JP3226911U - 細胞操作用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】手間をかけずに細胞を操作できる細胞操作用器具を提供する。【解決手段】細胞を操作する際に使用する細胞操作用器具1であって、第一の溶液が充填される第一ウェル8を有する本体部2と、本体部2の上面に剥離可能な状態で設けられたシール材3とを備え、第一ウェル8に第一の溶液が充填された状態で、シール材3が第一ウェル8の開口部20の周縁部20Aに密着され、シール材3によって第一ウェル8が密閉されている構成をとる。【選択図】図1

Description

本考案は、手間をかけずに細胞を操作することができる細胞操作用器具に関する。
近年、ヒトの不妊治療において、卵子や胚の凍結保存が注目されている。
従来、哺乳動物の卵子等の凍結保存方法として、バイアルやストロー等の凍結保存用容器の内面に、卵や胚等をガラス化液で包被して貼り付け、凍結保存用容器を密封した後、液体窒素に接触させて急速に冷却する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
これまでに、損傷をほとんど与えずに受精卵を保存できるガラス化保存技術や保存されていた受精卵を融解する技術が桑山らによって報告されている。このガラス化保存技術には細胞凍結前処理用プレートが利用され、受精卵の融解技術には、細胞融解処理用プレートが利用されている。
この細胞凍結前処理用プレート(細胞凍結前処理器具)は、平衡液やガラス化液が分注される複数のウェルを有する本体と、本体の上側から被せる蓋体とを有している。細胞凍結前処理プレートの使用者は、本体から蓋体を取り外した後、ウェルに平衡液やガラス化液を充填し、受精卵の前処理を行う。
特開2000−189155号公報
受精卵を凍結させる場合、1つの受精卵を取り出し、1つの細胞凍結前処理用プレートを使用して凍結操作を行っていた。しかし、複数の受精卵を凍結する際には、その都度、細胞凍結前処理用プレートや平衡液、ガラス化液を交換する必要があったため、操作に煩わしさがあった。
また、上記の細胞凍結用プレートは、使用する際、使用者が1つのウェルに平衡液を充填し、さらに他のウェルにガラス化液を充填した後、受精卵を凍結させるための前処理を行う。そのため、使用者は、各ウェルに平衡液やガラス化液を分注する作業を行わなければならず、手間が生じていた。さらに、平衡液やガラス化液を分注するウェルを間違えてしまった場合、新しい細胞凍結前処理用プレートを使用しなければならず、手間が生じていた。
そこで、本考案は、手間をかけずに細胞を操作できる細胞操作用器具を提供することを目的とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、細胞を操作する際に使用するものであって、第一の溶液が充填される第一ウェルを有する本体部と、本体部の上面に剥離可能な状態で設けられたシール材と、を備え、第一ウェルに第一の溶液が充填された状態で、シール材が第一ウェルの開口部の周縁部に密着され、シール材によって第一ウェルが密閉されていることを特徴とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、第一ウェルが底部と、底部に連なって形成された湾曲状の内周壁とを有し、底部及び内周壁を複数に仕切るための凸部が第一ウェルの中心から底部及び内周壁に沿って、複数設けられ、凸部から底部にかけて隆起部が形成されることで、底部に、底部の中心を囲うように凹部が形成され、凹部に細胞が沈降されることを特徴とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、凸部が第一ウェルにのみ形成され、本体部が第一ウェルに隣り合って形成され、第二の溶液が充填される第二ウェルを有し、第二ウェルに第二の溶液が充填された状態で、シール材が第二ウェルの開口部の周縁部に密着され、シール材によって第二ウェルが密閉されていることを特徴とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、第一ウェルが密閉されたシール材と第二ウェルが密閉されたシール材との間に切込みが形成されていることを特徴とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、凸部が内周壁に沿って、かつ湾曲状に形成され、凸部の高さが100μmから1000μmであり、かつ内周壁から底部の中心にかけて、次第に高くなることを特徴とする。
