JP3223860B2 - 電子部品の接合剤塗布装置 - Google Patents

電子部品の接合剤塗布装置

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JP3223860B2
JP3223860B2 JP27730497A JP27730497A JP3223860B2 JP 3223860 B2 JP3223860 B2 JP 3223860B2 JP 27730497 A JP27730497 A JP 27730497A JP 27730497 A JP27730497 A JP 27730497A JP 3223860 B2 JP3223860 B2 JP 3223860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品に半田ペ
ーストや接合剤などの接合剤を塗布する装置に関し、よ
り詳細には、複数の電子部品の一面に接合剤を効率良く
かつ確実に塗布するための装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、チップ型電子部品を回路基板に
搭載するに際しては、チップ型電子部品の一面に半田ペ
ーストなどの接合剤を塗布し、接合剤が塗布されたチッ
プ型電子部品を回路基板上に搭載する。生産性を高める
には、多数のチップ型電子部品に、一度に上記接合剤を
塗布することが求められている。
【0003】そこで、従来、円板状のステージの上面に
接合剤層を形成し、該ステージ上に複数のチップ型電子
部品を載置してチップ型電子部品に接合剤を塗布する装
置が用いられている。この種の接合剤塗布装置の一例
を、図10に模式的平面図で示す。
【0004】電子部品の接合剤塗布装置51は、円板状
のステージ52と、スキージ53とを有する。ステージ
52は、時計方向もしくは反時計方向に回転駆動される
ように構成されている。
【0005】ステージ52の上面には、半田ペーストな
どの接合剤層54が形成され、該接合剤層54は、スキ
ージ53の下面により掻き取られることにより、その厚
みが均一化されると共に、上面が平坦化されている。
【0006】実際の製造に際しては、まず、ステージ5
2を回転させつつ、接合剤をステージ52上に供給し、
スキージ53により接合剤を拡げると共に、その厚みを
均一化することにより接合剤層54を形成する。しかる
後、一旦、ステージ52の回転を停止し、吸着ヘッド等
により保持された複数の電子部品55を接合剤層54上
に載置し、引き上げることにより、複数の電子部品55
の下面に接合剤を塗布する。しかる後、ステージ52を
再度回転させ、かつ必要に応じて接合剤を追加供給する
ことにより、スキージ53により接合剤層54を再度均
一な膜厚とし、かつその上面を平坦化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗布装
置51において、チップ型電子部品55の処理数の増大
を図った場合、複数個のチップ型電子部品55が並べら
れる矩形領域を確保しなければならないため、接合剤層
54が形成される領域の径を大きくしなければならなか
った。そのため、ステージ52の上面で拡げられる接合
剤の量が増大し、コストが高くつくと共に、接合剤を拡
げる面積の増大により接合剤層54の厚みの均一性が低
下するという問題があった。
【0008】また、ステージ52の径を大きくしなけれ
ばならないため、塗布装置51を電子部品の自動搭載機
に組み込んだ場合、自動搭載機全体の寸法が大きくな
り、コストが高くつくだけでなく、大きなスペースを必
要とするという問題もあった。
【0009】もっとも、ステージ52上で接合剤を塗布
すべきチップ型電子部品55の数を低減すれば、ステー
ジ52の小型化を図ることはできるものの、その場合に
は、生産性が低下することとなる。
【0010】さらに、チップ型電子部品55のように、
両端に電極55a,55bを有する場合、塗布装置51
で接合剤を塗布すると、電子部品55の底面の全面に接
合剤が付着することとなる。従って、接合剤として半田
ペーストなどを用いた場合には、電極55a,55b間
の短絡を防止するために、接合剤を塗布した後に、電極
55a,55b間の領域に付着している接合剤を除去す
るという煩雑な作業が強いられていた。
【0011】本発明の目的は、複数の電子部品の一面に
