JP2953688B2 - 試料の温度制御方法 - Google Patents

試料の温度制御方法

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JP2953688B2 JP14375797A JP14375797A JP2953688B2 JP 2953688 B2 JP2953688 B2 JP 2953688B2 JP 14375797 A JP14375797 A JP 14375797A JP 14375797 A JP14375797 A JP 14375797A JP 2953688 B2 JP2953688 B2 JP 2953688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、試料保持装置を備
えた真空処理装置に係り、特に静電吸着力により基板を
吸着、保持する試料保持装置を備えた真空処理装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】試料を真空処理、例えば、プラズマを利
用して処理(以下、プラズマ処理と略)する装置、例え
ば、ドライエッチング装置の重要な用途の一つに半導体
集積回路等の微小固体素子の製造における微細パターン
の形成がある。この微細パターンの形成は、通常、試料
である半導体基板(以下、基板と略)の上に塗布したレ
ジストと呼ばれる高分子材料に紫外線を露光,現像して
描いたパターンをマスクとしてドライエッチングにより
基板に転写することで行われている。 【0003】このような基板のドライエッチング時に
は、プラズマとの化学反応熱やプラズマ中のイオンまた
は電子などの衝撃入射エネルギによりマスク及び基板が
加熱される。従って、十分な放熱が得られない場合、即
ち、基板の温度が良好に制御されない場合は、マスクが
変形,変質し正しいパターンが形成されなくなったり、
ドライエッチング後の基板からのマスクの除去が困難と
なってしまうといった不都合を生じる。そこで、これら
不都合を排除するため、次のような技術が従来より種々
慣用・提案されている。以下、これら従来の技術につい
て説明する。 【0004】従来技術の第1例としては、例えば、特公
昭56−53853 号公報に示されているように、高周波電源
の出力が印加される試料台を水冷し、該試料台上に被加
工物質を誘電体膜を介して載置し、試料台に直流電圧を
印加することでプラズマを介して誘電体膜に電位差を与
え、これにより生じる静電吸着力によって被加工物質を
試料台に吸着させ、被加工物質と試料台との間の熱抵抗
を減少させて被加工物質を効果的に冷却するものがあ
る。 【0005】従来技術の第2例としては、例えば、特開
昭57−145321号公報に示されているように、ウェーハの
裏面より気体ガスを吹き付けて、ウェーハを気体ガスに
より直接冷却するものがある。 【0006】従来技術の第3例としては、例えば、E.J.
Egerton 他,Solid StateTechnology,Vol.25,No.
8,P84〜87(1982−8)に示されているよう
に、水冷された試料台である電極と該電極に載置され機
械的クランプ手段で外周辺を電極に押圧されて固定され
た基板との間に、圧力が6Torr程度のGHeを流通させ
て、電極と基板との間の熱抵抗を減少させ、これにより
基板を効果的に冷却するものがある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記こ
れらの従来技術は、試料の効果的な冷却、及び基板裏面
に流すガスのプロセスに与える影響等の点において、充
分配慮されておらず、以下のような問題があった。 【0008】上記第1の従来技術では、上記のように行
っても、まだ、被加工物質と試料台との間の接触部分は
少なく、微視的にみればわずかな隙間を有している。ま
た、この隙間には、プロセスガスが入り込み、このガス
は、熱抵抗となる。一般のドライエッチング装置では、
通常0.1Torr 程度のプロセスガス圧によって被加工物
質をエッチング処理しており、被加工物質と誘電体膜と
の間の隙間はプロセスガスの平均自由行路長より小さく
なるため、静電吸着力による隙間の減少は、熱抵抗の点
からはほとんど変わらず、接触面積が増加した分だけ効
果が上がることになる。したがって、被加工物質と試料
台との間の熱抵抗を減少させ被加工物質をより効果的に
冷却するためには、大きな静電吸着力を必要とする。こ
のため、このような技術では、次のような問題があっ
た。 【0009】(1)被加工物質が試料台から離脱しにくく
なるため、エッチング処理が終了した被加工物質の搬送
に時間を要したり、被加工物質をいためたりする。 【0010】(2)大きな静電吸着力を生じるためには、
