JP3218860B2 - クロルヒドリンラバーの製造法 - Google Patents

クロルヒドリンラバーの製造法

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JP3218860B2
JP3218860B2 JP11799194A JP11799194A JP3218860B2 JP 3218860 B2 JP3218860 B2 JP 3218860B2 JP 11799194 A JP11799194 A JP 11799194A JP 11799194 A JP11799194 A JP 11799194A JP 3218860 B2 JP3218860 B2 JP 3218860B2
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保美 清水
克人 三浦
慎一 田中
尚彦 坂下
伸幸 荒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生ゴム硬度が軟化され成
形加工性の改善されたクロルヒドリンラバーの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エピクロルヒドリンの単独重合体又はア
リルグリシジルエーテルとの共重合体のようなクロルヒ
ドリンラバー(以下CHRと略記する)は耐熱,耐油,
耐寒,耐ガス透過性等の点でバランスのとれた性能を有
し、耐油性ゴムとして種々の分野で多用されている。C
HRの製造法としては、本出願人による特公昭49−1
1639号明細書又は特公昭52−21039号明細書
に記載のようなアルミニウムアルコキサイド、ハロ
ゲン化ケイ素、リン化合物よりなる3成分の加熱縮合
反応生成物を触媒として用いる方法が有効である。この
方法によって特公昭61−58488号明細書に記載の
ごとくCHRの重合反応を脂肪族又は脂環族の炭化水素
溶媒中においてスラリー状態で行うことが可能となり、
溶液重合法に比べ重合設備のコンパクト化あるいは後処
理工程の効率化の点できわめて工業的に有利である。し
かしながら上記方法では生成するゴムの硬度が幾分硬い
傾向があり、そのため特に押出し成形加工性に不十分で
あるという課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に有利なスラリー重合が可能であり、しかも生成する
ゴムとの硬度が軟化し、それによって成形加工性が改善
されたCHRの製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは鋭意研究の結果、アルミニウムア
ルコキサイド、ハロゲン化ケイ素、リン化合物の加
熱縮合生成物である従来のCHR重合触媒を特定の塩基
に接触させてこれを吸着させた修飾型重合触媒を用いる
ことにより、この課題を解決しうることを見出し本発明
を完成した。
【0005】本発明はすなわち、第1成分としてアルミ
ニウムアルコキサイド、第2成分としてハロゲン化ケイ
素、第3成分として(a)リン酸エステル又は(b)オ
キシハロゲン化リンもしくは無水リン酸とアルコールと
の混合物よりなる3成分を反応して得た加熱縮合生成物
に対し、アンモニア及び/又は下記一般式(c)〜
(i)で示される含窒素有機塩基化合物の1種又は2種
以上を外数で0.5〜40重量%吸着させて得られる修
飾型重合触媒の存在下、エピクロルヒドリン又はエピク
ロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとを脂肪族も
しくは脂環族の炭化水素溶媒中で重合させることを特徴
とするクロルヒドリンラバーの製造法である。 NR1 3 (c)
【0006】
【化3】 (但し、式中R1 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル
基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表
し、互いに同一又は異なっていてもよい。また(c)式
