JP3227135U - パレット - Google Patents

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大輔 近藤
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Abstract

【課題】軽量で、且つ重量物を載せられる充分な強度を有し、また、補強材が容易には外れないパレットを提供する。【解決手段】パレット1は、発泡樹脂製であり、平面視矩形状のパレット本体2と、パレット本体の下面に設けられる箱形状の桁体3と、桁体の底面に設けられる底板4と、を備える。桁体は、パレット本体の底面視において格子状に一辺あたり3つ以上配置され、各底面に形成された篏合凹部31を有する。底板は、複数の桁体に跨って設けられる長板部と、長板部の上面に立設されて篏合凹部に篏合する篏合凸部41を有する。篏合凸部は、上面視の寸法が篏合凹部の開口寸法よりも大きくなるよう形成され、その上面には側面にかけて形成された格子状の圧縮溝42を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、フォークリフトを用いた荷物の運搬に使用され、発泡スチロール等の発泡樹脂製のパレットに関する。
従来から、フォークリフト等によって荷物を運搬する際の荷台として、各種のパレットが広く使用されている。例えば、物流の現場等におけるフォークリフトによる荷物の運搬時には、パレットの載置面に荷物が積載され、パレットの側面のフォーク差し込み口にフォークリフトのフォークが差し込まれ、パレットが所定高さ位置まで揚上される。そして、フォークリフト等を運転して目的地までパレットを搬送した後に、フォークを下降させ、パレットが目的地に置かれた後に、フォーク差し込み口からフォークが抜き取られる。
一般的なパレットとして、木製、プラスチック製、金属製(鉄合金)又は紙製のものが知られている。しかしながら、一般的なパレットの多くは、例えば、木製パレットでも10kg以上の重量があり、紙製パレットも、プラスチック製や金属製に比べて軽いとはいえ、形状安定性を確保するために高密度で圧縮加工されており、かなりの重量がある。そこで、紙製パレットよりも更に軽量なパレットとして、発泡樹脂製のパレットが知られている(特許文献1参照)。
特開2003−72754号公報
しかしながら、発泡樹脂製のパレットは、木製やプラスチック製のパレットに比べて、重量物を載せるための強度が十分とは言えなかった。また、パレットに木材や金属などの補強材を設けた場合には、パレット自体とは材質が異なるので、廃棄の際の分別が面倒であった。一方、補強材を取り外しし易いようにすれば、分別は容易になるが、パレットの使用中に補強材が外れて、強度を確保できなくなる虞がある。
本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軽量で且つ重量物を載せられる充分な強度を有し、また、補強材が容易には外れないパレットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本考案は、平面視矩形状のパレット本体と、前記パレット本体の下面に設けられる箱形状の桁体と、前記桁体の底面に設けられる底板と、を備えた発泡樹脂製のパレットであって、前記桁体は、前記パレット本体の底面視において格子状に一辺あたり3つ以上配置されており、各底面に形成された篏合凹部を有し、前記底板は、前記複数の桁体に跨って設けられる長板部と、該長板部の上面に立設されて前記篏合凹部に篏合する篏合凸部を有し、前記篏合凸部は、上面視の寸法が前記篏合凹部の開口寸法よりも大きくなるよう形成され、その上面には側面にかけて形成された格子状の圧縮溝を有することを特徴とする。
上記パレットにおいて、前記篏合凸部は、その上面視断面が前記篏合凸部の上面に向けて小さくなるテーパ部を有することが好ましい。
上記パレットにおいて、前記テーパ部の傾斜が0.5°〜1.5°であることが好ましい。
上記パレットにおいて、前記篏合凸部を前記篏合凹部に篏合させたとき、前記篏合凸部の上面が前記篏合凹部の底面に接することが好ましい。
上記パレットにおいて、前記底板は、前記パレット本体よりも低発泡倍率の発泡樹脂で成型されることが好ましい。
本考案に係るパレットによれば、主体を成すパレット本体が発泡樹脂製なので、軽量であり、また、桁体の底面に補強材となる底板が設けられたことで、パレットに大きな荷重が載せられた場合でも変形を抑制することができる。また、底板は、篏合凹部より寸法の大きく圧縮溝を有する篏合凸部によって桁体に接合されるので、容易には外れない。
