JP3227771B2 - 非水電解液二次電池およびその製造法 - Google Patents
非水電解液二次電池およびその製造法Info
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- JP3227771B2 JP3227771B2 JP08062492A JP8062492A JP3227771B2 JP 3227771 B2 JP3227771 B2 JP 3227771B2 JP 08062492 A JP08062492 A JP 08062492A JP 8062492 A JP8062492 A JP 8062492A JP 3227771 B2 JP3227771 B2 JP 3227771B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は正極活物質としてリチウ
ム塩を、負極にリチウムを吸蔵放出する材料を用いた非
水電解液二次電池およびその製造法に関する。
ム塩を、負極にリチウムを吸蔵放出する材料を用いた非
水電解液二次電池およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムまたはリチウム化合物を負極に
用いた非水電解液二次電池は高電圧,高エネルギー密度
電池となることが期待され、実用化に向けて数多くの研
究が行われている。
用いた非水電解液二次電池は高電圧,高エネルギー密度
電池となることが期待され、実用化に向けて数多くの研
究が行われている。
【0003】従来、非水電解液二次電池の正極活物質と
してはV2O5,Cr2O5,MnO2,TiS2などが知ら
れている。また、最近ThackrayらによってLi
Mn2O4が上記電池系の正極活物質になりうることが報
告された(マテリアルリサーチ ブレチン1983年1
8巻461−472ページ)。この正極活物質Li xM
n2O4のX値と開路電位の関係を図2に示す。電位曲線
は4.0V付近と2.8V付近に平坦部をもち、2段と
なる。したがって、充放電の電圧範囲を4.5Vから3
Vまでとし、4.0V付近の電位平坦部を用いて、充放
電サイクルを行なうことにより、4V級の二次電池とし
て使用することができる。また、正極活物質LixCo
O2のX値と開路電圧の関係を図3に示した。電位曲線
は4.0V付近と1.2V付近に電位平坦部を持ち、こ
の場合も図2と同様に4.0V付近の電位平坦部を用い
て充放電サイクルを行なうことにより、4V級の二次電
池として使用することができる。
してはV2O5,Cr2O5,MnO2,TiS2などが知ら
れている。また、最近ThackrayらによってLi
Mn2O4が上記電池系の正極活物質になりうることが報
告された(マテリアルリサーチ ブレチン1983年1
8巻461−472ページ)。この正極活物質Li xM
n2O4のX値と開路電位の関係を図2に示す。電位曲線
は4.0V付近と2.8V付近に平坦部をもち、2段と
なる。したがって、充放電の電圧範囲を4.5Vから3
Vまでとし、4.0V付近の電位平坦部を用いて、充放
電サイクルを行なうことにより、4V級の二次電池とし
て使用することができる。また、正極活物質LixCo
O2のX値と開路電圧の関係を図3に示した。電位曲線
は4.0V付近と1.2V付近に電位平坦部を持ち、こ
の場合も図2と同様に4.0V付近の電位平坦部を用い
て充放電サイクルを行なうことにより、4V級の二次電
池として使用することができる。
【0004】一方、負極としては、金属リチウムが多く
検討されてきた。しかし、充電時にリチウム表面に樹脂
状のリチウムが析出し、充放電サイクルを重ねると充放
電効率の低下もしくは正極と接することによる内部短絡
を生じるという問題を有していた。そこで、リチウムの
樹脂状成長を抑制し、リチウムを吸蔵,放出できる材料
として各種炭素材料やアルミニウムなどの金属,合金あ
るいは酸化物などが検討されている。
検討されてきた。しかし、充電時にリチウム表面に樹脂
状のリチウムが析出し、充放電サイクルを重ねると充放
電効率の低下もしくは正極と接することによる内部短絡
を生じるという問題を有していた。そこで、リチウムの
樹脂状成長を抑制し、リチウムを吸蔵,放出できる材料
として各種炭素材料やアルミニウムなどの金属,合金あ
るいは酸化物などが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の電池では、炭素材料やアルミニウム金属などの負
極活物質と、正極活物質としてのLiMn2O4,LiM
nO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2あるい
はγ−LiV2O5とを用いて電池を構成したとき、1回
目の充電で正極活物質から放出されたリチウムが、負極
活物質に吸蔵され、続く放電ではこの逆反応が起こり、
リチウムイオンは負極活物質から放出され、正極活物質
に吸蔵される。したがって、この電池反応に関与するリ
チウムイオンは最初に正極中に存在するリチウムイオン
のみとなり、このリチウムイオンの量が電池容量を決定
する。ところが、前記の負極活物質を用いたとき、1回
目の充電で負極活物質中に吸蔵されたリチウムイオン
は、続く放電でそのすべてを放出することができない
(1回目の充電で負極活物質に吸蔵されたリチウムイオ
ン量と1回目の放電で負極活物質中から放出されるリチ
ウムイオン量を比較すると前者の法が大きくなる:充放
電容量差)。このように1回目の充電で負極活物質中に
取り込まれ、以後の電池反応に関与しないリチウムイオ
ンが存在するため、電池中で可逆的に移動可能なリチウ
ムイオンが減少し、電池の容量が低下する。
従来の電池では、炭素材料やアルミニウム金属などの負
極活物質と、正極活物質としてのLiMn2O4,LiM
nO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2あるい
はγ−LiV2O5とを用いて電池を構成したとき、1回
目の充電で正極活物質から放出されたリチウムが、負極
活物質に吸蔵され、続く放電ではこの逆反応が起こり、
リチウムイオンは負極活物質から放出され、正極活物質
に吸蔵される。したがって、この電池反応に関与するリ
チウムイオンは最初に正極中に存在するリチウムイオン
のみとなり、このリチウムイオンの量が電池容量を決定
