JP3219994B2 - 樹脂被覆繊維ロープ状物 - Google Patents

樹脂被覆繊維ロープ状物

Info

Publication number
JP3219994B2
JP3219994B2 JP01522196A JP1522196A JP3219994B2 JP 3219994 B2 JP3219994 B2 JP 3219994B2 JP 01522196 A JP01522196 A JP 01522196A JP 1522196 A JP1522196 A JP 1522196A JP 3219994 B2 JP3219994 B2 JP 3219994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fiber
coated
core
rope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01522196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09209280A (ja
Inventor
定光 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=11882821&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3219994(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP01522196A priority Critical patent/JP3219994B2/ja
Publication of JPH09209280A publication Critical patent/JPH09209280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3219994B2 publication Critical patent/JP3219994B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/02Ropes built-up from fibrous or filamentary material, e.g. of vegetable origin, of animal origin, regenerated cellulose, plastics
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2401/00Aspects related to the problem to be solved or advantage
    • D07B2401/20Aspects related to the problem to be solved or advantage related to ropes or cables
    • D07B2401/202Environmental resistance
    • D07B2401/204Moisture handling
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2401/00Aspects related to the problem to be solved or advantage
    • D07B2401/20Aspects related to the problem to be solved or advantage related to ropes or cables
    • D07B2401/2065Reducing wear

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Ropes Or Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性、屈曲耐
久性及び非吸水性に優れた樹脂被覆繊維ロープ状物に関
する。さらに詳しくは、本発明は、有機系高性能繊維を
構成繊維として含む繊維構造体表面を熱可塑性樹脂で被
覆した、耐摩耗性、屈曲耐久性及び非吸水性の良好な繊
維ロープ状物に関する。
【0002】
【従来の技術】パラグライダー、気球等のスポーツレジ
