JP3222054U - 歯車加工物の研削加工のための装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車加工物の研削加工のための装置を提供する。
【解決手段】装置10であって、−歯車加工物Wを収容するための加工物スピンドル11であって、歯車加工物は加工物回転軸Bを中心に回転駆動可能であり、−第1の工具13を収容するための第1の工具スピンドル12を含み、第1の工具は第1の工具回転軸C1を中心に回転駆動可能であり、および、−複数のNC制御可能軸A、X、Y1、Z1であって、NC制御可能軸は、第1の工具を使用して歯車加工物の歯面を機械加工できるように、第1の工具を歯車加工物に対して運動させるように設計されており、−第2の工具15を収容するための第2の工具スピンドル14であって、第2の工具は、第2の工具回転軸C2を中心に回転駆動可能であり、−リニアキャリッジ16を含み、リニアキャリッジは第2の工具スピンドルを支持し、歯車加工物に対してリニアガイド17に沿ってリニアキャリッジを直線的に変位させることができるようにNC制御可能リニアドライブ21を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯車加工物の研削加工のための装置に関する。特に、本発明は、歯車加工物の研削を生成するように設計されている装置に関する。
歯車加工物の歯車加工方法および既に以前に歯車加工された歯車加工物の(仕上げ)加工方法は様々である。古典的な歯車、例えば平歯車またははすば歯車、さらに他の歯車タイプの加工物、例えばサイクロイド歯車の要素または構成要素は、本明細書では歯車加工物と呼ばれる。
図1は、歯車加工物Wの研削を生成するように設計された従来技術の装置10(ここではNC制御歯車加工機の形態)の一部の斜視図を示している。一例として示されている装置10は、(以前に歯車加工された)歯車加工物Wを収容/チャックするための加工物スピンドル11を含み、歯車加工物Wは収容状態で加工物回転軸Bを中心に回転駆動可能である。さらに、装置は、工具13を収容するための工具スピンドル12を含み、工具13は収容状態で工具回転軸C1を中心に回転駆動可能である。さらに、複数のNC制御可能軸A、X、Y1、Z1があり、これらは、歯車加工物Wの歯面を工具13を使用して機械加工することができるように、歯車加工物Wに対して工具13を収容/チャック状態で運動させる目的で設計されている。
歯車切削歯車加工物に穿孔または他の機能面を設ける必要があるという問題がますます頻繁に生じる。これらの穿孔および他の機能面は、歯車の歯に対して、または互いに対して正確に特定された位置を持たなければならないことがある。位置精度に関するそのような要求により、例えば、2つの歯車がプラグ接続によって互いに接続されるべき状況、またはサイクロイド歯車装置の要素または構成要素が、互いに対して偏心回転運動を実行することができるような方法で駆動軸に接続されるべき状況が生じる。
本発明の目的は、穿孔および/または他の機能面を歯車加工物上に高い効率および精度で機械加工することを可能にする装置(または歯車加工機のそれぞれ)を提供することである。
この目的は請求項1に記載の装置によって達成される。
本発明による装置は以下を含む。
−(以前に歯車加工された)歯車加工物を収容/チャックするための加工物スピンドルであって、歯車加工物は収容状態で加工物回転軸を中心に回転駆動可能であり、
−第1の(研削)工具を収容するための第1の工具スピンドルであって、第1の(研削)工具は収容状態で第1の工具回転軸を中心に回転駆動可能であり、
−第1の(研削)工具を使用して歯車加工物の歯面を機械加工できるように、収容/チャック状態の第1の(研削)工具を収容/チャック状態の歯車加工物に対して運動させるように設計された複数のNC制御可能軸。
この装置は、以下をさらに含むという点で区別される。
−第2の(研削)工具を収容/チャックするための第2の工具スピンドルであって、第2の(研削)工具は収容/チャック状態で第2の工具回転軸を中心に回転駆動可能であり、
