JP3227655B2 - 長尺貨物の船積み方法及びコンテナ船 - Google Patents

長尺貨物の船積み方法及びコンテナ船

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JP3227655B2
JP3227655B2 JP27523193A JP27523193A JP3227655B2 JP 3227655 B2 JP3227655 B2 JP 3227655B2 JP 27523193 A JP27523193 A JP 27523193A JP 27523193 A JP27523193 A JP 27523193A JP 3227655 B2 JP3227655 B2 JP 3227655B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乱尺な長尺貨物(H型
鋼、山型鋼、溝型鋼、鋼矢板などの型鋼や各種の棒鋼や
鋼管類、あるいは、丸太、製材などの木製品、あるい
は、これらを組み立てて製造される各種の長尺構造物な
どの比較的長細い形状の貨物)などを水上輸送するのに
好適な長尺貨物の船積み方法及びコンテナ船に関する。
【0002】
【従来の技術】貨物の水上輸送において、省人化、省力
化を充分に図るためには、貨物をユニット化、究極的に
はコンテナ化するのが効果的である。しかし、乱尺な長
尺貨物のコンテナ化は、貨物の長さが極めて多様である
ため、コンテナ化のために第1番目に重要なコンテナ・
ユニットの単一サイズ化が困難である。この単一サイズ
化のために、もし、最長の貨物に対応して使用するコン
テナを極端に長尺なコンテナに統一した場合には、コン
テナ内の貨物の充填率の低下は勿論、これを従来の一般
的なコンテナ船に船積みすると積付効率が極端に悪くな
ってしまう。特にコンテナ貨物艙内前後端部の幅の狭い
部分に生ずる無駄なスペースが大きくなってしまうから
である。
【0003】そこで、従来は乱尺な長尺貨物の水上輸送
についてはコンテナ化できず、ばらばらのままか、せい
ぜいが適当な大きさの束に結束するなどして輸送船の貨
物艙内や甲板上などに平積みするしかなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなコ
ンテナ化しない船積み方法では、省人化、省力化を充分
に図ることができない。かかる貨物の梱包、船舶への積
降し、固縛・解縛などの作業は、巷にいう所謂3K作業
であり、近い将来、労働力の確保が困難となるのは確実
であって、省人化、省力化を図ることは急務といえる。
【0005】本発明は、積付効率を悪くすることなく乱
尺な長尺貨物をコンテナ化でき、長尺貨物の積降しを省
人化、省力化できる長尺貨物の船積み方法及びコンテナ
船を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、長手方向一端面が開放されたコンテナにこ
のコンテナの長手方向を軸方向として長尺貨物を収納す
る工程と、この収納後のコンテナを搬送車に載置する工
程と、この載置後にこの搬送車で前記コンテナをコンテ
ナ船の青天井のコンテナ艙内に搬送する工程と、この搬
送後のコンテナを前記開放端面を上方とし他端面を下方
としてこのコンテナの軸方向を船首又は船尾方向に傾け
て前記コンテナ艙の船首若しくは船尾側端縁部又は既に
このコンテナ艙内に格納された前記傾き側のコンテナに
立て掛け、船首又は船尾方向に前記コンテナが複数個並
んだコンテナ列として前記コンテナ艙内に格納する工程
とを備えた長尺貨物の船積み方法である。
【0007】また、青天井のコンテナ艙と、このコンテ
ナ艙内に陸上から第1の搬送車で搬送された長手方向一
端面は開放され長尺貨物が収納されたコンテナを受け取
り、このコンテナを支持しつつ走行し、このコンテナの
前記開放端面を上方とし他端面を下方として前記コンテ
ナ艙内に格納する第2の搬送車と、前記コンテナ艙の底
部に設けられ前記第2の搬送車が走行するためのレール
とを備えたコンテナ船も本発明とする。
【0008】前記コンテナ艙底面部に設けられ、前記コ
ンテナ船の船首、船尾方向に傾斜した傾斜面部をこの船
首、船尾方向に複数個並べて形成したコンテナ支持台を
備えた前記のコンテナ船も本発明とする。
【0009】
【作用】上記の船積み方法によれば、コンテナの長手方