(a)は本考案の一実施形態に係るパレットの平面を主とした斜視図、(b)は底面を主とした斜視図、(c)は同パレットに用いられる底板を分離した斜視図。 (a)は上記パレット平面図、(b)は底面図、(c)正面図、(d)は側面図、(e)は(a)のA−A線断面図、(f)は(a)のB−B線断面図。 (a)は上記パレットに用いられるパレット本体の平面を主とした斜視図、(b)は底面を主とした斜視図。 (a)は同パレット本体の底面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は(b)のD領域拡大図。 (a)は上記パレットに用いられる底板の上面を主とした斜視図、(b)は底面を主とした斜視図、(c)は正面図、(d)は(c)のE領域拡大図。 (a)は上記パレットトの耐荷試験に用いられるパレット本体の寸法例を示す平面図、(b)は側面図、(c)は上記パレットトの耐荷試験に用いられる底板の寸法例を示す平面図、(d)は側面図、(e)は上記パレットの耐荷試験の条件を示す図、(f)はタワミ量の計測方法を説明するための図。 上記パレットの比較例1〜3における耐荷試験の結果を示す図。 上記パレットの実施例1、2における耐荷試験の結果を示す図。
本考案の一実施形態に係るパレットについて、図面を参照して説明する。図1(a)乃至(c)及び図2(a)乃至(f)に示すように、本実施形態のパレット1は、物流の現場等においてフォークリフトやハンドリフト等を用いた荷物の管理・運搬に好適に使用されるものであり、発泡樹脂製の板状のパレット本体2と、パレット本体2の下面に設けられる複数の桁体3と、を備える。また、パレット1は、桁体3の底面に設けられる底板4を更に備える。
本実施形態において、パレット本体2及び桁体3は、一体として成型されている。パレット本体2及び桁体3を構成する材料は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂といった発泡合成樹脂であり、本実施形態では、発泡ポリスチレン(EPS(expanded polystyrene))が用いられる。なお、桁体3は別体であってもよく、その場合、桁体3を構成する材料は、パレット本体2と同じであることが好ましいが、パレット本体2とは密度(発泡倍率)や硬さが異なるものが用いられてもよい。
桁体3は、パレット本体2の底面視において格子状に一辺あたり3つ以上配置されており、本実施形態では、3×3の9個の桁体3が設けられている。ここでは、9個の桁体3が格子状に配置され、4方にフォーク差し込み部があるパレット1の構成を示す。また、桁体3は、底面に形成された篏合凹部31を有する。一方、底板4は、桁体3の篏合凹部31に篏合する篏合凸部41を有する。
図3(a)(b)及び図4(a)乃至(c)に示すように、パレット本体2は、所定の肉厚を有し、平面視で矩形状の板状部材である。本実施形態のパレット本体2は、一方の辺が他方の辺よりも僅かに長くなっている。なお、図例では、長辺側の辺を正面としている。パレット本体2は、荷物が積載される積載面となる上面21と、複数(本実施形態では9個)の桁体3が設けられる下面22と、上面21及び下面22を繋ぐ側面23と、を有する。上面21が下面22の外形寸法は略等しく、各側面23の角部は丸みを帯びるように面取りされている。
桁体3は、上面21の高さを嵩上げする支持部材であり、複数の桁体3が、隣り合う桁体3と所定間隔を空けて配置されることにより、フォークリフトのフォークが差し込まれるフォーク差し込み部10を成す。ここでは、3本の桁体3が並列配置され、フォーク差し込み部10が、フォークの差し込み方向の両側に開放しており、いわゆる4方差しが可能なパレット1の構成を示す。
桁体3は、底面32と、底面32とパレット本体2との接合部とを繋ぐ側面33と、を有する。本実施形態の桁体3では、底面32が平面視で矩形状であり、側面33が4面ある箱形状の部材である。側面33は、いずれもパレット本体2の下面22に対して直交する鉛直面である。中央の桁体3を除いた周縁にある8つの桁体3の外側の側面33は、パレット本体2の側面23と連続面を成している。また、各側面33の角部及び側面33と底面32との角部は丸みを帯びるように面取りされている。
