JPH09112028A - 細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法 - Google Patents
細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法Info
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- JPH09112028A JPH09112028A JP29370495A JP29370495A JPH09112028A JP H09112028 A JPH09112028 A JP H09112028A JP 29370495 A JP29370495 A JP 29370495A JP 29370495 A JP29370495 A JP 29370495A JP H09112028 A JPH09112028 A JP H09112028A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 天然もしくは人工の細骨材をバインダーで被
覆したものを型枠内面に塗布、硬化させて得た多孔質の
細骨材層を、打設コンクリート構造体の表面に複合一体
とさせる現場施工的製造法に関する。 【解決手段】 天然およびもしくは細骨材と、この骨材
各々を被覆して相互に結着するに足る比較的少量の無機
もしくは有機のバインダーとを混練すること、得られた
被覆細骨材を型枠内面に塗布・硬化させて多孔質の細骨
材層を形成すること、当該細骨材層の背面にコンクリー
トを打設すること、及び打設コンクリートに機械的な締
め固めを与えて当該コンクリート中の余剰水分及び気泡
を前記細骨材層中の多孔隙を介して型枠外に脱水・脱気
しながら養生硬化させること より成る。
覆したものを型枠内面に塗布、硬化させて得た多孔質の
細骨材層を、打設コンクリート構造体の表面に複合一体
とさせる現場施工的製造法に関する。 【解決手段】 天然およびもしくは細骨材と、この骨材
各々を被覆して相互に結着するに足る比較的少量の無機
もしくは有機のバインダーとを混練すること、得られた
被覆細骨材を型枠内面に塗布・硬化させて多孔質の細骨
材層を形成すること、当該細骨材層の背面にコンクリー
トを打設すること、及び打設コンクリートに機械的な締
め固めを与えて当該コンクリート中の余剰水分及び気泡
を前記細骨材層中の多孔隙を介して型枠外に脱水・脱気
しながら養生硬化させること より成る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新設または既設の
建設物、その他土木コンクリート構造体のコンクリート
の表面の補強層と仕上層とを同時に満足させるととも
に、傷のないコンクリート構造体の製造法に関する。
建設物、その他土木コンクリート構造体のコンクリート
の表面の補強層と仕上層とを同時に満足させるととも
に、傷のないコンクリート構造体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート打設工事、PCコンクリー
ト製品においてコンクリートを打設した後、コンクリー
ト中の余剰水、気泡が型枠外に排出しないために、コン
クリート表面にジャンカ、あばた等が発生する。更に、
水セメント比が大きいため表面の乾燥収縮が大きく、コ
ンクリート自体がひび割れを起したり、かぶりコンクリ
ートの中性化、塩素イオンの侵入により鉄筋の腐蝕によ
るひび割れが発生し著しい強度の低下を引き起こす大き
な原因となっている。近年、鉄筋コンクリート構造物の
耐久性が問題視されるようになり、そのためにコンクリ
ートの耐久性が向上する必要が生じてきた。
ト製品においてコンクリートを打設した後、コンクリー
ト中の余剰水、気泡が型枠外に排出しないために、コン
クリート表面にジャンカ、あばた等が発生する。更に、
水セメント比が大きいため表面の乾燥収縮が大きく、コ
ンクリート自体がひび割れを起したり、かぶりコンクリ
ートの中性化、塩素イオンの侵入により鉄筋の腐蝕によ
るひび割れが発生し著しい強度の低下を引き起こす大き
な原因となっている。近年、鉄筋コンクリート構造物の
