JP3227976B2 - 光学的情報記録部材、記録再生方法、及び記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録部材、記録再生方法、及び記録再生装置

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JP3227976B2
JP3227976B2 JP02790594A JP2790594A JP3227976B2 JP 3227976 B2 JP3227976 B2 JP 3227976B2 JP 02790594 A JP02790594 A JP 02790594A JP 2790594 A JP2790594 A JP 2790594A JP 3227976 B2 JP3227976 B2 JP 3227976B2
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信夫 赤平
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  • Indexing, Searching, Synchronizing, And The Amount Of Synchronization Travel Of Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ビームを用いて情報
を記録、再生することが可能な情報記録部材に関し、特
に高いトラック密度を得ることのできる記録部材および
その記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的に情報の記録あるいは再生
が可能な媒体としては、光ディスク、光カード、あるい
は光テープが知られている。これら記録媒体(記録部
材)のほとんどは、レンズを介して微小に絞りこんだレ
ーザビームを、媒体が備える記録薄膜上に照射すること
により情報を記録する方式を用いている。この中で光デ
ィスクは、凹凸からなるガイド溝をスパイラル状あるい
は同心円状に備えた円形基板と、その上に形成された記
録薄膜とを有する。この光ディスクでは、情報の記録お
よび再生は、ガイド溝に沿ってレーザビームを照射する
ことにより行われる。
【0003】従来からある光ディスクを、図17および
図18を参照して説明する。記録部材上に信号を記録、
あるいは再生するには、まず記録部材の記録可能な領域
を検索すること、あるいは目的とする情報信号の記録位
置を示す管理情報を得ることが必要である。このため光
ディスク上には、ディスクの一定周期毎に、情報を記録
する情報領域を管理するためのアドレス領域を設けてい
る。このアドレス領域の形態としては、情報信号をガイ
ド溝の凸部面に記録する形態と、凹部面に記録する形態
との2種類がある。ここでは、光ビームの入射方向に対
して、ガイド溝の凸部面に記録する場合をグルーブ記録
とし、反対に凹部面に記録する場合をランド記録と表現
する。図17および図18は、それぞれの形態の代表例
の構成を示す。
【0004】図17(a)はグルーブ記録に用いる記録
部材のアドレス領域近傍を拡大した例を示す。(b)は
(a)におけるA−A断面を示し、(c)は(a)の記
録トラック中央部のB−B断面を示す。図17(a)に
示すように、記録部材は、アドレス領域2と情報領域3
とを有する。アドレス領域2は、情報領域3とは分離さ
れた部分の情報トラック上に形成される。図17(b)
および(c)から分かるように、アドレス領域2および
情報領域3はそれぞれ、光ビーム1の入射方向に対して
凸部面であるグルーブ141と凹部面であるランド14
2とからなる凹凸構造を有する。記録すべき情報信号に
対応した記録マーク7は、情報領域3のグルーブ141
上に形成される。アドレス信号であるアドレスピット1
43は、アドレス領域2においてグルーブ141を間欠
させた形態で形成される。
【0005】図18(a)はランド記録に用いる記録部
材のアドレス領域近傍を拡大した例を示す。(b)は
(a)におけるA−A断面を示し、(c)は(a)の記
録トラックの中央部のB−B断面を示す。この記録部材
もそれぞれ分離されたアドレス領域2および情報領域3
を有し、各領域2、3はそれぞれ、光ビーム1の入射方
向に対して凸部面であるグルーブ151と凹部面である
ランド152とからなる凹凸構造を有する。この場合
は、記録マーク153はレーザー光1に対して凹部のラ
ンド152上に形成される。アドレスピット154は、
アドレス領域2において記録マーク153が形成される
トラックと同一トラック上に凹凸の形状として形成され
る。
【0006】図17および図18に示すように、アドレ
スピット143、154はランド記録・グルーブ記録い
ずれの場合も情報信号を記録するトラックの中心線上に
形成される。情報信号の復調は、この凹凸ピットによる
反射光量の変化をアドレス情報として復調し、光ディス
ク上の情報信号の記録位置を特定することにより行われ
る。これにより、所定の位置での情報信号の記録・再生
が可能となる。
【0007】図19を参照して、上記アドレス信号を示
すアドレスピットを備えた基板の製造方法を説明する。
図19(a)は製造工程を示すフローチャートであり、
(b)はグルーブ記録の記録部材を作製する場合の各工
程を示す概略図であり、(c)はランド記録の記録部材
を作製する場合であって、グルーブ記録の場合と異なる
工程を示す概略図である。製造工程は、必要とする基板
の形状と逆の形状を持つ原盤を作るためのマスタリング
工程と、得られた原盤をもとに基板を成形する複製工程
とがある。
【0008】マスタリング工程を説明する。まず、ガラ
ス平板161上にフォトレジスト162を塗布し、その
ガラス平板161を回転させながら、Arレーザビーム
163を照射することによりフォトレジスト162を渦
巻状に露光する。図17に示したグルーブ記録の記録部
材の場合は、図19(b)に示すように、単一のArレ
ーザビーム163を一定パワーで照射することにより、
情報記録領域のガイド溝を形成する。アドレス領域で
は、このレーザパワーを所定のパターンに従って変調す
ることにアドレスに対応する領域を露光する。ランド記
録の記録部材の場合は、図19(c)に示すように、ト
ラッキング方向にトラックピッチの1/2だけずれた2
つのレーザ光164、165を用いる。第1のレーザー
ビーム164でトラッキング用の溝を形成し、第2のレ
ーザービーム165を所定のパターンで変調することに
よりアドレスピットを形成し、それによりアドレス信号
を記録する。次に、現像工程により露光部166、16
7、168を除去し、メッキ行程によりニッケル169
を表面に形成する。最後に、そのニッケル169をガラ
ス基板161から剥離することにより、表面に凹凸構造
を持つ原盤170が得られる。
【0009】複製工程を説明する。記録部材を構成する
基板の材質などに応じて種々の方法があるが、量産性が
高いという観点から、光ディスクの製造工程としては、
主として射出成形法が用いられている。射出成形法で
は、マスタリング工程で得られた原盤170を射出成形
機内の金型171に装着し、樹脂材料172を注入する
ことにより、所定の凹凸溝を備えた樹脂基板173が得
られる。この樹脂基板173上に前記記録薄膜を形成す
ることにより、記録可能な記録部材である光ディスクが
得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして、光
学的に記録再生可能な記録部材の管理情報であるアドレ
ス領域を形成することができる。しかし、これらの光デ
ィスクを大容量のデータや画像情報の記録などの用途に
広く応用することを考えると、さらに記録密度を高める
ことが必要である。記録密度を高める方法としては、照
射する光の波長を短くすること、あるいは光を集光する
レンズの開口数を高めることが考えられる。この方法を
用いると、集光する光のスポットを小さくできることか
ら、記録時のトラック方向の密度と共に、トラックピッ
チを小さくすることが可能である。現在の光ディスク
は、トラックピッチTpが1.6μmであり、ガイド溝
の幅はその約1/2程度、また深さは500nmの近傍
の値となっている。しかし、高密度化に対応するため
に、集光するスポット径を小さくし、それに伴いトラッ
クピッチを小さくする必要がある。しかし、例えば1.
