JP3227974B2 - 着色模様を有するセメント製品の製造方法 - Google Patents
着色模様を有するセメント製品の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】各種セメント製品が壁材あるいは
床材等として建築物に大量に使用されているが、最近自
然との調和、景観への関心の高まりにより模様を付した
セメント製品が求められるようになってきた。本発明
は、自然と調和し、優れた景観を呈する着色模様を有す
るセメント製品の製造方法に関する。
床材等として建築物に大量に使用されているが、最近自
然との調和、景観への関心の高まりにより模様を付した
セメント製品が求められるようになってきた。本発明
は、自然と調和し、優れた景観を呈する着色模様を有す
るセメント製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から硬化したセメント製品の表面に
模様を付する方法は種々あり、硬化したセメント製品の
表面に塗料を塗布あるいは吹き付けする方法、人工人造
石の表面に柄模様材を埋め込む方法(特公平5−397
64号公報)、硬化したセメント製品の表面に金属塩水
溶液を刷毛塗りまたは吹き付けする方法(特開昭48−
68620号公報)などが知られている。
模様を付する方法は種々あり、硬化したセメント製品の
表面に塗料を塗布あるいは吹き付けする方法、人工人造
石の表面に柄模様材を埋め込む方法(特公平5−397
64号公報)、硬化したセメント製品の表面に金属塩水
溶液を刷毛塗りまたは吹き付けする方法(特開昭48−
68620号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】硬化したセメント製品
の表面に塗料を塗布する方法は、通常有機系塗料を用い
るため長期の耐候性および塗料粒子の付着性に問題があ
る。人工人造石の表面に柄模様材を埋め込む方法は、本
体成形型と柄模様型とを別々に成形後組込む方法であり
製造工程が煩雑でコストもかかる。しかも複雑な形状は
成形が困難である。硬化したセメント製品の表面に金属
塩水溶液を塗布する方法は、セメント製品の表面に極く
薄い着色被膜を有するだけであり、セメント製品の表面
を後加工したり、あるいは摩耗性の高い部分に使用する
と当然ながら着色部分はなくなり未着色部分が露出し、
耐摩耗性に問題がある。また、刷毛塗りまたは吹き付け
による方法では所望の模様を付けることは困難である。
の表面に塗料を塗布する方法は、通常有機系塗料を用い
るため長期の耐候性および塗料粒子の付着性に問題があ
る。人工人造石の表面に柄模様材を埋め込む方法は、本
体成形型と柄模様型とを別々に成形後組込む方法であり
製造工程が煩雑でコストもかかる。しかも複雑な形状は
成形が困難である。硬化したセメント製品の表面に金属
塩水溶液を塗布する方法は、セメント製品の表面に極く
薄い着色被膜を有するだけであり、セメント製品の表面
を後加工したり、あるいは摩耗性の高い部分に使用する
と当然ながら着色部分はなくなり未着色部分が露出し、
耐摩耗性に問題がある。また、刷毛塗りまたは吹き付け
による方法では所望の模様を付けることは困難である。
【0004】本発明の目的は上記従来のセメント製品の
表面に模様を付ける方法の欠点を克服し、所望の模様を
簡易にかつ安価で得ることができ、さらに耐摩耗性、耐
候性に優れ、後加工しても模様が消えない着色模様を有
するセメント製品の製造方法を提供するものである。
表面に模様を付ける方法の欠点を克服し、所望の模様を
簡易にかつ安価で得ることができ、さらに耐摩耗性、耐
候性に優れ、後加工しても模様が消えない着色模様を有
するセメント製品の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はセメント製品
に着色模様を付する方法として、公知方法とは全く異な
る技術思想に基づく着色模様の製造方法を種々検討した
結果、未硬化または半硬化状態のセメント製品に切り込
みを入れ、この切り込み部分に金属硫酸塩を流し込み発
