JP3222511U - 小形部品対応半田ゴテ用コテ先 - Google Patents

小形部品対応半田ゴテ用コテ先 Download PDF

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Abstract

【課題】半田ゴテを用いた手作業によるチップ部品等の小形部品の半田付けは初心者には難しい作業であり、これを容易に可能とする為の、半田ゴテ用コテ先を提供する。【解決手段】半田ゴテ用コテ先は、必要な半田量の体積に対して相対的に面積を小さくして融解半田が表面張力でドーム状に盛り上がる様にした半田良着域21を半田不着域22で囲んだ構造の半田融解部2を、半田付け作業においてプリント基板に接する部分に設ける様にしたものである。【選択図】図2

Description

本考案は、主として小形チップ部品の半田付けに対応した半田ゴテのコテ先に関するものである。
最初に本願で用いる用語を定義する。
願書で使用可能な文字が限られているのでべき乗は「^」を用いる。
例えば「ミリ平方メートル」は「mm^2」、「ミリ立法メートル」は「mm^3」、平方根は「^1/2」(1/2乗)で示す。
本願の主題である小形部品対応半田ゴテ用コテ先における「半田ゴテ」は、多くのメーカから市販されている一般的な手作業による半田付け用の物、又はそれに準ずる物である。(非特許文献2)
半田ゴテ用コテ先は、半田ゴテの先に設けられ、加熱して半田と共に半田付け対象に接触させて半田付け作業を行なう部分で、半田付け対象の形状に応じてB型(円錐型、鉛筆型)、BC型(円すいを斜めにカットした型)、C型(円柱を斜めにカットした型)、D型(マイナスドライバ型)、K型(ナイフ型)、I型(細い円錐型)等がある。
さらに、BC型、C型に対してカット面にのみ半田が載る様にしたBCF型、CF型がある。
これら各種のコテ先は半田付け対称の形状に応じて使い分けられる。(非特許文献3)
前記のコテ先形状の呼称は当業者には一般的に知られたものとして、本願では以下の様に用いる。
BC型、BCF型、C型、CF型、はカット面で見れば殆ど同等であり、使用し易くする為にコテ先の一部を削る等した場合も含め、まとめて概略C型(円柱を斜めにカットした型)で呼ぶ。
さらに、そのカットした面は、円柱を斜めにカットすれば楕円形、円錐を斜めにカットすれば楕円に似たタマゴ形となるが、本願ではその相違は本願の主題とは関わらないのでまとめて概略楕円と呼ぶ。
同様にB型、D型、K型についても使用し易くする為にコテ先の一部を削る等した物も含め、概略B型(円錐型)、概略D型(マイナスドライバ型)、概略K型(ナイフ型)で呼ぶ。
一般的に半田ゴテのコテ先はその使い易さや耐久性を高める為に、融解した半田が載り易い領域と載り難い領域に分ける事が多い。
それらの領域に関する定まった呼称は当業者の中にも無く、特許文献の中でも、「半田濡れ性の良い面」、「半田濡れ性の悪い面」、「半田親和性の良い面」、「半田親和性の悪い面」等、様々の表現が使用されている。
本願では半田が載りやすい領域を「半田良着域」、半田が載り難い領域を「半田不着域」と呼ぶものとする。
半田、半田ゴテ、リフロー、プリント基板、チップ部品、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ、QFP、SOP、SSOP、パッド、ランド、スルーホール、ソルダーレジスト、フラックス、フィレット、挟み半田等の、半田付け技術に関連する当業者には一般的で自明な用語は、本願では改めて説明はしないものとする。
半田付け作業に於いて、半田付け対象にフラックスを塗布して融解半田の濡れ性を高めて半田付け箇所に馴染み易くするが、これは必須且つ当業者には常識的な手順であるので、フラックス塗布は本願の半田付け作業方法の説明では言及しない。
小形チップ部品の平面サイズにおいては、現時点で以下が市場に出ている。これはmm表記によるものであり、以下本願ではこのmm表記を用いる
1608サイズ:1.6[mm]×0.8[mm]
1005サイズ:1.0[mm]×0.5[mm]
0603サイズ:0.6[mm]×0.3[mm]
0402サイズ:0.4[mm]×0.2[mm]
(非特許文献4、非特許文献5)
時代が進めばさらに小形品が出て来る可能性があるが、本願の方法による半田ゴテであれば、それらにも対応可能の筈である。
チップ部品には1608サイズ以上の大きさの物もあるが、半田ゴテによる半田付け対象としては余り難しくはなく、現状市販されている半田ゴテで充分である。
本願の主題である小形部品対応半田ゴテ用コテ先の主な対象となる半田ゴテによる半田付けが難しい小形部品は、主として1608サイズ以下であり、これらの問題点、解決方法はほぼ共通なので、本願では各サイズについて個別の問題と対策を議論するのでなく、共通の事柄として扱い、具体例で言及する場合は主として1608サイズについて示すものとする。
さらに、1608サイズ等の前記各サイズのチップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ等は、本願の主題である手作業による半田付けに関してはほぼ同じ扱いであり、総称としてチップ部品と呼ぶ。
又、実施例等で典型例としてチップ抵抗で説明した場合、チップコンデンサ、チップインダクタでも同等の扱いができるものとし、各々について個別に説明する事はしないものとする。
尚、本願による小形部品対応半田ゴテ用コテ先は1608サイズより大きい部品についても有効であり、さらに以下では特に言及する事はないがQFP、SOP、SSOP等のICパッケージの半田付けも可能であり、それらを本願の適用範囲、適用対象から除外するものではない。
電子回路を製作する場合、一般的には半田付けでプリント基板に部品を固定する。
これを多数同時に製作する場合に、表面実装部品を用いるプリント基板では多くがリフロー方式の半田付け装置を用いるが、回路の手直しや、少数を試作回路として製作する場合には、半田ゴテを用いて手作業による半田付けで行なう。
その場合、表面実装部品の中でも特に1608サイズ以下のチップ部品の、半田ゴテを用いた手作業による半田付けについては以下の様な特有の困難さが伴う。
(1)半田量のコントロールが困難(難点1)
一例として1608サイズのチップ抵抗の半田付けに必要な適正な半田量の最大体積Vは図17(b)に示す様に、約0.036[mm^3]である。