0μm近傍あるいはそれ以下を実現しようとすると、次
のような課題が生じてくる。
【0011】前述のマスタリング工程により、トラック
ピッチ1.0μm以下の原盤を製作することは可能であ
る。また、フォトレジストとそれを露光するレーザ光の
波長を短くすることにより更に密度を高めることも可能
である。なお、ガイド溝のトラックピッチが小さい場合
において、記録特性の観点から基板に要求される形状
は、信号振幅を確保するために記録マークを形成する部
分の幅はできるだけ大きくすることである。よって、グ
ルーブ記録基板の場合はグルーブ幅を広く、ランド記録
基板の場合はランド幅を広く保った構造となる。ところ
が、射出成形はトラックピッチが小さくなるにつれ、転
写性を良好に保つことが困難になってくる。なお、転写
性とは、原盤の表面形状と、射出成形の結果得られた樹
脂基板の表面形状を再現性の程度を示す。射出成形は、
溶融状態の樹脂を金型表面に流し込み、注入の圧力によ
り原盤の形状を転写するものである。このため、樹脂が
原盤の中に押し込まれる部分、即ちランド部の幅が小さ
くなると、転写性が悪くなる。
【0012】図20の射出成形機の断面図を用いてトラ
ックピッチを小さくした場合課題について説明する。こ
こでは、グルーブ記録用の基板の例で示す。図のように
グルーブ間のランド部、即ち原盤上では、狭い溝部17
4に樹脂を充填しなければならない。ところが、前述の
理由からグルーブ幅Gwを維持しながらトラックピッチ
Tpを小さくすると、この樹脂の充填のために非常に高
い射出圧力を備えた大型の設備を必要とするという課題
がある。
【0013】同様にランド記録対応基板においてもトラ
ックピッチが小さくなると、図18に示したアドレスピ
ットの両側のランド領域155の幅が著しく小さくな
り、射出成形が困難となるという課題がある。
【0014】本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて
なされたものであり、トラック密度が高いガイド溝と、
アドレス情報を備えた記録部材および記録再生装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
部材は、光ビームの入射方向に対し光学的な位置が異な
る第1面および第2面からなる凹凸のトラックを表面
に備えた基板上に光の照射によって光学的に検知し得る
変化を生じる記録薄膜層を備えた記録部材であって、
記第1面を主面する第1のトラックと、前記第2面を主
面とし光学的な情報記録が可能な記録領域を有する第2
のトラックとを備え、前記第1のトラックと前記第2の
トラックは、前記基板上に交互に配置されており、前記
第1のトラックは、前記第1の面と前記第2面との段差
によって形成されたアドレス部を有し、前記第2のトラ
ックは、前記第1のトラックの前記アドレス部に隣接す
る部分であって前記第2の面のみによって形成されたア
ドレスサイド部を有し、前記第2のトラックの前記アド
レスサイド部を挟んで前記第1のトラックの前記アドレ
ス部と対向する部分に位置する前記第1のトラックのア
ドレスサイド部は、すべて前記第1の面のみによって形
成されており、前記第2のトラックを挟んで隣接する前
記第1のトラックの2つが、それぞれトラック延長方向
に沿った異なる位置に前記アドレス部を有していること
を特徴とする
【0016】前記第2のトラックはすべて前記第2面に
よって形成されていてもよい。また、前記第2のトラッ
クの前記アドレスサイド部が情報記録領域であってもよ
い。 前記第2のトラックのトラック延長方向に垂直な方
向の幅は、前記第1のトラックのトラック延長方向に垂
直な方向の幅よりも広くてもよく、前記第1のトラック
と前記第2のトラックがどちらも情報記録領域を備えて
いてもよい
【0017】本発明の記録再生方法は、上述の光学的情
報記録部材に対して情報信号を記録または再生する方法
であって、前記第2のトラックに沿って光ビームを照射
し、前記光ビームの反射光を、前記トラックの伸びる方
向に垂直な方向に2つに分割した受光面をもつ光検出器
で検出し、前記光検出器から出力される、前記2つに分
割した受光面のそれぞれに対応する2つの出力信号の差
動信号を用いてアドレス情報を検出し、前記光検出器の
前記2つの出力信号の和信号を用いて情報信号を再生す
ることを特徴とする
【0018】本発明の記録再生装置は、上述の光学的情
報記録部材に対して情報信号を記録または再生する装置
であって、前記光学的情報記録部材に光ビームを照射す
る照射手段と、前記第2のトラックに沿って光ビームを
トラッキングするトラッキング制御手段と、前記トラッ
クの伸びる方向に垂直な方向に2つに分割した受光面を
もち前記光ビームの反射光を検出する光検出手段と、前
記光検出手段から出力される、前記2つに分割した受光
面のそれぞれに対応する2つの出力信号の和信号を用い
て情報信号を復調する復調手段とを備え、前記トラッキ
ング制御手段は、前記光検出手段の前記2つの出力信号
の差動信号を用いてアドレス情報を検出することを特徴
とする
【0019】
【作用】 本発明によれば、第1のトラックのアドレス部
に隣接する第2のトラックのアドレスサイド部がすべて
第2面で形成されるので、トラックピッチが小さくても
アドレス部を製造上問題なく形成することができるた
め、高密度の記録が可能となる。 また、第2のトラック
のアドレスサイド部の隣の第1のトラック部分がすべて
第1面となっているので、第2のトラックを走査して情
報信号を読み取る場合、第1のトラックのアドレス部か
らのアドレス信号の読み取りにおいて、隣の第1トラッ
クからのクロストークの影響を受けることが極めて少な
いので、アドレス情報を容易に正確に読み取ることが可
能となる。この結果、トラックを容易に特定することが
できるため、第2のトラックに対して情報信号の記録・
再生が可能となり、記録密度を上げることができる。
【0020】さらに、本発明によれば、第2のトラック
のアドレスサイド部に情報を記録したとしても、その記
録情報を正確に読み取りかつ第1のトラックのアドレス
部からも正確にアドレス信号を読み取ることができるた
め、記録密度を更に上げることができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【実施例】図1(a)は本発明の光学的情報記録部材の
アドレス領域を拡大した平面図であり、(b)は(a)
のアドレス領域のA−A方向の断面図である。(c)
は、(a)に示すトラックT2上を光ビーム1が通過し
た場合に得られる再生信号波形、および2値化した時の
信号波形を示す。
【0044】情報信号を記録あるいは再生する光ビーム
1の波長に対し光学的に透明な基板5の表面は、光ビー
ム1の入射方向にその位置が互いに異なる平面を持つ凹
凸からなるガイド溝を備えた構成とする。ここに示めす
凹凸を形成するグルーブG1〜G4の形状は、従来のグ
ルーブ記録に用いた基板と同様の形状である。記録部材
は、アドレス領域2と情報領域3とを有する。アドレス
領域2は、その間の情報領域に記録可能な情報量が一定
となるよう、一定周期ごとに設けられる。アドレス領域
2は、ゾーンXおよびゾーンYから構成される。アドレ
スピット4は、隣接するトラック間でトラック方向の位
置が異なるゾーンに所定のコード信号に従ったパターン
でグルーブを間欠させることにより形成される。グルー
ブG1とG3とには、ゾーンXの領域にアドレスパター
ンを設け、その間のグルーブG2とG4とには、ゾーン
Yの領域にアドレスパターンを設ける。
【0045】図1(c)は、上記記録部材のランド部の
トラックT2上を光ビーム1が通過した場合の、光照射
部からの反射光を光検出器により検出した場合に得られ
る再生出力の変化を示す。アドレス領域2において、情
報領域3と同様に両側にグルーブG2、G3が存在する
点P1上では両側のグルーブG2、G3の回折効果によ
り再生光学系に入射する光が低くなるので、再生出力は
V2となる。一方、片側のみがグルーブG3である点P
2上では、入射光の回折が少ないため反射光量は点P1
の反射光量よりも大きく、V2よりも高い電圧V3が得
られる。この光量変化の信号を復調することによりアド
レス信号を再生する。
【0046】以上のように本発明は、ランド領域にアド
レスピットを形成することなくグルーブを間欠的に設け
ることでアドレスを形成する。このため、従来のグルー
ブ記録で用いた単一のレーザービームを用いたマスタリ
ング工程によって、ランド記録に対応する基板の作製が
可能となる。また、従来例で示した射出成形時に課題と
なるランド領域の幅を、トラックピッチを小さくした場
合においても相対的に大きく、即ちグルーブGwの幅を
小さくすることで対応することができる。
【0047】本発明は、トラックピッチが1.2μm以