接合剤を能率良く塗布することができ、生産性に優れて
いるだけでなく、電子部品の所望でない部分への接合剤
の付着を防止することができ、処理量の増大を図った場
合においても大型化を招き難く、かつ接合剤使用量の低
減を図り得る、電子部品の接合剤塗布装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上面に接合剤層が形成されたステージの該接合剤層
に電子部品を載置して電子部品の一面に接合剤を塗布す
る、電子部品の接合剤塗布装置であって、前記ステージ
が、矩形の平面形状を有し、かつ上面に凹部を有し、該
凹部における接合剤層上面が、凹部外の接合剤層を上面
よりも低くされていることを特徴とする。
【0013】上記電子部品の接合剤塗布装置において
は、好ましくは、請求項2に記載のように、上記凹部
が、ステージの長手方向に延びる少なくとも一本の溝に
より構成されている。もっとも、凹部の態様について
は、対象とする電子部品の形状及び構造などに応じて、
適宜変形することができ、例えば、切欠や円形もしくは
矩形の平面形状を有する凹部を構成してもよい。
【0014】また、請求項3に記載の発明では、前記溝
の長手方向に移動可能に設けられており、かつ接合剤層
の厚みを均一化するための接合剤厚み調整部材が設けら
れている。また、請求項4に記載の発明では、前記接合
剤厚み調整部材が、前記ステージの横断面形状に応じた
断面形状を有するスキージである。なお、本発明におけ
る「電子部品」とは、例えばチップ型電子部品のよう
に、完成品として電子部品を含むことはもちろんのこ
と、例えば封止部材としてキャップのように、電子部品
の一部を構成する部材をも含む概念の言葉である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に
係る非限定的な実施例を説明することとする。
【0016】図1は、本発明の一実施例に係る電子部品
の接合剤塗布装置が組み込まれた部品自動搭載機の全体
構造を示す斜視図である。部品自動搭載機1は、架台2
を有する。架台2の上方には、吸着ヘッド支持部材3が
配置されている。吸着ヘッド支持部材3には、部品保持
部材としての複数本の部品吸着ヘッド4が図示しない駆
動源により上下に移動可能に支持されている。各部品吸
着ヘッド4は、図示しない真空吸引源により吸引されて
後述のチップ型電子部品をその下面に吸着し得るように
構成されている。
【0017】また、吸着ヘッド支持部材3は、図1のY
方向に沿って延びるガイドレール5に沿って移動可能と
されている。このガイドレール5は、スライダー6に固
定されている。すなわち、上記ガイドレール5上を吸着
ヘッド支持部材3が矢印Y方向に移動可能となるよう
に、吸着ヘッド支持部材3がスライダー6に連結されて
いる。
【0018】他方、架台2の上面においては、図1の矢
印X方向、すなわち、前述したY方向と直交する方向に
延びる一対のガイドレール7,8が設けられている。上
記スライダー6は、ガイドレール7,8に沿って矢印X
方向に移動可能とされている。
【0019】従って、各部品吸着ヘッド4は、吸着ヘッ
ド支持部材3をガイドレール5に沿って移動させること
によりY方向に移動可能とされており、かつスライダー
6を矢印X方向に移動させることにより、X方向に移動
可能とされている。すなわち、各部品吸着ヘッド4は、
架台2の上面において上記X,Y方向に移動可能とされ
ている。
【0020】なお、上記X,Y方向の移動を可能とする
ために、吸着ヘッド支持部材3には、図示しない駆動源
が連結されており、スライダー6にも図示しない駆動源
が連結されている。これらの駆動源及び部品吸着ヘッド
4を上下に移動させるための駆動源としては、例えば、
油圧シリンダやエアシリンダなどの任意の往復駆動源、
あるいはモータなどの回転駆動源に回転駆動力を往復駆
動力に変換させる連結機構を組合わせたものなど、任意
の構造のものを用いることができる。
【0021】架台2の上面においは、ガイドレール7,
8の間の領域において、ガイドレール7,8の端部7
a,8a近傍に部品供給部9が構成されている。本実施
例の部品自動搭載機1では、後述のチップ型電子部品を
基板上に半田ペーストを用いて接合するため、部品供給
部9には、多数のチップ型電子部品11がマトリクス状
に配置されている。
