JP6485685B2 - 雌ねじ体 - Google Patents

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Description

本発明は、雄ねじ体と螺合する雌ねじ体に関する。
締結構造の一つとして、ボルト等の所謂雄ねじ体と、ナット等の所謂雌ねじ体を用いるものが存在する。このねじ体による締結構造に関して、一つの雄ねじ体に対して、リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の螺旋溝(例えば右雄ねじ部と左雄ねじ部)を形成し、この二種類の螺旋溝に対して、ダブルナットのごとく、二種類の雌ねじ体(例えば右雌ねじ体と左雌ねじ体)を別々に螺合させるものがある。何らかの係合手段により、二種類の雌ねじ体の相対回転を抑止すれば、リード角及び/又はリード方向が相異なることによる軸方向干渉作用又は軸方向離反作用により、雄ねじとの間で機械的な緩み止め効果を提供できる(特許文献1参照)。
更に応用として、単一の雌ねじ体に対して、リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の雌ねじ条を形成することも行われている(特許文献1の請求項15乃至請求項19、図41乃至図43等参照)。この場合、締結方向に限定した雌ねじ体と雄ねじ体の相対回転を許容するために、一方の雌ねじ条を板状部材で構成して弾性変形可能にしている。
特許5406168号公報
リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の雌ねじ条を有する単一の雌ねじ体が普及することにより、今後、更なる大量生産が求められる。多くの需要に応えるためには、低コスト且つ大量生産を実現しつつも、雌ねじ体に対して二種類の雌ねじ条を常に高精度に形成することが要求される。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の雌ねじ構造を有する単一の雌ねじ体を、高品質且つ大量生産できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、筒状部材の孔部の内周面に形成される適宜のリード角及び/又はリード方向に設定される雌ねじ螺旋構造と、上記孔部の軸方向における上記筒状部材の端面に形成され、非螺旋状の当接面を有する受部と、上記当接面に配設され、上記軸に向かって半径方向内向きに延設される突出部を有し、該突出部の突端によって、上記リード角及び/又はリード方向と相異なるリード角及び/又はリード方向に設定される断続的又は連続的な螺旋状の係合縁を構成する逆回転防止部材と、を備え、前記係合縁は、基端側を支点として上記突端側が上記当接面から乖離する向きに対して回動するように弾性変形し得、雄ねじを螺合する際に、当該弾性変形を繰り返しながら螺進し、上記雌ねじ螺旋構造の一方向の相対回転を許容し且つ他方向の相対回転を係止することを特徴とする、雌ねじ体である。
なお、この雌ねじ体の筒状部材の雌ねじ螺旋構造は、適宜のリード角及び/又はリード方向に設定される第一の螺旋溝と、該第一の螺旋溝と相異なるリード角及び/又はリード方向に設定される第二の螺旋溝とが同一領域上に重複形成されて成る多重ねじ構造部を有する雄ねじの一方の螺旋溝と螺合させ得る。また、この筒状部材を、雄ねじの一方の螺旋溝に沿って螺進させて行くと、雌ねじ体の係合縁は、上記雄ねじの第一の螺旋溝及び第二の螺旋溝の他方の螺旋溝のねじ山と接触し、更に、該係合縁の基端側を支点として突端側が前記当接面から乖離する向きに対して回動するように弾性変形し得、当該弾性変形を繰り返しながら他方の螺旋溝のねじ山を乗り越えて行くこと[s1]で、前記雌ねじ螺旋構造の一方向の相対回転を許容し且つ他方向の相対回転を係止することを特徴とする、雌ねじ体である。
また、前記当接面は、前記軸に対して垂直な平面であることを特徴とする。
また、前記当接面は、前記半径方向に傾斜するテーパ面であることを特徴とする。
また、前記当接面は、前記軸に対して一方向に傾斜する傾斜面、又は前記軸に対して一方向と他方向に傾斜する一対の傾斜面であることを特徴とする。
