JP3219801U - 結合金具並びにそれに用いられる差し金具及び摺動筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便に不意に結合が解除されることを防止可能な結合金具を提供する。【解決手段】係合突起22及び係合突起と連続する摺動部23を有する差し金具2と、爪31を有する受け金具3と、差し金具が遊貫されると共に押し輪部40を有する摺動筒4と、摺動筒の摺動を規制する摺動規制手段5と、を備える結合金具1において、摺動規制手段を、掛止凸部50と、掛止凸部と掛合可能に設けられた掛合凸部51、を有するものとし、掛合凸部51を、摺動筒及び差し金具の一方に設け、掛止凸部50を、摺動筒及び差し金具の他方に設けると共に掛合凸部が通過可能に設けられた非掛止部50aを有するものとし、摺動筒を非掛止部と掛合凸部とが対向する位置まで回動させることで、掛止凸部50と掛合凸部51との掛合を解除可能にする。【選択図】図1
Description
本考案は、結合金具並びにそれに用いられる差し金具及び摺動筒に関し、より詳細には、差込式の結合金具並びにそれに用いられる差し金具及び摺動筒に関する。
従来、消防ホース等の結合するために用いられる差込式の結合金具がある(例えば、特許文献1及び2を参照)。この様な結合金具は、差し金具と受け金具の2つのパーツよりなっており、受け金具に爪発条により内径方向に付勢された複数の爪が設けられていると共に差し金具に爪と係合可能に設けられた凹条が形成されており、差し金具が受け金具に差込まれた際に、爪と凹条とが係合することにより結合されるものである。
又、この様な結合金具には、結合を解除するための押し輪が設けられている。押し輪は、軸方向に摺動可能となっていると共に指掛可能に設けられた鍔部(フランジ)を有しており、鍔部に指を掛け、押し輪を摺動させて、爪を介して爪発条を外径方向へと押し上げることにより、爪と凹条とが係合が解除され、結合金具の結合が解除される様になっている。
差込式の結合金具は、例えば、消防用のホースの連結に用いられている。押し輪は、特にその摺動が規制される様にできているものではなかったため、ホースが不慮に動揺し、押し輪が何かに引っ掛ってしまい軸方向へと摺動してしまうと爪と凹条とが係合が解除され、差し金具と受け金具とが不意に離脱してしまう可能性があるという問題があった。
そこで、この不意の離脱を防止した差込式の結合金具が開発されている(特許文献3を参照)。特許文献3に記載された結合金具においては、ロック部材を別個に設け、押し輪の摺動をロック部材でロックすることにより、不意に差し金具と受け金具との結合が解除されることを防止している。
特許文献3に記載の結合金具においては、差し金具と受け金具とを結合した後に、更にロック部材を結合金具に掛けるという作業が必要であり、作業が煩雑となるという問題があった。特に、迅速性が求められる火災現場においては、全ての結合金具にロック部材を掛けることは、現実的ではなく、ロック部材が掛けられていても一部の結合金具に留まっているという実情がある。
そこで、本考案は、この様な火災現場における実情を考慮し、より簡便に不意に結合が解除されることを防止可能な結合金具を提供することを目的とする。
本考案は、係合突起及び該係合突起と連続する摺動部を有する差し金具と、爪を有する受け金具と、該差し金具が遊貫されると共に押し輪部を有する摺動筒と、該摺動筒の摺動を規制する摺動規制手段と、を備え、該爪は、該差し金具が該受け金具に差込まれた際に、該係合突起と係合可能に設けられ、該摺動規制手段は、掛止凸部と、該掛止凸部と掛合可能に設けられた掛合凸部と、該掛合凸部が通過可能に設けられた非掛止部と、を有し、該掛合凸部は、該摺動筒及び該差し金具の一方に設けられ、該掛止凸部及び非掛止部は、該摺動筒及び該差し金具の他方に設けられ、該摺動筒を該非掛止部と該掛合凸部とが対向する位置まで回動させることで、該掛止凸部と該掛合凸部との掛合を解除可能になっていることを特徴とする結合金具である。又、本考案は、前記結合金具に用いられることを特徴とする差し金具である。又、本考案は、前記結合金具に用いられることを特徴する摺動筒である。
尚、本考案は、前記非掛止部を、前記掛止凸部に形成された切欠とすることが可能である。又、本考案は、前記掛止凸部を、前記摺動筒及び前記差し金具の他方の略全周に亘って設けることが可能である。又、本考案は、前記非掛止部を、前記掛止凸部の1箇所に設けることが可能である。
