JP3226453B2 - セメント板の製造方法 - Google Patents
セメント板の製造方法Info
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Description
用したセメント板の製造方法に関するものである。
メント板廃材、あるいはセメント板の製造工程から排出
されるトリミング屑等のセメント板廃材は従来は粉砕し
て埋設処理されていたが、最近ではセメント板等のセメ
ント硬化物製品を製造する際に原料の一部として再利用
することが試みられている(例えば特開昭63−824
7号)。
板廃材自体は硬化性が乏しいので、添加量を増やすとセ
メント硬化物製品の強度が低下する。したがって従来で
はセメント板原料中10重量%程度しかセメント板廃材
を添加することが出来ず、セメント板廃材の再利用率は
低いものであった。
を解決するための手段として、セメント板廃材を粒径3
00μm以下に粉砕し、該粉砕物を粗粒分と微粒分とに
分別し、該粗粒分を芯層に配し、該微粒分を表層に配し
た複層マットにフォーミングして150kg/cm2 以上の
高圧でプレスした上でオートクレーブ養生を行なうセメ
ント板の製造方法を提供するものである。
板廃材とは、建築物の修理、撤去等によって生ずるセメ
ント板廃材、あるいはセメント板の製造工程から排出さ
れるトリミング屑等であって、通常セメント類、ケイ酸
含有物質、補強繊維材料等を原料として乾式法あるいは
湿式法(抄造法)によって製造されたセメント板の廃材
である。該セメント板廃材には未反応のCa O、Si O
2 、およびAl2O3 等の活性物質が若干残存しているの
で硬化性が残存している。上記セメント板廃材は硬化反
応を促進するために粒径300μm以下、望ましくは2
00μm以下、更に望ましくは180μm以下に粉砕さ
れる。粒径300μmを越える粉砕物の場合は、反応に
関与する活性面積が小さく、上記残存活性物質による硬
化反応が円滑に進みにくゝなり、その上150kg/cm2
以上の高圧プレスを及ぼすと該粗大粉砕物は破砕され、
それが原因となってマットに亀裂が生ずるので、セメン
ト板製品を製造することが殆ど不可能になる。該粉砕物
は篩、風選等によって粗粒分と微粒分とに分別される。
該粗粒分は例えば75μm以上の粒径のものであり、該
微粒分は例えば75μm以下の粒径のものである。
板製品の強度を補強するため、あるいは上記セメント板
廃材粉砕物の硬化性を強化するために、更にパルプ繊
維、故紙解繊物、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
アクリル繊維、アセテート繊維、ポリエチレン繊維、ポ
リプロピレン繊維等の有機繊維やガラス繊維、炭素繊
維、セラミック繊維等の無機繊維等の補強繊維材料の一
種または二種以上および/またはケイ石粉、シリカ粉、
シリカヒューム、シラスバルーン、パーライト、マイ
カ、ケイ藻土、ドロマイト、ウォラストナイト、フライ
アッシュ、高炉スラグ、石炭灰、ガラス粉、ケイ質粘
土、ベントナイト等のケイ酸含有物質の一種または二種
以上が添加されてもよい。上記補強繊維材料およびケイ
酸含有物質は夫々30重量%以下の量で添加される。こ
れらの添加量が30重量%を越えるとセメント板製品を
補強する効果や硬化性を強化する効果は飽和し、そして
セメント板廃材再利用率が低下する。上記成分の他所望
なればさらにポルトランドセメント、ジェットセメン
ト、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、ア
ルミナセメント等のセメント類、塩化カルシウム、塩化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ソーダ、水ガラス等のセメント硬化促進
剤、ワックス、パラフィン、シリコン等の撥水剤が添加
されてもよい。
ント板廃材粉砕物の粗粒分と微粒分の夫々に所望なれば
更に上記補強繊維材料および/またはケイ酸含有物質等
を添加した原料を5〜15重量%程度の固形分で水に分
散させたスラリーをヌッチェ式抄造機、長網式抄造機、
丸網式抄造機等の抄造機によって抄造脱水してマットを
