JP3221171B2 - 感熱記録型磁気シート - Google Patents

感熱記録型磁気シート

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JP3221171B2
JP3221171B2 JP22279993A JP22279993A JP3221171B2 JP 3221171 B2 JP3221171 B2 JP 3221171B2 JP 22279993 A JP22279993 A JP 22279993A JP 22279993 A JP22279993 A JP 22279993A JP 3221171 B2 JP3221171 B2 JP 3221171B2
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信幸 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として乗車券、回数
券、定期券などに利用する感熱記録型磁気シートに関す
るものであり、磁気記録層と感熱発色層とを併有し、こ
れらの両者に対する記録特性が共に良好な感熱記録型磁
気シートを提供する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗車券、回数券、定期券などのチ
ケット類の自動販売化が進められている。これらのチケ
ット類に利用される記録シートは、支持体の一方の面に
磁気記録層を設け、他方の面に電子写真記録方式、静電
記録方式、ジアゾ記録方式、キレート記録方式等による
目視可能な記録を行なえる記録層が設けられている。
【0003】しかしながら、電子写真記録方式、静電記
録方式、ジアゾ記録方式、キレート記録方式等による目
視可能な記録を行なえる記録層を有する記録シートは、
目視可能な記録のための記録装置が複雑で大型となり、
また、コストも高くなる等の欠点を有している。このた
め、これらの欠点を改良するものとして、支持体の一方
の面に磁気記録層を設け、支持体の他方の面に、無色な
いしは淡色の塩基性染料を用いた感熱記録層を設けた感
熱記録型磁気シートが利用されるようになってきた。
【0004】一方、磁気記録層に対しては、出力ばらつ
きが少ないこと、記録シートが折れ曲がったときに磁気
記録層に割れが生じないこと、磁気ヘッドを摩耗させな
いことなどが要求されるが、特に支持体として紙を用い
た場合には、記録シートが折れ曲がったときに磁気記録
層に割れが発生し、読み取りができなくなるという重大
な欠点を有する。
【0005】さらに、支持体の一方の面に磁気記録層を
設け、支持体の他方の面に無色ないしは淡色の塩基性染
料を用いた感熱発色層を設けるタイプの感熱記録型磁気
シートにおいては、該感熱記録型磁気シートを巻き取り
状態で保管、使用する際に、磁気記録層と感熱発色層と
が接触する。
【0006】このため、感熱記録型磁気シートの巻き取
り状態での保管、使用中に、感熱発色層の発色阻害成分
である界面活性剤が磁気記録層から感熱発色層に移行
し、感熱発色層の発色性能を、該感熱記録型磁気シート
の製造当初における発色性能よりも著しく低下させるだ
けでなく、感熱発色層に地肌被りを発生させるなどの欠
点を有している。
【0007】すなわち、強磁性体粉末と水性結着剤とを
主成分とする磁気記録層における水性結着剤としては、
デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼ
イン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無
水マレイン酸共重合体などの水溶性高分子による水溶液
や、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体、塩化ビニル重合体、ポリウレタン等による水
系ラテックスが知られている。
【0008】磁気記録層に求められる耐水性、耐摩耗
性、柔軟性などの点から、水性結着剤として、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、塩
化ビニル重合体、ポリウレタンなどの水系ラテックスが
適しており、特に、スチレン−ブタジエン共重合体の水
系ラテックスを用いる場合には、前述の特性が得られる
ばかりでなく、大幅なコスト低下という経済的効果も得
られる。
【0009】ところが、上記のスチレン−ブタジエン共
重合体の水系ラテックスは、該ラテックスの作成時に界
面活性剤を多量に使用するために、支持体の反対面に無
色ないしは淡色の塩基性染料を用いた感熱発色層を設け
た感熱記録型磁気シートを巻き取り状態で保管、使用す
る際に、磁気記録層と感熱発色層とが接触し、感熱発色
層の発色阻害成分である界面活性剤が磁気記録層から感
熱発色層に移行し、これが感熱発色層の発色性能を低下
させたり、また、感熱発色層に地肌被りが発生する等の
要因になっている。
【0010】かかる理由により、水性結着剤としてスチ
レン−ブタジエン共重合体の水系ラテックスを使用する
磁気記録層は、従来、感熱発色層を併用しないタイプの
記録シートに限って利用されていた。
【0011】なお、界面活性剤が磁気記録層から感熱発
色層に移行することによる感熱発色層の発色性能の低下
や、感熱発色層に発生する地肌被り等の問題に対して、
磁気記録層及び/又は感熱発色層の上に保護層(障壁