色させると模様が深く入り込むことを見出した。さらに
この切り込みの幅を調整することにより微細なものから
幅の広いものまで所望の模様を得られることを見出し本
発明を完成した。
に着色模様を付する方法として、公知方法とは全く異な
る技術思想に基づく着色模様の製造方法を種々検討した
結果、未硬化または半硬化状態のセメント製品に切り込
みを入れ、この切り込み部分に金属硫酸塩を流し込み発
色させると模様が深く入り込むことを見出した。さらに
この切り込みの幅を調整することにより微細なものから
幅の広いものまで所望の模様を得られることを見出し本
発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、未硬化または
半硬化状態のセメント製品に切り込みを入れ、切り込み
部分に金属硫酸塩濃度が2重量%以上、飽和濃度以下の
金属硫酸塩水溶液を流し込んだ後、振動、養生すること
を特徴とする着色模様を有するセメント製品の製造方法
である。
半硬化状態のセメント製品に切り込みを入れ、切り込み
部分に金属硫酸塩濃度が2重量%以上、飽和濃度以下の
金属硫酸塩水溶液を流し込んだ後、振動、養生すること
を特徴とする着色模様を有するセメント製品の製造方法
である。
【0007】上記において金属硫酸塩として硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、硫酸クロム、硫酸カリウムクロム、硫
酸コバルト、硫酸銅、硫酸ニッケルまたは硫酸マンガン
の使用が好ましく、
鉄、硫酸第二鉄、硫酸クロム、硫酸カリウムクロム、硫
酸コバルト、硫酸銅、硫酸ニッケルまたは硫酸マンガン
の使用が好ましく、
【0008】金属硫酸塩として硫酸第一鉄、硫酸ニッケ
ルまたは硫酸マンガンの使用がより好ましく、また
ルまたは硫酸マンガンの使用がより好ましく、また
【0009】未硬化または半硬化状態のセメント製品に
入れる切り込みの巾を0.1〜20mmとすることが好
ましい。
入れる切り込みの巾を0.1〜20mmとすることが好
ましい。
【0010】さらに、本発明の好ましいセメント製品の
製造方法は、切り込みに金属硫酸塩水溶液を流し込んだ
後の未硬化、半硬化または硬化状態の裏面に、未硬化ま
たは半硬化状態のセメント製品を裏打ちする着色模様を
有するセメント製品の製造方法である。
製造方法は、切り込みに金属硫酸塩水溶液を流し込んだ
後の未硬化、半硬化または硬化状態の裏面に、未硬化ま
たは半硬化状態のセメント製品を裏打ちする着色模様を
有するセメント製品の製造方法である。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。本発明が
対象とするセメント製品は、セメント、砂、水もしくは
セメント、砂、水、骨材を原料として使用して製造され
る硬化体であり、これらの原料に混和材(例、微粒子状
ケイ酸質材料、アルカリ土類金属炭酸塩、無機酸化物、
無機水酸化物、等)、混和剤(例、減水剤、水和遅延
剤、水和促進剤、等)、ポリマー(例、水性ポリマーデ
ィスパージョン、水溶性ポリマー、液状ポリマー、粉末
エマルジョン)および顔料(例、無機顔料、有機顔料)
を加えることもできる。
対象とするセメント製品は、セメント、砂、水もしくは
セメント、砂、水、骨材を原料として使用して製造され
る硬化体であり、これらの原料に混和材(例、微粒子状
ケイ酸質材料、アルカリ土類金属炭酸塩、無機酸化物、
無機水酸化物、等)、混和剤(例、減水剤、水和遅延
剤、水和促進剤、等)、ポリマー(例、水性ポリマーデ
ィスパージョン、水溶性ポリマー、液状ポリマー、粉末
エマルジョン)および顔料(例、無機顔料、有機顔料)
を加えることもできる。
【0012】本発明において使用するセメントは種類に
特に制限はなく、通常のセメントである。このようなセ
メントを例示すると、ポルトランドセメント(例、普通
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超