下の狭トラック条件において顕著な効果を示す。この効
果を図2を参照して説明する。図2は射出成形により得
られた基板の転写性の、トラックピッチ依存性を示す。
なお、転写性は原盤の溝深さに対する射出成形後の溝深
さの比で示す。図2において、(a)、(b)、(c)
はそれぞれ、グルーブ幅Gwとランド幅Lwとの関係
が、Gw=Lw+0.1(μm)、Gw=Lw、Gw=
Lw−0.1(μm)とした場合の測定結果を示す。
(a)は、従来例のグルーブ記録に対応し、トラックピ
ッチを小さくした際にも、情報を記録するトラックの幅
を大きく保つ構成となっている。(c)は、本発明を適
用した場合であり、アドレスを形成するグルーブの幅を
小さく、情報を記録するランドの幅を大きく設定してい
る。
【0048】ここでは、ポリカーボネート樹脂を射出成
形することにより基板を形成しており、従来例で示した
単一のArレーザ光源を用いた露光装置を用いたマスタ
リング工程により原盤を作製した。一般的に射出成形に
用いる材料の屈折率をn、記録再生に用いる光の波長を
λとした場合に、溝深さdをほぼλ/(8n)に等しく
する。これは、この深さにおいてトラッキング制御に用
いるサーボ信号が最大となり、好ましいからである。具
体的には、用いる光の波長を780nm、ポリカーボネ
ート樹脂の屈折率を1.6、原盤の溝深さを50nmと
した。
【0049】図2において、たとえば転写性95%を基
準にして比較すると、(a)に示す従来のグルーブ記録
では、トラックピッチ1.2μmが限界となっているの
に対し、(c)に示す本発明では、トラックピッチが
1.0μmまで成形が可能であることがわかる。以上の
ように、本発明は、トラックピッチが1.2μm以下の
トラック条件において顕著な効果を示す。さらにグルー
ブ幅Gwとランド幅Lwとの差を大きくするとこの傾向
は更に著しくなる。
【0050】また、本発明による記録部材と従来方式の
記録部材とを識別するための識別子を、ディスクの特定
の領域に設ける。本記録部材を記録再生装置に装着した
際に、識別子を確認することによりトラッキングの極性
を判定することが可能である。識別子の形成方法として
は、第1に光ディスクを保護するために用いるカートリ
ッジの一部に設ける場合と、第2に光ディスク上の情報
領域の内周側、あるいは外周側の領域にアドレスピット
と同様のピットパターンにより識別子を設ける場合とが
ある。この識別子により、記録部材が従来のグルーブ記
録、あるいはランド記録と異なるパターンでアドレスが
形成されていること、アドレス領域が複数のゾーンから
構成されていること、更にランド側が情報トラックであ
ることが確認される。
【0051】なお、ここでは光の入射方向に対し凸面か
らなるグルーブを間欠することによりアドレスピットを
形成する方法で説明したが、反対にランド部を間欠する
ことによりアドレスピットとし、グルーブ上に情報を記
録する場合に対しても同様の効果が得られる。
【0052】また上記構成のグルーブの幅とランドの幅
とを同等することで、グルーブとランドの双方のトラッ
クにおいてもアドレス信号を復調しながら、同時に双方
のトラック上に信号を記録することも可能となる。
【0053】具体的な構成例を示し、本発明を詳述す
る。 (実施例1)基板材料としては、ポリカーボネート、ポ
リメチルメタアクリレート(PMMA)、ガラスなど、
記録再生に用いる光ビームの波長に対し光学的に透明な
材料が望ましい。ここでは基板5にポリカーボネートを
用いて、図1に示した構成の基板を形成する。グルーブ
の構成は、トラックピッチピッチTp=1.1μm、グ
ルーブ幅Gw=0.4μm、深さd=50nmとする。
従来例で示した単一のArレーザ光源を用いた露光装置
を用いたマスタリング工程により原盤を作成し、射出成
形機により上記構成の基板を形成する。表面には、Zn
S−SiO2からなる誘電体層を110nm、GeSb
Teからなる相変化記録層を25nm、ZnS−SiO
2からなる誘電体層を20nm、およびAuからなる反
射層を50nmを順次積層することにより記録層6を設
ける。この記録層6からの初期の反射率は30%であ
り、記録マーク7を形成した時に反射率は10%とな
る。
【0054】図3に、本発明により形成した信号の記録
再生装置の構成を示す。この記録再生装置は、レーザ駆
動回路20と、レーザ光源21(波長780nm)と、
対物レンズ22(NA=0.55)とを含む光学系を有
する。この光学系により回転する記録部材23に光ビー
ムを照射する。具体的には、レーザ光源21は、レーザ
駆動回路21により一定出力(1mW)光ビームを放射
し、放射された光ビームは対物レンズ22により集光さ
れ、記録部材23に照射される。
【0055】この記録再生装置は、さらに光検出器24
と、光検出器24の出力が入力される差動増幅器25
と、差動増幅器25の出力が入力されるトラッキング制
御部26と、光検出器24の出力が入力される増幅器2
7と、増幅器27に接続された比較器28と、比較器2
8に接続された復調器29と、復調器29に接続された
システムコントローラ30とを備える。光検出器24
は、トラックに対して垂直方向に2分割されており、記
録部材23からの反射光を検出する。光検出器24の2
つの出力の差は差動増幅器25により増幅され、この差
動信号をもとにトラッキング制御部26が動作され、そ
れにより、記録部材23のランド部上に光ビームをトラ
ッキングすることが可能となる。その結果、特定のトラ
ックからの反射光量の変化を検出する事が可能となる。
なお、光検出器24は、フォーカスサーボ方式に応じ
て、さらに分割したものを用いる。一方、光検出器24
からの和信号は、増幅器27により増幅され、それによ
り図1(c)に示すように、情報領域3からは記録マー
ク7に対応した反射光量変化が得られ、アドレス領域2
からはアドレスピット4に対応した反射光量変化が得ら
れ、その結果、出力信号として再生信号S27が得られ
る。
【0056】情報領域3では、両側にグルーブが存在す
る場合の未記録状態の反射光に対する出力V2と、記録
マーク7に対応する出力V1との間の変化を示す。この
レベル変化を復調することにより、情報領域3に記録さ
れた情報信号を再生することができる。一方、アドレス
領域2からは再生信号S27の信号レベルを、比較器2
8により基準値Vs1と比較することにより、2値化信
号S28が得られる。この基準値Vs1は、両側にグル
ーブが存在する場合の電圧V2と、片側のみがグルーブ
の場合の電圧V3の中間のレベルに設定する。2値化信
号S28は、トラックの両側のグルーブG2、G3のア
ドレスピット4の情報を含むため、それぞれのゾーン
X、Yごとにアドレス情報を復調器29により復調し、
2つの復調信号をシステムコントローラ30により、比
較あるいは加算することによりトラックT2のアドレス
を特定する。例えば加算を用いる場合は、グルーブG2
が”10”、グルーブG3が”11”、グルーブG4
が”12”の値であったならば、トラックT2は”2
1”、トラックT3は”23”がアドレス情報として得
られる。得られたアドレス情報をもとに、所定のトラッ
クにおいて半導体レーザ光源21により強度変調した光
を照射することにより情報の記録が可能となり、また記
録された情報を再生することができる。
【0057】なお、ここでは記録部材に相変化材料を用
いた場合を説明したが、本発明は光学的に検出可能な記
録状態を持つ記録部材全てに適用することができ、記録
材料の種類が本発明を制限するものではない。また、溝
の形状、特に、溝深さ、ランドとグルーブとの境界の斜
面の領域の角度などについても詳述しなかったがこれら
も、本発明の制約とはならない。ただし、記録する信号
の品質、特に信号振幅、およびクロストーク等を考慮
し、それぞれの値を最適に選ぶことは可能である。
【0058】また、アドレス信号を検出する方式に、再
生信号を一定の基準レベルと比較する方法を用いるが、
微分回路を用いた検出も可能である。また、信号復調は
ほとんどがアナログ回路による構成で示すが、光検出器
直後の信号をA/D変換器によりディジタル変換し、以
後は本実施例に示した機能を演算により行い、所定のア
ドレス信号および情報信号を得ることも可能である。
【0059】(実施例2)実施例1はランドからなるト
ラックの片側のみにアドレスピットが形成されており、
図18において示した従来のグルーブ記録と比較すると
アドレス領域2での信号振幅が小さい。そこで、実施例
2では、アドレス信号の信号振幅を大きく保つために、
ランドの両側のグルーブに同一のパターンからなるアド
レスピットを形成する方法について述べる。なお、アド
レスパターン以外の条件は、基本的に実施例1と同じも
のを用いる。
【0060】図4(a)に、本発明の光学的情報記録部
材のアドレス領域近傍を拡大した平面図を示し、(b)