する。ところが、前記の負極活物質を用いたとき、1回
目の充電で負極活物質中に吸蔵されたリチウムイオン
は、続く放電でそのすべてを放出することができない
(1回目の充電で負極活物質に吸蔵されたリチウムイオ
ン量と1回目の放電で負極活物質中から放出されるリチ
ウムイオン量を比較すると前者の法が大きくなる:充放
電容量差)。このように1回目の充電で負極活物質中に
取り込まれ、以後の電池反応に関与しないリチウムイオ
ンが存在するため、電池中で可逆的に移動可能なリチウ
ムイオンが減少し、電池の容量が低下する。
【0006】そこで、正極活物質にLixMn2O4,L
isxMnO2,LixCoO2,LixNiO2,LixFe
O2あるいはγ−LixV2O5(X>1)を用い、負極活
物質に吸蔵され、放出されないリチウムイオンを、正極
活物質中に存在する過剰のリチウムイオンで補うことが
検討されてきた。
isxMnO2,LixCoO2,LixNiO2,LixFe
O2あるいはγ−LixV2O5(X>1)を用い、負極活
物質に吸蔵され、放出されないリチウムイオンを、正極
活物質中に存在する過剰のリチウムイオンで補うことが
検討されてきた。
【0007】このようなLiを過剰に含む正極活物質の
合成法としては、原料仕入時に過剰にリチウム塩を加え
る方法や、特開平2−265167号公報に開示されて
いるように正極活物質粉末をブチルリチウムでリチウム
化する提案がなされている。またTarasconらは
NaMo2O4をヨウ化リチウムを用いてイオン交換反応
によって過剰のリチウムを有するLixMo2O4を得る
方法を提案している。(米国特許第4710439号明
細書)。
合成法としては、原料仕入時に過剰にリチウム塩を加え
る方法や、特開平2−265167号公報に開示されて
いるように正極活物質粉末をブチルリチウムでリチウム
化する提案がなされている。またTarasconらは
NaMo2O4をヨウ化リチウムを用いてイオン交換反応
によって過剰のリチウムを有するLixMo2O4を得る
方法を提案している。(米国特許第4710439号明
細書)。
【0008】しかし、例えば、原料合成時に過剰のリチ
ウムを仕込み、加熱して得たLixMn2O4,LixMn
O2,LixCoO2,LixNiO2,LixFeO2ある
いはγ−LixV2O5(X>1)は空気中の水分等と反応
し、LiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiN
iO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5とLiOH
などに分解してしまう。このため、LixMn2O4,L
ixMnO2,LixCoO2,LixNiO2,LixFe
O2あるいはγ−LixV2O5(X>1)を合成したあと
で行われる粉砕や分級工程で、溶媒として水を使用する
ことができず、さらにこれらの工程を湿気を取り除いた
不活性ガス雰囲気中や乾燥空気中などで行なう必要があ
った。また、正極活物質合成後、正極活物質粉末をブチ
ルリチウムなどのリチウム化剤に浸漬し、リチウムを正
極活物質中にドープする方法においても、過剰のリチウ
ムを含む正極活物質は水分に対して不安定で、空気中の
水分などと反応するため、正極活物質と導電剤と結着剤
からなる電極板を作製する際、乾燥雰囲気中で非水系の
溶媒を用いる必要がある。
ウムを仕込み、加熱して得たLixMn2O4,LixMn
O2,LixCoO2,LixNiO2,LixFeO2ある
いはγ−LixV2O5(X>1)は空気中の水分等と反応
し、LiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiN
iO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5とLiOH
などに分解してしまう。このため、LixMn2O4,L
ixMnO2,LixCoO2,LixNiO2,LixFe
O2あるいはγ−LixV2O5(X>1)を合成したあと
で行われる粉砕や分級工程で、溶媒として水を使用する
ことができず、さらにこれらの工程を湿気を取り除いた
不活性ガス雰囲気中や乾燥空気中などで行なう必要があ
った。また、正極活物質合成後、正極活物質粉末をブチ
ルリチウムなどのリチウム化剤に浸漬し、リチウムを正
極活物質中にドープする方法においても、過剰のリチウ
ムを含む正極活物質は水分に対して不安定で、空気中の
水分などと反応するため、正極活物質と導電剤と結着剤
からなる電極板を作製する際、乾燥雰囲気中で非水系の
溶媒を用いる必要がある。
【0009】本発明はこのような課題を解決するもの
で、負極の充放電容量差に起因する放電容量低下がな
く、製造が簡便な非水電解液二次電池およびその製造法
を提供することを目的とするものである。
で、負極の充放電容量差に起因する放電容量低下がな
く、製造が簡便な非水電解液二次電池およびその製造法
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は正極活物質を含む電極板を作製し、これをブ
チルリチウム,フェニルリチウム,ナフチルリチウムあ
るいはヨウ化リチウムなどのリチウム化剤を含む液に浸
漬して作製した正極板を用いて電池を構成するようにし
たものである。
に本発明は正極活物質を含む電極板を作製し、これをブ
チルリチウム,フェニルリチウム,ナフチルリチウムあ
るいはヨウ化リチウムなどのリチウム化剤を含む液に浸
漬して作製した正極板を用いて電池を構成するようにし
たものである。
【0011】また、正,負両極をセパレータを介して対
向させてなる電極体を上記リチウム化剤を含む液に浸漬
した後、電池を構成するようにしたものである。
向させてなる電極体を上記リチウム化剤を含む液に浸漬
した後、電池を構成するようにしたものである。
【0012】また電極体を電槽中に挿入し、電槽中にリ
チウム化剤を含む液を注入し、電解液を加え、封口して
電池を作製するようにしたものである。
チウム化剤を含む液を注入し、電解液を加え、封口して
電池を作製するようにしたものである。
【0013】
【作用】本発明の非水電解液二次電池およびその製造法
によればLiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,L