本考案に係る細胞操作用器具は、第一ウェルに第一の溶液が充填された状態でシール材によって密閉されているため、使用者は、第一ウェルに第一の溶液を充填する手間が省ける。また、本考案に係る細胞操作用器具は、本体部の上面にシール材を設けることで、従来使用していた蓋体が不要となり、さらに第一の溶液を第一ウェルに注入する際に使用していた器具も不要となるため、経済的にコストを低く抑えることができる。
本考案に係る細胞操作用器具は、凸部によって仕切られた底部と、仕切られた内周壁が連通し、この内周壁が湾曲状に形成されているため、どの位置から細胞を投入しても、内周壁を伝わらせ、底部の凹部に確実に誘導することができる。さらに、この細胞操作用器具は、隆起部を形成することで、凸部から離れた位置に凹部を形成することができ、第一ウェルに投入された細胞は、この凹部に確実に沈降させることができ、良好な視界で細胞を観察及び操作することができる。
本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の斜視図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の本体部(プレート本体)の平面図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の図2におけるA−A断面図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の図2におけるB−B断面図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の第一ウェルの変形例を示す拡大断面図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の第一ウェルの変形例を示す拡大断面図である。 本考案の第一実施形態に係る細胞操作用器具の凸部の断面図である。(a)半楕円状の断面を有する凸部の断面図、(b)半円状の断面を有する凸部の断面図、(c)三角形状の断面を有する凸部の断面図 本考案の第一実施形態のその他の例に係る細胞操作用器具の斜視図である。 本考案の第一実施形態のその他の例に係る細胞操作用器具の本体部(プレート本体)の平面図である。 本考案の第一実施形態のその他の例に係る細胞操作用器具の本体部(プレート本体)の平面図である。 本考案の第一実施形態のその他の例に係る細胞操作用器具の図10におけるC−C断面図である。 本考案の第二実施形態に係る細胞操作用器具の本体部(プレート本体)の平面図である。 本考案の第二実施形態に係る細胞操作用器具の図12におけるD−D断面図である。
[第一実施形態]
本実施形態に係る細胞操作用器具を、図1から図11を参照し説明する。この細胞操作用器具は、種々の細胞を操作する際に使用することができる。本実施形態では、未受精卵や受精卵(胚盤胞など)の細胞を凍結する前段階で操作する細胞操作用器具を例に、説明する。
本実施形態に係る細胞操作用器具1は、図1に示すように、ウェルを有するプレート本体(本体部)2と、このプレート本体2の上面に設けられた1枚のシール材3とを備えている。
以下、図1を基準として、プレート本体2の長手方向を左右方向X、プレート本体2の短手方向を前後方向Y、プレート本体2の高さ方向を上下方向Zと記す。
プレート本体2は、図2に示したように、横長の形状を有し、前壁4、前壁4と対向する後壁5、前壁4と後壁5と連なって形成される左側壁6及び右側壁7を有している。
プレート本体2は、透明な素材で構成され、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ガラスで構成される。プレート本体2のサイズは、左右方向Xの長さL1が5.5cmから7.5cm、前後方向Yの長さL2が2cmから3.5cmに設計されている。