誘電体膜と被加工物質との間に大きな電位差を与える必
要があるが、しかし、この電位差が大きくなれば、被加
工物質、すなわち、基板内の素子に対するダメージが大
きくなるため、歩留まりが悪くなり、集積回路の集積度
が高まるにつれて要求が高まっている薄いゲート膜の微
細加工では、更に歩留まりが悪くなる。 【0011】上記第2の従来技術では、ヘリウムガス
(以下、GHeと略)のように熱伝導性の優れた気体ガス
を用いることで、ウェーハの冷却効率を向上させること
ができる。しかしながら、このような技術では、次のよ
うな問題があった。 【0012】(1)気体ガスがウェーハの冷却面側にとど
まらずエッチング室内に多量に流れ込むため、GHeのよ
うに不活性ガスでもプロセスに与える影響は大きく、し
たがって、すべてのプロセスに使用することができな
い。 【0013】上記第3の従来技術では、基板の外周辺を
クランプによって固定しても、GHeの真空処理室内への
流出は避けられず、したがって上記した第2の従来技術
での問題点と同様の問題を有し、更に次のような問題を
も有している。 【0014】(1)機械的クランプ手段により基板の外周
辺を押圧して、基板を電極に固定するため、基板は、流
通するGHeのガス圧により周辺支持状態で中高で凸状に
変形する。このため、基板の裏面と電極との間の隙間量
が大きくなり、これに伴って基板と電極との熱伝導特性
が悪化する。このため、基板の冷却を充分効果的に行う
ことができない。 【0015】(2)電極に基板の外周辺を押圧して固定す
る機械的クランプ手段が設けられているため、基板内の
素子製作面積が減少すると共に、プラズマの均一性が阻
害され、また、機械的クランプ手段の動作時に、機械的
クランプ手段に付着した反応生成物が機械的クランプ手
段から脱落して、塵埃の発生する危険性があり、更に、
基板搬送が極めて複雑となり、その結果、装置が大型化
すると共に信頼性が低下する。 【0016】本発明の目的は、試料台に静電吸着され真
空処理される試料の温度制御方法として、静電吸着力を
増大させることなく伝熱効果を向上させて試料の温度を
効果的に制御することができる試料の温度制御方法を提
供することにある。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明は、温度制御され
る試料台の試料配置面に試料を静電吸着力によって接触
させて吸着保持し、前記試料台に設けられた伝熱ガス供
給路からの伝熱ガスを前記試料が接触して吸着保持され
たときにできる前記試料の裏面と前記試料台との間の微
視的に見てわずかな隙間に供給するとともに、前記試料
台に設けられた伝熱ガス放出路から前記微視的に見てわ
ずかな隙間に供給された前記伝熱ガスを排出することを
特徴とする。 【0018】本発明によれば、試料が試料台に静電吸着
されて試料配置面に接触して保持され、試料と試料台と
の間の微視的にみてわずか隙間に伝熱ガス供給路を介し
て伝熱ガスを供給するとともに、伝熱ガス放出路から前
記微視的にみてわずかな隙間に供給された前記伝熱ガス
を排出し、試料裏面の伝熱ガス圧を制御することで、試
料の温度を効果的に制御することができる。すなわち、
本発明によれば、試料を試料台に静電吸着力のみで吸着
保持する方法に比べて、試料と試料台との間の接触部分
の微視的にみたわずかな隙間に伝熱ガスが満たされるの
で、大きな静電吸着力を必要とせずに、熱抵抗を減少さ
せることができる。また、試料と試料台間の熱抵抗を考
えた場合、試料と試料台が接触する部分の熱抵抗は、試
料と試料台の間の空間に伝熱ガスが存在する場合の熱抵
抗よりも小さくなる。従って、試料と試料台の間に伝熱
ガスのみが存在する場合に比べても、熱抵抗を減少させ
ることができる。また、試料裏面と試料台との間の微視
的にみてわずかな隙間の伝熱ガスの圧力が制御できる。
よって、本発明によれば、試料の温度を効果的に制御す
ることができる。 【0019】 【発明の実施の形態】試料を真空処理、例えば、プラズ
マ処理する装置としては、ドライエッチング装置,プラ
ズマCVD装置,スパッタ装置等があるが、ここでは、
ドライエッチング装置を例にとり本発明の実施例を説明
する。 【0020】以下、本発明の一実施例を図1ないし図3
により説明する。 【0021】図1にドライエッチング装置の概略構成を
示す。真空処理室10の、この場合、底壁には、絶縁体
11を介して試料台である下部電極20が電気絶縁され
て気密に設けられている。真空処理室10には、放電空
間30を有し下部電極20と上下方向に対向して上部電
極40が内設されている。 【0022】試料である基板50の裏面に対応する下部
電極20の表面には、この場合、基板50の裏面の周辺