iNiO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5をブチ
ルリチウム,フェニルリチウムあるいはヨウ化リチウム
などのリチウム化剤を含む液に浸漬する工程を、正極活
物質と導電剤と結着剤とを溶媒を用いて混練し、塗布,
乾燥し正極板を作製した後に行なうことで、正極板作製
までのすべての工程において、非水系の溶媒を用いる必
要がなく、作業雰囲気も湿気を取り除いた不活性ガス中
や乾燥空気中で行なう必要がない。さらに、上記電極体
を電槽中に挿入した後、電槽中に上記リチウム化剤を注
入することにより、電極浸漬時の電極の膨潤による電極
の緩みがなく、電池組立時の作業性を向上させることが
できる。
によればLiMn2O4,LiMnO2,LiCoO2,L
iNiO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5をブチ
ルリチウム,フェニルリチウムあるいはヨウ化リチウム
などのリチウム化剤を含む液に浸漬する工程を、正極活
物質と導電剤と結着剤とを溶媒を用いて混練し、塗布,
乾燥し正極板を作製した後に行なうことで、正極板作製
までのすべての工程において、非水系の溶媒を用いる必
要がなく、作業雰囲気も湿気を取り除いた不活性ガス中
や乾燥空気中で行なう必要がない。さらに、上記電極体
を電槽中に挿入した後、電槽中に上記リチウム化剤を注
入することにより、電極浸漬時の電極の膨潤による電極
の緩みがなく、電池組立時の作業性を向上させることが
できる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例の非水電解液二次電
池およびその製造法を図面を参照しながら説明する。
池およびその製造法を図面を参照しながら説明する。
【0015】(実施例1)LiMn2O4はLi2CO3と
Mn3O4とを3:4のモル比で混合し、900℃で加熱
することによって合成した。またLiCoO2はLi2C
O3とCoCo3を1:2のモル比で混合し、900℃で
加熱することによって合成した。LiMnO2はLi2C
O3とMnCO3を1:2のモル比で混合し、800℃で
加熱することにより得た。LiNiO2はLiOHとN
i(NO3)2を1:1のモル比で混合し800℃で加熱
することによって得た。LiFeO2はLi2CO3Fe
(OH)3を1:2のモル比で混合し650℃に加熱す
ることによって得た。γ−LiV2O5はLi2CO3とV
2O5を1:2で混合し700℃に加熱することにより得
た。さらに、これらを粉砕し、100メッシュ以下に分
級したものを正極活物質に用いた。
Mn3O4とを3:4のモル比で混合し、900℃で加熱
することによって合成した。またLiCoO2はLi2C
O3とCoCo3を1:2のモル比で混合し、900℃で
加熱することによって合成した。LiMnO2はLi2C
O3とMnCO3を1:2のモル比で混合し、800℃で
加熱することにより得た。LiNiO2はLiOHとN
i(NO3)2を1:1のモル比で混合し800℃で加熱
することによって得た。LiFeO2はLi2CO3Fe
(OH)3を1:2のモル比で混合し650℃に加熱す
ることによって得た。γ−LiV2O5はLi2CO3とV
2O5を1:2で混合し700℃に加熱することにより得
た。さらに、これらを粉砕し、100メッシュ以下に分
級したものを正極活物質に用いた。
【0016】つぎに、負極板としては活物質である黒鉛
100gに対して結着剤としてポリフッ化エチレン10
gを加え、水を用いてペースト状にし、これをニッケル
の芯材に塗布,乾燥したものを用いた。
100gに対して結着剤としてポリフッ化エチレン10
gを加え、水を用いてペースト状にし、これをニッケル
の芯材に塗布,乾燥したものを用いた。
【0017】正の電極板は、正極活物質100gに対し
て導電剤として炭素粉末を10g、結着剤としてポリ四
フッ化エチレンを5g加え、水を加えて混練してペース
ト状にし、チタニウムの芯材に塗布し、乾燥して作製し
た。この電極板を1.65モル/リットルのn−ブチル
リチウムのヘキサン溶液に浸漬したものを正極板として
用いた。このとき正極活物質中のリチウムが15%過剰
であるようなLixMn2O4,LixMnO2,LixCo
O2,LixNiO2,LixFeO2あるいはγ−LixV
2O5のX値が1.15になる6種類の正極活物質を得
た。このような正極板を用い、以下の方法で電池
(A),(B),(C),(D),(E),(F)を作
製した。
て導電剤として炭素粉末を10g、結着剤としてポリ四
フッ化エチレンを5g加え、水を加えて混練してペース
ト状にし、チタニウムの芯材に塗布し、乾燥して作製し
た。この電極板を1.65モル/リットルのn−ブチル
リチウムのヘキサン溶液に浸漬したものを正極板として
用いた。このとき正極活物質中のリチウムが15%過剰
であるようなLixMn2O4,LixMnO2,LixCo
O2,LixNiO2,LixFeO2あるいはγ−LixV
2O5のX値が1.15になる6種類の正極活物質を得
た。このような正極板を用い、以下の方法で電池
(A),(B),(C),(D),(E),(F)を作
製した。
【0018】本実施例の電池の構成を図1に示す。電極
体はスポット溶接により取り付けた芯材と同材質の正極
リード4を有する正極板1と、負極リード5を有する負
極板2との間に、両極板より幅の広い帯状の多孔性ポリ
プロピレン製セパレータ3を介在させて全体を渦巻状に
捲回して構成する。さらに、上記電極体の上下それぞれ
にポリプロピレン製の絶縁板6,7を配して電槽8に挿
入し、電槽8の上部に段部8aを形成させた後、非水電
解液として、1モル/リットルの過塩素酸リチウムを溶
解したプロピレンカーボネート溶液を注入し、封口板9
で密閉して電池とする。
体はスポット溶接により取り付けた芯材と同材質の正極
リード4を有する正極板1と、負極リード5を有する負
極板2との間に、両極板より幅の広い帯状の多孔性ポリ
プロピレン製セパレータ3を介在させて全体を渦巻状に
捲回して構成する。さらに、上記電極体の上下それぞれ
にポリプロピレン製の絶縁板6,7を配して電槽8に挿
入し、電槽8の上部に段部8aを形成させた後、非水電
解液として、1モル/リットルの過塩素酸リチウムを溶
解したプロピレンカーボネート溶液を注入し、封口板9
で密閉して電池とする。
