荷
70の充放電電力を含めて約17μWであった。なお、
これには、スイッチ制御に要する消費電力は十分小さい
ため含めていない。
【0109】図17のオペアンプで図11(a)のデー
タ線負荷70を0Vと5Vに交互に駆動する場合の消費
電力と比較すると、このときのオペアンプの全消費電力
は、静消費電力50μWと1データ線負荷70の充放電
電力約9μWを合わせ、約59μWである。従って、0
Vと5Vを交互に駆動する場合、本実施例の消費電力は
オペアンプの僅か約29%である。しかし、これはオペ
アンプの最大消費電力であるが、本実施例の最大消費電
力ではない。
【0110】本実施例の消費電力が最大になるのは、5
V一定で駆動するときであり、そのときの消費電力は約
33μWである。これは駆動電圧が一定の場合でも、本
実施例は1データ出力期間毎1データ線負荷70を0V
にプリチャージしなければならないからである。一方、
このときのオペアンプの消費電力は、1データ線負荷7
0の充放電を行なわないので、静消費電力の約50μW
だけである。従って、5V一定で駆動する場合は、本実
施例の消費電力はオペアンプの約66%である。このこ
とから、駆動する電圧により消費電力の比率は多少異な
るが、本実施例は図17のオペアンプより低消費電力で
あることが示された。
【0111】また、図11(a)で、電源電圧E3として
4V付近の電源電圧を用いれば、容量素子21の充放電
電力が小さくなり、更に消費電力を削減することも可能
である。本実施例は、第1及び第4実施形態例の実例と
して説明したものであるが、駆動回路の作用及び効果
は、第2及び第3実施形態例についても容易に推測する
ことができる。
【0112】実施例2 次に、プリチャージを必要としない第5〜第7実施形態
例の実施例2について説明する。図13は、本実施例に
おける駆動回路を説明するための図であり、(a)はシミ
ュレーション回路、(b)はスイッチ制御信号のタイミン
グチャートを夫々示す。図14は、図13(a)における
階調電圧Vin及びデータ線負荷70に夫々出力される出
力波形のシミュレーション結果を示すグラフ図である。
【0113】本実施例は、第7実施形態例における電圧
制御手段30及び電圧制御手段40に、第4実施形態例
の電圧制御手段の構成原理を適用した例である。本実施
例では、作用が複雑である第7実施形態例の効果につい
て説明し、他の実施形態例の効果は、本実施例及び実施
例1から容易に推測できるので、詳しい説明は省略す
る。
【0114】図13(a)では、各電圧源はE1=E4=
5V、E2=E3=0Vとし、各スイッチは全てCMO
Sスイッチから構成した。各MOSトランジスタのしき
い値電圧及び素子サイズの表示は、実施例1の場合と同
様である。容量素子21、22には夫々、pMOSトランジ
スタ11及びnMOSトランジスタ12のゲート容量に比べ
て十分大きい2pFの素子を用いた。
【0115】図13(b)では、1データ出力期間に第1
駆動期間と第2駆動期間との2段階の駆動を2回繰り返
し、1回目の第1駆動期間(t0〜t2)及び第2駆動
期間(t2〜t3)を夫々約1μs及び約500nsと
し、2回目の第1駆動期間(t3〜t5)及び第2駆動
期間(t5〜t6)を約1μs及び約27.5μsと
し、双方の第1駆動期間の前半と後半とは約500ns
とした。
【0116】図14は、1データ出力期間(約30μ
s)に同期させて0V又は5Vを、図13(a)に示す回
路の階調電圧Vinとして入力したときの出力波形であ
る。図14では、階調電圧Vinを破線で示し、データ線
負荷70に出力される出力波形を実線で示している。同
図のシミュレーション結果より、出力波形の変化は、t
0〜t2では前出力期間の電圧が保持され、t2〜t3
で階調電圧Vinに近づいていくことが分かる。しかし、
1回目の第2駆動期間(t2〜t3)では、VinとVou
tとの電圧差が大きいため貫通電流が生じ、5Vを出力
する0〜30μsの出力期間では約3.8Vまでしか到
達しておらず、また0Vを出力する30〜60μsの出
力期間では約1.2Vまでしか到達していない。しか
し、2回目の第2駆動期間(t5〜t6)では、Vinと
Voutとの電圧差が小さくなっているため貫通電流は生
じず、階調電圧Vinと等しい電圧が出力されている。こ
のことから、本実施例が階調電圧Vinとほぼ等しい電圧
を出力することができ、また、電源電圧範囲と等しい出
力電圧範囲をもつことが可能であることが示された。こ
のとき、電源電圧5Vで消費される電力は、1データ線
負荷70の充放電電力を含めて約39μWであった。な
お、これにはスイッチ制御に要する消費電力は十分小さ
いため含めていない。
【0117】実施例1と同様に、図17のオペアンプで
図11(a)のデータ線負荷70を0Vと5Vに交互に
駆動する場合の消費電力約59μWと比較すると、本実
施例の消費電力はオペアンプの約66%となる。このこ
とから本実施例は、オペアンプよりも消費電力を削減す
ることができることが分かる。また、5V一定で駆動す
るときの消費電力を比較すると、オペアンプが約50μ
Wに対し本実施例は約6μWであり、本実施例の消費電
力はオペアンプの約12%となり、本実施例はオペアン
プよりも大幅に消費電力を削減することができることが
分かる。
【0118】このように、0V及び5Vを交互に駆動す
る場合と5V一定で駆動する場合とで消費電力の比に大
きく差が出る理由は、つまり、0Vと5Vとを交互に駆
動する場合の本実施例では貫通電流による電力消費を生
じるが、駆動電圧が一定の場合の本実施例では貫通電流
は生じず、容量素子21、22双方の充放電電力の消費
のみが生じるからである。このことから、本実施例は図
17のオペアンプよりも低消費電力であることが示され
た。
【0119】また、図13(a)において、電源電圧E3
として4V付近、電源電圧E4として1V付近の電源電
圧を夫々用いれば、容量素子21の充放電電力が小さく