これは図17(a)の融解半田31の様な、懸垂曲線に似た理想的なフィレットの形状に対して半田量が増え、図17(b)の様に三角柱になった場合を最大値として近似したものである。
より小さいサイズのチップ部品では適正な半田量の最大体積Vはさらに小さくなり、これ以上の半田は半田付けの良否判定の観点では半田過多になる。
一般的な半田ゴテで前記の量の半田をコントロールするのは非常に困難であり、その半田付けが難しい一因になっている。
(2)パッドの加熱が困難(難点2)
図14のチップ抵抗の半田付けの従来方法例1の説明図に示す様に、パッド51にチップ抵抗4を載せた際に、チップ抵抗外にはみ出る残りのパッド51の領域を、「加熱スペース」と呼ぶものとする。
但し、これは現時点で当業者の間で定まった用語でなく、説明を判り易くする為に本願で定義したものである。
通常チップ部品を用いる様なプリント基板は部品の実装密度が高く、パッド51はメーカのパターン設計推奨値の最小サイズとする事が多く、その値を元に計算すると1608サイズの加熱スペースは0.2mm程度である。それ以下のサイズでは0.1mm程度の場合もある。(非特許文献5)
これに対して通常使用される半田ゴテのコテ先1は相対的に形状が大きく、パッド51に直接当てるのは難しい。
さらに図14に示す様にパッド51をソルダーレジスト52で覆う場合が殆どであるが、小形部品ではパッドの面積が小さいのでソルダーレジストの厚みが相対的に無視出来ないものとなり、誇張して言えば、パッドはソルダーレジストの壁に囲まれた凹みの中に位置する様な状態になる。
その場合、細く尖った部分を持たない一般的なコテ先では、パッドに直接接触させるのは難しく、パッドの加熱は困難になる。
コテ先の細さを謳った一般的な形状のコテ先もあるが、熱容量が不足してやはりパッドの加熱は困難である。
その対策としては、チップ抵抗4をパッド51に搭載する前に2つのパッド51に予備半田をして置く事が多い。しかし、チップ抵抗4を整然と搭載する為には凸凹無く平滑に予備半田をする必要があり、これにもある程度の熟練度が必要で、且つ手間も掛かる事になる。(非特許文献1)
(3)周辺部品に半田が付着し易い(難点3)
前述した様に、チップ部品を用いる様なプリント基板は部品の実装密度が高い場合が多い。部品実装密度が高くなると、図14のチップ抵抗の半田付けの従来方法例1の説明図に示す様に、半田付け対象の近傍に他の部品用の隣接パッド53や、スルーホール(図示無し)が配置され、半田付け対象に対して相対的に大きな形状である一般的なコテ先では半田付け対象以外の近傍の部品に不要な半田を付着させ易くなる。
これは外観を悪くさせるだけでなく、回路の短絡事故を引き起こす場合もある。
従って一般的なコテ先では小形のチップ部品の半田付けは容易ではない。
(4)コテ先の熱容量確保が困難(難点4)
小形のチップ部品でも、パッドが電源やグランドパターンに直接繋がった場合は、パッドの加熱には大きな熱容量のコテ先が必要である。
従って、部品が小形でもそれに応じて細いコテ先を使用すれば良いという事にはならない。
1608サイズのチップ部品の半田付けの場合、経験的には概略C型のコテ先ではその円柱の径は1.5mm以上が望ましく、1.0mm以下では熱容量が不足して半田付けはかなり困難になる。
チップ抵抗を半田付けする際の一般的な方法を従来方法例1として図14に示す。
これは一般的には「挟み半田」と呼ばれ、半田付け対象であるチップ抵抗4の電極41とパッド51に円形断面で示す糸半田3を当てて置き、これを半田ゴテのコテ先1で溶かし、同時に電極41とパッド51を加熱して半田付けするというものである。
市販の一般的な半田付け練習用基板等の様に大きな加熱スペースが有る場合には、本方法は初心者でも比較的容易に半田付けができるが、本例の様な実務で用いる電子製品用のプリント基板では前記した様にメーカ推奨の加熱スペースは0.1〜0.2mm程度しかなく、一般的に用いられるΦ0.3mm程度の糸半田では加熱スペースからはみ出してしまい、半田量のコントロールが困難(難点1)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)等の理由で初心者には困難であり、実用的な方法とは言えない。
チップ抵抗を半田付けする際の別の一般的な方法を従来方法例2として図15に示す。
これは図15(a)に示す様に予めコテ先1に糸半田を当てて溶かした融解半田31を載せて置き、コテ先1の融解半田31の載った面を電極41とパッド51に押し当てて半田付けするものである。
本方法ではコテ先に融解半田31が最低でも0.3mm程度の厚みのドーム状になる様に載せて置く必要がある。
その際の融解半田の体積は、例えば円柱の径が1mmの概略C型のコテ先では概算で約0.11[mm^3]、円柱の径が1.5mmの概略C型のコテ先では約0.25[mm^3]である。
1608サイズのチップ抵抗の半田付けを行なう場合には、図17で前記した必要な半田量の最大体積約0.036[mm^3]に対して、円柱の径が1mmの概略C型のコテ先では約3倍、円柱の径が1.5mmの概略C型のコテ先では約7倍の融解半田を載せる事になる。
図15(a)で電極41とパッド51を加熱して融解半田31を移行させてからコテ先1を引き離すが、表面張力により適正量より多くの融解半田が半田付け対象に移行し、半田量過多になり易い。
又、部品の実装密度が高い場合には隣接パッド53の様な近くの周辺部品にはみ出し半田32が載って不具合の原因になったりするのは前記従来方法例1と同様である。
即ち、本方法も初心者には困難な方法であり、実用的な方法とは言えない。
チップ抵抗を半田付けする際のさらに別の一般的な方法を従来方法例3として図16に示す。
これは図16(a)に示す様に予めコテ先1に糸半田を当てて溶かした融解半田31を載せて置き、コテ先1の融解半田31の載った面を電極41側に向け、コテ先1の先端でパッド51を加熱しながら融解半田31を半田付け部に流し込むものである。
この時、前記従来方法例2と同様に、コテ先1には必要な半田量の最大体積に対して、円柱の径が1mmの概略C型のコテ先では約3倍、円柱の径が1.5mmの概略C型のコテ先では約7倍の融解半田を載せる必要があり、図16(a)で電極41とパッド51を加熱して融解半田31を移行させてからコテ先1を引き離すが、表面張力により適正量より多くの融解半田が半田付け対象に移行し、図16(b)の様に半田量過多になり易い。