−リニアキャリッジであって、リニアキャリッジは第2の工具スピンドルを支持し、収容/チャック状態の歯車加工物に対してリニアガイドに沿ってリニアキャリッジを直線的に変位させることができるようにNC制御可能リニアドライブを備える。
実施形態の少なくとも一部では、装置は、ベベル歯車加工物の歯面の研削加工用、および歯車加工物の端面の領域に配置された穿孔の壁および/または機能面の研削(微細)加工用に設計されている。
実施形態の少なくとも一部では、装置は歯車加工物の研削を生成するように設計され、少なくとも5つのNC制御可能軸を含み、それらは歯車加工物に対して第1の(研削)工具を運動させるように設計され、第1の(研削)工具としてウォーム砥石車を使用する。
実施形態の少なくとも一部において、第1の工具スピンドルは3つの直線軸と1つの旋回軸とに関連付けられ、第2の工具スピンドルはNC制御可能リニアドライブ、第2の工具回転軸、および追加の直線軸に関連付けられる。
実施形態の少なくとも一部において、装置は少なくとも以下を含む。
−歯車加工物を回転駆動することができるようにするための1つの第1の加工物回転軸、
−第1の(研削)工具を回転駆動することができるようにするための第1の工具回転軸、
−第2の(研削)工具を回転駆動することができるようにするための第2の工具回転軸、
−第1の(研削)工具の歯車加工物に対する加工物回転軸と平行な直線運動を可能にする第1のNC制御可能軸、
−第2の(研削)工具の歯車加工物に対する加工物回転軸と平行な直線運動を可能にする第2のNC制御可能軸、
−第2の(研削)工具の歯車加工物に対する加工物回転軸と平行な直線運動を可能にする第3のNC制御可能軸であって、この第3のNC制御可能軸は、好ましくはNC制御可能リニアドライブを含む。
実施形態の少なくとも一部において、装置は以下を含む。
−直交座標系のy軸に平行な第1の工具の運動と同y軸に平行な第2の工具の運動とを可能にする2つの独立して制御可能な直線軸、
−直交座標系のz軸に平行な第1の工具の運動と同z軸に平行な第2の工具の運動とを可能にする2つの独立して制御可能な直線軸であって、第2の工具に関連付けられている直線軸は、NC制御可能リニアドライブによって運動可能である。
穿孔の壁および他の機能面を微細加工することができるようにするために、第2の工具として砥石車、円筒状研削体、または円錐台形状の研削体が使用され、この工具は軸を介して第2の工具回転軸を中心に回転駆動可能である。
実施形態の少なくとも一部において、装置は、好ましくはNC制御装置を備えるか、またはNC制御装置に接続可能であり、このNC制御装置は装置の軸の運動を非常に正確に実行するように設計されている。
実施形態の少なくとも一部において、歯車加工物の端面の領域に配置されている孔の壁、穿孔、および凹部の研削加工を可能にするために、加工物の回転軸を中心とした歯車加工物と第2の工具のNC制御可能リニアドライブとの連動した運動を実行するように設計されたNC制御装置が使用される。
本発明の装置の利点は、歯車加工物の歯面の機械加工と穿孔の壁および機能面の研削(微細)加工との両方が歯車加工物の1回のチャッキングで行われることである。すなわち、歯車加工物を再びチャックする必要はない。
さらなる詳細は、以下に記載される様々な実施形態から推測することができる。
歯車加工物の研削を生成するように設計された従来技術の装置(ここではNC制御歯車加工機の形態)の一部の斜視図を示す。 歯車加工物の研削を生成するように、ならびに歯車加工物の穿孔および他の機能面を研削するように設計された装置(ここではNC制御歯車加工機の形態)の一部の斜視図を示す。 本発明によって機械加工された、上端面の領域に2つの横方向の穿孔と1つの中央の穿孔とを有する歯車加工物の斜視図を示す。 歯車加工物の穿孔および他の機能面を研削するための研削装置を備える装置の一部の斜視図を示す。 歯車加工物の内側に配置された穿孔の拡大平面図を示す。
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して以下により詳細に説明される。