また、前記受部には、第一周方向係合部が形成され、前記逆回転防止部材には、上記第一周方向係合部と周方向に係合可能な第二周方向係合部が形成され、上記第一周方向係合部と上記第二周方向係合部により、前記筒状部材と前記逆回転防止部材とが周方向に固定されることを特徴とする。
また、前記受部には、第一軸方向係合部が形成され、前記逆回転防止部材には、上記第一軸方向係合部と前記軸方向に係合可能な第二軸方向係合部が形成され、上記第一軸方向係合部と上記第二軸方向係合部により、前記筒状部材と前記逆回転防止部材とが前記軸方向に固定されることを特徴とする。
また、前記第一軸方向係合部は、組立時に屈曲させることで前記逆回転防止部材と軸方向に係合することを特徴とする。
また、前記第一軸方向係合部は、前記逆回転防止部材の外周に沿って形成されることを特徴とする。
また、前記逆回転防止部材は、前記受部の前記当接面に対して、少なくとも周方向に180°以上の角度範囲で当接する座面部を有することを特徴とし、及び/又は、前記突出部の前記係合縁は、周方向に360°以下[NI2]の角度範囲で前記雄ねじと接触することを特徴とする。
また、前記逆回転防止部材は、周方向に360°未満の範囲となる前記係合縁を、周方向に複数有することを特徴とする。
また、前記逆回転防止部材は、前記受部の前記当接面に当接する座面部と、前記座面部から軸方向に延在し、周方向に沿って前記軸方向の延在距離が次第に長くなる立設部と、を有し、前記突出部は、前記立設部から半径方向内向きに延設するように形成されることを特徴とする。
更に上記雌ねじ体は、突出部の延設長さ即ち突出長さの設定や、立設部の立設長さの設定、突出部と立設部の相対角度の設定等により、所定以上の緩め方向トルクを付与することで突出部が弾性変形し、比較的容易に、雄ねじから雌ねじ体を取り外すことを可能とすることも出来る。
本発明によれば、リード角及び/又はリード方向が相異なる二種類の雌ねじ構造を有する単一の雌ねじ体を、高品質に大量生産することが可能となる。
本発明の実施形態に係る雌ねじ体が適用される締結構造の(A)正面図であり、(B)平面図である。 同締結構造の(A)正面断面図であり、(B)側面断面図である。 同雌ねじ体の(A)平面図、(B)正面断面図、(C)正面図である。 同雌ねじ体の(A)平面図、(B)側面断面図、(C)側面図、(C)部分断面図である。 同締結構造の雄ねじ体の(A)正面図、(B)ねじ山のみの断面図、(C)平面図である。 同雄ねじ体の(A)側面図、(B)ねじ山のみの断面図、(C)平面図である。 同締結構造の締結作用を示す(A)初期状態の正面断面図、(B)雌ねじ体を90度回転させたときの正面断面図、(C)雌ねじ体を180度回転させたときの正面断面図である。 同締結構造において雌ねじ体を緩み方向に回転させる際の正面断面図である。 同雌ねじ体の他の構成を示す正面断面図である。 (A)は同雌ねじ体の他の構成を示す正面断面図、(B)及び(C)は同雌ねじ体の他の構成を示す正面図である。 他の締結構造の雌ねじ体の構成を示す(A)斜視図、(B)正面断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る雄ねじ体100が用いられる締結構造1の正面図である。また、図2(A)は、同締結構造1の正面断面図であり、図2(B)は側面断面図である。図3は、雌ねじ体100の正面断面図等であり、図4は側面断面図等である。図5は雄ねじ体10の正面の拡大図等であり、図6は側面の拡大図等である。これらの図に示すように、締結構造1は、雌ねじ体100を雄ねじ体10に締結するものである。雌ねじ体100は、筒状部材106と逆回転防止部材160によって、雄ねじ体10の緩み方向の相対回転を防止する。
図5及び図6に示すように、雄ねじ体10は、基部側から軸端に向かって、雄ねじ螺旋構造が形成された雄ねじ部13が設けられる。本実施形態では、この雄ねじ部13に、対応した右ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される右ねじと成る第一雄ねじ螺旋構造14と、対応した左ねじとして成る雌ねじ状の螺旋条を螺合可能に構成される左ねじと成る第二雄ねじ螺旋構造15との二種類の雄ねじ螺旋構造が同一領域上に重複して形成される。
