JP2862024B2 - 光磁気信号再生装置 - Google Patents

光磁気信号再生装置

Info

Publication number
JP2862024B2
JP2862024B2 JP40495390A JP40495390A JP2862024B2 JP 2862024 B2 JP2862024 B2 JP 2862024B2 JP 40495390 A JP40495390 A JP 40495390A JP 40495390 A JP40495390 A JP 40495390A JP 2862024 B2 JP2862024 B2 JP 2862024B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
signal
magneto
output
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP40495390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04221448A (ja
Inventor
宣秀 松林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP40495390A priority Critical patent/JP2862024B2/ja
Publication of JPH04221448A publication Critical patent/JPH04221448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2862024B2 publication Critical patent/JP2862024B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体における反射
または透過光の直線偏光が、該記録媒体や光学系を起因
とする楕円化成分を含んでも、安定してC/N比のよい
再生信号を得るように改良した光磁気信号再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報関連産業の進歩の度合いが大
きく、益々大量の情報を記録したり、再生できる装置が
必要とされる状況にある。このため、高密度に記録した
り再生できる光磁気方式の記録再生装置が注目されてい
る。
【0003】この光磁気方式により記録された情報の再
生方法は、光磁気ディスクにおける光学的磁気効果を利
用している。従来の装置では、例えば、カー効果によ
り、入射光に対して偏光面が回転した反射光を一つの検
光子で検出するものがある。この検光子は、光磁気ディ
スク上の磁化方向により、異なるカー回転角の偏光を受
けて、それぞれ異なる強度の光に変え、その光を光検器
が検出することにより情報を再生するものである。
【0004】また、図3に示すように、偏光ビームスプ
リッタ(PBS)と2つの光検出器とを備えた装置もあ
る。
【0005】この光磁気信号再生装置は、半導体レーザ
31からのレーザ光をコリメータレンズ32、ビームス
プリッタ33、及び対物レンズ34を経て光磁気デイス
ク35に照射し、その反射光を対物レンズ34、ビーム
スプリッタ33、及び1/2波長板(λ/2板)36を
経て、PBS37へ入射させる。λ/2板36により偏
光方向を45°回転された反射光を受け、PBS37
は、P偏光を透過させると共にS偏光を反射し、この透
過光を光検出器38が検出する一方、反射光を光検出器
39が検出する。そして、差動増幅器40は、互いに逆
相の関係にある透過光と反射光とから検出された光検出
器39が出力する各信号の差をとって、レベルが2倍に
なった信号を出力すると共に、同相となるノイズ成分を
減少させることができる。従って、C/N比のよい再生
信号が得られる。また、図4(a)に示すように、ピッ
トポジション記録により記録された場合には、磁区(ピ
ット)の位置を検出する必要があり、図4(b)差動増
幅器40の出力を図示しない微分回路に入力し、図4
(c)に示す微分波形のゼロクロス点を検出して、再生
信号を得る。
【0006】前述した2つの装置は、いずれも検光子ま
たは、偏光ビームスプリッタを通過した光の光量変化を
検出しているので、光磁気ディスクの反射率変動、再生
回路の特性変動の影響を受け安く、信号再生における読
み出しの誤りが起こりやすかった。また、パルス変調記
録による情報を再生する場合には、直流成分まで正確に
増幅しないと、正確な情報の読み出しができないという
こともあった。
【0007】この点を解決するため、特開昭63−31
3335号公報には、図5に示す光学系及び2分割光検
出器を用いて、光学的に微分信号を取り出す装置が示さ