関連刊行物および特許においても使用されている用語は、本明細書と共に使用される。しかしながら、これらの用語の使用は単により良い理解のために役立つものであることに留意されたい。本発明の概念および特許請求の範囲の保護範囲は、解釈において用語の特定の選択によって制限されるべきではない。本発明は、他の用語のシステムおよび/または技術分野に容易に移すことができる。用語は他の技術分野でも同様に適用される。
円形の横断面を有する孔は、たとえドリルを用いて穿孔されていなくても、本明細書では穿孔と呼ばれる。穿孔は他の方法で、例えばフライス加工、レーザ加工、高圧ウォータージェット加工、またはキャスティング法によっても製造することができる。
軸はここではNC制御可能軸と呼ばれ、その運動はNC制御装置Sによって制御可能に監視される(図2参照)。この目的のために、NC制御可能軸は、例えば、この軸に関連する駆動装置と、軸の実際の位置を検出しそれを目標位置と比較するための少なくとも1つのセンサまたは監視手段(例えば角度デコーダ)とを備える。NC制御装置Sは、実際の目標比較によってNC制御可能軸の駆動を制御することができ、それによって適切な運動が実行される。
実施形態の少なくとも一部は、歯車加工物Wの5軸研削加工を可能にするために少なくとも5つのNC制御可能軸を備える装置または歯車加工機10それぞれに関する。
実施形態の少なくとも一部は、歯車加工物Wの歯面を研削するために特に設計された装置または歯車加工機10それぞれに関する。この場合、第1の工具13として研削工具が用いられる。
実施形態の少なくとも一部は、歯車加工物Wの歯面の研削を生成するために特に設計された装置または歯車加工機10それぞれに関する。この場合、図2に示すように、研削の生成は、プロファイル研削砥石を用いた歯車加工物Wのプロファイル研削、および/またはウォーム研削砥石13を用いた歯車加工物Wの連続研削生成を含む。歯車加工物Wの研削を生成するために設計された歯車加工機10では、少なくとも6つのNC制御可能軸が使用される。
装置または歯車加工機10は、好ましくは、プロファイル研削砥石またはウォーム研削砥石13を正確にドレッシングできるように配置および設計されたドレッシング装置30(図2参照)をそれぞれ備える。
図2は、特に研削を生成するために設計された、ここでは歯車加工機の形態の装置10の一部の斜視図を示している。この装置10は、本発明によって装備されており、歯車加工物Wを収容(チャック)するための加工物スピンドル11を備える。歯車加工物Wをチャックすることを可能にするチャッキング手段11.1は、例として図2に示されている。そのようなチャッキング手段11.1を実施するための多数の可能性があるので、ここでは1つの可能な変形例だけが示されている。加工物スピンドル11は、歯車加工物Wが収容/チャック状態で加工物回転軸Bを中心に回転駆動可能であるように設計されている。この目的のために、図2には示されていないが、回転駆動装置が加工物スピンドル11に関連付けられている。以下に説明するように、第2の研削工具15の精密に制御された運動と関連して、歯車加工物Wの1つの精密に制御された回転能力が重要であるので、この回転駆動または加工物回転軸Bは、それぞれ好ましくはNC制御軸である。
加工物回転軸Bは、実施形態の少なくとも一部において空間的に垂直である(図2に示すように、加工物回転軸Bは、ここでは直交x−y−z座標系のy軸と平行に延びている)。
装置10はさらに、(ここでは研削を生成するのに適したウォーム研削砥石の形態の)第1の(研削)工具13を収容/チャックするように設計された第1の工具スピンドル12を備える。第1の工具スピンドル12は、第1の(研削)工具13が収容/チャック状態で第1の工具回転軸C1を中心に回転駆動可能であるように設計されている。この目的のために、図2には示されていないが、回転駆動装置が工具スピンドル12に関連付けられている。この回転駆動または第1の工具回転軸C1はそれぞれ、NC制御可能軸であり得る。第1の工具回転軸C1は、図示の瞬間に水平に延びるが、その歯のピッチに従ってウォーム研削砥石の傾斜を歯車加工物Wの歯面の位置に適合させることができるように旋回軸Aを中心にして旋回することもできる。図2では、旋回軸Aのみが示されている。旋回軸は、x−y−z座標系のx軸と平行に延びる。
