JP3223275B2 - 立方晶窒化ホウ素焼結体の製造方法 - Google Patents
立方晶窒化ホウ素焼結体の製造方法Info
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Description
ウ素(以下cBNという)焼結体及び製造法に関する。
特には、理化学機器等の採光窓、レンズ、プリズム等に
も用いることのできる透光性cBN焼結体及びその製造
法に関する。
(以下、cBNと略記する)は、ダイヤモンドに匹敵す
る硬度を持つ他、熱的、化学的にも極めて安定な物質で
ある。そのため、最近工作機械の数値制御等による自
動、無人化の傾向が増すにつれて、cBNは、高能率、
高精度の工具用材料に適した物質として注目されるに至
った。特に高速度鋼、ダイス鋼、鋳鉄ならびに超硬合金
等の鉄系素材の加工に優れた性能を発揮することが知ら
れている。このほか、cBNは電子材料、光学材料等の
用途にも有望な特性を具備する。従って、単結晶のみな
らず、高純度緻密焼結体とする製造技術の確率が待望さ
れている。
性向上のために、cBN微粉末に金属やセラミックス等
の焼結助剤を添加し製造されている。この焼結体は、焼
結助剤を含むため、cBN単結晶と比較して、硬さ、熱
伝導性、透光性等が劣り、cBN本来の特性を十分に発
揮していない。
は、 (1)六方晶窒化ホウ素(以下hBNという)のホット
プレス焼結体にMe3 B2 N4 (Meはアルカリ土類金
属)の触媒を拡散含有させたものを高温高圧処理する方
法(特公昭60−28782号公報); (2)触媒を使用せずに低結晶性hBN粉末を出発物質
として高温高圧条件下で処理する方法(Mat、Re
s、Bull、Vol、999−1004、197
2); (3)気相から析出させた熱分解窒化ホウ素(パイロリ
チックボロンナイトライド)を高温高圧下で処理する方
法(特開昭54−33510号公報); (4)高純度hBNを7GPa以上の圧力、2100℃
以上の温度で処理する方法(第30回高圧討論会p3
6、1989); 等が知られている。
温高圧処理で透光性cBN焼結体が得られる方法であ
る。しかし、焼結助剤に用いたMe3 B2 N4 が焼結体
中に少量残留するために黄色又は緑色系の色調を帯びる
こと、この残留焼結助剤が高温条件化においてhBNへ
の変換触媒として働くことに起因する問題がある。すな
わち、この方法で得られた焼結体では、高温下で焼結体
の機械的、熱的性質の著しい低下が起こりやすい。
製造法は、焼結助剤を全く使用せずに、hBN等をcB
Nへ直接変換させるものである。これらの方法で得られ
るcBN焼結体は、(1)の方法で得られる焼結体と比
較して高温条件下でhBNへの変換は起こりにくい。こ
れは、焼結助剤を含有しないことが主な理由と考えられ
る。
る焼結体、灰色半透明から黒色不透明である。焼結体が
透光性を有しない原因は、cBN粒子間にわずかな空隙
が存在するか、cBN粒子間の直接結合が少ないためと
考えられる。
の透光性焼結体である。しかし、焼結体の合成条件が、
従来の焼結体合成条件に比較し厳しいために、コストが
高くなったり寸法が小さく制限されることが問題であ
る。
なcBN焼結体を提供することを目的とする。 (1)高温下でも高硬度、高強度である。 (2)熱伝導性が高い。 (3)焼結助剤が残留しておらず純度が高い。 (4)結晶化度が高い。 (5)透光性がある。 (6)白色である。 (7)大きい寸法も可能。 (8)製造コストが低い。
体の製造法を提供することを目的とする。 (1)従来より焼結圧力が低い。 (2)触媒の添加が容易である。 (3)使用装置が従来よりも簡単である。
BN焼結体が有する上述の問題点を解決することを目的
に研究を重ねた。その結果、高温条件下での機械的特性
に優れた、透光性、高純度立方晶窒化ホウ素焼結体を、
有害な焼結助剤や触媒を使用することなく、従来より低
い圧力下で製造する方法を見出し、本発明を完成した。
物性を有するcBN焼結体である。 (a)窒化ホウ素を99.5重量%以上含有し、かつ該
窒化ホウ素の90%以上が立方晶窒化ホウ素である; (b)残部は不可避的不純物である; (c)焼結体の立方晶窒化ホウ素の(220)面からの
CuKα線によるX線回析曲線の半価幅が2θで0.2
5以下である; (d)透光性を有する。
は、以下の工程を有するcBN焼結体の製造方法であ
