JP3225796B2 - 信号処理装置および楽音処理装置 - Google Patents
信号処理装置および楽音処理装置Info
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Description
に、電子楽器のエフェクタあるいは音源として使用して
好適な信号処理装置に関する。
間信号処理をディジタル値の代数演算によって高精度か
つ高安定に行なうことのできる信号処理装置(以下、
「DSP」という)が、オーディオ信号やビデオ信号の
処理、音声情報処理などの多くの分野で用いられてお
り、電子楽器においても、エフェクタや音源などに使用
されている。
算を高速に実行することができる高速演算部、それらの
演算に使用する係数を格納する係数レジスタ、外部RA
Mへの読出書込アドレスを格納するアドレスRAM、入
出力データや途中結果データを記憶するためのRAM、
CPUとのインタフェース部、および、各部を制御する
ためのマイクロプログラムを格納するマイクロプログラ
ムメモリなどを有しており、マイクロプログラムメモリ
に格納されたマイクロプログラムに従って、係数レジス
タに格納されている係数値を用いて入力データに所定の
演算処理を行い、あるいは、外部RAMを使用してデー
タに所定の遅延を与えることにより、所定のエフェクト
処理あるいは波形発生処理などを行うようになされてい
る。
と、電子楽器全体の制御を行うCPUが、それに応じて
必要なパラメータを演算し、対応する係数レジスタに格
納されている係数の値やアドレスRAMの内容などを書
き換えることにより、DSPにより実行される波形処理
演算を制御して楽音を制御するようになされていた。
術の電子楽器は、CPUによりDSPにおける演算に使
用される係数をリアルタイムに書き換えることにより、
音色や楽音に付加される効果をリアルタイムに変更する
ことができるものである。しかしながら、電子楽器にお
いては、より多彩な音色変化をする楽音を発生するこ
と、および、楽音により多彩な効果を付加することが求
められている。従来技術においては、CPUはDSPに
おける演算に用いられる係数を変化させるのみであっ
て、DSPにおける演算途中結果を読み込んでそれを制
御にフィードバックさせることは行われていなかった。
DSPによる演算の途中結果を知りそれを制御にフィー
ドバックすることが可能となれば、よりきめの細かい制
御をすることが可能となり、音色変化や効果を多彩なも
のとすることが可能となる。
どにおいては、複数個の操作子を用い、これら複数個の
操作子からの操作入力に対し複雑な演算を行なって、制
御用のパラメータを算出することが行われている。この
ような演算はすべてCPUにより行われているので、C
PUの処理負担は非常に大きいものとなっていた。
する楽音を発生すること、および、より多彩な効果を楽
音に付加することを可能にすることができる信号処理装
置を提供することを目的とするものである。さらに本発
明は、CPUによる処理負担の軽減を可能にすることが
できる信号処理装置を提供することを目的とする。
に、本発明の信号処理装置は、複数ステップからなるプ
ログラムを格納するプログラム記憶手段と、演算に用い
る係数を記憶する係数レジスタと、前記プログラム記憶
手段に格納されたプログラムにより演算を実行する演算
手段と、前記演算手段の出力が供給される内部データバ
スと、前記プログラムの任意のステップを指定するステ
ップレジスタと、前記ステップレジスタに指定されたス
テップのプログラムによる演算結果が前記内部データバ
スに出力されるタイミングで前記内部データバス上のデ
ータを読み込むレジスタと、外部CPUとの間でデータ
転送を行うためのインターフェイス回路とを有し、前記
レジスタの記憶内容を前記インターフェイス回路を介し
て外部CPUが読み出すことができるようになされてい
るものである。また、本発明の他の信号処理装置は、複
数ステップからなるプログラムを格納する第1のプログ
ラム記憶手段と、前記第1のプログラム記憶手段に格納
されたプログラムにより演算を実行する第1の演算手段
と、前記第1の演算手段による演算に用いる係数を記憶
する係数レジスタと、前記第1の演算手段の出力が供給
される内部データバスと、前記プログラムの任意のステ
