JP3221279U - 制御装置箱の底カバー取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御装置箱のコスト低減と共に、取付及び取外作業の安全性を高めて作業効率の向上を図る制御装置箱の底カバー取付構造を提供する。【解決手段】制御装置箱の底板の点検口を下方より覆う矩形板状の本体11、本体11の一組の対辺側の端部11aの夫々に、間隔を存して配置されて、一組の対辺の対向方向と反対方向に突出する、ボルト挿入穴が開設された複数の取付片4、及び隣り合う2つの取付片4間に配置され、取付片4と同方向に本体11から突出する複数の爪片5を備える底カバー1と、一組の対辺側の部分21の夫々に、間隔を存してボルト穴が開設されると共に、隣り合う2つのボルト穴間に配置されて、一組の対辺の長手方向の一端とこの一端に直交し、一組の対辺の対向方向と反対方向の一端とが開放された中空箱形の複数の脱落防止ブロック3が設けられた、点検口の周縁部に取り付けられる底カバー取付枠2とを備える。【選択図】図4
Description
本考案は、鉄道車両の床下に吊設される制御装置箱の底板に開設された矩形の点検口をその下方から覆う底カバーを底板に取り付ける制御装置箱の底カバー取付構造に関する。
制御装置箱は、鉄道車両の運転制御に用いられる、例えば、半導体素子、トランス、コンデンサ、抵抗等の電子部品を収納して鉄道車両の床下に吊設される。点検時には、制御装置箱の底板に開設した矩形の点検口を開け、この点検口を通じて内部に作業者がアクセスできるように、点検口は着脱自在とした底カバーによって覆われる。
従来、この種の制御装置箱として、底板の点検口周縁部に取り付けられる矩形の底カバー取付枠と、この底カバー取付枠に着脱自在に取り付けられる、点検口を覆う底カバーとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものでは、底カバー取付枠の一組の対辺側の端部一方にヒンジが設けられ、このヒンジを介して底カバー取付枠が制御装置箱の底板に揺動自在に取り付けられる。また、底カバー取付枠の上記一組の対辺側の端部他方に舌片が設けられ、この舌片を介して底カバー取付枠が制御装置箱の底板に締結される。
然しながら、底カバー及び底カバー取付枠の合計重量は比較的重く、これを揺動自在に軸支するヒンジに加わる負荷が大きいことから、ヒンジには比較的強度の高いものや大型のもの等が用いられる。また、点検口を開ける際に底カバー取付枠が急に下方に回動しないようにダンパーが設けられる。このため、制御装置箱が高コストなものになっているのが現状である。そこで、ヒンジを設けずに底カバー取付枠をボルトのみによって着脱自在に取り付けることが考えられるが、この場合、点検時に点検口を開放するためにボルトを外していくと、底カバー取付枠がその自重により突然脱落する危険があるので、取外作業を慎重に行う必要がある。これは、点検後等の取付時にも共通する問題である。
本考案は、以上の点に鑑み、制御装置箱のコスト低減と共に、取付及び取外作業の安全性を高めて作業効率の向上を図ることができる制御装置箱の底カバー取付構造を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本考案は、鉄道車両の床下に吊設される制御装置箱の底板に開設された矩形の点検口をその下方から覆う底カバーを底板に取り付ける制御装置箱の底カバー取付構造であって、底板の点検口周縁部に取り付けられる矩形の底カバー取付枠と、この底カバー取付枠に着脱自在に取り付けられる、点検口を覆う底カバーとを備えたものにおいて、底カバー取付枠には、一組の対辺側の部分の夫々に、複数のボルト穴が間隔を存して開設されると共に、隣り合う2つのボルト穴間に配置されて、一組の対辺の長手方向の一端とこの一端に直交し、一組の対辺の対向方向と反対方向の一端とが開放された中空箱形の複数の脱落防止ブロックが設けられ、底カバーは、点検口を覆う矩形板状の本体と、この本体の一組の対辺側の端部の夫々に、間隔を存して配置されて、一組の対辺の対向方向と反対方向に突出する、ボルト挿入穴が開設された複数の取付片と、隣り合う2つの取付片間に配置され、取付片と同方向に本体から突出する複数の爪片とを備え、点検口の閉時に、底カバーの各爪片が、底カバー取付枠の各脱落防止ブロックの内部下面上に載置されて、底カバーが、締結されていない状態で底カバー取付枠に保持されると共に、底カバーの取付片の各ボルト挿入穴と底カバー取付枠の各ボルト穴とが一致することを特徴とする。
本考案によれば、制御装置箱の点検口の閉時に、底カバーが備える複数の爪片の各一つが、底カバー取付枠に設けられた、一組の対辺の長手方向の一端とこの一端に直交し、一組の対辺の対向方向と反対方向の一端とが開放された中空箱形の複数の脱落防止ブロックの各一つの内部の下面上に載置されて、底カバーが、締結されていない状態で底カバー取付枠に保持されるため、点検口を開放する際に、底カバー取付枠への底カバーの締結を解除しても底カバーは脱落することがない。また、制御装置箱の点検口の閉時には、底カバーの取付片の各ボルト挿入穴と底カバー取付枠の各ボルト穴とが一致するため、ボルト挿入穴を通じてボルト穴にボルトを螺入でき、底カバーを底カバー取付枠に締結できる。従って、底カバーの底カバー取付枠からの脱落の危険がなく、底カバーを補助的に支持しなくとも底カバーを底カバー取付枠に安全に取り付け、取り外すことができる。従って、底カバーの取付及び取外作業の安全性が高められ、作業効率の向上が図られる。また、点検口の開閉は、上記の如くの底カバー取付枠と底カバーとのみによって実現されるため、制御装置箱のコスト低減が図られる。
図1を参照して、本考案の制御装置箱の底カバー取付構造の一実施形態を説明する。尚、以下の説明における上下左右とは図1での図示に従うものであり、図2(a)、図3及び図4では図面の表が下に相当し、裏が上に相当する。
制御装置箱Aは、鉄道車両の制御装置であるVVVF装置B用のものであり、図外の鉄道車両の床下に吊設される。制御装置箱Aの上端部の複数箇所には、制御装置箱Aの上面上方に突出する断面U字形の吊下具Cが固定され、吊下具Cの上面部を介して制御装置箱Aは鉄道車両の床下に締結される。このような制御装置箱Aの底板Dには、幅方向(即ち、図1の表裏方向)の中央部に矩形の点検口(図示省略)が2つ、左右方向に間隔を存して開設されている。この点検口の開閉は底板Dとは別体とした底カバー1により行われる。底カバー1は、上記点検口をその下方から覆うように底板Dに取り付けられて上記点検口を閉鎖できる。また、底カバー1は着脱自在であり、底板Dから取り外されると、上記点検口が開放されて、上記点検口を通じて制御装置箱Aの内部に作業者がアクセスでき、VVVF装置Bのメンテナンス等を行うことができる。
図2(a)(b)を参照して、図1に示す制御装置箱Aの底板Dに開設された上記点検口の周縁部に、固着具、溶接等によって取り付けられる底カバー取付枠2は、矩形形状を有している。底カバー取付枠2には、一組の対辺側の部分21の夫々に、左右及び中央の3箇所に1つずつ、計3つのボルト穴22が間隔を存して開設されている。左右に位置するボルト穴22,22は、中央のボルト穴22に関して対称な位置に配置されている。また、底板カバー取付枠2の各部分21には、隣り合う2つのボルト穴22間に1つずつ配置されて、一組の対辺の長手方向の一端(即ち、左端)31と一端31に直交し、一組の対辺の対向方向の一端32とが開放された中空箱形の脱落防止ブロック3が計2つ設けられている。各脱落防止ブロック3は底カバー取付枠2で左右対称な位置に配置されている。また、各脱落防止ブロック3では、一組の対辺の長手方向の他端(右端)33と、一組の対辺の対向方向と反対方向の他端34とが閉鎖している。
