JP3225421B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動販売機に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】最近、自動販売機が道路にはみ出さない
ようにするために、奥行を小さくした薄型の自動販売機
を設置することが求められてきている。そのため、従来
より種々の自動販売機が発明されている。

【０００３】たとえば、図５に示すように、コラム１１
２の底部に開閉板１０１を備え、かつ、コラム１１２の
背面下部にプッシャ１０２の押し込み用開口部を設ける
とともに、該開口部の端面に商品移動用空間を有する商
品１１１の収納ケース１１０、その収納ケース１１０の
底部にて移動可能なるプッシャ１０２、レバー機構１０
５，１０６を介してプッシャ１０２に連結されるソレノ
イド１０３及びプッシャ１０２と開閉板１０１とを連結
するレバー機構１０７，１０８，１０９よりなる自動販
売機１００が提案されている（特開平２−２７８６
号）。

【０００４】この自動販売機１００であると、商品１１
１は、プッシャ１０２によって押し出されるとともに、
開閉板１０１が下方に傾斜するため、商品１１１を搬出
する際にその奥行方向に空間をあまり必要としない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】プッシャ１０２は、積
重ねられた商品１１１の最下段の商品１１１を押出すだ
けでなく、最下段から二段目の商品１１１が落下しない
ように、支持部の役割も兼ねており、このプッシャ１０
２が必須要件となっている。ところが、プッシャ１０２
を動かすためには、コラム１１２の後方にプッシャ１０
２の退避空間とソレノイド１０３を設ける必要があり、
この退避空間とソレノイド１０３の寸法分だけ自動販売
機１００の奥行が大きくなるという問題があった。

【０００６】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、さら
に自動販売機の奥行方向を薄くできる自動販売機を提供
するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の自動販売機は、
本体内部のコラムに複数の商品を積重ねて収納する自動
販売機であって、前記コラムは、前壁、後壁及び開閉板
を有し、前記開閉板は、その一端が前記本体に枢支され
てその他端が下方へ傾斜し、前記開閉板下面の他端に
は、第１リンクの他端部が連結され、前記第１リンクの
一端部には、第２リンクの他端部が連結され、前記第２
リンクの一端部は、前記本体に枢支されるとともに、押
え部材の下端部が連結され、前記押え部材の上部は、積
重ねた商品の下から二段目の商品を前記前壁もしくは前
記後壁のどちらか一方の相対向する壁へ押圧可能であ
り、前記第２リンクの略中央部には、クランク部材の上
端部が連結され、前記クランク部材の下端部には、プー
リが連結され、販売指令信号によって前記プーリを回動
させるモータが設けられ、前記クランク部材が最上位置
に停止している時に、前記開閉板が水平状態となって積
重ねた商品を支持し、前記クランク部材が最下位置の時
に前記開閉板の他端部が下方へ傾斜し、積重ねた商品の
最下段の商品を搬出するとともに、前記押え部材の上部
が積重ねた商品の下から二段目の商品を前壁もしくは前
記後壁のどちらか一方の相対向する壁へ押圧しているも
のである。

【０００８】

【作 用】上記構成の自動販売機において、商品を搬出
する動作について説明する。

【０００９】まず、販売待機状態について説明する。

【００１０】本体内部に設けられたコラムに複数の商品
が積重なって収納されている。この場合に、クランク部
材が最上位置に停止しているため、その上端に設けられ
た第１リンク及び第２リンクによって、開閉板が水平状
態に支持され、積重ねられた商品は落下しない。

【００１１】販売待機状態において、販売指令信号が入
力されモータが回転すると、プーリも回転して、クラン
ク部材が最上位置から下方へ移動する。これが下方へ移
動すると第１リンク及び第２リンクも移動し、開閉板が
第１リンクによって下方に引張られ、その他端部が下方
へ傾斜し始める。開閉板が下方へ傾斜しだすと最下段の
商品が落下する。この場合に、第２リンクの移動と共に
押え部材が移動し、押え部材の上部が積重ねた商品の下
から二段目の商品を前壁もしくは後壁へ押圧する。この
ため、最下段の商品が落下しても、二段目の商品は落下
しない。最下段の商品が完全に落下すると、クランク部
材が最下位置から最上位置に復帰する。これによって開
閉板も傾斜状態から水平状態に復帰する。また、第２リ
ンクが移動することにより、二段目の商品を前壁もしく
は後壁へ押圧していた押え部材も、この商品から離れ
て、二段目の商品が開閉板に落下する。そして、再び販
売待機状態になる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例であるタバコＴの自
動販売機１０を図面に基づいて説明する。

【００１３】符号１２は、複数個のタバコＴを積重ねた
状態で収納するコラムである。このコラム１２は、左右
両側壁、前壁１４及び後壁１６を有している。また、そ
の底部には開閉板１８が設けられている。この開閉板１
８は、その前端部が水平な回転軸２０によって枢支され
てその後端部が下方へ傾斜する。開閉板１８の後部に後
板２２が設けられている。前板２２と前壁１４との間に
は前開口部２４が設けられている。開閉板１８の前部と
後壁１６との間にはタバコＴを搬出するための後開口部
２６が設けられている。

【００１４】符号２８は、棒状の第１リンクであって、
その後端部が開閉板１８の後端部に回転自在に連結され
ている。

【００１５】符号３０は、棒状の第２リンクであって、
その後端部が第１リンク２８の前端部に回転自在に連結
されている。また、その前端部は、水平な回転軸３２に
連結されている。

【００１６】符号３４は、板状の押え部材であって、そ
の下端が回転軸３２に回転自在に連結されていると共
に、その上端部は、前開口部２４より進入して、二段目
のタバコＴを後壁１６に押圧する。