あるいは、パッド51にコテ先1や融解半田31が届かず加熱不足になり図16(c)に示す様にパッド51に半田が載らず、電極41にだけ融解半田31が載る様な不具合が生じ易い。
即ち、本方法も初心者には困難な方法であり、実用的な方法とは言えない。
以下本願の主題である小形部品の半田付けに関連する開示された文献と本願の技術内容について比較する。
小形部品の半田付けに関連する開示された技術として特許文献1が開示されている。
これは、一般的な半田ゴテに対して不親和性を発揮するカスタム不親和層を形成するものであり、後述する本願の方法と一見して似ている様に見える。
しかし、同願の方法ではコテ先に半田を載せる上で、微量の半田をコントロールできる様にはならず、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)問題の解決は出来ず、方法も提示されていない。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法とは対象も技術思想も全く異なるもので、チップ部品の半田付けには適さず、対象としていないと言える。
小形部品の半田付けに関連する開示された技術として特許文献2が開示されている。
これは、「酸化皮膜の発生がなく、微量半田の連続供給が可能で、かつ半田付けの際の半田の供給量も一定に保つことが出来る半田こて先を用いた半田ごて」に関するものである。(段落0003)
「半田こて先に窒化アルミニウムセラミックスを用い、内部に半田溜めを形成し、半田溜めより円錐状の先端中央に管状の通路を形成して通し、先端に半田供給口を設け、半田溜め下面より半田供給口に達する、管状の通路内に耐熱耐酸化特性の金属膜を形成することにより酸化スケール除去対策を必要とせず、常に一定量の溶融半田を半田付け面に供給することが可能な半田こて先部品を持った半田ごて」(段落0008)との事であるが、半田付け対象にチップ部品を想定した場合、その電極とパッドに接触させる半田供給口に関しては何ら言及が無く、同願の図1に示される様な構造では、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)問題の解決は出来ないし、方法も提示されていない。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法とは対象も技術思想も全く異なるもので、チップ部品の半田付けには適さず、対象としていないと言える。
小形部品の半田付けに関連する開示された技術として特許文献3がある。
これは、従来の半田ゴテのコテ先に関して、先端部を除く箇所に溶融半田を弾く耐熱性絶縁剤を付着させる事により、コテ先先端部に溶融半田が載り易い構造の半田ゴテとするものである。
同願の対象はICの半田ブリッジの解消であり、コテ先に載り易くする溶融半田の量はチップ部品の必要量より遙かに多く、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)の問題の解決は出来ず、方法も提示されていないので、チップ部品の半田付けには向かない事は明らかである。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法と一見して似ている様に見えるが、対象も、技術思想も全く異なるものである。
小形部品の半田付けに関連する開示された技術として特許文献4が開示されている。
同願は半田付け作業又はその修正作業が可能であるナイフ状又はマイナスドライバ状の微細こて先の製造に関するものである。
これは同願で記述する「現在提供されている最小寸法のこて先(先端径1mmの円錐状先端部を有するこて先)」(段落0006)をより小形にする為のものであり、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題の解決は出来ず、方法も提示されていない。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法と一見して似ている様に見えるが、対象も、技術思想も全く異なるものである。
微細箇所の半田付け作業を素人でも容易に安定して行うことができる技術として特許文献5が開示されている。
同願は、ろう付けに用いるこて先と、このこて先の先端部に毛細管現象を利用したろう量調節機能とを具備させるものである。(段落0010)
これは毛管現象で半田量を調整するというものであるが、そもそも半田が半田付け対象に正しく届く必要があるが、その方法については言及が無い。
即ち、同願では前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題の解決は出来ず、方法も提示されていないので、同願の方法でチップ部品の半田付けが容易に出来るとは考えられない。
なお、同願ではコテ先に設ける溝は半田に直接作用する、いわば溝が半田付けに直接関わるものであるが、後述する本願で用いる溝は、半田付け時に部品がコテ先に接触しない様にする為のものであり、溝は半田そのものには直接作用しない。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法と一見して似ている様に見えるが、対象も、技術思想も全く異なるものである。
隙間の狭い部分での半田付けを良好な品質で行なう事ができる技術として特許文献6が開示されている。
これはコテ先先端の片半分だけ半田の濡れ性を良くする事により、隙間の狭い部分で半田付けをしても隣接した金属部分に余分な半田を付着させないというものである。
即ち、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題の解決は出来ず、解決方法も提示されていない。
即ち、同願の方法は後述する本願の方法と一見して似ている様に見えるが、対象も、技術思想も全く異なるものである。
非特許文献6に「高密度実装の基板の修正などに最適」を謳った市販のコテ先がある。
しかし、「その細さゆえにその熱容量も小さく、熱が充分ワークに伝わらないケースもあって未はんだ(赤目)にならないよう注意が必要」とある様に、熱容量が小さく、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題の解決は出来ない。
又、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)に関しての工夫も無く、これらの問題の解決は出来ない。