プレート本体2は、図3に示したように、左右方向Xに向けて、略半円球状の第一ウェル8、第二ウェル9、第三ウェル10が形成されている。第二ウェル9は、第一ウェル8に隣り合って形成され、第三ウェル10は、第二ウェル9に隣り合って形成されている。第一ウェル8の直径は1.5mm、深さは5mmであり、第二ウェル9及び第三ウェル10の直径及び深さは、第一ウェル8とほぼ同じに設計されている。
第一ウェル8には、平衡液ES(Equilibration Solution)が充填され、第二ウェル9及び第三ウェル10には、ガラス化液VS(Vitrification Solution)が充填される。
なお、プレート本体2のサイズは、第一ウェル8から第三ウェル10のサイズや個数、配列によって適宜変更される。また、第一ウェル8から第三ウェル10の直径や深さもプレート本体2のサイズ等によって、適宜変更される。また、第一ウェル8に充填される溶液を第一の溶液、第二ウェル9に充填される溶液を第二の溶液、第三ウェル10に充填される溶液を第三の溶液とする。
プレート本体2において、左側壁6と第一ウェル8との間、第一ウェル8と第二ウェル9との間、第二ウェル9と第三ウェル10との間、第三ウェル10と右側壁7との間には、それぞれ凹状の廃液部11形成されている(図2)。この廃液部11は、不要となった平衡液ESやガラス化液VSを廃棄するために使用される。なお、平衡液ES及びガラス化液VSは、後述する。
プレート本体2の後方には、左右方向Xに向けて1つの溝部12が形成されている(図2)。この溝部12には、受精卵を凍結する際に使用する細胞凍結具が載置される。この溝部12は、1つに限定されず、複数形成することもできる。
第一ウェル8は、図4に示すように、湾曲状の底部8Aと、この底部8Aと連なって形成される側壁部(内周壁)8Bとを有している。この第一ウェル8には、底部8Aには、2つの凸部13が形成され、この凸部13は平面視したときに、底部8Aの中心において、90度で交差するように設けられている(図2)。そのため、これらの凸部13は、底部8Aの中心から側壁部8Bに沿って形成されている。
凸部13の先端は、湾曲状に形成され、凸部13の高さHは400μm、凸部13の幅は100μmに設計されている。この凸部13の高さHは、操作性や受精卵が凸部13を飛び越えてしまうことを回避するために、100μmから1000μmであることが好ましい。また、凸部13の高さHは、側壁部8Bから底部8Aにかけて、次第に高くなっていることが好ましい(図5)。なお、この凸部13の高さHや幅は、適宜変更することができる。
さらに、第一ウェル8の周囲には、目印である数字(1から4)が施されている(図2)。目印を施すことで、仕切られた底部8Aの区別が容易にできる。
第一ウェル8の底部8Aには、凸部13にかけて隆起部13Aが形成されている。隆起部13Aが形成されていることで、凸部13によって仕切られた各底部8Aには、凸部13から少し離れた位置に凹部13Bが形成される。そのため、底部8Aに、底部8Aの中心を囲うように凹部13Bが形成される。
第一ウェル8には交差する2つの凸部13が設けられているため、底部8Aは、4つに分割される。この底部8Aに設ける凸部13の数、つまり、分割された底部8Aの数によって、静置できる受精卵の数が決定される。
本実施形態では、2つの凸部13によって仕切られることで、底部8Aが4つに分割されているが、凸部13の数は、2つに限定されず、1つ以上設けられていればよい。なお、凸部13の数を多くすると、1つ当たりの仕切られた底部8Aの面積が小さくなり、操作性を損なうおそれたがあるため、4つに分割することが最もよい。
第一ウェル8には平衡液ES(第一の溶液)、第二ウェル9及び第三ウェル10にはガラス化液VS(第二の溶液、第三の溶液)がそれぞれ300μL分注される。
ここで、ガラス化液VSとは、細胞をガラス化するために必要な凍結保護物質を含む溶液であり、平衡液ESとは、ガラス化液VSよりも低濃度の凍結保護物質を含む溶液である。ガラス化液VS及び平衡液ESは、受精卵への損傷が軽減される組成で調整されている。