上述の軸B、C1、およびAに加えて、装置10はさらなるNC制御可能軸を備える。図2の例示的な実施形態では、これらは3つの直線軸X、Y1、およびZ1である。大文字のX、Y、Zは、これらの軸が小文字で示される直交x−y−z座標系の対応する軸と平行に延びることを示すために使用される。
NC制御可能軸の他の配置も可能である。NC制御可能軸の配置は、第1の工具13を用いて歯車加工物Wの歯面を研削加工することができるように、第1の工具13が収容/チャック状態の歯車加工物Wに対して収容/チャック状態で動くことができるように選択されることが重要である。
動作シーケンスの調整および動作の結合は、例えば通信接続I1を介して装置10の駆動装置、センサおよび制御手段に接続され得るNC制御装置Sによって行われる。NC制御装置Sは、全ての実施形態において装置10の構成要素とすることができるが、装置10と通信するために接続可能な外部コントローラとして設計することもできる。
図2に見られるように、歯車加工物Wは、その上端面3に3つの外側穿孔1(加工物回転軸Bに対して径方向距離を有する)と、1つの中央穿孔2とを備える。図示の例では、これらは円筒形の穿孔であり、その中心穿孔軸(図3も参照)はy軸と平行に延びている。
さらなる態様を、他の歯車加工物Wの詳細を示す図3に基づいて説明する。歯車加工物Wの上端面3を図3に見ることができる。上端面3は、座標系のx−z面と平行に延びる平面内にある。1つの中央穿孔2および2つの追加の外側穿孔1が図3の例に示されている。y軸に平行に延びる中央穿孔軸は、参照符号YAおよびYBによって識別される。穿孔軸YAおよびYBは、ここでは、穿孔1、2の壁も加工物回転軸Bと平行に延びていることを示すために示されている。
特定の範囲内で、本発明の装置10を使用して、端面3の平面に対してわずかに傾斜して延びる穿孔1の壁および他の機能面を機械加工することも可能である。この場合、比較的薄い(y軸に平行に観察される)第2の研削工具15として研削砥石を使用するか、または円錐台形状の研削体を使用することが好ましく、この研削体は、歯車加工物Wの材料が摩耗され得るように、少なくとも最大直径d2の領域が被覆されている。
全ての実施形態において、第2の研削工具15は、CBN砥粒(CBNは立方晶窒化ホウ素を表す)を用いて被覆され得る。
このような穿孔1、2および他の機能面を歯車加工物Wの上端面3の領域に精密に機械加工することができるようにするために、本発明は、ここでは第2の(研削)工具15と呼ばれる回転駆動研削工具を用いた経路制御研削加工に基づいている。図2および図3によると、工具15は、穿孔1、2の壁および他の機能面を機械加工するためにそれらを貫通することができなければならないので、そのような第2の工具15のために利用可能なスペースはごくわずかであることが分かる。
図2に示すように、装置10は、上述の要素に加えて、第2の(研削)工具15を収容/チャックするための第2の工具スピンドル14を備える。第2の(研削)工具15を有する第2の工具スピンドル14が装置10に設けられているので、歯車加工物Wを再びチャックする必要なしに、穿孔1、2および他の機能面を高精度で機械加工することができる。歯車加工物Wの再チャックが省略されるので、穿孔1、2および他の機能面の研削加工は、それらが以前に加工された歯面に対して正確に特定された位置に配置されるように研削によって行われ得る。さらに、例えば、中央穿孔2に対する穿孔1の位置精度を保証することができる。すなわち、相対位置精度を装置10の特別な装置によって保証することができる。