本考案は、押し輪部を有する摺動筒の摺動を規制する摺動規制手段を設け、該規制手段の掛止凸部と掛合凸部とに掛合を、摺動筒を回動させることで解除できるものとしたので、より簡便に不意に差し金具と受け金具との結合が解除されることを防止することが可能である。
本考案の実施形態を図1乃至図3に基づき説明する。結合金具1は、例えば、消防ホース(図示せず)の結合に用いられ、差し金具2、受け金具3、摺動筒4及び摺動規制手段5を備えている。差し金具2は、結合したい消防ホースの一方に接続され、受け金具3は、該消防ホースの他方に接続される。
差し金具2は、その内方に消火水等の流路Fが形成された略筒状、例えば、略円筒状をなしており、その先端1a側に受け金具3の孔部30に差込可能に設けられた差込部20が設けられていると共にその基端1b側にホースの継手部(図示せず)が差込可能に設けられたホース継手部21が設けられている。
差込部20は、その外面の先端1a側に、係合突起22が設けられていると共に係合突起22と連続する摺動部23を有している。摺動部23の基端1b側には、後述する摺動規制手段5の掛止凸部50が設けられている。又、ホース継手部21の外周面は、摺動筒4の回動や摺動を行う際に、把持可能に設けられており、少なくとも、消火活動等の際に、防火手袋を着装した状態で保持し、確実に操作の行える幅に形成される。尚、ホース継手部21は、消防用ホースの継手部が挿着されるタイプであるが、例えば、螺着等の他のタイプを適宜採用することが可能である。
受け金具3は、その内方に流路Fの一部を構成する孔部30が設けられた略筒状、例えば、略円筒状をなしており、孔部30の基端1b側に周方向に離間して配設された爪31が設けられている。又、受け金具3は、その先端1a側にホース継手32が設けられている。ホース継手32は、ホース継手21と同様に必要に応じて様々なものが選択可能である。
爪31は、爪発条33によって内径方向に付勢がさせており、差し金具2が受け金具3に差込まれた際に、係合突起22によって一旦外径方向に引っ込む様になっており、係合突起22及び後述する押し輪部40によって形成された凹条6と爪31が対向する位置まで差し金具2が受け金具3に差込まれると、再度、爪発条33によって内径方向へと飛出し、係合突起22と係合する様になっている。
本実施形態において、爪31及び爪発条33は、孔部30の内面に形成された凹部34内に収められる様に受け金具3に取付けられている。このため、爪31は、基端1b側の面がテーパー面31aとなっていることが望ましい。又、凹部34は、120°間隔で周方向に離間して三箇所に設けられており、それに伴って、爪31も三箇所に設けられているが、爪31の数、形状等は必要に応じて適宜選択可能である。
摺動筒4は、その内方に差し金具2が遊貫、即ち、遊びを持って貫通可能に設けられた略筒状、例えば、略円筒状をなしており、それによって、差し金具2の外周面に沿って摺動可能となっている。又、摺動筒4は、その先端1a側に押し輪部40を有していると共に、基端1b側に基部41を有している。基部41には、後述する摺動規制手段5の一部である掛合凸部51が設けられている。
押し輪部40は、受け金具3の爪31と差し金具2の係合突起22との係合を解除し、差し金具2を受け金具3から離脱させるために設けられている。押し輪部40は、摺動筒4を、差し金具2の外周面に沿って摺動させることにより、摺動部23に沿って摺動可能に設けられている。
それによって、押し輪部40は、摺動筒4が基端1b側に位置した際に、差し金具2の係合突起22と共に凹条6を形成すると共に、摺動筒4を摺動させ、摺動筒4が先端1a側に位置した際に、凹条6に収められた受け金具3の爪31を外径方向へ押し上げ、受け金具3の爪31と差し金具2の係合突起22との係合を解除する様になっている。
摺動規制手段5は、掛止凸部50と、掛止凸部50と掛合可能に設けられた掛合凸部51と、掛合凸部51が通過可能に設けられた非掛止部50aと、を有しており、掛止凸部50と掛合凸部51とを掛合させることで、摺動筒4の軸方向A1への摺動を規制するために設けられており、摺動が規制された状態の摺動筒4を回動させることによって、該掛合が解除され、摺動筒4の摺動の規制が解除可能になっている。
掛合凸部51は、本実施形態において、摺動筒4の基部41から基端1b方向に立設されたピンとして設けられており、その基端1b側が掛合部51aをなしている。尚、掛合凸部51の形状や数等は、適宜選択は可能であり、掛合突起51を複数箇所に設けても良い。