れている。
【0008】図5に示すように、レーザ駆動回路41か
らの電流により駆動される半導体レーザ42は、再生用
のレーザ光を出射する。コリメータレンズ43は、この
レーザ光を平行なレーザ光束に変え、偏光子44は、レ
ーザ光束を直線偏光にそろえる。ハーフミラー45を通
過した偏光子44からの光が入射されて、対物レンズ4
6は、その光を光磁気ディスク47の表面に微小な光ス
ポットとして照射する。光磁気ディスク47は、その磁
化状態に応じて、偏光方向をわずかに回転させて入射光
を反射する。1/4波長板(λ/4板)48及び偏光ビ
ームスプリッタ49の働きにより、光磁気ディスク47
の磁化による偏光の変化(回転)は光の位相ずれに変換
される。このとき、偏光ビームスプリッタ49により分
離された光ビームの振幅を等しくするためには、2つの
ビームの偏光方向がλ/4板48における常光(または
異常光)の偏光方向に対して45°角度に設定する必要
がある。2分割光検出器50及び2分割光検出器51
は、分離された2つの光ビームをそれぞれ受光して信号
を出力し、差動増幅器52及び差動増幅器53がそれぞ
れ2分割光検出器の出力の差をとり、減算器54は、差
動増幅器52,53からの2つの強度差信号の差を読み
出し信号として出力する。そして、読み出し信号処理回
路55は、前記読み出し信号を処理することにより、光
磁気ディスク47に記録された情報を再生する。
【0009】上記公報記載の装置では、光磁気ディスク
47の磁化による偏光の変化(回転)を光の位相ずれに
変換しているので、光磁気ディスクの反射率変動、ある
いは再生回路の特性変動の影響を受けずに、記録情報を
正確に再生できる。また、この装置は、差動出力をとる
ことにより、光磁気ディスクの微少な凹凸、あるいはレ
ーザ光源等のわずかな変動による雑音も同相成分なの
で、除去できる。そして、この装置では、光磁気ディス
ク47からの反射光が位相差を生じていない場合には、
偏光ビームスプリッタ49による分離が完全に行われて
再生信号が有効に検出できる。しかし、光磁気ディスク
47や光学系等により、位相差が生じてしまった場合に
は、偏光ビームスプリッタ49で分離が完全ではなく、
2分割光検出器51,52へ入射する光は、それぞれ右
回り及び左回りの円偏光成分が混在し、その結果、減算
器54の出力する読み出し信号は、出力レベルが低下し
てC/N比も悪化する。尚、光磁気ディスク47によっ
て生じる位相差は、例えば、入射した直線偏光と、それ
と直交する偏光との位相差により生じるカー楕円や、光
磁気ディスク47に使用するプラスチック基板の複屈折
によるもの等がある。また、光学系によるものとして
は、例えば、ビームスプリッタやミラー等による反射に
よって生じるものがある。従って、使用する光学系部品
は、反射率の他に位相差に対しても厳密な管理が必要と
なる。
【0010】この欠点を解決するために、本出願人は、
「光学」第19巻第3号(1990)に記載された方式
を提案している。これは、光磁気ディスク及び光学系に
より発生する2つの直交する直線偏光間の位相差に応じ
て、偏光ビームスプリッタ及び光検出器を回転させて、
補正を行うものである。図6に示すように、半導体レー
ザ60の出射光は、コリメータレンズ61により直線偏
光に変換され、ビームスプリッタ62を経て、対物レン
ズ63により、光スポットとして光磁気ディスク64へ
照射される。光磁気ディスク64からの反射光は、λ/
4板65を経て、偏光ビームスプリッタ66へ入射す
る。このとき、使用する光磁気ディスク64に合わせ、
2つの直交する直線偏光間の位相差を補正するように回
転させ、2分割光検出器67が入射光を検出するので、
直線偏光の楕円化による出力信号の減少は、生じない。
しかし、この装置の場合、他の光磁気ディスクに交換し
た際には、偏光ビームスプリッタ66及び2分割光検出
器67の回転角を再度調整しなければならない。また、
同一光磁気ディスクでも経時変化により位相差の変化が
発生するので、この場合には再生信号の劣化、すなわち
C/N比が低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、光磁
気ディスクの反射率変動、再生回路の特性変動の影響を
受けない装置として、特開昭63−313335号公報
に開示されているが、記録媒体や光学系による直線偏光
の楕円化により、偏光ビームスプリッタの分離が完全に
は行われず、位相差が大きくなるほど、得られる再生信
号のC/N比も悪化する。また、前記公報記載の装置を
改良した、前記「光学」第19巻第3号に記載の装置の
場合は、他の光磁気ディスクに交換したときや、回転角
の再度調整が必要となり、また、同一光磁気ディスクで