雄ねじ部13には、図5(C)に示すように、軸心(ねじ軸)Cに垂直となる面方向において周方向に延びる略三日月状のねじ山13aが、雄ねじ部13の一方側(図の左側)及び他方側(図の右側)に交互に設けられる。ねじ山13aをこのように構成することで、右回りに旋回する螺旋構造(図5(A)の矢印14参照)及び左回りに旋回する螺旋構造(図5(A)の矢印15参照)の二種類の螺旋溝を、ねじ山13aの間に形成することが出来る。
本実施形態では、このようにすることで、第一雄ねじ螺旋構造14及び第二雄ねじ螺旋構造15の二種類の雄ねじ螺旋構造を、雄ねじ部13に形成している。従って、雄ねじ部13は、右ねじ及び左ねじの何れの雌ねじ体とも螺合することが可能となる。なお、二種類の雄ねじ螺旋構造が形成された雄ねじ部13の詳細については、本願の発明者に係る特許第4663813号公報を参照されたい。
図3及び図4に示すように、雌ねじ体100は、筒状部材106と逆回転防止部材160を有する。筒状部材106は、所謂六角ナット状をなしており、中心に貫通孔部106aを有する。勿論、雌ねじ体100の概形は、六角ナット状に限らず、円筒状、周面にローレットを有する形状、四角形状、星型形状など任意に適宜設定可能である。貫通孔部106aには、右ねじとしての第一雌ねじ螺旋構造114が形成される。即ち、筒状部材106の第一雌ねじ螺旋構造114は、雄ねじ体10の雄ねじ部13における第一雄ねじ螺旋構造14と螺合する。
筒状部材106は受部110を有する。受部110は、筒状部材106の軸方向端面に形成されており、回転軸に対して略垂直(必ずしも垂直である必要は無い)となる当接面110aを有する。この当接面110aは、ここではリング状の平面となっており、逆回転防止部材160の座面部162と当接して、該逆回転防止部材160を軸方向に受け止める。なお、このリング状の当接面110aは、軸方向端面に凹ませるように形成しても良い。
更に、受部110は、第一周方向係合部120と第一軸方向係合部130を有する。図3(B)に示すように、第一周方向係合部120は、ここでは当接面110aに対して軸方向に突出する突起となっており、周方向に180度の間隔で二個形成される。勿論、この第一周方向係合部120は、必須ではないが、周方向に複数カ所分散して設けることも出来る。この第一周方向係合部120は、逆回転防止部材160の第二周方向係合部162aと嵌合して周方向に係合し、周方向の相対回転を規制する。なお、ここでは第一周方向係合部120を当接面110aに対して突出させるようにしたが、窪ませることもできる。また、第一周方向係合部120を軸方向に凸状又は凹状とすることもできる。例えばその事例として、当接面110a自体に、エンボス加工やローレット加工、放射状の溝等の凹凸を形成することも好ましい。
図4(B)に示すように、第一軸方向係合部130は、当接面110aに対して微小の隙間を有する状態で対向配置される部材である。この隙間には、逆回転防止部材160の板状の座面部162(第二軸方向係合部162b)が介在するように配設される。当接面110aと第一軸方向係合部130は、座面部162を挟持する構造となり、この第一軸方向係合部130が第二周方向係合部162bと軸方向に係合する。なお、第一軸方向係合部130は、図4(D)に示すように、組立前においては、受部110に対して略垂直に延びる周壁状部となる。この周壁状部は、逆回転防止部材160の座面部162の外周縁に沿うようにして周方向に立設される。組立時には、逆回転防止部材160を配設してから、点線で示すように、第一軸方向係合部130を半径方向内側に屈曲させて、互いにカシメることで両者を軸方向に締結する。なお、第一軸方向係合部130は、ここでは周方向に90°程度の範囲となる周壁状部を、二箇所に設ける場合を例示しているが、例えば図11に示すように、全周(360°)に亘って配置することも好ましく、また、全周に亘って断続的な周壁状部を配置することも好ましい。
次に逆回転防止部材160について説明する。逆回転防止部材160は、座面部162と、立設部165と、突出部168を有する。