図3を参照して、底カバー1は、図1に示す制御装置箱Aの上記点検口を覆う矩形板状の本体11と、本体11の一組の対辺側の端部11aの夫々に、左右及び中央の3箇所に1つずつ、間隔を存して配置された計3つの取付片4と、隣り合う2つの取付片4間に1つずつ配置された計2つの爪片5とを備えている。取付片4は、本体11の一組の対辺の対向方向と反対方向に突出しており、爪片5も取付片4と同方向に本体11から突出している。また、取付片4の本体11の外方端部にボルト挿入穴41が開設されている。そして、各取付片4は、ボルト挿入穴41が、図2(a)(b)に示す底カバー取付枠2のボルト穴22と一致するような位置で、本体11の各端部11aに締結又は溶着され、また、爪片5は、底カバー取付枠2の脱落防止ブロック3に対応する位置で、本体11の各端部11aに締結又は溶着されている。
更に、底カバー1には、断面U字形の取っ手6が、本体11の内方の左右両端部に1つずつ設けられている。取っ手6は、本体11で左右対称な位置に配置され、また、本体11の下方に突出し、図1に示すVVVF装置Bのメンテナンス等を行う作業者が握りやすくなっている。
図4を参照して、図1に示す制御装置箱Aの上記点検口を閉鎖する際には、底板Dの上記点検口の周縁部に取り付けられた底カバー取付枠2に、上記点検口を下方から覆うようにして底カバー1を取り付ける。具体的には、作業者が取っ手6を手で握って底カバー1を持ち上げ、底カバー取付枠2の左方から底カバー1を底カバー取付枠2の下面に重合させる。この時、底カバー1の各爪片5が、底カバー取付枠2の部分21の下面と各脱落防止ブロック3の内部の下面35との間の空間に入り込むと共に、各爪片5の右端が各脱落防止ブロック3の内部の右端33の内面に当接する。そして、底カバー1を引き下げると、各爪片5が各脱落防止ブロック3の下面35上に載置され、底カバー1の底カバー取付枠2への締結位置が決まる。この状態では底カバー1は底カバー取付枠2に取り付けられていないが、各爪片5の各脱落防止ブロック3の下面35上への載置によって、底カバー1は底カバー取付枠2に安定して保持される。作業者が取っ手6から手を放しても、底カバー1が脱落することはない。
また、底カバー1が底カバー取付枠2に上記の如く保持される時、締結位置が決まるため、底カバー1の取付片4の各ボルト挿入穴41と底カバー取付枠2のボルト穴22とが一致する。作業者は、ボルト7をボルト挿入穴41を通じてボルト穴22に螺入でき、底カバー1は底カバー取付枠2に締結される。そして、図1に示す制御装置箱Aの上記点検口が底カバー1によって閉鎖される。
VVVF装置Bのメンテナンス時に上記点検口を開放する際には、底カバー1を上記取付時と逆の手順で底カバー取付枠2から取り外すことができる。全てのボルト7が取り外されても、各爪片5が各脱落防止ブロック3の内部の下面35上に載置されているので、底カバー1は、締結されていない状態で底カバー取付枠2に安定して保持される。
このように、本実施形態の制御装置箱の底カバー取付構造では、図1に示す制御装置箱Aの上記点検口の閉時に、底カバー1が備える複数の爪片5の各一つが、底カバー取付枠2に設けられた、一組の対辺方向の一端31と一端31に直交し、一組の対辺の対向方向と反対方向の一端32とが開放された中空箱形の複数の脱落防止ブロック3の各一つの内部の下面35上に載置されて、底カバー1が、締結されていない状態で底カバー取付枠2に保持されるため、上記点検口を開放する際に、底カバー取付枠2への底カバー1の締結を解除しても底カバー1は脱落することがない。また、制御装置箱Aの上記点検口の閉時には、底カバー1の取付片4の各ボルト挿入穴41と底カバー取付枠2の各ボルト穴22とが一致するため、ボルト挿入穴41を通じてボルト穴22にボルト7を螺入でき、底カバー1を底カバー取付枠2に締結できる。従って、底カバー1の底カバー取付枠2からの脱落の危険がなく、底カバー1を補助的に支持しなくとも底カバー1を底カバー取付枠2に安全に取り付け、取り外すことができる。従って、底カバー1の取付及び取外作業の安全性が高められ、作業効率の向上が図られる。また、上記点検口の開閉は、上記の如くの底カバー取付枠2と底カバー1とのみによって実現されるため、制御装置箱Aのコスト低減が図られる。
