JP2021034665A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気接続経路を有する基板の凹部に収納される部品を適正な姿勢で固定することができる半導体装置を得ること。【解決手段】半導体装置100は、内部に電気接続経路を有するとともに上面12に凹部を有する誘電体基板と、凹部の底面15に接着されて上面が平坦面とされた1層目接着剤層20と、1層目接着剤層20の上面21に接着された2層目接着剤層30と、2層目接着剤層30の上面31に接着されることにより凹部の底面15に固定された半導体素子40またはセラミック回路基板と、半導体素子40に設けられた電極41またはセラミック回路基板に設けられた電極と、誘電体基板に設けられた電極14とを接続するボンディングワイヤ50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、基板に設けられた凹部に半導体素子が収納された半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体素子を収納するための凹部であるキャビティが誘電体積層基板に設けられ、半導体素子が接着剤を介してキャビティの内部に実装された構造の半導体装置が用いられている。このような構造を有する半導体装置では、誘電体積層基板の内部に設けられる電気接続経路のパターン設計の影響により、キャビティの底面に反りが生じる場合があった。
底面に反りが生じているキャビティに半導体素子が実装される場合には、キャビティの底面の反りに起因して、半導体素子が本来の適正な姿勢から傾いて固定される。半導体素子が本来の適正な姿勢から傾いて固定された場合には、半導体素子の電極にワイヤボンディングを行う際に半導体素子に掛かる押圧力によって半導体素子にクラックが発生するという問題、および半導体素子の電極へボンディングワイヤを確実に接続できないという問題があった。
このような問題に対して、特許文献1には、半導体素子を収容するための四角形状の凹部が絶縁基体の上面中央部に設けられ、凹部の底面で相対向する各々の側面の近くの位置に凸状部が設けられた半導体素子収納用パッケージが開示されている。凸状部は、半導体素子を固定支持する支持部材として作用する。半導体素子は、凸状部の上面に載置され、下面が凹部の底面に接着剤を介して接着されることによって凹部内に接着固定される。特許文献1の半導体素子収納用パッケージは、凸状部の上面に半導体素子が載置されることで、半導体素子の傾きを防止するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1の半導体素子収納用パッケージは、内部に電気接続経路が設けられた場合には、内部に設けられた電気接続経路の設計パターンに起因した、凹部の底面の反り量の変化および凹部の底面の反り位置の変化に対応できない。このため、特許文献1の半導体素子収納用パッケージは、凹部の底面の反り量が凹部の周囲の外周部の高さよりも大きい場合および凹部の底面の一部の領域にのみ反りがある場合などには、収納される半導体素子が傾いてしまう、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電気接続経路を有する基板の凹部に収納される部品を適正な姿勢で固定することができる半導体装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる半導体装置は、内部に電気接続経路を有するとともに上面に凹部を有する誘電体基板と、凹部の底面に接着されて上面が平坦面とされた1層目接着剤層と、1層目接着剤層の上面に接着された2層目接着剤層と、2層目接着剤層の上面に接着されることにより凹部の底面に固定された半導体素子またはセラミック回路基板と、半導体素子に設けられた電極またはセラミック回路基板に設けられた電極と、誘電体基板に設けられた電極とを接続するボンディングワイヤと、を備える。
本発明にかかる半導体装置によれば、電気接続経路を有する基板の凹部に収納される部品を適正な姿勢で固定することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の構成を示す縦断面図である。図1に示す半導体装置100においては、図1における上側を半導体装置100の上側、図1における下側を半導体装置100の下側とする。本実施の形態1にかかる半導体装置100は、誘電体積層基板10と、1層目接着剤層20と、2層目接着剤層30と、半導体素子40と、ボンディングワイヤ50と、を備える。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の構成を示す縦断面図である。図1に示す半導体装置100においては、図1における上側を半導体装置100の上側、図1における下側を半導体装置100の下側とする。本実施の形態1にかかる半導体装置100は、誘電体積層基板10と、1層目接着剤層20と、2層目接着剤層30と、半導体素子40と、ボンディングワイヤ50と、を備える。
誘電体積層基板10は、電気接続経路を内蔵して半導体装置100の基体を構成する、誘電体材料から成る誘電体基板である。誘電体積層基板10は、たとえば銀または銅などの金属を主成分とする電気接続経路である回路パターンおよびビアホールが形成されたセラミック材料基体であるセラミックグリーンシートを複数枚積層することにより構成されている積層基板である。また、誘電体積層基板10の上面12には、回路パターンに接続する電極14が設けられている。すなわち、誘電体積層基板10はセラミック基材と回路パターンとを備える。また、誘電体積層基板10は、誘電体積層基板10の上面12に設けられた凹部であるキャビティ11を有する。
