JP3225850B2 - 静電吸着電極およびその製作方法 - Google Patents

静電吸着電極およびその製作方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電吸着電極および
その製作方法に係り、特にウエハ等の半導体基板(以
下、「基板」と略)を真空処理,プラズマ処理または熱
処理等する際に、静電気力を利用して試料台に基板を保
持するのに好適な静電吸着電極および製作方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板処理装置に用いられる静電吸
着電極としては、基板を吸着する電極に負の高電圧を印
加し、基板からプラズマを介してアースに接地する回路
を構成した、いわゆるモノポール電極と称するタイプの
ものが主流であった。例えば、特開平6−216224
号公報に記載の静電チャックが挙げられる。モノポール
電極は静電吸着回路が簡単になるといった長所や印加さ
れる静電吸着電位が基板で一定であるといった特徴があ
る。反面、吸着除電操作がプラズマが発生していないと
出来ないといった短所がある。
【0003】また、特開平6−216224号公報に記
載の静電チャックでは、電極ブロックに静電吸着材とな
るセラミック板を低温ロウ付けにて接合している。静電
吸着用のセラミックはあまり厚いと吸着力が発生しない
ので、所定の薄さに仕上げる必要がある。該静電チャッ
クではセラミックを電極ブロックに接着後、研磨して所
定の厚さに仕上げる方法を取っている。
【0004】また、モノポール電極を用いた静電吸着電
極として、例えば特開平6−275708号公報に記載の静電
チャックが挙げられる。該公報に記載の静電チャック
は、アルミニウム等の金属からなるサセプタ(ブロッ
ク)の上に絶縁膜を介して静電吸着膜を接着する方法に
より製作されている。この方法は、静電吸着膜を例えば
抵抗率が特定の範囲にあるSiC等で製作している。ま
た、ウエハ吸着面に相当する部分を一体物として製作し
ている。
【0005】また、これと同様に考えられるものとして
特開平6−260449号公報に記載のプラズマ処理装
置に用いられる静電チャックがある。
【0006】また、いわゆるダイポール電極と称するタ
イプの電極は、正負の電極を静電吸着すべき基板面内に
有し、プラズマの有無にかかわらず吸着除電出来るとい
った長所がある。ダイポール電極を用いた静電吸着電極
としては、例えば、USP5,055,964号明細書に記載の静電
チャックが挙げられる。該公報に記載の静電チャック
は、電極内に他方の電極を設けたタイプのものである。
テーパ状の凹部を有した第1電極と該凹部に収容される
第2の電極と接合して形成され、第1電極および第2電
極ともに単一の導体ブロックから製造されている。第1
電極と第2電極とを接合した後、組み立てられたチャッ
クの頂部表面に機械加工を施し、最終的な寸法および平
滑度,平面度が与えられる。チャック頂部表面には、陽
極酸化処理等の方法で絶縁材が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】静電チャックは、ウエ
ハが大型化、すなわち、6インチから8インチ、さらに
12インチへと大型化すると電極温度によっては静電吸
着膜と電極ブロックとの熱膨張差が問題になったり、大
きな静電吸着膜の製作が難しいといった点が問題とな
る。例えば、特開平6−216224号公報に記載のセ
ラミック板を取扱う際、ある程度の厚み、すなわち、強
度がないと接着等の取扱いが困難になるという問題があ
る。
【0008】また、静電吸着膜を溶射により形成する場
合は、上記の問題は少ないと考えられるが、焼結材に比
較して溶射膜は耐電圧が低いといった点や、静電吸着に
必要な誘電率,電気抵抗値などの物性値を制御すること
が焼結材に比較して難しいという問題がある。
【0009】さらに、静電吸着膜を焼結体により形成す
る場合には、静電吸着膜の厚さはウエハが大口径化して
も変わらず、薄い静電吸着膜としなければならないので
その取扱いが非常に難しく、ウエハが大口径化された場