【００１７】符号３６は、押え部材３４の下部と、第２
リンク３０との間に設けられたコイル状のバネである。
このバネ３６は、第２リンク３０と押え部材３４とを常
に引張る方向に付勢しており、また、バネ３６が存在す
ることにより、押え部材３４と第２リンク３０とのなす
角度がθより小さくならない。

【００１８】符号３８は、棒状のクランク部材であっ
て、その上端部は第２リンク３０の中央部に回動自在に
連結されている。

【００１９】符号４０は、コラム１２の下方に設けられ
た円板状のプーリであって、クランク部材３８の下端部
が連結されている。

【００２０】符号４２は、プーリ４０を回転させるため
のモータであって、販売指令信号が入力すると、プーリ
４０を一回転（３６０°）させる。

【００２１】上記構成の自動販売機１０の動作について
説明する。

【００２２】（１） 自動販売機１０が販売待機状態に
ある場合について説明する（図１参照）。

【００２３】この状態においては、クランク部材３８
が、最上位置に位置し、開閉板１８が、への字状になっ
た第１リンク２８と第２リンク３０によって水平状態に
保持されている。このため、開閉板１８に積重ねられて
いるタバコＴはコラム１２に収納されている。また、押
え部材３４は、前開口部２４より退避している。

【００２４】（２） モータ４２に販売指令信号が入力
すると、図２において時計方向にプーリ４０が回転し始
める。プーリ４０が回転し始めるとクランク部材３８が
それと共に下方に移動し、第２リンク３０を下方に引張
る。第２リンク３０は、回転軸３２を中心に回動すると
共にその後端部が第１リンク２８を引張り、第１リンク
２８と第２リンク３０が一直線になる。したがって、開
閉板１８は、第２リンク３０により上方へ押圧されて、
一旦その後端部が上方に傾斜する。

【００２５】（３） プーリ４０がさらに回転しクラン
ク部材３８を下方に引張ると（図３参照）、第２リンク
３０も回転軸３２を中心に下方に回動し、第１リンク２
８を下方に引張る。第１リンク２８によって、開閉板１
８が、回転軸２０を中心に下方へ回動する。この状態
で、押え部材３４は、その下部がバネ３６によって引張
られるため、前開口部２４より進入して、二段目のタバ
コＴを後壁１６に押圧する。したがって、開閉板１８が
傾いても、二段目のタバコＴは落下しない。

【００２６】（４） プーリ４０が最下位置にくると
（図４参照）、開閉板１８が最大傾斜となって、最下段
のタバコＴが落下する。また、押え部材３４によって二
段目のタバコＴは後壁１６に押圧されているため落下し
ない。

【００２７】（５） モータ４２がさらに１８０°以上
回転し、プーリ４０が上方に移動しだすと、それと共に
開閉板１８が水平状態へ復帰し始める。

【００２８】（６） 開閉板１８が水平状態に復帰する
と、今まで押え部材３４によって後壁１６によって押圧
されていた二段目のタバコＴが開閉板１８に落下して、
販売可能状態に復帰する。

【００２９】自動販売機１０であると、開閉板１８をク
ランク部材３８で開閉させると共に、二段目のタバコＴ
は押え部材３４によって支持しているため、二段目のタ
バコＴが落下しない。そして、この構造は非常に簡単な
ものであり、奥行方向に搬出機構の退避空間やソレノイ
ド等の部材を設ける必要がないため、自動販売機を薄型
に構成できる。

【００３０】

【発明の効果】以上により、本発明の自動販売機である
と、奥行方向に部材を設ける必要がないため、自動販売
機を薄型化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す自動販売機の商品搬出
機構の側面図であって、販売待機状態のの側面図であ
る。

【図２】同じくプーリが少し回転し、開閉板がやや上が
った状態の側面図である。

【図３】同じく開閉板が下方へ傾斜し始めた状態の側面
図である。

【図４】同じく開閉板が最大傾斜し、最下段のタバコＴ
を搬出している状態の側面図である。

【図５】従来の自動販売機の側面図である。

【符号の説明】

１０ 自動販売機 １２ コラム １４ 前壁 １６ 後壁 １８ 開閉板 ２０ 回転軸 ２２ 前板 ２４ 前開口部 ２６ 後開口部 ２８ 第１リンク ３０ 第２リンク ３２ 回転軸 ３４ 押え部材 ３６ バネ ３８ クランク部材 ４０ プーリ ４２ モータ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体内部のコラムに複数の商品を積重ねて
   収納する自動販売機において、 前記コラムは、前壁、後壁及び開閉板を有し、 前記開閉板は、その一端が前記本体に枢支されてその他
   端が下方へ傾斜し、 前記開閉板下面の他端には、第１リンクの他端部が連結
   され、 前記第１リンクの一端部には、第２リンクの他端部が連
   結され、 前記第２リンクの一端部は、前記本体に枢支されるとと
   もに、押え部材の下端部が連結され、 前記押え部材の上部は、積重ねた商品の下から二段目の
   商品を前記前壁もしくは前記後壁のどちらか一方の相対
   向する壁へ押圧可能であり、 前記第２リンクの略中央部には、クランク部材の上端部
   が連結され、 前記クランク部材の下端部には、プーリが連結され、 販売指令信号によって前記プーリを回動させるモータが
   設けられ、 前記クランク部材が最上位置に停止している時に、前記
   開閉板が水平状態となって積重ねた商品を支持し、 前記クランク部材が最下位置の時に前記開閉板の他端部
   が下方へ傾斜し、積重ねた商品の最下段の商品を搬出す
   るとともに、前記押え部材の上部が積重ねた商品の下か
   ら二段目の商品を前記前壁もしくは前記後壁のどちらか
   一方の相対向する壁へ押圧していることを特徴とする自
   動販売機。