【0019】また比較例1として、正極活物質にLiM
n2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,L
iFeO2,r−LiV2O5をそれぞれ使用し、正極活
物質100gに対して導電剤として炭素粉末を10g,
結着剤としてポリ四フッ化エチレンを5g加え、水を加
えて混練してペースト状にし、チタニウムの芯材に塗布
し、乾燥し作製した正極板と、実施例1と同様に作製し
た負極板を用い、実施例1と同様の方法で作製した電池
を(a1),(b1),(c1),(d1),(e
1),(f1)とする。また、比較例2として、上記正
極活物質粉末をn−ブチルリチウムを含む液に浸漬し、
比較例1と同様の方法で作製した正極板を用いた電池を
(a2),(b2),(c2),(d2),(e2),
(f2)とする。このようにして作製した電池を(表
1)にまとめた。
n2O4,LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,L
iFeO2,r−LiV2O5をそれぞれ使用し、正極活
物質100gに対して導電剤として炭素粉末を10g,
結着剤としてポリ四フッ化エチレンを5g加え、水を加
えて混練してペースト状にし、チタニウムの芯材に塗布
し、乾燥し作製した正極板と、実施例1と同様に作製し
た負極板を用い、実施例1と同様の方法で作製した電池
を(a1),(b1),(c1),(d1),(e
1),(f1)とする。また、比較例2として、上記正
極活物質粉末をn−ブチルリチウムを含む液に浸漬し、
比較例1と同様の方法で作製した正極板を用いた電池を
(a2),(b2),(c2),(d2),(e2),
(f2)とする。このようにして作製した電池を(表
1)にまとめた。
【0020】
【表1】
【0021】上記の電池を(表1)に示す電圧範囲で、
充放電電流を0.5mAh/cm2で充放電を行った。(表
2)にその結果をまとめた。
充放電電流を0.5mAh/cm2で充放電を行った。(表
2)にその結果をまとめた。
【0022】
【表2】
【0023】正極活物質LixMn2O4は図2に示すよ
うに、充電によりリチウムを放出し、放電により放出し
たリチウムを吸蔵することによって電位が変化する。そ
して、3.0Vから4.5Vまでの充放電を行なうこと
によって、x値は1.0から0.3まで変化し、3.0
Vから4.5Vまでの充放電に使用することができるリ
チウム量は約0.7電子である。したがって、この正極
活物質を用いた場合、3.0Vから4.5Vまでの充放
電で使用可能なリチウムすべて(0.7電子)を反応に
用いることにより、高容量の電池を構成することができ
る。
うに、充電によりリチウムを放出し、放電により放出し
たリチウムを吸蔵することによって電位が変化する。そ
して、3.0Vから4.5Vまでの充放電を行なうこと
によって、x値は1.0から0.3まで変化し、3.0
Vから4.5Vまでの充放電に使用することができるリ
チウム量は約0.7電子である。したがって、この正極
活物質を用いた場合、3.0Vから4.5Vまでの充放
電で使用可能なリチウムすべて(0.7電子)を反応に
用いることにより、高容量の電池を構成することができ
る。
【0024】しかし、負極に黒鉛を用いた比較例の電池
(a1)は、1サイクル目の充電容量が410mAhで
あるのに対し、放電容量は328mAhであり、充電と
放電の容量差が82mAhあった。この1サイクル目で
生じた充放電容量差82mAh分のリチウムは負極活物
質である黒鉛中に吸蔵され、以後の充放電反応にはには
関与しない。このため、2サイクル目の電池容量は32
7mAhとなった。この場合、1サイクル目の充電で
0.15電子分のリチウムが黒鉛に吸蔵されたまま、以
後の電池反応に関与しないので、充放電を行なうことに
よって、正極活物質LixMn2O4のX値は0.85か
ら0.3の範囲で変化し、充放電に使用されるリチウム
量は0.55電子となる。したがって、負極に黒鉛を用
いた場合、約20%の電池容量低下となる。正極活物質
としてLiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,Li
FeO2あるいはr−LiV2O5を用いた比較例1の電
池(b1),(c1),(d1),(e1),(f1)
についても同様の理由で2サイクル目の電池容量が32
0mAh〜390mAh程度になってしまう。
(a1)は、1サイクル目の充電容量が410mAhで
あるのに対し、放電容量は328mAhであり、充電と
放電の容量差が82mAhあった。この1サイクル目で
生じた充放電容量差82mAh分のリチウムは負極活物
質である黒鉛中に吸蔵され、以後の充放電反応にはには
関与しない。このため、2サイクル目の電池容量は32
7mAhとなった。この場合、1サイクル目の充電で
0.15電子分のリチウムが黒鉛に吸蔵されたまま、以
後の電池反応に関与しないので、充放電を行なうことに
よって、正極活物質LixMn2O4のX値は0.85か
ら0.3の範囲で変化し、充放電に使用されるリチウム
量は0.55電子となる。したがって、負極に黒鉛を用
いた場合、約20%の電池容量低下となる。正極活物質
としてLiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,Li
FeO2あるいはr−LiV2O5を用いた比較例1の電
池(b1),(c1),(d1),(e1),(f1)
についても同様の理由で2サイクル目の電池容量が32
0mAh〜390mAh程度になってしまう。
【0025】これに対して本実施例の一つである電池
(A)は、正極活物質中に電池(a1)で発生した充放
電容量差分のリチウムをあらかじめ過剰に吸蔵させたL
ixMn2O4(X=1.15)を用いている。実際に充
放電を行なうと電池(A)の1サイクル目の充電容量は
493mAhであり、放電容量は411mAhである。
この場合も1サイクル目に82mAhの充放電容量差が
発生し、この82mAh分のリチウムは、電池(a1)
と同様に負極活物質である黒鉛中に吸蔵され、以後の充
放電反応には関与しない。しかし、負極活物質の黒鉛中
に吸蔵された充放電に関与しないリチウムは正極活物質
中に過剰に吸蔵させた0.15電子分のリチウムで補わ
れ、2サイクル目の充放電では、正極活物質LixMn2