側に対応して絶縁物60が埋設されている。絶縁物60
の内側の下部電極20には、伝熱ガスの供給路を形成す
る溝21が形成されている。溝21は基板50が載置さ
れていない場合、放電空間30と連通する。また、絶縁
物60には、溝21につながるガス分散用の溝(図示省
略)が形成されている。下部電極20には、溝21と連
通してガス供給路23aとガス排出路23bとが形成さ
れている。また、下部電極20内には、冷媒流路22が
形成されている。下部電極20には、冷媒流路22と連
通して冷媒供給路24aと冷媒排出路24bとが形成さ
れている。 【0023】ガス供給路23aには、ガス源(図示省
略)に連結された導管70aが連結され、ガス排出路2
3bには、導管70bの一端が連結されている。導管7
0aには、マスフローコントローラ(以下、MFCと
略)71が設けられ、導管70bには調整バルブ72が
設けられている。導管70bの他端は、真空処理室10
と真空ポンプ80とを連結する排気用の導管12に合流
連結されている。冷媒供給路24aには、冷媒源(図示
省略)に連結された導管90aが連結され、冷媒排出路
24bには、冷媒排出用の導管90bが連結されてい
る。 【0024】下部電極20には、マッチングボックス1
00を介して高周波電源101が接続されると共に、高
周波遮断回路102を介して直流電源103が接続され
ている。なお、真空処理室10,高周波電源101およ
び直流電源103はそれぞれ接地されている。 【0025】また、上部電極40には、放電空間30に
開口する処理ガス放出孔(図示省略)と該処理ガス放出孔
に連通する処理ガス流路(図示省略)とが形成されてい
る。処理ガス流路には、処理ガス供給装置(図示省略)
に連結された導管(図示省略)が連結されている。 【0026】次に、図1の下部電極20の詳細構造例を
図2,図3により説明する。 【0027】図2,図3で、図1に示したガス供給路2
3aは、この場合、導管25aで形成され、導管25a
は、この場合、下部電極20の基板載置位置中心を軸心
として上下動可能に設けられている。導管25aの外側
には、図1に示したガス排出路23bを形成して導管2
5bが配設されている。導管25bの外側には、図1に
示した冷媒供給路24aを形成して導管25cが配設さ
れている。導管25cの外側には、図1に示した冷媒排
出路24bを形成して導管25dが配設されている。導
管25bの上端は電極上板26につながり、導管25d
の上端は電極上板26の下方の電極上板受27につなが
っている。導管25bの上端部には、電極上板26と電
極上板受27と導管25bとで空室28が形成されてい
る。空室28には分割板29が冷媒流路22を形成して
内設され、導管25cの上端は分割板29につながって
いる。 【0028】基板(図示省略)が載置される電極上板2
6の表面には、この場合、放射状の伝熱ガス分散用の溝
21aと円周状の伝熱ガス分散用の溝21bとが複数条
形成されている。伝熱ガス分散用の溝21a,21b
は、導管25a,25bと連結している。また、基板が
載置される電極上板26の表面には、絶縁物60が設け
られている。この場合は、絶縁膜がコーティングされて
いる。 【0029】なお、図2,図3で、110は基板が載置
されない部分の電極上板26の表面を保護する電極カバ
ーで、111は下部電極20の電極上板26の表面以外
を保護する絶縁カバー、112はシールド板である。ま
た、導管25aの上端には、電極上板26への基板の載
置時並びに電極上板26からの基板の離脱時に基板を裏
面側から支持するピン113が、この場合、120度間
隔で3本配設されている。 【0030】また、溝21a,21bの深さは、基板吸
着時の基板の裏面と溝21a,21bの底面との間の隙
間(以下、溝部隙間と略)が伝熱ガスの平均自由行路長
以上になれば、伝熱ガスの伝熱効果が低下するようにな
るため、該溝部隙間が、好ましくは、伝熱ガスの平均自
由行路長以下となるように溝21a,21bの深さを選
定するのが良い。 【0031】また、基板の裏面で絶縁膜に静電吸着され
る部分(以下、吸着部と略)の面積は、伝熱ガスのガス
圧と真空処理室10の圧力との差圧による基板の下部電
極20からの浮上りを防止するために、伝熱ガスのガス
圧と真空処理室10の圧力との差圧により決まる必要静
電吸着力により選定する。例えば、伝熱ガスの圧力が1
Torrで真空処理室10の圧力が0.1Torr の場合、基板
の下部電極20からの浮上りを防止するための必要静電
吸着力は約1.3g/cm2であり、従って、これより吸着
部の面積は、基板の裏面面積の約1/5に選定される。 【0032】上記のように構成された図1乃至図3のド
