JP3222939B2 - 光学的情報の再生方法及び装置 - Google Patents

光学的情報の再生方法及び装置

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JP3222939B2
JP3222939B2 JP22413892A JP22413892A JP3222939B2 JP 3222939 B2 JP3222939 B2 JP 3222939B2 JP 22413892 A JP22413892 A JP 22413892A JP 22413892 A JP22413892 A JP 22413892A JP 3222939 B2 JP3222939 B2 JP 3222939B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度の情報記録が可
能な光記録媒体の再生方法及びその再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年書き換え可能な光記録媒体としてフ
ォトクロミック材料を応用するための研究が盛んに進め
られている。このフォトクロミック材料は所定波長の光
を照射すると光化学反応により分子の構造が変化し、こ
れに伴って特定波長の光に対する吸光度や屈折率等の光
学的特性変化が生じ、また他の波長の光や熱を加えるこ
とで変化した分子構造が元に戻るといった性質を有して
いる。
【0003】したがってフォトクロミック光記録媒体の
記録は特定波長の光照射による分子構造変化によって行
われ、再生はこれに伴う光学的特性変化、特に吸光度の
差を検出することにより実行される。
【0004】ところでフォトクロミック媒体の問題点と
して繰り返し再生による再生出力の低下が良く知られて
いる。これは媒体分子の反応がフォトンモードで進行す
るため、比較的低パワーで再生を行ってもわずかながら
フォトクロミック分子の反応は進行し、これを繰り返す
ことによって再生出力の低下も進行するというものであ
る。したがって良好な再生出力をできるだけ多くの再生
回数後に得るためには再生に伴う反応をできるだけ小さ
く抑えること、すなわちできるだけ小さい光パワーで再
生すれば良いということは容易に理解できる。
【0005】ところが再生パワーを小さくしていくと再
生回路系のアンプノイズ(または熱ノイズ)が支配的と
なり、SN比が極度に劣化するという問題点があった。
【0006】このような低パワー再生時のSN比の劣化
を防止するために、光磁気記録媒体に対する再生方法と
して従来特公平4−3575号公報に開示された技術が
ある。この公報の実施例に開示された光ピックアップの
構造を図11に示す。同図において11a〜11eは再
生用光ビーム、12は偏光子、13は前記光ビーム11
aを適切な光量・偏光で第1のビーム11bと第2のビ
ーム11dへ分割する第1のビームスプリッタ、14は
第2のビームスプリッタ、15は対物レンズ、16はミ
ラー、17は11dの偏光方位を変換するλ/2板、1
8は位相調整用の位相板、19は媒体23からの反射光
のうち第2のビームスプリッタ14で反射された第3の
ビーム11cと、前記第1のビームスプリッタ13で分
離された第2のビーム11dとを光混合して干渉させる
ための第3のビームスプリッタ、20は混合されたビー
ム11eの偏光を検出する検光子、21は集光レンズ、
22は検出器としてのフォトディテクタである。
【0007】上記公報によると第3のビームスプリッタ
19により光混合されて検出器22で検出される強度I
は次の数1で与えられる。
【0008】
【数1】
【0009】この数1によれば第1のビームスプリッタ
13の特性を調整してビーム11dのパワーP1 を増加
させることにより再生用ビーム11b(11c)のパワ
ーが小さくても大きな信号成分(前記数1のθk に依存
する項)を得ることができるということがわかる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の方
法では以下のような問題点があった。
【0011】1、大きな再生出力を得るためにはP1
十分大きくする必要がある。しかし通常一定パワーで放
射されているレーザー光にも強度の揺らぎ、すなわちレ
ーザーノイズが存在し、このノイズはP1 の大きさに比
例する(P1 ≫P0 とする)ことがわかっている。した
がって数1からわかるように信号成分はP1 の平方根に