ップを指定するステップレジスタと、前記ステップレジ
スタに指定されたステップのプログラムによる演算結果
が前記内部データバスに出力されるタイミングで前記内
部データバス上のデータを読み込むレジスタとを有する
第1の演算部と、制御プログラムを格納する制御プログ
ラム格納手段と、該制御プログラムにより演算処理を実
行する演算及び制御部とを有する第2の演算部とを備
え、前記第2の演算部は、前記レジスタの記憶内容に基
づいて前記係数レジスタの内容を制御するようになされ
ているものである。 さらに、本発明の楽音処理装置は、
信号処理装置にその演算処理に用いるパラメータを供給
するCPUと、該パラメータを用いて演算処理を実行す
る信号処理装置を有する楽音処理装置であって、前記信
号処理装置は、複数ステップからなるプログラムを格納
するプログラム記憶手段と、前記プログラム記憶手段に
格納されたプログラムにより演算を実行する演算手段
と、前記プログラムの任意のス テップを指定するステッ
プレジスタと、前記ステップレジスタに指定されたステ
ップのプログラムによる演算結果を読み込むレジスタを
有し、前記CPUは、前記レジスタの内容を読み出し、
該読み出した演算結果に応じて新たなパラメータを算出
し、該算出したパラメータを前記信号処理装置に供給す
るようになされているものである。
憶する演算結果記憶手段と、プログラム中の任意のステ
ップを指定してそのステップによる演算の演算結果を前
記演算結果記憶手段から読み出す読出手段とを備えてい
るので、DSP中の任意のステップの演算結果を読み出
すことが可能となり、その読み出した演算結果を制御パ
ラメータにフィードバックすることが可能となり、より
きめの細かい楽音の制御が可能となる。また、トランケ
ート制御を行なうときにも、真の音量を考慮して理想的
なトランケート制御を行なうことが可能となる。さら
に、読み出した途中演算結果を表示すれば、物理モデル
音源の開発や解析が容易となる。
とは独立して動作する第2の演算部が設けられており、
該第2の演算部において当該信号処理装置において実行
する演算に用いるパラメータの制御を行なわせることが
できるので、CPUの処理負担を該第2の演算部に一部
移管することが可能となり、CPUの処理負担を軽減す
ることができる。
のブロック図である。図1において、1はこの電子楽器
全体の動作を制御するCPU、2はCPU1の処理に必
要なデータなどを格納するためのRAM、3はCPU1
による制御のためのプログラムや、DSP8における処
理のためのマイクロプログラムなどを格納するROM、
4は各種の設定を行うための操作子、5は鍵盤、6は装
置の動作状態や各種設定上方を表示するための表示装置
である。7は楽音信号を生成する音源、8はエフェクタ
として動作する本発明のDSP、9は波形データを遅延
するためや演算途中結果の格納に用いられる外部RA
M、10はDSP8から出力される楽音信号をアナログ
信号に変換するDA変換器、11はDA変換器10の出
力を増幅し音響信号として出力するサウンドシステム、
12はデータ転送を行うためのCPUバスである。な
お、この図においては外部RAM9がDSP8の外部に
設けられているように記載されているが、DSP8と外
部RAM9とを同一の半導体チップ上に設けてもよい。
また、この実施例においてはDSP8をエフェクタとし
て使用している場合を示しているが、DSP8を音源と
して使用することもでき、その場合には、7は励振波形
発生部とされる。
けられている。81はCPUバス12に接続され、CP
U1とDSP8との間のデータ転送を行うためのCPU
インターフェイス回路、82はマイクロプログラムの各
ステップにおいて演算に使用する係数を格納する係数レ
ジスタであり、格納されている係数が書き換えられたと
きに、現在の係数値を該新たな係数値まで徐々に変更す
るための補間機能も設けられているものである。83は
音源7から入力される楽音データおよび演算結果データ
を格納する入出力RAM、84は演算途中結果を格納す
るテンポラリRAM、85は乗算器および加算器などか
らなり高速演算を実行する演算部である。86は、外部
RAM9を用いて波形データを遅延出力させるために、
当該波形データを外部RAM9に書込/読出するための
アドレスをマイクロプログラムの各ステップに対応して