あつても経時的変化に対応できず、再生信号のC/N比
が悪くなるという欠点がある。
【0012】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、記録媒体や光学系を起因とした直線偏光の楕円化に
より、記録媒体における光磁気効果による回転角が実質
的に減少しても、得られる再生信号のC/N比が低下す
ることもなく、また、使用する光学系部品の管理として
位相差の補正や測定なども不要で、さらに位相差の異な
る記録媒体に対する互換性、あるいは記録媒体及び光学
系を含めた初期的、経時的変化に伴って位相差が変化し
た場合でも調整の必要がなく、安定してC/N比の良い
再生信号が得られる光磁気信号再生装置を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気信号再生
装置は、垂直磁気異方性を有する光磁気記録媒体へ、直
線偏光の光を照射する照射手段と、前記記録媒体からの
反射光または透過光の光路中に配設され、直交する2方
向の偏光間に1/4波長板の位相差を与える位相子と、
前記位相子を通過した光が、直交する2方向の偏光成分
がほぼ同じ光量に分離されるように配設された検光子
と、前記検光子により分離されたそれぞれの光のファ−
フィ−ルドに配設され、かつ前記記録媒体の進行方向に
対して、前後の光強度を検出するように配設された2つ
の2分割光検出器と、前記2つの2分割光検出器が出力
する信号の和をとり、得られたそれぞれの和信号の差を
とる第1の差動加手段と、前記2つの2分割光検出器が
出力する信号の差をとり、得られたそれぞれの差信号の
差をとる第2の差動手段と、前記第1の差動手段の出力
信号を微分演算するか、または、第2の差動手段の出力
信号を積分演算する演算手段と、前記演算手段の出力と
前記第2の差動手段、または、第1の差動手段とを加算
する加算手段と、前記加算手段の出力信号から再生信号
を得る2値化信号発生手段を備えている。
【0014】
【作用】この構成で、照射手段は光磁気記録媒体へ直線
偏光を照射し、光磁気記録媒体は、照射手段からの照射
光を反射または透過して位相子へ入射し、位相子は入射
する反射光または透過光に対し、直交する2方向の偏光
間に1/4波長の位相差を与えて、これらの光を検光子
へ入射する。この検光子は、入射光をほぼ同じ光量で、
直交する2方向の偏光する光に分離し、2つの2分割光
検出器は、検光子により分離されたそれぞれの光のファ
−フィ−ルドにおける、前記光磁気記録媒体の進行方向
に対して前後の光強度をそれぞれ検出して、第1の差動
手段は、2つの2分割検出器の出力する信号のそれぞれ
の和信号の差をとって出力する一方、第2の差動手段
は、2つの2分割光検出器の出力信号のそれぞれの差信
号の差をとって出力する。演算手段は、第1の差動手段
の出力信号を微分演算して出力するか、または、第2の
差動手段の出力信号を積分演算して出力し、加算手段に
より前記演算手段の出力信号と第2の差動手段、また
は、第1の差動手段のいずれか一方の出力信号とが加算
される。そして、2値化信号発生手段により前記加算手
段の出力信号から再生信号を得る。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1及び図2は本発明の第1実施例に係り、図1
は光磁気信号再生装置の概略的図な構成図、図2は図1
の装置の動作を説明するための波形図である。
【0016】図1に示す光磁気信号再生装置1は、光磁
気記録媒体としての光磁気ディスク22へ直線偏光の光
を集光して照射し、カー効果により反射光の偏光方向が
回転することを利用し、光磁気ディスク22の磁化状態
により異なるカー回転角を光の位相差に変換した後、再
生信号を得るものである。光磁気信号再生装置として
は、光学的磁気効果として、例えばファラデー効果を用
いて、光磁気記録媒体の透過光を検出するものでもよ
い。
【0017】図1に示す半導体レーザ2はレーザ光を出
射し、コリメータレンズ3は、半導体レーザ2のレーザ
光を平行光束にするものである。半導体レーザ2などレ
ーザ光源の出射光は、一般に直線偏光であり、以後出射
光は直線偏光として取り扱う。尚、レーザ光源の性能に
よっては、コリメータレンズ3の後端側に偏光子を配設
して、確実に直線偏光を得るようにしても良い。
【0018】ビームスプリッタ4は、コリメータレンズ
3からの直線偏光の一部を透過すると共に、前記光磁気
ディスク22からの反射光の一部を直角方向に反射する
ものである。尚、ビームスプリッタ4には、偏光ビーム
スプリッタを用いて、半導体レーザ2の直線偏光を透過
する一方、光磁気ディスク22からの反射光を完全に反
射させて半導体レーザ2に光が戻らないようにする、い
わゆる光アイソレータを構成するようにしても良い。ま