層)を設け、磁気記録層中の界面活性剤が感熱発色層に
移行するのを防止することが考えられる。
【0012】しかしながら、磁気記録層中の界面活性剤
の移行を効果的に防止し、感熱発色層の発色性能の低下
や地肌被りの問題を保護層の存在によって解決するため
には、該保護層の厚さを大きくしなければならなく、厚
さの大きい保護層の存在は、磁気記録層の出力特性の低
下の原因となり、また、感熱発色層の記録特性の低下の
原因となる等の別の面での弊害が現出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題について
鋭意研究した結果、反応性乳化剤によって乳化させたス
チレン−ブタジエン共重合体の水系ラテックスを磁気記
録層における水性結着剤として用いることにより、支持
体の一方の面に磁気記録層を有し、支持体の他方の面に
無色ないしは淡色の塩基性染料による感熱発色層を有す
るタイプの感熱記録型磁気シートを巻き取り状態で保
管、使用しても、感熱発色層の発色性能の低下が無く、
また、感熱発色層に地肌被りが発生することが無く、さ
らには、感熱記録型磁気シートが折れ曲がったときに磁
気記録層に割れが発生することも無く、しかも、大幅な
コスト低下による経済的効果をも有する感熱記録型磁気
シートを得ることが可能になった。
【0014】すなわち、本発明は、感熱記録型磁気シー
トが折れ曲がったときに、磁気記録層に割れが発生する
ことがなく、しかも、該感熱記録型磁気シートの巻き取
り状態での保管、使用中に、無色ないしは淡色の塩基性
染料を用いた感熱発色層の発色性能の低下が無く、か
つ、感熱発色層に地肌被りの発生が無く、さらには、廉
価に供給し得る等の特性を有する感熱記録型磁気シート
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の一方
の面に強磁性体粉末と水性結着剤とを主成分とする磁気
記録層を設け、支持体の他方の面に無色ないしは淡色の
塩基性染料と呈色剤と水性結着剤とを主成分とする感熱
発色層を設けた感熱記録型磁気シートからなり、前記磁
気記録層における水性結着剤として、反応性乳化剤によ
って乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水系ラ
テックスを用いたことを特徴とするものである。
【0016】前記構成による本発明の感熱記録型磁気シ
ートにおける支持体としては、木材パルプを主原料と
し、他にタルク、炭酸カルシウムなどの填料、合成樹
脂、ロジン、澱粉などのサイズ剤等を添加した紙、表面
をサイズ剤で処理した紙、合成樹脂、澱粉などの水性結
着剤と、無機質及び/又は有機質顔料とを主体した塗布
液を3〜30(dry)g/m2 好ましくは5〜15
(dry)g/m2 程度に塗布したコート層を有する紙
等が好適である。さらに、目的に応じて、合成紙、合成
樹脂シートなども支持体として使用し得ることは勿論で
ある。
【0017】支持体の一方の面に設ける磁気記録層は、
強磁性体粉末と水性結着剤とを主成分とするものであ
り、強磁性体粉末としては、γ−フェライト、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライトなどを使用する
が、磁気記録層に記録した磁気記録を通常の磁石で消去
し得ないようにするためには、1500〜5000エル
ステッドのバリウムフェライトやストロンチウムフェラ
イトを使用するのが好適である。
【0018】磁気記録層における水性結着剤として使用
する反応性乳化剤によって乳化させたスチレン−ブタジ
エン共重合体の水系ラテックスは、反応性乳化剤によっ
て、すなわち、分子内に重合可能な2重結合を具備する
モノマー例えばビニル系モノマーに界面活性剤を付与さ
せて得られるところの乳化作用と他の分子と重合し得る
性能とを併有する乳化剤によって、スチレン−ブタジエ
ン共重合体を水中に乳化させたラテックスである。
【0019】このスチレン−ブタジエン共重合体の水系
ラテックスを得る際に利用する反応性乳化剤の代表例と
しては、[化1]で表示されるスルホコハク酸エステル
系、[化2]で表示されるリン酸ジエステル系、[化
3]で表示されるサルフェート系等のアニオン系反応性
乳化剤や、[化4]で表示されるポリオキシエチレンフ
ェニルエーテル系、[化5]で表示されるポリオキシエ
チレンカルボン酸エステル系等のノニオン系反応性乳化
剤等を利用し得る。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】なお、前記反応性乳化剤は、スチレン−ブ
タジエン共重合体の水系ラテックスを作る際には、通常
のアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤と同様
の乳化作用を果たすが、乳化が終了すると単独では存在
することのない非乳化物と化学的に結合し、界面活性剤
としての機能を果たさなくなるものである。このことに
より、本発明の感熱記録型磁気シートは、該感熱記録型
磁気シートの巻き取り状態での保管、使用中において、
感熱発色層中への界面活性を有する所謂界面活性剤の移
行の問題が無くなり、感熱発色層の発色性能が低下した
り、あるいは感熱発色層に地肌被りが発生する等の問題
が解決されるものと考えられる。
【0026】強磁性体粉末と反応性乳化剤によって乳化