に光ビーム1がトラックT22上を通過した場合に得ら
れる再生出力の信号波形S27および2値化の過程で得
られる信号波形を示す。この記録部材は、グルーブ記録
のためのアドレス領域2と情報領域3とを有する。な
お、ここでは実施例1で示した情報領域3上の記録マー
ク7は、説明を簡略化するために省略する。
【0061】アドレス領域2は、グルーブ上で近接した
ゾーンX、ゾーンYおよびゾーンZを有する。アドレス
ピット4は、いずれか2箇所のゾーンに所定のコード信
号に従ったパターンでグルーブを間欠することにより形
成される。グルーブG21は、アドレスパターンP1x
およびP1zを有する。隣接するグルーブG22は、P
1xに隣接した領域にP1xのパターンと同一パターン
のP2xを有し、P1xおよびP1zとは隣合わない領
域に配置されたP2yを有する。同様にグルーブG23
以降についても図に示すように、順次それぞれ隣接した
トラックと同じパターンのアドレスパターンが配置され
る。
【0062】この記録部材におけるアドレス信号の読み
とり動作を、図4とともに図5の回路図を参照して説明
する。
【0063】上記記録部材上のトラックT22を光スポ
ット1が通過した場合に得られる再生信号S27は、図
4(b)に示すように、両側にグルーブG22、G23
が存在する点P1では、出力V2を示し、片側だけにグ
ルーブG23が存在する点P2では、出力V3を示す。
両面にグルーブが存在しない点P3ではグルーブによる
回折がなくなり、入射した光は、基板表面の反射率に応
じた光が反射され、光量は増大し出力V4が得られる。
本実施例では、同一パターンであるP2y、P3yに挟
まれた領域からの再生信号を用いてアドレス情報を検出
する。即ち、本実施例のアドレス領域2からは、従来の
アドレスピット4と同等の信号振幅を得ることができ
る。
【0064】アドレス信号の復調は、両面に同一パター
ンのアドレスピット4が存在するゾーンの信号を選択
し、2値化することにより行われる。この復調のための
回路構成は、実施例1に示した比較器28の部分を図5
に示す構成を有する回路に置き換えることで得られる。
この回路は、再生信号S27が入力される比較器31、
36、およびLPF(Low Pass Filter)33と、比較器
31の出力信号S31が入力されるゲート発生器32
と、LPF33の出力が入力される比較器34と、ゲー
ト発生器32および比較器34の出力が入力される選択
器35と、選択器35と比較器36との出力が入力され
るAND回路37とを有する。
【0065】以下にアドレス信号の復調動作を説明す
る。まず、基準値Vs1と再生信号S27のレベルを比
較する比較器31により2値化信号S31が得られる。
基準値Vs1は、再生信号S27の出力V2のレベルと
出力V3のレベルとの間の値に設定される。好ましく
は、再生信号S27のレベル変動などを考慮して、本実
施例のように両レベルのほぼ中間の値に設定される。ゲ
ート発生器32は、基板上に形成されたアドレス領域2
のゾーンX、Y、Zの幅にそれぞれ対応した時間幅W2
1、W22、W23のゲート信号S32を間隔D21、
D22で発生する。図4(b)に示すようにゲート信号
S32は、ゲート発生器32によって2値化信号S31
の立ち上がりに同期して発生する。
【0066】一方、再生信号S27をLPF33を通過
させることで、図4(b)に示すような信号S33が得
られる。比較器34は、基準値Vs3を持ち、この基準
値Vs3を用いて両側にアドレスピット4が存在するゾ
ーンを特定して”1”を出力する。これは、両側にアド
レスピット4が存在するゾーンでは、平均反射光量が、
片側または両側にアドレスピット4が存在しないゾーン
の平均反射光量より大きいため可能となり、基準値Vs
3は、両側にアドレスピット4が存在するゾーンにおけ
る信号S33の最高レベルと、片側のみにアドレスピッ
ト4が存在するゾーンにおける信号S33の最高レベル
との間に設定される。好ましくは、両レベルのほぼ中間
の値に設定される。
【0067】選択器35は、ゲート発生器32からの3
つのゲートから、比較器34の出力が”1”を示した際
のゲートを選択し、それにより、選択ゲート信号S35
を得る。
【0068】さらに、再生信号S27を基準値Vs2を
もつ比較器36により、図4(b)に示すような信号S
36を得る。この基準値Vs2は、両側にアドレスピッ
ト4が存在する場合の出力電圧V4の約1/2のレベル
に設定される。AND回路37は、選択ゲート信号S3
5および信号S36から2値化信号S28を出力する。
このようにして、両側にアドレスピット4を有するゾー
ンからのアドレス信号を得ることができる。
【0069】以上のように、2値化したアドレス信号を
得るための比較器36は、実施例1の基準値Vs1より
高い基準値Vs2で動作するように設定することができ
るので、再生信号のレベル変動、あるいは基準値のレベ
ル変動などに対し高い信頼性を確保することが可能にな
る。
【0070】(実施例3)実施例2はアドレス領域2を
3つのゾーンに分離することで、振幅の大きなアドレス
信号を得る方法であったが、ここでは2つのゾーンだけ
でランド部からアドレス信号を特定する方法について述
べる。図6(a)はアドレス領域近傍の平面図を示し、
(b)は光ビームがトラックT32上を通過した場合に
得られる再生信号と、2値化信号とを示す。アドレス領
域2は、近接した2つのゾーンX、ゾーンYから構成さ
れる。各グルーブG31、G32、G33、G34は、
いずれかのゾーンXまたはYのアドレスピット4のパタ
ーンが隣合うグルーブと同一のパターンとなるように、
1トラック毎に交互にゾーンが変わるように配置する。
なお、各溝の形状は、実施例1と同等とする。
【0071】この記録部材のトラックT32を再生した
場合に得られる再生信号S27は、ゾーンYからは実施
例2と同様に両側のアドレスピット4のパターンが同一
であるため、大きな振幅変化が見られる。ゾーンXで
は、両側のアドレスパターンが異なるため、ゾーンYに
おける振幅変化ほど大きな振幅変化が得られない。その
違いを利用してそのトラックT32に対応するアドレス
情報が記録されているゾーンYを特定する。
【0072】ところが、ゾーンXにおいても、隣り合う
グルーブG32、G33の平面が重なった領域では大き
な振幅変化が見られる。このため2値化信号S28にお
いても誤パルス31が発生する。しかし、これらの誤パ
ルスは、アドレス情報を復調する過程のエラー訂正段階
でエラーアドレス領域として判断され、無視することが
可能である。例えば、アドレスピット4をアドレス情報
とエラー訂正のためのパリティーを複数個備えた形態と
すると、アドレス情報を再生した場合にパリティーのエ
ラー量を比較し、エラー量の少ないゾーンを選択するこ
とにより、目的のアドレスゾーンを特定することが可能
となる。
【0073】このように本実施例によると、実施例2と
同等に振幅変化の大きいアドレス再生信号を得ることの
みならず、アドレス領域2の幅を低減することが可能と
なり、記録部材の情報領域3の面積、即ち記録容量を高
めることができる。
【0074】(実施例4)ここでは、複数のゾーンに分
かれたアドレス信号の復調の確度を高めるために、アド
レス領域に先だって、アドレス領域の開始を示す領域を
設けた記録部材とその再生方法について説明する。図7
(a)は記録部材のアドレス領域近傍の平面図を示し、
(b)は再生信号および2値化信号を示す。本実施例の
記録部材は、アドレス領域2の前方部にグルーブG51
〜G54の間欠からなるアドレス開始ゾーン51を有す
る。このアドレス開始ゾーン51には、常に隣合うグル
ーブG51〜G54のパターンと同じパターンを形成す
る。続くアドレスピット4のパターンは、前述の実施例
1〜3のいずれにも適応できる。ここでは、実施例1の
パターンのものを示す。
【0075】上記記録部材からの信号再生について、図
8に示す回路と図7(b)の信号波形を用いて説明す
る。なおアドレス復調は、実施例1の図3の比較器28
の機能だけを変更することで可能であり、図8には変更
する回路の内容だけを示す。この回路は、増幅器27か
らの再生信号S27が入力される2つの比較器61、6
2と、比較器61の出力信号S61が入力されるゲート
発生器63と、比較器62およびゲート発生器63の出
力信号S62、S63が入力されるAND回路64とを
有する。
【0076】図7(b)に示すように、トラックT52
上を光ビーム1が通過した時のアドレス再生信号S27
は、アドレス開始ゾーン51では両側が平面であるため
大きな光出力V4を示し、続くアドレス領域2では片側
が平面である部分で光出力V3の振幅変化を示す。比較
器61は、光出力V3と光出力V4の中間のレベルVs
2に基準電圧を設定する。この結果、比較器61から