【0022】部品供給部9では、チップ型電子部品11
は、後述の図6に示す向き、すなわち、両端の電極11
a,11bが水平方向両端となる向きに配置されてい
る。部品供給部9とガイドレール7との間の領域におい
て、部品供給部9よりもX方向やや中央に、本実施例の
接合剤塗布装置12が構成されている。接合剤塗布装置
12は、図2(a)及び(b)及び図3に示すように、
ベースプレート13上にステージ14を配置した構造を
有する。ステージ14上には、接合剤(図2及び図3で
は図示は省略)が塗布されている。また、ステージ14
には、ステージ14の長手方向に延びる溝14aが内低
面に形成されている。この溝14aは、図1の矢印Y方
向に延ばされている。この溝14aが、本発明における
凹部を構成している。
【0023】従って、図2(b)に示すように、ステー
ジ14においては、溝14aが設けられている部分が低
く、溝14aの両側の部分14b,14cが溝14aよ
りも相対的に高くされている。
【0024】また、ステージ14において、溝14aに
沿って移動可能に接合剤厚み調整部材15が配置されて
いる。接合剤厚み調整部材15には溝14a内に延びる
部分を有するスキージ16が取付けられている。このス
キージ16を溝14aに沿って移動させることにより、
溝14a上及び両側の部分14b,14c上の接合剤の
厚みがほぼ均一とされる。これを、図4を参照してより
具体的に説明する。
【0025】図4に斜視図で示すように、本実施例で
は、ステージ14は上方が開いた矩形の容器の内底面で
構成されており、矩形の平面形状を有するステージ14
には、長手方向に延びる溝14aが形成されており、溝
14aの両側に溝14aよりも相対的に高い部分14
b,14cが形成されている。
【0026】他方、スキージ16は、その下面中央に下
方突出部16aを有する。下方突出部16aは、溝14
aに入り込み得る形状とされており、下方突出部16a
により溝14a内の接合剤をかき取ることにより、接合
剤の厚みが、溝14a及び両側の部分14b,14cの
何れにおいてもほぼ等しくなるように構成されている。
このスキージ16を図4の矢印A方向に移動させること
により、図5に断面図で示すように、接合剤17は、ス
テージ14において溝14a上及び両側の部分14b,
14c上においてほぼ均一な厚みとされている。従っ
て、溝14aが形成されている部分の接合剤面は、両側
の部分14b,14c上の接合剤面よりも低くされてい
る。なお、ステージの両端の部分14b,14c上の接
合剤面の高さがほぼ等しくなるように、両端の部分14
b,14c上の接合剤17は、ほぼ等しい厚みとされる
ことが望ましいが、溝14a上の接合剤面の高さが、両
端の部分14b,14c上の接合剤面の高さよりも低い
範囲内であれば、溝14a上の接合剤17は、必ずしも
両端の部分の14b,14c上の接合剤17の厚みと同
一でなくても構わない。
【0027】上記スキージ16を備えた接合剤厚み調整
部材15の移動は、接合剤厚み調整部材15に連結され
た図示しない駆動源により行われる。図1に戻り、前述
した部品吸着ヘッド4は、部品供給部9からチップ型電
子部品を吸引保持し、上記接合剤塗布装置12に搬送
し、接合剤塗布装置12のステージ14内にチップ型電
子部品を降下させる。そして、接合剤塗布装置12にお
いて、チップ型電子部品の底面に接合剤17が付着され
る。
【0028】また、図1において、架台2の上面の略中
央に基板設置部18が設けられており、基板設置部18
に基板19が載置されている。基板19上に、接合剤が
塗布されたチップ型電子部品が搭載され、上記接合剤に
よりチップ型電子部品が基板19上に付着される。基板
19としては、チップ型電子部品を実装する適宜の回路
基板を用いることができ、特に限定されるものではな
い。
【0029】また、部品自動搭載機1では、上述した吸
着ヘッド4による部品の吸着・離脱を行うための駆動
源、吸着ヘッド4を上下方向及びX,Y方向に駆動する
ための駆動源を制御するための制御装置20が架台2内
に構成されている。
【0030】次に、部品自動搭載機1を用いてチップ型
電子部品11を基板19上に搭載するための部品自動搭
載機1の動作を説明する。まず、各部品吸着ヘッド4が
部品供給部11の上方に移動される。この移動は、吸着
ヘッド支持部材3及びスライダー6を、それぞれ、ガイ