させたスチレン−ブタジエン共重合体の水系ラテックス
からなる水性結着剤とを主成分とする磁気記録層は、強
磁性体粉末を反応性乳化剤によって乳化させたスチレン
−ブタジエン共重合体の水系ラテックス中に分散させた
磁気記録層形成用の塗布液を、支持体の一方の面に塗
布、又は印刷することにより得られる。
【0027】また、磁気記録層形成用の塗布液中には、
必要に応じて本発明の効果を損なうことのない範囲で、
ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、スチレン−マレ
イン酸塩共重合体などの分散剤、反応性乳化剤によって
乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水系ラテッ
クス以外の前記した各種の水性結着剤、ポリエチレンオ
キサイド、ワックス類、カーボングラファイトなどを添
加しても良い。
【0028】支持体の他方の面における感熱発色層は、
無色ないしは淡色の塩基性染料と呈色剤と水性結着剤と
を主成分とする塗布液の塗工層として形成される。この
感熱発色層における塩基性染料、呈色剤及び水性結着剤
は、それぞれ従来公知のものをそのまま使用し得る。
【0029】すなわち、塩基性染料としては、例えば、 (1) トリアリールメタン系化合物 例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレ
ット・ラクトン)、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)
フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,
3−ビス−(p−エチルカルバゾール−3−イル)−3
−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニ
ルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド等;
【0030】(2) ジフェニルメタン系化合物 例えば、4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリン
ベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等;
【0031】(3) キサンテン系化合物 例えば、ローダミンB−アニリノラクタム、3−ジエチ
ルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−ブチルアミノフルオラン,3−ジエチ
ルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−シクロヘキシル−メチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチル)アミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
(γ−クロロプロピルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N
−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェ
ニルフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルア
ミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
等;
【0032】(4) チアジン系化合物 例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロ
ベンゾイルロイコメチレンブルー等;
【0033】(5) スピロ系化合物 例えば、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エ
チル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−
ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−
ベンゾ)−スピロピラン等;
【0034】さらには、これらの混合物が利用され、用
途に応じた特性により、選択して利用される。
【0035】呈色剤である酸性物質としては、例えば、
パラオキシ安息香酸ベンジルエステル、ヒドロキシフタ
ル酸ジメチルエステル、2,4−ヒドロシキベンゾフェ
ノン、N−ステアリルーPーアミノフェノール、3,4
−ビスフェノールA、4−ヒドロキシサリチルアニリ
ド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4′−エチリデンビスフェノール、4,4’ージイソプ
ロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、4,
4′−(1−メチルペンチリデン)ビスフェノール、テ
トラメチルビスフェノールA、4,4′−(α−メチル
ベンジリデン)ビスフェノール、4,4′−(p−フェ
ニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4′
−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデン
ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ3−イ
ソプロピルフェニル)プロパン、α,α′−ビス(3−
メチルー4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピ
ルベンゾフェノン、n−ブチルビス(ヒドロキシフェニ
ル)アセテート、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン、4,4′−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕
ビスフェノール、没食子酸ステアリル、2,3,4,
4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,2
−ビス(4,4′−ヒドロキシフェニル)スルホン、
4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)サルファイド、テトラメチルビスフェノールS等を
利用し得る。
【0036】水性結着剤としては、例えば、デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイ
ン酸共重合体などの水溶性高分子の水溶液、スチレン−
ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体などに
よる水系ラテックスなどを利用し得る。
【0037】本発明の感熱記録型磁気シートにおいて
は、感熱発色層の上に水溶性又は水分散性の高分子を主
成分とする保護層を設けることが望ましい。この保護層
は、前記した水性結着剤によって形成することができ、
また、保護層の耐水性を上げるために各種の架橋剤を保
護層形成用の塗布液中に添加することもできる。
【0038】さらに、本発明の感熱記録型磁気シートに
おいては、所望に応じて 感熱発色層及び/又は保護層
に、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的
で、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリ
ン樹脂等の顔料、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフ
ィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸
アミド、カスターワックス等のワックス類等を添加する
ことができる。
【0039】また、感熱発色層及び/又は保護層には、
感度向上の目的で、メタターフェニル、パラベンジルビ
スフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ステ
アリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘導
体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚酸
ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル等
を添加することもできる。
【0040】感熱発色層及び/又は保護層には、さら
に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、
蛍光染料などを所望に応じて添加し得る。
【0041】
【作用】本発明の感熱記録型磁気シートは、支持体の一
方の面に強磁性体粉末と水性結着剤とを主成分とする磁
気記録層を設け、支持体の他方の面に無色ないしは淡色
の塩基性染料と呈色剤と水性結着剤とを主成分とする感
熱発色層を設けた感熱記録型磁気シートからなり、前記
磁気記録層における水性結着剤として、反応性乳化剤に
よって乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水系
ラテックスを用いたものである。
【0042】前記構成による本発明の感熱記録型磁気シ
ートにおいては、磁気記録層の結着剤として、反応性乳
化剤によって乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体
の水系ラテックスを利用しているので、前記反応性乳化
剤が、スチレン−ブタジエン共重合体の水系ラテックス
を作る際には、通常のアニオン系界面活性剤やノニオン
系界面活性剤と同様に乳化作用を果たし、乳化が終了す
ると単独では存在することのない非乳化物と化学的に結
合し、界面活性剤としての機能を果たさなくなる。
【0043】このことにより、本発明の感熱記録型磁気
シートは、該感熱記録型磁気シートの巻き取り状態での
保管、使用中に、磁気記録層と感熱発色層とが接触して
も、界面活性剤としての機能を果たす所謂界面活性剤が
感熱発色層中に移行することが無く、界面活性剤の移行
による感熱発色層の発色性能の低下や、感熱発色層の地
肌被り等の問題が解決され、磁気記録層と感熱発色層と
の両者に対する記録特性が共に良好な感熱記録型磁気シ
ートになる。
【0044】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明の感熱記録
型磁気シートの具体的な構成を説明する。