キャビティ11は、誘電体積層基板10の上面12に設けられて半導体素子40を収納するための凹部である。キャビティ11は、誘電体積層基板10の内部に設けられた電気接続経路である回路パターンおよびビアホールのパターン設計の影響により、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが存在している。キャビティ11の底面15の反り形状部15aは、誘電体積層基板10の上面12側に凸の状態で反っている。
1層目接着剤層20は、半導体素子40を誘電体積層基板10のキャビティ11の底面15上に接着固定するための1層目の接着剤層であり、キャビティ11の底面15上に接着されている。1層目接着剤層20の上面21は、平坦面とされており、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状を吸収して、平坦な上面21を構成している。すなわち、1層目接着剤層20は、1層目接着剤層20の上面21から反り形状部15aが突出しない厚みで形成されている。
2層目接着剤層30は、半導体素子40を誘電体積層基板10のキャビティ11の底面15上に接着固定するための2層目の接着剤層であり、平坦面である1層目接着剤層20の上面21に接着されている。2層目接着剤層30の上面31は、1層目接着剤層20と2層目接着剤層30とからなる接着剤層の上面である。
半導体素子40は、半導体装置100を構成する電子部品である。半導体素子40は、2層目接着剤層30の上面31に接着されている。半導体素子40は、1層目接着剤層20および2層目接着剤層30を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されることによって、誘電体積層基板10のキャビティ11の底面15上に実装されている。半導体素子40の上面43には、電極41が設けられている。半導体素子40の下面42および上面43は、1層目接着剤層20の上面21と平行とされている。
したがって、半導体装置100では、誘電体積層基板10の上面12と、誘電体積層基板10においてキャビティ11の底面15に反り形状部15aが存在していない部分の下面13と、1層目接着剤層20の上面21と、半導体素子40の下面42と、半導体素子40の上面43と、が平行な面とされている。
また、誘電体積層基板10の内部に設けられた電気接続経路である回路パターンおよびビアホールのパターン設計の影響によりキャビティ11の底面15に反り形状部15aが発生してないと仮定した場合の、仮想のキャビティ11の底面である仮想底面16は、誘電体積層基板10の上面12と平行な面である。なお、キャビティ11の底面15において、反り形状部15aが発生していない部分がある場合には、仮想底面16は、キャビティ11の底面15における反り形状部15aが生じていない面と同じ面となる。
ボンディングワイヤ50は、誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14と、半導体素子40の上面43に設けられた電極41とを電気的に接続する。すなわち、ボンディングワイヤ50は、誘電体積層基板10と半導体素子40とを電気的に接続する。
上述した半導体装置100の構成において、1層目接着剤層20は、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状を吸収して、半導体素子40を実装するための平坦な面である上面21を形成する役割を有する。2層目接着剤層30は、平坦な面である1層目接着剤層20の上面21上に半導体素子40を接着固定する役割を有する。半導体素子40は、1層目接着剤層20および2層目接着剤層30を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されているため、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。
つぎに、半導体装置100の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示す断面図であり、誘電体積層基板10が形成された状態を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示す断面図であり、1層目接着剤層20が塗布されて平坦化される状態を示す図である。図5は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示す断面図であり、2層目接着剤層30が塗布された状態を示す図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示す断面図であり、2層目接着剤層30上に半導体素子40が配置された状態を示す図である。図7は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の製造方法の手順を示す断面図であり、ボンディングワイヤ50の接続が行われた状態を示す図である。