図4(A)に示すように、座面部162は、受部110の当接面110aに当接するリング状の板部であり、その一部及び/又は全部によって第二軸方向係合部162bを構成する。この第二軸方向係合部162bは、第一軸方向係合部130に挟持される(軸方向に重なる)ことで互いに軸方向に係合する。座面部162は、受部110の当接面110aに対して、好ましくは周方向に180°以上、例えば360°の角度範囲で当接させることで、姿勢を安定させると共に、第一軸方向係合部130との係合状態が保持されるように構成されている。
座面部162の外周縁には、第二周方向係合部162aが形成される。この第二周方向係合部162aは、座面部162の外周縁の半径方向内側に変位する凹状の切欠きを有し、受部110の第一周方向係合部120と周方向に係合する。なお、ここでは半径方向内側に凹となる切欠きを例示しているが、半径方向外側に凸となる突起でもよく、軸方向に凸状又は凹状であってもよく、また必須でもない。第二周方向係合部162aが軸方向に凸状又は凹状となる事例として、座面部162における当接面110aと対向する平面に、エンボス加工やローレット加工、放射状の溝等の凹凸を形成することも好ましい。
図4(B)に示すように、立設部165は、座面部162から軸方向に延在する略筒状部である。軸方向の延在距離Jは、周方向に沿って次第に長くなる(又は短くなる)。結果、立設部165における座面部162と反対側の端縁165aは、座面部162に対して傾斜しており、この傾斜角度αが、第二雄ねじ螺旋構造115のリード角と対応して設定される。即ち、端縁165aは、周方向に約360度の範囲で延設された螺旋となる。立設部165には、軸方向の切欠き165bを形成してもよく、形成した場合には、積極的に半径方向の剛性を低下させることで、立設部165が半径方向外側に弾性変形し易くなるように出来る。なお、この切欠き165bは、ここでは周方向の二か所に形成しているが、一か所でも良く、三か所以上に形成してもよく、また0カ所としてもよい。
突出部168は、立設部165の端縁165aから半径方向内側に突出する板部となっている。図3(A)に示すように、この突出部168は、立設部165の切欠き165bが延長されること、又は、突出部168の端部から半径方向外向きに切り欠かれて成る凹状のスリットによって、周方向の二か所で分断された、約180°以下の角度範囲となる部分円弧状の二つの板部で構成される。各突出部168の半径方向内側が突端となり、これにより複数の係合縁168aが構成される。結果として、各係合縁168aは、周方向に180°以下の角度範囲の部分円弧となり、雄ねじ体10の外周と接触する。このように、各係合縁168aの周方向距離を180°以下にすることで、半径方向外側に変位しやすくなる。なお、係合縁168aの直径は、雄ねじ体10の第二雄ねじ螺旋構造15の谷径とほぼ一致させている。
また突出部168は、半径方向に沿って、その内側が座面部162の成す仮想平面から離れる方向に傾斜している。この半径方向の傾斜角度βは、雄ねじ体10の第二雄ねじ螺旋構造15のねじ山13aのフランク角と殆ど一致させており、ここでは約30度に設定している。また、係合縁168aは、立設部165の端縁165aの傾斜角αに伴って、リード角αとなる左ねじの第二雌ねじ螺旋構造115が形成される。この係合縁168aは、雄ねじ体10の雄ねじ部13における第二雄ねじ螺旋構造15と螺合する。
次に、この締結構造1の作用について説明する。
図7(A)に示すように、雌ねじ体100の筒状部材106の第一雌ねじ螺旋構造114を、雄ねじ体10の第一雄ねじ螺旋構造14に螺合させて行くと、逆回転防止部材160の係合縁168aが、雄ねじ体10の第二雄ねじ螺旋構造15と接触する。しかし、雌ねじ体100を、筒状部材106の第一雌ねじ螺旋構造114を基準として螺合させているので、筒状部材106を螺進させて行くと、係合縁168aと第二雄ねじ螺旋構造15のねじ山が干渉状態に遷移する[s3]。