格納するアドレスRAM、87は該アドレスRAM86
の出力により外部RAM9にアクセスするためのアドレ
スコントローラ、88はマイクロプログラムのアドレス
を指定するマイクロプログラムカウンタ、89はマイク
ロプログラムが格納されるマイクロプログラムRAMで
あり、例えば512ステップのマイクロプログラムが格
納されている。90はDSP8の内部データバスである
DSPデータバスである。
RAM86およびマイクロプログラムRAM89は、そ
れぞれ、マイクロプログラムのステップ数と同じ数の記
憶領域を有しており、マイクロプログラムカウンタ88
のカウントアップと同期して順次アクセスされ、格納さ
れているデータが読出/書込されるようになされてい
る。また、マイクロプログラムカウンタ88は、1サン
プリングサイクルの間に「0」から「511」まで順次
カウントアップするようになされており、次のサンプリ
ングサイクルには再び「0」から計数を開始するように
なされている。
フェース回路81を介して任意の値が設定されるステッ
プレジスタ、92はステップレジスタ91の出力に所定
の定数(この実施例においては「2」)を加算する加算
器、93はプログラムカウンタ88の出力と加算器92
の出力の一致を検出する比較部、94は比較部93から
の一致出力によりDSPデータバス90上のデータを読
み込むレジスタ、95は、CPUインタフェース回路8
1を介してCPU1によりセットされ、比較部93から
の一致出力によりリセットされるフリップフロップ回路
である。
子楽器において、演奏の開始に先立って、CPU1によ
り、付与したいエフェクトに対応するマイクロプログラ
ムがROM3から読み出されてDSP8のマイクロプロ
グラムRAM89に格納され、該マイクロプログラムの
各ステップにおいて使用される係数が係数レジスタ82
の対応するアドレスに記憶され、さらに、波形データを
外部RAM9を用いて遅延して出力させるために外部R
AM9の書込/読出アドレスがアドレスRAM86の対
応するアドレスに記憶される。電源が投入されて、イニ
シャライズの後、マイクロプログラムカウンタ88は
「0」からカウントアップを開始する。これにより、マ
イクロプログラムRAM89からマイクロプログラムが
順次読み出され、同時に、係数レジスタ82から各マイ
クロプログラムステップにおいて使用する係数が、ま
た、アドレスRAM86から外部RAM9の書込/読出
アドレスが、それぞれ、読み出され、音源7から入力さ
れる楽音データに対して対応するエフェクト処理が施さ
れ、入出力RAM83からDA変換器10に出力され
る。
ると、CPU1により該操作が検知され、操作量に対応
した新たな係数値や書込/読み出しアドレスなどのパラ
メータがCPU1により算出され、CPUインターフェ
ース回路81を介して係数レジスタ82あるいはアドレ
スRAM86に書き込まれる。これにより、リアルタイ
ムに演奏のパラメータが変更され、操作子4の操作に応
じたエフェクトの変更が行われることとなる。
れるのであるが、本発明においては、上記したように、
CPU1が、新たなパラメータを算出するときなどに次
のようにしてDSP8の内部にある演算途中結果を読み
出すことができるため、よりきめの細かい制御を行うこ
とができ、多彩な音色変化を実現することができるもの
である。
は、まず、CPU1から演算途中結果を読み出したいマ
イクロプログラムステップに対応するステップ番号をC
PUインタフェース回路81を介してステップレジスタ
91に書き込む。そして、同時にフリップフロップ回路
95をセットする。ステップレジスタ91に書き込まれ
たステップ番号は、加算器92において定数「2」と加
算され、比較部93に印加される。ここで、定数「2」
を加算するのは、このDSP8においては、演算部85
における演算に2ステップ分の時間を要するものであ
り、あるステップに書き込まれた演算命令により実行さ
れる演算の結果が2ステップ後にDSPデータバス90
に出力されるようになっているためである。仮に、この
DSP8がより高速な演算が可能なように構成されてい
る場合には、例えば、この加算器92において「1」が
加算されるようにされる。
ログラムカウンタ88の出力が入力されており、比較部
93において、加算器92から入力されるステップレジ
スタ91に設定されたマイクロプログラムアドレスに定