合、焼結体で静電吸着膜を作製するのが困難となる。す
なわち、静電吸着膜となる焼結体の大きさに比べその厚
さが薄くなるので、わずかな熱歪によって割れが生じた
り、強度的に取扱いが難しくなる。
【0010】本発明の目的は、これら課題を解決し大口
径ウエハに対応して容易に静電吸着支持手段を製作する
ことのできる静電吸着電極およびその製作方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極ブロック
上に静電吸着部材である静電吸着焼結体(焼結体)を複
数に分割して配置し、静電吸着部材を電極ブロック上に
接着あるいは機械的に固定し、静電吸着部材が固定され
た電極ブロック上に絶縁材の皮膜(絶縁膜)を溶射によ
り形成し、絶縁材の皮膜が形成された電極ブロック上面
を研磨し静電吸着部材面を露出させるものである。
【0012】そして、上記目的は、同一レベルに加工さ
れた電極ブロック上面に複数の焼結体を固定し、焼結体
が設けられた電極ブロック上面に絶縁膜を溶射し、焼結
体が所定の厚さとなるまで絶縁膜と共に同一レベルまで
加工されて成ることを特徴とする静電吸着電極とするこ
とにより、達成される。
【0013】また、上記目的は、同一レベルに加工され
た電極ブロック上面に複数の焼結体を固定し、前記焼結
体が設けられた電極ブロック上面に絶縁膜を溶射し、焼
結体が所定の厚さとなるまで絶縁膜と共に上面を同一レ
ベルに加工することを特徴とする静電吸着電極の製作方
法とすることにより、達成される。
【0014】さらに、上記目的は、導電材で成る電極ブ
ロックと、基板の吸着領域となる電極ブロックの上面で
所定の位置に配置・固定された複数の静電吸着部材とを
具備し、静電吸着部材が固定された電極ブロック上に電
極ブロックと静電吸着部材とを覆って溶射により静電吸
着部材の電気抵抗値のそれより高い値の抵抗値を有する
絶縁材の皮膜が形成され、皮膜が形成された電極ブロッ
クおよび静電吸着部材の上面を研磨し、基板と接触する
静電吸着部材の面を露出させてなることを特徴とする静
電吸着電極とすることにより、達成される。
【0015】また、上記目的は、電極ブロック上に複数
に分割した静電吸着部材を配置し、静電吸着部材を電極
ブロック上に固定し、静電吸着部材が固定された電極ブ
ロック上に電極ブロックと静電吸着部材とを覆って絶縁
材の皮膜を溶射により形成し、絶縁材の皮膜が形成され
た電極ブロックおよび静電吸着部材の上面を研磨し、基
板と接触する静電吸着部材の面を露出させることを特徴
とする静電吸着電極の製作方法とすることにより、達成
される。
【0016】
【発明の実施の形態】静電吸着部材を物性値が比較的安
定している焼結体とすることにより、耐電圧不足は解消
される。また、小さい複数の焼結体の板材で構成する。
これを静電吸着面となるように電極ブロック上に配置
し、ロウ付け等で接着する。次に、焼結体を固定した電
極ブロック上に耐電圧の高いアルミナなどの絶縁材を溶
射によって成膜する。その後、焼結体が露出し所定の厚
さになるまで研磨する。このようにして静電吸着電極を
製作するので、静電吸着面は焼結体で形成でき、その他
の部分は耐電圧の高い溶射膜で形成できる。これによ
り、焼結体の物性値で静電吸着特性を決定でき、小さな
部材の焼結体の組み合わせにより静電吸着面を形成でき
るので、一体物の静電吸着膜の製作に対しウエハの大口
径化に伴う製作の難しさは解決される。
【0017】図1は、静電吸着電極を用いた基板処理装
置の一例を示す。基板処理装置としては、例えば、エッ
チング装置,成膜装置等プラズマを用いたプラズマ処理
装置やイオン注入装置等の真空処理装置がある。この場
合は、プラズマ処理装置を例に説明する。
【0018】内部にプラズマ5を発生させられる真空容
器1には、ガス供給装置2および真空排気装置3が接続
され、プラズマ発生装置4が設けられている。真空容器
1内には、プラズマ5により処理される試料、例えば、
半導体素子基板であるウエハや液晶基板等の基板9が配
置される試料台が設けられている。試料台は、静電吸着
電極10を用いて構成されている。
【0019】静電吸着電極10は、この場合、電極1