耐久性が問題視されるようになり、そのためにコンクリ
ートの耐久性が向上する必要が生じてきた。
【0003】そこで、特開平2−28664号公報(特
願昭63−187664号)の明細書の特許請求の範
囲、特開平2−308049号公報(特願平1−127
623)の明細書の特許請求の範囲に示すように、型枠
の内側に各種の織布、不織布などの内張材を内張り貼着
して打設コンクリート中の余剰水や気泡を型枠外に排出
する工法が採用されている。一方、コンクリート構造物
の壁面は、通常塗装仕上げや洗い出しを行って美観の表
現がなされ、近年は特に壁面に天然石の仕上げをして建
築物の美観を追求した仕上げ工法がとられている。
願昭63−187664号)の明細書の特許請求の範
囲、特開平2−308049号公報(特願平1−127
623)の明細書の特許請求の範囲に示すように、型枠
の内側に各種の織布、不織布などの内張材を内張り貼着
して打設コンクリート中の余剰水や気泡を型枠外に排出
する工法が採用されている。一方、コンクリート構造物
の壁面は、通常塗装仕上げや洗い出しを行って美観の表
現がなされ、近年は特に壁面に天然石の仕上げをして建
築物の美観を追求した仕上げ工法がとられている。
【0004】従来の方法で、かぶりコンクリートの水セ
メント比の小さい耐久性コンクリートを打設し、そのコ
ンクリート表面を美しく仕上げるためには、型枠の内側
に各種の織布、不織布などの内張材を内張りしたり粘着
させたりして、打設コンクリート中の余剰水、気泡を型
枠外に排出し、養生、硬化後、樹脂セメントモルタル、
塗料などを塗布、もしくは天然石の吹き付け、磁製タイ
ルや天然石板の貼り付けなどを行う必要があった。
メント比の小さい耐久性コンクリートを打設し、そのコ
ンクリート表面を美しく仕上げるためには、型枠の内側
に各種の織布、不織布などの内張材を内張りしたり粘着
させたりして、打設コンクリート中の余剰水、気泡を型
枠外に排出し、養生、硬化後、樹脂セメントモルタル、
塗料などを塗布、もしくは天然石の吹き付け、磁製タイ
ルや天然石板の貼り付けなどを行う必要があった。
【0005】特にレリーフ工法においては、型枠を合成
樹脂製として自由に模様形状を選んで型枠に賦型できる
ので、壁面における造形を楽しむことができるが、他方
型枠内面の深い凹凸部では、生コンクリート打設時にコ
ンクリート中の気泡、余剰水が残留し、コンクリートは
十分に充填されず欠損部や気泡の発生が多くみられる。
また型枠にコンクリートを打設したのみではコンクリー
トの表面強化はできず、あばた、ピンホール、豆板、コ
ールドジョント等が多く発生した。更に、これらレリー
フ模様の壁面仕上げ成型方法は多様な模様を簡単な施工
により表現することができ、熟練を要することなく美麗
な仕上がりとすることができるのであるが、レリーフ模
様は造形的な美しさに限られ、表面はコンクリートその
ままであるのが難点であった。
樹脂製として自由に模様形状を選んで型枠に賦型できる
ので、壁面における造形を楽しむことができるが、他方
型枠内面の深い凹凸部では、生コンクリート打設時にコ
ンクリート中の気泡、余剰水が残留し、コンクリートは
十分に充填されず欠損部や気泡の発生が多くみられる。
また型枠にコンクリートを打設したのみではコンクリー
トの表面強化はできず、あばた、ピンホール、豆板、コ
ールドジョント等が多く発生した。更に、これらレリー
フ模様の壁面仕上げ成型方法は多様な模様を簡単な施工
により表現することができ、熟練を要することなく美麗
な仕上がりとすることができるのであるが、レリーフ模
様は造形的な美しさに限られ、表面はコンクリートその
ままであるのが難点であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は叙記に鑑
み、コンクリート構造体表面に、バインダーで被覆した
細骨材の塗布、硬化により形成された多孔質の細骨材層
を補強層としてコンクリート構造体と複合一体とする製
造法であって、打設コンクリート中の余剰水分、気泡の
脱水、脱気性が良くコンクリート表層部が緻密で高硬度
であり、あばた、ジャンカの発生の少ない且つ補強層と