た、対物レンズ5は、ビームスプリッタ4を通過して入
射する半導体レーザ2からの光を集光し、前記光磁気デ
ィスク22からの反射光を平行光束に戻すものである。
【0019】前記光磁気ディスク22は、対物レンズ5
からの直線偏光を反射し、ディスク面に垂直な磁化の方
向に応じて、カー効果により直線偏光の偏光面を回転さ
せて反射する。このカー回転角は、光磁気ディスク22
の情報記録部である磁区(ピット部)と、非記録部とで
は逆向きになる。
【0020】対物レンズ5は、光磁気ディスク22から
反射光を再び平行な光束に戻す。そして、対物レンズ5
により拡大され平行になった状態の光束の強度分布は、
ファーフィールドにおける光強度分布とみなせるので、
この光強度分布をファーフィールドパターンと呼ぶこと
にする。
【0021】対物レンズ5及びビームスプリッタ4を経
た、光磁気ディスク22からの反射光は、位相子として
の1/4波長板(λ/4板)6へ入射する。1/4波長
板6は、直交する2つの偏光(常光及び異常光)間に1
/4波長の位相差を与えるものであり、例えば入射した
直線偏光を円偏光に、また入射した円偏光を直線偏光に
変換するようになっている。
【0022】検光子としての偏光ビームスプリッタ7
は、1/4波長板6を通過した光を互いに直交した2つ
の偏光を有する光に分離する。例えば、偏光ビームスプ
リッタ(PBS)7に入射する入射光線のうち、P偏光
成分は透過し、S偏光成分は反射する。1/4波長板6
及び偏光ビームスプリッタ7の光学的設定は、偏光ビー
ムスプリッタ7が分離した2つの光の光量(強度)を等
しくするために、下述する2つの条件のうち、一つを満
足すれば良い。
【0023】(1)1/4波長板6を構成する結晶の光
学軸は、入射する直線偏光に対して方位角45°に設定
する。この場合は、偏光ビームスプリッタ7の方位角は
任意でよい。
【0024】(2)偏光ビームスプリッタ7が分離した
2つの光の偏光方向が、1/4波長板6における常光
(または、異常光)の偏光方向に対して、ほぼ45°の
角度だけずれていればよく、つまり相対的な方位角を4
5°に設定する。この場合は、入射直線偏光の方位との
関係は任意でよい。
【0025】2つの2分割光検出器8,9は、偏光ビー
ムスプリッタ7が分離した光量の等しい2つの光をそれ
ぞれ検出するものであり、その内部には分割された2つ
の光検出をそれぞれ有している。例えば、光磁気ディス
ク22のピット部と非記録部との反射光の間に位相差が
存在する場合は、ピットエッジにおける反射光のファー
フィールドにおいて、光磁気ディスク22の進行方向の
前後方向に光の強度差を生じる。そして、2分割光検出
器8,9の各受光面は、光磁気ディスク22の進行方向
に対して、光軸を中心として前後で反射した光がそれぞ
れ受光できる位置に配設されている。従って、偏光ビー
ムスプリッタ7を経てくる光磁気ディスク22からの反
射光は、ファーフィールドパターンを前後方向に分けて
受光し、それぞれの入射光の強度に応じた信号を出力す
るようになっている。
【0026】加算器10は、2分割光検出器8が出力す
る信号の和をとり和信号として出力し、差動増幅器11
は、2分割光検出器8の出力する信号の差をとり差信号
として出力するようになっている。また、加算器13
は、2分割光検出器9が出力する信号の和をとり和信号
として出力し、差動増幅器12は、2分割光検出器9の
出力する信号の差をとり、差信号として出力するように
なっている。第2の差動手段としての差動増幅器14
は、差動増幅器11,12が出力する差信号の差をとっ
て出力し、また、第1の差動手段としての差動増幅器1
5は、加算器10,13が出力する和信号の差をとって
出力するようになっている。演算手段(微分手段)とし
ての微分回路16は、差動増幅器15の出力信号を微分
し、微分信号として加算器17へ出力し、加算器17
は、前記微分信号と、前記差動増幅器14の出力信号と
を加算して、2値化信号発生回路18へ出力するように
なっている。2値化信号発生回路18は、例えば設定さ
れた2値化用基準電圧と前記加算器17の出力信号とを
比較して、2値化した再生信号を得るようになってい
る。尚、微分回路16と差動増幅器14とは、後述する
ように、それぞれの出力信号の最大振幅が同一レベルと
なるようにゲインが設定されている。
【0027】図2を参照し、本実施例の作用について説
明する。前述したように光磁気ディスク22による反射
などを起因とした位相差、つまり入射した偏光成分と直
交する偏光成分の位相差をδとする。図2は、光磁気デ
ィスク22や偏光ビームスプリッタ7等による位相差δ
がトータルで、0°,90°,45°の場合における信
号検出系の各出力をそれぞれ図2(1),(2),