O4のリチウム量Xは1.0から0.3の範囲で変化
し、充放電で使用されるリチウム量は0.7電子とな
る。したがって、負極活物質に起因する電池の容量低下
を解消することができる。また、電池(B),(C),
(D),(E),(F)についても同様で2サイクル目
の充放電容量を比較例1の電池(b1),(c1),
(d1),(e1),(f1)と比べると、どれも電池
容量が大きいことがわかる。
(A)は、正極活物質中に電池(a1)で発生した充放
電容量差分のリチウムをあらかじめ過剰に吸蔵させたL
ixMn2O4(X=1.15)を用いている。実際に充
放電を行なうと電池(A)の1サイクル目の充電容量は
493mAhであり、放電容量は411mAhである。
この場合も1サイクル目に82mAhの充放電容量差が
発生し、この82mAh分のリチウムは、電池(a1)
と同様に負極活物質である黒鉛中に吸蔵され、以後の充
放電反応には関与しない。しかし、負極活物質の黒鉛中
に吸蔵された充放電に関与しないリチウムは正極活物質
中に過剰に吸蔵させた0.15電子分のリチウムで補わ
れ、2サイクル目の充放電では、正極活物質LixMn2
O4のリチウム量Xは1.0から0.3の範囲で変化
し、充放電で使用されるリチウム量は0.7電子とな
る。したがって、負極活物質に起因する電池の容量低下
を解消することができる。また、電池(B),(C),
(D),(E),(F)についても同様で2サイクル目
の充放電容量を比較例1の電池(b1),(c1),
(d1),(e1),(f1)と比べると、どれも電池
容量が大きいことがわかる。
【0026】また、比較例2の電池(a2)〜(f2)
についてはリチウム化していない正極活物質を用いた電
池(a1)〜(f1)の電池と比較しても、さらに容量
が低下した。比較例2の電池(a2)に使用した正極板
のX線回折測定を行った結果を図4に示す。また、同時
に電池(a1)に使用した正極板のX線回折の結果も示
した。図4に示すように、(a1)に使用した電極板は
スピネル型のLiMn 2O4の回折図を示していることが
わかる。しかし、(a2)に使用した電極板は同じくスピ
ネル型のLiMn2O4の回析ピークを示すが、この他に
LiOHと思われる回折ピークを示した。これらのこと
から電池(a2)に用いた電極は過剰のリチウムを含ん
だLi1.15Mn2O4が極板作製時に使用した水と反応
し、LiMn2O4とLiOHに分割してしまったことが
考えられる。このように電池(a2)の電極中にLiO
Hが残留したために、電池容量が大きく低下したものと
思われる。電池(b2)〜(f2)についても同様の理
由で電池容量が低下していることがわかった。
についてはリチウム化していない正極活物質を用いた電
池(a1)〜(f1)の電池と比較しても、さらに容量
が低下した。比較例2の電池(a2)に使用した正極板
のX線回折測定を行った結果を図4に示す。また、同時
に電池(a1)に使用した正極板のX線回折の結果も示
した。図4に示すように、(a1)に使用した電極板は
スピネル型のLiMn 2O4の回折図を示していることが
わかる。しかし、(a2)に使用した電極板は同じくスピ
ネル型のLiMn2O4の回析ピークを示すが、この他に
LiOHと思われる回折ピークを示した。これらのこと
から電池(a2)に用いた電極は過剰のリチウムを含ん
だLi1.15Mn2O4が極板作製時に使用した水と反応
し、LiMn2O4とLiOHに分割してしまったことが
考えられる。このように電池(a2)の電極中にLiO
Hが残留したために、電池容量が大きく低下したものと
思われる。電池(b2)〜(f2)についても同様の理
由で電池容量が低下していることがわかった。
【0027】(実施例2)実施例1では負極活物質に黒
鉛材料を用いた場合について説明したが、本実施例では
負極活物質にさらに大きい充放電容量差を有するアルミ
ニウム粉末を用いた場合について説明する。
鉛材料を用いた場合について説明したが、本実施例では
負極活物質にさらに大きい充放電容量差を有するアルミ
ニウム粉末を用いた場合について説明する。
【0028】正極活物質にLiMn2O4を用いた電極板
は実施例1と同様に正極活物質100gに対して導電剤
として炭素粉末を10g,結着剤としてポリ4フッ化エ
チレンを5g加え、水を用いてペースト状にし、チタニ
ウムの芯材に塗布し、乾燥して作製した。この電極板を
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液に浸漬し、電極中の
LixMn2O4の値が1.35になる正極板を作製し
た。
は実施例1と同様に正極活物質100gに対して導電剤
として炭素粉末を10g,結着剤としてポリ4フッ化エ
チレンを5g加え、水を用いてペースト状にし、チタニ
ウムの芯材に塗布し、乾燥して作製した。この電極板を
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液に浸漬し、電極中の
LixMn2O4の値が1.35になる正極板を作製し
た。
【0029】負極としては活物質であるアルミニウム粉
末100gに対して結着剤としてポリフッ化エチレン1
0gを加え、水を用いてペースト状にし、これをニッケ
ルの芯材に塗布,乾燥したものを用いた。このようにし
て作製した正極板および負極板を用い、実施例1と同様
の方法で電池を組み立てた。この電池を(G)とする。
また比較例としてLiMn2O4を正極活物質に用い、リ
チウム化処理を行わない正極板と、負極活物質としてア
ルミニウム粉末を用いた負極板とで構成した電池を(g
1)とする。また、正極活物質粉末LiMn2O4をn−
ブチルリチウムを含むヘキサン溶液に浸漬して作製した
活物質Li1.35Mn2O4を用い、これと導電剤と結着剤
とを水を用いて混練して作製した正極板と上記負極板と
で作製した電池を(g2)とする。これらの電池
(G),(g1)および(g2)は電池範囲4.2V〜
3.0V,電流0.5mAh/cm2の条件で充放電を行
った。この結果を(表3)に示した。
末100gに対して結着剤としてポリフッ化エチレン1
0gを加え、水を用いてペースト状にし、これをニッケ
ルの芯材に塗布,乾燥したものを用いた。このようにし
て作製した正極板および負極板を用い、実施例1と同様
の方法で電池を組み立てた。この電池を(G)とする。
また比較例としてLiMn2O4を正極活物質に用い、リ