まず、ステップS10において、図3に示すように、誘電体積層基板10が形成される。誘電体積層基板10は、ガラスセラミックまたは窒化アルミナ等の電気絶縁材料を素材とするグリーンシートを複数重ねて積層した後に焼成し、金属めっきを施すことによって形成される。なお、回路パターンおよびビアホールの形成は、作製する電気接続経路のパターンに対応して適切なタイミングで行われればよい。
各グリーンシートには、キャビティ11を形成するための開口が予め設けられている。キャビティ11を有する誘電体積層基板10が形成された時点で、キャビティ11の底面15には反り形状部15aが生じている。
つぎに、ステップS20において、図4に示すように、キャビティ11の底面15への1層目接着剤層20の塗布が行われる。1層目接着剤層20の塗布は、ディスペンサ70を用いて行われる。ステップS20において塗布された1層目接着剤層20は、硬化前の状態である。ここで、1層目接着剤層20は、キャビティ11の内部における高さ位置が最も低い部分に重点的に供給されることが好ましい。これにより、1層目接着剤層20の流動を防止して、所望の位置に所望の高さで1層目接着剤層20を塗布することができる。
ここで、1層目接着剤層20の塗布量は、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状を吸収して、平坦な上面21を構成可能な量とされる。すなわち、1層目接着剤層20の塗布量は、1層目接着剤層20の上面21から反り形状部15aが突出しない量とされる。
また、1層目接着剤層20には、塗布形状が維持できる程度に粘度の高い接着剤を用いることが好ましい。これにより、塗布された1層目接着剤層20の形状が1層目接着剤層20を硬化させる前に変形することを防止でき、所望の厚みの1層目接着剤層20をキャビティ11の底面15における所望の位置に形成することができる。1層目接着剤層20の形成に用いる接着剤の粘度は、15Pa・s以上であることが好ましい。
つぎに、ステップS30において、図4に示すように、1層目接着剤層20の上面21の平坦化が行われる。1層目接着剤層20の上面21の平坦化は、キャビティ11の幅よりも狭い幅を有するスキージ71を用いて行われる。このとき、塗布された1層目接着剤層20の端部は形状が安定しない。このため、スキージ71の幅は、キャビティ11の幅よりも狭く、半導体素子40の幅よりも広いことが好ましい。
また、手作業によってスキージ71を動かす場合には、1層目接着剤層20が平坦になりにくい。このため、自動で塗布を行う自動ディスペンサのヘッドにスキージ71を取り付け、自動ディスペンサによって自動でスキージ71を水平に動かすことが好ましい。これにより、1層目接着剤層20の上面21を確実に平坦化することができる。
つぎに、ステップS40において、平坦化された1層目接着剤層20の硬化が行われる。
つぎに、ステップS50において、図5に示すように、硬化した1層目接着剤層20上への2層目接着剤層30の塗布が行われる。2層目接着剤層30の塗布は、ディスペンサ70を用いて行われる。ステップS50において塗布された2層目接着剤層30は、硬化前の状態である。2層目接着剤層30は、1層目接着剤層20上への半導体素子40の実装に必要な量が塗布される。2層目接着剤層30は、1層目接着剤層20と同じ材料を用いてもよく、異なる材料を用いてもよい。
つぎに、ステップS60において、図6に示すように、2層目接着剤層30上の予め決められた実装位置に半導体素子40が配置される。
つぎに、ステップS70において、2層目接着剤層30の硬化が行われる。
つぎに、ステップS80において、図7に示すように、必要な箇所にボンディングワイヤ50の接続が行われることで、誘電体積層基板10と半導体素子40とが電気的に接続される。すなわち、誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14と、半導体素子40の上面43に設けられた電極41とに、ボンディングワイヤ50が超音波接合される。
以上の工程が行われることにより、本実施の形態1にかかる半導体装置100が得られる。
上述したように、本実施の形態1にかかる半導体装置100においては、1層目接着剤層20は、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状を吸収して、半導体素子40を実装するための平坦な面である上面21を形成している。2層目接着剤層30は、平坦な面である1層目接着剤層20の上面21上に半導体素子40を接着固定している。そして、1層目接着剤層20と2層目接着剤層30とからなる接着剤層上に半導体素子40が配置されることにより、反り形状部15aが半導体素子40の下面42に接触することがない。
すなわち、半導体素子40は、1層目接着剤層20および2層目接着剤層30を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されているため、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。そして、半導体装置100は、キャビティ11の底面15の反り形状部15aの大きさ、反り形状部15aの形状およびキャビティ11の底面15における反り形状部15aの位置に関わらず、確実に半導体素子40が設計どおりの適正な姿勢で実装される。
これにより、半導体装置100は、半導体素子40の姿勢が設計どおりの適正な姿勢から傾くことに起因してボンディングワイヤ50が誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14と半導体素子40の上面43に設けられた電極41とに接続できなくなることが防止されている。すなわち、半導体装置100は、ボンディングワイヤ50による電気的接続を確実に行うことが可能とされている。