更に、底カバー1の取付時に、作業者は、取っ手6に手をかけて底カバー取付枠2に対する底カバー1の配置位置を調節できるため、底カバー1の取付作業が容易ともなる。
以上、本考案の一実施形態について図面を参照して説明したが、本考案は上記実施形態に限定されない。制御装置箱の構成及び構造や制御装置の種類をはじめ、底カバー及び底カバー取付枠の大きさや構造、また、取付片、爪片、ボルト挿入穴、ボルト穴、及び脱落防止ブロックの個数等の細部については様々な態様が可能である。また、脱落防止ブロックの一組の対辺方向の一端は、上記実施形態では左端としているが、右端であってもよい。この場合、底カバーを底カバー取付枠に取り付ける際には、底カバーを底カバー取付枠の右方から底カバー取付枠の下面に重合させる。
1…底カバー、11…本体、11a…一組の対辺側の端部、2…底カバー取付枠、21…一組の対辺側の部分、22…ボルト穴、3…脱落防止ブロック、31…底カバー取付枠2の一組の対辺方向の脱落防止ブロック3の一端、32…一端31に直交する、底カバー取付枠2の一組の対辺方向で且つ底カバー取付枠2の内方側に位置する一端、35…脱落防止ブロック3の内部下面、4…取付片、41…ボルト挿入穴、5…爪片、A…制御装置箱、D…底板。
Claims (1)
- 鉄道車両の床下に吊設される制御装置箱の底板に開設された矩形の点検口をその下方から覆う底カバーを底板に取り付ける制御装置箱の底カバー取付構造であって、底板の点検口周縁部に取り付けられる矩形の底カバー取付枠と、この底カバー取付枠に着脱自在に取り付けられる、点検口を覆う底カバーとを備えたものにおいて、
底カバー取付枠には、一組の対辺側の部分の夫々に、複数のボルト穴が間隔を存して開設されると共に、隣り合う2つのボルト穴間に配置されて、一組の対辺の長手方向の一端とこの一端に直交し、一組の対辺の対向方向と反対方向の一端とが開放された中空箱形の複数の脱落防止ブロックが設けられ、
底カバーは、点検口を覆う矩形板状の本体と、この本体の一組の対辺側の端部の夫々に、間隔を存して配置されて、一組の対辺の対向方向と反対方向に突出する、ボルト挿入穴が開設された複数の取付片と、隣り合う2つの取付片間に配置され、取付片と同方向に本体から突出する複数の爪片とを備え、
点検口の閉時に、底カバーの各爪片が、底カバー取付枠の各脱落防止ブロックの内部下面上に載置されて、底カバーが、締結されていない状態で底カバー取付枠に保持されると共に、底カバーの取付片の各ボルト挿入穴と底カバー取付枠の各ボルト穴とが一致することを特徴とする制御装置箱の底カバー取付構造。
Priority Applications (1)
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JP2019000675U JP3221279U (ja) | 2019-02-26 | 2019-02-26 | 制御装置箱の底カバー取付構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023082627A1 (zh) * | 2021-11-15 | 2023-05-19 | 湖北亿纬动力有限公司 | 电池模组及电池包 |
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- 2019-02-26 JP JP2019000675U patent/JP3221279U/ja active Active
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