チウム化処理を行わない正極板と、負極活物質としてア
ルミニウム粉末を用いた負極板とで構成した電池を(g
1)とする。また、正極活物質粉末LiMn2O4をn−
ブチルリチウムを含むヘキサン溶液に浸漬して作製した
活物質Li1.35Mn2O4を用い、これと導電剤と結着剤
とを水を用いて混練して作製した正極板と上記負極板と
で作製した電池を(g2)とする。これらの電池
(G),(g1)および(g2)は電池範囲4.2V〜
3.0V,電流0.5mAh/cm2の条件で充放電を行
った。この結果を(表3)に示した。
【0030】
【表3】
【0031】正極活物質にLiMn2O4を用いた比較例
の電池(g1)の1サイクル目の充電容量は412mA
hであり、これに対する放電容量は206mAhtと非
常に小さい容量しか得られない。これは負極活物質に使
用したアルミニウム粉末の充放電容量差が大きく、20
6mAhもあることに起因する。これに対して本実施例
の電池(G)は正極活物質中に負極の充放電容量差を考
慮して過剰にリチウムを吸蔵したLixMn2O4(X=
1.35)を用いているため、1サイクル目の充電容量
は614mAhで、これに対する放電容量は411mA
hとなった。2サイクル目の充放電容量を本実施例の電
池(G)と比較例1の電池(g1)で比較すると本実施
例の電池(G)の容量が約2倍大きいことがわかる。ま
た、電池(g2)は、実施例1と同様の理由により、3
つの電池のうちで最も容量が小さいものとなった。
の電池(g1)の1サイクル目の充電容量は412mA
hであり、これに対する放電容量は206mAhtと非
常に小さい容量しか得られない。これは負極活物質に使
用したアルミニウム粉末の充放電容量差が大きく、20
6mAhもあることに起因する。これに対して本実施例
の電池(G)は正極活物質中に負極の充放電容量差を考
慮して過剰にリチウムを吸蔵したLixMn2O4(X=
1.35)を用いているため、1サイクル目の充電容量
は614mAhで、これに対する放電容量は411mA
hとなった。2サイクル目の充放電容量を本実施例の電
池(G)と比較例1の電池(g1)で比較すると本実施
例の電池(G)の容量が約2倍大きいことがわかる。ま
た、電池(g2)は、実施例1と同様の理由により、3
つの電池のうちで最も容量が小さいものとなった。
【0032】本実施例では正極活物質にLiMn2O4を
用いた例について説明したが、実施例1で示した正極活物
質LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFe
O2あるいはγ−LiV2O5の群より選ばれる少なくと
も1つを正極活物質とした場合でも同様の結果が得られ
た。
用いた例について説明したが、実施例1で示した正極活物
質LiMnO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFe
O2あるいはγ−LiV2O5の群より選ばれる少なくと
も1つを正極活物質とした場合でも同様の結果が得られ
た。
【0033】(実施例3)実施例1と同様に正極活物質
LiMn2O4100gと導電剤としての炭素粉末10g
と結着剤としてのポリフッ化エチレン10gを加え、水
を加えて、ペースト状にし、チタニウムの芯材に塗布
し、乾燥して電極とした。負極も実施例1と同様の方法
で作製した。さらに、正,負極との間に両極板より幅の
広い帯状のセパレータを介して全体を渦巻状に捲回して
構成したものを電極体とし、上記電極体の上下それぞれ
にポリプロピレン製の絶縁板を配して電槽に挿入し、n
−ブチルリチウムのヘキサン溶液を注入し所定の時間放
置した後、ヘキサン溶液を除去し、非水電解液として、
1モル/リットルの過塩素酸リチウムを溶解したプロピ
レンカーボネート溶液を注入し、封口板で密閉して電池
を構成した。この電池を(H)とする。 電池(H)の
充放電試験は、電圧範囲4.3〜3.0V,電波0.5
mAh/cm2の条件で充放電を行った。本実施例の電池
(H)の1,2サイKル目の充放電容量を(表4)に示
した。
LiMn2O4100gと導電剤としての炭素粉末10g
と結着剤としてのポリフッ化エチレン10gを加え、水
を加えて、ペースト状にし、チタニウムの芯材に塗布
し、乾燥して電極とした。負極も実施例1と同様の方法
で作製した。さらに、正,負極との間に両極板より幅の
広い帯状のセパレータを介して全体を渦巻状に捲回して
構成したものを電極体とし、上記電極体の上下それぞれ
にポリプロピレン製の絶縁板を配して電槽に挿入し、n
−ブチルリチウムのヘキサン溶液を注入し所定の時間放
置した後、ヘキサン溶液を除去し、非水電解液として、
1モル/リットルの過塩素酸リチウムを溶解したプロピ
レンカーボネート溶液を注入し、封口板で密閉して電池
を構成した。この電池を(H)とする。 電池(H)の
充放電試験は、電圧範囲4.3〜3.0V,電波0.5
mAh/cm2の条件で充放電を行った。本実施例の電池
(H)の1,2サイKル目の充放電容量を(表4)に示
した。
【0034】
【表4】
【0035】1サイクル目の充電容量は494mAh
で、放電容量は413mAhとなった。2サイクル目の
充放電容量を比較例の電池(a1)および(a2)と比
べると本実施例の電池(H)の法がそれぞれ85mA
h,104mAh大きい。このような正極と負極をセパ
レータを介して渦巻状にしたものを電槽に挿入し、そこ
にブチルリチウムの液を注入する方法で作製した電池も
実施例1,2と同等の結果を得た。
で、放電容量は413mAhとなった。2サイクル目の
充放電容量を比較例の電池(a1)および(a2)と比
べると本実施例の電池(H)の法がそれぞれ85mA
h,104mAh大きい。このような正極と負極をセパ
レータを介して渦巻状にしたものを電槽に挿入し、そこ
にブチルリチウムの液を注入する方法で作製した電池も
実施例1,2と同等の結果を得た。
【0036】また、電極板とセパレータを渦巻状に捲回
下ものをブチルリチウムやフェニルリチウムの液の浸漬
し、乾燥した後、電槽に挿入し、電解液を注入すること
によりより作製した電池も同様の効果があった。本実施
例の電池では、電極浸漬時の電極の膨潤による電極の緩
みがなく、電池組立時の作業性を向上させることができ
るなどの利点がある。
下ものをブチルリチウムやフェニルリチウムの液の浸漬