シール材3は、各ウェルの内側と外側を遮断するために設けられ、第一ウェル8に平衡液ES、第二ウェル9及び第三ウェル10にガラス化液VSがそれぞれ充填された後に、プレート本体2に剥離可能な状態で貼り付けられる。具体的には、シール材3は、プレート本体2の上面の縁部と、第一ウェル8の開口部20の周縁部20A、第二ウェル9の開口部21の周縁部21A、第三ウェル10の開口部22の周縁部22Aに密着するように、貼り付けられる(図3)。そうすると、第一ウェル8の開口部20、第二ウェル9の開口部21及び第三ウェル10の開口部22は、シール材3によって塞がれ、各ウェル8から10は密閉される。
このシール材3には、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンを使用する。
次に、本実施形態に係る細胞操作用器具1の使用方法について、4つの受精卵を凍結する場合について、説明する。
初めに、細胞操作用器具1の上面からシール材3を剥がし、第一ウェル8から第三ウェル10を全開する。
次に、受精卵を平衡液ESが充填されている第一ウェル8に投入し、凸部13で仕切られた4つの底部8Aのうちの1つに沈降させる。そして、2つ目の受精卵を同様に、第一ウェル8に投入し、1つ目とは異なる底部8Aに沈降させる。残り2つの受精卵も同様な操作により、仕切られた底部8Aにそれぞれ沈降させる。
各受精卵は、凸部13によって仕切られた各底部8Aに沈降するため、第一ウェル8の内部では、受精卵同士は接触しない。
各受精卵を、約15分間、第一ウェル8内で静置させ、このときに、平板状の細胞凍結具を溝部12に載置する。
次に、受精卵と平衡液ESをキャピラリーで吸引し、第二ウェル9に投入する。この際、キャピラリーの内部に残留した平衡液ESは、廃液部11に捨てる。その後、キャピラリーを第二ウェル9及び第三ウェル10の内部のガラス化液VSで共洗いし、受精卵とガラス化液VSを吸引する。吸引した受精卵は、第三ウェル10に投入される。
第三ウェル10の内部のガラス化液VSを、キャピラリーで攪拌し、受精卵の状態を確認した後、キャピラリーを第三ウェル10の内部のガラス化液VSで共洗いする。そして、キャピラリーで吸引した受精卵を、細胞凍結具の先端にドロップさせ、液体窒素で凍結させる。
以上の操作を、第一ウェル8に沈降させた各受精卵について行い、1つの細胞操作用器具1を使用して、4つの受精卵が凍結される。
次に、本実施形態に係る細胞操作用器具1の作用効果について説明する。
本実施形態に係る細胞操作用器具1では、各ウェル8から10に各溶液(平衡液ES、ガラス化液VS)が充填された状態で、シール材3によって密閉されている。そのため、使用者は、各ウェル8から10に所望の溶液を充填する手間が省ける。また、各溶液を各ウェルに注入する際に使用していた器具(例えば、ピペット)も不要となるため、経済的にコストを低く抑えることができる。
また、初めから各ウェル8から10に各溶液が充填されていることで、使用者の液体の入れ間違えを防止できる。
また、この細胞操作用器具1では、プレート本体2の上面にシール材3を設けることで、従来使用していた蓋体が不要となる。蓋体が不要となれば、経済的にもコストも低く抑えることができ、受精卵の凍結をより安価で行うことができる。
本実施形態に係る細胞操作用器具1は、第一ウェル8の少なくとも底部8Aに2つの凸部13を設けることで、底部8Aが凸部13で仕切られる。そうすると、底部8Aは、4つの底部8Aに分割され、各底部8Aに各受精卵を沈降させることができる。
このように、本実施形態に係る細胞操作用器具1を使用することで、4つの受精卵の凍結操作に対し、1つの細胞操作用器具1で足りるため、1つの受精卵の凍結のために、1つの器具(プレート本体)を使用する場合と比べ、迅速に受精卵を取り扱うことができる。さらに、使用する器具の個数や平衡液ES、ガラス化液VSの量を少なくすることができ、受精卵の凍結をより安価で行うことができる。