1,電極12,絶縁膜13および絶縁膜14から成る。
電極11は、内部に冷媒流路21が形成されるとともに
上面にリング状の凹部が形成されている。電極12はリ
ング状に形成されている。電極11および12は、アル
ミニウム合金などの導電材料で製作される。電極11の
上面の凹部には、絶縁膜13を介して電極12が嵌合さ
れて固定される。絶縁膜13は電極11と電極12の間
にあり、両者を直流的に絶縁する。電極11と電極12
の表面には、静電吸着用の絶縁膜14が形成される。
【0020】また、電極11には電圧印加のためのリー
ド線18が接続されている。電極12には電圧印加用の
リード線19が接続される。リード線19は電極11に
設けられた絶縁管15により形成される貫通孔を通して
接続される。リード線19と電極11とは絶縁管7によ
って電気的に絶縁される。リード線18および19は静
電吸着用電源8に接続される。電極11と電極12とは
電気的に絶縁されているので、静電吸着用電源8によっ
て正負の電圧を印加することによって電極11,12の
上面に基板9を静電吸着することが可能となる。また、
電極12へのリード線19の接続は、図示していないが
電極12に雌ネジを形成し、リード線19の先端に雄ネ
ジを形成して、電極12とリード線19とをボルト締結
することも容易に実施できる。これは、電極11とリー
ド線18との接続においても同様である。
【0021】また、電極11の中央には、絶縁管が設置
された貫通孔20が設けられている。貫通孔20は、静
電吸着したウエハ裏面へ伝熱ガスを導入する際に使用さ
れる。静電吸着用の絶縁膜14は、この場合、溶射によ
り形成され、最後に研磨仕上げを行って平坦且つ所定の
膜厚状態に加工される。溶射による絶縁膜14を用いれ
ば、予め電極表面に機械加工を施しくぼみ(図示省略)
を形成しておくことで、絶縁膜14の形成後の電極11
あるいは電極12の表面に容易に溝を形成することがで
きる。これにより、電極表面にガス分散溝を設ける電極
設計が容易になる。電極表面へのガス分散溝は、処理さ
れる基板の温度制御のための基板裏面への伝熱ガス(例
えば、ヘリウムガス)の供給や、基板温度分布の均一化
のための伝熱特性を調整するために設けられる。
【0022】静電吸着電極10の真空容器1底面への取
付けは、アース板24により行われる。アース板24に
は絶縁板23を介して電極11が取付けられている。中
央に設けられたガス供給用の貫通孔20への伝熱ガスが
漏れないように各接続部はシールされ、電極11,絶縁
板23およびアース板24はボルト(図示省略)で締め
付けて固定されている。電極11の外側周囲にはカバー
22が設置されている。カバー22は、外周部に向かっ
て滑らかに傾斜している。したがって、上方からプラズ
マ中のイオン照射を受けた場合に陰になる部分がない。
そのため、プラズマエッチング等の処理を行った際に発
生する反応生成物がカバー22に堆積しても、クリーニ
ング用のプラズマ中に曝すことにより容易に除去でき
る。したがって、異物低減も容易に行うことが出来る。
【0023】さらに、電極11には、静電吸着用電源と
共にバイアス電源7が接続されている。バイアス電源7
は、高周波バイアス電圧を電極11に印加するが、電極
11とアース板24との間で異常放電を発生しないよう
に、電極11,絶縁板23およびアース板24の直径を
変えて、電極11とアース板24の両者が直接に見えな
いようにしてある。これによって、電極11の外周部に
別の絶縁部材を設ける必要がなく、カバー22が兼用し
ている。
【0024】なお、図1に示した基板16の温度制御
は、電極11に設けられた冷媒流路21に流す冷媒の温
度によってコントロールされる。すなわち、冷媒の温度
によって電極11が温度制御され、絶縁膜14および伝
熱ガスを介して基板9の温度がコントロールされる。こ
の場合、冷媒流路21は電極11にのみ設けてあるが、
絶縁膜13を介する熱伝導によって電極12も温度制御
される。したがって、冷媒は電極12へ供給する必要は
ない。これにより、冷媒流路21は電極11へ設けるだ
けで十分であり、機構的にも簡略化できる。なお、基板
の受け渡し機構部などは省略した。