し、乾燥した後、電槽に挿入し、電解液を注入すること
によりより作製した電池も同様の効果があった。本実施
例の電池では、電極浸漬時の電極の膨潤による電極の緩
みがなく、電池組立時の作業性を向上させることができ
るなどの利点がある。
【0037】なお、本実施例では正極活物質にLiMn
2O4を負極活物質に黒鉛を用いた例について説明した
が、正極活物質として、LiMnO2,LiCoO2,L
iNiO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5、負極
活物質として第1目の充放電で容量差を有する負極例え
ば黒鉛材料やアルミニウムを用いるすべての組み合わせ
でも効果があることはいうまでもない。
2O4を負極活物質に黒鉛を用いた例について説明した
が、正極活物質として、LiMnO2,LiCoO2,L
iNiO2,LiFeO2あるいはγ−LiV2O5、負極
活物質として第1目の充放電で容量差を有する負極例え
ば黒鉛材料やアルミニウムを用いるすべての組み合わせ
でも効果があることはいうまでもない。
【0038】以上の実施例では、処理に用いるn−ブチ
ルリチウムの濃度と処理時間と化学的に定量した正極活
物質中のリチウム量を用いて検量線を作成し、これより
正極の活物質中のリチウム量を決定した。
ルリチウムの濃度と処理時間と化学的に定量した正極活
物質中のリチウム量を用いて検量線を作成し、これより
正極の活物質中のリチウム量を決定した。
【0039】なお、n−ブチルリチウムのみならず、s
ec−,tert−ブチルリチウムやフェニルリチウ
ム,ナフチルリチウム,ヨウ化リチウムなどのリチウム
化剤でも同様の効果が得られる。正極活物質との反応性
はtert−ブチルリチウム>sec−ブチルリチウム
>n−ブチルリチウム>フェニルリチウム>ナフチルリ
チウム>ヨウ化リチウムの順であった。ただし、作業上
取り扱いの最も容易なものはn−ブチルリチウムであっ
た。
ec−,tert−ブチルリチウムやフェニルリチウ
ム,ナフチルリチウム,ヨウ化リチウムなどのリチウム
化剤でも同様の効果が得られる。正極活物質との反応性
はtert−ブチルリチウム>sec−ブチルリチウム
>n−ブチルリチウム>フェニルリチウム>ナフチルリ
チウム>ヨウ化リチウムの順であった。ただし、作業上
取り扱いの最も容易なものはn−ブチルリチウムであっ
た。
【0040】さらに実施例では、電解液として1モル/
リットルの過塩素酸リチウムを溶解したプロピレンカー
ボネート溶液を用いた場合について説明したが、、溶質
として過塩素酸リチウム、6フッ化燐酸リチウムやトリ
フロロメタンスルフォン酸リチウム,ホウフッ化リチウ
ム、溶媒としてプロピレンカーボネート,エチレンカー
ボネートなどのカーボネート類、ガンマーブチルラクト
ン,酢酸メチルなどのエステル類を用いた電解液でも同
様の効果を得た。
リットルの過塩素酸リチウムを溶解したプロピレンカー
ボネート溶液を用いた場合について説明したが、、溶質
として過塩素酸リチウム、6フッ化燐酸リチウムやトリ
フロロメタンスルフォン酸リチウム,ホウフッ化リチウ
ム、溶媒としてプロピレンカーボネート,エチレンカー
ボネートなどのカーボネート類、ガンマーブチルラクト
ン,酢酸メチルなどのエステル類を用いた電解液でも同
様の効果を得た。
【0041】なお、黒鉛,アルミニウム粉末に限らず、
充放電容量差を有するリチウムを吸蔵,放出する物質た
とえばアルミ合金,WO2,Fe2O3などにも、この発
明は有効であることはいうもでもない。
充放電容量差を有するリチウムを吸蔵,放出する物質た
とえばアルミ合金,WO2,Fe2O3などにも、この発
明は有効であることはいうもでもない。
【0042】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなように
本発明によれば正極活物質LiMn2O4,LiMn
O2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2あるいは
γ−LiV2O5をブチルリチウムやフェニルリチウムな
どのリチウム化剤を含む液に浸漬することにより、以後
の製造工程で水を用いることができる。すなわちリチウ
ム化する工程を電極板作製後あるいは正極と負極をセパ
レータを介して対向させた電極体作製後に、さらにはこ
の電極体を電槽に挿入後などに行なうことにより、活物
質の粉砕,分級、さらに電極の作製時に、冷媒として水
を使用できる。また、これらの工程を湿気を取り除いた
不活性ガス雰囲気や乾燥空気中毒等で行なう必要なく、
作業効率が向上する。さらには、負極の充放電容量差に
起因する容量低下を伴うことがない電池を提供すること
ができ、産業上の意義は大きい。
本発明によれば正極活物質LiMn2O4,LiMn
O2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2あるいは
γ−LiV2O5をブチルリチウムやフェニルリチウムな
どのリチウム化剤を含む液に浸漬することにより、以後
の製造工程で水を用いることができる。すなわちリチウ
ム化する工程を電極板作製後あるいは正極と負極をセパ
レータを介して対向させた電極体作製後に、さらにはこ
の電極体を電槽に挿入後などに行なうことにより、活物
質の粉砕,分級、さらに電極の作製時に、冷媒として水
を使用できる。また、これらの工程を湿気を取り除いた
不活性ガス雰囲気や乾燥空気中毒等で行なう必要なく、
作業効率が向上する。さらには、負極の充放電容量差に
起因する容量低下を伴うことがない電池を提供すること
ができ、産業上の意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いた電池の構成を示す縦
断面図
断面図
【図2】同正極活物質LixMn2O4の活物質中のLi
量Xと開路電位の関係を示す図
量Xと開路電位の関係を示す図
【図3】同正極活物質LixCoO2の活物質中のLi量
Xと開路電位の関係を示す図
Xと開路電位の関係を示す図
【図4】電池(a1)と電池(a2)に使用した正極板
のX線回折図
のX線回折図
