JP3219749B2 - 焼結型溶接フラックススラグの再生方法 - Google Patents

焼結型溶接フラックススラグの再生方法

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JP3219749B2 JP2000008219A JP2000008219A JP3219749B2 JP 3219749 B2 JP3219749 B2 JP 3219749B2 JP 2000008219 A JP2000008219 A JP 2000008219A JP 2000008219 A JP2000008219 A JP 2000008219A JP 3219749 B2 JP3219749 B2 JP 3219749B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み焼結型フ
ラックススラグをあえて溶融し、再度溶接フラックスと
して利用可能な焼結型溶接フラックススラグの再生方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】潜弧溶接法(サブマージアーク溶接法
(submerged arc welding:SA
W))で使用されたフラックスのスラグは、冶金反応に
より成分が変化しており、特にFeOが著しく増加して
いる。また、溶接時、あるいはスラグ回収時に金属鉄、
あるいは予めフラックスに含有させているFe−Cr等
の合金の混入があり、これらメタル分の除去が、粉砕や
整粒と並んで使用後のスラグの再生のかぎとなってい
る。そこで、特開昭50−47837号公報に記載のよ
うに、潜弧溶接に使用された焼結型(ボンド)フラック
スのスラグを回収し、粉砕、粒度調整をなし、この溶剤
にフエロクローム、蛍石、酸化チタンを添加して調整す
ることで再生する方法や、特開昭51−21537号公
報に記載のように、潜弧溶接に使用された焼結型(ボン
ド)フラックスのスラグを粉砕、脱鉄、粒径調整するこ
とで、機械的に再生する方法が提案された。これによ
り、一部の使用後の焼結型フラックススラグを、新品の
焼結型フラックススラグと混合し、再利用することが可
能となった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法には解決すべき以下の問題があった。 (1)潜弧溶接使用後の焼結型フラックススラグの大部
分は廃棄されているため、処分に費用がかかる。 (2)再生した焼結型フラックスは、焼結型フラックス
中に残存するスパッタ等のメタル分が十分に除去できて
いないため、スラグが母材及び溶接金属へ焼き付き剥離
性が悪い。 (3)再生した焼結型フラックスは、溶接時にアークが
安定せず、ビード外観(溶接表面)が不良になる。 (4)再生した焼結型フラックスは、緻密であるためか
さ密度が大きいので(1.3g/cm3 より大きく2.
0g/cm3 未満程度)、スラグが母材及び溶接金属へ
焼き付き、剥離性が悪い。 本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、潜弧溶接
使用後の焼結型フラックススラグを、溶接時の大電流に
耐え、また凝固過程にあるビードを圧迫せず、しかも通
気性が良好であるため、ガス放出が容易となり、ビード
外観が良く、作業性の良好な溶融型フラックスとして再
生する焼結型溶接フラックススラグの再生方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る焼結型溶接フラックススラグの再生方法は、潜
弧溶接使用後の焼結型フラックススラグに、焼結型フラ
ックススラグに対して2〜3重量%のコークスを混合し
て溶解し、この溶解した焼結型フラックススラグ中にC
O及び/又はCO2 ガスを固溶させ、更に溶解したフラ
ックススラグ中に含まれるメタル分を沈降させてフラッ
クススラグから除去する溶解工程と、溶解工程で溶解処
理したフラックススラグを水砕して発泡かつ粒状化させ
た後、乾燥する乾燥水砕工程と、乾燥水砕工程で得られ