向一端面が開放されているから、相当程度長いものも含
む乱尺な長尺貨物でも、該開放端面から長尺貨物の一端
部を露出させれば収納でき、長尺貨物の輸送に用いても
積みつけ効率を悪くすることなくコンテナ本体自身の単
一サイズ化が容易である。このように単一サイズとした
コンテナを、本発明の船積み方法でコンテナ船に船積み
すれば、コンテナの開放された一端面を上方に他端面を
下方にして、コンテナ艙が青天井であるコンテナ船のコ
ンテナ艙内に格納するから、いかなる乱尺な長尺貨物で
も、コンテナ艙内に格納することに支障がない。よっ
て、乱尺な長尺貨物を容易にコンテナ化することがで
き、水上輸送の省人化、省力化を図ることができる。し
かも、コンテナはコンテナ艙の船首若しくは船尾側端縁
部又は既にこのコンテナ艙内に格納されたコンテナに立
て掛けるので、コンテナ艙にコンテナを整然と規則的に
格納することができて、長尺貨物が乱尺であることやコ
ンテナ化したことによって積付効率が悪くなることがな
い。
【0010】また、上記のコンテナ船は上記の船積み方
法に用いることができる。このコンテナ船によれば、個
々のコンテナ船の形状、サイズなどの要請を考慮して、
コンテナ艙内に無駄なスペースを生じることなくコンテ
ナのコンテナ艙内への格納ができるように、あるいは、
コンテナのコンテナ艙内への搬送作業が能率良く行なえ
るように、敷設位置を工夫してレールの敷設を行なえ
ば、第1の搬送車から受けとったコンテナの所定の載置
位置までの運搬は単にこのレール上に第2の搬送車を行
き来させるだけでよく、ひとつひとつのコンテナの運搬
ごとに積み付け効率を考慮しつつコンテナを載置する位
置を決めていく必要はなく、上述の船積み方法による積
付効率のさらなる向上に寄与し、また、作業効率の向上
にも寄与する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。まず、本実施例の長尺貨物の船積み方法に用い
て好適なコンテナの一例と、該コンテナへの長尺貨物の
収納につき説明する。図8は本実施例の長尺貨物の船積
み方法に用いて好適なコンテナの構造を説明する図であ
る。図8(a)(b)(c)は、いずれもこのコンテナ
の斜視図であり、いずれもH型鋼などを収納する例で示
している。同図を参照して、かかるコンテナ100は軸
方向長さが比較的長い箱型の構造であり、長手方向一端
面が開放されている。図8(a)は径方向の1つの面が
開放されたコンテナ100の構造を示すものである。H
型鋼など長尺貨物を収納するときは、かかる開放面より
収納する。長尺貨物が相当長いサイズの物であっても、
長手方向の開放された一端面から長尺貨物の一端部を露
出させるようにすれば、一種類のサイズのコンテナに種
々の長さの長尺貨物を収納することができる。106は
コンテナ100を後述のコンテナ・スタッカでコンテナ
艙内に搬送するために設けたコンテナ上面コーナーフィ
ッティングである。コンテナ100の寸法とコーナーフ
ィッティング106の構造とは種々に実施することがで
きるが、空のコンテナ100を在来の一般的なコンテナ
船でも運べるようにするため、コンテナ100の長さや
径方向面の形状やコンテナ上面コーナーフィッティング
106の構造を標準型の海上コンテナと同様に構成する
のが望ましい。
【0012】図8(b)は、図8(a)のコンテナ10
0の径方向開放面に開閉可能な蓋102を設けた構成で
ある。かかる蓋は着脱式としてもよい。コンテナ100
は図8(a)に示すように中仕切り103を設ける構成
としてもよい。かかる中仕切り103を設ければ、長手
方向長さがコンテナ100の長さの半分にも達しないよ
うな貨物を収納する場合にも、該中仕切り103で仕切
られた、コンテナ100の長手方向端面が開放されてい
ない側の収納室104に長手方向長さの短い貨物を収納
し、他方の収納室105に長尺貨物を収納するようにす
れば、積付効率を高めることができる。かかる中仕切り
103は複数設けて長手方向長さの短い貨物を多段にし
て収納することもできる。また、中仕切り103は着脱
式とし、設置個所を任意に選択できるようにしたり、あ
らかじめ設定された複数個所から1または複数の設置個
所を選択できるようにする等、周知の手段により構成す
ることができる。
【0013】図8(c)は、図8(b)のコンテナ10