早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランド
セメント)、混合セメント(例、シリカセメント、高炉
セメント、フライアッシュセメント)、特殊セメント
(例、超速硬セメント、アルミナセメント)および硫酸
カルシウム半水和物セメント(例、半水セッコウセメン
ト)である。
特に制限はなく、通常のセメントである。このようなセ
メントを例示すると、ポルトランドセメント(例、普通
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超
早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランド
セメント)、混合セメント(例、シリカセメント、高炉
セメント、フライアッシュセメント)、特殊セメント
(例、超速硬セメント、アルミナセメント)および硫酸
カルシウム半水和物セメント(例、半水セッコウセメン
ト)である。
【0013】先ず、セメント、砂、水、骨材を均一混合
し、混合物を金型、樹脂型または木型等の型枠に型詰す
る。その際、バイブレーター等による振動あるいはプレ
ス機による加圧等を加えても良い。また、振動または加
圧を減圧下で行なうこともできる。
し、混合物を金型、樹脂型または木型等の型枠に型詰す
る。その際、バイブレーター等による振動あるいはプレ
ス機による加圧等を加えても良い。また、振動または加
圧を減圧下で行なうこともできる。
【0014】型詰後、一定時間放置あるいは養生して製
造される未硬化または半硬化状態のセメント製品に切り
込みを入れる。切り込みは型詰した未硬化または半硬化
状態のセメント製品の上部より切り込み用凸型枠を押し
付け、未硬化または半硬化状態のセメント製品に溝状の
切り込みを入れる。深さは上部からほぼ型枠の底まで達
する程度が好ましい。
造される未硬化または半硬化状態のセメント製品に切り
込みを入れる。切り込みは型詰した未硬化または半硬化
状態のセメント製品の上部より切り込み用凸型枠を押し
付け、未硬化または半硬化状態のセメント製品に溝状の
切り込みを入れる。深さは上部からほぼ型枠の底まで達
する程度が好ましい。
【0015】切り込み用凸型枠を使用しない方法として
は、ナイフ等により切り込みを入れる方法がある。切り
込み幅は0.1〜20mm程度が好ましく、切り込み幅
を0.1mm未満にすると金属硫酸塩水溶液が入れにく
い。切り込み幅が20mmを超えると、硬化したセメン
ト製品の模様部分の強度低下が大きく割れやすくなる。
切り込み深さおよび長さは特に制限はないが、切り込み
部分より充填する金属硫酸塩水溶液がセメント製品の表
面に達することができる程度に切り込みを入れる必要が
ある。
は、ナイフ等により切り込みを入れる方法がある。切り
込み幅は0.1〜20mm程度が好ましく、切り込み幅
を0.1mm未満にすると金属硫酸塩水溶液が入れにく
い。切り込み幅が20mmを超えると、硬化したセメン
ト製品の模様部分の強度低下が大きく割れやすくなる。
切り込み深さおよび長さは特に制限はないが、切り込み
部分より充填する金属硫酸塩水溶液がセメント製品の表
面に達することができる程度に切り込みを入れる必要が
ある。
【0016】未硬化または半硬化状態のセメント製品の
切り込み部分に充填する金属硫酸塩は工業用の化学品で
よく、所定濃度の水溶液にして使用する。金属硫酸塩と
しては種類に制限はないが、セメント製品中で発色する
必要があり、発色する金属硫酸塩としては硫酸第一鉄、
硫酸第二鉄、硫酸クロム、硫酸カリウムクロム、硫酸コ
バルト、硫酸銅、硫酸ニッケルおよび硫酸マンガン等が
ある。これら金属硫酸塩は単独で使用するが混合して使
用しても差し支えない。また、色調を調整するため、各
種塩類や酸化剤等の化学品を加えることもできる。
切り込み部分に充填する金属硫酸塩は工業用の化学品で
よく、所定濃度の水溶液にして使用する。金属硫酸塩と
しては種類に制限はないが、セメント製品中で発色する
必要があり、発色する金属硫酸塩としては硫酸第一鉄、
硫酸第二鉄、硫酸クロム、硫酸カリウムクロム、硫酸コ