ドレール5及びガイドレール7,8に沿って移動させる
ことにより行われる。部品供給部9に配置されているチ
ップ型電子部品の直上に部品吸着ヘッド4を配置した状
態で、部品吸着ヘッド4を下降させてチップ型電子部品
11を部品吸着ヘッド4の下面に吸引し、保持する。
【0031】しかる後、チップ型電子部品11を保持し
た部品吸着ヘッド4を、接合剤塗布装置12の上方に移
動する。この移動についても、吸着ヘッド支持部材3及
びスライダー6を移動することにより行われる。接合剤
塗布装置12においては、ステージ14上に接合剤とし
て半田ペーストが塗布されている。
【0032】また、部品吸着ヘッド4からチップ型電子
部品をステージ14に降下させるに先立ち、前述したス
キージ16を移動させることにより、接合剤面が図5に
示した状態とされている。この状態で、部品吸着ヘッド
を降下させて、チップ型電子部品11を接合剤17の上
面に当接させる。
【0033】図6に示すように、溝14aの上方の接合
剤面が両側の部分14b,14c上の接合剤面よりも低
くされているため、チップ型電子部品11の電極11
a,11b及びその近傍にのみ接合剤17が付着し、チ
ップ型電子部品11の底面のうち、電極11a,11b
で挟まれた部分の中央領域には接合剤17が付着しな
い。
【0034】しかも、図7に平面図で示すように、複数
のチップ型電子部品11は、接合剤と装置12のステー
ジ14の長手方向に沿って列状に配置されているため、
すなわちステージ14が略矩形の平面形状を有するた
め、複数のチップ型電子部品11がステージ14上にお
いて高密度に配置される。よって、接合剤の使用量を低
減することができると共に、小型のステージ14を用い
て多数のチップ型電子部品11の一面に接合剤を塗布す
ることができる。
【0035】次に、ステージ14から部品吸着ヘッド4
を用いて接合剤17が塗布されたチップ型電子部品11
を保持し、引き上げ、さらに基板設置部18まで移動さ
せる。この移動についても、吸着ヘッド支持部材3及び
スライダー6を駆動することにより行われる。
【0036】部品吸着ヘッド4を、基板19の上方にお
いて、所定の位置に位置決めした後、部品吸着ヘッド4
を降下させ、かつ吸引を停止することにより、接合剤1
7が塗布されたチップ型電子部品11が基板19の所定
の位置に搭載される。
【0037】上記のように、チップ型電子部品11にお
いては、電極11a,11b間の中央領域には接合剤1
7が付与されていないため、基板19上に接合剤17が
塗布されたチップ型電子部品11を搭載し、そのまま固
定したとしても、電極11a,11b間の短絡は生じ難
い。
【0038】すなわち、余剰の接合剤17を除去すると
いった煩雑な工程を実施する必要がない。また、上記溝
14aの幅を、チップ型電子部品11の電極11a,1
1b間の距離に応じて適宜定めることにより、チップ型
電子部品11を基板19に対して確実に固定し得る量の
接合剤をチップ型電子部品11の底面に付着させること
ができる。従って、チップ型電子部品11の基板19に
対する固着強度が不十分となるおそれも生じ難い。
【0039】よって、部品自動搭載機1を用いることに
より、チップ型電子部品11を基板19上に、所望でな
い短絡を引き起こすことなく、確実にかつ容易に搭載す
ることが可能となる。
【0040】なお、上記部品自動搭載機1では、接合剤
17として半田ペーストを用いたが、半田ペースト以外
の他の導電性接合剤、例えば、導電性接着剤などを用い
てもよく、接合剤17として、通常の熱硬化型絶縁性接
着剤のような絶縁性接合剤を用いてもよい。
【0041】また、接合剤塗布装置12では、図5に示
したチップ型電子部品11を対象としたが、本発明に係
る接合剤塗布装置は、電子部品を構成しているベース基
板上に電子部品の一部の部品を接合する用途にも用いる
ことができる。このような電子部品の一例を、図8に断
面図で示す。
【0042】圧電共振部品31は、ベース基板32上
に、キャップ33を熱硬化型粘着剤34を用いて固定し
た構造を有する。基板32は、アルミナなどの絶縁性セ
ラミックスなどの適宜の材料で構成されており、キャッ
プ33は、例えば、アルミニウムやステンレスなどの金
属により構成されている。
【0043】ベース基板32とキャップ33とで構成さ
れている内部空間35内に圧電共振素子36が配置され
ている。圧電共振素子36は、接着剤37a,37bに