0の長手方向端開放面から露出している長尺貨物を周知
の手段で形成した着脱式カバー108で覆う構成であ
る。かかるカバー108の使用の他、コンテナ100を
水密構造または気密構造とすれば、長尺貨物の水濡れや
汚れを防止することができ、水濡れや汚れを嫌う長尺貨
物の輸送にも支障がない。なお、蓋102を開閉式とす
る場合には、図8(c)に示すように、蝶番109、留
金110を設けた構成などにすることができ、また、水
濡れや汚れを考慮しなくてよい長尺貨物用には、枠のみ
でコンテナ100を形成し、コンテナ100を安価で軽
量なものにすることもできる。なお、何れのコンテナ1
00においても、開放端面とは反対側の端面の4隅には
図示しない窪みを有するコーナーフィッティングを備え
ている。
【0014】次に、本発明の1実施例であるコンテナ船
の構造について説明する。図3は本発明の1実施例であ
るコンテナ船の側面図、図4は平面図である。また、図
1は本実施例のコンテナ船のコンテナ艙部分の斜視図で
あり、図2は図1の部分拡大図である。1は本実施例の
コンテナ船であり、このコンテナ船1は船尾側エンジ
ン、船首側ブリッジのロールオン・ロールオフ型のコン
テナ船であり、コンテナ艙2が設けられている。このコ
ンテナ艙2は青天井であり、積載高さに制限なくコンテ
ナ艙2の底部である露天甲板6上に長尺貨物101が収
納されたコンテナ100が積載される。露天甲板6の面
は吃水線より上部に位置し、侵入した雨水や海水を容易
に排出できる。コンテナ艙2の周囲の囲い壁3の後部右
舷側には出入口4が形成され、この出入口4と岸壁20
0との間にはランプ5が架け渡される。ランプ5は陸上
からコンテナ100を搬送するためのものであり、配置
上差し支えなければ、船首側に出入口4を設けて、船首
と岸壁200との間に架け渡してもよいし、ある程度大
型のコンテナ船である場合は、船首、船尾の両方から岸
壁200に架け渡してもよい。
【0015】ランプ5を通って陸上とコンテナ艙2との
間にはコンテナ運搬車13が走行する。このコンテナ運
搬車13はコンテナ100をコンテナ艙2内に搬送する
ためのものである。搬送車13上にはコンテナ100を
支持するコンテナ支持部材14が設けられ、また、この
コンテナ支持部材14を起倒するコンテナ起倒装置15
も設けられている。コンテナ運搬車13は長尺貨物10
1を収納したコンテナ100を横臥した状態でコンテナ
支持部材14で支持して、このコンテナ100をコンテ
ナ艙2内に搬送する。
【0016】コンテナ艙2は船首側のコンテナ積載スペ
ース7とコンテナ積換えスペース8(図4において斜線
を付した部分)とに分かれる。コンテナ積載スペース7
の底部には船尾側から船首側へ延出したコンテナ支持台
9が複数個平行に配置されている。図7はコンテナ支持
台9の部分拡大図である。コンテナ支持台9上には船尾
側から船首側に傾斜した平面である傾斜面部10が、船
尾、船首方向に多数並んで形成されている。コンテナ1
00は隣あうコンテナ支持台9の2つの傾斜面部10
に、その底部の両端部を支持されて格納される。傾斜面
部の4隅には凸部11が形成され、コンテナ100底部
の4隅に形成された前述の図示しないコーナーフィッテ
ィングの窪みが、この凸部11と嵌合し、コンテナ船1
の揺れによってもコンテナ100がガタつかないように
している。
【0017】露天甲板6には船尾側から船首側へ延出し
た複数本の平行のレール12が形成されている。レール
12はコンテナ支持台9とは異なり、コンテナ積載スペ
ース7からコンテナ積換えスペース8にかけて形成され
ている。レール12は隣あうコンテナ支持台9間に各2
本づつ形成されている。
【0018】コンテナ・スタッカ16はレール12を走
行する台車である。このコンテナ・スタッカ16はコン
テナ100を支持する支持部材17を備えている。コン
テナ100をコンテナ艙2内に搬送したコンテナ運搬車
13は、コンテナ積換えスペース8において、起倒装置
15によりコンテナ100をその開放面を上方に他端面
を下方にして起こし、コンテナ100をコンテナ・スタ
ッカ16に受け渡す。コンテナ・スタッカ16はコンテ
ナ支持部材17によりコンテナ運搬車13より受け取っ
たコンテナ100を、その開放面を上方に他端面を下方
にして幾分船首側に傾いた状態で支持する。コンテナ積
