JP3224155U - ガラス板搬送容器 - Google Patents

Abstract

【課題】ガラス板の搬送効率の低下を抑制しつつ、ガラス板の積み下ろし作業の効率低下をも抑制するガラス板搬送容器を提供する。【解決手段】ガラス板搬送容器１は、台座２０と、台座２０に対して所定の角度θで傾斜するように取り付けられ、ガラス板積層体１０を配置する配置面３１を有する支持台３０と、支持台３０の一側面に設けられ、ガラス板積層体１０の側面を支持する側面支持部材３３と、台座２０から上方に延びるように配置された複数の支柱５１、５２と、を備える。少なくとも一つの支柱５１は、上方に延びた状態から台座２０の側に倒れ込む移動が可能である可倒式であり、側面支持部材３３が、支柱５１の移動の軌道内に存在しない位置に設けられる。【選択図】図２

Description

本考案は、ガラス板を搬送するためのガラス板搬送容器に関する。

ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等のディスプレーに用いられる種々のフルサイズのガラス板は、ますます大型化しつつある。ガラス板の搬送は、一般的に複数のガラス板が搬送容器に積層され、コンテナに積み込まれて行われる。しかしながら、大型化するガラス板のサイズに比べて、コンテナのサイズは十分なものではなく、ガラス板を搬送容器に水平に積層した場合、搬送容器が大きくなりすぎて、搬送容器をコンテナに積み込むことが困難となる。場合によっては無理な積み込みによりガラス板の破損が懸念される。

このような状況に鑑み、特許文献１及び特許文献２は、ガラス板を斜めにした状態で積層して保持する搬送容器を開示している。このような工夫により、たとえガラス板のサイズが大きなものであっても、搬送容器のサイズ、特に搬送容器の幅のサイズを抑え、コンテナへの積み込み可能なものとしている。

特開２００９−２９８４７９号公報 実用新案登録第３２１０７４２号公報

コンテナへの充填率を高めてガラス板を多く積み込み、搬送を効率化するためには、コンテナ内において搬送容器を２段以上に積み重ねる方式が採り得る。このような方式においては、搬送容器の隅に上に積み重ねた搬送容器を支持するための柱が必要となる。

特許文献１は、４隅に支柱を配置した搬送容器を開示している。支柱はロックピンまたはヒンジピンの作用によって折り畳みまたは取り外しが可能となっており、ガラス板の積み下ろし作業を容易なものとしている。

ガラス板を搬送容器から取り出す際、積層されたガラス板の間に配置される合紙を押さえながら、ガラス板を取り出す必要がある。合紙を押さえる部材は搬送容器の横方向からアプローチするが、上記の様に支柱が可倒式の場合、倒れた支柱に当該部材が干渉しやすくなり、作業を円滑に行うことが困難となり得る。また、輸送時の衝撃によるガラス板の横ずれのリスクを考慮し、一般的に搬送容器にはガラス板の側面に横方向の移動を支持する支持部材が設置されるが、可倒式支柱の可動範囲に支持部材が存在すると、支柱と支持部材が干渉し、作業を円滑に行うことが困難となり得る。

本考案は、ガラス板の搬送効率、ガラス板の積み下ろし作業の効率低下を抑制し得る技術に関する。

本考案の一態様はガラス板搬送容器であって、台座と、前記台座に対して所定の角度で傾斜するように取り付けられ、ガラス板積層体を配置する配置面を有する支持台と、前記支持台の一側面に設けられ、前記ガラス板積層体の側面を支持する側面支持部材と、前記台座から上方に延びるように配置された複数の支柱と、を備え、少なくとも一つの支柱は、上方に延びた状態から前記台座の側に倒れ込む移動が可能である可倒式であり、前記側面支持部材が、当該支柱の移動の軌道内に存在しない位置に設けられる。

例えば、前記可倒式の支柱は、前記台座の主面より低い位置に設定された設置面に設けられた回動部材によって支えられた第１の支柱であり、当該回動部材を中心として、前記第１の支柱は回動可能である。

例えば、前記第１の支柱が、前記支持台の前記台座に接した端部の側に設けられ、第２の支柱が、前記支持台の前記台座から上方に離れた端部の側に設けられ、前記第２の支柱は、前記台座から延びた高さ方向の途中の位置で折り畳み可能である。