また、半導体装置100は、半導体素子40の姿勢が設計どおりの適正な姿勢から傾くことに起因したボンディングワイヤ50の接合不良の発生が防止されている。半導体素子40の姿勢が設計どおりの適正な姿勢から傾いている場合には、ボンディングワイヤ50の超音波接合を行う際のボンディングワイヤ50に対する押圧力と超音波振動とが設計どおりの適正な状態で印加されない。半導体装置100は、半導体素子40が設計どおりの適正な姿勢で2層目接着剤層30上に配置されるため、ボンディングワイヤ50の超音波接合時に押圧力と超音波振動とが設計どおりの適正な状態でボンディングワイヤ50に印加され、ボンディングワイヤ50の接合不良の発生が防止されている。
また、半導体装置100は、半導体素子40の姿勢が設計どおりの適正な姿勢から傾くことに起因して半導体素子40の電極14にボンディングワイヤ50を接続させる際の押圧力によって半導体素子40に割れまたはクラックが発生してしまうことが防止されている。すなわち、半導体装置100は、半導体素子40の姿勢の傾きに起因した半導体素子40の不具合の発生が防止されている。
また、半導体装置100は、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、反り形状部15aが半導体素子40の下面42に接触することがない。このため、半導体素子40の電極14にボンディングワイヤ50を接続させる際の押圧力によって、半導体素子40の下面42と反り形状部15aとの接触箇所に外力が掛かることに起因して半導体素子40に割れまたはクラックが発生してしまうことが防止されている。
したがって、本実施の形態1にかかる半導体装置100によれば、誘電体積層基板10のキャビティ11に収納される部品である半導体素子40を、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の底面15に固定することができる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置110の構成を示す縦断面図である。図8においては、上述した実施の形態1と同様の部材については同じ符号を付している。
図8は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置110の構成を示す縦断面図である。図8においては、上述した実施の形態1と同様の部材については同じ符号を付している。
図8に示すように、複数の半導体素子40がキャビティ11の内部に実装されてもよい。本実施の形態2にかかる半導体装置110は、図8に示すように半導体素子40である第1の半導体素子44と第2の半導体素子46とがキャビティ11の内部に実装されている。
第1の半導体素子44は、1層目接着剤層20上に設けられた2層目接着剤層30である第1の2層目接着剤層32上に配置されている。
第2の半導体素子46は、1層目接着剤層20上に設けられた2層目接着剤層30である第2の2層目接着剤層33上に配置されている。
第1の半導体素子44の上面45に設けられた一部の電極41と、誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14とは、ボンディングワイヤ50によって電気的に接続されている。第2の半導体素子46の上面47に設けられた一部の電極41と、誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14とは、ボンディングワイヤ50によって電気的に接続されている。また、第1の半導体素子44の上面45に設けられた他の一部の電極41と、第2の半導体素子46の上面47に設けられた他の一部の電極41とは、ボンディングワイヤ51によって電気的に接続されている。
上記のように構成された本実施の形態2にかかる半導体装置110においては、第1の半導体素子44は、1層目接着剤層20および第1の2層目接着剤層32を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されているため、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。
また、半導体装置110においては、第2の半導体素子46は、1層目接着剤層20および第2の2層目接着剤層33を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されているため、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。
したがって、本実施の形態2にかかる半導体装置110は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100と同様の効果を有する。
