JP3226793U - 眼鏡レンズ用ワイピングクロス - Google Patents

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【課題】レンズ表面の汚れを確実に除去するとともに防曇効果を付与することができる眼鏡レンズ用ワイピングクロスを提供する。【解決手段】芯材であるクッション材3の外周を覆う接着剤層2を有し、さらに上記接着剤層2を覆う編物層1を有する。芯材としてクッション材を有するので、ボリューム感があり、眼鏡レンズの表面にほぼ均一の押圧力で当接する。このワイピングクロスに市販の曇り止め薬剤を滴下して眼鏡レンズを一方向に拭き取ることにより、眼鏡レンズ表面の汚れを確実に除去するとともに眼鏡レンズ表面に曇り止め薬剤を塗布することができる。【選択図】図1

Description

本考案は眼鏡レンズ用ワイピングクロスに関し、詳しくは、眼鏡レンズ表面の汚れを除去すると共に防曇効果を付与することができる眼鏡レンズ用ワイピングクロスに関するものである。
例えば、眼鏡の手入れ用品として、レンズの洗浄をする洗浄液や超極細繊維を含むワイピングクロスや防曇効果をレンズに付与する薬剤やこのような薬剤を含浸させたシートなどの様々な物品が提案されている。
これらの眼鏡の手入れ用品の中で、薬剤はスプレータイプ、ジェルタイプ又はムースタイプなどとして市販されているものが多い。いずれのタイプの薬剤であっても、眼鏡のレンズに薬剤を塗布した後は、乾燥及び仕上げの拭き取りという手順を踏むことが必要である。
例えば、特許文献1には、フッ化炭素系樹脂によるコーティング処理を施した面に使用するものであって、不織布に薬液を含浸させた曇り止めクロスにおいて、不織布の少なくとも一部が、分割繊維と非分割繊維を、分割繊維:非分割繊維=2:8〜8:2 (質量比)で含む不織布であり、薬液の少なくとも一部が、カチオン系フッ素界面活性剤及びノニオン系フッ素界面活性剤を含む薬液であることを特徴とする、ドライタイプの曇り止めクロスが記載されている。
しかし、特許文献1に記載された曇り止めクロスでは、眼鏡レンズを拭いた後に脱落した繊維が眼鏡レンズに付着するリスクや曇り止めクロスに付着した汚れが眼鏡レンズに転写される可能性があり、かえって眼鏡の汚れが目立ってしまうことがある。そのような場合に、曇り止めクロスで再度汚れを除去しようとすると、曇り止め効果まで剥奪されてしまうという問題が発生する。
特許第5081664号明細書
眼鏡レンズに防曇剤を塗布する場合、防曇剤をレンズに滴下して、ティッシュペーパー等で均一に塗り広げ、防曇剤の乾燥後に仕上げ拭きをする必要があり、時間と手間がかかる。また、すでに防曇剤が染み込ませてある防曇シートを用いる場合、吐息でレンズを曇らせてから拭き取る必要があり、視力が良くない者にとっては均一に防曇剤をレンズに塗布できたかどうかを確認することが困難である。また、防曇シートには不織布が用いられることが多いため、拭き取り性があまり良くない。
本考案は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、レンズ表面の汚れを確実に除去するとともに防曇効果を付与することができる眼鏡レンズ用ワイピングクロスを提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスは、芯材であるクッション材の外周を覆う接着剤層を有し、さらに上記接着剤層を覆う編物層を有することを特徴とする。
本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスは、芯材としてクッション材を有するので、ボリューム感があり、眼鏡レンズの表面にほぼ均一の押圧力で当接することが可能である。従って、本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスに市販の曇り止め薬剤を滴下して眼鏡レンズを一方向に拭き取ることにより、眼鏡レンズ表面の汚れを確実に除去するとともに眼鏡レンズ表面に曇り止め薬剤を塗布することができる。
本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスの一実施形態の概略断面構成を示す図である。
図1は本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスの一実施形態の概略断面構成を示す図であり、芯材であるクッション材3の外周を覆う接着剤層2を有し、さらに上記接着剤層2を覆う編物層1を有している。
編物層1としては、単糸繊度が0.01〜0.2デシテックスの超極細繊維からなる編物層又は単糸繊度が0.1〜3.0デシテックスの合成繊維からなる編物層を使用することができる。単糸繊度が0.01デシテックス未満の超極細繊維は強度が低いため、小さな突起物にひっかかった際に、切れやすい。一方、単糸繊度が0.2デシテックスを超える超極細繊維は拭き取り性が良くない。単糸繊度が0.1デシテックス未満の合成繊維は強度が低いため、小さな突起物にひっかかった際に、切れやすい。一方、単糸繊度が3.0デシテックスを超える合成繊維は眼鏡レンズの表面をキズつけたり、拭き取り性が良くない。
接着剤層2の接着剤としては、ホットメルト接着剤を使用することができる。ホットメルト接着剤は、主成分によって、以下の6種類に分けることができる。エチレン酢酸ビニル共重合系ホットメルト接着剤、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、合成ゴム系ホットメルト接着剤、アクリル系ホットメルト接着剤、ポリウレタン系ホットメルト接着剤である。必要に応じて、これらの接着剤から選択することができる。
クッション材3としては、クッション性を有する素材であればよいが、例えば、ポリウレタン製のスポンジを使用することができる。クッション材3の大きさは限定されるものではないが、例えば、図1に示す断面において、幅が7〜10cmで、高さが3〜4cmで、断面の奥行方向である厚みが1〜2.5cmのものを使用することができる。