は、アドレス開始ゾーン51に対応する部分だけから、
2値化された信号S61が出力される。このS61の立
ち上がりに対応して、ゲート発生器63からはS61か
ら一定の遅延時間D1遅れたタイミングから所定の幅の
ゲート信号G1、G2を発生する。この遅延時間D1、
ゲート信号G1,G2、ゲート間隔D2の時間は、記録
部材のマスタリング行程で用いたアドレス領域のゾーン
の設定条件に合わせて、予めゲート発生器63に設定す
ることで対応できる。
【0077】一方、比較器62は、基準信号Vs1を実
施例1と同様にV2とV3との中間に設定し、この結果
2値化信号S62が得られる。次に、AND回路64に
より、信号S61と信号S62との論理積をとることに
より信号S28が得られる。信号S28は実施例1の2
値化信号S26と同様のパターンとなり、以後は同じ回
路でアドレス信号を復調することができる。
【0078】以上の構成とするとアドレス開始ゾーン5
1からは、常に記録部材の回転に対し同じ位置、同じタ
イミングで再生し、さら隣接するトラックのパターンも
同じであるので、安定してアドレス領域の位置を検出す
ることが可能である。この結果、本発明のように、複数
の場所の異なるゾーンから発生するアドレス信号を高い
確度で復調することが可能となる。なお、ここでは詳述
しないが、実施例2、3に対応するパターンについても
同等の効果があることは明かである。
【0079】(実施例5)図9(a)に示すように実施
例1、2、4で示したアドレスパターンでは、トラック
の片側が連続溝であるゾーンが存在する。このため図3
に示したトラッキング制御に用いる差動増幅器25から
の差動出力S25は、アドレス領域2において図9
(b)、(c)に示すように、トラックの進行方向に対
しいずれの側にアドレスピット4が存在するかにより、
レベル変化を示す。ただし、制御系の追従可能な周波数
帯域が存在するため、光ディスクの回転数が高い場合
は、誤動作は生じにくい。しかし、低速の回転数の場合
は、制御周波数帯域にアドレス領域2の信号変化が近づ
き図9(c)のような制御信号となり、トラッキング制
御が誤動作する場合がある。
【0080】これに対応するために、本実施例では図9
(d)に示すように、アドレスピット4の存在するゾー
ンG74xに隣接したゾーンG75xのグルーブG75
の溝幅Gw2を情報領域3の溝幅Gwよりも小さくす
る。即ち、片側が連続溝、反対側がアドレス情報が記録
されているゾーンである場合に、光ビーム1に対し、両
臨のグルーブG74、G75から受ける回折の影響を同
等とすることができる。このようなアドレス領域2を備
えたトラックT74上を光ビーム1が通過したときに、
差動信号S25は(e)に示すように、OVを中心とし
た微小な変化となる。この信号S25の変化は、トラッ
キングサーボの帯域では追従することができない変化で
あるため、図9(f)のように変動の少ない制御信号と
なる。この結果、安定なトラッキングサーボ動作が可能
となる。
【0081】なお、この場合に得られるアドレス領域2
から得られる再生信号は、実施例1、2に比べてアドレ
スピット4から得られる信号レベルが小さくなる。この
場合は、基準レベルを相対的に下げることにより対応で
きる。
【0082】他の方法として、図10に示すようなパタ
ーンのアドレスピット4aにより、安定なトラッキング
制御が可能となる。この方法では、アドレスピット4a
の幅Gw3をグルーブG78の幅Gwより大きく設定
し、それにより、アドレスピット4aとアドレスピット
4aとの間の点P7での反射光量の増大分をキャンセル
する。すなわち幅の広いアドレスピット4aが存在する
部分では、光ビーム1の回折効果により反射光量が低下
し、その低下分により前記増大分をキャンセルする。
【0083】なお、ここでは、実施例1のパターンに基
づいた場合のアドレスピットの形成方法であったが、実
施例2で示した隣接するトラックに同じパターンのアド
レスピットをもうける方法においても適用できる。実施
例2の場合は、アドレスピットの片側が連続溝である部
分に適用することになり、この連続溝の溝幅をアドレス
ピットの幅よりも小さくする方法、あるいは、アドレス
ピットの幅をグルーブの幅よりも大きくする方法のいず
れの方法も適用できる。
【0084】(実施例6)ここまで示した実施例、およ
び従来の光ディスクは、アドレス領域と情報領域とを円
周方向に分離して記録する方式であったが、ここでは互
いに重複したアドレス領域と情報領域とに対して記録再
生する方式について述べる。図11(a)に本実施例の
光ディスクの構成図を示し、(b)に再生信号波形を示
す。
【0085】図11(a)に示すように、本実施例の光
ディスク基板のアドレスパターンは実施例1と同じ形態
であり、情報信号を記録する情報領域3が、アドレス領
域2と重複し、ランド上に連続的に記録マーク7を形成
する点だけが異なる。このトラックT81上に光ビーム
1を照射し、その結果得られた再生信号を復調していく
過程を、図12の信号復調系と図11(b)の信号波形
とを用いて説明する。なお、図12の入力信号は、図3
で示したトラックの垂直方向に分割された光検出器24
の和信号の増幅器出力S27と、差動増幅器出力S25
を用いる。
【0086】図11(b)に示すように、和信号の増幅
信号S27は、記録マーク7による反射率変化とアドレ
スピットパターンによる回折効果とが合成された波形を
示す。一方差動増幅器出力S25は、トラックT81に
隣接したアドレスピット4の有無に対応した変化を示
し、さらにトラック81のどちら側にアドレスピット4
が形成されているかにより、その極性が反転する。
【0087】図12にアドレス信号および情報信号の復
調回路のブロック図を示す。この復調回路は、増幅器出
力S27が入力される減衰器90と、減衰器90の出力
および差動増幅器出力S25とが入力される差動増幅器
91と、差動増幅器91の出力が入力される絶対値回路
92と、絶対値回路92の出力が入力される比較器96
と、増幅器出力S27および絶対値回路92の出力が入
力される差動増幅器97と、差動増幅器97の出力が入
力される比較器98とを有する。このような構成の復調
回路における動作を以下に説明する。
【0088】作動増幅信号S25は、記録マーク7の有
無で生じる反射率差による波形歪みの影響を受ける。こ
の影響を小さくするために和信号S27を反射率変化量
の程度に応じて一定の減衰率を示す減衰器90により減
衰した信号S90および差動信号S25を用いて、差動
増幅器91により差動信号S91を得る。差動信号S9
1を絶対値回路92により、正方向だけの振幅変化に変
換し、信号S92を得る。より詳細には、絶対値回路9
2では、2つのダイオード93a、93bにより1方向
の変化だけの振幅とし、負の振幅を差動増幅器94によ
り反転し、増幅器95によりダイオード93aの出力信
号S93aと差動増幅器94の出力信号S94との和を
増幅することにより、信号S92を得る。この信号S9
2からは、実施例1と同様の方式で比較器96によりそ
のレベルを所定の基準値と比較することにより2値化信
号S96が得られる。この信号S96に基づいて、アド
レス信号を復調することによりトラックを特定すること
ができる。
【0089】一方、記録マーク7の反射率変化に対応し
た和信号S27は隣接するアドレス信号の影響により波
形歪を生じる。この波形歪は、和信号S27から絶対値
回路出力S95を差動増幅器97を用いて減算すること
により抑制することができる。即ち、両側にグルーブが
ある場合の光の回折量は、アドレスピット4が存在する
場合の回折量よりも大きくなり、この回折量の変化は、
2つの光検出器上の光量差に比例するといえる。この結
果得られた出力信号S97はアドレスピットによる振幅
変化が抑制され、記録マーク7の形状に対応した再生振
幅を示す。次に、S97を電圧V1とV2との中間の基
準レベルVS4を備えた比較器98に通すことにより、
記録マーク7のパターンに対応した2値化信号S98が
得られる。なお、アドレスピット4の影響をさらに精度
よく除去するためには、差動増幅器97への入力信号で
あるS95の振幅を溝形状に対応させて微調整すること
も可能である。
【0090】以上のように、本構成の基板と再生系によ
り、アドレス領域2と記録領域3とが重畳している記録
部材において、独立にアドレス信号と記録マーク7から
の再生信号を復調することが可能となる。
【0091】(実施例7)実施例1〜6はランド部のみ
に信号を記録する方法であったが、ここからはランドと
グルーブとの双方に情報を記録する方法について説明す
る。
【0092】図13(a)は本発明の光学的情報記録部
材のアドレス領域近傍を拡大した平面図を示し、(b)
は(a)のアドレス領域2のA−A方向の断面図を示