比例して増加するが、レーザーノイズは略P1 に比例し
て増加し、P1 を増加しても信号成分よりノイズ成分の
増加が大きくなるため、むやみにP1 を大きくすること
ができないという問題点があった。
【0012】2、ビームスプリッタ19はハーフミラー
のためビーム11c、11dの半分のパワーしかフォト
ディテクタ22に到達せず、効率が悪かった。
【0013】3、かかる方法ではそのままフォトクロミ
ック媒体の低パワー再生に応用することができなかっ
た。なぜならフォトクロミック媒体の再生は反射率変化
の検出で行われ、信号はP0 の変化として含まれ、また
この例のカー回転角θk のような偏光面の回転は存在し
ない。したがって数1の第2項=0となり、P1 の増大
による出力信号の増強効果はまったく生じなくなってし
まうからである。
【0014】このような従来技術の方法の問題点に鑑
み、本発明では低パワーでも良好なSN比が得られる光
再生方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明方法としては、単
一の光源から出射された偏光ビームを第1及び第2のビ
ームに分割し、前記第1ビームを光記録媒体に入射し、
前記媒体に記録されている情報に応じて偏光面の変調さ
れた反射ビームを前記媒体から取り出すと共に前記反射
ビームと前記第2ビームとを光混合し、前記反射ビーム
と前記第2ビームとの混合によって生じた、互いの信号
成分が逆相で、且つ互いのノイズ成分が同相である第3
及び第4のビームをそれぞれ検光子を介して光検出器に
より独立に検出し、この検出の結果得られた2つの検出
信号間で減算を行い再生信号を得るものである。
【0016】あるいは、本発明は、単一の光源から出射
された偏光ビームを第1及び第2のビームに分割し、前
記第1ビームを光記録媒体に照射し、前記媒体に記録さ
れている情報に応じて光強度の変調された反射ビームを
前記媒体による反射により取り出すと共に、前記反射ビ
ームと前記第2ビームとを混合し、前記反射ビームと前
記第2ビームとの混合によって生じた、互いの信号成分
が逆相で、且つ互いのノイズ成分が同相である第3及び
第4ビームの強度をそれぞれ光検出器によって独立に検
出し、該検出の結果得られた2つの検出信号間で減算を
行い再生信号を得るものである。
【0017】また、本発明装置としては、単一の光源
と、該光源からのビームを第1及び第2のビームに分離
する光学分離素子と、前記第1ビームを光記録媒体に集
光するためのレンズ系と、前記媒体からの反射ビームと
前記第2ビームとを光混合する光学混合素子と、前記反
射ビームと前記第2ビームとの混合によって生じた、互
いの信号成分が逆相で、且つ互いのノイズ成分が同相で
ある第3及び第4のビームをそれぞれ独立に検出する光
検出器と、該検出器から得られた2つの信号間で減算を
行ないこの結果を再生出力とする回路とを備えたもの、
あるいは単一の光源と、該光源からの偏光ビームを第1
及び第2の直交成分に分離する偏光分離素子と、前記第
1ビームを円偏光に変換する第1のλ/4板と、円偏光
に変換された第1ビームを光記録媒体に集光するレンズ
系と、前記第2ビームを円偏光に変換する第2のλ/4
板と、円偏光に変換された第2ビームを反射するミラー
と、このミラーにより反射されたビームと前記媒体から
の反射ビームとを混合する光混合素子と、この混合素子
により得られる単一の光混合ビームを検出する光検出器
とを備えたものである。
【0018】そして、上記の光学的情報の再生方法にお
いて、第1のビーム、媒体からの反射ビームあるいは第
2ビームの少なくとも一方のビームの位相を、再生する
情報信号の最高周波数よりも高い周波数で変調し、ある
いは上記の光学的情報の再生装置において、光学混合素
子に入射される2つのビームの少なくとも一方のビーム
の位相を、再生する情報信号の最高周波数よりも高い周
波数で変調するための位相変調手段を設けることが望ま
しい。
【0019】
【作用】上記の構成において、混合された光ビームに
は、各信号成分が逆相で、且つレーザーノイズ成分が同
相で含まれており、これらのビームの検出信号間で減算
を行うことによって、レーザーノイズはキャンセルさ
れ、且つ信号成分は増強される。
【0020】また混合されるビームのうち少なくとも一
方のビームを位相変調すれば光記録媒体の面ぶれによる
再生出力の変動を抑えることができる。
【0021】