なり、更に消費電力を削減することも可能である。な
お、本実施例は、第7実施形態例の実例として説明した
ものであるが、貫通電流が生じない第5実施形態例や第
6実施形態例や第9実施形態例では、本実施例よりも更
に消費電力が小さいことは明らかである。
【0120】以上のように、本発明を適用した液晶表示
装置の駆動回路は、ソースを電圧源に接続し、ゲートバ
イアスに対応してドレイン電流を出力端子に供給するM
OSトランジスタ及び出力端子への電流の供給を制御す
るスイッチを含む第1回路と、ゲート・ソース間電圧を
しきい値電圧に制御された上記MOSトランジスタのゲ
ートに、容量素子を介して階調電圧と出力端子の電圧を
切り替えてバイアスする第2回路とを備える。本駆動回
路では、第1回路及び第2回路の各スイッチを夫々制御
することにより、階調電圧と出力端子の電圧との電圧差
が十分小さくなるようにMOSトランジスタを動作させ
ることができる。これにより、階調電圧と等しい電圧を
出力することができ、また、電源電圧範囲内の任意の電
圧を出力することができるので、高精度で広範囲な電圧
出力が可能になる。また、第1回路及び第2回路におい
ては、定常的に流れる電流がないため、静消費電力を消
費することなく駆動回路全体の消費電力を低減すること
ができる。
【0121】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の液晶表示装置の駆動回路
は、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上
記実施形態例から種々の修正及び変更を施した液晶表示
装置の駆動回路も、本発明の範囲に含まれる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置の駆動回路は、定常的な電力消費を伴わない回路構
成を備えており、出力電圧範囲を広くすると共に、低消
費電力を実現することができるという顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャート、
同図(c)は出力電圧の様子を示す波形図である。
【図2】本発明の2実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャートで
ある。
【図3】本発明の第3実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャートで
ある。
【図4】本発明の第4実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャートで
ある。
【図5】本発明の第5実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャートで
ある。
【図6】本発明の第6実施形態例を示す図であり、同図
(a)は駆動回路の構成、同図(b)は同図(a)の各スイッ
チを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャートで
ある。
【図7】本発明の第7実施形態例を示す図であり、同図
(a)は図6(a)の駆動回路を図6(b)と異なるスイッチ
制御方法で駆動するときのスイッチ制御信号のタイミン
グチャート、同図(b)は出力電圧の様子を示す波形図で
ある。
【図8】第7実施形態例の作用を説明するための回路図
である。
【図9】本発明の第8実施形態例を示す回路図である。
【図10】本発明の第9実施形態例を示す図であり、液
晶表示装置のデータドライバの構成を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す図であり、同図
(a)はシミュレーション回路、同図(b)は同図(a)の各
スイッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図12】第1実施例における入力階調電圧と出力電圧
の様子を示す波形図である。
【図13】本発明の第2実施例を示す図であり、同図
(a)はシミュレーション回路、同図(b)は同図(a)の各
スイッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図14】第2実施例における入力階調電圧と出力電圧
の様子を示す波形図である。
【図15】従来のオペアンプを用いた液晶表示装置のデ
ータドライバの構成を示す図である。
【図16】図15に適用可能な最も単純なCMOSオペ
アンプの例であり、(a)は帰還をかけるオペアンプの構
成を、(b)はオペアンプの内部構成を夫々示す回路図で
ある。
【図17】図15に適用可能で、図16のオペアンプよ
り高性能・低消費電力型のCMOSオペアンプの例で、
図17(a)は帰還をかけるオペアンプの構成、図17
(b)はオペアンプの内部構成を詳細に示す図である。
【図18】静消費電力を生じない低消費電力の駆動回路
の従来例であり、同図(a)及び(b)は夫々駆動回路の構
成を示している。
【図19】静消費電力を生じない低消費電力の駆動回路
の従来例であり、同図(a)は図18(a)及び(b)の各ス
イッチを制御するスイッチ制御信号のタイミングチャー
ト、図19(b)は駆動回路の構成を夫々示す。
【符号の説明】
10 第1回路 11、32、111、124、125 pMOSトランジス
タ 12、42、112、121〜123 nMOSトランジス
タ 13〜17、31、33〜36、41 スイッチ 21、22、113、115 容量素子 20 第2回路 30、40 電圧制御手段 50 電圧切替え手段 51〜54、200〜203、300〜303 スイッ
チ 60 出力回路 61 入力端子 62 出力端子 63A、63B、64、65、37、47、103、1