(3)に示している。図2(a)は、光磁気ディスク2
2のピット部、同図(b)は差動増幅器14の出力、同
図(c)は差動増幅器15の出力、同図(d)は微分回
路16の出力、同図(e)は加算器17の出力である。
【0028】半導体レーザ2が出射したレーザ光は、コ
リメータレンズ3、ビームスプリッタ4、対物レンズ5
を経て、直線偏光として光磁気ディスク22へ照射され
る。ここで、例えば光磁気ディスク22による位相差が
生じた場合、光磁気ディスク22で反射した光は、カー
回転だけではなく、位相差δに応じて光が楕円化するカ
ー楕円の成分も存在する。
【0029】最初に、1/4波長板6へ入射する光の位
相差δがトータルで0°の場合について説明する。直線
偏光を右回り及び左回りの円偏光成分に分けて考える
と、光磁気ディスク22の反射光は、カー回転を受けた
右回り及び左回りの円偏光となって、1/4波長板6へ
入射する。ここで説明を簡単にするため、1/4波長板
6を構成する結晶の光学軸は、光磁気ディスク22へ入
射する直線偏光に対して方位角45°に設定し、偏光ビ
ームスプリッタ7の方位角は0°とする。この1/4波
長板6を通過した反射光は、それぞれ右回り及び左回り
の円偏光成分に対応する直線偏光となって、偏光ビーム
スプリッタ7に入射する。偏光ビームスプリッタ7は、
右回り及び左回りの円偏光成分に対応する直線偏光を分
離する。そして、光磁気ディスク22のピット部で反射
した光が、その磁化方向に応じて、例えば右回りに回転
すると、偏光ビームスプリッタ7を出て2分割光検出器
9へ向かうS偏光成分は、位相が進むことになる。そし
て、このとき偏光ビームスプリッタ7を出て2分割光検
出器8へ向かうP偏光成分は、逆に位相が遅れることに
なる。また、光磁気ディスク22の非記録部で反射した
光が、その磁化方向に応じて、例えば左回りに回転する
と、偏光ビームスプリッタ7を出るS偏光成分は、位相
の遅れが生じる。このとき、同様にP偏光成分は逆に位
相が進む関係にある。
【0030】半導体レーザ2からの再生用のレーザ光
が、ピット部の前端部に照射された場合、例えば、ピッ
ト部での反射光の位相が進方向にピット部が磁化されて
いるとすると、反射光のファーフィールドにおいて前方
側(光磁気ディスク22の進行方向を図1の左側を前方
側とする)が明るくなる。また、ピット部の後端に照射
された場合、反射光のファーフィールドにおいて後方側
が明るくなる。従って、ピットの前端部側にレーザ光が
照射された状態で、2分割光検出器8の(図1におけ
る)下側の検出器の受光量が大きくなる。また、2分割
光検出器9の(図1における)左側の検出器の受光量が
大きくなる。そして、ピット部の後端では逆に、2分割
光検出器8の上側、及び2分割光検出器9の右側の検出
器の受光量が大きくなる。そして、光磁気ディスク22
のピット部の前後で反射光の変化、つまり左右の円偏光
間に位相差が生じ、光磁気ディスク22の進行方向の前
後に配設した各2分割光検出器8,9を用いて、差動増
幅器11,12及び加算器10,13により、各差信号
及び和信号がそれぞれれ求められる。
【0031】従って、図2(a)に示すピット部の前端
部で、差動増幅器12の出力は正のピーク、差動増幅器
11の出力は負のピークとなり、ピット部の後端では逆
の関係になる。この差動増幅器11,12の差をとる差
動増幅器14の出力は、図2(b)に示すように、ピッ
ト部の前端部で正のピーク、ピット部の後端部で負のピ
ークとなる。一方、加算器10,13は、2分割光検出
器8,9のそれぞれの和をとる(分割されない光検出器
でそれぞれ受光したのと同じ構成である)。
【0032】加算器10,13の出力は位相差が零のと
きはピットによる信号は検出されないため、差動増幅器
15及び微分回路16の出力は零となる。この微分回路
16及び差動増幅器14の出力信号を加算する加算器1
7は、その出力が図2(e)に示すように、図2(b)
信号と同一の信号となる。
【0033】加算器17で得られた信号は、正確にピッ
トの中心位置でゼロクロスする信号となっており、記録
方式がピット部の中心位置に情報を有しているピットポ
ジション記録の場合に有効である。そして、2値化信号
発生回路18は、例えば加算器17の出力信号を基準電
圧でスライスして、ピット中心でゼロクロスする2値化
された再生信号を得る。
【0034】一方、図2(2)の場合、位相差δが90
°なので、2分割光検出器8,9に入射する光は、右回
り及び左回りの円偏光成分が混在した光となり、差動増
幅器11,12の各差信号は同じになり、それらの差を
とる差動増幅器14の出力する差信号は、図2(b)に
示すように、零となる。一方、加算器10,13の出力
する2つの和信号は、それぞれカー回転した成分に比例