た水砕フラックススラグを更に粉砕した後、このフラッ
クススラグを所定の粒径範囲に調整し、磁選処理を行っ
て残存するメタル分を除去する粉砕整粒工程とを有し、
粉砕したフラックススラグの粒径が0.1mm未満のも
のについては焼結型フラックススラグに混ぜて溶解処理
し、粉砕したフラックススラグの粒径が2mmを超える
ものについては粉砕整粒工程で粉砕し、更に、粉砕整粒
工程で粒径を調整したフラックススラグのかさ密度を
0.8〜1.3g/cm3 とした。これにより、潜弧溶
接使用後の焼結型フラックススラグ中に含まれるメタル
分を除去でき、しかもかさ密度を小さくすることができ
る。よって、従来の再生方法で再生した焼結型フラック
スで発生していた母材及び溶接金属への焼き付きを防止
可能とした溶融型フラックスとして再生することができ
る。また、このように、フラックススラグの粒径調整後
の不適正なものは、溶解工程、粉砕整粒工程へそれぞれ
戻すことで、再度粒径調整ができるため、粒径を調整す
るための設備を新たに加える必要がなく、粒径が不適正
なものを処分する必要が無くなる。
【0005】前記目的に沿う第2の発明に係る焼結型溶
接フラックススラグの再生方法は、潜弧溶接使用後の焼
結型フラックススラグに、焼結型フラックススラグに対
して2〜3重量%のコークスを混合して溶解し、この溶
解した焼結型フラックススラグ中にCO及び/又はCO
2 ガスを固溶させ、更に溶解したフラックススラグ中に
含まれるメタル分を沈降させてフラックススラグから除
去する溶解工程と、溶解工程で溶解処理したフラックス
スラグを風砕して発泡かつ粒状化させる風砕工程と、風
砕工程で得られた風砕フラックススラグを更に粉砕した
後、このフラックススラグを所定の粒径範囲に調整し、
磁選処理を行って残存するメタル分を除去する粉砕整粒
工程とを有し、粉砕したフラックススラグの粒径が0.
1mm未満のものについては焼結型フラックススラグに
混ぜて溶解処理し、粉砕したフラックススラグの粒径が
2mmを超えるものについては粉砕整粒工程で粉砕し、
更に、粉砕整粒工程で粒径を調整したフラックススラグ
のかさ密度を0.8〜1.3g/cm3 とした。
【0006】これにより、潜弧溶接使用後の焼結型フラ
ックススラグ中に含まれるメタル分を除去でき、しかも
かさ密度を小さくすることができる。よって、従来の再
生方法で再生した焼結型フラックスで発生していた母材
及び溶接金属への焼き付きを防止可能とした溶融型フラ
ックスとして再生することができる。また、このよう
に、フラックススラグの粒径調整後の不適正なものは、
溶解工程、粉砕整粒工程へそれぞれ戻すことで、再度粒
径調整ができるため、粒径を調整するための設備を新た
に加える必要がなく、粒径が不適正なものを処分する必
要が無くなる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る焼結型溶接フラックススラグの再生方法のフロ
ーチャート、図2は再生した溶融型フラックスを使用し
た潜弧溶接の説明図である。本発明の一実施の形態に係
る焼結型溶接フラックススラグの再生方法に適用される
潜弧溶接使用後の焼結型フラックススラグは、例えば重
量%で、SiO2 :10〜30%、CaO:10〜30
%、MgO:15〜35%、Al23 :15〜25
%、F:2〜10%、MnO:3〜10%の成分を有し
ているが、その他の焼結型フラックススラグであっても
本発明は適用される。
【0008】この焼結型フラックススラグを溶融型フラ
ックスとして再生する方法を図1を用いて詳細に説明す
る。まず、溶解工程について説明する。潜弧溶接使用後
の焼結型フラックススラグ500kgにコークス粉(粒
径0.1〜1mm程度)を、例えば2〜3重量%混合
し、カーボンスタンプ材(カーボンを機械的に突き固め
て圧密化したもの)等を使用したアーク炉にて、還元雰
囲気中で溶解する。ここで、焼結型フラックススラグの
加熱温度は、例えば1400〜1700℃程度とし、焼
結型フラックススラグを完全に溶解する。これにより、
溶解した焼結型フラックススラグ中にCO及び/又はC