す。図13(c)は光ビーム1がランド上のトラックL
102上を通過した場合に得られる再生出力の信号波
形、および2値化した時の信号波形を示し、反対に、グ
ルーブ部のトラックG103上からの再生出力、および
2値化信号を(d)に示す。ここに示したガイド溝の形
状は、図1と同一パターンであるが、トラックに対して
垂直方向のグルーブ部の幅Gwとランド部の幅Lwとを
ほぼ等しい値とする。グルーブG101とG103と
は、ゾーンXの領域にアドレスパターンを設け、その間
のグルーブG102とG104とは、ゾーンYの領域に
アドレスパターンを設ける。
【0093】アドレス領域2において、ランドL102
上を光ビーム1が通過した場合は、情報領域3と同様に
両側にグルーブG102、G103が存在する点P10
1上では両側の溝の回折効果があり再生信号SL119
は電圧V102となる。一方、片側にしかグルーブG1
02が存在しない点P102上では、片側が平面である
ため、入射光の回折が少なくなり光量が増大して、電圧
V103が得られる。この光量変化の信号を、基準電圧
と比較することにより、2つのゾーンX、Yからのアド
レス情報が得られ、これを復調することにより光ビーム
1の通過しているトラックL102のアドレスを特定す
ることができる。
【0094】一方、グルーブ上を光ビーム1が通過した
場合は、従来のグルーブ記録と同様に、アドレスピット
104に対応した反射光量変化が見られる。即ち、アド
レスピット104の存在する領域はグルーブ部と同等の
反射光量であり再生信号SG119は電圧V105であ
るのに対し、アドレスピット104の存在しない平面の
領域では、反射光量の増大し電圧V106が得られる。
この光量変化の信号を復調することによりアドレス情報
を再生する。
【0095】以上のような構成とすることで、ランド部
からのアドレスを再生する場合においても、グルーブの
間欠により形成されたアドレスピット104による反射
光の回折量変化を検出することによりアドレス情報を得
ることができる。従って、従来のグルーブ記録で用いた
単一のレーザービームを用いたマスタリング工程によっ
て、ランド記録に対応する基板を作成できる。
【0096】ガイド溝の構成としては、前述のように、
トラックの垂直方向のグルーブ幅Gwとランド幅Lwと
がほぼ等しいことが望ましい。即ち、ランド部及びグル
ーブ部のそれぞれに光ビーム1を照射し、反射光を測定
すると、その値は、溝幅に依存して変化する。両部の幅
を同等とすることにより、光検出器上の反射光量を一定
に保つことが可能となる。よって、ランド部とグルーブ
部のいずれの領域に記録した信号からも同等の信号振幅
を得ることが可能となる。以上のような観点から、この
溝幅の範囲としてはGw/Lwが0.7〜1.3の範囲
であることが望ましい。
【0097】前述のようにガイド溝の深さdは、トラッ
キング信号が最大となるようにλ/(8n)近傍あるい
はその奇数倍とするのが一般的である。しかし、ランド
とグルーブとの双方に情報信号を記録する場合は、双方
に記録した記録マーク107からの再生信号に、隣接す
る記録マーク107の変化が影響(クロストークとも呼
ぶ)するので、このクロストークの量が最小になるよう
に深さdを設定する必要がある。このクロストークの量
を、溝深さdを変化させた基板を用いて実験した結果、
λ/(8n)とλ/(4n)との中間のλ/(5n)近
傍で、記録信号が大きくかつクロストーク量が小さくな
る傾向が見られた。このように、ランドとグルーブとの
双方に信号を記録する場合は、片側の溝に記録する場合
に比べ、双方の溝幅を同じにすることと溝深さを最適に
選ぶことが必要であり、それらは必要とする信号品質に
合わせて実験的に最適値を求めることができる。
【0098】ここに示した構造の基板は、従来例で示し
た単一のArレーザ光源を用いた露光装置を用いたマス
タリング工程により原盤を作成し、射出成形機により上
記構成の基板を形成した。表面には、従来例で示した光
の照射により薄膜の光学特性の変化する記録方式、例え
ば変形記録、相変化記録、光磁気記録、フォトンモード
記録等に対応する薄膜が適応できる。図13に示す記録
部材は、反射率変化で信号を再生可能な相変化薄膜を記
録層として設けた例であり、初期状態に対し、レーザ照
射により得られた記録マーク107は、初期状態に比べ
反射率が低下する。
【0099】本発明により形成した信号の記録再生装置
の構成を図14に示す。この記録再生装置の構成および
その動作を以下に説明する。
【0100】この記録再生装置は、レーザ光源110
と、レーザ光源110からの光ビームを記録部材112
に収束させるための対物レンズ111と、記録部材11
2からの反射光を検出するための光検出器113とから
なる光学系と、対物レンズ111を支持するボイスコイ
ル116と、光検出器113の出力が入力される差動増
幅器114と、差動増幅器114の出力が入力される反
転器118と、反転器118からの出力が入力されるト
ラッキング制御部115と、システムコントローラ11
7とを備える。
【0101】光学系は、レーザー光源110と、対物レ
ンズ111を用いて回転する記録部材112に光を照射
し、反射光を複数の受光面を持つ光検出器113を用い
てフォーカス制御およびトラッキング制御を行う。トラ
ッキング制御は、光検出器113のトラックに対して垂
直方向に分割された受光面からの出力信号を用い、それ
らの出力信号のレベル差を差動増幅器114により増幅
し、この差動信号はをもとにトラッキング制御部115
により、対物レンズ111を指示するボイスコイル11
6を動作させることで、記録部材112上のガイド溝に
光ビームをトラッキングする。なお、記録部材のガイド
溝のランド、あるいはグルーブのいずれの面にトラッキ
ング制御するかは、システムコントローラ117の設定
に応じて、差動増幅器114出力の極性を反転する反転
器118を駆動することにより選択される。
【0102】この記録再生装置は、光検出器113から
の出力が入力される増幅器119と、増幅器119の出
力が入力される比較器L120および比較器G122
と、比較器L120および比較器G122からの出力が
それぞれ入力される復調器L121および復調器G12
3とをさらに備える。
【0103】光検出器114出力の和信号は、増幅器1
19により増幅されることにより、ランドの場合は図1
3(c)に、グルーブの場合は(d)に示すように情報
領域3からは記録マーク107に、アドレス領域2から
はアドレスピット104に対応した反射光量変化が得ら
れる。
【0104】ランドL2上を光ビーム1が走査した場合
は、図13(c)のように増幅器119より反射光量変
化に対応した信号SL119が得られる。情報領域3で
は両側にグルーブが存在する場合の反射率に対応する電
圧V102と、記録マーク107に対応する出力V10
1との変化を示す。アドレス領域2からは再生信号SL
119の信号レベルを比較器L120により基準値VS
101と比較する。この基準値VS101は、両側にグ
ルーブが存在する場合の電圧V102と、片側がグルー
ブの場合の電圧V103の中間のレベルに設定する。2
値化信号S120は、トラックL102の両側のグルー
ブG102,G103のアドレスピット107の情報を
含むため、それぞれのゾーンX、Yごとにアドレス情報
を復調器L121により復調し、2つの復調信号をシス
テムコントローラ117により、比較あるいは加算する
ことによりランドL102のアドレスを特定する。例え
ば、加算を用いる場合は、グルーブG102が”1
0”、グルーブG103が”11”、グルーブG104
が”12”の値であったならば、ランドL102は”2
1”、ランドL103は”23”がアドレス情報として
得られる。
【0105】一方、グルーブG102の再生信号SG1
19は図13(d)のように、情報領域3ではグルーブ
上の未記録状態の反射光に対する出力V105と、記録
マーク107に対応する出力V104との変化を示す。
このレベル変化を復調することにより、情報領域3から
の情報信号を再生することができる。一方、アドレス領
域2からは再生信号SG119の信号レベルを、比較器
G122によりそのレベルを基準値Vs102と比較す
ることにより、2値化信号S122が得られ、この信号
をもとに復調器G123によりアドレス信号を復調す
る。
【0106】得られたアドレス情報から、現在の光ビー
ム1の位置を特定し、目的とするトラックとの差に応じ
て光ビーム1の位置をトラッキング駆動手段により移動
させることにより、目的のトラックを追従することが可
能となる。このトラックに対し、半導体レーザ光源11
1の強度を変調することにより情報信号の記録を行うこ
と、あるいは予め記録された情報信号を再生することが
可能となる。即ち、ランドL102上に形成された記録