ャー分野で使用される滑空用コードやロープ状物、及び
ネットや資材運搬等の陸上で使用される産業資材関連コ
ードやロープ状物、さらに漁網、延縄、釣糸、船舶等の
水産資材分野で使用されるコードやロープ状物に用いら
れる素材としては、通常、ポリエステル、ナイロン、ビ
ニロン、全芳香族ポリエステル(ポリアリレート)、超
高分子量ポリエチレン、全芳香族ポリアミド(アラミ
ド)などの繊維がある。
【0003】これらの繊維は単独かつ、無処理で用いら
れる場合もあるが、通常は、使用繊維の特性を充分に発
現させるため、糸状で適当な処理剤により処理された後
に、コードやロープ状物に撚糸、編組、あるいは編織加
工されるか、又はコードやロープ状物に撚糸、編組、あ
るいは編織加工された後に適当な処理剤により処理さ
れ、それぞれの分野の用途で使用される。この場合、コ
ードやロープ状物に対する市場に共通する重要な要求特
性としては、耐摩耗性、屈曲耐久性、非吸水性、水切れ
性、水中沈降性等があげられている。
【0004】これらの要求特性を満足させるために、従
来、各種処理剤による繊維表面被覆や含浸加工が施され
ており、かかる処理剤としては、ポリウレタン系、シリ
コン系、ワックス系樹脂などが広く用いられ、これらの
剤で加工されたコードやロープ状物は、各分野の用途で
活用されている。たとえばポリウレタン系樹脂を耐摩耗
性向上剤として用いた技術としては、「ポリウレタン、
酸化ポリエチレン及びエチレン尿素化合物を主成分とす
る混合物で処理されてなる繊維ロープ」(特公昭62−
60511号公報)、あるいは「シラン系カップリング
剤を主成分とする第1処理剤で処理した後、ポリウレタ
ン、酸化ポリエチレン、及びエチレン尿素化合物を主成
分とする第2処理剤で処理する方法」(特公平1ー29
909号公報)、さらに「合成繊維ロープにおいて、ロ
ープを構成する繊維にフッ素樹脂を含浸させたことを特
徴とする合成繊維ロープ」(実開平2−46895号公
報)、「フッ素樹脂を含浸させた熱分解温度が230℃
以上からなる繊維を芯材に用いた表面が樹脂被覆されて
なるロープ」(特開平3ー249276号公報)、「超
高分子量ポリオレフィンを芯部に用いた芯鞘構造ロープ
の鞘部が樹脂含浸編成物からなるロープ」(特公平7−
18099号公報)(以下先行技術という)等が提案さ
れている。
【0005】確かに上記先行技術に示された処理剤で表
面被覆又は含浸処理されたコードやロープ状物は、耐摩
耗性及び屈曲耐久性の改善されることが認められてい
る。しかしながら、最近のスポーツレジャー市場や産業
資材、水産資材関連市場における用途の細分化、技術の
多様化等に伴い、製品に対する要求性能は益々向上、拡
大する傾向があり、上述の先行技術(従来技術)では耐
摩耗性、屈曲耐久性がまだまだ不充分であり、用途によ
っては充分対応することができない。例えばパラ系アラ
ミド繊維は18g/デニール以上の高強度を有するた
め、最近、この繊維を使用した種々のコードやロープが
開発され、各種の用途で活用されつつあるが、繊維/繊
維間、繊維/金属間等の摩擦により、フィブリル化し易
く、これが主因となって強度劣化を生じ、繊維が本来有
する優れた高強度特性を充分に発現できないという欠点
を有している。この欠点を改善するために、耐摩耗性の
比較的良好なナイロン系繊維等をコードやロープ状物の
表層部に用い、芯部に処理剤で加工されたアラミド繊維
を用いて複合体構造にする等の工夫がなされ実用化され
ている。しかし、これらの複合体構造のコードやロープ
状物でもまだまだ不充分であり、特にアラミド繊維の場
合、コードやロープ状物を構成する繊維のフィブリル化
を完全に防止するには至っていない。すなわちアラミド
繊維は他物体との摩擦により、部分的にフィブリル化す
る結果、充分な製品強力を長期にわたって維持できなく
なるという問題を有している。
【0006】また最近では、パラグライダー、気球等の
スポーツレジャー関連分野や水産資材関連分野等で用い
られるコードやロープ状物は、吸水による重量の増加及
び吸水によるコードやロープ状物同志の耐摩耗性低下等
の問題から、非吸水性が要求されている。さらに水産資
材関連分野では、水中から引き上げるときの水切れや水
中投入時の沈降速度の悪さによる作業性悪化の問題もあ
げられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