中、2個のR1 が結合して環状構造をとっていてもよ
い。R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又
はアルケニルオキシ基を表し、互いに同一又は異なって
いてもよい。R 3 は水素原子、メチル基又はエチル基を
表す。X,Yは窒素原子又はCH基であり、少なくとも
一方は窒素原子である。)
【0007】
【化4】 (但し、式中p及びqは0〜4の整数でp+q=3又は
4、r又はsは0又は1の整数を表し、2個の環は互い
に共役芳香族性の構造を有する。)
【0008】本発明で用いられる重合触媒の第1成分で
あるアルミニウムアルコキシドとしては例えばAl(O
CH3 3 、Al(OC2 5 3 、Al(O−nC3
73 、Al(O−isoC3 7 3 、Al(O−
nC4 9 3 、Al(O−isoC4 9 3 、Al
(O−tC4 9 3 、Al(O−secC
4 9 3 、Al(O−nC5 113 、Al(O−i
soC5 113 、Al(O−neoC5 113 、A
l(O−tC5 113 、Al(O−nC6 133
Al(O−isoC6 133 等の炭素数1〜6のアル
キルアルコキシドからなるアルミニウムトリアルコキシ
ド、Al(OCH2 6 5 3 で代表される炭素数7
〜8のアラルキルオキシドからなるアルミニウムトリア
ラルキルオキシド、Al(O−C2 5 2 cl、Al
(O−nC3 7 2 cl、Al(O−isoC
3 7 2 cl、Al(O−isoC3 7 2 cl、
Al(O−nC4 9 2 cl等の炭素数1〜4のアル
コキシドからなるアルミニウムジアルコキシドクロリ
ド、Al(O−C2 5 )cl2 、Al(O−isoC
3 7 )cl2、Al(O−nC4 9 )cl2 等の炭
素数1〜4のアルコキシドからなるアルミニウムアルコ
キシドジクロリド等が挙げられる。Al(O−isoC
3 7 3 、Al(O−nC4 9 3 等が好ましい。
【0009】同じ重合触媒の第2成分であるハロゲン化
ケイ素としてはSiF4 、Sicl 4 、SiBr4 、S
iI4 等が挙げられSicl4 が好ましい。
【0010】同じ重合触媒の第3成分であるリン化合物
の(a)リン酸エステルとしては、(CH3 3
4 、(C2 5 3 PO4 、(C3 7 3 PO4
(C4 9 3 PO4 、(C5 113 PO4 、(C6
133 PO4 、(C7 153PO4 、(C8 17
3 PO4 等の炭素数1〜8のアルキル基からなるリン酸
トリアルキルエステル、(CH2 =CHCH2 3 PO
4 〔CH2 =C(CH3 )CH2 3 PO4 等の炭素数
3〜4のアルケニル基からなるリン酸トリアルケニルエ
ステル、(C6 5 CH2 3 PO4 で代表される炭素
数7〜8のアラルキル基からなるリン酸トリアラルキル
エステル、(C6 5 3 PO4 、(CH36 4
3 PO4 等の炭素数6〜7のアリール又はアルキルアリ
ール基からなるリン酸トリアリール又はトリアルキルア
リールエステル、(cl2 CH2 CH 2 3 PO4 で代
表される炭素数2〜3のハロアルキル基からなるリン酸
トリハロアルキルエステル、(CH3 2 HPO4
(C2 5 2 HPO4 、(C37 2 HPO4
(C4 9 2 HPO4 、(C5 112 HPO4 (C
6 132 HPO4 、(C7 152 HPO4 、(C8
172 HPO4 等の炭素数1〜8のアルキル基からな
るリン酸水素ジアルキルエステル、(C6 5 CH2
2 HPO4 で代表される炭素数7〜8のアラルキル基か
らなるリン酸水素ジアラルキルエステル、(C6 5
2 HPO4 、(CH3 6 4 2 HPO4 等の炭素数
6〜7のアリール基又はアルキルアリール基からなるリ
ン酸水素系ジアリール又はジアルキルアリールエステ
ル、(CH2 =CHCH2 2 HPO4 、〔(CH2
C(CH3 )CH2 2 HPO4 等の炭素数3〜4のア
ルケニル基からなるリン酸水素ジアルケニルエステル、
(CH3 2 (CH3 CO)PO4、(C2 5
2 (CH3 CO)PO4 、(C3 7 2 (CH3