【0025】以下、上述のような基板処理装置に用いら
れる本発明の静電吸着の一実施例を図2〜5により説明
する。図2は、本実施例により製作した静電吸着電極を
示す。電極ブロック100は前述の電極11および電極
12から成る。電極ブロック100上面には、複数の静
電吸着焼結体(焼結体)101a,bおよび溶射膜10
3が設けられる。複数の焼結体101a,bは、この場
合、内側と外側に二重に配置され、内側に配置された焼
結体101bに伝熱ガス供給用の貫通孔20aが設けら
れている。焼結体101a,bおよび溶射膜103の上
面は、最終的に研磨され研磨面104に基板が保持され
る。すなわち、ダイポール方式の静電吸着電極の場合
は、正負の電圧を印加する電極11,12を絶縁膜13
を介して組み合わせ、焼結体101a,bをそれぞれの
電極に対応させて配置し、その上から溶射を施す。これ
により、モノポールと同様な製作方法で静電吸着電極が
製作できる。
【0026】次に、本実施例の静電吸着電極を製作する
方法を示す。まず、図3に本静電吸着電極を製作する最
初の工程を示す。アルミニウムやアルミニウム合金から
なる電極ブロック100の上面に、アルミナにチタニア
を混合した焼結材またはシリコン炭化物(SiC)などの
電気抵抗が略1010〜1011Ωcm程度の材料からなる焼
結体101a,bを配置する。焼結体は、通常一枚の板
材で電極表面を被うように製作されるが、本実施例では
小さな焼結体101a,bに分けて製作し、該焼結体1
01a,bを電極ブロック100の表面の所定の場所に
配置する。電極ブロック100と焼結体101a,bと
は、図4に示すように両者の間に接着剤102a,bを
介して接着する。接着は、例えば、高温使用のエポキシ
系の接着剤を使用しても良いし、低温ロウ付けを使用し
ても良い。このようにして焼結体101a,bを電極ブ
ロック100上面に固定する。その後、図4に示すよう
に電極ブロック100および焼結体101a,b上に溶
射膜103を形成する。溶射膜の材質は、例えば、アル
ミナとする。溶射膜103の部分では、静電吸着を行う
必要はない。したがって、耐絶縁性に優れているアルミ
ナを使用することができる。すなわち、静電吸着材とし
て溶射膜を形成する場合は1010〜1011Ωcm程度の抵
抗値が必要であったのに対し、単なる絶縁膜として用い
るのでアルミナ素材の抵抗値である1014Ωcm以上の高
い値にすることができる。これにより、耐電圧性に優れ
た膜とすることができる。
【0027】次に、図4に示した研磨面104まで表面
を研磨する。これにより、図5に示すように焼結体10
1a,bが表面に現れる。研磨後の静電吸着電極を図5
に示す。この表面に現れた焼結体101a,bの部分が
基板と接触して静電吸着が行われる。このとき、一部溶
射膜103も基板に接触するが、溶射膜103の抵抗値
が高く、吸着力はほとんど発生しない。したがって、実
質的な静電吸着力は、表面に現れた焼結体101a,b
によって発生する。
【0028】このような製作方法によれば次の利点があ
る。 (1)焼結体101a,bの寸法が小さいため、焼結体
の製作が容易である。 (2)同じく、電極の温度が変化しても電極ブロック1
00と焼結体101a,bの熱膨張差が小さく、機械的
性質に関しての耐温度特性に優れる。 (3)基板9が大型化しても、焼結体101a,bの寸
法あるいは個数を適宜調整することにより対応できる。 (4)焼結体で製作された静電吸着体は、通常最終的に
必要な厚さが0.1mm 以下であることが多い。このた
め、電極に接着させた後に研磨する必要があるが、小さ
なブロックで焼結体を製作するので薄い製作が可能であ
り、接着後の研磨代を少なくできる。
【0029】なお、焼結体101a,bを配置する部分
の電極ブロック100の面を少し低くなるように加工し
て凹ませ、該低くなった面に焼結体101a,bを接着
する。このようにすると、研磨の厚さが少なくても焼結
体101a,bと溶射膜103103との両者が研磨され
易くなる。本方法は、焼結体101a,bの厚さを電極
ブロック100の各部分で変えたい場合の製作方法とし