26 端子 70 1データ線負荷 71 スイッチ制御信号 100 抵抗ストリング 101 デコーダ 102 オペアンプ 103 バイアス電圧 104 出力端子群 110 増幅段 114、116 抵抗素子 120、130 差動段 131〜133、141、142 pMOSトランジスタ 134、135、143、144 nMOSトランジスタ E1〜E5、VDD、VSS 電圧源 Vin、Vin1、Vin2 階調電圧 Vout 出力電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03K 17/687 H03K 17/687 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/36 G02F 1/133 520 G02F 1/133 550 G02F 1/133 575 G09G 3/20 621 H03K 17/687

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査信号で選択された画素電極に印加す
    る階調電圧を供給するためのデータ線を駆動し、フレー
    ム周期で階調電圧を書き換えることによって画像を表示
    する液晶表示装置の駆動回路において、任意の階調電圧でデータ線を駆動する1データ駆動期間
    が少なくとも第1駆動期間と第2駆動期間とを含み、 前記第1駆動期間に 出力端子を第1電圧にプリチャージ
    するプリチャージ手段と、 ソースが第2電圧の電圧源に接続されゲートバイアスに
    対応してドレイン電流を前記出力端子に供給する第1の
    絶縁ゲート型トランジスタ、及び、前記第1駆動期間に
    前記ドレイン電流の前記出力端子への供給遮断し前記
    第2駆動期間に前記ドレイン電流を前記出力端子へ供給
    するように制御する第1のスイッチ手段を有する第1回
    路と、前記第1駆動期間終了時までに 前記第1の絶縁ゲート型
    トランジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に
    変化させるゲート電圧制御手段、一端が前記第1の絶縁
    ゲート型トランジスタのゲートに接続された容量素子
    並びに、該容量素子の他端と入力端子との接続・遮断及
    び前記容量素子の他端と前記出力端子との接続・遮断を
    制御する第2のスイッチ手段とを有する第2回路とを
    えることを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記ゲート電圧制御手段は、ドレイン及
    びゲートが相互に接続され前記第1の絶縁ゲート型トラ
    ンジスタと同じ導電型の第2の絶縁ゲート型トランジス
    タと、該第2のトランジスタのソースと前記第2電圧
    電圧源との間に配設される第3のスイッチ手段と、前記
    第2の絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ゲート共
    通端子と第3電圧の電圧源との間に配設される第4のス
    イッチ手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子と前記第
    1の絶縁ゲート型トランジスタのゲートとの間に配設さ
    れる第5のスイッチ手段とを備え、 前記第3及び第4のスイッチ手段、並びに前記第5のス
    イッチ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時ま
    でに前記第1の絶縁ゲート型トランジスタのゲート・ソ
    ース間電圧をしきい値電圧に変化させることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示装置の駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記ゲート電圧制御手段は、前記第1の
    絶縁ゲート型トランジスタのドレインとゲートとの間に
    配設される第3のスイッチ手段と、前記ゲートと第3電
    の電圧源との間に配設される第4のスイッチ手段とを
    備え、 前記第3及び第4のスイッチ手段の制御によって、前記
    第1駆動期間終了時までに前記第1の絶縁ゲート型トラ
    ンジスタのゲート・ソース間電圧しきい値電圧に変化
    させることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置
    の駆動回路。
  4. 【請求項4】 走査信号で選択された画素電極に印加す
    る階調電圧を供給するためのデータ線を駆動し、フレー
    ム周期で階調電圧を書き換えることによって画像を表示
    する液晶表示装置の駆動回路において、任意の階調電圧でデータ線を駆動する1データ駆動期間
    が少なくとも第1駆動期間と第2駆動期間とを含み、 ソースが第1の電圧源に接続されゲートバイアスに対応
    してドレイン電流を前記出力端子に供給する第1のpチ
    ャネル絶縁ゲート型トランジスタ、ソースが第2の電圧
    源に接続されゲートバイアスに対応してドレイン電流を
    前記出力端子に供給する第1のnチャネル絶縁ゲート型
    トランジスタ、前記第1駆動期間に前記第1のpチャネ
    ル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電流の前記出力
    端子への供給遮断し前記第2駆動期間に前記第1のp
    チャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電流を前
    記出力端子へ供給するように制御する第1のスイッチ手
    段、及び、前記第1駆動期間に前記第1のnチャネル絶
    縁ゲート型トランジスタのドレイン電流の前記出力端子
    への供給遮断し前記第2駆動期間に前記第1のpチャ
    ネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電流を前記出