数「2」を加算した値とマイクロプログラムカウンタ8
8の出力とが比較される。比較部93において一致が検
出されたとき、レジスタ94にラッチ信号が供給され、
DSPデータバス90上に存在する演算結果データがレ
ジスタ94に取り込まれる。該一致検出パルスはフリッ
プフロップ95にもリセットパルスとして印加され、フ
リップフロップ95がリセットされる。すなわち、フリ
ップフロップ95がリセット状態であることは、レジス
タ94に途中結果データが読み込まれていることを表わ
している。
れた途中結果データを読み出すために、CPUインタフ
ェース回路81を介してフリップフロップ95の状態を
読み込み、フリップフロップ95がリセットされている
ことを条件としてレジスタ94の内容を読み出す。この
ようにして、CPU1は任意のマイクロプログラムステ
ップにおけるマイクロプログラムの演算結果を読み出す
ことができる。なお、途中演算結果は、ステップレジス
タ91に読み出したいマイクロプログラムステップ番号
が書き込まれてから、遅くとも1サンプリングサイクル
後にはレジスタ94に格納されているはずであるので、
CPU1がステップレジスタ91にアドレスを書き込ん
でから1サンプリングサイクル経過後にレジスタ94を
読み出すようにすれば、フリップフロップ95を省略す
ることができる。
納するためのレジスタ94を一つだけ設けているが、途
中演算結果を格納するためのレジスタ94および比較部
93を複数個並列に設け、複数個の途中演算結果を並列
的に格納することも可能である。さらに、レジスタ94
をマイクロプログラムステップ数と同一の記憶領域数を
有するRAMとし、各ステップ毎にDSPデータバス9
0上のデータを格納するように構成して、比較部93の
出力により該RAMから任意のステップによる演算の途
中結果を読み出すように構成することも可能である。
算結果をCPU1から読み出すことができるように構成
されているので、以下に示すようなきめの細かい制御を
行なうことができる。 (ディストーションへの応用)図2により本発明のDS
P8を用いた場合におけるディストーション演算の例を
示す。ディストーションはエレクトリックギターなどに
よく使われるエフェクトであり、増幅度を上げてクリッ
プした状態とすることによって歪を楽音に付加するもの
である。従来のディストーション演算は、所定レベル以
上の入力信号はクリップするが、信号レベルの小さい楽
音信号に対しては歪を付加することはできないものであ
った。本発明のDSP8を用いることにより、CPU1
はDSP8内部における演算の途中結果を読み出すこと
ができるので、より効果的なディストーションを行うこ
とができる。
1において実行される処理であり、ディストーション演
算ルーチン201、エンベロープ形成演算ルーチン20
2および音量制御ルーチン203はDSP8内のマイク
ロプログラムにより実行されるルーチンである。入力さ
れる楽音信号はDSP8におけるディストーション演算
ルーチン201とエンベロープ形成演算ルーチン202
に入力される。ここで、ディストーション演算ルーチン
201は従来のディストーション演算と同様の処理を行
うものである。また、エンベロープ形成演算は入力信号
の包絡線を形成するもので、たとえば、入力信号波形の
ピーク値を検出してそれらのピーク値を順次つないでい
く処理である。
み出すことにより、ブロック200に示すようにDSP
8のマイクロプログラムにより実行されるエンベロープ
形成演算の結果を読み出し、該入力信号のレベルを取り
込む。そして、該入力信号レベルの大きさに基づいてデ
ィストーション演算ルーチンにおいて用いるゲインまた
は歪み度に関連する係数の最適な値を算出、またはテー
ブル参照によって求め、DSP8の係数レジスタ82に
書き込む。例えば、該エンベロープ形成演算の結果から
入力信号レベルが小さくなったことを検出したときに
は、ディストーション演算に用いるゲインまたは歪み度
に関連ずる係数を大きくして入力信号に対してクリップ
が発生するように制御を行う。同時に、音量制御ルーチ
ン203に対して、ディストーション演算ルーチン20
1に与えた係数の変化と逆方向に変化するように音量制
御用の係数の補正を行う。例えば、入力信号レベルが小
さく、ディストーション演算におけるゲインまたは歪み