非特許文献7に「微小部品(0603など)のはんだ付けに使う」、「狭小スペースのはんだ付けに使う」を謳った市販のコテ先がある。
しかし、「段をつけることにより、先端へいくほど細くなっているのが特徴です。」とある様に、単に一般的コテ先を細くしたものなので、熱容量が小さく、
半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)に関しての工夫も無いので、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題の解決は出来ない。
非特許文献8に「作業を選ばないオールラウンドタイプ」「チップ部品のはんだ付けに使う」を謳った市販のコテ先がある。
しかし、チップ部品の使用例の説明にある様に、チップ部品とは言っても半田付けはそれ程困難ではないとされる1608サイズより大きいサイズのチップ部品が主な対象であり、1608サイズ以下の部品に対しては使い難い事はそのコテ先の形状、寸法が大きい事を見れば明らかである。
さらに、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)に関しての工夫も見られないので、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)の問題の解決は出来ない。
非特許文献9に「円すい、または円柱を斜めにカットした型で、ワークにあったカット面のサイズが選べるタイプ」「チップ部品のはんだ付けに使う」を謳った市販のコテ先がある。
しかし、非特許文献8と同様に、チップ部品の使用例の説明にある様に、チップ部品とは言っても半田付けはそれ程困難ではないとされる1608サイズより大きいサイズのチップ部品が主な対象であり、1608サイズ以下の部品に対しては使い難い事はそのコテ先の形状、寸法が大きい事を見れば明らかである。
さらに、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)に関しての工夫も見られないので、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の困難さの内、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)の問題の解決は出来ない。
半田ゴテのコテ先に溝を設ける案に関連する開示された技術として特許文献7がある。
これはコテ先に溝を設けて半田を吸い上げるというものであり、溝が半田に直接作用し、いわば溝が半田付けに直接関わるものである。
一方、後述する本願で用いる溝は、半田付け時に部品がコテ先に接触しない様にする為のものであり、溝は半田そのものには直接作用しない。
従って同じ溝でも、その目的、機能は全く異なるものである。
即ち、同願の溝は後述する本願の溝とは対象も、技術思想も全く異なるものである。
半田ゴテのコテ先に溝又は孔を設ける案に関連する開示された技術は前記以外にも特許文献8〜特許文献25の様に数多くある。
しかしこれらも又、全ては半田の吸い上げ、半田の貯留、半田の安定滴下等、
溝や孔が半田に直接作用するもので、いわば溝や孔が半田付けに直接関わるものであり、後述する本願で用いる溝は、半田付け時に部品がコテ先に接触しない様にする為のものであり、溝は全く半田そのものに直接作用しないので、同じ溝でも、その目的、機能、技術思想は全く異なるものである。
コテ先の酸化防止の為にコテ先の材質を変える方法に関連する開示された技術として特許文献26が開示されている。
同願は飽くまでもコテ先の材質に関するものであり、小形部品を適切に半田付けするコテ先を得る為のものではない。
一方、後述する様に、本願でもコテ先に半田良着域と半田不着域を作る為にメッキ等でコテ先の表面材質を変えるが、これは手段であり、本願はコテ先の耐久性を増す様な材質改質の方法を出願の目的とするものではない。
即ち本願を実現する為に同願を利用する事はあっても、その目的、手段が互いに競合し、侵害するという事にはならない。
前記と同様にコテ先の材質、耐食性向上、製造方法に関しては他にも特許文献27〜特許文献43の様に数多くの提案が開示されているが、何れも小形部品を適切に半田付けするコテ先を得る為のものではなく、本願を実現する為にそれらを利用する事はあっても、その目的、手段が互いに競合し、侵害するという事にはならない範疇のものである。
特許第6457136号 公報 実用新案第2540416号 公報 特開平6−339769 広報 特開2002−1525 広報 特開平5−50227 広報 公開実用 昭和58−76381 広報 特許第3517784号 広報 特許第3898197号 広報 特許第4566857号 広報 特許第5885475号 広報 公開実用昭和55−33635 広報 公開実用平2−22262 広報 公開実用平2−87561 広報 実開平4−125058 広報 特開平4−178265 広報 特開平4−178266 広報 特開平6−226443 広報 特開平8−57633 広報 特開平10−58137 広報 特開2002−239719 広報 特開2006−16779 広報 特開2010−167461 広報 特開2001−129664 広報 特開2011−20172 広報 特開2011−36909 広報 特許第4634003号 広報 特許第5392463号 広報 特許第2819183号 広報 特許第3122366号 広報 特許第3742425号 広報 特許第3122366号 広報 特許第4429875号 広報 実公平7−23105 広報 特開2010−142841 広報 特開2007−75825 広報 特開2006−61969 広報 特開2004−17060 広報 特開2000−317629 広報 特開平8−155633 広報 特開平7−144271 広報 特開平7−112272 広報 実開平6−70961 広報 実公昭和54−104439 広報