例えば、前記配置面は、水平方向に対して１７度〜２０度の角度で傾斜している。

本考案のガラス板搬送容器によれば、ガラス板の搬送効率を下げることなく、ガラス板の積み下ろし作業が円滑なものとなり得る。

図１は、本考案の実施形態に係るガラス板搬送容器の斜視図。 図２は、本考案の実施形態に係るガラス板搬送容器の側面図。

本考案に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。

図１は、本考案の実施形態に係るガラス板搬送容器の斜視図を示し、図２は同じガラス板搬送容器の側面図を示す。

本実施形態のガラス板搬送容器１は、ＬＣＤガラス基板等のガラス板を重ねたガラス板積層体Ｇを搬送するもので、フォークリフトの爪が挿入できるスリットなどを備える台座２０と、台座２０の上部に固定される支持台３０とを備える。支持台３０の上面には、ガラス板積層体１０（図２参照）の配置する配置面３１が設けられ、配置面３１は、水平方向に対して所定の角度（傾斜角度）θで傾斜している。所定の角度θは、一般的に１７度から２０度の範囲に設定され、好ましくは１８度程度に設定されるが特には限定されない。尚、図１はガラス板積層体１０が配置されていない状態を示す。

また、支持台３０は、配置面３１を構成するクッション材３４と、配置面３１の下縁に設けられ、配置面３１に配置されたガラス積層体の下端に当接可能な下側支持部材３２と、配置面３１の二つの側縁（上縁及び下縁以外の縁）に設けられ配置面３１に配置されたガラス板積層体１０の二つの側面に当接可能な少なくとも一組の側面支持部材３３とを備えている。本実施形態において、二つの下側支持部材３２が、略平板形状をなし配置面３１の下縁に設けられており、側面支持部材３３は、略平板形状であり、配置面３１の側縁の一部に設けられている。そして、下側支持部材３２及び側面支持部材３３は、支持台３０に対して垂直方向に延在し、ガラス板積層体１０の厚みよりも長く突出している。

本実施形態において、支持台３０は、柱４０等の複数の部材によって台座２０の上に固定されているが、固定の方法、部材等は特に限定されない。また、配置面３１は平面形状であるが、上に凸または下に凸になるような湾曲面の形状であってもよい。クッション材３４は所定の厚みを有し、ガラス板積層体１０への衝撃を吸収可能な素材によって形成されているが、必須ではない。

ガラス板積層体１０を搬送する場合は、図２の一点鎖線に示すようにガラス板積層体１０を配置面３１（クッション材３４）に配置し、自由落下によりガラス板積層体１０の下端が下側支持部材３２に当接して支持され、ガラス板積層体１０の側面が側面支持部材３３に支持され、上下および左右方向が安定する。

さらにガラス板搬送容器１は、台座２０から上方に延びるように配置された複数の支柱５１、５２を備えている。台座２０は平面視で四角形状を呈しており、四角形の４隅に４本の支柱５１、５２が配置されている。支柱５１、５２は、搬送の際にコンテナ内においてガラス板搬送容器１を２段以上に積み重ねる方式を可能とするための部材である。各支柱５１、５２の上端には、ガラス板搬送容器１が他のガラス板搬送容器１上に積み重ねられるときに、台座２０の底面に接する突起５３が設けられている。例えば台座２０の底面の各隅に凹部を形成することにより、積み重ね時に突起５３が凹部に嵌合し、積み重ねられたガラス板搬送容器１はしっかりと水平に固定され、互いに水平方向にずれるのを防止できる。これにより、コンテナへの充填率を高めてガラス板を多く積み込み、搬送を効率化できる。

更に少なくとも一つの支柱５１は、支持台３０の台座２０に接した端部の側に設けられた第１の支柱５１である。図２の二点鎖線で示すように、第１の支柱５１は、全体が上方に延びた状態から台座２０の側に倒れ込む移動が可能である可倒式の支柱として構成されている。本実施形態では二つの第１の支柱５１がこのような構成を有している。

一方、少なくとも一つの支柱５２は、支持台３０の台座２０から上方に離れた端部の側に設けられた第２の支柱５２であり、第１の支柱５１に対向して設けられている。図２の二点鎖線で示すように、第２の支柱５２は、台座２０から延びた高さ方向の途中の位置で折り畳み可能である。本実施形態では二つの第２の支柱５２がこのような構成を有している。

台座２０の４隅に配置された４本の支柱が可倒式または折り畳み可能であるため、ガラス板搬送容器１の外側からガラス板積層体１０へのアクセスが容易となり、ガラス板の積み下ろし作業を容易なものとしている。