また、半導体装置110は、第1の半導体素子44および第2の半導体素子46の姿勢が設計どおりの適正な姿勢から傾くことに起因してボンディングワイヤ51により第1の半導体素子44の電極41と第2の半導体素子46の電極41とを接続できなくなることが防止されている。すなわち、半導体装置110は、ボンディングワイヤ51による第1の半導体素子44と第2の半導体素子46との電気的接続を確実に行うことが可能とされている。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置120の構成を示す縦断面図である。図9においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図9は、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置120の構成を示す縦断面図である。図9においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図9に示すように、半導体素子40の代わりにセラミック回路基板60がキャビティ11の内部に実装されてもよい。本実施の形態3にかかる半導体装置120は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100の構造において、半導体素子40の代わりにセラミック回路基板60が2層目接着剤層30上に配置されている。
セラミック回路基板60は、電気接続経路を備える回路基板である。すなわち、セラミック回路基板60は、電気接続経路を内蔵する、または電気接続経路を表層に備える電子部品である。セラミック回路基板60は、たとえば表裏面のみに電気接続経路の回路パターンが形成された薄膜集積回路部品であるマイクロ波集積回路(MIC:Microwave Integrated Circuit)基板である。MIC基板の電気接続経路の導体の膜構成は、一般的にTi/Pd/AuおよびTi/Pt/Auなどである。
セラミック回路基板60の上面62には、回路パターンに接続する電極61が設けられている。セラミック回路基板60の下面63および上面62は、1層目接着剤層20の上面21と平行とされている。
また、誘電体積層基板10の上面12に設けられた電極14と、セラミック回路基板60の上面62に設けられた電極61とが、ボンディングワイヤ52によって電気的に接続されている。すなわち、ボンディングワイヤ52は、誘電体積層基板10とセラミック回路基板60とを電気的に接続する。
半導体装置120では、セラミック回路基板60は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100の半導体素子40と同様に、1層目接着剤層20および2層目接着剤層30を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されている。これにより、セラミック回路基板60は、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。
したがって、本実施の形態3にかかる半導体装置120は、誘電体積層基板10のキャビティ11に収納される部品であるセラミック回路基板60を、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の底面15に固定することができる。また、セラミック回路基板60を実施の形態2および後述する実施の形態4から実施の形態7において半導体素子40の代わりに適用することもできる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4にかかる半導体装置130の構成を示す縦断面図である。図10においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図10は、本発明の実施の形態4にかかる半導体装置130の構成を示す縦断面図である。図10においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図10に示すように、1層目接着剤層20は、キャビティ11の底面15上において分割された複数個が形成されてもよい。本実施の形態4にかかる半導体装置130は、図10に示すように1層目接着剤層20である第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23とがキャビティ11の底面15上に形成されている。そして、2層目接着剤層30は、第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23との間の領域を埋めるとともに第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23とに跨って形成されている。
第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23は、キャビティ11の底面15上において分割されて形成されていること以外は、実施の形態1における1層目接着剤層20と同じ機能を有する。
2層目接着剤層30は、第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23との間の領域を埋めるとともに第1の1層目接着剤層22と第2の1層目接着剤層23とに跨って形成されていること以外は、実施の形態1における2層目接着剤層30と同じ機能を有する。
半導体装置130では、半導体素子40は、第1の1層目接着剤層22および第2の1層目接着剤層23と、2層目接着剤層30と、を介してキャビティ11の底面15上に接着固定されている。これにより、半導体素子40は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100と同様に、キャビティ11の底面15に反り形状部15aが生じていても、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装されている。