コンクリート構造体との界面の接合強度に優れしかも補
強層内に散在する細骨材の一部が打設コンクリートの表
面より点々と露出して岩石粒が散りばめられた洗いモル
タルの如き模様を発現出来る製造法をここに提供するこ
とを目的とする。
み、コンクリート構造体表面に、バインダーで被覆した
細骨材の塗布、硬化により形成された多孔質の細骨材層
を補強層としてコンクリート構造体と複合一体とする製
造法であって、打設コンクリート中の余剰水分、気泡の
脱水、脱気性が良くコンクリート表層部が緻密で高硬度
であり、あばた、ジャンカの発生の少ない且つ補強層と
コンクリート構造体との界面の接合強度に優れしかも補
強層内に散在する細骨材の一部が打設コンクリートの表
面より点々と露出して岩石粒が散りばめられた洗いモル
タルの如き模様を発現出来る製造法をここに提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】天然およびもしくは人工
細骨材と、この細骨材各々を被覆して相互に結着するに
足る比較的少量の無機もしくは有機のバインダーとを混
練すること、得られた被覆細骨材を型枠内面に塗布・硬
化させて多孔質の細骨材層を形成すること、当該細骨材
層の背面にコンクリートを打設すること、及び打設コン
クリートに機械的な締め固めを与えて当該コンクリート
中の余剰水分及び気泡を前記細骨材層中の多孔隙を介し
て型枠外に脱水・脱気しながら養生硬化させること よ
り成る細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート
構造体の製造法である。
細骨材と、この細骨材各々を被覆して相互に結着するに
足る比較的少量の無機もしくは有機のバインダーとを混
練すること、得られた被覆細骨材を型枠内面に塗布・硬
化させて多孔質の細骨材層を形成すること、当該細骨材
層の背面にコンクリートを打設すること、及び打設コン
クリートに機械的な締め固めを与えて当該コンクリート
中の余剰水分及び気泡を前記細骨材層中の多孔隙を介し
て型枠外に脱水・脱気しながら養生硬化させること よ
り成る細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート
構造体の製造法である。
【0008】本発明に使用する型枠は、塗装合板、合板
の表面に合成樹脂フィルムを積層したもの、合成樹脂
体、金属薄板木片、軽量骨材をユリア樹脂、ユリア・メ
ラミン共重縮合樹脂、フェノール樹脂で成型圧縮したも
のなどの平板、もしくは所望の形状模様を表した金型、
木型などでプレス成型された所望の凹凸模様が賦型され
たものが使用される。
の表面に合成樹脂フィルムを積層したもの、合成樹脂
体、金属薄板木片、軽量骨材をユリア樹脂、ユリア・メ
ラミン共重縮合樹脂、フェノール樹脂で成型圧縮したも
のなどの平板、もしくは所望の形状模様を表した金型、
木型などでプレス成型された所望の凹凸模様が賦型され
たものが使用される。
【0009】細骨材は、天然産の火成岩(御影石)堆積
岩、変成岩(大理石、寒水石)の粉または粒状のもの、
もしくは川砂、硅砂、高炉砕、人工骨材にはセラミック
粒体や粘土質の着色焼成した陶磁器粒が単独乃至組み合
せて使用される。この細骨材同志を相互に結合するバイ
ンダーは、アクリル樹脂、EVA、スチレン樹脂、SB
R、NBRの溶液、またはエマルジョン、及びこれらを
変性した樹脂、もしくはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、MMA等の熱硬化性樹脂等の合成樹
脂系バインダーが挙げられ、特に耐アルカリ性、耐水性
などに優れ、且つ扱い易いと云う点でアクリル樹脂、E
VAが最も好ましく採用される。
岩、変成岩(大理石、寒水石)の粉または粒状のもの、
もしくは川砂、硅砂、高炉砕、人工骨材にはセラミック
粒体や粘土質の着色焼成した陶磁器粒が単独乃至組み合
せて使用される。この細骨材同志を相互に結合するバイ
ンダーは、アクリル樹脂、EVA、スチレン樹脂、SB
R、NBRの溶液、またはエマルジョン、及びこれらを