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極リード板 5 負極リード板 6 上部絶縁板 7 下部絶縁板 8 電槽 9 封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 吉徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−147573(JP,A) 特開 平4−181660(JP,A) 特開 平5−74485(JP,A) 特開 平5−226004(JP,A) 特開 平5−226003(JP,A) 特開 平5−234618(JP,A) 特開 平5−54912(JP,A) 特開 平5−54887(JP,A) 特開 平4−174968(JP,A) 特開 平1−286262(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/38 - 4/62 H01M 10/40
Claims (3)
- 【請求項1】 正極活物質としてのLiMn2O4,Li
MnO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2ある
いはγ−LiV2O5の群より選ばれる少なくとも一つ
と、導電剤と結着剤とからなる電極を、n−ブチルリチ
ウム,sec−ブチルリチウム,tert−ブチルリチ
ウム,フェニルリチウム,ナフチルリチウムあるいはヨ
ウ化リチウムの群より選ばれる少なくとも一つを含む液
に浸漬することにより作製した正極と、充電でリチウム
を吸蔵し放電でリチウムを放出する負極とを備えた非水
電解液二次電池。 - 【請求項2】 正極活物質としてのLiMn2O4,Li
MnO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2ある
いはγ−LiV2O5の群より選ばれる少なくとも一つを
用いた正極と、充電でリチウムを吸蔵し放電でリチウム
を放出する負極とをセパレータを介して対向させた後、
n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウム,ter
t−ブチルリチウム,フェニルリチウム,ナフチルリチ
ウムあるいはヨウ化リチウムの群から選ばれる少なくと
も一つを含む液に浸漬し、その後、前記正極と前記負極
を電槽内に入れ、さらに非水電解液を加える非水電解液
二次電池の製造法。 - 【請求項3】 正極活物質としてのLiMn2O4,Li
MnO2,LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2ある
いはγ−LiV2O5の群より選ばれる少なくとも一つを
用いた正極と、充電でリチウムを吸蔵し放電でリチウム
を放出する負極とをセパレータを介して対向させて電槽
内に入れ、n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウ
ム,tert−ブチルリチウム,フェニルリチウム,ナ
フチルリチウムあるいはヨウ化リチウムの群から選ばれ
る少なくとも一つを含む液を注入し、さらに非水電解液
を注入する非水電解液二次電池の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08062492A JP3227771B2 (ja) | 1991-07-19 | 1992-04-02 | 非水電解液二次電池およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-179319 | 1991-07-19 | ||
JP17931991 | 1991-07-19 | ||
JP08062492A JP3227771B2 (ja) | 1991-07-19 | 1992-04-02 | 非水電解液二次電池およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05135760A JPH05135760A (ja) | 1993-06-01 |
JP3227771B2 true JP3227771B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=26421618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08062492A Expired - Fee Related JP3227771B2 (ja) | 1991-07-19 | 1992-04-02 | 非水電解液二次電池およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3227771B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2126883C (en) * | 1993-07-15 | 2005-06-21 | Tomoari Satoh | Cathode material for lithium secondary battery and method for producing lithiated nickel dioxide and lithium secondary battery |
JP4447880B2 (ja) * | 2003-10-10 | 2010-04-07 | 株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション | リチウム含有オキシ水酸化ニッケルの製造方法およびそれを含む電極を備えた非水電解質電気化学セル |
WO2005082783A1 (ja) * | 2004-03-01 | 2005-09-09 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | リチウム含有オキシ水酸化鉄およびそれを含む非水電解質電気化学セルの製造方法 |
JP5461463B2 (ja) * | 2011-03-15 | 2014-04-02 | 三菱重工業株式会社 | 電極活物質およびこれを備えた二次電池用正極並びに二次電池 |
-
1992
- 1992-04-02 JP JP08062492A patent/JP3227771B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05135760A (ja) | 1993-06-01 |
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