した出力となり、それらは互いに極性が互いに逆であ
る。従って、差動増幅器15の出力は、図2(c)に示
すように、最大となる。微分回路16は、差動増幅器1
5の出力信号を微分して、図2(d)に示す、ピット部
の前後でピークが反転した波形となり、加算器17は、
図2(e)に示す微分回路16と同一波形であり、かつ
位相差δが0°のときと同一振幅の信号を得る。
【0035】また、図2(3)の場合、位相差δが45
°なので、2分割光検出器8,9に入射する光は、右回
り及び左回りの円偏光成分が混在した光となる。そし
て、差動増幅器11,12の各差信号は、位相差δが0
°のようにピット部の前後でピークが反転した波形とな
るが、混在する右回り及び左回りの円偏光成分により打
ち消し合う分も生じるので、差動増幅器14の出力は、
図2(b)に示すように、位相差δが0°のときの半分
の振幅をした波形となる。一方、2つ和信号は、混在す
る右回り及び左回りの円偏光成分により打ち消し合う分
も生じるので、その差をとる差動増幅器15の出力は、
図2(c)に示すように、位相差90°のときの半分の
振幅をした波形となる。そして、微分回路16は、差動
増幅器15の出力を微分して、図2(d)に示すよう
に、図2(b)と同じく半分の振幅をした波形の信号を
出力する。従って、加算器17は、図2(e)に示すよ
うに、位相差δが0°,90°のときと同じ振幅の信号
を得る。
【0036】尚、微分回路16は、図2(2)の(d)
に示すように、位相差δが90°のきにゲインを設定
し、差動増幅器14は、図2(1)の(b)に示すよう
に、位相差δが0°のときにゲインを設定する。そし
て、それぞれ出力信号の振幅は、互いに等しくなるよう
各ゲインが設定される。このゲイン設定により、位相差
δが変化しても、常に一定振幅の信号が得られる。
【0037】本実施例では、1/4波長板6及び偏光ビ
ームスプリッタ7の設定は、偏光ビームスプリッタ7が
分離した2つの光の光量(強度)を等しくするために、
前述した2つの条件のうち、一つを満足すれば良い。
【0038】前記条件(1)は、1/4波長板6を構成
する結晶の光学軸が、入射する直線偏光に対して方位角
45°に設定し、偏光ビームスプリッタ7の方位角は任
意とする場合である。例えば、偏光ビームスプリッタの
方位角を0°で、位相差δも0°の場合には、差動増幅
器14の出力信号が図2(b)に示すように、最大(正
負のピーク)となり、微分回路16の出力信号が最小と
なる。そして、偏光ビームスプリッタ7の方位角を45
°に設定すると、逆に、差動増幅器14の出力信号が最
小となり、微分回路16の出力信号が最大となる。いず
れにしても、加算器17の出信号は、図2(e)に示す
ように一定となると共に、ゼロクロス点の正常な信号が
得られ、2値化信号発生回路18により2値化した再生
信号を得ることができる。従って、光磁気記録媒体や光
学系などを起因とする位相差δが生じても、常に安定し
た再生信号が得られ、C/N比のよい再生信号を得るこ
とができる。
【0039】また、前記条件(2)は、偏光ビームスプ
リッタ7が分離した2つの光の偏光方向が、1/4波長
板6における常光(または、異常光)の偏光方向に対し
て、ほぼ45°の角度だけずれていればよく、つまり相
対的な方位角を45°に設定し、かつ入射直線偏光の方
位との関係は、任意でよいとする場合である。例えば、
位相差δが0°であり、かつ入射直線偏光と1/4波長
板6との方位角が0°の場合には、差動増幅器14の出
力信号が最大で、微分回路16の出力信号が最小とな
る。また、入射直線偏光と1/4波長板6との方位角が
45°の場合には、差動増幅器14の出力信号が最小
で、微分回路16の出力信号が最大となる。従って、条
件(1)と同様の効果を得ることができる。
【0040】さらに、本実施例では、加算器17が得る
信号は差動出力から得ているので、光磁気ディスクの反
射率変動、あるいは再生回路の特性変動の影響を受けず
に、光磁気ディスクの微少な凹凸、あるいはレーザ光源
等のわずかな変動による雑音も同相成分として除去でき
る。
【0041】本実施例では、ピットポジション記録によ
る情報の再生を示したが、ピット長またはピットのエッ
ジを検出する再生方法の場合には、前記微分回路16に
代えて、積分手段としての積分回路を設けて検出でき
る。この実施例の構成は、図1に示す光磁気信号再生装
置1にあって、前記微分回路16を除いて差動増幅器1
5の出力端と加算器17の入力端とを接続する一方、前
記差動増幅器14の出力端と加算器17の入力端との間
に積分回路を介装して接続する。積分回路は、差動増幅
器14の出力信号を入力して積分し、この積分信号を加
算器17へ出力するようになっている。差動増幅器15
は、ピット部の前端部で立ち上がり、ピット部の後端部