作成されたコードやロープ状物における前記問題、特に
繊維と他物体との摩擦による繊維のフィブリル化の問
題、高吸水率の問題及び水切れの悪さの問題等を改善せ
しめ、耐摩耗性、屈曲耐久性及び非吸水性の良好な繊維
ロープ状物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意研究の結果、撚糸又は編組された有機
系高性能耐熱繊維の表面を、非吸水性で耐摩耗性、柔軟
性に富む熱可塑性樹脂により被覆すると、市場が要求す
る耐摩耗性や屈曲耐久性を充分満足し、且つ非吸水性や
水切れ性等の良好なコードやロープ状物が得られること
を見出し、本発明に至ったものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、「熱分解開始
温度が310℃以上、引張強度が18g/de以上、引
張伸度が8%以下である有機系繊維を、単独で又は金属
繊維と組合わせて編組又は撚係数0.5〜7.0で撚糸
された繊維構造物を芯材部とし、該芯材部表面に熱可塑
性樹脂層を被覆し、その際樹脂被覆層の厚さdと前記芯
材部の径Dとの比d/Dを0.08〜0.65とした樹
脂被覆繊維ロープ状物」が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいう樹脂被覆繊維ロープ
状物とは、繊維材料を主体とする通常の繊維ロープの表
面に樹脂が被覆されたものの他に、ロープと同じ目的で
使用される繊維コード表面に樹脂が被覆されたものをも
含むものである。
【0011】本発明の繊維ロープ状物の芯材部を構成す
る繊維は、熱分解温度が310℃以上、引張強度が18
g/de以上、引張伸度が8%以下の特性を有する有機
系繊維であればどんなものでもよいが、通常は熱分解温
度が400〜550℃、引張強度が20〜35g/d
e、引張伸度が2〜6%である有機系繊維、例えばアラ
ミド繊維〔例えば、デュポン株式会社製のケブラー、帝
人株式会社製のテクノーラ等があるが、耐摩耗性及び屈
曲耐久性の観点からテクノーラの方がより好ましい〕、
芳香族ポリエステル繊維〔例えば、株式会社クラレ製の
ベクトラン〕等が用いられ、なかでも耐摩擦熱性、熱寸
法安定性の点からアラミド繊維が特に好ましい。なお、
これら繊維の単糸繊度は、0.3〜20.0デニールが
好ましく、さらに好ましくは、0.5〜15.0デニー
ルである。0.3デニール未満では、他物体との摩擦や
摩耗により、単糸繊維切れが発生し易くなり、またスト
ランド(繊維集合体)中における単糸繊維の引き揃え性
が低下して、高荷重で使用された場合、特定箇所に応力
の集中が生じ易くなって繊維集合体が本来有する高強力
を発揮できなくなる。一方20.0デニールを越える
と、繊維構造物の柔軟性が低下して屈曲耐久性が悪くな
り好ましくない。
【0012】また繊維ロープ状物の芯材部には、上記有
機系繊維に加えて一部比重が6.5以上の金属繊維を併
用してもよく、かくすることにより、得られる繊維ロー
プ状物の水中沈降性が向上して、水産資材分野における
漁網、延縄等に適したものとなる。好ましく用いられる
金属繊維としては、例えば銅線、鋼線、ステンレス線、
ピアノ線、タングステン線、モリブデン線等があげられ
るが、コストや柔軟性、腐食などの点から銅線、ステン
レス線が特に好ましい。比重が6.5未満の金属繊維で
は、有機系繊維と混合編組もしくは組合わせ編組又は混
合撚糸して作成された繊維集合体全体としての比重を十
分高めることができなくなり、沈降性向上効果が不充分
となる。なお、これら金属繊維の外径は、0.03〜
0.40mmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜
0.2mmである。外径が0.03mm未満では、有機
系繊維との合撚糸時や混合編組時に切断し易くなって作
業性を悪化せしめ、目的とする混合繊維構造物が得られ
なくなる。一方0.40mmを越えると有機系繊維との
柔軟性の差が大きくなりすぎて、良好な混合撚糸構造物
や混合編組構造物の作成が困難となり、しかも得られる
繊維構造物の柔軟性も低下して耐屈曲疲労性や耐摩耗性
も悪化する。また金属繊維の混合比率は、得られる繊維
ロープ状物の柔軟性や耐屈曲疲労性の観点から、芯材部
を構成する有機系繊維と金属繊維の全体積量に対して、
30%以内の体積含有率であることが望ましい。