    力端子へ供給するように制御する第2のスイッチ手段を
    有する第1回路と、前記第1駆動期間終了時までに 前記第1のpチャネル絶
    縁ゲート型トランジスタのゲート・ソース間電圧をしき
    い値電圧に変化させる第1のゲート電圧制御手段、前記
    第1駆動期間終了時までに前記第1のnチャネル絶縁ゲ
    ート型トランジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値
    電圧に変化させる第2のゲート電圧制御手段、一端が
    記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲート
    接続された第1の容量素子、一端が前記第1のnチャ
    ネル絶縁ゲート型トランジスタの ゲートに接続された第
    2の容量素子、前記第1の容量素子の他端と入力端子と
    の接続・遮断及び前記第1の容量素子の他端と前記出力
    端子との接続・遮断を制御する第3のスイッチ手段、及
    び、前記第2の容量素子の他端と入力端子との接続・遮
    断及び前記第2の容量素子の他端と前記出力端子との接
    続・遮断を制御する第4のスイッチ手段を有する第2回
    とを備えることを特徴とする液晶表示装置の駆動回
    路。
  5. 【請求項5】 前記第3のスイッチ手段と前記第4のス
    イッチ手段とが同一のスイッチ手段から成ることを特徴
    とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動回路。
  6. 【請求項6】 前記第1のゲート電圧制御手段は、ドレ
    インとゲートとが相互に接続された第2のpチャネル絶
    縁ゲート型トランジスタと、該第2のpチャネル絶縁ゲ
    ート型トランジスタのソースと前記第1の電圧源との間
    に配設される第5のスイッチ手段と、前記第2のpチャ
    ネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ゲート共通
    端子と第3の電圧源との間に配設される第6のスイッチ
    手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子と前記第1のp
    チャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲートとの間に配
    設される第7のスイッチ手段とを備え、 前記第5及び第6のスイッチ手段、並びに前記第7のス
    イッチ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時ま
    でに前記第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタの
    ゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させること
    を特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動回
    路。
  7. 【請求項7】 前記第2のゲート電圧制御手段は、ドレ
    インとゲートとが相互に接続された第2のnチャネル絶
    縁ゲート型トランジスタと、該第2のnチャネル絶縁ゲ
    ート型トランジスタのソースと前記第2の電圧源との間
    に配設される第8のスイッチ手段と、前記第2のnチャ
    ネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン・ゲート共通
    端子と第4の電圧源との間に配設される第9のスイッチ
    手段と、前記ドレイン・ゲート共通端子と前記第1のn
    チャネル絶縁ゲート型トランジスタのゲートとの間に配
    設される第10のスイッチ手段とを備え、 前記第8及び第9のスイッチ手段、並びに前記第10の
    スイッチ手段の制御によって、前記第1駆動期間終了時
    までに前記第1のnチャネル絶縁ゲート型トランジスタ
    のゲート・ソース間電圧をしきい値電圧に変化させる
    とを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動回
    路。
  8. 【請求項8】 前記第1のゲート電圧制御手段が、前記
    第1のpチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレイン
    とゲートとの間に配設される第5のスイッチ手段と、前
    記トランジスタのゲートと第3の電圧源との間に配設さ
    れる第6のスイッチ手段とを備え、 前記第5及び第6のスイッチ手段の制御によって、前記
    第1駆動期間終了時までに前記第1のpチャネル絶縁ゲ
    ート型トランジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値
    電圧に変化させることを特徴とする請求項4に記載の液
    晶表示装置の駆動回路。
  9. 【請求項9】 前記第2の電圧制御手段が、前記第1の
    nチャネル絶縁ゲート型トランジスタのドレインとゲー
    トとの間に配設される第7のスイッチ手段と、前記トラ
    ンジスタのゲートと第4の電圧源との間に配設される第
    8のスイッチ手段とを備え、 前記第7及び第8のスイッチ手段の制御によって、前記
    第1駆動期間終了時までに前記第1のnチャネル絶縁ゲ
    ート型トランジスタのゲート・ソース間電圧をしきい値
    電圧に変化させることを特徴とする請求項4に記載の液
    晶表示装置の駆動回路。
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