【0045】実施例1 (1)磁気記録層形成用の塗布液の作成 バリウムフェライト( 戸田工業製:MC127)・・・・
(固形)100重量部 ポリカルボン酸ナトリウム( 東亜合成製:アロンT−4
0)・・・・(固形)5重量部 反応性乳化剤によって乳化させたスチレン−ブタジエン
共重合体の水系ラテックス(サンプルNO.1)・・・・
(固形)30重量部 (組成比:スチレン45重量部、ブタジエン52重量
部、イタコン酸2重量部、アクリル酸1重量部) (性能:ガラス転移点−22℃、ゲル分率70重量%、
粒子径0.12μ) パラフィンワックス(ミサワセラミック製:パテラック
スNS−70S)・・・・(固形)5重量部 水・・・・200重量部 以上の組成による組成物を均一に混合し、磁気記録層形
成用の塗布液を得た。
【0046】なお、前記(サンプルNO.1)のスチレ
ン−ブタジエン共重合体の水系ラテックスは、容量10
0リットルの反応器に、水20kg(これを200重量
部とし、以下重量部で表示する)と、下記[化6]で表
示されるスルホコハク酸エステルのナトリウム塩0.5
重量部と、炭酸水素ナトリウム0.6重量部と、過硫酸
カリウム0.3重量部とを仕込んだ後、ブタジエン52
重量部と、スチレン45重量部と、イタコン酸2重量部
と、アクリル酸1重量部と共に、四塩化炭素60重量部
を仕込み、窒素雰囲気下において70℃で10時間反応
させることによって得た共重合体ラテックスである。
【0047】
【化6】
【0048】(2)感熱発色層形成用の塗布液の作成 A液調整 3−ジ−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン・・・・10重量部 20重量%ポリビニルアルコール(クラレ製:クラレポ
バール105)・・・・10重量部 水・・・・20重量部 以上の組成による組成物をサンドミルで平均粒子径が
0.8μmとなるまで粉砕し、A液を調整した。
【0049】B液調整 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン・・・・10重量部 20重量%ポリビニルアルコール(クラレ製:クラレポ
バール105)・・・・10重量部 水・・・・20重量部 以上の組成による組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.5μmとなるまで粉砕し、B液を調整した。
【0050】C液調整 メタターフェニル・・・・10重量部 20重量%ポリビニルアルコール(クラレ製:クラレポ
バール105)・・・・10重量部 水・・・・20重量部 以上の組成による組成物をサンドミルで平均粒子径が
1.0μmとなるまで粉砕し、C液を調整した。
【0051】続いて、先のA液40重量部、B液80重
量部、C液40重量部、 20重量%ポリビニルアルコー
ル( クラレ製:クラレポバール105)60重量部、水
50重量部を混合撹拌し、感熱発色層用形成用の塗布液
を得た。
【0052】(3)保護層形成用の塗布液の作成 20重量%ポリビニルアルコール(クラレ製:クラレポ
バール105)・・・・400重量部 シリカ(水沢化学製:P−527)・・・・10重量部 30重量%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂製:D−
523)・・・・30重量部 グリオキザール・・・・10重量部 水・・・・200重量部 以上の組成による組成物を混合撹拌し、保護層形成用の
塗布液を得た。
【0053】(4)感熱記録型磁気シートの作成 坪量150g/m2 の紙からなる支持体の一方の面に、
先の磁気記録層形成用の塗布液を30g(dry)/m
2 に塗布した後、磁場配向させ、さらに、110℃で乾
燥することにより、磁気記録層を形成した。
【0054】次に、支持体の他方の面に、前述の感熱発
色層形成用の塗布液を6g(dry)/m2 に塗布し、
60℃で乾燥することにより、感熱発色層を形成した。
【0055】続いて、感熱発色層の上に、先の保護層形
成用の塗布液を3g(dry)/m2 で塗布し、60℃
で乾燥することにより保護層を形成し、本発明の1実施
例品である感熱記録型磁気シートを得た。
【0056】実施例2 実施例1の感熱記録型磁気シートにおける保護層の形成
を削除した以外は、実施例1の感熱記録型磁気シートの
対応する部分とそれぞれ同一の構成による本発明の別の
実施例品である感熱記録型磁気シートを得た。
【0057】実施例3 実施例1の磁気記録層形成用の塗布液中の反応性乳化剤
を用いて乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水
系ラテックス(サンプルNO.1)に変えて、同じく反
応性乳化剤を用いて乳化させたスチレン−ブタジエン共
重合体の水系ラテックス(サンプルNO.2) (組成比:スチレン45重量部、ブタジエン52重量
部、アクリル酸0.5重量部、アクリロニトリル1.0
重量部) (性能:ガラス転移点−22℃、ゲル分率90重量%、
粒子径0.12μ) を使用した以外は、実施例1の対応する工程とそれぞれ
同一の工程により、本発明の実施例品である感熱記録型
磁気シートを得た。
【0058】なお、前記(サンプルNO.2)のスチレ
ン−ブタジエン共重合体の水系ラテックスは、容量10
0リットルの反応器に、水20kg(これを200重量
部とし、以下重量部で表示する)と、下記[化7]で表