第2の工具スピンドル14は、第2の(研削)工具15が収容/チャック状態で第2の工具回転軸C2を中心に回転駆動可能であるように設計されている。この目的のために、図2には示されていないが、回転駆動装置が工具スピンドル14に関連付けられている。この回転駆動または第2の工具回転軸C2は、それぞれNC制御可能に設計することができるが、そうである必要はない。孔/穿孔の壁および他の凹部の研削加工のためには、十分に高い速度(例えば、少なくとも25,000RPM)を保証する回転駆動でたいてい十分である。
穿孔1、2の壁および他の機能面を高精度に研削できるようにするために、相対運動シーケンスの経路制御装置が使用される。3次元空間内での対応する相対運動を可能にするために、装置10は、実施形態の少なくとも一部において、ここではY2軸およびZ2軸と呼ばれる2つの直線軸を備える。さらに、第2の工具回転軸C2は、上述のNC制御または非NC制御の回転駆動を有する。
3次元空間内の対応する相対運動は、NC制御装置Sによって監視および制御され、第2の(研削)工具15が工具回転軸C2を中心に高速で回転する間、少なくともZ2軸は直線的に駆動され、加工物回転軸Bが回転駆動される。Z2軸の直線運動と加工物回転軸Bを中心とする歯車加工物Wの回転運動との重ね合わせから、穿孔1、2の壁および他の機能面を、その全ての領域において高精度に研削することができる。y軸に平行な深さ送りが必要な場合は、Y2軸も使用される。
図2に示す特定の軸配置では、y軸に平行に延びるY2軸の直線運動が、第2の(研削)工具15の深さ送りに使用される。z軸に平行に延びるZ2軸の直線運動は、加工物回転軸Bを中心とする歯車加工物Wの回転運動と連動して、壁の全領域の機械加工を可能にする。
加工物回転軸Bを中心とする歯車加工物Wの回転運動とZ2軸の直線運動との連動を、図5に関連して穿孔1の拡大図およびいくつかの幾何学的仕様に基づいて説明する。穿孔1は、x−z平面内に円形の断面を有し、加工物回転軸Bから径方向の間隔を有する(ここでは径方向の間隔は距離B−YAによって定義される)。穿孔1の断面の円の中心点は、ここでは、加工物回転軸Bと平行に延びる穿孔軸YAによって定義される。幾何学的関係をより明確に示すことができるように、非常に小さい直径d2を有する研削工具15の円形断面を図5に示す。さらに、歯車加工物Wの中心点は、図5では加工物回転軸Bの通過点として小さな黒い点で示されている。
図5に概略的にかつ例として示されている運動M1およびM2は、連続的にまたは同時に実行することができる。
孔1の壁の点Xに向かって運動し、研削工具15を使用してそれを研削することができるようにするために(ここではx−z平面における2次元観察が想定される)、図示の例では、2つの運動M1およびM2が実行され、図示の例では、穿孔1の中心点における研削工具15の開始位置が仮定されている。中心点から進行するz軸に沿って研削工具15を変位させるために直線運動M1が実行される。この直線運動M1は、Z2軸の制御によって発生する。研削工具は、Z2軸の運動およびY2軸に平行な深さ送りしか実行できないので、研削工具15を壁の方向に旋回させることは不可能である。したがって、図2の装置10では、歯車加工物Wは、いくらかB軸(加工物回転軸B)を中心に時計回りに旋回する。歯車加工物Wのこの旋回は、図5において湾曲した矢印M2によって示されている。湾曲した矢印M2の曲率は、距離B−Xから生じる半径によって決まる。
装置10は穿孔1の壁の任意の点(例えば図5に示す点X)に、連動した、すなわち互いに適合された運動によってピンポイント精度で接近することができる。図示の例では、研削工具15は時計回りに回転駆動される。図5に参照符号ω2で示されているこの回転運動は、C2軸の周りで起きる。
実施形態の少なくとも一部において、装置10は、第2の工具スピンドル14を支持し、かつNC制御可能リニアドライブ21を含むリニアキャリッジ16を備える。このリニアキャリッジ16は、収容/チャック状態の歯車加工物Wに対して、2つのリニアガイド17(ここではz軸に平行に延びる)に沿って直線的に変位可能である。NC制御可能リニアドライブ21を有するリニアキャリッジ16の使用により、第2の(研削)工具15は、認識可能なヒステリシスなしに、高精度でz軸に平行に運動することができる。