フォーミングする抄造法、あるいは上記原料を40重量
%以下の含水状態で型板上に散布してマットをフォーミ
ングする乾式法によって粗粒分からなるマットA、ある
いは微粒分からなるマットBを夫々フォーミングする。
該セメント板廃材粉砕物中にはセメント硬化物小塊が付
着した状態の補強繊維材料が含まれており、このような
状態の補強繊維材料は抄造法を適用した場合、スラリー
の濾水性を向上せしめる。上記抄造法あるいは乾式法に
よってフォーミングされた粗粒分からなるマットAと微
粒分からなるマットBとは例えば図1に示すように二層
に重ねられるかあるいは図2に示すように三層に重ねら
れ、微粒分からなるマットBを表層、粗粒分からなるマ
ットAを芯層とする。
状本体(2) と、該ロート状本体(2)内に張設される網(3)
と、該本体(2) 底部に接続される吸引管(4) とからな
り、該ヌッチェ式抄造機(1) の場合は最初微粒分のスラ
リーを該抄造機(1) の網(3)上に流出し、抄造脱水して
マットBをフォーミングし、次いで粗粒分のスラリーを
該マットB上に流出して抄造脱水することによってマッ
トAをフォーミングするかあるいは逆にマットAをフォ
ーミングしてからマットBをフォーミングして二層構造
を有するマットとする。更に三層構造を有するマットと
するには上記のようにしてマットB上にフォーミングさ
れたマットA上に更に微粒分のスラリーを流出し、抄造
脱水してマットBをフォーミングする。
ットは150kg/cm2 以上の高圧でプレスされる。この
ような高圧プレスによって粒径300μm以下で大きい
活性面積を有するセメント板廃材粉砕物相互、あるいは
セメント板廃材粉砕物とケイ酸含有物質とが密着して反
応が起こり易くなる。上記プレスにおいて型面に凹凸模
様を付した型板を使用して上記複層マットの表面にエン
ボスを施してもよい。
ば一次養生される。上記一次養生条件は通常40〜60
℃で8〜12時間である。上記一次養生後、該マットは
オートクレーブ養生される。オートクレーブ養生条件は
通常160〜180℃で6〜12時間である。上記オー
トクレーブ養生において上記複層マットの各層中のセメ
ント板廃材粉砕物相互、あるいはセメント板廃材粉砕物
とケイ酸含有物質との反応が円滑に行なわれ、該複層マ
ットは硬化してセメント板となる。
微粒分を含む表層は該微粒分相互あるいは該微粒分とケ
イ酸含有物質とが非常に密に接触しているので、硬化反
応は極めて円滑に行なわれ、セメント板製品の表面強度
が大巾に向上し、また優れた表面平滑性が得られる。一
方粗粒分を含む芯層は粗構造であるからセメント板製品
を軽量化し、かつそのクッション性によりシャープなエ
ンボス模様の形成を可能にする。また三層構造のセメン
ト板では表裏層が同じ物性のマットBからなるので反り
等の変形の少ないセメント板製品が得られる。
たセメント板廃材を粉砕して300μm以下の粒径のも
のを篩別し、該篩別したセメント板廃材を更に150μ
mの篩、75μmの篩、32μmの篩で篩別し、下記に
示す三種類の分別粉砕物試料を得た。 分別粉砕物試料No.1 篩 150μm 粗粒分A(150〜300μm) 22重量% 微粒分B(150μm>) 78重量% 分別粉砕物試料No.2 篩 75μm 粗粒分A(75〜300μm) 42重量% 微粒分B(75μm>) 58重量% 分別粉砕物試料No.3 篩 32μm 粗粒分A(32〜300μm) 83重量% 微粒分B(32μm>) 17重量% 上記試料No.1,No.2,No.3において、粗粒分Aは
単独で水に分散して7重量%固形分のスラリーAを作製
し、微粒分Bには5重量%のパルプを添加して水に分散
して7重量%固形分のスラリーBを作製し、図3に示す
ヌッチェ式抄造機によって粗粒分Aを含むスラリーAか
らなるマットAを芯層とし、微粒分Bを含むスラリーB
からなるマットBを表層とする二層構造あるいは三層構
造の複層マットをフォーミングし、該複層マットを25
0kg/cm2 の圧力でプレスした後50℃で10時間一次
養生し、次いで170℃で10時間オートクレーブ養生
して複層セメント板試料を作製した。得られた複層セメ
ント板試料A,B,C,Dの物性は表1に示される。
廃材を粉砕して300μm以下の粒径のものを篩別し、