篏合凹部31は、桁体3の底面32の中央に所定の開口寸法となるよう形成される。言い換えると、桁体3の底面32は、篏合凹部31の周囲に所定幅(例えば、15mm)の周縁部を残した形状である。篏合凹部31の底面は、パレット本体2の下面と略同位置にある。篏合凹部31の内側面は、桁体3の側面33と平行な鉛直面であり、下方開口縁は、開口を僅かに広げるように、丸みを帯びた面取り形状とされる(特に、図4(c)参照)。
図5(a)乃至(d)に示すように、底板4は、複数の桁体3に跨って設けられる長板部40を有し、この長板部40の上面に篏合凸部41が立設されている。長板部40は、パレット本体2の正面視の幅と等しい長さで、桁体3の側面幅と等しい幅となるよう成型された板状部材である。長板部40の厚さは、パレット本体2の厚さより薄い。また、長板部40と篏合凸部41とは一体成型されている。
篏合凸部41は、上面視の寸法が桁体3の篏合凹部31の開口寸法よりも大きくなるよう形成されている。例えば、篏合凸部41の上面視の寸法は、篏合凹部31の開口寸法プラス0.5〜1.5mmとされる。
また、篏合凸部41の上面には、側面にかけて格子状の圧縮溝42が形成されている。本実施形態では、フォークの差し込み方向とその直交方向との夫々に、2本ずつの圧縮溝42が形成されている。圧縮溝42の幅は、例えば、1〜3mmとされる。また、圧縮溝42の深さは、例えば、篏合凸部41の高さの60〜80%とされる。圧縮溝42は、2×2の格子状に篏合凸部41の側面まで形成されているので、篏合凸部41は、圧縮溝42によって区切られた9つのブロック形状となっている。
発泡樹脂は、所定の弾性を有するので、圧縮溝42が設けられたことにより、篏合凸部41は、4方の側面に圧縮力が加わると、僅かに収縮する。従って、篏合凸部41の上面視の寸法が桁体3の篏合凹部31の開口寸法よりも大きくても、篏合凸部41が篏合凹部31に押し込まれると、篏合凸部41が収縮して、篏合凸部41を篏合凹部31に篏合させることができる。また、篏合凹部31に篏合した篏合凸部41には、復元力が働くので、篏合凸部41の外側面が篏合凹部31の内側面を押圧する。その結果、篏合凸部41と篏合凹部31と強く密着し、桁体3と底板4とを強固に接合することができる。
また、篏合凸部41を篏合凹部31に篏合させたとき、篏合凸部41の上面41b(図5(d)参照)は、篏合凹部31の底面31a(図4(c)参照)と接する。これにより、パレット本体2の上面21(積載面)の荷重が、篏合凹部31の底面31a及び篏合凸部41の上面41bの接触箇所を介して、底板4に伝わるので、実質的に桁体3における受け面積が広くなり、底板4が直接的に地面等に載置されたときの耐荷強度を更に向上させることができる。
また、篏合凸部41は、その水平断面が篏合凸部41の上面に向けて小さくなるテーパ部41aを有する。そのため、篏合凸部41の上面視の寸法が桁体3の篏合凹部31の開口寸法よりも大きくても、篏合凸部41の上面自体の寸法は、桁体3の篏合凹部31の開口寸法と同じか、僅かに小さく、篏合凸部41を篏合凹部31に押し込めば、篏合凸部41を篏合凹部31に篏合させることができる。ここで、テーパ部41aの傾斜は、0.5°〜1.5°であることが好ましい。テーパ部41aの傾斜が小さ過ぎると、篏合凸部41を篏合凹部31に押し込み難くなり、テーパ部41aの傾斜が大き過ぎると、篏合時に篏合凸部41の外側面と篏合凹部31の内側面との接触が弱くなり、接合力を小さくなる。そのため、テーパ部41aの傾斜を上記範囲とすることで、押し込み易い一方で、外れ難くすることができる。なお、篏合凹部31の下方開口縁が、丸みを帯びた面取り形状とされることで、篏合凸部41を篏合凹部31により押し込み易くすることができる。
本実施形態に係るパレット1によれば、主体を成すパレット本体2や桁体3が発泡樹脂製なので、軽量であり、また、桁体3の底面に補強材となる底板4が設けられたことで、パレット1に大きな荷重が載せられた場合でも変形を抑制することができる。また、底板4は、桁体3の篏合凹部31より寸法の大きく、圧縮溝42を有する篏合凸部41によって桁体3に接合されるので、容易には外れない。また、底板4を設けたことにより、パレット1の接地面積が広くなるので、例えば、パレット1をコンベアに載せても安定的にその姿勢を保持することができる。
底板4は、パレット本体2よりも低発泡倍率の発泡樹脂で成型されてもよい。底板4が低発泡倍率の発泡樹脂で成型されることで、パレット1自体の耐荷性能をより高めることができる。また、底板4は、アスファルトやコンクリート等の地面に置かれることがあり、損傷を受けやすい。そのため、低発泡倍率の発泡樹脂で成型されることで、より高い強度を得ることができる。