バルト、硫酸銅、硫酸ニッケルおよび硫酸マンガン等が
ある。これら金属硫酸塩は単独で使用するが混合して使
用しても差し支えない。また、色調を調整するため、各
種塩類や酸化剤等の化学品を加えることもできる。
【0017】金属硫酸塩水溶液の金属硫酸塩濃度は2重
量%以上、飽和濃度以下である。金属硫酸塩濃度により
発色する色調が異なり、濃度が低い場合ほど色調は淡
く、濃度が高くなるにつれて色調は濃くなる。濃度が2
重量%未満ではほとんど発色しないため模様にならな
い。
量%以上、飽和濃度以下である。金属硫酸塩濃度により
発色する色調が異なり、濃度が低い場合ほど色調は淡
く、濃度が高くなるにつれて色調は濃くなる。濃度が2
重量%未満ではほとんど発色しないため模様にならな
い。
【0018】未硬化状態のセメント製品の切り込みに流
し込む金属硫酸塩水溶液の量は、切り込み部分にほぼ充
満する程度である。金属硫酸塩の量が少なく切り込み幅
あるいは深さ以下に流し込んだ場合は、所望の模様の幅
あるいは深さが得られない。金属硫酸塩水溶液の量が多
く切り込み部分以上に流し込んだ場合は余剰の金属硫酸
塩水溶液により裏面に結晶が析出し見栄えを悪くする。
また、必要に応じて裏面側にセメント製品、繊維等で補
強する場合に析出した結晶により接着強度が低下する。
し込む金属硫酸塩水溶液の量は、切り込み部分にほぼ充
満する程度である。金属硫酸塩の量が少なく切り込み幅
あるいは深さ以下に流し込んだ場合は、所望の模様の幅
あるいは深さが得られない。金属硫酸塩水溶液の量が多
く切り込み部分以上に流し込んだ場合は余剰の金属硫酸
塩水溶液により裏面に結晶が析出し見栄えを悪くする。
また、必要に応じて裏面側にセメント製品、繊維等で補
強する場合に析出した結晶により接着強度が低下する。
【0019】切り込み部分に金属硫酸塩水溶液を充填
後、バイブレーター等による振動を与える。バイブレー
ター等による振動を与えた後、プレス機等による加圧を
行なうこともできる。これらの操作後、型枠から脱型し
養生を行ない、硬化した着色模様を有するセメント製品
を得る。
後、バイブレーター等による振動を与える。バイブレー
ター等による振動を与えた後、プレス機等による加圧を
行なうこともできる。これらの操作後、型枠から脱型し
養生を行ない、硬化した着色模様を有するセメント製品
を得る。
【0020】着色模様が幅広い、または高濃度の金属硫
酸塩水溶液を使用して結晶が析出したような場合は、得
られたセメント製品の着色模様部分の強度が幾分低下す
る場合もある。この場合は、必要に応じて補強材を用い
セメント製品の強度向上を図る。
酸塩水溶液を使用して結晶が析出したような場合は、得
られたセメント製品の着色模様部分の強度が幾分低下す
る場合もある。この場合は、必要に応じて補強材を用い
セメント製品の強度向上を図る。
【0021】補強方法としては、切り込み部分に金属硫
酸塩水溶液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状態の
裏面に未硬化または半硬化状態のセメント製品を裏打ち
するが、裏打ち用セメント製品には鉄筋またはガラス等
の繊維を入れても差し支えない。また、金属硫酸塩水溶
液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状態の裏面と裏
打ち用未硬化または半硬化のセメント製品との間に鉄筋
またはガラス等の繊維を入れることもできる。さらに金
属硫酸塩水溶液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状
態の裏面に直接、鉄筋、金網、ガラス等の繊維、セメン
ト板、コンクリート板を張り付けることもできる。
酸塩水溶液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状態の
裏面に未硬化または半硬化状態のセメント製品を裏打ち
するが、裏打ち用セメント製品には鉄筋またはガラス等
の繊維を入れても差し支えない。また、金属硫酸塩水溶