変性した樹脂、もしくはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、MMA等の熱硬化性樹脂等の合成樹
脂系バインダーが挙げられ、特に耐アルカリ性、耐水性
などに優れ、且つ扱い易いと云う点でアクリル樹脂、E
VAが最も好ましく採用される。
【0010】これ以外に、無機系バインダーを主体とす
るセメント及び硅酸系バインダーと、アクリル、EV
A、SBRなどのエマルジョンとの混合物も使用するこ
とができる。
るセメント及び硅酸系バインダーと、アクリル、EV
A、SBRなどのエマルジョンとの混合物も使用するこ
とができる。
【0011】細骨材とバインダーとの混練比率は、細骨
材同志が相互に接着し得る程度の比較的少量に定められ
るべきで、例えば平均粒径1〜2mmの着色焼成した陶
磁製細骨材粒をEVAエマルジョンで結合させる場合、
細骨材100(重量部)に対しEVAエマルジョン2〜
10(固形分重量部)が適当で、これにより25〜35
%の空隙率が得られる。
材同志が相互に接着し得る程度の比較的少量に定められ
るべきで、例えば平均粒径1〜2mmの着色焼成した陶
磁製細骨材粒をEVAエマルジョンで結合させる場合、
細骨材100(重量部)に対しEVAエマルジョン2〜
10(固形分重量部)が適当で、これにより25〜35
%の空隙率が得られる。
【0012】即ち、EVAの量が2部未満となると細骨
材粒相互の結合が達成されにくくなり、一方10部を越
えると細骨材粒間の空隙が過剰のバインダーにて充たさ
れることになるため、コンクリート中の余剰水、空気を
脱水脱気するための空隙率が縮小され、本発明の意図す
る効果が減退する傾向となる。
材粒相互の結合が達成されにくくなり、一方10部を越
えると細骨材粒間の空隙が過剰のバインダーにて充たさ
れることになるため、コンクリート中の余剰水、空気を
脱水脱気するための空隙率が縮小され、本発明の意図す
る効果が減退する傾向となる。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】以下に本発明の実施の
形態を図1とともに説明する。図1は本発明の望ましい
実施例によるコンクリート打設の枠組を示す概略縦断面
図である。1は内面に割石模様5を予め賦型しこの模様
5の内面に合成樹脂フィルム6を貼合してなる合成樹脂
製型枠である。2は細骨材でバインダー3によって表面
を被覆され各細骨材2相互が結着された混練物の形態で
上記合成樹脂フィルム6を介して型枠1の内面に所望の
厚みに塗布され硬化の後、多孔質の細骨材層7を形成す
る。
形態を図1とともに説明する。図1は本発明の望ましい
実施例によるコンクリート打設の枠組を示す概略縦断面
図である。1は内面に割石模様5を予め賦型しこの模様
5の内面に合成樹脂フィルム6を貼合してなる合成樹脂
製型枠である。2は細骨材でバインダー3によって表面
を被覆され各細骨材2相互が結着された混練物の形態で
上記合成樹脂フィルム6を介して型枠1の内面に所望の
厚みに塗布され硬化の後、多孔質の細骨材層7を形成す
る。
【0014】このような型枠組みを現場もしくは工場に
て用意し細骨材層7の背後の空間にコンクリートグラウ
トを打設する。打設コンクリート8に対しては機械的な
締め固め、代表的にはバイブレーター9による締め固め
が与えられる。打設後から養生硬化に至る間、打設コン
クリート8中の余剰水分、気泡は次の要領で型枠1外に
排除される。すなわち、細骨材層7は比較的少量のバイ
ンダー3の適用によりその内部に一例として20〜40
%の空隙率を保有しているので余剰水分、気泡はコンク
リートの側圧によりこの多孔質の細骨材層7の多数の空
隙を経て細骨材層7の内側から外側に排出される。
て用意し細骨材層7の背後の空間にコンクリートグラウ
トを打設する。打設コンクリート8に対しては機械的な
締め固め、代表的にはバイブレーター9による締め固め
が与えられる。打設後から養生硬化に至る間、打設コン
クリート8中の余剰水分、気泡は次の要領で型枠1外に
排除される。すなわち、細骨材層7は比較的少量のバイ
ンダー3の適用によりその内部に一例として20〜40
%の空隙率を保有しているので余剰水分、気泡はコンク
リートの側圧によりこの多孔質の細骨材層7の多数の空