る。 (a)窒化ホウ素の成形体をカプセルに封入する第一工
程; (b)上記成形体に重量比で0.05〜2.0%の酸性
水溶液、塩基性水溶液又は水を添加する第二工程; (c)上記カプセルを超高圧高温装置に設置する第三工
程; (d)上記カプセルを1500℃以上の温度及び5GP
a以上の圧力で処理する第四工程。
以上の窒化ホウ素を含有する。これ未満であると、機械
的性質が低下する。より好ましくは、上記含有率は9
9.9重量%以上である。
外の成分は不可避的不純分である。その例はB2 O3 で
ある。不可避的不純分のうち特にNaClは有害である
ので、1000ppm 以下にすることが好ましい。
ち90%以上は立方晶形である。この率は好ましくは9
5%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。こ
の率が高いほど、機械的性質・透光性が向上する。立方
晶形以外には、ウルツ鉱形、六方晶形のものが考えられ
る。
(220)面からのCuKα線によるX線回析曲線の半
価幅が2θで0.25以下である。この値は、具体的に
は、Cuターゲット、ニッケルフィルターを用いたX線
回析装置で、Cu−Kα線のX線回析曲線を測定し、c
BNの結晶面の内、(220)面における回析曲線のバ
ックグランドとピークとの1/2の高さの部分の回析曲
線の幅をもって現した値である。この半価幅が2θで
0.25を超えて大きくなると、焼結体中のcBNの結
晶性が低下し、機械的強度も低下してくる。
は、具体的には、可視光(波長4000〜8000Å)
透過率が5%/mm以上である。この率は好ましくは30
%/mm以上である。
有するためには緻密な焼結体であることが好ましい。具
体的には、焼結体の相対密度が理論密度の96%以上、
さらに好ましくは99%以上である。
化ホウ素の成形体とは、非晶質窒化ホウ素、hBN、c
BN又はウルツ鉱型窒化ホウ素の中の少なくとも1種の
窒化ホウ素の粉末を出発物質とし、この出発物質を無加
圧もしくは加圧して粉末圧粉体からなる成形体、あるい
は、粉末圧粉体を非酸化性雰囲気中で加熱し、気孔が残
存する程度に焼結する、いわゆる、予備焼結された成形
体などであってよい。具体的には、例えば、市販の高純
度hBN焼結体を出発物質とする場合は、真空中で16
00℃、2時間加熱処理後、窒素気流中で2100℃、
2時間以上処理したものを用いることが好ましい。上記
処理により、hBN焼結体の酸素含有量は、0.06重
量%以下となる。
程で加える酸性水溶液の酸又は塩基性水溶液の塩基は、
特定物質に限定されない。例として塩酸、硝酸、硫酸、
酢酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩
基があげられる。酸性水溶液又は塩基性水溶液の濃度は
任意でよく、使用水は純水が好ましい。これらの内、酸
性水溶液は、焼結体にクラックを生じさせ難いことから
特に好ましい。
0.05〜2.0%である。0.05%未満ではcBN
への変換が不充分であり、2.0%を超えるとcNB焼
結体の硬度が著しく低下する。この量は、さらに好まし
くは0.2〜0.5%である。
BN焼結の触媒的作用を有する理由は次のとおりと考え
られる。 出発物質である窒化ホウ素の表面を洗浄する効果があ
る。 窒化ホウ素の溶媒作用、及び窒化ホウ素のcBNへの
変換促進作用がある。 焼結時に飛散しやすく、焼結体全体にわたって高純度
cBN及び高透光性cBN焼結体が得られやすい。
蒸発・拡散して焼結体外側の金属カプセル材中にほとん
どが吸収されてしまう。したがって、本発明の製造法で
得られるcBN焼結体中には、酸性水溶液の残渣はほと
んど検出されない。
プセル内に窒化ホウ素の成形体を設置し、成形体の上か
らマイクロビベットにより添加し、浸漬する。
使用するカプセルの材料は耐熱性・延性のある金属材料
である。その例は、Ta、Mo、Zrである。
よる。また、カプセルの封入方法は例えばアーク溶接法
による。
高温高圧焼結に用いる装置は、従来から用いられている
ベルト型高圧装置又はガードル型高圧装置を挙げること
ができる。
00℃未満だとcBNの変換が不充分である。温度はさ
らに好ましくは1700〜2100℃である。
a未満だと相対密度が低下し、透光性が低下する。圧力
はさらに好ましくは6GPa以上である。