ても適用できる。さらに、焼結体101a,bの位置決
めを容易にできるという利点もある。
【0030】また、図2に示す静電吸着電極は基板裏面
への伝熱ガス供給を用いた基板の温度制御に対応した構
成となっている。伝熱ガスを用いる場合は、基板外周部
からのガス漏れを防ぐ必要があり、電極面としては平坦
性が要求される。図4に示された研磨面104まで研磨
すると、図5に示すように溶射膜103と同一平面に焼
結体101a,bの面が現れる。これにより、基板9の
外周部における伝熱ガスのシールは、溶射膜103bと
それに接続されている焼結体101aの平坦部とで実行
される。溶射膜103cは一段低く窪んだ面に溶射され
た部分であり、研磨されていない。電極中央側に設けら
れた伝熱ガス供給孔20aから供給されたヘリウム等の
伝熱ガスは、この溶射膜103cの部分に形成された凹
部を通って速やかに基板裏面に供給される。この溶射膜
103cの部分は特に加工する必要はなく、基板温度分
布が均一化されるように焼結体101a,bの位置を配
置し、その焼結体101a,bの間に溶射膜103cを
被覆することで、伝熱ガスの分散溝部が形成される。
【0031】なお、図4に示された焼結体101a,b
はその断面が垂直であるが、このような垂直面に溶射膜
を形成するのは難しい。そこで、焼結体101a,bの
断面を45度程度に傾斜した面にする。このようにすれ
ば、より確実に溶射膜を形成することができる。図6に
焼結体101c,dの断面を傾斜させた静電吸着電極を
示す。図7は図6の基板配置面の平面図である。
【0032】電極ブロックは、この場合、単一の電極1
1aで構成されている。電極11aには静電吸着用電源
8が接続される。この場合、伝熱ガス供給用の貫通孔2
0は電極11aの中央に設けてある。電極11aは基板
9に対応して基板9の外周辺部にリング状の凸部を有し
ている。該凸部の側面は傾斜面としてある。該凸部から
内側の電極11a上面には接着剤102c,dを用いて
焼結体101c,dが二重のリング状に配置して固定し
てある。これら電極11aと焼結体101c,dとの上
表面に溶射膜を形成し、焼結体101c,dが所定厚さ
のレベルになるように溶射膜も含め上面を研磨してあ
る。これにより、電極11aのリング状凸部に形成され
た溶射膜103bは、焼結体101cの上面と同レベル
になる。溶射膜103a,103e,103c,103
dの部分では基板9の載置面より低くなり、溝部が形成
される。同様に、リング状に配置された焼結体101c
およびd同士の間にも溶射膜の溝部が形成される。これ
により、貫通孔20から溶射膜103bまでは溶射膜に
よる溝で連通する。基板9裏面においては溶射膜による
溝を介して、伝熱ガスが均一分散される。
【0033】また、図5に示す静電吸着電極では、基板
外周部における伝熱ガスのシールを、溶射膜103bと
焼結体101aからなる平坦部で行っていた。これに対
し、図6に示す静電吸着電極では、伝熱ガスのシールを
基板外周部の溶射膜103bの被覆された平坦部単独と
してある。このようにすることで、電極11aのリング
状凸部の幅を任意に設定し、伝熱ガスのシール部の寸法
を自由に決めることができる。
【0034】また、図6に示す例では、電極ブロックは
モノポール方式にしてあるが、例えば、焼結体101c
の下側に図4のように電極12を設けてダイポール方式
としても良い。
【0035】以上、本実施例によれば、小片の焼結部材
で静電吸着膜を形成できるので、基板、例えば、ウエハ
の大口径化に伴う製作上の課題が解決でき、コスト低減
が図れる。また、各々の焼結部材が小さいので、その寸
法管理が容易であり、しかも薄い焼結体を製作できる。
これにより、焼結体の取扱いもウエハ径とほぼ同一の一
体焼結体に比べて取扱いが簡単で、格段の差がある。こ
の点においても、製作コストの低減が図れる。
【0036】また、本実施例によれば、基本的にはウエ
ハサイズを選ばないので、異形の基板等にも容易に適用
できるという特徴がある。例えば、液晶用基板等の大面
積,矩形の基板でも全く問題なく静電吸着電極を製作で
きる。
【0037】また、静電吸着電極が低温や高温で使用さ