実施形態の少なくとも一部で使用することができる研削装置20の実施形態の詳細を、図4の斜視図に示す。研削装置20は、既に述べたように、リニアガイド17に沿って変位可能であるように取り付けられたリニアキャリッジ16を備える。リニアガイド17は、装置10の垂直板22に固定されたレールの形態で示されている。垂直板22は、対応して設計された実施形態では、y軸に平行に任意に直線的に変位させることができる(対応する軸はY2軸として既に以前に識別され説明されている)。レールを囲むキャリッジ要素24は、リニアキャリッジ16上に対をなして設けられている。リニアドライブ21を作動させることにより、リニアキャリッジ16をz軸に平行に直線的に運動させることができる。リニアドライブ21の詳細は、固定レールとキャリッジ要素24との領域に一体化されているので、図4では認識できない。
リニアキャリッジ16には、第2の工具スピンドル14の円筒形ハウジング19を取り囲むマウント23が設けられている。工具スピンドル14はここでは軸18を有し、これは、研削装置20が穿孔1、2のうちの1つに可能な限り深く突入することを可能にする。第2の(研削)工具15は、第2の工具回転軸C2を中心にして軸18と一緒に回転駆動されるように軸18の下端にチャックされている。研削装置20の相対的な深さ送りは、装置10のY2軸の作動によって可能になる(図2を参照)。相対的な水平方向の運動は、それぞれ装置10または研削装置20のZ2軸の制御によって可能になる(図2および図4を参照)。
図4には、円筒状研削体15が(研削)工具として示されている。この研削体15の直径d2は、研削砥石15が問題なく穿孔1、2内に突入できるように選択される。工具回転軸C2を中心とした研削砥石15の急速な回転運動による十分に大きな切削速度が研削対象の壁に生じるときに歯車加工物Wの材料が磨耗するように、研削体15が被覆されている。
(研削)工具15に穿孔の内部または他の機能面の領域において対応する運動の自由度を与えるために、直径d2は、研削予定の穿孔1、2の直径の最大80%であるように選択される。
図4に示されているものとは対照的に、研削装置20は、中空円筒内に配置された駆動軸を有することもできる。このような実施形態では、(研削)工具15を含む駆動軸は回転駆動されるが、中空円筒は回転しない。
1 穿孔
2 中央穿孔
3 端面
10 装置/歯車加工機
11 加工物スピンドル
11.1 チャッキング手段
12 第1の工具スピンドル
13 第1の工具/ウォーム研削砥石
14 第2の工具スピンドル
15 第2の(研削)工具/(円筒状)研削体
16 リニアキャリッジ
17 リニアガイド
18 軸
19 ハウジング
20 研削装置
21 リニアドライブ
22 垂直板
23 マウント
24 キャリッジ要素
30 ドレッシング装置
A 旋回軸
B 加工物回転軸
C1 第1の工具回転軸
C2 第2の工具回転軸
d2 直径
I1 通信接続
M1,M2 運動
S NC制御装置
W 歯車加工物
ω2 工具14の回転
X 直線軸
Y1 直線軸
Y2 直線軸
YA,YB 穿孔軸
Z1 直線軸
Z2 直線軸
x,y,z 座標系

Claims (9)

  1. 装置(10)であって、
    −歯車加工物(W)を収容するための加工物スピンドル(11)であって、前記歯車加工物(W)は収容状態で加工物回転軸(B)を中心に回転駆動可能であり、
    −第1の工具(13)を収容するための第1の工具スピンドル(12)であって、前記第1の工具(13)は収容状態で第1の工具回転軸(C1)を中心に回転駆動可能であり、および、
    −複数のNC制御可能軸(A、X、Y1、Z1)を含み、NC制御可能軸は、前記第1の工具(13)を使用して前記歯車加工物(W)の歯面を機械加工できるように、収容状態の前記第1の工具(13)を収容状態の前記歯車加工物(W)に対して運動させるように設計されており、
    前記装置(10)は、
    −第2の工具(15)を収容するための第2の工具スピンドル(14)であって、前記第2の工具(15)は、収容状態で第2の工具回転軸(C2)を中心に回転駆動可能であり、