で立ち下がる(ピット部が円形に近い場合には、その中
心でピークとなる図2(c)に示すような)信号を出力
する。また、積分回路の出力信号は、前記差動増幅器1
5と同じような波形の出力信号となる。さらに、積分回
路と前記差動増幅器15とは、出力信号の最大振幅が同
じレベルになるように設定されている。そして、加算器
18の出力信号は、位相差δに関わらず一定の振幅とな
り、C/N比のよい再生信号を得ることができる。その
他の構成及び作用効果は、図1に示す前記実施例と同様
で説明を省略する。
【0042】尚、前述した実施例では、光学系の設定を
前記条件(1),(2)のように初期設定するだけで、
異なった種類の光磁気記録媒体を使用するときにも、光
学系や電気系での調整を不要とし、異種媒体間での互換
性を有した装置となっている。そして、この調整は、同
一媒体であっても、初期的な(製造当初の)調整は勿論
のこと、経時的な変化(一般には特性劣化によるカー楕
円成分の増大)に対しても不要である。
【0043】また、図示例では、記録媒体として光磁気
ディスクを示したが、光磁気カードでもよい。
【0044】
【発明の効果】前述したように本発明によれば、記録媒
体や光学系を起因とした直線偏光の楕円化により、記録
媒体における光磁気効果による回転角が実質的に減少し
ても、安定した再生信号が得られ、また、光学系の管理
として位相差の補正や測定なども不要で設計・製作が容
易となるばかりでなく、さらに位相差の異なる異種類の
記録媒体に対する互換性が高く、あるいは記録媒体及び
光学系を含めた初期的、経時的変化に伴う位相差が変化
した場合でも調整の必要がなく、常に安定してC/N比
の良い再生信号を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は光磁気信号再生装置の概略的図な構成
図。
【図2】図2は図1の装置の動作を説明するための波形
図。
【図3】図3は2つの光検出器を有する従来の光磁気信
号再生装置の構成図。
【図4】図4は図3に示す装置の動作を示す波形図。
【図5】図5は2つの2分割光検出器を有する従来の光
磁気信号再生装置の構成図。
【図6】図6は光学系及び光検出器の回転部を有する従
来の装置の構成図。
【符号の説明】
1 光磁気信号再生装置 2 半導体レーザ 3 対物レンズ 6 1/4波長板 7 偏光ビームスプリッタ 8,9 2分割光検出器 11,12,14,15 差動増幅器 10,13,17 加算器 18 2値化信号発生回路 22 光磁気ディスク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁気異方性を有する光磁気記録媒体
    へ、直線偏光の光を照射する照射手段と、 前記記録媒体からの反射光または透過光の光路中に配設
    され、直交する2方向の偏光間に1/4波長の位相差を
    与える位相子と、 前記位相子を通過した光が、直交する2方向の偏光成分
    がほぼ同じ光量に分離されるように配設された検光子
    と、 前記検光子により分離されたそれぞれの光のファ−フィ
    −ルドに配設され、かつ前記記録媒体の進行方向に対し
    て、前後の光強度を検出するように配設された2つの2
    分割光検出器と、 前記2つの2分割光検出器が出力する信号の和をとり、
    得られたそれぞれの和信号の差をとる第1の差動手段
    と、 前記2つの2分割光検出器が出力する信号の差をとり、
    得られたそれぞれの差信号の差をとる第2の差動手段
    と、前記第1の差動手段の出力信号を微分演算して出力する
    演算手段と、 前記演算手段が出力する微分信号と、前記第2の差動手
    段が出力する信号とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力信号から再生信号を得る2値化信号
    発生手段と、 を備えていること を特徴とする光磁気信号再生装置。
  2. 【請求項2】垂直磁気異方性を有する光磁気記録媒体
    へ、直線偏光の光を照射する照射手段と、 前記記録媒体からの反射光または透過光の光路中に配設
    され、直交する2方向の偏光間に1/4波長の位相差を
    与える位相子と、 前記位相子を通過した光が、直交する2方向の偏光成分
    がほぼ同じ光量に分離されるように配設された検光子
    と、 前記検光子により分離されたそれぞれの光のファ−フィ
    −ルドに配設され、かつ前記記録媒体の進行方向に対し
    て、前後の光強度を検出するように配設された2つの2
    分割光検出器と、 前記2つの2分割光検出器が出力する信号の和をとり、
    得られたそれぞれの和 信号の差をとる第1の差動手段