示されるポリオキシエチレンフェニルエーテル0.6重
量部とを仕込み、続いて、ブタジエン52重量部と、ス
チレン45重量部と、アクリル酸0.5重量部と、アク
リロニトリル1.0重量部と、t−ドデシルメルカプタ
ン0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.7重量部と、
過硫酸カリウム0.3重量部とを仕込み、窒素雰囲気下
において60℃で8時間反応させることによって得た共
重合体ラテックスである。
【0059】
【化7】
【0060】比較例1 実施例1の磁気記録層形成用の塗布液中の反応性乳化剤
を用いて乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水
系ラテックス(サンプルNO.1)に変えて、界面活性
剤によって乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の
水系ラテックス(旭化成製:L−1901)を使用した
以外は、実施例1の対応する工程とそれぞれ同一の工程
により、比較のための感熱記録型磁気シートを得た。
【0061】比較例2 実施例1の磁気記録層形成用の塗布液中の反応性乳化剤
を用いて乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水
系ラテックス(サンプルNO.1)に変えて、界面活性
剤によって乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の
水系ラテックス(三井東圧製:518 C−003)を
使用した以外は、実施例1の対応する工程とそれぞれ同
一の工程により、比較のための感熱記録型磁気シートを
得た。
【0062】比較例3 実施例1の磁気記録層形成用の塗布液中の反応性乳化剤
を用いて乳化させたスチレン−ブタジエン共重合体の水
系ラテックス(サンプルNO.1)に変えて、ポリウレ
タン樹脂の水系ラテックス(東亜合成製:UE−140
2)を使用した以外は、実施例1の対応する工程とそれ
ぞれ同一の工程により、比較のための感熱記録型磁気シ
ートを得た。
【0063】評価 以上の実施例及び比較例による6種類の感熱記録型磁気
シートの性能を、下記の項目により評価した。
【0064】評価項目 (1)発色性能 感熱記録型磁気シートの感熱発色層面に、130℃に加
熱した鉄製ブロックを2kg/cm2 の加圧条件にて5
秒間押し付けて発色させた記録濃度[A]と、感熱記録
型磁気シートの磁気記録層面と感熱発色層面とが重なる
ようにして圧着し、その上から200g/cm2 の圧力
を掛け、40℃、90%RHの条件にて2週間保存した
後に、該感熱記録型磁気シートの感熱発色層面に、13
0℃に加熱した鉄製ブロックを2kg/cm2 の加圧条
件にて5秒間押し付けて発色させた記録濃度[B]と
を、それぞれマクベス濃度計RD−514で測定し、 発色性能(%)=(保存後の感熱発色層の記録濃度
[B]×100/保存前の感熱発色層の記録濃度
[A])・・・・(式1)により評価した。
【0065】(2)地肌被り 感熱記録型磁気シートの磁気記録層面と感熱発色層面と
が重なるようにして圧着し、その上から200g/cm
2 の圧力を掛け、40℃、90%RHの条件に2週間保
存した後の感熱発色層面の地肌濃度をマクベス濃度計R
D−514で測定して評価した。
【0066】(3)磁気記録層の割れ 感熱記録型磁気シートの磁気記録層面を2ツ折りに3回
宛折り曲げた後、その折り曲げ部分における磁気記録層
の割れの状態を目視で判定した。
【0067】それぞれの評価結果を[表1]に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【効果】本発明の感熱記録型磁気シートは、巻き取り状
態での保管、使用適性が良好で、磁気記録層と感熱発色
層との両者に対する記録特性に優れた性能を有し、か
つ、コスト低下による経済的効果をも有する感熱記録型
磁気シートになる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−131785(JP,A) 特開 平4−74687(JP,A) 特開 平3−293190(JP,A) 特開 平3−274179(JP,A) 特開 昭52−155506(JP,A) 特開 平6−206372(JP,A) 特開 昭59−72647(JP,A) 特開 平4−70389(JP,A) 特開 昭54−153012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 B42D 15/10 501 G11B 5/70 - 5/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に強磁性体粉末と水性
    結着剤とを主成分とする磁気記録層を設け、支持体の他
    方の面に無色ないしは淡色の塩基性染料と呈色剤と水性
    結着剤とを主成分とする感熱発色層を設けた感熱記録型
    磁気シートにおいて、前記磁気記録層における水性結着
    剤として、反応性乳化剤によって乳化させたスチレン−
    ブタジエン共重合体の水系ラテックスを用いたことを特
    徴とする感熱記録型磁気シート。
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