また、底部8Aは、隆起部13Aが形成されているため、各底部8Aには、凸部13から少し離れた位置に凹部13Bが形成される。そうすると、第一ウェル8に投入された受精卵は、この凹部13Bに沈降するため、凸部13が観察の妨げにならず、良好な視界で受精卵を観察できる。さらに、受精卵は凹部13Bに沈降するため、この凹部13Bの位置に顕微鏡のレンズを合わせることで、迅速に受精卵を確認できる。
本実施形態に係る細胞操作用器具1は、凸部13が底部8Aから側壁部8Bにかけて設けられている。そうすると、凸部13が誘導部となり、第一ウェル8に投入された受精卵が平衡液ES内で目的の底部8Aまで誘導される。そのため、受精卵を目的の底部8Aまで誘導しやすくなり、操作性が高くなる。
本実施形態に係る細胞操作用器具1は、プレート本体2に廃液部11が複数形成されている。受精卵の凍結操作の際に、共洗い等で生じる廃液を、これらの廃液部11に捨てることができる。廃液部11は、第一ウェル8から第三ウェル10に近接した位置に形成されているため、廃液操作を円滑に行うことができる。
次に、第一ウェル8の底部8Aの形状、及び凸部13の形状の変形例について説明する。
第一ウェル8の底部8Aには、図5に示すように、隆起部13Aを設けず、湾曲状の底部8Aに凸部13のみを設けることもできる。この際、底部8Aと側壁部8Bは、同じ曲率で形成されている。また、図6に示すように、底部8Aを扁平状に形成することもできる。どちらの形状にした場合でも、1つの第一ウェル8で、複数の受精卵を凍結操作することができる。
凸部13は、図7に示したように、短手方向における断面が半楕円状(図7(a))、半円状(図7(b))、三角形状(図7(c))とし、凸部13の上端から下端に向けて傾斜する傾斜面15を有する形状とすることができる。傾斜面15を備えることで、例えば、受精卵が凸部13の上端に沈降した場合でも、傾斜面15を伝わらせて、底部8Aに沈降させることができる。
また、傾斜面15の上端を湾曲した半楕円球状や円球状とした場合、受精卵が傾斜面15の先端に接触した際に、損傷させることなく、底部8Aに沈降させることができる。
以上のように、本実施形態に係る細胞操作用器具1は、平衡液ESが注入される第一ウェル8を有するプレート本体2を備え、細胞を凍結する前段階で使用することができ、第一ウェル8は、湾曲状に形成された底部8Aと、底部8Aに連なって形成された、湾曲状の内周壁8Bとを備えている。そして、底部8A及び内周壁8Bを複数に仕切るための凸部13が、第一ウェル8の中心から底部8A及び内周壁8Bに沿って、複数設けられ、凸部13によって仕切られた底部8Aと、仕切られた内周壁8Bが連通し、かつ凸部13から底部8Aにかけて隆起部13Aが形成されることで、仕切られた底部8Aに、凹部13Bが形成され、この凹部13Bに細胞が沈降される。
また、細胞操作用器具1において、図8及び図9に示すように、プレート本体2に設けられたシール材3に、切込み3Aを形成することもできる。具体的には、切込み3Aは、第一ウェル8を密閉するシール材3と第二ウェル9を密閉するシール材3との間、第二ウェル9を密閉するシール材3と第三ウェル10を密閉するシール材3との間の前後方向Yに向けて、それぞれ形成されている。
シール材3に切込み3Aを形成することで、ウェルごとに全開とすることができる。そうすると、例えば、第一ウェル8を密閉しているシール材3のみを剥がし、第一ウェル8の内部で細胞を操作している際は、第二ウェル9及び第三ウェル10は、密閉されているため、第一ウェル8の平衡液ESが、隣接する第二ウェル9のガラス化液VSに混じることを防止できる。
さらに、本実施形態に係る細胞操作用器具1では、図10及び図11に示すように、溝部12を覆うように、シール材3をプレート本体2の上面の全体に貼り付けることもできる。この際、シール材3の一端は、後壁5に貼り付けられ、溝部12の先端及び後端とシール材3との間に隙間(空間)が生じる。
溝部12の先端及び後端に隙間が形成されることで、この隙間に指を入れ、シール材3を剥がすことができる。そのため、上面の全体にシール材3が設けられていない場合と比較し、シール材3を容易に剥がすことができ、操作性が高くなる。