【0013】本発明においては、前記の高強度、低伸度
特性を有する有機系繊維は、単独で又は前記金属繊維と
組み合わされて、編組構造状もしくは芯鞘構造状、又は
撚係数が0.5〜7.0、好ましくは1.0〜2.0の
範囲内に撚糸された合撚糸構造状で芯材部に用いるのが
最も好適であり、引き揃え状や撚係数が0.5未満の低
撚数からなる合撚糸構造状で用いると、該芯材部が円形
状を保持し難くなるため、熱可塑性樹脂による表面被覆
工程で偏平状になり易く、また樹脂割れ等も発生し易く
なって、熱可塑性樹脂で均一に表面被覆された芯鞘構造
の繊維ロープ状物を得ることが困難となるので好ましく
ない。一方、該芯材部の撚係数が7.0を越える高撚数
からなる合撚糸構造状では、得られる繊維ロープ状物の
引張強力が低下して、有機系繊維の特徴である高強度を
充分に生かすことができなくなるため好ましくない。な
お合撚糸構造物よりは編組構造物の方が耐屈曲疲労性は
良好なため、屈曲耐久性が向上するので好ましい。また
金属繊維を併用する場合には、金属繊維を芯とし、その
表面を有機系繊維で編組した芯鞘構造の編組構造物が、
耐屈曲疲労性及び耐摩耗性向上の観点からより好まし
い。
【0014】本発明においては、上記の繊維構造物から
なる芯材部の表面を、熱可塑性樹脂で被覆することが大
切であり、その樹脂被覆層の厚さ(d)と芯材部の径
(D)の比率d/Dが、0.08〜0.65、好ましく
は0.10〜0.55、さらに好ましくは0.15〜
0.30の範囲内にあることが肝要である。この比率が
0.08未満では、樹脂被覆層が薄すぎるため、他物体
との摩擦時において、芯材部がまだ充分な耐久性を有し
ているうちに表面被覆樹脂が損傷されてしまい、ロープ
全体として充分な耐摩耗性を発揮できなくなって耐久性
が不充分となる。一方この比率が0.65を越えると、
樹脂被覆層が厚くなりすぎ、樹脂層が損傷される前に芯
材部が破損したり、太さの割りに強力が発現できなくな
るため好ましくない。なお、表面被覆に用いられる熱可
塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、耐摩耗性
及び柔軟性の観点から、ナイロン12、ナイロン610
等のポリアミド系樹脂又はウレタン系樹脂が好適であ
る。
【0015】
【実施例】以下、摩擦によりフィブリル化し易いパラ型
アラミド繊維からなる撚糸又は編組した繊維構造物、並
びにこれに金属繊維を併用した繊維構造物を一例として
取りあげ、本発明の効果について、実施例により具体的
に説明する。なお、強度、伸度、非吸水性、比重、耐摩
耗性、屈曲耐久性、水中沈降性等の評価は下記方法に従
って測定した。 1)強度、伸度の評価 定速伸長型引張試験機を用い、JIS規格、L−101
3に準じて測定した。但し、測定用のチャックはスチー
ルファイバー用を使用した。 2)熱分解開始温度の評価 熱重量測定計(熱天秤)を用い、昇温速度10℃/分で
測定したときの減量開始温度を求めた。
【0016】3)非吸水性の評価(吸水性の評価) 端末から水分が入らないように表面被覆樹脂と同系の樹
脂で端末を封じた樹脂被覆繊維ロープ状物又は比較用の
樹脂で表面被覆されていないロープ状物サンプルを約5
0g採取し、温度約100〜105℃の乾燥機中で30
〜60分間乾燥する。次にこのサンプルを温度20±2
℃、相対湿度85%±3%RHに調整されたデシケータ
中に入れ、2昼夜以上放置して充分に吸水させた後に秤
量(W1)する。その後、該サンプルを105±2℃の
乾燥機中で120分間乾燥した後、速やかに秤量(W
2)して、下記の計算式により、吸水率を算出した。こ
の値が小さくなるほど非吸水性が良好と判定した。 吸水率(%)={乾燥前の重量(W1)−乾燥後の重量
(W2)}/乾燥後の重量(W2)×100
【0017】4)比重の測定方法 ASTM、D1505−63Tに準ずる密度勾配管法で
測定した。なお、測定温度は25℃、測定溶液はn−ヘ
プタンと四塩化炭素の混合溶液である。 5)耐摩耗性評価方法A 評価装置を図1に示す。図において1は外径が0.8m
mの緊張したピアノ線、2は荷重、3は評価用の樹脂被
覆繊維ロープ状物サンプルである。評価サンプル3の一
端に0.2g/デニールの荷重を取り付けた後、該評価
サンプルの他端を往復運動させ、該ロープ状物サンプル
3がピアノ線1との摩擦により切断するまでの往復回数