換えスペース8はコンテナ運搬車13も走行するため、
この走行の邪魔にならないように、コンテナ積換えスペ
ース8の底部はレール12上面と面一になるように上げ
床(図4において斜線を付した部分)としている。
【0019】図5、6は、このようなコンテナ100の
受渡しを説明するものであり、図5はコンテナ積換えス
ペース8におけるコンテナ運搬車13とコンテナ・スタ
ッカ16との平面図であり、図6は側面図である。コン
テナ100の起倒作業時に車体が転倒するのを防止する
ため、コンテナ運搬車13にはアウトリガー18や図示
しない甲板クランプなどの転倒防止機構を備えている。
また、コンテナ・スタッカ16も主輪19、アンカー・
ホイール20によりレール12に支持され、また、図示
しない甲板クランプなどを備えていて、同様に転倒の防
止が図られる。なお、21はコンテナ・スタッカ16へ
の給電用ケーブルであり、22はこの給電用ケーブル2
1の取り出し用上げ床スリットである。
【0020】次に、本実施例の長尺貨物の船積み方法に
ついて説明する。長尺貨物101を収納したコンテナ1
00は横臥した状態でコンテナ支持部材14で支持し
て、コンテナ運搬車13で、コンテナ艙2内に搬送す
る。130はコンテナ100を載せていないコンテナ運
搬車13を示している。この後、起倒装置15によりコ
ンテナ100をその開放面を上方に他端面を下方にして
起こし、コンテナ100をコンテナ・スタッカ16に受
け渡す。131はコンテナ・スタッカ16にコンテナ1
00を受け渡すコンテナ運搬車13を示している。ま
た、この受渡し作業のとき、コンテナ・スタッカ16が
コンテナ運搬車13の邪魔となるため、邪魔になるコン
テナ・スタッカ16は船首側に寄せておく。161はこ
のように船首側に寄せたコンテナ・スタッカ16を示し
ている。コンテナ支持部材17によりコンテナ運搬車1
3より受け取ったコンテナ100は、その開放面を上方
に他端面を下方にして幾分船首側に傾いた状態で支持す
る。この後、コンテナ・スタッカ16は船首側に向かっ
てレール12上を走行し、隣あう2つのコンテナ支持台
9の最も船首側の2つの傾斜面部10にコンテナ100
を降ろす。コンテナ100は、その開放面は上方に他端
面は下方に船首側の囲い壁3に立て掛けられる。コンテ
ナ100の図示しないコーナーフィティングの窪みと凸
部11とは嵌合し、コンテナ船1の揺れによってもコン
テナ100がガタつかない。
【0021】次に同様にコンテナ100をコンテナ・ス
タッカ16で運んで、同様に前回コンテナ100を降ろ
した傾斜面部10より船尾側の傾斜面部10に降ろす。
今回は船首側の囲い壁3ではなく、すでに船首側の囲い
壁3に立て掛けられているコンテナ100に立て掛け
る。このようにして次々とコンテナ100を立て掛けて
ゆき、船首、船尾方向に次々とコンテナ100を立て掛
けたコンテナ100の列を作る。本実施例のコンテナ船
1ではこのようなコンテナ100の列を5列形成するこ
とができる。このようにしてコンテナ100をコンテナ
積載スペース7に格納した後、コンテナ運搬車13はコ
ンテナ船1から降ろし、コンテナ・スタッカ16はコン
テナ積換えスペース8の最も船尾側に寄せて駐車する。
162はこのように船尾側に寄せて駐車したコンテナ・
スタッカを示している。以上で、長尺貨物の船積みは完
了する。なお、船首側と船尾側の両方にランプ5を架け
渡し、両方から同時にコンテナ100をコンテナ艙2内
に搬送する場合は、コンテナ艙2の中央部分に仕切り壁
を設け、船首側の囲い壁3ではなく、この仕切り壁の両
側からコンテナ100を立て掛けていくようにすればよ
い。この場合は、傾斜面部10の傾斜の向きも仕切り壁
の両側で異ならしめ、すべて仕切り壁側に傾斜するよう
にすればよい。
【0022】コンテナ積換えスペース8には通常はコン
テナ100を格納しないので、船積み完了後航海前に、
航海中の風波を避けるためコンテナ積換えスペース8の
上部を水平カバーで覆ってもよい。また、コンテナ積載
スペース7の船首側端部の上部から波浪が打ち込むのを
防止するために水平カバーを設けてもよい。この場合は
長尺貨物101の長さをある程度制限し、コンテナ10
0から長尺貨物101があまり突出しないようにすれ
ば、水平カバーの位置があまり高くなることはない。
【0023】つづいて、本実施例の作用について説明す