マーク107からは、信号SL119を第3の比較器を
用いて、電圧V101と電圧V102との中間のレベル
を基準レベルとして比較し、復調することにより情報信
号を再生することができる。なお、グルーブ上の情報再
生も同様の方法により再生することができる。
【0107】以上のように、ランド、グルーブいずれの
面のトラックからもアドレスを特定することが可能とな
り、任意のトラックにおいて情報の記録あるいは再生が
可能となる。
【0108】(実施例8)実施例7のようにアドレスピ
ットをグルーブ上の異なるゾーンに交互に設けた形態の
場合は、ランドにトラッキングした場合のアドレス再生
振幅が、グルーブを再生した場合に比べ小さくなってい
る。本実施例では、グルーブ再生時においても、アドレ
ス信号の信号振幅を大きく保つために、ランドの両側の
グルーブに同一のパターンからなるアドレスピットを形
成する方法について述べる。なお、アドレスパターン以
外の条件は、基本的に実施例7と同じものを用いる。
【0109】図15(a)は本発明の光学的情報記録部
材のアドレス領域近傍を拡大した平面図を示し、(b)
は光ビーム1がランドL122上を通過した場合に得ら
れる再生出力の信号波形と2値化信号波形を示し、
(c)は光ビーム1がグルーブG123上を通過した場
合に得られる再生出力と2値化した信号波形を示す。な
お、ここでは情報領域3の記録マークは、説明を簡略化
するために省略する。
【0110】アドレス領域2は、グルーブ上で近接した
ゾーンX、ゾーンYおよびゾーンZを有する。アドレス
ピット104は、いずれか2箇所のゾーンに所定のコー
ド信号に従ったパターンでグルーブを間欠することによ
り形成される。グルーブG121は、ゾーンXと、ゾー
ンZの領域にアドレスピット104を有する。隣接する
グルーブG122は、ゾーンXにG121のゾーンXと
同一パターンのアドレスピット104を有し、ゾーンY
に新たなアドレスパターンのアドレスピット104を有
する。ゾーンZは連続溝とする。同様にグルーブG12
3以降についても図に示すように、順次それぞれ隣接し
たトラックと同じパターンのアドレスパターンが配置さ
れる。
【0111】アドレス信号の復調には、実施例7とほぼ
同等の構成のものを用いる。上記の記録部材のランドL
122からの再生信号SL119は、両側にグルーブG
122、G123が存在する点P101では情報領域3
と同じ出力V102を示し、片側だけにグルーブG12
3が存在する点P102からは出力V103を示す。両
側にグルーブの存在しない点P103ではグルーブによ
る回折がなくなり、入射した光は、基板表面の反射率に
応じた光が反射され、光量が増大し出力V107とな
る。このランドL122においては、点P103の存在
する、即ちゾーンYからの再生信号を用いてアドレス情
報を検出する。このアドレス領域2からは、アドレスピ
ット幅とランド部の幅とが同等であれば、グルーブの場
合の信号振幅と同等の信号振幅を得ることができる。
【0112】このため、アドレス再生信号SL119を
復調する際は比較器L120を実施例7よりの高い基準
値Vs103で動作するように設定することで、2値化
信号S120が得られる。さらに本構成の基板の場合
は、比較器L120とG122とを単独の比較器とし基
準レベルVs103を設定することで、ランドとグルー
ブとからのアドレス信号を2値化することも可能とな
る。
【0113】なお基準値Vs103を用いて再生信号S
L119を2値化したが、アドレスピット104の形成
状態や再生装置の変動などにより、片側のアドレスピッ
ト104の振幅がこの値よりも大きくなる場合が考えら
れる。これを解消するためには、実施例2と同様にし
て、増幅器119の直後に両側にアドレスピット104
が存在するゾーンだけを選択するゲート選択回路を設け
ことができる。このゲート選択回路は、予め基板のマス
タリング行程で用いたゾーンの幅に対応した時間の3つ
のゲートを発生するゲート発生器と、上記ゲート信号の
タイミングを再生信号SL119、SG119の振幅に
一致させる位相ロック回路と、各ゲート内の再生信号の
振幅を比較し、最大の振幅を示すゲートを特定する構成
とする。得られたゲート内の再生信号を比較器L12
0、G122に入力することにより複数のアドレスピッ
ト信号から、高い確度アドレス信号を得ることができ
る。
【0114】一方、グルーブG123のアドレス再生信
号は、アドレスピット104の存在するゾーンY,ゾー
ンZから得られ、この2つのアドレスをそれぞれ復調
し、復調した結果をシステムコントローラ117によ
り、実施例1のランドの場合と同様に演算することによ
り、トラックのアドレスを特定することができる。
【0115】(実施例9)実施例8はアドレス領域を3
つのゾーンに分離することで、ランド部から振幅の大き
なアドレス信号を得る方法であったが、ここでは2つの
ゾーンによる方法について述べる。図16(a)はアド
レス領域近傍の平面図を示し、(b)は光ビーム1がラ
ンドL132上を通過した場合に得られる再生信号と、
2値化信号とを示す。アドレス領域2は、近接した2つ
のゾーンX、ゾーンYから構成される。各グルーブは、
いずれかのゾーンX、Yのアドレスピット104のパタ
ーンが隣合うグルーブと同一のパターンとなるように、
1トラック毎に交互にゾーンの変わるように配置する。
なお、各溝の形状は、実施例7と同等とした。
【0116】ランドL132を再生した場合に得られる
再生信号SL119は、ゾーンYからは実施例8と同様
に両側のアドレスピット104のパターンが同一である
ため、大きな振幅変化が見られる。ゾーンXでは、両側
のアドレスパターンが異なるため、ゾーンYにおける振
幅変化ほど大きな振幅変化が得られない。その違いを利
用してそのトラックT132に対応するアドレス情報が
記録されているゾーンYを特定する。
【0117】ところが、ゾーンXにおいても、隣り合う
グルーブG132、G133の平面が重なった領域では
大きな振幅変化が見られる。このため2値化信号S12
0においても誤パルス121が発生する。しかし、これ
らの誤パルス121は、アドレス情報を復調する過程の
エラー訂正段階でエラーアドレス領域として判断され、
無視することが可能である。
【0118】グルーブG132のアドレス再生信号は、
実施例8と同様に2つのゾーンに対応して得られ、2つ
のアドレスをそれぞれ復調し、復調した結果をシステム
コントローラ117により、実施例7のランドの場合と
同様に演算することにより、トラックのアドレスを特定
することができる。
【0119】このように本実施例によると実施例8に比
べ、同等の高いアドレス再生信号を確保するとともに、
アドレス領域の幅を低減することが可能となり、記録部
材の情報領域の面積、即ち記録容量を高めることができ
る。
【0120】実施例7〜9では説明しなかったが、実施
例4で示したアドレス領域に先だって、アドレス領域の
開始を示す領域を設ける方式は、ランド・グルーブの双
方に信号を記録する方法についても同様に適用すること
が可能である。更に、実施例5で示したアドレスピット
に隣接した連続溝の溝幅を小さくする方式、あるいはア
ドレスピットの幅をグルーブの幅よりも大きくする方式
は、ともにランド・グルーブの双方に信号を記録する方
法についても同様に適用することができる。
【0121】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光学情報記録部材によれば、トラック密度が高いガイ
ド溝と、アドレス情報とを実現することができ、また、
本発明の記録再生装置によれば、そのような記録部材に
情報を記録し、また、その記録部材からアドレス情報お
よび記録情報を安定して再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学情報記録部材のアドレ
ス領域近傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図2】実施例1のトラックピッチ依存性を示す特性図
【図3】実施例1の記録再生装置の構成を示すブロック
【図4】実施例2の光学情報記録部材のアドレス領域近
傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図5】実施例2の記録再生装置の比較回路の構成を示
すブロック図
【図6】実施例3の光学情報記録部材のアドレス領域近
傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図7】実施例4の光学情報記録部材のアドレス領域近
傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図8】実施例4の記録再生装置の比較回路の構成を示