有限会社プロエクシィ、"実用向けチップ部品のはんだ付け リフロー用パッド対応可能「点眼はんだ法」"、[online]、最終改訂2018年8月29日、[2019年2月10日検索]、インターネット<URL:http://proxi.co.jp/technolo/instillation_soldering.htm> 白光株式会社、"はんだこて/セラミックヒータータイプ"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年2月19日検索]、インターネット<URL:http://www.hakko.com/japan/products/soldering_iron/ceramic_heater_type/> 白光株式会社、"はんだこて/セラミックヒータータイプ こて先・ノズル"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年2月10日検索]、インターネット<URL: http://www.hakko.com/japan/products/hakko_fx600_tips.html#productNav> ローム株式会社、"チップ抵抗器 サイズ"[online]、掲載年月日 不明、[2019年2月19日検索]、インターネット<URL: https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/resistors/r_what6> パナソニック株式会社、"表面実装抵抗器 ランドパターン設計"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年2月20日検索]、インターネット<URL:https://industrial.panasonic.com/cdbs/www-data/pdf/AOC0000/AOC0000PJ21.pdf> 白光株式会社、"こて先選択ガイド I型の使い方・使用例"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年3月30日検索]、インターネット<URL: https://www.hakko.com/japan/tip_selection/type_i.html> 白光株式会社、"こて先選択ガイド S型の使い方・使用例"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年3月30日検索]、インターネット<URL: https://www.hakko.com/japan/tip_selection/type_s.html> 白光株式会社、"こて先選択ガイド B型の使い方・使用例"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年3月30日検索]、インターネット<URL: https://www.hakko.com/japan/tip_selection/type_b.html> 白光株式会社、"こて先選択ガイド BC/C型の使い方・使用例"、[online]、掲載年月日 不明、[2019年3月30日検索]、インターネット<URL: https://www.hakko.com/japan/tip_selection/type_bc_c.html>
解決しようとする課題は、手作業による半田ゴテを用いた小形部品の半田付けは初心者には難しい点であり、これを容易にする半田ゴテ用コテ先を得る事である。
本考案の半田ゴテ用コテ先は、半田付け対象に対して十分な熱容量を持ち、
半田付け対象との接触部分近傍の比較的狭い領域を、半田良着域と呼ぶ融解した半田が載り易い材質の領域にし、その周辺を半田不着域と呼ぶ半田が載り難い材質で囲んだ領域にする事により、半田良着域に載せた半田付け対象の半田付けに必要な量の半田が表面張力でドーム状に盛り上がる様にした事を主な特徴の一つとする。
本考案の半田ゴテ用コテ先を用いると、コテ先本体を直接パッドに接触させられない狭い領域の半田付けでも、コテ先を回転させて表面張力でドーム状に盛り上がった融解半田をパッドに押し付けて間接的にパッドを加熱する、という小さなコテ先の動きで、コテ先からパッドと部品の電極に半田が移行して半田付けがされるので、チップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の、半田量のコントロールが困難(難点1)、パッドの加熱が困難(難点2)、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題が全て解決し、チップ部品の様な小形部品が初心者でも容易に半田付けできる様になるという利点がある。
コテ先の実施例1の説明図である。 実施例1の半田融解部の詳細説明図である。 実施例1のコテ先による半田付けの様子の上面図である。 実施例1のコテ先の使用方法を断面図で示したものである。 コテ先の半田融解部に載った半田を側面から見た様子である 融解半田の最大量の算出方法の説明図である。 コテ先の実施例2の説明図である。 実施例2の半田融解部の詳細説明図である。 コテ先の実施例3の説明図である。 コテ先の実施例4の説明図である。 実施例4のコテ先による半田付けの様子の上面図である。 実施例4のコテ先の使用方法を断面図で示したものである。 コテ先の実施例5の説明図である。 チップ抵抗の半田付けの従来方法例1の説明図である。 チップ抵抗の半田付けの従来方法例2の説明図である。 チップ抵抗の半田付けの従来方法例3の説明図である。 チップ抵抗の適正半田量の最大値の算出方法の説明図である。 コテ先の実施例6の説明図である。 コテ先の実施例7の説明図である。
以下に本願実施の最良の形態を実施例で示す。
但し、以下で記述する実施例はあくまでも「例」であり、同等機能を実現する方法にはそれらから組み合わせの変更や応用、派生、類推される種々のバリエーションが容易に考えられるが、本願考案が示す原理に基づく限りはそれらは全て本願の範囲に含まれるものとする。
図1は本願請求項1のコテ先の実施例1の第三角法による説明図である。
なお、本実施例1はコテ先形状1を概略K型(ナイフ型)にしているので、請求項2の「半田ゴテ用コテ先の形状を、ナイフ型の概略K型とする」場合の実施例も兼ねる。
1はコテ先であり、一般的な半田ゴテのコテ先と同様に銅や鉄の丸棒を加工して製作する。
11は第1の平面、12は第2の平面であり、これらを互いに交差させるが、各々は必ずしも完全な平面である必要はなく緩やかな曲面でも良い。
13は第1の平面11とは第2の平面12が交差してできる交線であり、半田付け作業時に交線13上の何れかの点(図1ではコテ先の先端)がプリント基板上に接する事になる。
2、2Aは第1の面と第2の面の交線13上で半田付け作業時にプリント基板に接する点に接して設けた半田融解部であり詳細は後述する。
図2(a)は図1の半田融解部2、2Aの詳細説明である。