る。本実施例の船積み方法によれば、コンテナ100の
長手方向一端面が開放されているから、相当程度長いも
のも含む乱尺な長尺貨物でも、この開放端面から長尺貨
物101の一端部を露出させれば収納でき、長尺貨物の
輸送に用いても積みつけ効率を悪くすることなくコンテ
ナ本体自身の単一サイズ化が容易である。このように単
一サイズとしたコンテナ100を、コンテナ船1に船積
みすれば、コンテナ100の開放された一端面を上方に
他端面を下方にして、コンテナ艙2が青天井であるコン
テナ船1のコンテナ艙内に格納するから、いかなる乱尺
な長尺貨物でも、コンテナ艙2内に格納することに支障
がない。よって、乱尺な長尺貨物を容易にコンテナ化す
ることができ、水上輸送の省人化、省力化を図ることが
できる。しかも、コンテナ100はコンテナ艙2の囲い
壁2など又は既にこのコンテナ艙2内に格納されたコン
テナ100に立て掛けるので、コンテナ艙2にコンテナ
100を整然と規則的に格納することができて、長尺貨
物101が乱尺であることやコンテナ化したことによっ
て積付効率が悪くなることがない。
【0024】また、本実施例のコンテナ船1は、この船
積み方法に用いることができる。このコンテナ船1によ
れば、個々のコンテナ船1の形状、サイズなどの要請を
考慮して、コンテナ艙2内に無駄なスペースを生じるこ
となくコンテナのコンテナ艙2内への格納ができるよう
に、あるいは、コンテナ100のコンテナ艙2内への搬
送作業が能率良く行なえるように、敷設位置を工夫して
レール12の敷設を行なえば、コンテナ運搬車13から
受けとったコンテナ100の所定の載置位置までの運搬
は単にこのレール12上にコンテナ・スタッカ16を行
き来させるだけでよく、ひとつひとつのコンテナ100
の運搬ごとに積み付け効率を考慮しつつコンテナ艙2内
におけるコンテナ100の載置位置を決めていく必要は
なく、上述の船積み方法による積付効率のさらなる向上
に寄与し、また、作業効率の向上にも寄与する。すなわ
ち、本実施例においてはコンテナ船1の形状、サイズ、
コンテナ100のサイズを考慮して船首、船尾方向のコ
ンテナ100の列を5列とし、本実施例のコンテナ船1
の場合では、このコンテナ100の列と列との間のスペ
ースはコンテナ100の格納作業に支障がない程度の狭
いものとなるように、各列対応してレール12の位置が
決められている。そして、このレール12にコンテナ・
スタッカ16を行き来させて次々とコンテナ100をコ
ンテナ積載スペース7に運び込んでは降ろすだけでコン
テナ100の格納作業はすすむ。ひとつひとつのコンテ
ナ100ごとに載置位置を決めていく必要はなく、従来
のコンテナ艙が青天井のコンテナ船を用いて本実施例の
船積み方法を実施した場合より積付効率のさらなる向上
や作業効率の向上に寄与する。
【0025】さらに、本実施例のコンテナ船1は、本実
施例の船積み方法におけるコンテナ艙2内への上述のコ
ンテナ100の配列に対応した船体の船首、船尾方向に
傾斜した傾斜平面である傾斜面部10を備えているか
ら、各コンテナ100の軸方向の開放されていない端面
は、その面全体が傾斜面部10に支持される。この傾斜
面部10のないコンテナ艙に本実施例のようにコンテナ
100を傾けて格納すると、コンテナ100はコンテナ
100の開放されていない端面の端縁部分のみで長尺貨
物101とコンテナ100の荷重を支えることになり、
コンテナ100の破損の原因になるが、本実施例のコン
テナ船1によれば、コンテナ100の開放されていない
端面は、この面全体が傾斜面部10に支持されるから、
このような破損はない。また、海上輸送中にコンテナ1
00に加わる船首、船尾方向の揺れに対しても、船側方
向の揺れに対しても、傾斜面部10なしの場合に比べて
揺れにくく、この点でもコンテナ100の破損を防止で
き、また長尺貨物101がコンテナ100内部で動きま
わったりして破損することを防止するための揺動防止対
策を不要または軽減させることができ、長尺貨物101
の船積み作業を省人化、省力化に寄与することができ
る。
【0026】なお、本実施例においては、コンテナ運搬
車13のコンテナ支持部材14をコンテナ起倒装置15
で起倒することによりコンテナ100を起倒する構成と
しているが、コンテナ・スタッカ16のコンテナ支持部
材17を起倒することでコンテナ100を起倒する構成