この状態で、更に筒状部材106を90°回転させて、第一雌ねじ螺旋構造114を第一雄ねじ螺旋構造14に螺合させて行くと、図7(B)に示すように、筒状部材106は締結方向に1/4ピッチ進行し、逆回転防止部材160も、同方向に回転しながら、締結方向に強制的に進行する。このとき、係合縁168aは、座面部162から離れる方向に傾斜していることから、ねじ山13aのフランク面に沿って、当接面110aから離れる軸方向及び/又は半径方向外側に弾性変形して、第二雄ねじ螺旋構造15を[s4]乗り越えようとする。この際、好ましくは、立設部165が半径方向外側の剛性を高めておくことで、立設部165自体が外側に弾性変形する量は小さく又は略零に設定し、係合縁168aが立設部165に対して鈍角側へ弾性変形させることを優先させる。図7(A)の状態を基準として筒状部材106を180度(1/2ピッチ)回転させると、図7(C)に示すように、係合縁168aが、第二雄ねじ螺旋構造15の[s5]一つのねじ山13aを完全に乗り越えて、次の第二雄ねじ螺旋構造15に嵌合する。この動作を繰り返すことで、雌ねじ体10が180°回転する度に、係合部168aが第二雄ねじ螺旋構造15のねじ山13aを乗り越えていき、雌ねじ体100は雄ねじ体10に締結されて行く。
一方、図8を参照して、雌ねじ体100の筒状部材106が、雄ねじ体10の第一雄ねじ螺旋構造14に対して緩み方向に回転しようとする場合を考える。突出部168は、当接面110aの成す仮想平面に対して先端側(係合縁168a側)が乖離するように傾斜した形状を成しており、この傾斜は、第二雄ねじ螺旋構造15のねじ山13aのフランク面に対応するように設定され、好ましくは当接するように設定される。また、この突出部168の基端(立設部165の端縁165a)から先端(係合縁168a)までの長さは、ねじ山13aの頂部から谷底までの距離に対応して設定され、好ましくは当該距離と略一致するように設定される。そのため、雌ねじ体100の筒状部材10に緩め方向の相対回転を与えると、突出部168の傾斜面が、立設部165に対して、当接面110aの成す仮想平面に接近する方向(即ち、係合縁168aが当接面110aに接近する方向)に力を受けて弾性変形する。立設部165の半径方向外側への剛性を高めておくことにより、当該弾性変形に伴って、突出部168の基端から先端の仮想平面方向の距離(図8における水平方向距離)が長くなることから、係合縁168aがねじ山13aの谷部を狭窄するように作用し、その結果、当該緩め方向の相対回転を機械構造的に強固に防止できる。換言すると、逆回転防止部材160の係合縁168aが、第二雄ねじ螺旋構造15のねじ山13aの谷に食い込み、筒状部材106と逆回転防止部材160との進行のズレ若しくは相反によって相対回転を規制する。従って、雄ねじ体100は、緩み方向の相対回転ができない。逆回転防止部材160は、筒状部材106の第一雌ねじ螺旋構造114による一方向(締結方向)の雄ねじ体10との相対回転は許容し、その逆回転は確実に係止される。なお、雌ねじ体100において、突出部168の延設長さ即ち突出長さの設定や、立設部165の立設長さの設定、突出部168と立設部165の相対角度の設定等により、所定以上の緩め方向トルクを付与することによって突出部168を弾性変形させて、比較的容易に、雄ねじ体10から雌ねじ体100を取り外すことを可能とすることも出来る。
本実施形態の雌ねじ体100によれば、受部110の当接面110aを含む範囲において、軸に対する垂直方向の断面によって視た場合、この当接面110aの断面像が、周方向複数箇所に得られる状態及び/又は断面像が環状に得られる状態になる。従って、当接面110aによる逆回転防止部材160の保持姿勢が安定するので、組立を易しく行うことができ、更に、組立精度も向上させることができる。なお、本実施形態では、当接面110aの断面像が環状(リング状)になるので、最も安定した状態になるといえる。
更に本実施形態のように、筒状部材106の端面において、当接面110aを回転軸に対して垂直な平面にすると、プレス、切削、転造、圧造、成型、造形等によって筒状部材106を形成する際に、所謂ナットと同様に簡潔に量産できる。なお、当接面110aを軸直角方向に対して傾斜させて、この当接面110aを利用して係合縁168aのリード角やリード方向を設定した周方向のスロープ状に形成しようとすると、筒状部材106の製造コストが増大する。更に、スロープ状の当接面110aを含む範囲で、軸に対する垂直方向の断面によって視た場合、その断面像は周方向に一箇所しか得られない。これは、当接面110aによる逆回転防止部材160の保持姿勢が不安定であり、スロープに沿って逆回転防止部材160が周方向にスライドするような力が生じ易い。結局、筒状部材106と逆回転防止部材160を組み立てる際に、高い位置決め精度が要求されてしまう。