度を大きくしたときは、音量制御ルーチン203におけ
る音量制御用の係数を音量を下げるような値に変更す
る。このようにして、いかなる信号レベルの入力信号に
対しても所定のディストーション効果を与えることがで
きる。
本発明のDSP8で物理モデル音源アルゴリズムを実行
させる場合に適用した例について説明する。自然楽器や
動物の声道などにおける発音メカニズムをシミュレート
したモデルを動作させ、楽音を合成することが知られて
いる。このような音源アルゴリズムの開発あるいは研究
の過程において、声道や楽器などをシミュレートするプ
ログラムを開発するときに、その各部分においてどのよ
うな波形になっているかを知ることができれば、非常に
便利である。本発明のDSP8を用いることにより、各
演算アルゴリズムの任意の場所から波形を読み出して表
示することができるようになる。
延部とフィルターとを含むウエーブガイド部212、2
14および216と、それらを結合するジャンクション
部211、213および215とにより発音機構をシミ
ュレートするものであり、これらのシミュレーションは
DSP8内に格納されたマイクロプログラムにより実行
される。CPU1から、ブロック220に示すように、
DSP8のマイクロプログラムのうちの任意のウエーブ
ガイド部あるいはジャンクション部に対応するステップ
の演算結果を所定タイミング毎に読み出し、それらを表
示することにより、物理モデル音源の各部における波形
データを表示することができる。
り発生された結果の波形データしか表示することができ
なかったものであるが、本発明のDSP8を使用するこ
とにより、物理モデルの各部における波形データを表示
することができ、新しい音源アルゴリズムの研究開発が
容易になる。
発明のDSP8を音源あるいはエフェクタとして用いた
場合におけるトランケート処理(発音割当処理)を示す
図である。一般に、DSP8は音源として使用される場
合であってもエフェクタとして使用される場合であって
も、複数チャンネルの音源あるいはエフェクタとして使
用される。例えば、当該DSP8が4チャンネル分の能
力を有している場合において、空チャンネルが無いとき
に新たなキーオン指示が入力されたときには現在使用さ
れているチャンネルのうちの最も小さい音を発生してい
るチャンネルの発音を中止して該新たなキーオン信号に
対して該チャンネルを割り当てることが行われている。
ベロープ生成演算(EG演算)の結果を用いてトランケ
ート制御を行っていた。しかしながら、EG演算の結果
エンベロープが小さい領域にあったとしても、音量が大
きい場合には実際に発音される音の音量が小さいとは限
らない。したがって、従来においては、必ずしも最も音
量の小さいチャンネルを選択してトランケート処理が行
われていたとは限らないという問題点があった。
用することにより最も音量の小さいチャンネルを選択す
ることができる。図4において、231は励振波形信号
(音源のとき)又は入力信号(エフェクタのとき)を複
数個の音源又はエフェクト演算ルーチン232、23
3、234および235に分配する分配部、232、2
33、234および235はそれぞれ独立した音源ある
いはエフェクト演算ルーチン、236は各音源又はエフ
ェクト演算ルーチン232〜235の出力を合成する合
成部、237、238、239および240は各音源又
はエフェクト演算ルーチン232〜235の出力からそ
れぞれの出力波形データのエンベロープを算出するエン
ベロープ形成演算ルーチンであり、これらの各ルーチン
はDSP8内のマイクロプログラムにより実現される。
き、CPU1はDSP8の音源またはエフェクト演算チ
ャンネルの空チャンネルに当該キーオン指示に対応する
発音処理を割り当てる。空チャンネルが無いときは、各
音源又はエフェクト演算ルーチン232〜235の出力
レベルを算出するエンベロープ形成演算ルーチン237
〜240の出力を読み出すことにより、最も音量の小さ
いチャンネルを検出し、分配部231を制御してそのチ
ャンネルを該新たなキーオン指示に割り当てる。このよ
うに本発明のDSP8を使用することにより、直接音量
レベルを読み出すことが可能となり、理想的なトランケ
ート制御を行なうことが可能となる。
ることにより、出力信号がクリップしないように入力信