としてもよい。この場合、コンテナ運搬車13はアウト
リガー18や図示しない甲板クランプなどの転倒防止機
構を備える必要がなくなり、コンテナ100の運搬用の
みの簡易な構造とすることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した本発明の長尺貨物の船積み
方法によれば、乱尺な長尺貨物を容易にコンテナ化する
ことができ、水上輸送の省人化、省力化を図ることがで
きる。しかも、コンテナ艙にコンテナを整然と規則的に
格納することができて、長尺貨物が乱尺であることやコ
ンテナ化したことによって積付効率が悪くなることがな
い。
【0028】また、本発明のコンテナ船によれば、本発
明の長尺貨物の船積み方法による積付効率のさらなる向
上に寄与し、また、作業効率の向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるコンテナ船のコンテナ
艙部分の斜視図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の一実施例であるコンテナ船の側面図で
ある。
【図4】本発明の一実施例であるコンテナ船の平面図で
ある。
【図5】本発明の一実施例であるコンテナ船のコンテナ
・スタッカとコンテナ運搬車との平面図である。
【図6】本発明の一実施例であるコンテナ船のコンテナ
・スタッカとコンテナ運搬車との側面図である。
【図7】本発明の一実施例であるコンテナ船のコンテナ
支持台の部分拡大図である。
【図8】本発明の一実施例である長尺貨物の船積み方法
に用いて好適なコンテナの構造を説明する図であり、図
8(a)は蓋なしのコンテナの斜視図であり、図8
(b)は蓋付き等に構成したコンテナの斜視図であり、
図8(c)はコンテナに着脱式カバーを用いた場合等を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コンテナ船 2 コンテナ艙 3 囲い壁 5 ランプ 7 コンテナ積換えスペース 8 コンテナ積載スペース 9 コンテナ支持台 12 レール 13 コンテナ運搬車 14 コンテナ支持部材 16 コンテナ・スタッカ 17 コンテナ支持部材 100 コンテナ 101 長尺貨物
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 11/00 B63B 25/00 B63B 25/00 101 B63B 25/04 B63B 25/28 B63B 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向一端面が開放されたコンテナに
    このコンテナの長手方向を軸方向として長尺貨物を収納
    する工程と、この収納後のコンテナを搬送車に載置する
    工程と、この載置後にこの搬送車で前記コンテナをコン
    テナ船の青天井のコンテナ艙内に搬送する工程と、この
    搬送後のコンテナを前記開放端面を上方とし他端面を下
    方としてこのコンテナの軸方向を船首又は船尾方向に傾
    けて前記コンテナ艙の船首若しくは船尾側端縁部又は既
    にこのコンテナ艙内に格納された前記傾き側のコンテナ
    に立て掛け、船首又は船尾方向に前記コンテナが複数個
    並んだコンテナ列として前記コンテナ艙内に格納する工
    程とを備えた長尺貨物の船積み方法。
  2. 【請求項2】 青天井のコンテナ艙と、このコンテナ艙
    内に陸上から第1の搬送車で搬送された長手方向一端面
    は開放され長尺貨物が収納されたコンテナを受け取り、
    このコンテナを支持しつつ走行し、このコンテナの前記
    開放端面を上方とし他端面を下方として前記コンテナ艙
    内に格納する第2の搬送車と、前記コンテナ艙の底部に
    設けられ前記第2の搬送車が走行するためのレールとを
    備えたコンテナ船。
  3. 【請求項3】 前記コンテナ艙底面部に設けられ、前記
    コンテナ船の船首、船尾方向に傾斜した傾斜面部をこの
    船首、船尾方向に複数個並べて形成したコンテナ支持台
    を備えた請求項2項記載のコンテナ船。
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