2 ガスが固溶する。このように、還元雰囲気中で焼結
型フラックススラグを溶解するため、溶解したフラック
ススラグ中に含まれる鉄分は還元されメタル化し、炉底
に沈降する。このとき、未使用の焼結型フラックススラ
グの製造時に添加されていた合金元素の残存分や、潜弧
溶接使用後の焼結型フラックススラグを溶融することで
生成する金属分も、鉄分と同様に還元されメタル化し、
炉底に沈降する。このようにして、メタル分、即ち、鉄
分、合金元素の残存分及び金属分が除去されたフラック
ススラグは、炉内で浮上分離し炉の上部から排出され
る。
【0009】次に、乾燥水砕工程について説明する。こ
こでは、溶解工程で溶解処理し、炉の上部から排出され
たフラックススラグを、大量の流水中に投入する。この
とき、フラックススラグ中に溶け込んでいたCO及び/
又はCO2 ガスや、フラックススラグ中に僅かに残存
(例えば、0.1〜2重量%程度)するメタル分と水と
の反応で発生したフラックススラグ中に含まれる水素ガ
スは、フラックススラグを発泡化させ、これによって比
重を小さくする。フラックススラグは、この発泡化と共
に粒径5mm以下を主体とする粒に水砕される。このよ
うにして水砕され、粒状化したフラックススラグは、電
気炉等の乾燥装置を使用して乾燥される。上記のよう
に、水砕したフラックススラグを、乾燥した後、更に磁
選処理を行って、前記溶解工程で溶解処理した際、フラ
ックススラグ中から除去できなかった残存するメタル分
を除去する。
【0010】更に、粉砕整粒工程について説明する。乾
燥水砕工程で得られた粒径5mm以下を主体とする水砕
フラックススラグを、ロールクラッシャーや、ハンマー
クラッシャー等の粉砕機を使用することで、粒径が2m
m以下となるまで粉砕する。このように粉砕したフラッ
クススラグを、分級(ふるい分け)装置を使用すること
で分級し、所定の粒径範囲(この実施の形態では0.1
〜2mm)に調整する。上記のように、粉砕したフラッ
クススラグを、所定の粒径範囲に調整した後、更に磁選
処理を行って、前記乾燥水砕工程で磁選処理した際、フ
ラックススラグ中から除去できなかった残存するメタル
分を除去する。このように、粒径が0.1〜2mmの範
囲に調整され、しかも、フラックススラグ中のメタル分
を除去したフラックススラグを、溶融型フラックスとし
て使用する。
【0011】なお、前記粉砕整粒工程で粉砕したフラッ
クススラグのうち、粒径が0.1〜2mmの範囲外のも
のは、以下のように処理される。粒径が0.1mm未満
のものについては、再度溶解工程に戻され、潜弧溶接使
用後の焼結型フラックススラグに混ぜて再溶解される。
このように溶解処理した後、乾燥水砕工程、粉砕整粒工
程で順次処理され、フラックススラグの粒径を0.1〜
2mmの範囲に調整する。一方、粒径が2mmを超える
ものについては、再度粉砕整粒工程で、粒径が2mm以
下となるまで粉砕機により粉砕する。粉砕後、分級(ふ
るい分け)装置を使用することにより0.1〜2mmの
範囲に調整する。そして、磁選処理により、乾燥水砕工
程での磁選処理でフラックススラグ中から除去できなか
った残存するメタル分を除去する。前記方法により、
0.1〜2mmに範囲に調整され、しかもフラックスス
ラグ中のメタル分を除去したフラックススラグを、溶融
型フラックスとして使用する。なお、前記粉砕整粒工程
で粒径を調整したフラックススラグのかさ密度は乾燥水
砕工程での発砲化により0.8〜1.3g/cm3 とな
っている。
【0012】ここで、前記粉砕整粒工程で磁選処理した
フラックススラグの粒径を0.1〜2mmの範囲に限定
した理由について、以下に説明する。磁選処理したフラ
ックススラグの粒径を0.1mmより小さくすると、溶
接時のガス放出が悪く、欠陥やブローホール(blow
hole)が発生する。一方、フラックススラグの粒
径を2mmより大きくすると、溶接時のアークがオープ
ンアークとなり、ビード外観が悪く、欠陥が発生する。
このことから、フラックススラグの粒径を0.1〜2m
mの範囲としたが、好ましくは0.3〜1.7mmであ