因みに本実施形態では、周方向に沿って軸方向の延在距離Jが次第に長くなる立設部165によって、第二雌ねじ螺旋構造115のリード方向及びリード角を設定している。この構造を採用すれば、例えば、逆回転防止部材160を板状部材を用いたプレス成型等によって量産することが可能となり、製造コストを飛躍的に低減できる。
また本雌ねじ体100は、必須ではないが、筒状部材106側の第一周方向係合部120と、逆回転防止部材160側の第二周方向係合部162aによって、筒状部材106と逆回転防止部材160を周方向に固定可能としている。結果、逆回転防止部材160の係合縁168aを干渉させながら、強制的に締結させる際にも、筒状部材106と逆回転防止部材160の相対回転を規制できる。
同様に、筒状部材106側の第一軸方向係合部130と、逆回転防止部材160の第二軸方向係合部162bにより、筒状部材106と逆回転防止部材160が軸方向に固定されている。結果、筒状部材106を強制的にねじ込んで、逆回転防止部材160の係合縁168aを半径方向に変位させる際にも、筒状部材106と逆回転防止部材160が軸方向に離脱することを防止できる。本実施形態では、組立時に第一軸方向係合部130を屈曲させて互いにかしめるので、簡易な製造工程にもかかわらず、確実に両者を一体化できる。
とりわけ、本実施形態の逆回転防止部材160の座面部162は、少なくとも周方向に180度以上の角度範囲で、受部110の当接面110aに当接している。このように、座面部162を180°以上の角度範囲に設定すると、逆回転防止部材160に外力が作用しても、第一軸方向係合部130との係合状態が外れ難くなる。一方で、逆回転防止部材160の係合縁168aは、周方向に180°以下の角度範囲で雄ねじ10と接触させることで、軸方向及び/又は半径方向外側に柔軟に変位し易くすることが出来る。即ち、本実施形態の逆回転防止部材160によれば、筒状部材106と確実に一体化させつつも、係合縁168aを容易に変位できるようにしている。また、この際に係合縁168aを周方向に複数配置することで、雌ねじ体100が緩み方向に回転する際に、複数の係合縁168aが確実に雄ねじ体10と係合して、その回転を規制できる。また係合縁168と立設部165の角度関係を鈍角に設定しているので、係合縁168は、立設部165から離れる軸方向(両者の角度関係が180°に近づく方向)に弾性変形しやすいが、立設部165に近づく軸方向(両者の関係が90°に近づく方向)には弾性変形しにくいという利点がある。
なお、上記実施形態の雄ねじ体10及び雌ねじ体100では、第一雄ねじ及び雌ねじ螺旋構造14、114と、第二雄ねじ及び雌ねじ螺旋構造15、115が、互いに逆ねじの関係(リード角が同じでリード方向が反対)となっている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図9に示すように、リード方向が同じで、リード角が異なる第一雄ねじ及び雌ねじ螺旋構造14、114と、第二雄ねじ及び雌ねじ螺旋構造15、115を採用することもできる。この場合、第一雄ねじ螺旋構造14によって構成される螺旋状のねじ山13aに、さらに螺旋条を重畳形成することにより、リードがL1(リード角がθ1)の第一雄ねじ螺旋構造14及びリードがL2(リード角がθ2)の第二雄ねじ螺旋構造15を、ねじ方向を揃えて形成することが出来る。
更に上記実施形態の雌ねじ体100では、本実施形態の雌ねじ体100によれば、当接面110aを含む範囲の軸垂直断面の断面像が、当接面100aと一致する平面リング状になる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図10(A)に示す雌ねじ体100のように、当接面110aを、半径方向に傾斜するテーパ面とすることができる。この場合、軸垂直断面X−Xの断面像は、環状の線となる。更に例えば図10(B)に示す雌ねじ体100のように、当接面110aを、軸に対して一方向傾斜する傾斜面とすることができる。この場合、当接面110aの軸垂直断面X−Xの断面像は、二箇所の線分となる。また更に例えば図10(C)に示す雌ねじ体100のように、当接面110aを、軸に対して一方向と他方向に傾斜する一対の傾斜面とすることができる。この場合、当接面110aの軸垂直断面X−Xの断面像は、四箇所の線分となる。これらのいずれにしろ、当接面110aを、軸垂直方向の断面によって視ると、断面像が周方向の複数箇所に得られる機会が提供されるため、逆回転防止部材160の保持姿勢を安定させることができる。
また、本発明の実施例は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 締結構造
10 雄ねじ体
13 雄ねじ部
14 第一雄ねじ螺旋構造
15 第二雄ねじ螺旋構造
100 雌ねじ体
106 筒状部材
110 受部
110a 当接面
114 第一雌ねじ螺旋構造
115 第二雌ねじ螺旋構造
120 第一周方向係合部
130 第一軸方向係合部
160 逆回転防止部
162 座面部
162a 第二周方向係合部
162b 第二軸方向係合部
165 立設部
168 突出部
168a 係合縁

Claims (10)

  1. 筒状部材の孔部の内周面に形成される適宜のリード角及び/又はリード方向に設定される雌ねじ螺旋構造と、
    上記孔部の軸方向における上記筒状部材の端面に形成され、非螺旋状の当接面を有する受部と、
    上記当接面に配設され、上記軸に向かって半径方向内向きに延設される突出部を有し、該突出部の突端によって、上記リード角及び/又はリード方向と相異なるリード角及び/又はリード方向に設定される断続的又は連続的な螺旋状の係合縁を構成する逆回転防止部材と、を備え、
    前記係合縁は、基端側を支点として上記突端側が上記当接面から乖離する向きに対して回動するように弾性変形し得、雄ねじを螺合する際に、当該弾性変形を繰り返しながら螺進し、上記雌ねじ螺旋構造の一方向の相対回転を許容し且つ他方向の相対回転を係止することを特徴とする、雌ねじ体。
  2. 前記当接面は、前記軸に対して垂直な平面であることを特徴とする、
    請求項1記載の雌ねじ体。
  3. 前記当接面は、前記半径方向に傾斜するテーパ面であることを特徴とする、
    請求項1記載の雌ねじ体。
  4. 前記当接面は、前記軸に対して一方向に傾斜する傾斜面、又は前記軸に対して一方向と他方向に傾斜する一対の傾斜面であることを特徴とする、
    請求項1記載の雌ねじ体。
  5. 前記受部には、第一周方向係合部が形成され、
    前記逆回転防止部材には、上記第一周方向係合部と周方向に係合可能な第二周方向係合部が形成され、
    上記第一周方向係合部と上記第二周方向係合部により、前記筒状部材と前記逆回転防止部材とが周方向に固定されることを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の雌ねじ体。
  6. 前記受部には、第一軸方向係合部が形成され、
    前記逆回転防止部材には、上記第一軸方向係合部と前記軸方向に係合可能な第二軸方向係合部が形成され、
    上記第一軸方向係合部と上記第二軸方向係合部により、前記筒状部材と前記逆回転防止部材とが前記軸方向に固定されることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の雌ねじ体。
  7. 前記第一軸方向係合部は、組立時に屈曲させることで前記逆回転防止部材と軸方向に係合することを特徴とする、
    請求項6に記載の雌ねじ体。
  8. 前記第一軸方向係合部は、前記逆回転防止部材の外周に沿って形成されることを特徴とする、
    請求項6又は7に記載の雌ねじ体。
  9. 前記逆回転防止部材は、周方向に360°未満の範囲となる前記係合縁を、周方向に複数有することを特徴とする、
    請求項1乃至8のいずれかに記載のねじ体。
  10. 前記逆回転防止部材は、
    前記受部の前記当接面に当接する座面部と、
    前記座面部から軸方向に延在し、周方向に沿って前記軸方向の延在距離が次第に長くなる立設部と、を有し、前記突出部は、前記立設部から半径方向内向きに延設するように形成されることを特徴とする、
    請求項1乃至9のいずれかに記載の雌ねじ体。
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