を測定した。 6)耐摩耗性評価方法B 評価装置を図2に示す。図において4は自由に回転する
外径が20mmのロール、5は同様に自由回転する外径
が10mmのロール、6は評価用の樹脂被覆繊維ロープ
状物サンプル、7は評価用の該ロープ状物サンプルに水
を介在させる為のパット、8は水、9は荷重である。耐
摩耗性の評価は、樹脂被覆繊維ロープ状物サンプル6を
1.5回ねじって図2に示すように一部が水に浸漬され
たロール4に掛けた後、評価用の該ロープ状物サンプル
6の一端に0.2g/デニールの荷重を取り付け、次い
で該ロープ状物サンプルの他端を往復運動させ、該評価
用樹脂被覆繊維ロープ状物サンプル同志がねじられた場
所で相互に摩擦、摩耗し合って切断するまでの往復回数
を測定した。
【0018】7)屈曲耐久性評価方法 ロール中心間距離が22mmである、一対の自由に回転
する外径が12mmのロールによるS字曲げ方法により
実施した。評価用のロープ状物サンプルを、このロール
にS字状に掛けた後、引張力が0.2g/デニールにな
るように調整し、該サンプルを往復運動させて屈曲疲労
させ、該評価用ロープ状物サンプルが切断するまでの往
復回数を測定した。 8)水中沈降性評価方法 水深1mの深さを有する水槽中に、長さ5cmの評価用
ロープ状物サンプルを水面から垂直に落下させて、該評
価用ロープ状物サンプルが1m下の水槽底部に達するま
での時間(1m深さまで沈降する時間)を測定した。
【0019】[実施例1〜3]油剤が付着している10
00デニール/667フィラメントからなる熱分解開始
温度485℃、引張強度28g/de、引張伸度4.5
%のパラ型アラミド繊維糸(テクノーラ:帝人株式会社
製)を2本引き揃え、Z方向に表1記載の撚係数で撚糸
して得た合撚糸構造物を押出し機の樹脂被覆用ダイス中
に導き、ここでナイロン12樹脂(ダイアミド:ダイセ
ル株式会社製)を該合撚糸構造物の表面上に被覆して、
表面被覆樹脂の厚さ(d)と芯材部の合撚糸構造物外径
(D)との比率d/Dが、それぞれ0.26、0.2
4、0.28であり全体外径が約1.4mmの樹脂被覆
繊維ロープ状物を得た。得られた樹脂被覆繊維ロープ状
物について、引張強度、非吸水性、耐摩耗性(Aと
B)、屈曲耐久性を評価した結果は、表1に示すとおり
であった。
【0020】[実施例4]油剤が付着している400デ
ニール/267フィラメンからなる熱分解開始温度48
5℃、引張強度28.5g/de、引張伸度4.6%の
パラ型アラミド繊維糸(テクノーラ:帝人株式会社製)
を用いて4打ちで編組(1×4)し、組紐構造(編組構
造)物を作成した。この編組構造物を芯材部に用いた以
外は実施例1と同様に行って、芯材部が編組構造物から
なる樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。得られた樹脂被覆
繊維ロープ状物について、実施例1と同様に評価した結
果は、表1に示すとおりであった。
【0021】[実施例5〜7]撚係数が1.5になるよ
うに撚糸した合撚糸構造物を芯材部に用い、表面被覆樹
脂の厚さ(d)と芯材部の合撚糸構造物外径(D)との
比率d/Dが、それぞれ表1に示した値となるように調
整して樹脂被覆した以外は実施例1と同様に行い、芯材
部が合撚糸構造物からなる樹脂被覆繊維ロープ状物を得
た。このサンプルについて実施例1と同様に評価した結
果は、表1に示すとおりであった。
【0022】[実施例8]表面被覆用樹脂としてウレタ
ン樹脂(モビロン;日清紡株式会社製)を用いた以外は
実施例5と同様に行って、芯材部が合撚糸構造物からな
る樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。このサンプルについ
て実施例1と同様に評価した結果は、表1に示すとおり
であった。
【0023】[実施例9]1000デニール/200フ
ィラメントからなる熱分解開始温度475℃、引張強度
25.5g/de、引張伸度3.7%ポリアリレート系
繊維(ベクトラン;株式会社クラレ製)を用いた以外は
実施例5と同様に行って,芯材部が合撚糸構造物からな
る樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。このサンプルについ
て実施例1と同様に評価した結果は、表1に示すとおり
であった。