隙を経て細骨材層7の内側から外側に排出される。
【0015】その上、バイブレーター9による締め固め
力が側圧を付勢することになるのでこの脱水、脱気は旺
盛となり、細骨材2が部分的な沈下分離をしても余剰水
分、気泡の部分的な停留を生起しない。脱水分、脱気分
を系外に導出するために図外の強制排出手段が望ましく
採択される。
力が側圧を付勢することになるのでこの脱水、脱気は旺
盛となり、細骨材2が部分的な沈下分離をしても余剰水
分、気泡の部分的な停留を生起しない。脱水分、脱気分
を系外に導出するために図外の強制排出手段が望ましく
採択される。
【0016】このように脱水、脱気が闊達なために、細
骨材層7及び打設コンクリート8間の界面に於けるセメ
ント水比を低減し打設コンクリート8表層部を緻密化し
表面強度の増大、炭酸ガスによるコンクリートの中性化
速度の遅延、塩分浸透性の低減、凍結融解抵抗性の向上
及びあばた、ジャンカの減少を図ることが出来る。これ
と共に余剰水分が型枠1に排出される際、コンクリート
中のセメント成分が細骨材層7の空隙部を充填硬化する
ことにより、打設コンクリート8と一体硬化するので界
面に於ける接合強度も高まる。また型枠1と細骨材層7
とは間に合成樹脂フィルム6を挟在させた場合はフィル
ム6によって、挟まない場合でも細骨材2の接触点の集
合よりなる多点接触のため脱型は容易である。養生硬化
後、型枠1を除去すると、図2の如く割石模様5の転写
模様51及び細骨材層7の模様、すなわち細骨材の一部
がコンクリート表面に点々と露出して岩石粒が散りばめ
られた洗いモルタルのような模様、が重畳された表面模
様4を有するコンクリート構造体81が得られる。
骨材層7及び打設コンクリート8間の界面に於けるセメ
ント水比を低減し打設コンクリート8表層部を緻密化し
表面強度の増大、炭酸ガスによるコンクリートの中性化
速度の遅延、塩分浸透性の低減、凍結融解抵抗性の向上
及びあばた、ジャンカの減少を図ることが出来る。これ
と共に余剰水分が型枠1に排出される際、コンクリート
中のセメント成分が細骨材層7の空隙部を充填硬化する
ことにより、打設コンクリート8と一体硬化するので界
面に於ける接合強度も高まる。また型枠1と細骨材層7
とは間に合成樹脂フィルム6を挟在させた場合はフィル
ム6によって、挟まない場合でも細骨材2の接触点の集
合よりなる多点接触のため脱型は容易である。養生硬化
後、型枠1を除去すると、図2の如く割石模様5の転写
模様51及び細骨材層7の模様、すなわち細骨材の一部
がコンクリート表面に点々と露出して岩石粒が散りばめ
られた洗いモルタルのような模様、が重畳された表面模
様4を有するコンクリート構造体81が得られる。
【0017】(実施例1)合板型枠1の片面に本出願人
の共有所有になる商標登録第2661917号「くりか
えシート」(厚み75ミクロンのポリエチレンシートの
裏面に接着剤塗布して硬化させ背面に剥離紙を貼合した
もの・・・、JCコンポジット製)の離型紙を剥離して
貼着する。樹脂被覆細骨材は次のように調整する。使用
細骨材は、天然石としての鳴門五色、鳴門錦もしくは鹿
島などと名付けられた丸みのある石や砕石を用いた。こ
の他として御影石、蛇紋岩など、人工石としてはガラス
質の石や陶片、粒状結晶質のセラミックサンドなどを用
いることも出来る。細骨材の粒径は0.5〜5mm程度
が適当である。
の共有所有になる商標登録第2661917号「くりか
えシート」(厚み75ミクロンのポリエチレンシートの
裏面に接着剤塗布して硬化させ背面に剥離紙を貼合した
もの・・・、JCコンポジット製)の離型紙を剥離して
貼着する。樹脂被覆細骨材は次のように調整する。使用
細骨材は、天然石としての鳴門五色、鳴門錦もしくは鹿
島などと名付けられた丸みのある石や砕石を用いた。こ
の他として御影石、蛇紋岩など、人工石としてはガラス
質の石や陶片、粒状結晶質のセラミックサンドなどを用
いることも出来る。細骨材の粒径は0.5〜5mm程度
が適当である。
【0018】バインダー3としては三洋化成(株)製一
液性湿気硬化型ウレタンFLR−565(固形分)を用
い、細骨材2:バインダー3=100:5(重量部)の