ライエッチング装置で、基板50は、公知の搬送装置
(図示省略)により真空処理室10に搬入された後に、
その裏面外周辺部を絶縁物60と対応させて下部電極2
0に載置される。下部電極20への基板50の載置完了
後、処理ガス供給装置から導管を経てガス流通路に供給
された処理ガスは、ガス流通路を流通した後に上部電極
40のガス放出孔より放電空間30に放出される。真空
処理室10内の圧力調整後、下部電極20には高周波電
源101より高周波電力が印加され、下部電極20と上
部電極40との間にグロー放電が生じる。このグロー放
電により放電空間30にある処理ガスはプラズマ化さ
れ、このプラズマにより基板50のエッチング処理が開
始される。 【0033】また、これと共に下部電極20には、直流
電源103より直流電圧が印加される。基板50のプラ
ズマによるエッチング処理の開始により、このプラズマ
処理プロセスによって生じるセルフバイアス電圧と直流
電源103によって下部電極20に印加される直流電圧
とにより、基板50は下部電極20に静電吸着されて固
定される。その後、溝21a、21bには、ガス源より
MFC71及びガス供給路23aを順次介して伝熱ガ
ス、例えば、処理ガスが供給される。このとき、処理ガ
スは、MFC71と調整バルブ72との操作によりガス
量を制御、すなわち、基板裏面のガス量、言い替えれ
ば、ガス圧を制御される。これにより、冷煤流路22を
流通する冷煤、例えば、水や低温液化ガス等で冷却され
ている下部電極20と基板50との熱抵抗は減少させら
れ、基板50は効果的に冷却される。 【0034】その後、エッチングの終了に近づくと、溝
21a,21bへの処理ガスの供給は停止され、エッチ
ングの終了に伴って、放電空間30への処理ガスの供給
と、下部電極20への直流電圧および高周波電力の印加
が停止される。その後、引続き基板50に生じている静
電吸着力は解除、この場合、電気的に接地されたピン1
13が基板50に当接することによって静電気の除去が
行われ、ピン113の作動により基板50は下部電極20
上より除去される。その後、基板50は、公知の搬送装
置により真空処理室10外へ搬出される。また、静電気
の除去については、直流電圧の印加を停止した後に、高
周波電力の印加を停止することによっても行うことがで
きる。 【0035】以上、本実施例によれば、次のような効果
が得られる。 【0036】(1)基板の裏面の外周辺だけでなくその裏
面の他の部分も使用して基板を下部電極に固定できるた
め、伝熱ガスである処理ガスのガス圧による基板の変形
を防止でき、下部電極に固定された基板の裏面と下部電
極との間の隙間量の増大を抑制できる。従って、基板と
下部電極との間の熱伝導特性の悪化を防止でき、基板を
効率的に冷却できる。 【0037】(2)少なくとも基板の裏面の外周辺を吸着
しているので、伝熱ガスである処理ガスは吸着部で真空
処理室内への流出を抑制させるため、処理ガスのプロセ
スに与える影響は少なくなり、全てのプロセスに使用す
ることができる。 【0038】(3)静電吸着によって基板と下部電極との
接触面積を増加させて熱抵抗を減少させる従来の技術と
比較すると、本実施例では、静電吸着力の大きさは処理
ガスの圧力と真空処理室内の圧力との圧力差による基板
の浮上りを防止するのに必要な大きさで良く、処理ガス
の圧力とプラズマの圧力との差圧を、基板の裏面と下部
電極との間の熱抵抗の許す範囲で小さくすることにより
静電吸着力を小さくしても基板冷却の効果が十分得られ
る。 【0039】(4)静電吸着力が小さいため、基板の下部
電力からの離脱が容易となり、エッチング処理が終了し
た基板の搬送時間を短縮できると共に、基板の損傷を防
止できる。 【0040】(5)静電吸着力が小さくてよいため、基板
に与えられる電位差は小さく基板内の素子に対するダメ
ージを小さくできる。したがって、薄いゲート膜の微細
加工でも歩留まりを悪化させる心配がない。 【0041】(6)基板を機械的クランプ手段によらず静
電吸着力によって下部電極に固定しているため、基板内
の素子製作面積の減少を防止できると共に、プラズマの
均一性を良好に保持でき、また、下部電極への基板の載
置時並びに下部電極からの基板の除去時に塵埃が発生す
る危険性がなく、更に、基板搬送を容易化でき、その結
果、装置の大型化を抑制できると共に信頼性を向上でき
る。 【0042】図4は、本発明を実施したドライエッチン
グ装置の他の例を示すもので、真空処理室10の頂壁と
上部電極40には、真空処理室10外部と放電空間30
とを連通して光路120が形成されている。光路120
の真空処理室10外部側には、透光窓121が気密に設
けられている。透光窓121と対応する真空処理室10
外部には、温度計測手段、例えば、赤外線温度計122