O)PO4、(C4 9 2 (CH3 CO)PO4
(C8 172 (CH3 CO)PO4等の炭素数1〜8
のアルキル基からなるリン酸ジアルキルエステルアセテ
ート、(CH3 4 2 7 、(C2 5 4
2 7 、(C3 7 4 2 7 、(C4 9 4 2
7 、(C5 114 2 7 、(C6 134 2
7 、(C7 154 2 7 、(C8 174 2 7
等の炭素数1〜8のアルキル基からなるピロリン酸テト
ラアルキルエステル等が挙げられる。
【0011】リン化合物として(b)オキシハロゲン化
リン又は無水リン酸とアルコールとの混合物におけるオ
キシハロゲン化リンとしてはPOcl3 、POBr3
POI3 等が挙げられ、またアルコールとしてはCH3
OH、C2 5 OH、C3 7 OH、C4 9 OH、C
5 11OH、C6 13OH、C7 15OH、C8 17
H等の炭素数1〜8のアルキルアルコール、CyClO
−C6 11OHで代表される脂環式アルコール、CH2
=CHCH2 OH、CH2 =C(CH3 )CH 2 OH等
の炭素数3〜4のアルケニルアルコール、C6 5 CH
2 OHで代表される炭素数7〜8のアラルキルアルコー
ル、C6 5 OH、CH3 6 4 OH等の炭素数6〜
7のフェノール、clCH2 CH2 OHで代表される炭
素数2〜3のハロアルキルアルコール等が挙げられる。
【0012】本発明において用いられる塩基で修飾され
る対象となる重合触媒を調製するには、アルミニウム
アルコキサイドとハロゲン化ケイ素とのモル比は通常
10:1〜1:10の範囲,好ましくは3:1〜1:3
の範囲が選ばれる。またアルミニウムアルコキサイド
とハロゲン化ケイ素との合計に対する第3成分であ
るリン化合物のモル比は5:1〜1:5,好ましくは
4:1〜1:2の範囲が選ばれる。これら3成分の加熱
縮合の温度は80〜300℃,通常は100〜200℃
更に好ましくは110〜180℃である。加熱縮合の進
行に伴い、縮合物の炭素含量が減少していくが、本発明
に用いることのできる触媒は炭素含量として15〜35
重量%を有することが必要である
【0013】本発明において修飾型重合触媒の製造に用
いることのできる一般式(c)〜(i)で示される含窒
素有機塩基化合物を以下例示する。
【0014】一般式(c)で示される化合物としては、
CH3 NH2 、(CH3 2 NH、(CH3 3 N、C
2 5 NH2 、(C2 5 2 NH、(C2 5
3 N、C 3 7 NH2 、(C3 7 2 NH、(C3
7 3 N、C4 9 NH2 、(C 4 9 2 NH、(C
4 9 3 N、C5 11NH2 、(C5 112 NH、
(C5 113 N、C6 13NH2 、(C6 132
H、(C6 133 N、C 8 17NH2 、(C8 17
2 NH、(C8 173 N、CH3 N(C2 5 2
(C2 5 2 N(C4 9 )、CH2 =CHCH2
2 、(CH2 =CHCH2 2 NH、(CH2 =CH
CH2 3 N、C6 5 NH2 、(C6 52 NH、
(C6 5 3 N、CH3 6 4 NH2 、(CH3
6 4 2 NH、(CH3 6 4 ) 3 N、C6 5
H(CH3 )、C6 5 N(CH3 2 、C6 5 NH
(C2 5 )、C6 5 N(C2 5 2 、C6 5
2 NH2 、(C6 5 CH2 2 NH、(C6 5
2 3 N、CH3 6 4 CH2 NH2 、(CH3
6 4 CH2 2 NH、(CH3 6 4 CH2 3
【0015】
【化5】 等が挙げられる。一般式(d)で示される化合物として
【0016】
【化6】 等が挙げられる。一般式(e)で示される化合物として
【0017】
【化7】 等が挙げられる。
【0018】一般式(f)で示される化合物としては、
ピリジン、2−クロルピリジン、3−クロルピリジン、
2,6−ジクロルピリジン、2,4,6−トリクロルピ
リジン、2−フルオロピリジン、3−フルオロピリジ
ン、2,6−ジフルオロピリジン、2,4,6−トリフ
ルオロピリジン、2−ブロモピリジン、3−ブロモピリ