液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状態の裏面と裏
打ち用未硬化または半硬化のセメント製品との間に鉄筋
またはガラス等の繊維を入れることもできる。さらに金
属硫酸塩水溶液を充填後の未硬化、半硬化または硬化状
態の裏面に直接、鉄筋、金網、ガラス等の繊維、セメン
ト板、コンクリート板を張り付けることもできる。
【0022】本発明の着色模様の着色機構の詳細は不明
であるが、セメント製品中のセメントの水和反応によっ
て生じた遊離Ca(OH)2 が硫酸塩と反応して金属水
酸化物と硫酸カルシウムの微小結晶を生成し、同時に生
成される反応生成物と共に被膜を形成し、生成した金属
水酸化物等の微小結晶が発色するため、模様は意図した
色に着色すると推察される。
であるが、セメント製品中のセメントの水和反応によっ
て生じた遊離Ca(OH)2 が硫酸塩と反応して金属水
酸化物と硫酸カルシウムの微小結晶を生成し、同時に生
成される反応生成物と共に被膜を形成し、生成した金属
水酸化物等の微小結晶が発色するため、模様は意図した
色に着色すると推察される。
【0023】
【実施例】 実施例1 以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。図1は
本発明の製造方法の1実施例を説明する工程図である。
図において、1は型枠、2は未硬化または半硬化状態の
セメント製品、3は押型、5は金属硫酸塩水溶液であ
る。図2は本発明の製造方法の1実施例により得られる
セメント製品の略図である。60×60×6cmの型枠
に白色ポルトランドセメント:砂=1:2(重量比)、
水セメント比W/C=0.4(重量比)のセメントモル
タルを型枠1に流し込み、振動数3450回/分のバイ
ブレーターに乗せ1分間振動させた後、未硬化または半
硬化状態のセメント製品2に押型3で幅5mm、長さ6
0cmの切り込み部4を縦横それぞれ2本ずつ入れ、濃
度5重量%の硫酸第一鉄水溶液5を切り込み1本当り約
35ミリリットルを流し込む。次に、再び上記のバイブ
レーターに乗せ1分間振動させ、室内で1昼夜養生後脱
型し、45℃で10時間蒸気養生を行ない、幅約5m
m、長さ60cmの茶色に着色した模様の付いた60×
60×2.5cmのセメントパネルを得た。このパネル
から着色模様の入った部分10×10cmを切断し、摩
耗輪による摩耗試験(JIS K6902)を摩耗深さ
10mmまで行なったが、着色模様は幅約5mmのまま
で消えなかった。また、新たに60×60×2.5cm
のパネルから着色模様の入った部分4×16cmを切断
し、曲げ強度試験(JIS R5201)を行なったと
ころ、37.6kgf/cm2 であった。
本発明の製造方法の1実施例を説明する工程図である。
図において、1は型枠、2は未硬化または半硬化状態の
セメント製品、3は押型、5は金属硫酸塩水溶液であ
る。図2は本発明の製造方法の1実施例により得られる
セメント製品の略図である。60×60×6cmの型枠
に白色ポルトランドセメント:砂=1:2(重量比)、
水セメント比W/C=0.4(重量比)のセメントモル
タルを型枠1に流し込み、振動数3450回/分のバイ
ブレーターに乗せ1分間振動させた後、未硬化または半
硬化状態のセメント製品2に押型3で幅5mm、長さ6
0cmの切り込み部4を縦横それぞれ2本ずつ入れ、濃
度5重量%の硫酸第一鉄水溶液5を切り込み1本当り約
35ミリリットルを流し込む。次に、再び上記のバイブ
レーターに乗せ1分間振動させ、室内で1昼夜養生後脱
型し、45℃で10時間蒸気養生を行ない、幅約5m
m、長さ60cmの茶色に着色した模様の付いた60×
60×2.5cmのセメントパネルを得た。このパネル
から着色模様の入った部分10×10cmを切断し、摩
耗輪による摩耗試験(JIS K6902)を摩耗深さ
10mmまで行なったが、着色模様は幅約5mmのまま
で消えなかった。また、新たに60×60×2.5cm
のパネルから着色模様の入った部分4×16cmを切断
し、曲げ強度試験(JIS R5201)を行なったと