したがって、本実施の形態4にかかる半導体装置130は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100と同様の効果を有する。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5にかかる半導体装置140の構成を示す縦断面図である。図11においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図11は、本発明の実施の形態5にかかる半導体装置140の構成を示す縦断面図である。図11においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。
図11に示すように、キャビティ11内に複数の半導体素子40を実装する場合、半導体素子40ごとに1層目接着剤層20と2層目接着剤層30とを設けてもよい。本実施の形態5にかかる半導体装置140は、図8に示した実施の形態2にかかる半導体装置110の変形例であり、図11に示すように半導体素子40である第1の半導体素子44と第2の半導体素子46とがキャビティ11の内部に実装されている。
本実施の形態5にかかる半導体装置140は、図11に示すように1層目接着剤層20である第1の1層目接着剤層22と、第1の1層目接着剤層22上に設けられた2層目接着剤層30である第1の2層目接着剤層32とがキャビティ11の底面15上に形成されている。そして、第1の半導体素子44が、第1の2層目接着剤層32上に配置されている。
また、本実施の形態5にかかる半導体装置140は、図11に示すように1層目接着剤層20である第2の1層目接着剤層23と、第2の1層目接着剤層23上に設けられた2層目接着剤層30である第2の2層目接着剤層33とがキャビティ11の底面15上に形成されている。そして、第2の半導体素子46が、第2の2層目接着剤層33上に配置されている。
上記のように構成された本実施の形態5にかかる半導体装置140は、上述した実施の形態2にかかる半導体装置110と同様の効果を有する。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6にかかる半導体装置150の構成を示す縦断面図である。図12においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。図12に示すように、1層目接着剤層20の最下部から2層目接着剤層30の上面31までの厚みである接着剤層の最大厚みTが、キャビティ11の底面15において1層目接着剤層20が形成されている領域の反り形状部15aの反り量Wよりも厚ければ、1層目接着剤層20が、キャビティ11の反り量Wより薄くてもよい。反り量Wは、キャビティ11の底面15から誘電体積層基板10の上面12に向かう方向における、反り形状部15aの反り量である。
図12は、本発明の実施の形態6にかかる半導体装置150の構成を示す縦断面図である。図12においては、上述した実施の形態と同様の部材については同じ符号を付している。図12に示すように、1層目接着剤層20の最下部から2層目接着剤層30の上面31までの厚みである接着剤層の最大厚みTが、キャビティ11の底面15において1層目接着剤層20が形成されている領域の反り形状部15aの反り量Wよりも厚ければ、1層目接着剤層20が、キャビティ11の反り量Wより薄くてもよい。反り量Wは、キャビティ11の底面15から誘電体積層基板10の上面12に向かう方向における、反り形状部15aの反り量である。
すなわち、1層目接着剤層20が、誘電体積層基板10の上面12側に凸とされてキャビティ11の底面15上に存在する反り形状部15aの反り量より薄く、且つ1層目接着剤層20の最下部から2層目接着剤層30の上面31までの厚みが、キャビティ11の底面15において1層目接着剤層20が形成されている領域の反り量よりも大きい場合には、1層目接着剤層20と2層目接着剤層30とによって反り形状部15aの形状を吸収できる。
半導体装置150の構成において、1層目接着剤層20は、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状を吸収して、半導体素子40を実装するための平坦な面である上面21を形成する役割を有する。2層目接着剤層30は、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状の一部を吸収するとともに、平坦な面である1層目接着剤層20の上面21上に半導体素子40を接着固定する役割を有する。2層目接着剤層30は、反り形状部15aの形状における上面12側の先端部分の一部を吸収する。半導体装置150では、キャビティ11の底面15に生じている反り形状部15aの形状の大部分が1層目接着剤層20によって吸収されている。そして、2層目接着剤層30の大部分が、平坦な面である1層目接着剤層20の上面21上に配置されている。
この場合は、1層目接着剤層20と2層目接着剤層30とによって反り形状部15aの形状を吸収することにより、半導体素子40は、設計どおりの適正な姿勢でキャビティ11の内部に収納され、キャビティ11の底面15上に実装される。
したがって、本実施の形態6にかかる半導体装置150は、上述した実施の形態1にかかる半導体装置100と同様の効果を有する。
実施の形態7.