【実施例】以下本発明の光学的情報の再生方法及び装置
の一実施例を挙げ、これについて図面を参照しながら詳
細に説明する。 [第1実施例]まず図1は光磁気記録媒体に本方法及び
装置を適用した第1の実施例を示す構成図であり、前記
図4と同一機能を有する構成要素には同一符号を付して
いる。前記図4の装置では第3のビームスプリッタ19
によって生じた2つの光混合ビームのうち一方のビーム
11eのみを検光子20、レンズ21、検出器22で検
出したのに対し、図1では2つの光混合ビーム、すなわ
ち第3、第4ビーム11e、11fをそれぞれ検光子2
01、レンズ211、検出器221及び検光子202、
レンズ212、検出器222で独立に検出し、さらにこ
れら検出器221、222の検出信号間で差動増幅器2
4により減算を行っているところが異なっている。
【0022】さて従来技術の項で説明したように第3の
ビームスプリッタ19を通過した第3の光混合ビーム1
1eは検光子201を通過後次の数2で示される光強度
を有する。
【0023】
【数2】
【0024】図1の実施例ではビームスプリッタ19は
ハーフミラーであるから数2の光電界強度E1 ’、E
0 ’は光混合前の第1、第2ビーム11c、11dのビ
ーム強度を用いて次の数3のように表される。
【0025】
【数3】
【0026】ところで第3の光混合ビーム11eの光電
界VEを2つの偏光成分についてベクトルで表現すると
次の数4のように表される。
【0027】
【数4】
【0028】一方第2ビーム11dのλ/2板17、位
相板18通過後の光電界VEd について前記数4と同様
の表現を用いると次の数5のようになる。
【0029】
【数5】
【0030】さらに再生光、すなわち第1ビーム11c
の光電界VEc についても同様にして数6のように表せ
る。
【0031】
【数6】
【0032】また第4の光混合ビーム11fの光電界V
E’は前記数4〜6を用い、各偏光成分についてビーム
スプリッタ19の透過前後において光エネルギーが保存
されることにより次の数7のように求められる。
【0033】
【数7】
【0034】ここで第2の検光子202の方位角をψ’
とすると第4光混合ビーム11fの光検出強度I’は前
記数2と類似の形で数8のように求められる。
【0035】
【数8】
【0036】そして検光子方位ψ’を前記数1のψと一
致させることにより該数1と比較すればP1 に比例する
成分は同符号でP1 に含まれるレーザーノイズが同相で
含まれ、θk に比例する信号成分は逆符号すなわち逆相
で含まれることが明らかとなる。したがってこれらの検
出信号I及びI’について差動増幅器24でその差を取
ることにより、次の数9が得られる。
【0037】
【数9】
【0038】この数9によりレーザーノイズが効果的に
除去され、また信号成分が2倍に増強されることがわか
る。すなわちレーザーノイズの影響なしにP1 を増大さ
せることによりSN比を改善することが可能となる。 [第2実施例]次に本発明をフォトクロミック媒体の低
パワー再生に適用する例について図2を用いて説明す
る。なお図1と同一機能を有する素子には同一符号をつ
けてある。同図において再生用光源からの放射ビーム1
1aは直線偏光しており、λ/2板25によってその偏
光方位が調整される。13はこの偏光ビームのP成分を
全透過し、S成分を全反射する偏光ビームスプリッタ
で、前記偏光方位角に応じて偏光成分を2つのビーム1
1b(第1ビーム)及び11d(第2ビーム)へと分離
する。この第1ビーム11bはフォトクロミック媒体へ
と照射されることになるのでできるだけ弱く、また第2
ビーム11dは信号の増幅作用にかかわるのでできるだ
け強い方が望ましい。そして前記λ/2板25の偏光方
位はこれらの条件を満たすように設定される。
【0039】さて第1ビーム11bは第2の偏光ビーム
スプリッタ26に対してP波で全透過し、λ/4板27
により円偏光へと変換されて対物レンズ15によって媒
体23へと照射される。そして媒体23からの反射光
は、記録されている情報に応じてその強度が変調されて
いる。前記反射光は再び対物レンズ15、λ/4板27
を今度はS偏光で通過して偏光ビームスプリッタ26に
入射し、ここで全反射されて反射ビーム11cとなり、
第3の偏光ビームスプリッタ19へと至る。
【0040】一方前記第1の偏光ビームスプリッタ13
で反射され、位相板18によりその位相を調整した後、
第3のビームスプリッタ19へと到達する。これらのビ
ーム11c、11dは両方ともS偏光のビームなので該
第3ビームスプリッタ13にて光混合されて2つの光混
合ビーム11e(第3ビーム)及び11f(第4ビー
ム)を生じる。
【0041】このようにして得られた光混合後の第3及
び第4ビーム11e、11fはそれぞれレンズ211、
212によって光検出器221及び222へと集光さ
れ、独立に2つの信号を得、その後差動増幅器24によ
って減算される。
【0042】次にこの図2の構成において先の第1実施
例と同様に数式による解析を行う。第1の偏光ビームス
プリッタ13で分解された成分の内、ビーム11bの光
電界VE0 は次の数10で表される。
【0043】
【数10】
【0044】このVE0 が媒体23へと照射され、該媒
体23のエネルギー反射率Rの変化によって強度変調さ
れて反射され、第2の偏光ビームスプリッタ26で反射
されたビーム11cの光電界VE0 ’は数11のように
なる。
【0045】
【数11】
【0046】一方第1の偏光ビームスプリッタ13で分
離されたもう一方のビーム11d成分の光電界VE1
数12となる。
【0047】
【数12】
【0048】したがって前記第3のビームスプリッタ1
9による光混合によって生じた第3のビーム11eの強
度Iは該第3のビームスプリッタ19の透過率をεとす
ると数13のように表すことができる。
【0049】
【数13】
【0050】この数13において通常P0 ≪P1 となる
ようにパワー設定されることを考慮すると該数13は次
の数14のように表すことができる。
【0051】
【数14】
【0052】この数14を見るとその第2項に媒体反射
率Rに依存する成分が得られ、またP0 が小さくてもP
1 を増強することで信号強度を大きくでき、したがって
フォトクロミック媒体のような反射率変化を検出する型
の媒体に本解析を適用することができることがわかる。
【0053】また前記光混合により生じた他方の第4ビ
ーム11fについても同様にそのパワー強度I’につい
て数15が得られる。
【0054】
【数15】
【0055】ここで前記第3のビームスプリッタ19に
関してε=1/2とし、上記検出信号I及びI’間で減
算を行うと数16の結果が得られる。
【0056】
【数16】
【0057】この数16から明らかなように、前記第1
実施例と同様に信号成分が2倍に増強され、レーザーノ
イズが効果的に低減でき、再生パワーが小さくても大き
なSN比を得ることが可能となる。これは前述したとお
りフォトクロミック媒体を低パワーで且つ高SN比で再
生する方法として有効であり、例えば数十nW程度の超
低パワーで十万回程度の再生回数を得ることができる。
【0058】以上述べたように第1、第2実施例の再生
方法及び装置によればレーザーノイズや熱ノイズの影響
を効果的に低減し、低パワーでも良好なSN比を得るこ
とが可能となり、この構成をフォトクロミック記録媒体
に適用することにより、良好なSN比での再生可能回数
が大幅に向上できる。
【0059】ところで上記の2つの実施例によれば特公
平4−3575公報の技術に見られた大きな信号レベル
で再生を行う時の問題点は改善されるものの、これら実
施例のように複数の光の干渉を利用した再生方法では干
渉させる光の位相関係が一定に保たれていないと十分な
SN比の改善が見られなくなるという問題がある。すな
わち光記録媒体23の表面での面ぶれが存在するために
実際上は媒体23からの反射ビーム11cの位相が不規
則に変化し、この結果再生出力レベルも大きく変動して
しまう。このため上記2実施例を適用できる範囲が高度
に面ぶれを小さくした媒体系・光学系に限られてしま
い、通常の光ディスクの光学系に応用するのは困難であ
る。
【0060】そこで媒体23の面ぶれによる反射光の位
相変動によって発生する再生信号出力の変動を防止する
方法を以下に説明する。
【0061】かかる方法は、概念的には2つに分離した
再生用ビームの少なくとも一方のビームの位相を再生さ
れる情報信号に含まれる最大周波数より大きな周波数で
変調させた後、光混合を行いその後光検出器により検出
するものである。
【0062】この概念を数式で解析すると、まず前記図
2で示されたような構成の光学系である場合には、第2
ビーム11dは光の位相因子まで含めて表現すると、そ
の電界eLOは数17のように表すことができる。
【0063】
【数17】
【0064】同様にして媒体23に照射されて、反射さ