【0024】[比較例1]実施例1で用いたと同じパラ
型アラミド繊維糸を2本実質的に撚糸することなく引き
揃えて芯材部に用いた以外は実施例1と同様に行って、
芯材部が引き揃え状物からなる樹脂被覆繊維ロープ状物
を得た。このサンプルについて実施例1と同様に評価し
た結果は、表2に示すとおりであった。
【0025】[比較例2、3]芯材部に用いる合撚糸構
造物の撚係数を比較例2では0.3に、また、比較例3
では8.0になるように撚糸した以外は実施例1と同様
に行って、芯材部が合撚糸構造からなる樹脂被覆繊維ロ
ープ状物を得た。得られた樹脂被覆繊維ロープ状物につ
いて実施例1と同様に評価した結果は、表2に示すとお
りであった。
【0026】[比較例4〜6]実施例4〜6で作成し
た、表面を樹脂で被覆する前の繊維構造物について、実
施例1と同様に評価した結果は、表2に示すとおりであ
った。
【0027】[実施例10〜12]油剤が付着している
1500デニール/1000フィラメンからなる熱分解
開始温度485℃、引張強度28.0g/de、引張伸
度4.6%のパラ型アラミド繊維糸(テクノーラ:帝人
株式会社製)1本と外径が0.18mmの銅線1本とを
引き揃え、表3に記載の撚係数でZ方向に撚糸した合撚
糸構造物を芯材部として押出し機の樹脂被覆用のダイス
中に導き、ここでナイロン12樹脂(ダイアミド:ダイ
セル株式会社製)を混合撚糸構造物表面に被覆して、表
面被覆樹脂層の厚さ(d)と芯材部の混合撚糸構造物外
径(D)との比率d/Dが、それぞれ0.25、0.2
6、0.29である全体外径が約1.1mmの樹脂被覆
繊維ロープ状物を得た。得られた樹脂被覆繊維ロープ状
物に付いて、引張強力、非吸水性、比重、耐摩耗性
(B)、屈曲耐久性、水中沈降性を評価した結果は、表
3に示すとおりであった。
【0028】[実施例13]実施例4で用いたと同じ4
00デニール/267フィラメンからなるパラ型アラミ
ド繊維糸(テクノーラ:帝人株式会社製)4本と外径が
0.12mmの銅線4本を用いて4打ちで編組(2×
4)し、組紐構造(編組構造)物を作成した。これを芯
材部に用いた以外は実施例10と同様に行って、芯材部
が編組構造物からなる樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。
得られた樹脂被覆繊維ロープ状物について、実施例10
と同様に評価した結果は、表3に示すとおりであった。
【0029】[実施例14]外径が0.12mmである
銅線4本を引き揃えて芯部とし、その表面に、実施例4
で用いたと同じ400デニール/267フィラメンから
なるパラ型アラミド繊維糸(テクノーラ:帝人株式会社
製)を用いて4打ちで編組(1×4)し、芯が銅線から
なる芯鞘繊維構造物を作成した。この芯鞘構造の編組構
造物を芯材部に用いた以外は実施例10と同様に行っ
て、芯材部が芯鞘構造の編組構造物からなる樹脂被覆繊
維ロープ状物を得た。得られた樹脂被覆繊維ロープ状物
について、実施例10と同様に評価した結果は、表3に
示すとおりであった。
【0030】[実施例15〜17]実施例10で用いた
と同じ混合撚糸構造物を芯材部に用い、表面被覆樹脂の
厚さ(d)と芯材部の混合撚糸構造物外径(D)との比
率d/Dを、それぞれ表3機際したように調整する以外
は実施例10と同様に行い、芯材部が混合撚糸構造物か
らなる樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。このサンプルに
ついて実施例10と同様に評価した結果は、表3に示す
とおりであった。
【0031】[実施例18]表面被覆用樹脂として実施
例8と同一のウレタン樹脂を用いた以外は実施例15と
同様に行って、芯材部が混合撚糸構造物からなる樹脂被
覆繊維ロープ状物を得た。このサンプルについて実施例
10と同様に評価した結果は、表3に示すとおりであっ
た。
【0032】[実施例19]1500デニール/300
フィラメントからなる熱分解開始温度475℃、引張強
度25.0g/de、引張伸度3.6%ポリアリレート
系繊維(ベクトラン;株式会社クラレ製)を用いて混合
撚糸構造物を作成し、これを芯材部に用いた以外は実施
例15と同様に行って芯材部が混合撚糸構造物からなる
樹脂被覆繊維ロープ状物を得た。このサンプルについ
て、実施例10と同様に評価した結果は、表3に示すと
おりであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の樹脂被
覆繊維ロープ状物は、耐熱性に優れた高強度、低伸度で
ある有機系繊維を撚糸又は編組した繊維構造物を芯材部
に用い、この表面に耐摩耗性、非吸水性に優れ且つ柔軟
性も良好な熱可塑性樹脂を被覆しているので、下記の特
徴を有する。 1)太さの割りに高強力である。 2)大気中でも水分介在下でも、耐摩耗性及び屈曲耐久
性に優れている。 3)非吸水性で且つ水切れ性が良好で取扱性に優れてい
る。 また金属繊維を併用した場合には、さらに水中での沈降
性も向上する。
【0037】したがって、本発明の樹脂被覆繊維ロープ
状物は、滑空用等のスポーツレジャー分野、資材運搬用
等の産業資材分野、あるいは漁網等の水産資材分野で使
用されるコードやロープ状物として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐摩耗性評価方法Aで使用する評価装置の略側
断面図である。
【図2】耐摩耗性評価方法Bで使用する評価装置の略側
断面図である。
【符号の説明】
1 直径が0.8mmの断面円形のピアノ線 2 荷重 3 評価用サンプル 4 外径が20mmの自由回転するロール 5 外径が10mmの自由回転するロール 6 評価用サンプル 7 パット 8 水 9 荷重

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解開始温度が310℃以上、引張強
    度が18g/de以上、引張伸度が8%以下である有機
    系繊維を編組又は撚係数0.5〜7.0で撚糸された繊
    維構造物を芯材部とし、該芯材部表面に熱可塑性樹脂層
    が被覆され、且つ該樹脂被覆層の厚さdと前記芯材部の
    径Dとの比d/Dが0.08〜0.65である樹脂被覆
    繊維ロープ状物。
  2. 【請求項2】 熱分解開始温度が310℃以上、引張強
    度が18g/de以上、引張伸度が8%以下である有機
    系繊維と比重が6.5以上の金属繊維とを混合編組もし
    くは組合わせ編組、又は撚係数0.5〜7.0で混合撚
    糸された繊維構造物を芯材部とし、該芯材部表面に熱可
    塑性樹脂層が被覆され、且つ該樹脂被覆層の厚さdと芯
    材部の径Dとの比d/Dが0.08〜0.65である樹
    脂被覆繊維ロープ状物。
  3. 【請求項3】 比重が6.5以上の金属繊維を芯とし、
    その表面を熱分解開始温度が310℃以上、引張強度が
    18g/de以上、引張伸度が8%以下である有機系繊
    維で編組した芯鞘構造の繊維構造物を芯材部とし、該芯
    材部表面に熱可塑性樹脂層が被覆され、且つ該樹脂被覆
    層の厚さdと芯材部の径Dとの比d/Dが0.08〜
    0.65である樹脂被覆繊維ロープ状物。
  4. 【請求項4】 有機系繊維が、全芳香族ポリアミド系繊
    維又は全芳香族ポリエステル系繊維である請求項1ない
    し3のいずれか1項記載の樹脂被覆繊維ロープ状物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂又はウ
    レタン系樹脂である請求項1ないし3のいずれか1項記
    載の樹脂被覆繊維ロープ状物。
  6. 【請求項6】 金属繊維が、銅線、鋼線又はステンレス
    線である請求項2又は3記載の樹脂被覆繊維ロープ状
    物。
JP01522196A 1996-01-31 1996-01-31 樹脂被覆繊維ロープ状物 Expired - Fee Related JP3219994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01522196A JP3219994B2 (ja) 1996-01-31 1996-01-31 樹脂被覆繊維ロープ状物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01522196A JP3219994B2 (ja) 1996-01-31 1996-01-31 樹脂被覆繊維ロープ状物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09209280A JPH09209280A (ja) 1997-08-12