れる場合に、静電吸着部と電極ブロックの材料の違いに
よって熱膨張差が生じ、静電吸着部材に亀裂が発生した
り剥離したりするという現象を防止できるので、電極の
信頼性が向上するという効果もある。すなわち、焼結部
材を小さくしているので熱膨張による変形量が小さく亀
裂または剥離にまでは至らない。
【0038】さらに、焼結体をアルミニウム合金からな
る電極に接着するに際し、接着剤やロウ材を使用する
が、本実施例では、接着した焼結体の上から溶射による
被覆を行うので、接着剤やロウ材がウエハ処理中に外部
に漏れ出て金属汚染を生じさせる等の不具合を防止する
ことができる。
【0039】また、静電吸着には焼結部材で成る誘電体
を用いるので、静電吸着は焼結部材で決められる物性値
に基づき吸着特性が確保される。したがって、アルミナ
などの溶射膜は単に電気絶縁のための使用で良く、静電
吸着材として適用されるアルミナとチタニアの混合材よ
り耐電圧を高くできる。このため、電極の電気的絶縁特
性の向上が図れる。
【0040】次に、本発明を用いた他の実施例を図8な
いし図11を用いて説明する。図8は、基板を搬送する
搬送アームに適用した例を示す。図8および図9に示さ
れるように、搬送アーム201の先端には基板9を指示
するための支持部が設けられている。該支持部には、基
板9の裏面を3点で支持する支持ブロック210,220が
設けてある。
【0041】図10は支持ブロック220を示すもの
で、焼結体を用いた例を示す。搬送アーム201上面に
は、絶縁板224を介し電極225を設ける。さらに、
電極225上面に接着剤226を用いて焼結体227を
取付ける。焼結体227は搬送アーム201上に複数箇
所設けられ、研磨面104まで研磨されて同一レベルに
加工される。このように構成することにより、300m
m以上の径を有する基板も確実に保持できる。これによ
り、搬送アームによる基板搬送の速度を速くしても、基
板がアーム上からずれたり落下したりすることがなく、
確実な搬送を行うことができる。また、搬送速度を上げ
ることができるので、スループットを向上できる。ま
た、本実施例によれば、焼結体までを組み合わせた後に
研磨加工するだけで仕上がり、加工後に絶縁膜を形成す
る等の作業が不要となり、製作を容易にすることができ
る。
【0042】上述のようにして製作される搬送アーム
は、例えば、図11に示すように真空搬送室200内に
配置される。真空搬送室200の外周辺にはぞれぞれ真
空容器1a,1b,1cおよびロード,アンロードロッ
ク室300が設置される。それぞれの真空容器1a,1
b,1c内には、例えば、前述した静電吸着電極10
a,10b,10cが設けられる。大気側より供給され
る基板は、ロードロック室を介して真空雰囲気内に導入
され、搬送アーム201によって所定の真空容器に運ば
れる。真空容器内での処理の終わった基板は、搬送アー
ムによってアンロードロック室に搬送され、アンロード
ロック室を介して大気側に取出される。この間、基板は
静電吸着されて搬送および真空処理を行われ、確実に支
持された状態で処理される。したがって、信頼性も高く
スループットの向上を図れる装置とすることができる。
【0043】
【発明の効果】以上、本発明によれば、大口径ウエハに
対応して容易に静電吸着支持手段を製作することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である静電吸着電極を用いた
基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の静電吸着電極の一実施例を示す斜視図
である。
【図3】図2の静電吸着電極の製作工程を示す図であっ
て、電極ブロック上への焼結体の配置段階を示す斜視図
である。
【図4】図2の静電吸着電極の製作工程を示す図であっ
て、焼結体の配置後の電極ブロックへの溶射段階を示す
断面図である。
【図5】図2の静電吸着電極の製作工程を示す図であっ
て、溶射膜研磨後の静電吸着電極の完成段階を示す縦断
面図である。
【図6】本発明の静電吸着電極の他の実施例を示す縦断
面図である。