掛止凸部50は、本実施形態において、差し金具2の摺動部23の基端1b側の略全周に亘って設けられており、掛合凸部51の掛合部51aと掛合可能に設けられていると共に摺動筒4の回動の妨げとはならない高さで摺動部23に立設されている。尚、掛止凸部50の形状や数等は、適宜選択可能であり、複数の掛止凸部50を設けることも可能である。
非掛止部50aは、本実施形態においては、掛止凸部50に設けられており、具体的に述べれば、掛止凸部50に形成された略円弧状の切欠として設けられている。又、非掛止部50aは、少なくとも、掛合凸部51の掛合部51aが通過可能な大きさに形成されている。尚、非掛止部50aの形状や数等は、適宜選択可能であり、複数箇所に設けることが可能である。
掛合凸部51及び非掛止部50aは、本実施形態の様に、各々、1箇所のみに設けることが、特に好ましい。この様にすることで、掛止凸部50と掛合凸部51との掛合の解除に必要な摺動筒4の回動角度をより広く確保することが可能となり、受け金具3と差し金具2との結合が不意に解除されることがより防止することが可能となる。
即ち、押し輪部40は、掛合凸部51の掛合部51aを非掛止部50aに通過させ、掛合部51aが掛止凸部50よりも基端1b側に位置している状態で任意の方向に回動させることで、掛合凸部51と掛止凸部50が掛合して摺動部23に沿って摺動できない様になっている一方、掛合部51aが非掛止部50aと対向する位置まで更に押し輪部40を回動させることで掛合凸部51と掛止凸部50との掛合が解除され、摺動部23に沿って摺動可能となる様になっていることとなる。
消防用ホースを結合するために、差し金具2を受け金具3に差込む際には、予め、摺動筒4を基端1b側に位置させておき、掛合凸部51と掛止凸部50とが掛合する位置まで摺動筒4を回動させておき、摺動筒4の摺動を規制した状態で差し金具2の差込部20を受け金具3の孔部30へと挿入する。そうすると、受け金具3の爪31は、凹条6に収まる形で、差し金具2の係合突起22と係合し、消防用ホースの結合は、完了する。
消防用ホースの結合を解除する際には、摺動筒4を、例えば、図3中に一点鎖線で示している様に、A2方向へと、掛合凸部51(本実施形態においてはその掛合部51a)と非掛止部50aとが対向する位置まで摺動筒4を回動させ、摺動筒4の摺動の規制を解除する。
その後、図2(b)中に一点鎖線で示した様に、摺動筒4を軸方向A1へと差し金具2に沿って摺動させると共に押し輪部40を摺動部23に沿って摺動させる。そうすると、摺動筒4の押し輪部40は、テーパー面31aに沿って、爪31の内方に徐々に入り込んでいき、爪31を外径方向へと押し上げる。そして、押し輪部40が、係合突起22と当接又は近接する位置まで、押し輪部40を摺動させると、爪31と係合突起22との係合が解除され、差し金具2を受け金具3から抜くことが可能となる。
従って、結合金具1において、押し輪部40は、掛合凸部51と掛止凸部50とが掛合している限り、先端1a側への摺動が規制されていることとなる。この規制の解除は、摺動筒4を回動させる必要があり、回動という動作は、人為的に行われない限り起こり難い動作であり、そのため、結合金具1は、ホースが不慮に動揺した際であっても不意に結合が解除されることが防止されていることとなる。
そのため、予め、押し輪部40の摺動を規制しておくことが可能であり、火災現場等での押し輪部40の摺動をロックするために追加的な作業が不要となっており、火災現場等の迅速性の求められる現場においても、不意に結合が解除されることが防止することが可能である。
本発明を、上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、(1)上記実施形態においては、摺動規制手段5の掛止凸部50及び非掛止部50aを差し金具2側に、掛合凸部51を摺動筒4側に設けたが、それとは逆に、掛止凸部50及び非掛止部50aを摺動筒4側に、掛止凸部51を差し金具2側に設けることも可能である。
(2)防火手袋でより作業がし易いように、把持部24や摺動筒4の外面に、ゴム等の滑り止め材を設けたり、ローレット加工等の滑り止め加工を施したりすることも可能である。
(3)上記実施形態においては、掛止凸部50の非係合部50aを切欠として設けたが、掛止凸部50に孔部として設けることが可能である。その場合においては、摺動筒4が回動できる様に非掛合部と連続すると共に掛止凸部50に周方向に延在する無底の溝部も併せて設けることが可能である。