21は半田良着域であり、融解した半田が載り易い材質にしてあり、22は半田不着域であり、融解した半田が載り難い材質にしてある。
23は半田良着域21と等しい面積の円形に置き換えた場合の半田融解部等価円であり、本願の説明に用いる為の仮想的な円である。
半田融解部2、2Aは本願のポイントであり、図1の符号を用い、半田融解部に載った半田を側面から見た図5(a)を参照しながら以下に詳述する。
なお、ここでの説明は飽くまでも小形部品に必要な程度の少量の半田を対象とした場合に限る事を前提としている。大形部品に対応する場合の半田量の場合は重力の影響が大きくなるので、以下の説明に於ける融解半田の性質は必ずしも成り立たなくなる。
コテ先1を熱して半田融解部2、2Aの半田良着域21に半田を載せると半田は融解半田31になって広がろうとするが、半田不着域22によりそれ以上は広がらず、表面張力の働きにより半田良着域21の領域内でドーム状に盛り上がる。
半田良着域21の縦横比が1に近い様にしておけばその形状が三角形、四角形、多角形、楕円形、円形等様々でも、融解半田31との接触面は表面張力によりほぼ円形になる。
従って、ここではその接触面を半田良着域の面積と等価な仮想的な円形と考え、半径Rの半田良着域等価円23として扱うものとする。
半田の種類(構成成分、比重、粘度)、温度、半田良着域等価円23の重力方向に対する向きの違い、半田良着域等価円23の大きさ、融解半田31の真球度等に多少のバラツキはあるとしても、半田付けの実務の為の概算としては許容誤差範囲であるものとして、以下の説明ではそれらの違いは考慮しないものとする。
図5(a)に於いて融解半田31の量を順次増やすとその表面張力によるドーム状の盛り上がりも(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)の様に順次大きくなる。
(ウ)は半球状を示し、それ以上では球体の一部になり、(オ)はその最大の状態を示し、それを越えると半田は半田融解部から落下するか、半田供給源が糸半田であれば糸半田から半田良着域に半田が移行せず、糸半田に融解した半田の球体が出来る。(図示無し)
即ち、半田良着域に付着する融解半田31の量には上限があるという事である。
ドーム状の融解半田31の盛り上がり(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)に応じて半田量(体積)が変化するが、半田良着域の面積は狭いので、そこに載せる半田の量の調整は非常に容易になる事は大きな特徴であり、半田量のコントロールが困難(難点1)の問題が解消される。
図5(b)は半田良着域等価円23に載る融解半田31の量が最大になった場合を側面から見た図である。
ここでは、融解半田31は半径rの球体を、半径Rの半田良着域等価円23の平面でカットしたものとしているが、球体の中心と半田良着域等価円23の中心間の長さ、即ち球体の中心と半田良着域等価円23の距離は半径rの約2/3となる事が実測あるいは経験値として判明している。但し、前記した様に飽くまでも小形部品に必要な程度の少量の半田を対象とした場合に限る。
尚、半田融解部2の半田良着域と半田融解部2Aの半田良着域は交線13を挟んで接し、その間に半田不着域が入っていないが、第1の平面11と第2の平面12の成す角度が小さいので、各々に載せた融解半田31が反対側の半田良着域に回り込む事はない。
図6は図2(b)の融解半田31の体積Vを計算し、半田良着域等価円23の半径Rで示したものである。
一例として、Rを0.25[mm]とすると最大体積Vは約0.15[mm^3]であり、これは0〜約0.15[mm^3]の範囲で容易に半田良着域の半田量を調整できる事を示し、図17の1608サイズのチップ抵抗の適正な半田量の最大体積約0.036[mm^3]を範囲に含む。
実際にRを0.25[mm]としたコテ先を製作して1608サイズのチップ抵抗を半田付けし、良好な結果を得ている。
別の例として、半田良着域等価円23の半径Rを0.15[mm]とすると最大体積Vは約0.032[mm^3]になり、1608サイズより小さいサイズの部品に対する半田量の調整がし易くなる。
これを応用して、半田付け対象とするサイズを変えるべく半田良着域等価円23の半径を変えた複数の半田融解部を、第1の面と第2の面の交線13に沿って並べる事もできる。(図示無し)
図1のコテ先1の使用方法を、1608サイズのチップ抵抗を半田付けする場合で説明する。
図3はチップ抵抗4を上面から見たものであり、コテ先1の融解半田31が電極31の直ぐ横になる様にコテ先1をプリント基板上に置いた様子を示す。
A−A’を通る断面で見た様子を半田付け手順に沿って図4(a)〜(d)に示す。
(a)最初に、半田融解部2に必要量の融解半田31をドーム状に載せたコテ先1を、パッド51の上、又は加熱スペースが狭い場合はソルダーレジスト52の上に置く。(図4(a)ではソルダーレジスト52の上である。)
(b)融解半田31がパッド51に接触する迄、コテ先1のプリント基板5に接触する部分を支点としてコテ先を電極41側に回転させ、融解半田31がパッド51と電極41を加熱し、パッド51及び電極41に流れて移行するのを待つ。
(c)必要であれば仕上げとしてコテ先1全体を電極41側に移動させる事により融解半田31をパッド51と電極41に押し付けて加熱と半田移行を確実なものとし、半田を馴染ませる。
(d)確実な半田付けが確認されたらコテ先1を引き上げ、融解半田31が固まれば半田付けは完了する。
前記の手順によると、ソルダーレジスト52に囲まれていたり、あるいは加熱スペースが小さい為に直接コテ先1をパッド51に当てられない場合でも、表面張力でドーム状になった融解半田31を介して間接的にパッド51及び電極41を加熱できる事が判る。
さらに、本方法によると予備半田の必要も無くなるという利点も得られる。
即ち、以上はパッドの加熱が困難(難点2)の問題を解消している事が判る。
さらに、コテ先1は電極41側に少し回転、あるいは移動させるだけであり、パッド53等の周辺領域に向かっては全く動かす必要が無いので、周辺部品に半田が付着し易い(難点3)の問題も解決している。
又、コテ先1は特に細い物を必要とせず、一般的なサイズと同等のコテ先が使用できるので、コテ先の熱容量確保が困難(難点4)の問題も解消している。