ることが好ましい。
【0013】続いて、前記粉砕整粒工程で粒径を調整し
たフラックススラグのかさ密度を、発泡化させて0.8
〜1.3g/cm3 の範囲にした理由について、以下に
説明する。フラックススラグのかさ密度を0.8g/c
3 より小さくすると、溶接時のアークのシールド性が
悪くなり、よってビード外観不良、ブローホールの発
生、母材及び溶接金属からのスラグの剥離性が悪くな
る。一方、かさ密度を1.3g/cm3 より大きくする
と、スラグが母材及び溶接金属へ焼き付くため、剥離性
が悪く、作業性が悪くなる。このことから、フラックス
スラグのかさ密度を0.8〜1.3g/cm3 とした
が、好ましくは1.0〜1.3g/cm3 とすることが
好ましい。
【0014】前記実施の形態においては、溶解工程で溶
解処理したフラックススラグを水砕して発泡かつ粒状化
させた後、乾燥する乾燥水砕工程を有していたが、溶解
工程で溶解処理したフラックススラグを風砕して発泡か
つ粒状化させる風砕工程に変えることも可能である。こ
の風砕工程で風砕したフラックススラグを磁選処理し
て、前記溶解工程で溶解処理した際、フラックススラグ
中から除去できなかった残存するメタル分を除去する。
このメタル分を除去したフラックススラグを粉砕整粒工
程で処理する。なお、ここで、風砕は、溶解処理したフ
ラックススラグに、例えば空気や、不活性ガス等を吹き
つけることで実施する。これにより、乾燥処理を行わず
に磁選処理することができる。
【0015】前記実施の形態において、溶解工程でメタ
ル化され沈降除去した合金元素の残存分や金属分は、メ
タルとして利用することや、金属分を酸化することでフ
ラックススラグの添加成分として利用することも可能で
ある。また、前記実施の形態において、潜弧溶接使用後
の焼結型フラックススラグに混合するコークスの粒径を
0.1〜1mm程度、また添加量を2〜3重量%とし
た。しかし、フラックススラグのかさ密度を0.8〜
1.3g/cm3 とすることができるのであれば、溶解
する焼結型フラックススラグの量や、反応温度が変わる
ことで変化する反応速度等を考慮して、粒径を1mmよ
り大きく、又は0.1mmより小さくすることも可能で
ある。更に、コークスの添加量についても、溶解する焼
結型フラックススラグの量や反応速度等を考慮して、2
重量%より少なく、又は3重量%より多くすることも可
能である。
【0016】
【実施例】本発明に係る焼結型溶接フラックススラグの
再生方法により、表1で示した成分を有した潜弧溶接使
用後の焼結型フラックススラグを、溶融型フラックスと
して再生した。この再生した溶融型フラックスを使用し
て潜弧溶接を実施し、母材及び溶接金属からの溶融型フ
ラックススラグの剥離性、及びビード外観について比較
例と比較した。
【0017】
【表1】
【0018】ここで、表1のT.CaOは、CaO単独
で存在しているものだけでなく、表1中のその他に含ま
れる成分、例えばCaF2 等と化合しているCaOも含
んでいる。また、再生した溶融型フラックスは、コーク
ス添加量を変化させて製造したもので、表2に示すよう
に、本発明品が3種類、比較例が3種類の合計6種類で
ある。
【0019】
【表2】
【0020】表2から分かるように、かさ密度は、本発
明品が1.05〜1.26g/cm3となっており、比
較例の1.34〜1.52g/cm3 と比較して小さく
なっている。次に、この6種類の溶融型フラックスを用
いて、表3に示すサイズ及び成分を有する鋼板を溶接す
る。
【0021】
【表3】
【0022】まず、この鋼板を潜弧溶接する際に、潜弧
溶接する鋼板の形状が維持できるように、また溶接のル
ート間隔の変化を防止するように仮付け(タック)溶接
する。これは、図2に示すように裏当て金10(例えば
厚み10〜20mm程度)の上面に、潜弧溶接する鋼板
11をルート間隔a(例えば厚み10〜20mm程度)
をあけて左右に配置し、次に、裏当て金10と鋼板11
とを溶接し、定められた位置に鋼板11を保持すること
で行う。次に、図2に示すように、この仮付け溶接を行