上述した実施の形態1では、1層目接着剤層20をキャビティ11の底面15に塗布した後にスキージ71で1層目接着剤層20を平坦化する場合について示したが、1層目接着剤層20の塗布と1層目接着剤層20の平坦化とを同時に行ってもよい。この場合は、直線状に設けられたスリットから接着剤を吐出することが可能なスリット付きノズルを使用することにより、1層目接着剤層20の塗布と1層目接着剤層20の平坦化とを同時に行うことができる。これにより、上述したステップS20とステップS30とを同時に行うことができ、半導体装置100の製造工程を簡略化できる。
上述した実施の形態1では、1層目接着剤層20をキャビティ11の底面15に塗布した後にスキージ71で1層目接着剤層20を平坦化する場合について示したが、1層目接着剤層20の塗布と1層目接着剤層20の平坦化とを同時に行ってもよい。この場合は、直線状に設けられたスリットから接着剤を吐出することが可能なスリット付きノズルを使用することにより、1層目接着剤層20の塗布と1層目接着剤層20の平坦化とを同時に行うことができる。これにより、上述したステップS20とステップS30とを同時に行うことができ、半導体装置100の製造工程を簡略化できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であるし、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 誘電体積層基板、11 キャビティ、12,21,31,43,45,47,62 上面、13,42,63 下面、14,41,61 電極、15 底面、15a 反り形状部、16 仮想底面、20 1層目接着剤層、22 第1の1層目接着剤層、23 第2の1層目接着剤層、30 2層目接着剤層、32 第1の2層目接着剤層、33 第2の2層目接着剤層、40 半導体素子、44 第1の半導体素子、46 第2の半導体素子、50,51,52 ボンディングワイヤ、60 セラミック回路基板、70 ディスペンサ、71 スキージ、100,110,120,130,140,150 半導体装置、T 接着剤層の最大厚み、W 反り量。
Claims (8)
- 内部に電気接続経路を有するとともに上面に凹部を有する誘電体基板と、
前記凹部の底面に接着されて上面が平坦面とされた1層目接着剤層と、
前記1層目接着剤層の上面に接着された2層目接着剤層と、
前記2層目接着剤層の上面に接着されることにより前記凹部の底面に固定された半導体素子またはセラミック回路基板と、
前記半導体素子に設けられた電極または前記セラミック回路基板に設けられた電極と、前記誘電体基板に設けられた電極とを接続するボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 複数の前記半導体素子または複数の前記セラミック回路基板が、前記凹部に実装されていること、
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 複数の前記半導体素子が前記凹部に実装されるとともに前記1層目接着剤層と前記2層目接着剤層とが前記半導体素子ごとに分割して設けられ、または複数の前記セラミック回路基板が前記凹部に実装されるとともに前記1層目接着剤層と前記2層目接着剤層とが前記セラミック回路基板ごとに分割して設けられていること、
を特徴とする請求項2に記載の半導体装置。 - 複数の前記1層目接着剤層が前記凹部の底面上に設けられ、
前記2層目接着剤層は、複数の前記1層目接着剤層の間の領域および複数の前記1層目接着剤層上に設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記1層目接着剤層が、前記誘電体基板の上面側に凸とされて前記凹部の底面に存在する反りの反り量より薄く、且つ前記1層目接着剤層の最下部から前記2層目接着剤層の上面までの厚みが、前記凹部の底面において前記1層目接着剤層が形成されている領域の前記反り量よりも大きいこと、
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 内部に電気接続経路を有する誘電体基板の上面に設けられた凹部の底面上に、上面が平坦面とされた1層目接着剤層を形成する工程と、
2層目接着剤層を前記1層目接着剤層上に形成する工程と、
前記2層目接着剤層の上面に半導体素子またはセラミック回路基板を接着固定する工程と、
前記半導体素子に設けられた電極または前記セラミック回路基板に設けられた電極と、前記誘電体基板に設けられた電極とをボンディングワイヤによって接続する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記1層目接着剤層を前記凹部の底面上に形成する工程では、前記1層目接着剤層を形成するための接着剤を塗布した後にスキージで前記接着剤の上面を平坦化すること、
を特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記1層目接着剤層を前記凹部の底面上に形成する工程では、直線状に設けられたスリットから接着剤を吐出することが可能なスリット付きノズルにより、前記1層目接着剤層を形成するための接着剤の塗布と、前記接着剤の上面の平坦化と、を同時に行うこと、
を特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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