以上から、実施例1によると前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の難点1〜4迄の全てを解消できる事になり、本願による半田ゴテを用いれば初心者でも容易にチップ部品の半田付けが出来る様になる事が判る。
第1の平面11の半田融解部2は右利きの作業者用であり、第2の平面12の半田融解部2Aは左利きの作業者用としたものであり、本願の目的の観点では、本来は何れか一方に設ければ良いものである。
第1の平面11と第2の平面12の半田融解部2,2A以外の部分の表面の材質は半田良着域と同じにするか、半田不着域と同じにするか、用途に応じて決定すれば良い。
半田良着域と同じにすれば、コテ先1は小形部品半田付け専用でなく、一般的な半田ゴテとしても使用可能になり、図1の場合は概略K型(ナイフ型)の半田ゴテとして使用できる。
但し、小形部品の半田付けを行なっている間は、半田融解部2、2A以外には半田が載っていない状態、いわば空焚きの状態になって表面が酸化する可能性が高く、一般的な半田ゴテとして使用する度に酸化物除去用ペーストでコテ先の酸化物を除去する必要性が生ずる。
半田不着域と同じにすればコテ先1は小形部品半田付け専用になるが、頻繁なコテ先の酸化物除去作業は不要になる。
半田良着域21と半田不着域22を作成する方法は、公知の半田ゴテの製造方法と同様である。
一例として、銅棒を図1の形状に加工し、全体に鉄メッキを施して半田良着域とし、半田良着域21として残す部分に半田メッキを施してから、半田不着域22にする領域にクロムメッキを施す方法がある。
あるいは特許文献26の、「表面にAl粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし該表面をAl濃度の高いCu−Al合金被覆層に表面改質する」様な方法を用いる事もできる。
半田不着域22の幅、特にその最小幅については、使用する半田、コテ先温度等の状況で変化するので、それぞれの条件に応じて決定すれば良いが、一般的には約0.5mm以上あれば十分な結果を得られる事を確認している。
手軽な方法として、概略K型の半田ゴテのコテ先に半田融解部2を設けるものとした場合、半田不着域22に該当する箇所をヤスリ掛けで0.5mm程度の幅で浅い溝を作り、その溝に油性マジックインクを塗る(充填する)だけで半田不着域22を作成する事ができる。(図示無し)
何れにしても、本願では半田良着域21と半田不着域22を作り込む方法は特に問わない。
即ち、半田良着域21と半田不着域22が得られればどの様な方法でも良く、多くの開示された技術の中から任意に選択すれば良い。
図2(b)は図2(a)の半田融解部2の形状を変更したもので、先端に丸みを付けたり、半田良着域21、半田不着域22を扇形、円弧又は楕円弧等の形状にしても良い事を示しており、何れも同じ機能、効果が得られる。
同様の方法でその他の形状のバリエーションも考えられるのであり、図1や図2の形状のみに限定されるものではない。
図7は本願請求項2のコテ先を概略C型とした場合の実施例2の第三角法による説明図である。
コテ先1は一般的な概略C型の半田ゴテのコテ先と同様に銅や鉄の円柱状の丸棒を斜めの平面でカットした物である。
11は概略楕円形の第1の平面であり、12は第2の曲面である。
各々は必ずしも完全な平面あるいは曲面である必要はなく緩やかな曲面でも良い。
13はそれらの交線であり、第1の平面11の概略楕円の周と等しい。
2は第1の面と第2の面の交線13上で半田付け作業時にプリント基板に接する点に接して設けた半田融解部である。
図8は半田融解部2の詳細説明図である。
図の各符号は実施例1と機能が同じ物については同じ符号を付している。
全体的に見ると実施例2のコテ先1、半田融解部2は実施例1のそれらと形状が若干異なるが機能、役目、使用方法は同等である。
従って、これらの詳細説明も実施例1と同じであるので割愛する。
図9は本願請求項2のコテ先を概略C型とした場合の実施例3の第三角法による説明図である。
実施例2と異なるのは半田融解部を2と2Aの2箇所にした点である。
これは実施例2の場合より半田ゴテの柄をプリント基板に対する高さの観点で小さく構える事ができる様にして使用勝手を良くしたものである。(図示無し)
半田融解部2は右利き用、半田融解部2Aは左利き用である。
図の各符号は実施例1と機能が同じ物については同じ符号を付している。
全体的に見ると実施例3のコテ先1、半田融解部2、2Aは実施例1の物と形状が若干異なるが機能、役目、使用方法は同等である。
従ってこれらの詳細説明も実施例1と同じであるので、割愛する。
図10は本願請求項2のコテ先を「概略C型とし、2個の半田融解部を、交線13となる斜めカット面である概略楕円の周に接し、概略楕円のコテ先先端を通る軸15を挟んだ対象位置に設け、その半田融解部間に溝を設けた」た場合の実施例4の第三角法による説明図である。
実施例3と異なるのは半田融解部2と半田融解部2Aの間に溝14を設けた点である。
溝14は、半田付け対象が小さい為に使用する半田量が少なく、半田融解部2、2A上での融解半田の盛り上がりが小さい場合には、コテ先1を電極側に回転させる角度を大きくする必要があり、その際に第1の平面が半田付け対象の部品に接触するのを防ぐ為に設けたものである。
尚、実施例4では溝14を半田不着域としているが、半田融解部2,2Aに半田不着域を含むのであれば溝14は半田良着域としても構わない。
使用方法を説明する為の図11は、チップ抵抗4を上面から見たものであり、コテ先1の融解半田31が電極41の直ぐ横になる様にコテ先1をプリント基板に置いた様子を示す。
A−A’を通る断面で見た様子を図12(a)、(b)に示す。
(a)最初に、半田融解部2に必要量の融解半田31をドーム状に載せたコテ先1を、パッド51の上、又は加熱スペースが狭い場合はソルダーレジスト52の上に置く。(図12(a)ではソルダーレジスト52の上である。)
(b)融解半田31がパッド51に接触する迄、コテ先1のプリント基板5に接触する部分を支点としてコテ先を電極41側に回転させ、融解半田31がパッド51と電極41を加熱しさらにパッド51及び電極41に融解半田31が移行するのを待つ。
この時、コテ先1の回転角度が大きくても溝14によりコテ先1がチップ抵抗4に触れない事が判る。
以降の手順は実施例1と同様であるので説明は割愛する。
前記使用方法の説明で判る様に、溝14の役目はコテ先1を回転させた際に半田付け対象であるチップ抵抗41にコテ先を接触させない様にするものである。