号レベルに応じて出力レベルを制御したり、入力信号レ
ベルに応じてフィルタの特性を変化させるなど、種々の
制御を行うことが可能となる。このように本発明のDS
P8を用いることにより、DSP8内のマイクロプログ
ラムの任意のステップの演算結果をCPU1から読み出
すことが可能となり、よりきめの細かい制御を行うこと
が可能となった。
り、CPU1の行うべき処理は従来の場合よりも増加す
ることとなる。特に、最近の物理モデル音源の電子楽器
などにおいては、複数の操作子を用い、これら複数個の
操作子の操作により係数レジスタやアドレスRAMなど
のパラメータをリアルタイムに書き換えることが要求さ
れており、そのパラメータも、操作子からの入力をその
ままパラメータとするのではなく、テーブルを参照する
などして操作子入力をノンリニアに変化させてパラメー
タとするなど複雑な演算が行われている。このような演
算はすべてCPUにより行われていたので、CPUの処
理負担は非常に大きいものとなっており、また、発音数
を多くすることもできなかった。
を解消することのできる本発明の他の実施例について、
図5を参照して説明する。図5は、本発明の他の実施例
によるDSP8を使用した電子楽器のブロック図であ
る。簡略化のため、この図において、図1と同一の構成
要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略すること
とする。この実施例のDSP8は、その内部に第2演算
部100を有している点で図1に示したものと相違して
おり、この第2演算部100には、演算及び制御部10
1、制御プログラム格納部102、第2プログラムカウ
ンタ103および記憶部104が含まれている。
び制御部101に設けられた制御プログラム格納部10
2に記憶された制御プログラムにより動作し、制御プロ
グラム格納部102は第2プログラムカウンタ103に
よりアクセスされる。記憶部104は、操作子からの入
力に対して非線形な変換を施すためのテーブルやワーク
メモリとして使用される。演算及び制御部101は、係
数レジスタ82、アドレスRAM86およびレジスタ9
4に接続されており、その制御プログラム格納部102
に格納された制御プログラムにより、記憶部104に格
納されたデータを用いて、演算やテーブル参照などの処
理を行い、係数レジスタ82やアドレスRAM86の所
定アドレスにデータを書き込むように動作される。
3およびレジスタ94に接続されており、制御プログラ
ム格納部102に格納された制御プログラムにより指定
されるマイクロプログラムRAM89の任意のステップ
の演算結果を、図1に示したDSPの場合と同様に、レ
ジスタ94を介して読み込むことができるようになされ
ている。そして、制御プログラム格納部102は、CP
Uインタフェース部81を介してCPU1により書き換
え可能となされている。なお、この第2演算部100の
演算部及び制御部101は、乗算器を設けてDSPと同
様の構成としてもよいが、必ずしも高速処理が要求され
ないので、制御プログラム格納部102に機械語プログ
ラムを格納し、通常のCPU1と同様の構成とすること
もできる。
操作子4が操作されたときの動作を図6および図7を用
いて説明する。図6はこの電子楽器のCPU1の処理を
示すフローチャートであり、図7はこのDSP8内の第
2演算部100において実行される処理の一例を示すフ
ローチャートである。なお、ここでは、例えば2つの操
作子が操作されるものとし、第1操作子は息圧、第2操
作子はスライダーであるとする。
されるとステップ301において初期設定を行ない、次
いでステップ302において鍵盤5や操作子4からのイ
ベント入力があるか否かを検出する。操作子イベントが
検出されないときは、ステップ304にジャンプしてそ
の他の処理を行ない、再びステップ302に戻る。ま
た、ステップ302において操作子イベントを検出した
ときは、ステップ303においてその操作子の情報をそ
のままCPUインタフェース回路81を介して第2演算
部100の記憶部104に転送する。
いては、CPU1から図6のステップ303により記憶
部104に書き込まれた第1操作子の出力をステップ4
01において取り込む。そして、ステップ402におい
て、該第1操作子の出力を用いて記憶部104に格納さ