ここで、上記のように構成されたパレット1の耐荷試験を行った。図6(a)(b)は、実施例1、2、比較例1〜3のパレットに用いたパレット本体及び桁体の寸法を示す。図6(c)(d)は、実施例1、2のパレットに用いた底板の寸法を示す。
試験では、パレットの長手方向を正面とし、この正面方向に一対のフォークを差し込んで(図6(e)の破線)、フォークリフトでパレット及び積載物を持ち上げた。そして、図6(f)に示すように、パレットの下面に直線状の定規を当てて、定規とパレット中央位置との鉛直方向の間隔をタワミ量として計測した。タワミ計測は、パレットの背面側から正面側へかけて(図6(e)の▲方向)、図示した(1)〜(3)の3つのタワミ位置で行った。これらは、いずれもフォーク差し込み方向に直交する方向におけるパレットのタワミである。また、後述する比較例3では、パレットの右側面側から左側面側へかけて(図6(e)の△方向)、図示した(4)〜(6)のタワミ位置でも計測を行った。これらは、フォーク差し込み方向におけるパレットのタワミである。なお、いずれの比較例、実施例でも、パレット本体(桁体)自体の発泡倍率は40倍のものとした。
図7に示すように、試験では、比較例1として、底板を用いていないものを用いた。比較例2として、木製の長板をパレット本体の下面に、フォーク差し込み方向に沿って装着したものを用いた。比較例3として、木製の長板をパレット本体の下面に、フォーク差し込み方向と直交する方向に装着したものを用いた。実施例1として、発泡倍率が30倍の底板4をフォーク差し込み方向と直交する方向に装着したものを用いた。実施例2として、発泡倍率が40倍の底板4をフォーク差し込み方向と直交する方向に装着したものを用いた。
試験の結果、比較例1では、240kg以上の荷重でパレット本体が著しく変形して計測不能となった。比較例2では、若干の向上が見られたが、360kgの荷重でパレット本体が大きく変形し、480kgの荷重で計測不能となった。比較例3は、木製の板で補強したため、480kgの荷重でも変形が僅かで、優れた耐荷性能を示した。これらに対して、図8に示すように、実施例1では、木製の板を用いた比較例3以上の耐荷性能を示した。また、実施例2でも、比較例1と同等の耐荷性能を示した。これらにより、木製の板より軽い発泡樹脂の底板を用いることで、木製の板と同等以上の耐荷性能が得られることが示された。
なお、本考案は、上記実施の形態の構成に限られず、考案の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施の形態においてはパレット1の構造をフォークリフトによる荷物の運搬に適用する例を説明したが、他の発泡合成樹脂製の構造物にも適用できることは言うまでもない。
1 パレット
2 パレット本体
22 下面
3 桁体
31 篏合凹部
31a 底面
4 底板
41 篏合凸部
41a テーパ部
41b 上面
42 圧縮溝

Claims (5)

  1. 平面視矩形状のパレット本体と、前記パレット本体の下面に設けられる箱形状の桁体と、前記桁体の底面に設けられる底板と、を備えた発泡樹脂製のパレットであって、
    前記桁体は、前記パレット本体の底面視において格子状に一辺あたり3つ以上配置されており、各底面に形成された篏合凹部を有し、
    前記底板は、前記複数の桁体に跨って設けられる長板部と、該長板部の上面に立設されて前記篏合凹部に篏合する篏合凸部を有し、
    前記篏合凸部は、上面視の寸法が前記篏合凹部の開口寸法よりも大きくなるよう形成され、その上面には側面にかけて形成された格子状の圧縮溝を有することを特徴とするパレット。
  2. 前記篏合凸部は、その上面視断面が前記篏合凸部の上面に向けて小さくなるテーパ部を有することを特徴とする請求項1に記載のパレット。
  3. 前記テーパ部の傾斜が0.5°〜1.5°であることを特徴とする請求項2に記載のパレット。
  4. 前記篏合凸部を前記篏合凹部に篏合させたとき、前記篏合凸部の上面が前記篏合凹部の底面に接することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のパレット。
  5. 前記底板は、前記パレット本体よりも低発泡倍率の発泡樹脂で成型されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のパレット。
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