【図7】図6の静電吸着電極の平面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例である静電吸着電極
を用いた基板搬送装置の基板支持部の構成を示す斜視図
である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】図8の基板支持部の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図11】本発明の静電吸着電極および基板搬送装置を
用いた処理装置の一例を示す平断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,200…真空容器、2…ガス供
給装置、3…真空排気装置、4…プラズマ発生装置、5
…プラズマ、6…伝熱ガス供給装置、7…バイアス電
源、8…静電吸着用電源、9…基板、10,10a,1
0b,10c…静電吸着電極、11,11a,12,2
25…電極、13…絶縁膜、14…吸着用絶縁膜、15
…絶縁管、16,20,20a…貫通孔、17,202
…絶縁管、18,19,203…リード線、21…冷媒
流路、22…カバー、23,224…絶縁板、24…ア
ース板、100…電極ブロック、101a,101b,
101c,101d,227…焼結体、102a,102
b,102c,102d,226…接着剤、103,10
3a,103b,103c,103d…溶射膜、104
…研磨面、201…搬送アーム、210,220…支持
ブロック、300…ロード,アンロードロック室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 誠一郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平6−342843(JP,A) 特開 昭58−137536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B23Q 3/15

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一レベルに加工された電極ブロック上面
    に複数の焼結体を固定し、前記焼結体が設けられた前記
    電極ブロック上面に絶縁膜を溶射し、前記焼結体が所定
    の厚さとなるまで前記絶縁膜と共に同一レベルまで加工
    されて成ることを特徴とする静電吸着電極。
  2. 【請求項2】同一レベルに加工された電極ブロック上面
    に複数の焼結体を固定し、前記焼結体が設けられた前記
    電極ブロック上面に絶縁膜を溶射し、前記焼結体が所定
    の厚さとなるまで前記絶縁膜と共に上面を同一レベルに
    加工することを特徴とする静電吸着電極の製作方法。
  3. 【請求項3】導電材で成る電極ブロックと、基板の吸着
    領域となる前記電極ブロックの上面で所定の位置に配置
    ・固定された複数の静電吸着部材とを具備し、前記静電
    吸着部材が固定された前記電極ブロック上に前記電極ブ
    ロックと前記静電吸着部材とを覆って溶射により前記静
    電吸着部材の電気抵抗値のそれより高い値の抵抗値を有
    する絶縁材の皮膜が形成され、前記皮膜が形成された前
    記電極ブロックおよび前記静電吸着部材の上面を研磨
    し、前記基板と接触する前記静電吸着部材の面を露出さ
    せてなることを特徴とする静電吸着電極。
  4. 【請求項4】電極ブロック上に複数に分割した静電吸着
    部材を配置し、前記静電吸着部材を前記電極ブロック上
    に固定し、前記静電吸着部材が固定された前記電極ブロ
    ック上に前記電極ブロックと前記静電吸着部材とを覆っ
    て絶縁材の皮膜を溶射により形成し、前記絶縁材の皮膜
    が形成された前記電極ブロックおよび前記静電吸着部材
    の上面を研磨し、基板と接触する前記静電吸着部材の面
    を露出させることを特徴とする静電吸着電極の製作方
    法。
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