割合で混練し、これに東芝シリコーン(株)製シランカ
ップリング剤TSL−8331及び溶剤シンナーを適当
に加えて樹脂被覆細骨材を調整する。調整された上記樹
脂被覆細骨材は、掲記の「くりかえシート」を貼着した
面を上面にして金ごて、または木ごてで塗布する。塗布
厚みは5〜10mmを標準とする。塗布後、空気中室温
で保持すれば、バインダー3が空気中の水分と反応して
硬化し、合板型枠1にポリエチレンシート6を介して細
骨材層7を形成した本発明の型枠を得る。
液性湿気硬化型ウレタンFLR−565(固形分)を用
い、細骨材2:バインダー3=100:5(重量部)の
割合で混練し、これに東芝シリコーン(株)製シランカ
ップリング剤TSL−8331及び溶剤シンナーを適当
に加えて樹脂被覆細骨材を調整する。調整された上記樹
脂被覆細骨材は、掲記の「くりかえシート」を貼着した
面を上面にして金ごて、または木ごてで塗布する。塗布
厚みは5〜10mmを標準とする。塗布後、空気中室温
で保持すれば、バインダー3が空気中の水分と反応して
硬化し、合板型枠1にポリエチレンシート6を介して細
骨材層7を形成した本発明の型枠を得る。
【0019】次に、直径9mmの鉄筋で組み立てた鉄筋
枠を中心にして当該型枠1を所定の位置に細骨材層7を
内側にして図外のセパレーターによって固定する。この
型枠1内にコンクリートを打設すると共に、フレキシブ
ルバイブレーター9で締め固めを行う。コンクリートの
配合は、水セメント比51%、単位水量147kg/m
2 、所定空気量4%、細骨材率37.6%、細骨材の最
大径25mm、スランプ6cm程度である。
枠を中心にして当該型枠1を所定の位置に細骨材層7を
内側にして図外のセパレーターによって固定する。この
型枠1内にコンクリートを打設すると共に、フレキシブ
ルバイブレーター9で締め固めを行う。コンクリートの
配合は、水セメント比51%、単位水量147kg/m
2 、所定空気量4%、細骨材率37.6%、細骨材の最
大径25mm、スランプ6cm程度である。
【0020】コンクリート打設後、約3時間の間に約
2.2l/m3 のコンクリート余剰水が型枠1外に流出
した。コンクリート打設後、4日間養生硬化後、型枠1
を脱型すると、型枠1とポリエチレンシート6が簡単に
脱型し細骨材層7の天然石模様を表面に備えたコンクリ
ート構造体81を得ることができた。なお、コンクリー
ト中のセメントは細骨材層7の空隙部に侵入一体化し、
剥脱をおこすようなことは全くなかった。
2.2l/m3 のコンクリート余剰水が型枠1外に流出
した。コンクリート打設後、4日間養生硬化後、型枠1
を脱型すると、型枠1とポリエチレンシート6が簡単に
脱型し細骨材層7の天然石模様を表面に備えたコンクリ
ート構造体81を得ることができた。なお、コンクリー
ト中のセメントは細骨材層7の空隙部に侵入一体化し、
剥脱をおこすようなことは全くなかった。
【0021】(実施例2)リブ付ハツリ模様5を浮き出
すために使用される発泡ポリスチレン型枠1を用意し
た。この型枠1は、スチレン樹脂の重合工程でプロパ
ン、ブタンなどの低沸点溶剤を含有させて重合させたも
のを、発泡射出成型法にて成型して製造したものであ
る。樹脂被覆細骨材は次のように調整した。天然石細骨
材2である鳴門五色100重量部に対し、バインダー3
としてのメチルメタアクリレート樹脂を5部の比率で添
加して、細骨材表面に均一に上記樹脂塗膜が形成するよ
うに混練して、樹脂被覆骨材を得た。
すために使用される発泡ポリスチレン型枠1を用意し
た。この型枠1は、スチレン樹脂の重合工程でプロパ
ン、ブタンなどの低沸点溶剤を含有させて重合させたも
のを、発泡射出成型法にて成型して製造したものであ
る。樹脂被覆細骨材は次のように調整した。天然石細骨
材2である鳴門五色100重量部に対し、バインダー3
としてのメチルメタアクリレート樹脂を5部の比率で添
加して、細骨材表面に均一に上記樹脂塗膜が形成するよ
うに混練して、樹脂被覆骨材を得た。
【0022】ついで、前記リブ付ハツリ模様5を形成し
た型枠1の凹凸模様面を上面にして、調整された樹脂被
覆細骨材を厚み10mmで塗布硬化させ細骨材層7を得