従って、溝14の形状は図10に示すものと同じ必要はなく、その機能を果たすものであればどの様な形状、作成方法でも良い。
例えば断面が図12の様なコの字状でなく、半円、楕円の様なものとしても良い。
図13は本願請求項2のコテ先をマイナスドライバ型の概略D型とした場合の実施例5の第三角法による説明図である。
コテ先1は一般的な概略D型の半田ゴテのコテ先と同様に銅や鉄の円柱状の丸棒を2つの平面で斜めにカットした物である。
11は概略楕円形の第1の平面であり、12は第2の平面である。
各々は必ずしも完全な平面である必要はなく緩やかな曲面でも良い。
13はそれらの交線である。
2、2Aは第1の面と第2の面の交線13に接して設けた半田融解部であり、半田融解部2は右利き用、半田融解部2Aは左利き用である。
図の各符号は実施例1と機能が同じ物については同じ符号を付している。
全体的に見ると実施例5のコテ先1、半田融解部2、2Aは実施例1の物と形状が若干異なるが機能、役目、使用方法は同等である。
従ってこれらの詳細説明も実施例1と同じであるので、割愛する。
図18は本願請求項1の実施例を第三角法で示した、実施例6の説明図である。
コテ先1は銅や鉄を円錐状に加工し、その先端に半田良着域等価円23(図示無し)相当の丸みを付け、円錐の頂点と中心線を通る平面で円錐の一部をカットした物である。
11は第1の平面(平面と曲面が連続したもの)で、前記の円錐の一部をカットした面であり、12は第2の曲面で、円錐の側面である。
各々は必ずしも完全な平面あるいは曲面である必要はなく、使用し易い様に適宜加工した曲面としても良い。
13は第1の平面11と第2の曲面12の交線であり、半田付け時には、その一部をプリント基板上に置いて、コテ先1を回転させる際の支点とする。
2は第1の面と第2の面の交線13に接して第1の平面11の円錐の頂点部に設けた半田融解部であり、半田良着域21でもある。
図18に示す様に半田良着域21の外周はその右端以外は第1の面と第2の面の交線13に等しく、半田不着域で囲む必要がないのでその分加工がし易くなる。
図18の各符号は実施例1と機能が同じ物については同じ符号を付している。
全体的に見ると実施例6のコテ先1、半田融解部2は実施例1の物と形状は異なるが機能、役目、使用方法は同等である。
従ってこれらの詳細説明も実施例1と同じであるので割愛する。
実施例6の利点は、1個の半田融解部13で左右の利き手に対応可能である事である。
さらに、半田融解部13が配置された第1の平面11は半田付け時に回転面となるが、これがコテ先の中心軸上にあるので、コテ先1の回転操作がし易い点である。
又、コテ先1の本体の成形加工も、半田良着域21の生成加工も比較的容易ある点も利点である。
図19は本願請求項1の実施例を第三角法で示した、実施例7の説明図である。
コテ先1は銅や鉄を円錐状に加工し、円錐の頂点付近を平面でカットした物である。
11は第1の平面で概略楕円であり、12は第2の曲面で、円錐の側面である。
各々は必ずしも完全な平面あるいは曲面である必要はなく、使用し易い様に適宜加工した曲面としても良い。
13は第1の平面11と第2の曲面12の交線であり、半田付け時には、その一部をプリント基板上に置いて、コテ先1を回転させる際の支点とする。
2は第1の平面上に設けた半田融解部であり、半田良着域21でもある。
図19に示す様に半田良着域21の外周は第1の面と第2の面の交線13に等しく、半田不着域で囲む必要がないのでその分加工がし易くなる。
図19の各符号は実施例1と機能が同じ物については同じ符号を付している。
全体的に見ると実施例7のコテ先1、半田融解部2は実施例1の物と形状は異なるが機能、役目、使用方法は同等である。
従ってこれらの詳細説明も実施例1と同じであるので割愛する。
実施例7の利点は、1個の半田融解部13で左右の利き手に対応可能である事である。
又、コテ先1の本体の成形加工も、半田良着域21の生成加工も比較的容易ある点も利点である。
図19は見かけ上は一般的なBCF形のコテ先(非特許文献9)に似ているが,概略楕円形の第1の平面11の目的が異なるので、その大きさが全く異なる。
即ち、一般的なBCF形のコテ先は、前記したチップ部品の半田ゴテを用いた手作業による半田付けにおける特有の難点1〜4については全く考慮したものでなく、本願によるコテ先とは対象も、技術思想も全く異なるものである。
本願の半田ゴテ用コテ先を用いる事により、半田ゴテを用いた手作業による小形部品の半田付けが初心者でも容易に行なえる様になる。
1 コテ先
11 第1の平面又は曲面
12 第2の平面又は曲面
13 第1の面と第2の面の交線
14 溝
15 概略楕円のコテ先先端を通る軸
2、2A 半田融解部
21 半田良着域
22 半田不着域
23 半田良着域等価円
3 糸半田
31 融解半田
32 はみ出し半田
4 チップ抵抗
41、41A 電極
5 プリント基板
51、51A パッド
52 ソルダーレジスト
53 隣接パッド

Claims (2)

  1. 半田付け対象に必要な量の融解半田を載せた際に、
    前記融解半田が表面張力でドーム状に盛り上がる様に、融解半田の体積に対して相対的に面積を小さくした半田良着域のみで成る領域を半田融解部とするか、
    又は、前記半田良着域を半田不着域で囲む事により成る領域を半田融解部とし、
    半田付け作業においてコテ先がプリント基板に接する点に接して前記何れかの半田融解部を、少なくとも一個以上設けた事を特徴とする半田ゴテ用コテ先。
  2. 請求項1の半田ゴテ用コテ先の形状を、
    ナイフ型の概略K型とするか、
    又は円柱又は円錐形材料を斜め平面でカットした概略C型とするか、
    又は前記概略C型であり、少なくとも2個の半田融解部を、
    斜めカット面である概略楕円の周に接し、概略楕円のコテ先先端を通る軸を挟んで互いに対象位置に設け、その半田融解部間に溝を設けたものにするか、
    又はマイナスドライバ型の概略D型とするか、
    の何れかとした事を特徴とする半田ゴテ用コテ先。
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CN114406389A (zh) * 2022-02-25 2022-04-29 中航电测仪器股份有限公司 一种电阻应变计小尺寸焊盘挂锡方法

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