本考案において、編物層の目付量は、50〜300g/m、好ましくは、150〜200g/mである。50g/m未満では薄すぎて破れやすく、また吸水性も低い。一方、300g/mを超えると、厚すぎてゴワゴワして取り扱いにくく、空隙が少なくなり、吸水性が低くなる。
また、本考案において、編物層の嵩高度は、3〜7cm/gである。嵩高度が、3cm/g未満であると、薄すぎて取り扱いにくく、また吸水性が非常に低くなる。一方、7cm/gを超えると、厚すぎてゴワゴワしてしまい扱いづらくなる。
このような嵩高度とするには、フィラメント糸に仮撚・熱処理による捲縮加工、エアー交絡による糸−糸の絡み付与などの糸加工、あるいは編地の熱処理による収縮付与などの手段を採用することができる。
本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスの吸水速度(JIS L−1907:2010 7.1.2)は、タテ方向及びヨコ方向ともに140mm以上で、好ましくは、145mm以上160mm未満である。
本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスは、JIS L−1907:2010 7.2で測定される吸水率が、350重量%以上であり、好ましくは、350重量%以上400重量%未満である。
次に、本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスの好ましい製造方法の1例であるLF精練法について説明する。通常の精練工程は、連続精練を行っている。しかし、連続精練ではそれまでの工程で付いてきた編み立て油剤などをしっかり洗い流すことができない。そのため吸水性が非常に悪く、溶剤を含ませようとしても、吸収せずこぼれてしまう。
そこで、本考案においては精練工程を連続式でなく、バッチ式で行い、しかも液流染色機を用いて精練を行うものである。
まず、精練を行う前に、湯洗いを行い、それにより若干の油剤を取り除き、引き続き、精練を行う。精練の条件としては、水酸化ナトリウムを1〜5g/l(固形)とポリオキシアルキルエーテル化合物(非イオン系)を主成分とした低気泡精練剤を用いて、精練を行う。その精練温度は80℃〜100℃が好ましい。苛性ソーダを使用することにより、油剤を取り除くとともに、繊維の表面を溶かすことにより親水性を持たせることができる。
また、精練後の洗いにおいては、できるだけイオンを除去するために湯洗いを2度行っている。また、イオンをさらに除去するためには、金属封鎖剤を用いて湯洗することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本考案を詳細に説明する。
《実施例1》
660デシテックス、9フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、丸編機(28G)を用いてインターロック方式で編成し生機とした。この生機を開反した後、液流染色機で一旦、60℃×10分湯洗いを行い、室温で水洗を行った。その後、苛性ソーダと“サンモールFL”(日華化学(株)商品名−ポリオキシアルキルエーテル化合物)を主成分とした低起泡精練剤で精練を行うことにより、生機についている油剤を取り除き、またポリエステル繊維の表面を若干、溶かすことでポリエステル繊維に親水性を持たせた。次いで、苛性ソーダをできるだけ取り除くために、60℃×10分の湯洗いを2回行った。その後、乾燥させ160℃でヒートセットした。
図1に示すように、幅が7.0〜10.0cmで、高さが3.0〜4.0cmで、厚みが1.0〜2.5cmのポリウレタン製のスポンジからなるクッション材3の外周を覆うように、接着剤層2としてエチレン酢酸ビニル共重合系のホットメルト接着剤を巻き付け、さらに上記ホットメルト接着剤を覆うように、上記のようにして得た編物層1を配置して、200〜300℃の接着条件で、実施例1の眼鏡レンズ用ワイピングクロスを得た。
《比較例1》
段落[0026]に記載のようにして得られた編物層を、比較例1の眼鏡レンズ用ワイピングクロス(クッション材を有しないもの)とした。
実施例1と比較例1の眼鏡レンズ用ワイピングクロスの両方について、曇り止め薬剤として市販されている、株式会社ソフト99社製の商品名「メガネのくもり止め ハンディスプレー」を適量滴下して、眼鏡を着用している被験者の眼鏡レンズを拭き取ることにより、効果を確認する試験を行った。
実施例1の眼鏡レンズ用ワイピングクロスに上記曇り止め薬剤を適量滴下して、被験者の右側の眼鏡レンズを拭き取る操作を行った結果、一回の拭き取り操作で眼鏡レンズ表面の汚れを確実に除去するとともに眼鏡レンズ表面に曇り止め薬剤を塗布することができた。
しかし、比較例1の眼鏡レンズ用ワイピングクロスに上記曇り止め薬剤を適量滴下して、被験者の左側の眼鏡レンズを拭き取る操作を行った結果、一回の拭き取り操作で眼鏡レンズ表面の汚れを除去できなかった。そこで、再度拭き取り操作を行った結果、曇り止め薬剤を拭き取ってしまい、眼鏡レンズ表面に曇り止め薬剤を塗布することができなかった。
本考案の眼鏡レンズ用ワイピングクロスは眼鏡レンズの汚れ除去に適している。
1 編物層
2 接着剤層
3 クッション材

Claims (5)

  1. 芯材であるクッション材の外周を覆う接着剤層を有し、さらに上記接着剤層を覆う編物層を有することを特徴とする眼鏡レンズ用ワイピングクロス。
  2. 該編物層を構成する繊維の単糸繊度が0.01〜0.2デシテックスである請求項1に記載の眼鏡レンズ用ワイピングクロス。
  3. 該編物層の目付量が50〜300g/mである請求項1に記載の眼鏡レンズ用ワイピングクロス。
  4. 該編物層の嵩高度が3〜7cm/gである請求項1に記載の眼鏡レンズ用ワイピングクロス。
  5. タテ方向及びヨコ方向の吸水速度が、ともに140mm以上である請求項1に記載の眼鏡レンズ用ワイピングクロス。
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