た。この型枠1を実施例1と同様、枠組みしコンクリー
トを打設、約4日間養生後、型枠1を脱型すると美麗な
鳴門五色の細骨材層7に加えてハツリ模様5の転写模様
51を併備した表面模様4のあるコンクリート構造体8
1を得ることができた。
た型枠1の凹凸模様面を上面にして、調整された樹脂被
覆細骨材を厚み10mmで塗布硬化させ細骨材層7を得
た。この型枠1を実施例1と同様、枠組みしコンクリー
トを打設、約4日間養生後、型枠1を脱型すると美麗な
鳴門五色の細骨材層7に加えてハツリ模様5の転写模様
51を併備した表面模様4のあるコンクリート構造体8
1を得ることができた。
【0023】
【発明の効果】本発明を実施すれば、次のような効果を
奏する。 1.型枠内面に保持された多孔質の細骨材層の背後にコ
ンクリートを打設することによってコンクリート構造体
と細骨材層とを即複合一体とさせるものであるから、施
工現場で簡単且つ経済的に実施し得るもので、タイルや
天然石を個当りコンクリート表面に張付ける方法に比し
て熟練が不要で作業性も遙かに優れる。
奏する。 1.型枠内面に保持された多孔質の細骨材層の背後にコ
ンクリートを打設することによってコンクリート構造体
と細骨材層とを即複合一体とさせるものであるから、施
工現場で簡単且つ経済的に実施し得るもので、タイルや
天然石を個当りコンクリート表面に張付ける方法に比し
て熟練が不要で作業性も遙かに優れる。
【0024】2.上記製造過程でコンクリート中の余剰
水、気泡を細骨材層の多孔隙を介して型枠外に脱水、脱
気出来るので、コンクリートの水セメント比を低くコン
クリートの耐久性を向上し同時にあばた、ジャンカをな
くして美しくて堅固なコンクリート構造体を得られる。
水、気泡を細骨材層の多孔隙を介して型枠外に脱水、脱
気出来るので、コンクリートの水セメント比を低くコン
クリートの耐久性を向上し同時にあばた、ジャンカをな
くして美しくて堅固なコンクリート構造体を得られる。
【0025】3.同じく上記多孔隙内にセメントが侵
入、硬化することにより構造体と細骨材層との接合強度
は高く且つ細骨材層は細骨材リッチなコンクリート層と
なるので構造体表面の表面硬度が向上し耐久性も優れ
る。
入、硬化することにより構造体と細骨材層との接合強度
は高く且つ細骨材層は細骨材リッチなコンクリート層と
なるので構造体表面の表面硬度が向上し耐久性も優れ
る。
【0026】4.細骨材層中の細骨材の一部が散見的に
露呈することによって一見、洗いモルタル表面の岩粒の
ちりばめ模様を添える。更に加えて型枠内面の凹凸模様
を複合させることも出来るので、表層部の模様に立体感
を豊かにすることが出来る。
露呈することによって一見、洗いモルタル表面の岩粒の
ちりばめ模様を添える。更に加えて型枠内面の凹凸模様
を複合させることも出来るので、表層部の模様に立体感
を豊かにすることが出来る。
【0027】5.細骨材層はバインダー、代表的には合
成樹脂バインダーで被覆されているから、耐候性があ
り、汚染され難く洗浄が容易である。
成樹脂バインダーで被覆されているから、耐候性があ
り、汚染され難く洗浄が容易である。
【図1】本発明製造法を実施するコンクリート型枠組み
の一例を示す縦断面図。
の一例を示す縦断面図。
【図2】図1の型枠組みを用いて製造したコンクリート
構造体の合成樹脂フィルムを剥離した状態の斜視図。
構造体の合成樹脂フィルムを剥離した状態の斜視図。
1 型枠 2 細骨材 3 バインダー 4 表面模様 5 割石模様(ハツリ模様) 51 割石模様の転写模様 6 合成樹脂フィルム 7 細骨材層 8 打設コンクリート 81 コンクリート構造体 9 バイブレーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B28B 7/36 B28B 7/36
Claims (5)
- 【請求項1】 天然およびもしくは人工細骨材と、この
細骨材各々を被覆して相互に結着するに足る比較的少量
の無機もしくは有機のバインダーとを混練すること、得
られた被覆細骨材を型枠内面に塗布・硬化させて多孔質
の細骨材層を形成すること、当該細骨材層の背面にコン