った鋼板11のルート間隔aの部分に、潜弧溶接使用後
の焼結型フラックススラグを用いて再生した溶融型フラ
ックス13(本発明品No.1〜3、比較例No.4〜
6)と、溶接ワイヤー12を配置し、それぞれにおいて
潜弧溶接を実施した。なお、溶接条件は、電流AC50
0A、電圧30V、速度35cm/分で実施した。その
結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】ここで、溶接結果の判断は、次の基準で行
った。スラグの母材及び溶接金属からの剥離性について
は、自然に剥離するか、又は軽く突く程度で取れるもの
を○、強く突けばどうにか取れるものを△、取れないも
のを×とした。ビード外観については、ビードの波目が
揃っており美麗なものを○、ビードの波目がやや不揃い
でやや劣るものを△、ビードの波目が不揃いなもの、ビ
ードが蛇行するものを×印とした。
【0025】その結果、本発明品であるフラックスN
o.1〜3は母材及び溶接金属からのスラグの剥離性、
ビード外観のどちらについても良い結果が得られた。一
方、比較例であるフラックスNo.4は、母材及び溶接
金属からスラグが剥離しにくく、また、ビード外観もビ
ードの波目がやや不揃いで、フラックスNo.1〜3と
比較しやや劣るものとなった。また、フラックスNo.
5、6については母材及び溶接金属からのスラグの剥離
性、ビード外観のどちらについても悪い結果が得られ
た。このことから、本発明は潜弧溶接使用後の焼結型フ
ラックススラグからメタル分を除去でき、更に、かさ密
度が従来のものより小さくできているため、焼結型フラ
ックススラグをビード外観が良好で、しかも母材及び溶
接金属からの剥離性が良好な溶融型フラックスに再生で
きたことが分かる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の焼結型溶接フラックスス
ラグの再生方法においては、従来、再生が困難なため、
そのほとんどが廃棄処分されていた焼結型フラックスス
ラグを再生するための方法であって、潜弧溶接使用後の
焼結型フラックススラグ中に含まれるメタル分を除去で
き、しかもかさ密度を小さくすることができるので、従
来の再生方法で再生した焼結型フラックスで発生してい
た母材及び溶接金属への焼き付きを防止可能とすると共
に、溶接時の大電流に耐え、凝固過程にあるビードを圧
迫せず、しかも良好な通気性により容易にガス放出がで
き、ビード外観が良い溶融型フラックスとして再生する
ことができる。また、母材及び溶接金属からのスラグの
剥離性が良好となり、作業性が良好となる。そして、大
部分が廃棄(一部は、新品の焼結型フラックスと混ぜて
使用)されていた潜弧溶接使用後の焼結型フラックスス
ラグを再生することで、廃棄することなく、新品の溶融
型あるいは焼結型フラックスと混合、あるいは単味で溶
融型フラックスとして使用することが可能となった。そ
の結果、使用済み焼結型フラックススラグの処分費が不
要となり、しかも新品の溶融型あるいは焼結型フラック
スを使用した場合よりも、材料コストを低減できる。更
に、フラックススラグの粒径調整後の不適正なものは、
溶解工程、粉砕整粒工程へ戻すことで、再度粒径調整が
できるため、粒径を調整するための設備、例えば造粒機
等を新たに加える必要がない。よって、新たに設備投資
をすることなく、フラックススラグを用途に応じた粒径
に再度調整できるので、設備コストを低減できる。ま
た、粒径が不適正なものを処分することなく、再度粒径
調整することができるので、処分費用がかからない。
【0027】請求項2記載の焼結型溶接フラックススラ
グの再生方法においては、従来、再生が困難なため、そ
のほとんどが廃棄処分されていた焼結型フラックススラ
グを再生するための方法であって、潜弧溶接使用後の焼
結型フラックススラグ中に含まれるメタル分を除去で
き、しかもかさ密度を小さくすることができるので、従
来の再生方法で再生した焼結型フラックスで発生してい
た母材及び溶接金属への焼き付きを防止可能とした溶融