れている第1のテーブルを参照し、該第1操作子の出力
に対して所定の変換を施す。次いで、ステップ403に
おいて、同様にCPU1により記憶部104に転送され
ている第2操作子の出力を取り込み、ステップ404に
おいてステップ402の出力とステップ403の出力と
を乗算する。この乗算結果とステップ405により読み
出した所定のオフセット値とステップ406において加
算する。
ら読み出したマイクロプログラムRAM89の指定した
ステップのマイクロ命令による途中演算結果を、ステッ
プ407において取り込み、ステップ408において、
この途中演算結果を第3のテーブルを参照して所定の変
換を施し、このステップ408の出力とステップ404
の出力とをステップ409において加算する。そして、
ステップ410において、ステップ406の加算結果と
ステップ409の加算結果のいずれかを、第1操作子か
らの出力の正負により選択し、その選択結果とステップ
411において実行される音量エンベロープ生成演算の
演算結果とをステップ412において乗算する。ステッ
プ413において、このようにして得られた音量制御パ
ラメータを係数レジスタ82の所定のアドレスに書き込
む。
た第1操作子の出力は、ステップ414において第2の
テーブルを参照して所定の変換を施され、ステップ41
6において、ステップ415により読み込まれた鍵盤5
からのキーコード出力と加算される。この加算結果はス
テップ418において、ステップ417において実行さ
れるピッチエンベロープ生成演算の結果と乗算され、さ
らにステップ420において、ステップ419において
読み出される第2のオフセット値と加算される。このよ
うにして得られた値は、ピッチを変化させるために、ス
テップ421においてアドレスRAM86の所定アドレ
スに書き込まれる。
8を使用した場合には、該DSP8内の第2演算部10
0において操作子5や鍵盤4からの入力に対応して係数
レジスタ82あるいはアドレスRAM86へ書き込むパ
ラメータの変更演算処理および途中演算結果に基づくパ
ラメータの制御演算を行なっているので、CPU1にお
いてこのような複雑な演算処理を実行する必要がなくな
り、CPU1の処理負担を減少させることができる。
ているので、DSP内における演算の途中結果を読み出
すことが可能となり、きめの細かい楽音の制御が可能と
なり、あるいは、各部の状態を知ることが可能となり、
より多彩な音色変化をする楽音を発生させることや、よ
り多彩な効果を楽音に付与することが可能となる。ま
た、理想的なトランケート制御も可能となる。また、内
部に第2の演算部を設けた本発明のDSPによれば、C
PUにおける処理の一部を該第2の演算部において実行
させることができるので、CPUの処理負担を軽減する
ことが可能となる
子楽器の構成を示すブロック図である。
ィストーション演算の一例を示す図である。
した場合の応用例を示す図である。
音割当処理の一例を示す図である。
電子楽器の構成を示すブロック図である。
場合のCPUの処理を示すフローチャートである。
行される処理の一例を示すフローチャートである。
鍵盤、6 表示装置、7 音源、8 DSP、9 外
部RAM、10 DA変換器、11 サウンドシステ
ム、12 CPUバス、81 CPUインターフェイス
回路、82 係数レジスタ、83 入出力RAM、84
テンポラリRAM、85 演算部、86アドレスRA
M、87 アドレスコントローラ、88 マイクロプロ
グラムカウンタ、89 マイクロプログラムRAM、9
0 DSPデータバス、91 ステップレジスタ、92
加算器、93 比較部、94 レジスタ、95 フリ
ップフロップ回路、100 第2演算部、101 演算
及び制御部、102 制御プログラム格納部、103
第2プログラムカウンタ、104 記憶部
Claims (3)
- 【請求項1】 複数ステップからなるプログラムを格納
するプログラム記憶手段と、演算に用いる係数を記憶する係数レジスタと、 前記 プログラム記憶手段に格納されたプログラムにより
演算を実行する演算手段と、前記演算手段の出力が供給される内部データバスと、 前記プログラムの任意のステップを指定するステップレ
ジスタと、 前記ステップレジスタに指定されたステップのプログラ
ムによる演算結果が前記内部データバスに出力されるタ
イミングで前記内部データバス上のデータを読み込むレ