クリートを打設すること、及び打設コンクリートに機械
的な締め固めを与えて当該コンクリート中の余剰水分及
び気泡を前記細骨材層中の多孔隙を介して型枠外に脱水
・脱気しながら養生硬化させること より成る細骨材に
よる補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造
法。 - 【請求項2】 細骨材100重量部に対してバインダー
(固形分)が2〜10重量部、細骨材層中の空隙率が2
0〜40%である請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 型枠が塗装合板、内面に合成樹脂フィル
ムを積層した合板、合成樹脂板、金属薄板又は木片もし
くは軽量骨材をユリア樹脂、ユリアメラミン共重合樹脂
及びフェノール樹脂から選ばれたバインダーによって圧
縮成型した平板或は所望の凹凸模様を内面に賦型した上
記圧縮成型板からなる請求項1記載の製造法。 - 【請求項4】 天然産もしくは人工細骨材が、火成岩、
堆積岩、変成岩、川砂、硅砂、高炉砕及びセラミックか
らなる粉または粒のいずれかより選ばれた請求項1記載
の製造法。 - 【請求項5】 バインダーがアクリル樹脂、EVA、ス
チレン樹脂、SBR、NBRの溶液またはエマルジョ
ン、及びこれらの変性した樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、MMA等の熱硬化性樹脂、
及びセメント及び硅酸系接着剤とこれらの有機エマルジ
ョン系との混合物のいずれかより選ばれた請求項1記載
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29370495A JPH09112028A (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29370495A JPH09112028A (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09112028A true JPH09112028A (ja) | 1997-04-28 |
Family
ID=17798162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29370495A Pending JPH09112028A (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09112028A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016160715A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 清水建設株式会社 | コンクリート成形用型枠およびその製造方法ならびに表面に段差を有するコンクリートの製造方法 |
CN116818593A (zh) * | 2023-06-20 | 2023-09-29 | 深圳市房屋安全和工程质量检测鉴定中心 | 一种骨料坚固性试验装置及方法 |
-
1995
- 1995-10-16 JP JP29370495A patent/JPH09112028A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016160715A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 清水建設株式会社 | コンクリート成形用型枠およびその製造方法ならびに表面に段差を有するコンクリートの製造方法 |
CN116818593A (zh) * | 2023-06-20 | 2023-09-29 | 深圳市房屋安全和工程质量检测鉴定中心 | 一种骨料坚固性试验装置及方法 |
CN116818593B (zh) * | 2023-06-20 | 2024-03-29 | 深圳市房屋安全和工程质量检测鉴定中心 | 一种骨料坚固性试验装置及方法 |
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