ジン、2,6−ジブロモピリジン、2−ヨードピリジ
ン、3−ヨードピリジン、2,6−ジヨードピリジン、
2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2,6−ジ
メチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2
−エチルピリジン、3−エチルピリジン、2−プロピル
ピリジン、3−プロピルピリジン、2,6−ジプロピル
ピリジン、2,4,6−トリプロピルピリジン、2−ブ
チルピリジン、3−ブチルピリジン、2,6−ジブチル
ピリジン、2,4,6−トリブチルピリジン、2−アリ
ルピリジン、3−アリルピリジン、2,6−ジアリルピ
リジン、2,4,6−トリアリルピリジン、2−フェニ
ルピリジン、3−フェニルピリジン、2,6−ジフェニ
ルピリジン、2,4,6−トリフェニルピリジン、2−
メトキシピリジン、3−メトキシピリジン、2,6−ジ
メトキシピリジン、2,4,6−トリメトキシピリジ
ン、2−エトキシピリジン、3−エトキシピリジン、
2,6−ジエトキシピリジン、2,4,6−トリエトキ
シピリジン、2−アリルオキシピリジン、3−アリルオ
キシピリジン、2,6−ジアリルオキシピリジン、2,
4,6−トリアリルエトキシピリジン等が挙げられる。
【0019】一般式(g)で示される化合物としては、
キノリン、イソキノリン、2−メチルキノリン、2−エ
チルキノリン、8−メチルキノリン、8−エチルキノリ
ン、2−クロルキノリン等が挙げられる。
【0020】一般式(h)で示される化合物としてはエ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−エトラエチルエ
チレンジアミン等が挙げられる。
【0021】一般式(i)で示される化合物としてはピ
ロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、インドール等が挙げられる。
【0022】本発明で用いられるアンモニア及び/又は
上記の含窒素有機塩基化合物で修飾された重合触媒は、
アルミニウムアルコキサイド、ハロゲン化ケイ素、
上記のリン化合物の3成分の加熱縮合生成物である従
来の触媒を溶剤の存在下又は非存在下でアンモニア及び
/又は一般式(c)〜(i)で示される含窒素有機塩基
化合物の1種又は2種以上を接触することによって製造
することができる。接触の際の温度は−50〜140
℃,好ましくは−10〜120℃の範囲が適当である。
−50℃未満でも可能であるが経済的に不利であり、ま
た140℃を越えると触媒が変質し始める。
【0023】溶剤としてはブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、リ
グロイン、石油エーテル、流動パラフィン、パラフィン
ワックス等の混合系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、ジクロルメタン、クロロホル
ム、ジクロルエタン、四塩化炭素、ブロモホルム等のハ
ロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル等のエーテル化合物、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド化合物、ジメチルスル
ホキシド等のスルホキシ化合物等及び上記の溶剤の2種
以上の混合物が挙げられる。触媒は使用する溶剤に可溶
でも不溶でもよいが、上記のアンモニア、含窒素有機塩
基化合物(以下、塩基という)は特に固体の場合は使用
する溶剤に可溶であることが好ましい。これら塩基と接
触後、そのまま又は必要に応じ貧溶媒で沈澱を析出させ
た後溶剤は濾過,留去等の方法によって除去される。必
要に応じて同一又は他の溶剤で触媒を洗浄することもで
きる。得られた固形状の修飾型重合触媒は、必要に応じ
て風乾、不活性ガス気流、減圧、加温等の方法によって
処理してもよい。
【0024】溶剤を用いない場合は、加熱又は減圧等の
方法によって塩基の蒸気圧によって、できるだけ触媒全