ジスタと、 外部CPUとの間でデータ転送を行うためのインターフ
ェイス回路とを有し、 前記レジスタの記憶内容を前記インターフェイス回路を
介して外部CPUが読み出すことができるようになされ
ている ことを特徴とする信号処理装置。 - 【請求項2】 複数ステップからなるプログラムを格納
する第1のプログラム記憶手段と、前記第1のプログラ
ム記憶手段に格納されたプログラムにより演算を実行す
る第1の演算手段と、前記第1の演算手段による演算に
用いる係数を記憶する係数レジスタと、前記第1の演算
手段の出力が供給される内部データバスと、前記プログ
ラムの任意のステップを指定するステップレジスタと、
前記ステップレジスタに指定されたステップのプログラ
ムによる演算結果が前記内部データバスに出力されるタ
イミングで前記内部データバス上のデータを読み込むレ
ジスタとを有する第1の演算部と、 制御プログラムを格納する制御プログラム格納手段と、
該制御プログラムにより演算処理を実行する演算及び制
御部とを有する第2の演算部とを備え、 前記第2の演算部は、前記レジスタの記憶内容に基づい
て前記係数レジスタの内容を制御することを特徴とする
信号処理装置。 - 【請求項3】 信号処理装置にその演算処理に用いるパ
ラメータを供給するCPUと、該パラメータを用いて演
算処理を実行する信号処理装置を有する楽音処理装置で
あって、 前記信号処理装置は、複数ステップからなるプログラム
を格納するプログラム記憶手段と、前記プログラム記憶
手段に格納されたプログラムにより演算を実行する演算
手段と、前記プログラムの任意のステップを指定するス
テップレジスタと、前記ステップレジスタに指定された
ステップのプログラムによる演算結果を読み込むレジス
タを有し、 前記CPUは、前記レジスタの内容を読み出し、該読み
出した演算結果に応じて新たなパラメータを算出し、該
算出したパラメータを前記信号処理装置に供給すること
を特徴とする楽音処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17800395A JP3225796B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 信号処理装置および楽音処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17800395A JP3225796B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 信号処理装置および楽音処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH096349A JPH096349A (ja) | 1997-01-10 |
JP3225796B2 true JP3225796B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=16040858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17800395A Expired - Lifetime JP3225796B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 信号処理装置および楽音処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3225796B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5488976B2 (ja) * | 2010-01-06 | 2014-05-14 | カシオ計算機株式会社 | 音源装置およびプログラム |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP17800395A patent/JP3225796B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH096349A (ja) | 1997-01-10 |
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