なお、シール材3が全面に設けられた細胞操作用器具1においても、上述した切込み3Aを設けることができる。
[第二実施形態]
本実施形態では、凍結された未受精卵や受精卵(胚盤胞など)を融解する操作に使用する細胞操作用器具1Aについて、図12及び図13を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞操作用器具1Aは、図12に示すように、プレート本体(本体部)2と、このプレート本体2の上面に設けられた1枚のシール材3とを備え、前壁4、前壁4と対向する後壁5、前壁4と後壁5と連なって形成される左側壁6及び右側壁7を有している。プレート本体2は、左右方向Xに向けて、略半円球状の第一ウェル8、第二ウェル9、第三ウェル10が形成されている。また、第一ウェル8の左右方向Xの左方には、略四角形の第四ウェル30が形成されている。この第四ウェル30は、図13に示すように、左右方向Xにおいて、左方から右方に向けて傾斜する傾斜面31を有している。細胞操作用器具1Aを使用する際、第四ウェル30には、融解液TS(Thawing Solution)(第四の溶液)が分注される。
シール材3は、第一ウェル8に希釈液DS(Dilution Solution)(第一の溶液)、第二ウェル9に洗浄液WS1(Washing Solution 1)(第二の溶液)及び第三ウェル10に洗浄液WS2(Washing Solution 2)(第三の溶液)がそれぞれ充填された後に、プレート本体2に剥離可能な状態で貼り付けられる。
具体的には、シール材3は、第一ウェル8の開口部20の周縁部20A、第二ウェル9の開口部21の周縁部21A及び第三ウェル10の開口部22の周縁部22Aに密着するように、プレート本体2の上面に貼り付けられている。このシール材3によって、第一ウェル8から第三ウェル10は密閉される。この際、第四ウェル30は、シール材3によって、密閉されていない。
なお、細胞操作用器具1Aは、第四ウェル30を備える点、第一ウェル8に凸部13が形成されていない点及び溝部12が形成されていない点で、第一実施形態に係る細胞操作用器具1と主として相違している。また、素材や、第一ウェル8から第三ウェル10のサイズは、ほぼ同じに設計されている。
次に、本実施形態に係る細胞操作用器具1Aの使用方法をについて、説明する。
まず、37度にプレインキュベートした融解液TSを第四ウェル30に注入し、直ちにこの融解液TSに凍結された受精卵を1分間浸漬させる。浸漬後、シール材3をプレート本体2から剥がし、第一ウェル8、第二ウェル9及び第三ウェル10を全開にする。
その後、受精卵を第一ウェル8の希釈液DSに投入し、3分間希釈化する。次に、希釈化された受精卵を第二ウェル9の洗浄液WS1に投入し、5分間洗浄する。最後に、第三ウェル10の洗浄液WS2に投入し、洗浄を完了する。洗浄後、受精卵は、胚移植などに使用される。
本実施形態に係る細胞操作用器具1Aでは、第一ウェル8から第三ウェル10に所望の溶液(希釈液DS、洗浄液WS1,WS2)が充填された状態でシール材3によって密閉されているため、使用者は、各ウェル8から10に所望の溶液を充填する手間が省ける。また、各ウェル8から10に所望の溶液が充填されていることで、使用者の溶液の入れ間違えも防止することができる。さらに、この細胞操作用器具1Aでは、蓋体が不要となるため、コストも低く抑えることができ、受精卵の凍結をより安価で行うことができる。
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本考案の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態では、凸部13を設ける例について説明したが、第一ウェル8の内部に仕切り板を設けることでも、複数の受精卵を接触させずに、取り扱うことができる。
また、本実施形態では、凸部13を底部8Aから側壁部8Bにかけて設けた例について説明したが、凸部13は、底部8Aを複数に仕切ることができればよいため、底部8Aにのみ設けてもよい。