    と、 前記2つの2分割光検出器が出力する信号の差をとり、
    得られたそれぞれの差信号の差をとる第2の差動手段
    と、 前記第2の差動手段の出力信号を積分演算して出力する
    演算手段と、 前記演算手段の出力する積分信号と、前記第1の差動手
    段が出力する信号とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力信号から再生信号を得る2値化信号
    発生手段と、 を備えていること を特徴とする光磁気信号再生装置。
JP40495390A 1990-12-21 1990-12-21 光磁気信号再生装置 Expired - Lifetime JP2862024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40495390A JP2862024B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 光磁気信号再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40495390A JP2862024B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 光磁気信号再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04221448A JPH04221448A (ja) 1992-08-11
JP2862024B2 true JP2862024B2 (ja) 1999-02-24

Family

ID=18514595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP40495390A Expired - Lifetime JP2862024B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 光磁気信号再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2862024B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04221448A (ja) 1992-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5105399A (en) Magneto-optical means for reading disks by comparing signals at leading and trailing edges of laser beam
US4451863A (en) Information reproducing apparatus based on opto-magnetic effect
US4682311A (en) Photomagnetic differential reproducing system
JP3239962B2 (ja) 光学的情報記録再生装置
WO1980001016A1 (en) Magneto-optical anisotropy detecting device
KR100282507B1 (ko) 광자기 기록 매체용 광 픽업 장치
JPS63298734A (ja) 光磁気ディスク再生装置
JP3626003B2 (ja) 光学的情報記憶装置
JP2862024B2 (ja) 光磁気信号再生装置
JPH0327977B2 (ja)
JP2574915B2 (ja) 光磁気記録媒体の再生用光学装置
JP2551129B2 (ja) 光磁気ディスク装置
JPS5877048A (ja) 光磁気記録再生方式における読取装置
JPS59121637A (ja) 磁気光学記録再生装置
JPS62134839A (ja) 光磁気再生装置
JP2657959B2 (ja) 磁気光学的記憶装置における光学的な遷移を検出する検出装置
JP2574916B2 (ja) 光磁気記録媒体の再生用光学装置
JPS61198458A (ja) 磁気光学的情報再生方法
JPH06314449A (ja) 光ピックアップ装置
JPS61199252A (ja) 光磁気記録再生装置
JPS61165845A (ja) 光学式再生装置
JP2003257098A (ja) 光磁気情報処理装置
JPS60157745A (ja) 光磁気記録装置
JPS6282531A (ja) 光磁気記録再生装置
JPS61233444A (ja) 光学式再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981110