が設けられている。赤外線温度計122の出力はアンプ
123を介してプロセス制御用コンピュータ124に入
力され、プロセス制御用コンピュータ124により演算
された指令信号がMFC71に入力されるようになって
いる。なお、その他、図1と同一装置等は、同一符号で
示し説明を省略する。 【0043】本実施例によれば、更に次のような効果が
得られる。 【0044】(1)基板の温度を計測しながら処理ガスの
供給量を調整、すなわち、GHeを供給するMFCをプロ
セス制御コンピュータと結合し、あらかじめ求めた基板
の温度とGHeの供給量との間の関係からGHeの供給量を
制御することにより基板の温度を一定の温度に保持でき
る。このような制御は、Al−Cu−Si材のドライエ
ッチングの際に特に有効であり、ホトレジストがダメー
ジを受けない範囲の高い温度に制御して被エッチング材
の残渣を減少させることができる。 【0045】(2)プラズマの圧力が高い場合には、エッ
チング速度が基板の温度上昇に伴って増加するプロセス
もあり、このような場合には、基板の温度があらかじめ
設定した一定温度を超えた場合に、GHeを流して冷却効
果を上げホトレジストのダメージを防止しながらエッチ
ング時間の短縮を図ることができる。 【0046】以上説明した実施例では、基板の吸着に静
電吸着力を用いているが、プラズマガスの圧力が高いプ
ロセスにおいては真空吸着力を用いることも可能であ
る。また、絶縁物下面に正極と負極とを交互に並べて配
置し静電吸着力を基板に付与するようにしても良い。ま
た、下地の材料が露出し始めてから更にオーバーエッチ
ングを行うような場合は、下地の材料が露出し始めた時
点でGHeの供給を停止し下部電極に直流電圧を逆印加す
るようにする。このようにすれば、エッチング終了時点
での基板に残留する静電力を更に減少させることができ
るため、基板搬出時に基板を損傷させることがなく、基
板搬出に要する時間を短縮することができる。但し、こ
の場合は、エッチング中の基板の温度をオーバーエッチ
ング時の温度上昇分だけ下げておくよう制御してやる必
要がある。また、伝熱ガスとしてGHeの他に水素ガス,
ネオンガス等の熱伝導性の良いガスを用いても良い。 【0047】なお、本発明は、その他の冷却される基板
台に配置保持されて真空処理される試料の温度を制御す
るのに同様の効果を有する。 【0048】 【発明の効果】発明によれば、試料台に静電吸着され
真空処理される試料の温度制御方法として、静電吸着力
を増大させることなく伝熱効果を向上させて試料の温度
を効果的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施したドライエッチング装置の一例
を示す構成図。 【図2】図1の下部電極の詳細平面図。 【図3】図2のA−A視断面図。 【図4】本発明を実施したドライエッチング装置の他の
例を示す構成図。 【符号の説明】 10…真空処理室、20…下部電極、21a…放射状分
散溝、21b…円周状分散溝、22…冷媒流路、23a
…ガス供給路、24a…冷媒供給路、50…基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 喜正 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 平塚 幸哉 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 柴田 史雄 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 山本 則明 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 坪根 恒彦 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.温度制御される試料台の試料配置面に試料を静電吸
    着力によって接触させて吸着保持し、前記試料台に設け
    られた伝熱ガス供給路からの伝熱ガスを前記試料が接触
    して吸着保持されたときにできる前記試料の裏面と前記
    試料台との間の微視的にみてわずかな隙間に供給すると
    ともに、前記試料台に設けられた伝熱ガス放出路から前
    記微視的にみてわずかな隙間に供給された前記伝熱ガス
    を排出することを特徴とする試料の温度制御方法。
JP14375797A 1997-06-02 1997-06-02 試料の温度制御方法 Expired - Lifetime JP2953688B2 (ja)

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