すブロック図
【図9】実施例5の光学情報記録部材のアドレス領域近
傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図10】実施例5の光学情報記録部材のアドレス領域
近傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図11】実施例6の光学情報記録部材のアドレス領域
近傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図12】実施例6の記録再生装置のアドレス検出回路
とデータ検出回路を示すブロック図
【図13】実施例7の光学情報記録部材のアドレス領域
近傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図14】実施例7の記録再生装置の構成を示すブロッ
ク図
【図15】実施例8の光学情報記録部材のアドレス領域
近傍の構成図と再生信号波形を示す図
【図16】実施例9の光学情報記録部材のアドレス領域
近傍の構成図と再信号波形を示す図
【図17】従来のグルーブ記録のアドレス領域近傍の構
成図と再生信号波形を示す図
【図18】従来のランド記録のアドレス領域近傍の構成
図と再生信号波形を示す図
【図19】従来の溝付き基板の製造工程を示すフローチ
ャート図
【図20】幅が狭い溝を有する基板の射出成形の様子を
示す断面図
【符号の説明】
1 光ビーム 2 アドレス領域 3 情報領域 4 アドレスピット 7 記録マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 鋭二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−28729(JP,A) 特開 平4−23240(JP,A) 特開 平3−237637(JP,A) 特開 平3−214428(JP,A) 特開 昭62−110637(JP,A) 特開 昭63−269356(JP,A) 特開 昭62−256231(JP,A) 特開 昭63−66734(JP,A) 特開 平3−86935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/013 G11B 7/24 G11B 7/09 - 7/095

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームの入射方向に対し光学的な位置が
    異なる第1面および第2面からなる凹凸のトラックを
    表面に備えた基板上に光の照射によって光学的に検知し
    得る変化を生じる記録薄膜層を備えた記録部材であっ
    て、前記第1面を主面する第1のトラックと、前記第2面を
    主面とし光学的な情報記録が可能な記録領域を有する第
    2のトラックとを備え、 前記第1のトラックと前記第2のトラックは、前記基板
    上に交互に配置されており、 前記第1のトラックは、前記第1の面と前記第2面との
    段差によって形成されたアドレス部を有し、 前記第2のトラックは、前記第1のトラックの前記アド
    レス部に隣接する部分であって前記第2の面のみによっ
    て形成されたアドレスサイド部を有し、 前記第2のトラックの前記アドレスサイド部を挟んで前
    記第1のトラックの前記アドレス部と対向する部分に位
    置する前記第1のトラックのアドレスサイド部は、すべ
    て前記第1の面のみによって形成されており、 前記第2のトラックを挟んで隣接する前記第1のトラッ
    クの2つが、それぞれトラック延長方向に沿った異なる
    位置に前記アドレス部を有していることを特徴とする
    学的情報記録部材。
  2. 【請求項2】前記第2のトラックはすべて前記第2面に
    よって形成されていることを特徴とする、請求項1に記
    載の光学的情報記録部材。
  3. 【請求項3】前記第2のトラックの前記アドレスサイド
    部が情報記録領域であることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の光学的情報記録部材。
  4. 【請求項4】前記第2のトラックのトラック延長方向に
    垂直な方向の幅が、前記第1のトラックのトラック延長
    方向に垂直な方向の幅よりも広いことを特徴とする、請
    求項1から3のいずれか一項に記載の光学的情報記録部
    材。
  5. 【請求項5】前記第1のトラックと前記第2のトラック
    がどちらも情報記録領域を備えていることを特徴とす
    る、請求項1から4のいずれか一項に記載の光学的情報
    記録部材。
  6. 【請求項6】光ビームの入射方向に対し光学的な位置が
    異なる第1面および第 2面からなる凹凸状のトラックを
    表面に備えた基板上に光の照射によって光学的に検知し
    得る変化を生じる記録薄膜層を備えた記録部材であっ
    て、前記第1面を主面とする第1のトラックと、前記第
    2面を主面とし光学的な情報記録が可能な記録領域を有
    する第2のトラックとを備え、前記第1のトラックと前
    記第2のトラックは、前記基板上に交互に配置されてお
    り、前記第1のトラックは、前記第1の面と前記第2面
    との段差によって形成されたアドレス部を有し、前記第
    2のトラックは、前記第1のトラックの前記アドレス部
    に隣接する部分であって前記第2の面のみによって形成
    されたアドレスサイド部を有し、前記第2のトラックの
    前記アドレスサイド部を挟んで前記第1のトラックの前
    記アドレス部と対向する部分に位置する前記第1のトラ
    ックのアドレスサイド部は、すべて前記第1の面のみに
    よって形成されており、前記第2のトラックを挟んで隣
    接する前記第1のトラックの2つが、それぞれトラック
    延長方向に沿った異なる位置に前記アドレス部を有して
    いる光学的情報記録部材に対して情報信号を記録または
    再生する方法であって、 前記第2のトラックに沿って光ビームを照射し、 前記光ビームの反射光を、前記トラックの伸びる方向に
    垂直な方向に2つに分割した受光面をもつ光検出器で検
    出し、 前記光検出器から出力される、前記2つに分割した受光
    面のそれぞれに対応する2つの出力信号の差動信号を用
    いてアドレス情報を検出し、 前記光検出器の前記2つの出力信号の和信号を用いて情
    報信号を再生することを特徴とする記録再生方法。
  7. 【請求項7】光ビームの入射方向に対し光学的な位置が
    異なる第1面および第2面からなる凹凸状のトラックを
    表面に備えた基板上に光の照射によって光学的に検知し
    得る変化を生じる記録薄膜層を備えた記録部材であっ
    て、前記第1面を主面とする第1のトラックと、前記第
    2面を主面とし光学的な情報記録が可能な記録領域を有
    する第2のトラックとを備え、前記第1のトラックと前
    記第2のトラックは、前記基板上に交互に配置されてお
    り、前記第1のトラックは、前記第1の面と前記第2面
    との段差によって形成されたアドレス部を有し、前記第
    2のトラックは、前記第1のトラックの前記アドレス部
    に隣接する部分であって前記 第2の面のみによって形成
    されたアドレスサイド部を有し、前記第2のトラックの
    前記アドレスサイド部を挟んで前記第1のトラックの前
    記アドレス部と対向する部分に位置する前記第1のトラ
    ックのアドレスサイド部は、すべて前記第1の面のみに
    よって形成されており、前記第2のトラックを挟んで隣
    接する前記第1のトラックの2つが、それぞれトラック
    延長方向に沿った異なる位置に前記アドレス部を有して
    いる光学的情報記録部材に対して情報信号を記録または
    再生する装置であって、 前記光学的情報記録部材に光ビームを照射する照射手段
    と、 前記第2のトラックに沿って光ビームをトラッキングす
    るトラッキング制御手段と、 前記トラックの伸びる方向に垂直な方向に2つに分割し
    た受光面をもち前記光ビームの反射光を検出する光検出
    手段と、 前記光検出手段から出力される、前記2つに分割した受
    光面のそれぞれに対応する2つの出力信号の和信号を用
    いて情報信号を復調する復調手段とを備え、 前記トラッキング制御手段は、前記光検出手段の前記2
    つの出力信号の差動信号を用いてアドレス情報を検出す
    ることを特徴とする記録再生装置。
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