体に拡散させることが望ましい。
【0025】触媒を修飾するために使用される塩基の量
は、修飾前の触媒に対し0.5重量%以上であることが
必要である。触媒後のアンモニア及び/又は含窒素有機
塩基化合物の量はもとの触媒100重量%に対し0.5
〜40重量%,好ましくは0.5〜20重量%の範囲で
ある。この範囲未満では生成するクロルヒドリンラバー
の硬度を低下させる効果がなく、この範囲を越えても特
に効果が助長されることはない。
【0026】本発明におけるクロルヒドリンの重合反応
は上記修飾型重合触媒の存在下、原料としてエピクロル
ヒドリン又はエピクロルヒドリンとアリルグリシジルエ
ーテルとを用い、脂肪族もしくは脂環族の炭化水素を溶
媒として行うことができる。原料モノマーとしてエピク
ロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとを用いる場
合には、エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテ
ルはモル比で99:1〜80:20の範囲で行うことが
望ましい。重合反応で用いる脂肪族もしくは脂環族の炭
化水素としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、石油ベン
ジル、リグロイン、流動パラフィン等が挙げられる。溶
剤の使用量はモノマーの濃度が3〜50重量%の範囲と
なるように決定される。
【0027】修飾型重合触媒の使用量は全液量に対し
0.01〜5重量%の範囲が通常であるが、それ以上の
量を使用することもできる。重合反応温度は特別に制約
なく一般に−30〜150℃の温度範囲で実施できる。
また必要に応じ特公昭61−58488号明細書に記載
の如く、多段反応槽を用い、第1段目の重合変化率を1
0%以下とすることも可能である。
【0028】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。 参考例1(修飾前触媒の製造) 撹拌機、温度計及び蒸留塔を備えたフラスコにアルミニ
ウムイソプロポキサイド210g、四塩化ケイ素171
g、トリブチルホスフェート276gを入れ、吸湿を防
ぐために窒素ガスを流しながら撹拌下に加熱し、120
〜165℃に約40分間で昇温させた。この間にガス状
物質と約240gの液状物質が留出した。容器内の残留
物質は約330gであった。残留物を冷却後、ヘキサン
を加えて傾斜する洗浄を2回くり返した後、吸湿をさけ
て乾燥して縮合生成物(修飾前触媒)を得た。元素分析
によるとこの触媒の炭素含量は23重量%であった。
【0029】参考例2(同) 参考例1と同様な反応器を使用し、ヘキサン200m
l、アルミニウム−n−ブトキサイド123g、四塩化
ケイ素85g、オキシ塩化リン77g及びエチルアルコ
ール84gを混合し、撹拌下加熱してヘキサン及び揮発
性留出物を留出させながら、120〜160℃にて約4
0分間で昇温させた。この物質を参考例1と同様に処理
し縮合生成物(修飾前触媒)を得た。元素分析によると
この触媒の炭素含量は26重量%であった。
【0030】実施例1 100mlのフラスコに参考例1で調製した触媒15g
を入れ、これにモレキュラーシーブ4A(ユニオン昭和
(株)社製)で乾燥したヘキサン23mlを加え、窒素
気流下で撹拌した。トリエチルアミン1.4g(触媒に
対し9.2重量%)をヘキサン10mlに溶解させた溶
液を25℃で滴下し、その後2時間撹拌を続けた。濾過
後ヘキサン50mlで洗浄した後、得られた粉体を窒素
気流下で乾燥し、塩基で修飾された触媒(触媒A−1)
を得た。このものは100℃、5Torrで1時間熟成
後、元素分析で求めた窒素原子の重量%より、修飾前触
媒に対し8.7重量%が吸着されていた。
【0031】撹拌機、窒素導入管を備えた20Lのステ
ンレス反応器に、窒素気流下、予めモレキュラーシーブ
4Aで乾燥しておいた30重量%のエピクロルヒドリン
−ヘキサン溶液6000gを加え、続いて予め5Tor
r,100℃で1時間処理した上記触媒A−1を10.