(4)上記実施形態において、掛止凸部50を、摺動部23に一重に設けたが、多重に設けることも可能である。この場合において、特に、非掛止部50aの位置をずらすことで、受け金具3と差し金具2との結合が不意に解除されることがより防止することが可能となる。
(5)上記実施形態において、掛止凸部50を略全周に亘って設けたが、周方向に間欠的に設けることも可能である。この場合において、各掛止凸部50間の間隙を非掛止部50aとして活用し、非掛止部50aを掛止凸部50に設けない様にしても良い。
(6)非掛止部50aの位置を表示する表示部(図示せず)を別途設けても良い。例えば、該表示部は、差し金具2のホース継手部21の外面に形成された窪みとして設けることが可能である。
1 結合金具 1a 先端 1b 基端
2 差し金具 20 差込部 21 ホース継手部
22 係合突起 23 摺動部 3 受け金具
30 孔部 31 爪 31a テーパー面
32 ホース継手 33 爪発条 34 凹部
4 摺動筒 40 押し輪部 41 基部
5 摺動規制手段 50 掛止凸部 50a 非掛止部
51 掛合凸部 51a 掛合部 6 凹条
A1 軸方向 A2 回動方向 F 流路
2 差し金具 20 差込部 21 ホース継手部
22 係合突起 23 摺動部 3 受け金具
30 孔部 31 爪 31a テーパー面
32 ホース継手 33 爪発条 34 凹部
4 摺動筒 40 押し輪部 41 基部
5 摺動規制手段 50 掛止凸部 50a 非掛止部
51 掛合凸部 51a 掛合部 6 凹条
A1 軸方向 A2 回動方向 F 流路
Claims (6)
- 係合突起及び該係合突起と連続する摺動部を有する差し金具と、
爪を有する受け金具と、
該差し金具が遊貫されると共に押し輪部を有する摺動筒と、
該摺動筒の摺動を規制する摺動規制手段と、を備え、
該爪は、該差し金具が該受け金具に差込まれた際に、該係合突起と係合可能に設けられ、
該摺動規制手段は、掛止凸部と、該掛止凸部と掛合可能に設けられた掛合凸部と、該掛合凸部が通過可能に設けられた非掛止部と、を有し、
該掛合凸部は、該摺動筒及び該差し金具の一方に設けられ、
該掛止凸部及び非掛止部は、該摺動筒及び該差し金具の他方に設けられ、
該摺動筒を該非掛止部と該掛合凸部とが対向する位置まで回動させることで、該掛止凸部と該掛合凸部との掛合を解除可能になっていることを特徴とする結合金具。 - 前記非掛止部は、前記掛止凸部に形成された切欠であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
- 前記掛止凸部は、前記摺動筒及び前記差し金具の他方の略全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の結合金具。
- 前記非掛止部は、前記掛止凸部の1箇所に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の結合金具。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の結合金具に用いられることを特徴とする差し金具。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の結合金具に用いられることを特徴とする摺動筒。
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JP2018004327U JP3219801U (ja) | 2018-11-08 | 2018-11-08 | 結合金具並びにそれに用いられる差し金具及び摺動筒 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7434076B2 (ja) | 2020-06-18 | 2024-02-20 | 櫻護謨株式会社 | 結合金具 |
-
2018
- 2018-11-08 JP JP2018004327U patent/JP3219801U/ja active Active
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JP7434076B2 (ja) | 2020-06-18 | 2024-02-20 | 櫻護謨株式会社 | 結合金具 |
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