よりベース基板32上に固定されている。このような構
造の圧電共振部品31としては、圧電発振子、圧電フィ
ルタ、SAWデバイス(SAWフィルタ、SAW共振
子)など圧電効果を利用した一般的な圧電共振部品を挙
げることができる。
【0044】ところで、上記キャップ33は、通常、熱
硬化型接着剤34によりベース基板32に接合されてい
るが、本発明に係る接合剤塗布装置を用いることによ
り、該キャップ33をベース基板32に容易にかつ確実
に固定することができる。
【0045】すなわち、図1に示した部品自動搭載機1
において、部品供給部11にキャップ33を配置し、基
板設置部18にベース基板32を配置しておくことによ
り、キャップ33の下面33aに接合剤塗布装置12に
おいて熱硬化型接着剤34を付着させ、基板設置部18
においてベース基板32上に接着剤34が付与されたキ
ャップ33を接合することができる。
【0046】この場合においても、従来の接合剤塗布装
置を用いた場合には、ステージ52において、接合剤面
が平坦であったため、キャップ33の下面33aの全周
にわたり接合剤が付着さぜるを得なかった。
【0047】これに対して、接合剤塗布装置12におい
て、ステージ14の中央に溝14aが形成されているた
め、キャップ33の端面33a,33b近傍においての
み接着剤34を付着させることができる。このようにし
て得られた圧電共振部品を、図9に平面図で示す。図9
に示す圧電共振部品31において、一点鎖線D,Eの外
側領域においてのみ、キャップ33の下面に接着剤34
(図8参照)が付与され、該接着剤34によりキャップ
33がベース基板32に接合されている。
【0048】すなわち、図4に示したステージ14の溝
14aの幅を一点鎖線D,E間の幅とすることにより、
キャップ33を端面33a,33b近傍においてのみ接
着剤34によりベース基板32に固着することができ
る。従って、図9に示した圧電共振部品31では、キャ
ップ33の一点鎖線D,E間の領域では、キャップ33
の下面とベース基板32とが接合されていないため、接
着剤34の加熱硬化時に内圧が高まることがない。
【0049】よって、内圧上昇によるキャップ33の位
置ずれや、圧電共振素子36の特性の劣化が生じ難い。
この後、キャップ33の一点鎖線D,E間の領域につい
ては、別途、封止性接着剤をディスペンサ等で塗布、注
入し、硬化させ、封止性を確保する。このとき、既にベ
ース基板32とキャップ33は部分的に固定されている
ので、当然キャップ33を押圧する必要はない。
【0050】また、長期間使用した場合、周囲温度の変
化等により、内圧が変動することがないため、内圧の変
動に起因する実使用時の圧電共振素子36の特性の変動
も生じ難い。
【0051】従って、部品自動搭載機1を用いて、上記
圧電共振部品31を構成することにより、キャップ33
がベース基板32に対して正確に固定され、かつ特性の
変動が生じ難い、信頼性に優れた圧電共振部品31を得
ることができる。
【0052】なお、本実施例の接合剤塗布装置12で
は、ステージ14に、1本の溝14aを形成することに
より凹部を形成していたが、凹部の数については、対象
とする部品の形状に応じて適宜変更することができ、2
本以上の溝を形成してもよい。また、溝に代えて、円形
もしくは矩形の凹部を内底面に形成してもよい。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る電子部品の
接合剤塗布装置では、ステージが矩形の平面形状を有す
るため、複数の電子部品を列状またはマトリックス状に
高密度に配置することができ、それによってステージ上
の接合剤層が形成されている領域を有効に活用すること
ができる。すなわち、接合剤層が設けられている領域を
有効に活用して多数の電子部品の一面に接合剤を能率良
く塗布することができる。
【0054】しかも、ステージの上面に凹部が形成され
ており、凹部における接合剤層上面が凹部外の接合剤層
上面よりも低くされているため、電子部品の一面におい
て接合剤が付与されてはならない部分に対応するように
凹部を構成することにより、例えば短絡してはならない
電極間の領域のように導電性接合剤が付着してはならな
い部分への接合剤の塗布を防止しつつ、接合剤の塗布が
必要な部分及びその近傍にのみ確実に接合剤を塗布する
ことができる。
【0055】請求項2に記載の発明では、上記凹部がス
テージの長手方向に延びる少なくとも一本の溝により形
成されているため、該凹部をまたぐように複数の電子部
品を溝の長手方向に沿って並べることにより、接合剤が
付着してはならない部分を有する電子部品に効率良くか
つ確実に接合剤を塗布することができる。
【0056】請求項3に記載の発明では、溝の長手方向
に移動可能に構成された接合剤厚み調整手段が設けられ
ているため、接合剤層の厚みが均一化され、それによっ
て複数の電子部品の一面に接合剤をより一層均一な厚み
に塗布することができる。
【0057】請求項4に記載の発明では、上記接合剤厚
み調整手段が、ステージの横断面形状に応じた断面を有
するスキージにより構成されているため、該スキージを
往復駆動することにより、凹部及び凹部外のステージ上
面における接合剤層の厚みを確実に均一にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接合剤塗布装置が設けられた部品
自動搭載機の一実施例を示す斜視図。
【図2】(a)及び(b)は、図1に示した部品自動搭
載機の接合剤塗布装置を説明するための平面図及び
(a)のB−B線に沿う部分の部分断面図。
【図3】図1に示した部品自動搭載機の接合剤塗布装置
を説明するための側面図。
【図4】実施例の接合剤塗布装置における接合剤槽及び
スキージを説明するための斜視図。
【図5】図4の接合剤槽のC−C線に沿う部分の断面図
であり、接合剤を貯留した状態を示す図。
【図6】図5に示した接合剤槽内にチップ型電子部品を
降下させ、接合剤を塗布した状態を示す断面図。
【図7】接合剤塗布装置上に複数の電子部品が載置され
た状態を示す平面図。
【図8】本発明に係る接合剤塗布装置を用いて好適に得
られる圧電共振部品を示す断面図。
【図9】図8に示した圧電共振部品の平面図。
【図10】従来の接合剤塗布装置を説明するための断面
図。
【符号の説明】
1…部品自動搭載機 3…吸着ヘッド支持部材 4…部品保持部材としての部品吸着ヘッド 5…ガイドレール 6…スライダー 7,8…ガイドレール 9…部品供給部 11…チップ型電子部品 12…接合剤塗布装置 14…ステージ 14a…凹部を構成するための溝 15…接合剤厚み調整部材 16…スキージ 17…接合剤 31…圧電共振部品 32…ベース基板 33…部品としてのキャップ 34…接合剤としての熱硬化型接着剤
フロントページの続き (72)発明者 池田 拓 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 平川 敦史 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−258033(JP,A) 特開 昭64−66998(JP,A) 特開 平3−34325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に接合剤層が形成されたステージの
    該接合剤層に電子部品を載置して電子部品の一面に接合
    剤を塗布する、電子部品の接合剤塗布装置であって、 前記ステージが、矩形の平面形状を有し、かつ上面に凹
    部を有し、該凹部における接合剤層上面が、凹部外の接
    合剤層上面よりも低くされていることを特徴とする、電
    子部品の接合剤塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記凹部が、前記ステージの長手方向に
    延びる少なくとも一本の溝である、請求項1に記載の電
    子部品の接合剤塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記溝の長手方向に移動可能に設けられ
    ており、かつ接合剤層の厚みを均一化するための接合剤
    厚み調整部材をさらに備えることを特徴とする、請求項
    2に記載の電子部品の接合剤塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記接合剤厚み調整部材が、前記ステー
    ジの横断面形状に応じた断面形状を有するスキージであ
    る、請求項3に記載の電子部品の接合剤塗布装置。
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