JP3219994B2 true JP3219994B2 (ja) 2001-10-15

Family

ID=11882821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01522196A Expired - Fee Related JP3219994B2 (ja) 1996-01-31 1996-01-31 樹脂被覆繊維ロープ状物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3219994B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6254988B1 (en) * 2000-06-16 2001-07-03 E. I. Du Pont De Nemours And Company Comfortable cut-abrasion resistant fiber composition
JP2011063908A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Nippon Miniature Rope Co Ltd ネット及びその製造方法
KR101508526B1 (ko) * 2013-02-15 2015-04-07 주식회사 대동시스템 선루프용 케이블 유닛 및 이의 제조방법
WO2017221318A1 (ja) 2016-06-21 2017-12-28 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ロープ及びその製造方法
JP2021177828A (ja) * 2020-05-11 2021-11-18 Kbセーレン株式会社 ダイヤル式レーシングシステム用紐

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09209280A (ja) 1997-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1061660A (en) Composite cable and method of making the same
US20100101833A1 (en) Abrasion resistant cords and ropes
AU2007220843B2 (en) Ropes having improved cyclic bend over sheave performance
KR20100126805A (ko) 단섬유를 포함하는 심초구조의 낚시줄
JP7113004B2 (ja) ホイストロープ
JP3225224B2 (ja) 高強力繊維ロープ
JP3219994B2 (ja) 樹脂被覆繊維ロープ状物
JP6948635B2 (ja) 糸およびその製造方法
CN214782470U (zh) 一种合成纤维缆
JP4097004B2 (ja) 繊維ロープ
WO2022085084A1 (ja) 超高分子量ポリエチレン融着糸
JP3518617B2 (ja) 係船索
CA1284402C (en) Cut resistant jacket for ropes, webbing, straps, inflatables and thelike
JPH11200266A (ja) 延縄用ロープ状物
JP4784019B2 (ja) 高比重複合糸
JPH11103737A (ja) 釣り糸
JP7249468B2 (ja) 二重ロープ構造体
JP2928571B2 (ja) 繊維ロープ状物
JP3606334B2 (ja) 延縄用ロープ
JP7492302B1 (ja) 超高分子量ポリエチレン融着糸及びその製造方法
CN209114236U (zh) 一种新型航空钢丝绳
JP2554546Y2 (ja) 釣 糸
Davis Knowing the ropes
JP3182559B1 (ja) 釣 糸
JP2002266186A (ja) 長短複合紡績糸およびそれからなるロープ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090810

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees