JP3219535U - ゆるみ止めボルト・ナット - Google Patents

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Abstract

【課題】ボルトとナットの引っかかりによる強固な戻り止め作用と、ボルトのネジ山への押圧作用とを同時に発揮させ確実強固なゆるみ止め効果を得るゆるみ止めボルト・ナットを提供する。
【解決手段】ボルト1のネジ軸部13における先端部分に軸方向に延びかつネジ12の谷径よりも深い係合溝14を形成する。ナット2の上部に、内面にネジ孔21に連続するネジ孔21aが形成された多数個のカシメ用突部23…23を等角度づつおいて突設する。各カシメ用突部23…23のネジ孔21a側内周端部分の横幅を係合溝14の溝幅よりも小さく形成して、カシメ用突部23…23のネジ軸部13側へのカシメ変形により、ボルト1の係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを突入させて引っかかり係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をボルト1のネジ12に圧接させてカシメ止めするように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナットのボルトへの締結時、ゆるみ止めを行う機能を備えたゆるみ止めボルト・ナットに関する。
従来、この種のゆるみ止め機能を備えたゆるみ止めボルト・ナットとしては、例えば通常形状の6角ボルトと6角ナットとからなり、6角ナットの上端面でかつ6面のうち、一つ飛ばしの3ヶ所に、上端面のネジ部周り外周から内方に向うカシメを施して、6角ボルトのネジ部を押圧する3個のカシメ部を形成したものが知られている。
そして、この3個のカシメ部を有するナットでは、これのボルトへの締結時、ナットにおけるカシメ部のボルトのネジ山への押圧力によって摩擦トルクを増大させ、ゆるみ止め効果を発生させるようになされている。
しかし、上記した従来のゆるみ止めボルト・ナットによれば、6角ナットの上端面でかつ6面のうち一つ飛ばしの3ヶ所〜6ヶ所に、上端面のネジ部周りを外周から内方に向かって無理やり変形させカシメを施す構成であることから、そのカシメ作業が非常に煩雑で、また高い熟練性を要し、しかも、単にカシメ部のネジ山への押圧力のみによるゆるみ止め作用であるため、バラツキが発生し易く確実で強固なゆるみ止め効果が得られにくいものであった。
そこで本発明は、上記した問題を解決するため、ゆるみ止めボルト・ナットの形状を工夫してボルトとナットの引っかかりによる強固な戻り止め作用と、ボルトのネジ山に押圧力をかける圧接作用とを同時に発揮させて、常に確実強固なゆるみ止め効果が得られる信頼度の高いゆるみ止めボルト・ナットの提供を課題とする。
本願の請求項1記載の考案は、頭部11と、外周にネジ12が形成されたネジ軸部13とを有するボルト1と、中心部に上記ネジ12に螺合するネジ孔21を有する多角形状のナット2とからなり、ボルト1のネジ軸部13における先端部分に軸方向に延びかつネジ12の谷径よりも深い係合溝14を形成する一方、ナット2の上部に、内面にネジ孔21に連続するネジ孔21aが形成された多数個のカシメ用突部23…23を等角度づつおいて突設し、かつ、これら各カシメ用突部23…23のネジ孔21a側内周端部分の横幅を係合溝14の溝幅よりも小さく形成して、カシメ用突部23…23のネジ軸部13側へのカシメ変形により、ボルト1の係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを突入させて引っかかり係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をボルト1のネジ12に圧接させてカシメ止めするように構成したことを特徴とする。
本願の請求項2記載の考案は、請求項1記載の係合溝14の断面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立壁状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成したことを特徴とする。
本願の請求項3記載の考案は、請求項1又は請求項2記載のナット1を六角形状とし、かつ、カシメ用突部23…23を、その六角形状における各対角部位置に符合して配置すると共に、その平面視形状を、上記各対角線を中心線として両側に等しく広角となる平面視扇形状に形成したことを特徴する。
本願の請求項4記載の考案は、請求項2記載の係合溝14に対応するカシメ用突部23…23の平面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立壁状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状外側面23cとからなるエッジ型状に形成したことを特徴とする。
上記した本考案のゆるみ止めボルト・ナットによれば、上記した構成によりナット2のボルト1への締付け終了時、ボルトの係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを位置合わせした状態で締付けを終了し、その位置合わせ状態ですべてのカシメ用突部23…23をプレスによってネジ軸部13の内方にカシメ変形することにより、ボルト1の係合溝14に対応するカシメ用突部23のネジ孔21a側内周端部分をその係合溝14内に突入させて引っかかりにより係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をボルト1のネジ12に圧縮変形させて圧力をかけ摩擦トルクを増大させてカシメ止めすることができる。
その結果、ボルト1の係合溝14とナット2のカシメ用突部23の引っかかりによる強固な戻り止め作用と、ボルト1のネジ12に圧力をかける圧縮変形作用とを同時に発揮させて、これらの両作用の相乗効果により確実強固なゆるみ止め効果が得られる。従って、カシメ締結後の振動や不用意な外力によるボルト1に対するナット2のゆるみを確実に防止できる。
また、ボルト1の係合溝14の断面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立壁状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成すれば、カシメ締結後、直立状内側面14aが係合溝14内に突入したカシメ用突部23と確実に引っかかり係合し、これによりナット2のゆるみを強固に阻止でき、信頼度の高いゆるみ止めを行うことができる。また、カシメ前においてボルト1にナット2を締付けるときには、ボルト1における係合溝14の緩傾斜状内側面14cとナット2のカシメ用突部23の扇形状傾斜外側面とが穏やかに干渉しながらねじ込まれることになり、僅かな抵抗をコッコッと伝えながら回転することになる。この抵抗を感知することにより締付け終了時におけるボルト1の係合溝14とカシメ用突部23との位置合わせを容易に確認することが可能となる。
また、ナット1を六角形状とし、かつ、カシメ用突部23…23をその六角形状における各対角部位置に符合して配置すると共に、その平面視形状を、上記各対角線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状に形成すれば、カシメ締結後、ボルト1に対してナット2をゆるめる必要があるとき、ボルトの係合溝14に突入したカシメ用突部23をその扇形状傾斜外側面を利用して強制的に乗りえさせナット1をゆるめることが可能となる。
さらに、カシメ用突部23…23の平面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立壁状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状外側面23cとからなるエッジ型状に形成すれば、カシメ締結後、カシメ用突部23のゆるみ方向側直立状外側面23aがボルト1の係合溝14におけるゆるみ方向側の直立状内側面14aに対して逃げ角なく当接して係合することになり、これによりラチェットギヤの引っかかりと同様に作用させて、より一層確実強固なゆるみ止め効果を発揮できる。
本考案に係るゆるみ止めボルト・ナットの締結状態の一部切欠正面図である。 同ボルト・ナットの一部切欠側面図である。 同ボルトの正面図である。 同ボルトのA−A断面図である。 同ナットの平面図である。 同ナットの一部切欠正面図である。 同ナットにおけるカシメ用突部のカシメ状態を示す平面図である。 同ナットのカシメ用突部のカシメ状態を示す一部切欠正面図である。 カシメ用突部の係合溝へのカシメ状態を示す拡大説明図である。 別のカシメ用突部の係合溝へのカシメ状態を示す拡大説明図である。
以下本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1及び図2は、本考案に係るゆるみ止めボルト・ナットを示し、このゆるみ止めボルト・ナットは、円形状の頭部11と、外周にネジ12が形成されたネジ軸部13とを有するボルト1と、中心部にネジ孔21を有する六角形状のナット2とからなる。
ボルト1におけるネジ軸部13の先端部には、図3及び図4に示すように軸方向に延びかつボルトネジ12の谷径よりも深くまた後述するカシメ用突部23の突入を許す(カシメ用突部23のネジ孔側内周部の幅より大きい)溝幅の係合溝14が形成されている。
そして、係合溝14は図3に示すように、その断面形状が、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立壁状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成されている。
一方、ナット2における上部には、図5及び図6に示すように、多数個(図では6個)のカシメ用突部23…23が一体に突設されている。具体的には内面にナット2のネジ孔21に連続するネジ孔21aが形成された円筒部を一体に連設しかつこの円筒部分にその中心から放射方向に延びる6個の割り溝22…22を等角度の間隔おいて形成して6個のカシメ用突部23…23を突設形成している。その場合、カシメ用突部23…23が、六角形状のナット2における各対角部位置に符合して配置されていると共に、各カシメ用突部23…23の平面視形状としては、図5に示すように上記各対角線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状(広角型状)を呈するように形成されている。また、各カシメ用突部23…23のネジ孔21a側内周端部分の横幅は係合溝14の溝幅よりも小さく形成され、カシメ用突部23の係合溝14へのカシメ時、カシメ用突部23におけるネジ孔21a側内周端部分が係合溝14内に突入できるようになされている。
これにより、ナット2のボルト1への締付け終了時、ボルト1の係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを位置合わせした状態ですべてのカシメ用突部23…23を図7及び図8のカシメイメージ参考図に示すようにプレスによってネジ軸部13の軸芯側にカシメ変形させることにより、ボルト1の係合溝14に対応するカシメ用突部23をその係合溝14に突入させて引っかかり係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をネジ山21に圧接させてカシメ止めするように構成されている。
次に、以上のように構成した本考案に係るゆるみ止めボルト・ナットの作用について説明する。
使用時には、ボルト1のネジ軸部12にナット2をその底部側から螺合して締付ける。そして、ナット2のボルト1への締付け終了時、ボルトの係合溝14にカシメ用突部のいずれかを位置合わせした状態で締付けを終了する。その後、その位置合わせ状態ですべてのカシメ用突部23…23をプレスによってネジ軸部13側にカシメ変形することにより、図1、図2及び図9に示すようにボルト1の係合溝14に対応するカシメ用突部23のネジ孔21a側内周端部分をその係合溝14内に突入させて引っかかりにより係合させ、これと同時に残りのカシメ用突部23…23をボルト1のネジ12に圧縮変形させて圧力をかけ摩擦トルクを増大させてカシメ止めすることができる。
その結果、ボルト1の係合溝14とナット2のカシメ用突部23の引っかかりによる強固な戻り止め作用と、ボルト1のネジ12に圧力をかける圧縮変形作用とを同時に発揮させて、これらの両作用の相乗効果により確実強固なゆるみ止め効果が得られる。従って、カシメ締結後の振動や不用意な外力によるボルト1に対するナット2のゆるみを確実に防止できる。
上記した実施例では図9に示すようにカシメ用突部23…23の平面視形状が、六角ナットの各対角線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状を呈するように形成されているので、仮にカシメ締結後、ボルト1に対してナット2を強制的にゆるめる必要があるとき、ボルトの係合溝14に突入したカシメ用突部23をその扇形状傾斜外側面を利用して容易に乗りえさせナット1をゆるめることが可能となる。
一方、カシメ前にボルト1にナット2を締付けるときには、ボルト1における係合溝14の緩傾斜状内側面14cとナット2のカシメ用突部23の扇形状傾斜外側面とが僅かな抵抗(コッコッとした感触)を伝えながら回転することになり、これにより締付け終了時におけるボルトの係合溝13とカシメ用突部との位置合わせを容易に確認することができる。
また、カシメ用突部23…23の平面視形状としては、図5に示すように平面視両側に広角の扇形状(広角型)とするほか、図10に示すようにゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立壁状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状該側面23cとから形成されたエッジ型状に形成してもよい。このようにエッジ型状に形成すれば、図10に示すようにカシメ用突部23の直立状外側面23aがボルト1の係合溝14におけるゆるみ方向側の直立状内側面14aに対して逃げ角なく当接して係合することになり、ラチェットギヤの引っかかりと同様に作用させて、より一層確実強固なゆるみ止め効果を発揮できる。
さらに、カシメ用突部23…23の個数は実施例では6個としたが、基本的にはナット2のボルト1への締付け終了時、その締付け状態を損なうことなくボルト1の係合溝13にカシメ用突部23…23のいずれかを位置合わせできればよいのであって、ナットサイズなどにより強度的に問題なければ、6個に限らず例えば6個以上であってもよい。また、ボルト1の係合溝14の個数としても、上記した実施例のように1個とするほか、ボルトサイズにより、強度が問題なければ、例えば溝数を2個〜3個設けるようにしてもよい。この場合には、カシメ用突部23…23のうちの複数個がそれぞれの係合溝14…14に対応してカシメ止めされることになる。
また、図に示す実施例では、ボルト1として頭部11が円形のものを用いたけれども、何ら円形頭部11に限られるものではなく、六角形状などの多角形頭部やフランジ付六角ボルトなどであってもよい。さらに、ナット2としても何ら六角形状に限られるものではなく、他の多角形状であってもよいし、またフランジ付六角ナットなどであってもよい。
1 ボルト
2 ナット2
11 頭部
12 ネジ
13 ネジ軸部
14 係合溝
14a 直立状内側面
14b 直角底面
14c 緩傾斜状内側面
21 ネジ孔
21a ネジ孔
22 溝
23 カシメ用突部
23a 直立状外側面
23b 直角先端面
23c 緩傾斜状外側面
本願の請求項2記載の考案は、請求項1記載の係合溝14の断面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成したことを特徴とする。
本願の請求項3記載の考案は、請求項1又は請求項2記載のナットを六角形状とし、かつ、カシメ用突部23…23を、その六角形状における各対角部位置に符合して配置すると共に、その平面視形状を六角ナット2における各対角中心線を中心として両側に等しく広角となる平面視扇形状に形成したことを特徴する。
本願の請求項4記載の考案は、請求項2記載の係合溝14に対応するカシメ用突部23…23の平面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状外側面23cとからなるエッジ型状に形成したことを特徴とする。
また、ボルト1の係合溝14の断面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成すれば、カシメ締結後、直立状内側面14aが係合溝14内に突入したカシメ用突部23と確実に引っかかり係合し、これによりナット2のゆるみを強固に阻止でき、信頼度の高いゆるみ止めを行うことができる。また、カシメ前においてボルト1にナット2を締付けるときには、ボルト1における係合溝14の緩傾斜状内側面14cとナット2のカシメ用突部23の扇形状傾斜外側面とが穏やかに干渉しながらねじ込まれることになり、僅かな抵抗をコッコッと伝えながら回転することになる。この抵抗を感知することにより締付け終了時におけるボルト1の係合溝14とカシメ用突部23との位置合わせを容易に確認することが可能となる。
また、ナット2を六角形状とし、かつ、カシメ用突部23…23をその六角形状における各対角部位置に符合して配置すると共に、その平面視形状を、六角ナット2における各対角中心線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状に形成すれば、カシメ締結後、ボルト1に対してナット2をゆるめる必要があるとき、ボルトの係合溝14に突入したカシメ用突部23をその扇形状傾斜外側面を利用して強制的に乗り越えさせナットをゆるめることが可能となる。
さらに、カシメ用突部23…23の平面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状外側面23cとからなるエッジ型状に形成すれば、カシメ締結後、カシメ用突部23のゆるみ方向側直立状外側面23aがボルト1の係合溝14におけるゆるみ方向側の直立状内側面14aに対して逃げ角なく当接して係合することになり、これによりラチェットギヤの引っかかりと同様に作用させて、より一層確実強固なゆるみ止め効果を発揮できる。
ボルト1におけるネジ軸部13の先端部には、図3及び図4に示すように軸方向に延びかつボルトネジ12の谷径よりも深くまた後述するカシメ用突部23の突入を許す(カシメ用突部23のネジ孔側内周部の幅より大きい)溝幅の係合溝14が形成されている。
そして、係合溝14は図3に示すように、その断面形状が、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成されている。
一方、ナット2における上部には、図5及び図6に示すように、多数個(図では6個)のカシメ用突部23…23が一体に突設されている。具体的には内面にナット2のネジ孔21に連続するネジ孔21aが形成された円筒部を一体に連設しかつこの円筒部分にその中心から放射方向に延びる6個の割り溝22…22を等角度の間隔おいて形成して6個のカシメ用突部23…23を突設形成している。その場合、カシメ用突部23…23が、六角形状のナット2における各対角部位置に符合して配置されていると共に、各カシメ用突部23…23の平面視形状としては、図5に示すように六角ナット2における各対角中心線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状(広角型状)を呈するように形成されている。また、各カシメ用突部23…23のネジ孔21a側内周端部分の横幅は係合溝14の溝幅よりも小さく形成され、カシメ用突部23の係合溝14へのカシメ時、カシメ用突部23におけるネジ孔21a側内周端部分が係合溝14内に突入できるようになされている。