    −リニアキャリッジ(16)をさらに含むことを特徴とし、リニアキャリッジ(16)は前記第2の工具スピンドル(14)を支持し、収容状態の前記歯車加工物(W)に対してリニアガイド(17)に沿って前記リニアキャリッジ(16)を直線的に変位させることができるようにNC制御可能リニアドライブ(21)を備える。
  2. 前記歯車加工物(W)の前記歯面の研削加工用、および前記歯車加工物(W)の端面(3)の領域に配置された穿孔(1、2)の壁および機能面の研削加工用に設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(10)。
  3. 前記歯車加工物(W)の研削を生成するように特に設計され、少なくとも6つのNC制御可能軸(A、B、C1、X、Y1、Z1)を含み、NC制御可能軸は前記歯車加工物(W)に対して前記第1の工具(13)を運動させるように設計され、前記第1の工具(13)としてウォーム研削砥石が使用されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(10)。
  4. −前記第1の工具スピンドル(12)は3つの直線軸(X、Y1、Z1)と1つの旋回軸(A)とに関連付けられ、
    −前記第2の工具スピンドル(14)は、前記NC制御可能リニアドライブ(21)、前記第2の工具回転軸(C2)、および追加の直線軸(Y2)に関連付けられていることを特徴とする、
    請求項1、2、または3に記載の装置(10)。
  5. −直交座標系のy軸に平行な前記第1の工具(13)の運動と、y軸に平行な前記第2の工具(15)の運動とを可能にする2つの独立して作動可能な直線軸(Y1、Y2)と、
    −前記座標系のz軸に平行な前記第1の工具(13)の運動と、z軸に平行な前記第2の工具(15)の運動とを可能にする2つの独立して作動可能な直線軸(Z1、Z2)とを含み、前記第2の工具(15)と関連する前記直線軸(Z2)は、前記NC制御可能リニアドライブ(21)によって運動可能であることを特徴とする、
    請求項1、2、または3に記載の装置(10)。
  6. −前記複数のNC制御可能軸のうちの1つ(Y1)は、前記加工物回転軸(B)と平行に前記第1の工具(13)を運動させるように設計されており、
    −前記複数のNC制御可能軸のうちの1つ(Y2)は、前記加工物回転軸(B)に平行な前記第2の工具(15)の直線運動を実行するように設計されており、
    −前記リニアキャリッジ(16)は、前記加工物回転軸(B)に垂直な前記第2の工具(15)の直線運動(Z2)を実行するように設計されていることを特徴とする、
    請求項1、2、または3に記載の装置(10)。
  7. 前記第2の工具(15)として、砥石車、円筒状研削体、または円錐台形状の研削体が使用され、前記第2の工具(15)は、軸(18)を介して前記第2の工具回転軸(C2)を中心に回転駆動可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(10)。
  8. NC制御装置(S)を備えるか、またはNC制御装置(S)に接続可能であり、前記NC制御装置(S)は前記装置(10)の前記軸(A、B、X、Y1、Y2、Z1、Z2)の運動を実行するように設計されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(10)。
  9. 前記歯車加工物(W)の端面(3)の前記領域に配置されている穿孔(1、2)の壁および機能面の研削加工を可能にするために、前記NC制御装置(S)は、前記加工物回転軸(B)を中心とした前記歯車加工物(W)と前記第2の工具(15)の前記NC制御可能リニアドライブ(21)との連動運動を実行するように設計されていることを特徴とする、請求項8に記載の装置(10)。
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