び温度条件により異なるが、約30分以内で完了するの
が一般的である。
・表面形状に、公知の方法で加工することにより、以下
のような用途に使用しうる。 (1)切削工具:高温硬度特性が生かされ、高速切削が
可能となる。 (2)ヒートシンク:高熱伝導性が生かされ素子の高機
能化が可能となる。 (3)窓レンズ、プリズム等の光学用部品:理化学機
器、高温化学工業の高性能化が可能となる。
装置の試料構成断面図を示す。実施例1として、相対密
度約80%の高純度hBN焼結体(純度99.8%)
に、0.2重量%の10規定HCl水溶液を含浸し、T
aカプセルに封入したものと、比較例として、高純度焼
結体のみをTaカプセルに封入したものを用いた。この
試料を6GPa、1800℃の条件で、30分間高温高
圧処理した。
含浸した試料からは白色透光性焼結体が得られた。一
方、hBN焼結体のみの比較例1はcBNに変換しなか
った。得られた本発明品1をX線回析法で調べたとこ
ろ、cBN以外の回析線は全く認められなかった。ま
た、表面を研磨したところ、鏡面を示した。図2にこの
本実施例品1の透過光写真を示す。この写真から明らか
なように、下地の文字が焼結体を通してはっきりと読む
ことができる。この焼結体の厚さは0.6mmである。焼
結体の破面をSEM観察したところ、1〜4μm の粒子
よりなる緻密な組織の焼結体であった。焼結体のビッカ
ース硬さは、荷重2kgで測定したところ、40GPa以
上であった。
窒化ホウ素焼結体は高純度かつ高硬度であり、粒子径が
1〜4μm の均質焼結体である。また、本発明品1は、
波長4000〜8000Åの可視光透過率が20%/mm
以上からなっていたのに対し、比較品1は、0であっ
た。
カプセル材、圧力及び温度を用いた他は、実施例1と同
様の製造方法で実施例品2〜7を得た。同実施例品2〜
7を実施例品1と同様に各種特性を調べた。その結果を
表2に示す。
晶窒化ホウ素)を含有しており、実施例品12及び13
は、微少のクラックを含んでいた。
関連があり、同一粒子径の場合は、結晶性が良くなるに
従って半価幅が小さくなる。
の優れたcBN焼結体が工業的に十分可能な圧力条件下
で得られる。また、本発明の焼結体は高硬度で、耐熱性
(熱伝導性、透光性)に優れたものであることにより、
難削材の切削加工、ボンディングツール、宇宙船の窓材
料などの幅広い分野への応用が可能である。
装置に設置した試料構成の断面図である。
ある。
を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 以下の工程を有する立方晶窒化ホウ素焼
結体の製造法: (a)窒化ホウ素の成形体をカプセルに封入する第一工
程; (b)上記成形体に重量比で0.05〜2.0%の酸性
水溶液を添加する第二工程; (c)上記カプセルを超高圧高温装置に設置する第三工
程; (d)上記カプセルを1500℃以上の温度及び5GP
a以上の圧力で処理する第四工程。
Priority Applications (1)
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JP04767192A JP3223275B2 (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 立方晶窒化ホウ素焼結体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04767192A JP3223275B2 (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 立方晶窒化ホウ素焼結体の製造方法 |
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JPH05221730A JPH05221730A (ja) | 1993-08-31 |
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1992
- 1992-02-04 JP JP04767192A patent/JP3223275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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