更に分別することなく、該粉砕物に5重量%のパルプを
添加して水に分散して7重量%固形分のスラリーとし、
該スラリーを図3に示すヌッチェ式抄造機によって単層
マットをフォーミングし、実施例と同じ条件でプレス、
養生することにより製造された。セメント板試料Fはセ
メント板試料Aと同じ分別粉砕物試料No.1を使用し、
同じ方法によって製造されたが、プレス圧のみ120kg
/cm2 に設定した。セメント板試料Gの場合は300μ
m以上の粒径のセメント板廃材粉砕物を用いてセメント
板試料Eと同様にして製造しようと試みたが、250kg
/cm2 の圧力でプレスした時点でマット割れを生じ、セ
メント板製品を得ることが出来なかった。比較セメント
板試料E,F,Gの物性は表2に示される。
セメント板試料A,B,C,Dは優れた曲げ強度を示す
が、分別しない300μm以下の粒径のセメント板廃材
粉砕物を使用した試料Eおよびプレス圧が150kg/cm
2 に満たない試料Fは本発明の試料よりも曲げ強度が可
成り低下しており、300μm以上の粒径のセメント板
廃材粉砕物を使用した試料Gではいわゆるマット割れに
よりセメント板製品が得られなかった。
粒径300μm以下に粉砕して硬化反応に関与する活性
面積を増大させ、しかも該粉砕物を粗粒分と微粒分とに
分別し、粗粒分は芯層に微粒分は表層に配した複層マッ
トを高圧プレスして原料相互を密接させ、そしてオート
クレーブ養生するので、該セメント板廃材に若干残存し
ている未反応のCa O、Si O2 、およびAl2O3 等の
活性物質に因る硬化反応が特に表層では円滑に進み、そ
の結果セメント板廃材を大量に使用しても高強度なセメ
ント板製品が得られ、セメント板廃材の再利用効率が実
に10倍程度向上する。
Claims (4)
- 【請求項1】セメント板廃材を粒径300μm以下に粉
砕し、該粉砕物を粗粒分と微粒分とに分別し、該粗粒分
を芯層に配し、該微粒分を表層に配した複層マットにフ
ォーミングして150kg/cm2 以上の高圧でプレスした
上でオートクレーブ養生を行なうことを特徴とするセメ
ント板の製造方法 - 【請求項2】該セメント板廃材はセメントと補強繊維材
料と、ケイ酸含有物質とを主体原料とするセメント板の
廃材である請求項1に記載のセメント板の製造方法 - 【請求項3】該セメント板廃材粉砕物には更に補強繊維
材料および/またはケイ酸含有物質とが各30重量%以
下の含有量で添加される請求項1または2に記載のセメ
ント板の製造方法 - 【請求項4】該マットは抄造によってフォーミングされ
る請求項1または2または3に記載のセメント板の製造
方法
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP02466196A JP3226453B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | セメント板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02466196A JP3226453B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | セメント板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09193118A JPH09193118A (ja) | 1997-07-29 |
JP3226453B2 true JP3226453B2 (ja) | 2001-11-05 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7214678B2 (ja) | 2020-04-01 | 2023-01-30 | 大王製紙株式会社 | 家庭用ロール紙包装体 |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP02466196A patent/JP3226453B2/ja not_active Expired - Fee Related
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