れたビーム11cの電界eS は数18のようになる。
【0065】
【数18】
【0066】この数18においてPS は光の強度を表す
ものであるが、フォトクロミック媒体の再生は通常反射
率変化を検出することによって行われるため、再生すべ
き情報信号はPS に含まれる。例えば角周波数ωの信号
を再生した場合、PS は次の数19ような形をとる。
【0067】
【数19】
【0068】またハーフミラー19によって光混合され
且つ再分離された後の第3ビーム11eの光強度P1
ハーフミラー19の透過率をεとすると次の数20とな
る。
【0069】
【数20】
【0070】そして光検出器221に流れる光電流I1
はかかる光強度P1 に比例するが、光検出器221の帯
域幅能力は光周波数領域にまでは及ばないので前記数2
0の第1項、第2項及び{ }内の第1項はそれぞれ平
均化され、比較的低周波成分である{ }内の第3項は
そのままで残る。すなわち数21となる。
【0071】
【数21】
【0072】一方の光検出器222に流れる光電流I2
はこの数21と同様の形となるが、第3項の符号がマイ
ナスになり、且つεを1−εに置き換えたものとなる。
これを数22に表す。
【0073】
【数22】
【0074】ここでハーフミラー19としてε=1/2
のものを選び、差動アンプ24により前記数21−数2
2を作成すると結果として得られる出力(OUTPU
T)は数23となる。
【0075】
【数23】
【0076】上記数23から明らかなようにPLOを大き
くすることで出力の増幅が可能であるが、不規則な位相
変化因子φ(t)により出力としては図3(a)のよう
な波形が得られる。この波形を見るとエンベロープの絶
対値はcosφ(t)の値にしたがって変化し、特にφ
(t)がπ/2、3/2π等の値でcosφ(t)=0
になり出力も0となってしまう点(A)が存在する。さ
らにcosφ(t)=0の前後で信号の位相が反転して
しまうことが判る。
【0077】次にかかる方法による前記図2の第2ビー
ム11dあるいは反射ビーム11cの位相を変調した場
合を考える。まず第2ビーム11dの方を角振動数ρで
位相変調した場合、電界eLOは前記数17の代わりに例
えば次の数24のように表すことができる。
【0078】
【数24】
【0079】この数24を用いて前記数17〜数22と
同様の計算を行うことにより次の数25のような出力
(OUTPUT)が得られる。
【0080】
【数25】
【0081】前述したようにφ(t)は記録信号に比べ
て比較的低周波の位相変動であるが、この数25では
πcosρtの因子が含まれており、ρを記録信号に比
較して十分高周波に選ぶことによってcos(φ(t)
+πcosρt)は±1の範囲を記録信号よりも十分高
い周波数で振動することになる。これによりOUTPU
Tの波形はφ(t)の影響をほとんど受けずに図3
(b)で示すような波形となる。この場合重要なことは
位相変調する周波数を記録信号帯域の最高周波数より高
く設定することである。
【0082】逆にビーム11dでは無く、反射ビーム1
1cの方を位相変調する場合を考えると、この場合前記
LOは数17のままで数18の代わりに次の数26を用
いることになる。
【0083】
【数26】
【0084】そしてこの数26を用いて前記数17〜2
2と同様の計算を行うことにより再生出力(OUTPU
T)が数25と同様の形で得られる。
【0085】もちろん前記ビーム11cと11dの両方
を位相変調しても同様の結果が得られるが、この場合光
混合される時にその変調効果が打ち消し合わないように
互いに逆相にしておくことが望ましい。
【0086】このようにしてOUTPUTで図3(b)
のような波形で得られた信号は、例えば整流処理によっ
て図4(a)のような波形となり、次に記録信号が透過
し変調周波数ρがカットされるような低周波透過フィル
ターによって図5(b)のような波形となって、結局本
来再生されるべき信号が復元できる。
【0087】以下にかかる方法を実施するための光学系
ピックアップ装置をいくつか例を挙げて説明する。 [第3実施例]図5は前記図2のタイプのピックアップ
装置に対して本方法を適用した第3の実施例を示し、再
生用ビーム11aがビームスプリッタ13により2分さ
れ、一方の第1ビーム11bは偏光ビームスプリッタ2
6、λ/4板27を透過し対物レンズ系15により媒体
23に照射される。