これにより、ナット2のボルト1への締付け終了時、ボルト1の係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを位置合わせした状態ですべてのカシメ用突部23…23を図7及び図8のカシメイメージ参考図に示すようにプレスによってネジ軸部13の軸芯側にカシメ変形させることにより、ボルト1の係合溝14に対応するカシメ用突部23をその係合溝14に突入させて引っかかり係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をネジ山21に圧接させてカシメ止めするように構成されている。
上記した実施例では図9に示すようにカシメ用突部23…23の平面視形状が、六角ナットの各対角中心線を中心として両側が等しく広角となる平面視扇形状を呈するように形成されているので、仮にカシメ締結後、ボルト1に対してナット2を強制的にゆるめる必要があるとき、ボルトの係合溝14に突入したカシメ用突部23をその扇形状傾斜外側面を利用して容易に乗り越えさせナットをゆるめることが可能となる。
一方、カシメ前にボルト1にナット2を締付けるときには、ボルト1における係合溝14の緩傾斜状内側面14cとナット2のカシメ用突部23の扇形状傾斜外側面とが僅かな抵抗(コッコッとした感触)を伝えながら回転することになり、これにより締付け終了時におけるボルトの係合溝13とカシメ用突部との位置合わせを容易に確認することができる。
また、カシメ用突部23…23の平面視形状としては、図5に示すように平面視両側に広角の扇形状(広角型)とするほか、図10に示すようにゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状該側面23cとから形成されたエッジ型状に形成してもよい。このようにエッジ型状に形成すれば、図10に示すようにカシメ用突部23の直立状外側面23aがボルト1の係合溝14におけるゆるみ方向側の直立状内側面14aに対して逃げ角なく当接して係合することになり、ラチェットギヤの引っかかりと同様に作用させて、より一層確実強固なゆるみ止め効果を発揮できる。

Claims (4)

  1. 頭部11と、外周にネジ12が形成されたネジ軸部13とを有するボルト1と、中心部に上記ネジ12に螺合するネジ孔21を有する多角形状のナット2とからなり、ボルト1のネジ軸部13における先端部分に軸方向に延びかつネジ12の谷径よりも深い係合溝14を形成する一方、ナット2の上部に、内面にネジ孔21に連続するネジ孔21aが形成された多数個のカシメ用突部23…23を等角度づつおいて突設し、かつ、これら各カシメ用突部23…23のネジ孔21a側内周端部分の横幅を係合溝14の溝幅よりも小さく形成して、カシメ用突部23…23のネジ軸部13側へのカシメ変形により、ボルト1の係合溝14にカシメ用突部23…23のいずれかを突入させて引っかかり係合させると同時に、残りのカシメ用突部23…23をボルト1のネジ12に圧接させてカシメ止めするように構成したことを特徴とするゆるみ止めボルト・ナット。
  2. 係合溝14の断面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状内側面14aと、直立壁状内側面14aに対し直角状に折れ曲がる直角底面14bと、直角底面14bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状内側面14cとから形成したことを特徴とする請求項1記載のゆるみ止めボルト・ナット。
  3. ナット1を六角形状とし、かつ、カシメ用突部23…23を、その六角形状における各対角部位置に符合して配置すると共に、その平面視形状を、上記各対角線を中心線として両側に等しく広角となる平面視扇形状に形成したことを特徴する請求項1又は請求項2記載のゆるみ止めボルト・ナット。
  4. 係合溝14に対応するカシメ用突部23…23の平面視形状を、ゆるみ方向側の放射方向に延びる直立状外側面23aと、直立壁状外側面23aに対し直角状に折れ曲がる直角先端面23bと、直角先端面23bから鈍角に立ち上がる締付け方向側の緩傾斜状外側面23cとからなるエッジ型状に形成したことを特徴とする請求項2記載のゆるみ止めボルト・ナット
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CN114992214A (zh) * 2022-06-21 2022-09-02 冰轮环境技术股份有限公司 一种防松螺栓结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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