第一ウェル8から第三ウェル10の内周壁は、湾曲状以外にも、テーパ状にすることもできる。また、受精卵や未受精卵を凍結する前段階で使用する場合、ウェルの個数は3つに限定されず、平衡液ESの分注用、ガラス化液VSの分注用のウェルを備えていればよい。なお、操作する細胞に応じて、プレート本体2は、第一ウェル8のみ備えていてもよい。
また、凸部13の短手方向における断面の形状は、実施形態に示したものに限定されず、例えば、四角形状や台形状、上端部が両側にそり返された形状でもよい。さらに、プレート本体2の溝部12は、載置する細胞凍結具の把持部の形状に対応させた形状とすることができ、例えば、細胞凍結具の把持部が六角形状の場合、溝部12の形状を六角形状にすることができる。
本実施形態では、1枚のシール材3を使用した例について説明したが、例えば、ウェルごとにシール材3で密閉することもできる。また、第一実施形態に係る細胞操作賞器具1同様、第二実施形態に係る細胞操作用器具1Aのシール材3に、切込み3Aを形成することもできる。また、細胞操作用器具1Aにおいて、第四ウェル30をシール材3で密封することもできる。
1,1A 細胞操作用器具(器具)
2 プレート本体(本体部)
3 シール材
3A 切込み
4 前壁
5 後壁
6 左側壁
7 右側壁
8 第一ウェル
8A 底部
8B 側壁部(内周壁)
9 第二ウェル
10 第三ウェル
11 廃液部(廃液用凹部)
12 溝部
13 凸部
13A 隆起部
13B 凹部
15 傾斜面
20,21,22 開口部
20A,21A,22A 周縁部
30 第四ウェル
31 傾斜面
ES 平衡液(第一の溶液)
VS ガラス化液(第二の溶液、第三の溶液)
DS 希釈液(第一の溶液)
WS1 洗浄液(第二の溶液)
WS2 洗浄液(第三の溶液)
TS 融解液(第四の溶液)
H 高さ
L1、L2 長さ
X 左右方向
Y 前後方向
Z 上下方向

Claims (5)

  1. 細胞を操作する際に使用する細胞操作用器具であって、
    第一の溶液が充填される第一ウェルを有する本体部と、前記本体部の上面に剥離可能な状態で設けられたシール材と、を備え、
    前記第一ウェルに前記第一の溶液が充填された状態で、前記シール材が前記第一ウェルの開口部の周縁部に密着され、前記シール材によって前記第一ウェルが密閉されている、
    ことを特徴とする細胞操作用器具。
  2. 前記第一ウェルは、底部と、前記底部に連なって形成された、湾曲状の内周壁とを有し、
    前記底部及び前記内周壁を複数に仕切るための凸部が、前記第一ウェルの中心から前記底部及び前記内周壁に沿って、複数設けられ、
    前記凸部から前記底部にかけて隆起部が形成されることで、前記底部に、前記底部の中心を囲うように凹部が形成され、前記凹部に細胞が沈降される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞操作用器具。
  3. 前記凸部が、前記第一ウェルにのみ形成され、
    前記本体部は、前記第一ウェルに隣り合って形成され、第二の溶液が充填される第二ウェルを有し、
    前記第二ウェルに前記第二の溶液が充填された状態で、前記シール材が前記第二ウェルの開口部の周縁部に密着され、前記シール材によって前記第二ウェルが密閉されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の細胞操作用器具。
  4. 前記第一ウェルが密閉された前記シール材と前記第二ウェルが密閉された前記シール材との間に切込みが形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の細胞操作用器具。
  5. 前記凸部は、前記内周壁に沿って、かつ湾曲状に形成され、
    前記凸部の高さが、100μmから1000μmであり、かつ前記内周壁から前記底部の中心にかけて、次第に高くなる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の細胞操作用器具。
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