【0088】この媒体23がフォトクロミック媒体で超
低パワー再生方式を用いる時には2つのビームスプリッ
タ13、26との間にNDフィルター等のパワー調整素
子を設け、媒体23に照射されるパワーが数十nW程度
に設定する。
【0089】媒体23からの反射光は再びレンズ15、
λ/4板27を通過し、偏光ビームスプリッタ26で反
射される。一方ビームスプリッタ13で2分されたもう
一方の第2ビーム11dはミラー16で反射されるが、
このミラー16は圧電素子25aを通してピックアップ
自体250と接続されており、且つ圧電素子25aは駆
動源25bにより高速で振動させられている。
【0090】この結果前記ミラー16で反射されたビー
ム11dは前記数25で示されるように再生される記録
信号の最高周波数よりも高い周波数で位相変調される。
そしてこのビーム11dは媒体からの反射光11c(数
19に相当する)とハーフミラー19によって光混合さ
れ、再分離されて第3ビーム11e及び第4ビーム11
fを生じる。ここで前記ハーフミラー16はε=1/2
に設定されている。
【0091】前記ビーム11e、11fはそれぞれレン
ズ211及び212によって光検出器221、222へ
と集光されて光電変換され、差動アンプ24を介して減
算されて数26で示されたOUTPUTが得られる。こ
のOUTPUT出力波形は図3(b)のような波形を有
しているが、この波形は例えば図6に示した低周波等価
フィルター回路により図4(b)の波形に変形できる。
なお図6中の点B、点C、点Dがそれぞれ図3(a)、
(b)及び図4(a)に対応しており、必要に応じて点
Cにバッファが設けられることもある。 [第4実施例]図7は前記図5の第3実施例に相当する
ほかの実施例を示した図であり、主たる構成は図5と同
じであるが、図7ではミラ−16は固定されており、第
2ビーム11dを位相変調するための素子として電気光
学素子26aが中に設けてある点が異なる。この電気光
学素子26aは電圧の印加により屈折率が変化する性質
を有しており、駆動源26bによってやはり高周波電圧
を印加することで第2ビーム11dは位相変調されるよ
うになっている。 [第5実施例]図8は前記図5の第3実施例に相当する
さらに別の実施例を示した図であり、ビームスプリッタ
13によって2分されたビームのうち媒体に照射する側
のビーム(すなわち反射ビーム11b)を位相変調する
点が異なっている。ここでの位相変調の方法は前記図6
で示された方法と同一であるが、もちろん前記図5の方
式を用いても構わない。
【0092】さらに位相変調をこの図8のように媒体2
3に照射する前に行ってもよいし、媒体23の反射光に
行ってもよい。後者の場合位相変調を行う素子は偏光ビ
ームスプリッタ26とハーフミラー19との間に設ける
ことになる。
【0093】そしてこの実施例におけるビーム11dは
数18、ビーム11cは数27で表され、OUTPUT
は数24で表される形となる。 [第6実施例] 図9は本発明を光磁気記録媒体等の偏光面の回転を検出
する再生装置に適用した第6の実施例を示す。この例に
おける光学系は従来技術の項で説明した特公平4−35
75号公報の光学系を応用したものであり、第2ビーム
11dが電気光学素子系26a及び26bにより再生さ
れるべき信号の最高周波数より高い周波数で位相変調さ
れるようになっている。 [第7実施例] 図10は図1で示された光磁気記録媒体再生装置に適用
した第7の実施例を示したものであり、図9の装置と比
較して第2ビーム11dの差動アンプ系24により減衰
され、高いSN比を得ることができるという特徴を有し
たものである。もちろん第6実施例の場合と同様位相変
調は電気光学素子系26a、26bによって実行され
る。
【0094】このように光記録媒体の面ぶれによる反射
光の位相変動によって発生する再生出力レベルの不規則
な変動を防止し、安定な再生出力を得ることが可能とな
る。
【0095】
【発明の効果】以上の説明のごとく、本発明によればレ
ーザーノイズ、熱ノイズの影響を効果的に低減し、低パ
ワーでも良好なSN比を得ることができる。
【0096】また本発明をフォトクロミック媒体に適用
することにより良好なSN比での再生可能回数が大幅に
向上できる。
【0097】さらに本発明によれば光記録媒体表面の面
ぶれによる反射光の位相変動によって発生する再生出力