ころ、37.6kgf/cm2 であった。
【0024】比較例1 実施例1で切り込みおよび硫酸第一鉄水溶液を流し込む
操作をせずに調製したセメントパネルに、濃度5重量%
の硫酸第一鉄水溶液を1平方メートル当り100g刷毛
塗りして表面に茶色の被膜を得た。このパネルを実施例
1と同様に摩耗輪による摩耗試験を行なったところ、摩
耗深さが約0.1mmで着色被膜が消え白色部分が露出
した。
操作をせずに調製したセメントパネルに、濃度5重量%
の硫酸第一鉄水溶液を1平方メートル当り100g刷毛
塗りして表面に茶色の被膜を得た。このパネルを実施例
1と同様に摩耗輪による摩耗試験を行なったところ、摩
耗深さが約0.1mmで着色被膜が消え白色部分が露出
した。
【0025】実施例2 実施例1で白色セメントに代え普通ポルトランドセメン
トを使用し、切り込み幅を0.1mmとし、5重量%硫
酸第一鉄水溶液を切り込み1本当り約0.7ミリリット
ル流し込んでセメントパネルを調製したところ、表面に
約1mm幅の微細で茶色の着色模様が得られた。
トを使用し、切り込み幅を0.1mmとし、5重量%硫
酸第一鉄水溶液を切り込み1本当り約0.7ミリリット
ル流し込んでセメントパネルを調製したところ、表面に
約1mm幅の微細で茶色の着色模様が得られた。
【0026】比較例2 実施例1で切り込みおよび硫酸第一鉄水溶液を流し込む
操作をせずに調製したセメントパネルの上に幅0.1m
m、長さ10cmの穴をあけたプレートを置き、5重量
%硫酸第一鉄水溶液を吹き付けたところ、表面には約1
mm幅のにじんだ茶色の着色模様になり微細な着色模様
は得られなかった。
操作をせずに調製したセメントパネルの上に幅0.1m
m、長さ10cmの穴をあけたプレートを置き、5重量
%硫酸第一鉄水溶液を吹き付けたところ、表面には約1
mm幅のにじんだ茶色の着色模様になり微細な着色模様
は得られなかった。
【0027】比較例3 実施例1の5重量%硫酸第一鉄水溶液を1重量%硫酸マ
ンガン水溶液に代えてセメントパネルを調製したとこ
ろ、表面に極くわずかに紫褐色は付く程度であり、所望
の濃度の着色模様が得られなかった。
ンガン水溶液に代えてセメントパネルを調製したとこ
ろ、表面に極くわずかに紫褐色は付く程度であり、所望
の濃度の着色模様が得られなかった。
【0028】実施例3 実施例1の5重量%硫酸第一鉄水溶液を5重量%硫酸ニ
ッケル水溶液に代えてセメントパネルを調製したとこ
ろ、表面に約5mm幅の青緑色の着色模様が得られた。
ッケル水溶液に代えてセメントパネルを調製したとこ
ろ、表面に約5mm幅の青緑色の着色模様が得られた。
【0029】実施例4 図3は本発明の製造方法の1実施例により製造された裏
打ち材を施したセメント製品の略図である。図において
8は裏打ち材である。実施例1で切り込みに硫酸第一鉄
水溶液を流し込んだ後、さらに裏打ち材として白色セメ
ント:パーライト=1:2(容量比)、水セメント比W
/C=0.5(重量比)のパーライトセメントモルタル
を流し込み、振動数3450回/分のバイブレーターに
乗せ1分間振動させ、室内で1昼夜養生後脱型し、45
℃で10時間蒸気養生を行ない裏打ち補強した着色模様
の付いた60×60×2.5cmのセメントパネルを得
た。このパネルから着色模様の入った部分4×16cm
を切断し、曲げ強度試験を行なったところ曲げ強度は4
5.8kgf/cm2 であった。
打ち材を施したセメント製品の略図である。図において
8は裏打ち材である。実施例1で切り込みに硫酸第一鉄
水溶液を流し込んだ後、さらに裏打ち材として白色セメ
ント:パーライト=1:2(容量比)、水セメント比W
/C=0.5(重量比)のパーライトセメントモルタル
を流し込み、振動数3450回/分のバイブレーターに
乗せ1分間振動させ、室内で1昼夜養生後脱型し、45
℃で10時間蒸気養生を行ない裏打ち補強した着色模様
の付いた60×60×2.5cmのセメントパネルを得
た。このパネルから着色模様の入った部分4×16cm
を切断し、曲げ強度試験を行なったところ曲げ強度は4