さらに本実施形態では、側面支持部材３３が、第１の支柱５１、第２の支柱５２の移動の軌道内に存在しない位置に設けられる。図２の矢印の軌道Ｘは第１の支柱５１の上端の移動の軌道を示し、矢印の軌道Ｙは第２の支柱５２の上端の移動の軌道を示している。いずれの軌道も、側面支持部材３３から外れており、側面支持部材３３は、第１の支柱５１、第２の支柱５２の移動に干渉しないことがわかる。

側面支持部材３３は、輸送時の衝撃によるガラス板の横ずれのリスクを考慮して一般的に設けられるものであるが、第１の支柱５１、第２の支柱５２を折り畳む際に干渉すると作業が煩雑となり作業効率が低下するおそれもある。本実施形態では、側面支持部材３３への干渉を生ずることなく、第１の支柱５１、第２の支柱５２を折り畳むことができるため、作業効率の低下を抑制できる。

尚、側面支持部材３３は、支持台３０の側面に設けられた取り付け穴に、支持具３５によって取り付けられる。

また、第１の支柱５１は、台座２０の上に設けられた第１の回動部材である蝶番６１により回動可能であり、ユーザは、蝶番６１を中心として第１の支柱５１を台座２０の側に倒すことができ、倒れた第１の支柱５１を引き起こすことができる。第２の支柱５２は、台座２０から延びた高さ方向の途中の位置に設けられた第２の回動部材である蝶番６２により、折り畳み可能である。図２の二点鎖線は、第２の支柱５２の上端部５２ａが、蝶番６２を中心として回動可能であり、折り畳み可能であることを示している。

上述したように、コンテナ内においてガラス板搬送容器１を２段以上に積み重ねることが前提であるため、支柱は高い強度を要するが、特に蝶番６１、６２の強度を確保する必要がある。蝶番６１、６２の強度を確保する方法は種々のものがあるが、蝶番６１、６２の高さ方向の厚みを増すことが一つの方法として考えられる。

しかしながら、蝶番の厚みを増すことにより、横方向からの種々の装置のアプローチ、図２では紙面に向かって種々のアプローチが困難となるおそれがある。例えば作業の一環として、ガラス板積層体１０から個々のガラス板を取り出す際、積層されたガラス板の間に配置される合紙を押さえながら、ガラス板を取り出すようなことがある。合紙を押さえる部材は搬送容器の横方向、図２では紙面に向かってアプローチするが、蝶番の厚みによりこのような部材の接近が妨げられるおそれがある。

そこで本実施形態では、第１の支柱５１が、台座２０の主面２０ａより低い位置に設定された設置面２０ｂに設けられた蝶番６１によって支えられ、蝶番６１を中心として、第１の支柱５１が回動可能となっている。支持台３０の大部分が配置された主面２０ａとは別に、所定の高さＨだけ低い設置面２０ｂを設け、そこに蝶番６１を設けることにより、蝶番６１の厚みに伴う、外部からの装置への干渉を抑制し、作業効率の低下を防ぐことができる。

尚、本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本考案を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

１ ガラス板搬送容器
１０ ガラス板積層体
２０ 台座
３０ 支持台
３１ 配置面
３２ 下側支持部材
３３ 側面支持部材
５１ 支柱（第１の支柱）
５２ 支柱（第２の支柱）
６１ 蝶番（第１の回動部材）
６２ 蝶番（第２の回動部材）
θ 所定の角度（傾斜角度）

Claims (4)

1. 台座と、
   前記台座に対して所定の角度で傾斜するように取り付けられ、ガラス板積層体を配置する配置面を有する支持台と、
   前記支持台の一側面に設けられ、前記ガラス板積層体の側面を支持する側面支持部材と、
   前記台座から上方に延びるように配置された複数の支柱と、を備え、
   少なくとも一つの支柱は、上方に延びた状態から前記台座の側に倒れ込む移動が可能である可倒式であり、前記側面支持部材が、当該支柱の移動の軌道内に存在しない位置に設けられる、
   ガラス板搬送容器。
2. 前記可倒式の支柱は、前記台座の主面より低い位置に設定された設置面に設けられた回動部材によって支えられた第１の支柱であり、当該回動部材を中心として、前記第１の支柱は回動可能である、
   請求項１に記載のガラス板搬送容器。
3. 前記第１の支柱が、前記支持台の前記台座に接した端部の側に設けられ、
   第２の支柱が、前記支持台の前記台座から上方に離れた端部の側に設けられ、
   前記第２の支柱は、前記台座から延びた高さ方向の途中の位置で折り畳み可能である、
   請求項２に記載のガラス板搬送容器。
4. 前記配置面は、水平方向に対して１７度〜２０度の角度で傾斜している、請求項１〜３のいずれか１項に記載のガラス板搬送容器。

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