型フラックスとして再生することができる。これによ
り、母材及び溶接金属からのスラグの剥離性が更に良好
となり、作業性が良好となる。また、ここで、風砕方法
として、例えば空気や、不活性ガス等を使用し風砕する
ことで、乾燥する必要がなくなるので、乾燥に必要な時
間を短縮でき、しかも乾燥するために必要なエネルギー
コストを低減できる。そして、フラックススラグの粒径
調整後の不適正なものは、溶解工程、粉砕整粒工程へそ
れぞれ戻すことで、再度粒径調整ができるため、粒径を
調整するための設備を、新たに加える必要がない。よっ
て、新たに設備投資をすることなく、フラックススラグ
を用途に応じた粒径に再度調整できるので、設備コスト
を低減できる。また、粒径が不適正なものを処分するこ
となく、再度粒径調整することができるため、処分費用
がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る焼結型溶接フラッ
クススラグの再生方法のフローチャートである。
【図2】再生した溶融型フラックスを使用した潜弧溶接
の説明図である。
【符号の説明】
10:裏当て金、11:鋼板、12:溶接ワイヤー、1
3:溶融型フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/362 - 35/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜弧溶接使用後の焼結型フラックススラ
    グに、該焼結型フラックススラグに対して2〜3重量%
    のコークスを混合して溶解し、この溶解した焼結型フラ
    ックススラグ中にCO及び/又はCO2 ガスを固溶さ
    せ、更に前記溶解したフラックススラグ中に含まれるメ
    タル分を沈降させて該フラックススラグから除去する溶
    解工程と、 前記溶解工程で溶解処理したフラックススラグを水砕し
    て発泡かつ粒状化させた後、乾燥する乾燥水砕工程と、 前記乾燥水砕工程で得られた水砕フラックススラグを更
    に粉砕した後、このフラックススラグを所定の粒径範囲
    に調整し、磁選処理を行って残存するメタル分を除去す
    る粉砕整粒工程とを有し、 前記粉砕したフラックススラグの粒径が0.1mm未満
    のものについては前記焼結型フラックススラグに混ぜて
    溶解処理し、前記粉砕したフラックススラグの粒径が2
    mmを超えるものについては前記粉砕整粒工程で粉砕
    し、 更に、前記粉砕整粒工程で粒径を調整したフラックスス
    ラグのかさ密度を0.8〜1.3g/cm3 としたこと
    を特徴とする焼結型溶接フラックススラグの再生方法。
  2. 【請求項2】 潜弧溶接使用後の焼結型フラックススラ
    グに、該焼結型フラックススラグに対して2〜3重量%
    のコークスを混合して溶解し、この溶解した焼結型フラ
    ックススラグ中にCO及び/又はCO2 ガスを固溶さ
    せ、更に前記溶解したフラックススラグ中に含まれるメ
    タル分を沈降させて該フラックススラグから除去する溶
    解工程と、 前記溶解工程で溶解処理したフラックススラグを風砕し
    て発泡かつ粒状化させる風砕工程と、 前記風砕工程で得られた風砕フラックススラグを更に粉
    砕した後、このフラックススラグを所定の粒径範囲に調
    整し、磁選処理を行って残存するメタル分を除去する粉
    砕整粒工程とを有し、 前記粉砕したフラックススラグの粒径が0.1mm未満
    のものについては前記焼結型フラックススラグに混ぜて
    溶解処理し、前記粉砕したフラックススラグの粒径が2
    mmを超えるものについては前記粉砕整粒工程で粉砕
    し、 更に、前記粉砕整粒工程で粒径を調整したフラックスス
    ラグのかさ密度を0.8〜1.3g/cm3 としたこと
    を特徴とする焼結型溶接フラックススラグの再生方法。
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