5.8kgf/cm2 であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法を使用して製造されるセメ
ント製品は、着色模様の深さが深いので、耐摩耗性、耐
候性に優れ、後加工をしても模様が消えない等の長所を
有し、刷毛塗りやスプレーの方法では付けられなかった
微細な模様が得られる。また、本発明の方法は、セメン
ト製品の表面に所望の模様を簡易且つ安価に製造する。
ント製品は、着色模様の深さが深いので、耐摩耗性、耐
候性に優れ、後加工をしても模様が消えない等の長所を
有し、刷毛塗りやスプレーの方法では付けられなかった
微細な模様が得られる。また、本発明の方法は、セメン
ト製品の表面に所望の模様を簡易且つ安価に製造する。
【図1】(a)〜(d)は、実施例1の製造工程の説明
図である。
図である。
【図2】実施例1において製造されたセメント製品の略
図である。
図である。
【図3】実施例4において製造されたセメント製品の略
図である。
図である。
1 型枠 2 未硬化または半硬化状態のセメント製品 3 押型 4 切り込み部 5 金属硫酸塩水溶液 6 着色模様 7 着色模様を有するセメント製品 8 裏打ち材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−32680(JP,A) 特開 平2−212380(JP,A) 特開 昭63−91282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 2/04
Claims (4)
- 【請求項1】 未硬化または半硬化状態のセメン
ト製品に切り込みを入れ、金属硫酸塩濃度が2重量%以
上、飽和濃度以下の金属硫酸塩水溶液を該切り込みに流
し込んだ後、振動、養生することを特徴とする着色模様
を有するセメント製品の製造方法。 - 【請求項2】 金属硫酸塩が硫酸第一鉄、硫酸第
二鉄、硫酸クロム、硫酸カリウムクロム、硫酸コバル
ト、硫酸銅、硫酸ニッケルまたは硫酸マンガンである請
求項1に記載のセメント製品の製造方法。 - 【請求項3】 金属硫酸塩が硫酸第一鉄、硫酸ニ
ッケルまたは硫酸マンガンである請求項1に記載のセメ
ント製品の製造方法。 - 【請求項4】 切り込み巾が0.1〜20mmで
ある請求項1、2または3に記載のセメント製品の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02143894A JP3227974B2 (ja) | 1994-02-18 | 1994-02-18 | 着色模様を有するセメント製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02143894A JP3227974B2 (ja) | 1994-02-18 | 1994-02-18 | 着色模様を有するセメント製品の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07229236A JPH07229236A (ja) | 1995-08-29 |
JP3227974B2 true JP3227974B2 (ja) | 2001-11-12 |
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ID=12054981
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107246105B (zh) * | 2017-04-21 | 2018-06-12 | 清华大学 | 一种混凝土预制板板端取消胡子筋的构造及施工方法 |
-
1994
- 1994-02-18 JP JP02143894A patent/JP3227974B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07229236A (ja) | 1995-08-29 |
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