レベルの不規則な変動を防止し、安定な再生出力を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図3】(a)は従来の再生装置における再生出力の変
動を示す波形図、(b)は本発明による位相変調を施し
た時の波形図である。
【図4】(a)は前記図3(b)の波形に整流を施した
時の波形図、(b)は該(a)の波形に低周波フィルタ
ー透過を施した時の波形図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図6】低周波等価フィルターの回路図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図8】本発明の第5の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図9】本発明の第6の実施例を示す再生装置の光学系
構成図である。
【図10】本発明の第7の実施例を示す再生装置の光学
系構成図である。
【図11】従来の再生装置の光学系構成図である。
【符号の説明】
12 偏光子 13 第1ビームスプリッタ 14 第2ビームスプリッタ 15 対物レンズ 16 ミラー 17、25 λ/2板 18 位相板 19 第3ビームスプリッタ 20、201、202検光子 21、211、212レンズ 22、221、222光検出器 23 媒体 24 差動増幅器 11a〜11f ビーム

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の光源から出射された偏光ビームを
    第1及び第2のビームに分割し、前記第1ビームを光記
    録媒体に入射し、前記媒体に記録されている情報に応じ
    て偏光面の変調された反射ビームを前記媒体から取り出
    すと共に前記反射ビームと前記第2ビームとを光混合
    し、前記反射ビームと前記第2ビームとの混合によって
    生じた、互いの信号成分が逆相で、且つ互いのノイズ成
    分が同相である第3及び第4のビームをそれぞれ検光子
    を介して光検出器により独立に検出し、この検出の結果
    得られた2つの検出信号間で減算を行い再生信号を得る
    ことを特徴とする光学的情報の再生方法。
  2. 【請求項2】 光源と、該光源からのビームを第1及び
    第2のビームに分離する光学分離素子と、前記第1ビー
    ムを光記録媒体に集光するためのレンズ系と、前記媒体
    からの反射ビームと前記第2ビームとを光混合する光学
    混合素子と、前記反射ビームと前記第2ビームとの混合
    によって生じた、互いの信号成分が逆相で、且つ互いの
    ノイズ成分が同相である第3及び第4のビームをそれぞ
    れ独立に検出する光検出器と、該検出器から得られた2
    つの信号間で減算を行ないこの結果を再生出力とする回
    路とを備えた光学的情報の再生装置。
  3. 【請求項3】 単一の光源から出射された偏光ビームを
    第1及び第2のビームに分割し、前記第1ビームを光記
    録媒体に照射し、前記媒体に記録されている情報に応じ
    て光強度の変調された反射ビームを前記媒体による反射
    により取り出すと共に、前記反射ビームと前記第2ビー
    ムとを混合し、前記反射ビームと前記第2ビームとの混
    合によって生じた、互いの信号成分が逆相で、且つ互い
    のノイズ成分が同相である第3及び第4ビームの強度を
    それぞれ光検出器によって独立に検出し、該検出の結果
    得られた2つの検出信号間で減算を行い再生信号を得る
    ことを特徴とする光学的情報の再生方法。
  4. 【請求項4】 上記請求項1または3記載の光学的情報
    の再生方法において、前記第1のビーム、媒体からの反
    射ビームあるいは第2ビームの少なくとも一方のビーム
    の位相を、再生する情報信号の最高周波数よりも高い周
    波数で変調することを特徴とする光学的情報の再生方
    法。
  5. 【請求項5】 上記請求項2記載の光学的情報の再生装
    置において、光学混合素子に入射される2つのビームの
    少なくとも一方のビームの位相を、再生する情報信号の
    最高周波数よりも高い周波数で変調するための位相変調
    手段を設けたことを特徴とする光学的情報の再生装置。
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