8g加え60℃で撹拌しながら9時間反応させた。重合
変化率はヘキサン中に残存するエピクロルヒドリンをガ
スクロマトグラフィーで定量することによって求めた。
反応後、濾取したポリマーに水を加え、水蒸気を約3時
間通して洗浄し、濾取後50℃の送風乾燥機で乾燥し1
410gのCHRを得た。
【0032】取得したCHRのムーニー粘度ML
1+4 (100℃)は54、ウォーレス硬度は34/28
であった。ムーニー粘度は70℃で5分間素練りしたC
HRについて、(株)島津製作所製ムーニービスコメー
ターSMV−201を用いJISK−6300に従って
測定した。ウォーレス硬度は取得したCHRを70℃で
5分間素練りし、130℃で5分間コールドプレスした
シートを23℃で14日間保存したものをH・W・ウォ
ーレス社製WALLACEMICRO−INDENTA
TION TESTERを用いIRHDの原理に従って
測定した。測定値のa/bのa及びbは測定開始後それ
ぞれ10秒後と30秒後に指す値を示し、30秒になる
までに測定限界値である28に達してしまったものは
で記した。取得したCHRについて表1に示す条件で加
硫を行い、その主な物性を測定した結果を表1に示し
た。
【0033】
【表1】
【0034】得られたCHRの押出し加工性はブラベン
ダー社製プラスチューダーPLE331(測定用エクス
トリューダー10DW付)を用い、表1の配合における
加硫剤に係るもの、すなわち鉛丹とエチレンチオウリア
を除いた配合物をニーダーで120℃で2分間素練り、
9分間混練りを行ったものについて押出し成形を行い、
成形品の表面状態についてASTM−2230に従って
4点法で評価した。押出し条件はシリンダー温度50
℃、ダイ温度70℃、圧縮比3、L/D=10、D=1
9.1(mm)、回転数30r・p・mで行った。本実
施例で得られたCHRの評価は(4444)であった。
記号はそれぞれ(S&P,E,S,C)に対応してい
る。
【0035】実施例2〜14 参考例1,2で調製した触媒15gを用い、表2で示し
た条件で実施例1と同様にして含窒素有機塩基により修
飾された触媒(A−2〜A−14)を得た。これらの修
飾型重合触媒A−2〜A−14を用い、表3に示した条
件で実施例1と同様にしてエピクロルヒドリンの重合反
応を行いCHRを得た。得られたCHRのムーニー粘度
とウォーレス硬度を比較例と共に表3に示した。上記の
各条件で得られた各CHRを実施例1と同様にして加硫
した結果、それらの物性値は表1に示したものと殆んど
同じであった。また、それぞれのCHRを実施例1と同
様にして押出し加工性を評価した結果を表3に示した。
【0036】
【表2】 1)熟成条件:100℃、5Torr、1時間 接触処理前の触媒に対する含窒素有機塩基化合物の吸着
量、なお吸着量は元素分析で求めた窒素原子の重量%よ
り算出した。 2)N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン *ヘキサン20mlに溶解
【0037】
【表3】 1)参考例1の含窒素有機塩基化合物で修飾しないも
の。 2)エピクロマーH(ダイソー社商品名、エピクロルヒ
ドリンホモポリマー)
【0038】実施例15 100mlの反応器に参考例1で調製した触媒15gを
入れ、これにピリジン5.28g(原触媒に対し35.
2重量%)を加え窒素を流通させながら反応器を100
℃で2時間加熱した。原触媒に対しピリジンの吸着量は
7.1重量%であった。実施例1と同様にして30重量
%のエピクロルヒドリン−ヘキサン溶液6000gの入
った20Lの反応器に、上記の修飾された触媒をヘキサ
ン30mlを加えて反応させCHR1420gを得た。
取得したCHRのムーニー粘度は56、ウォーレス硬度
は32/28であった。また実施例1と同様にして加硫
したものの物性値は表1に示したものと殆んど同じであ
った。更に実施例1と同様にして押出し加工性を評価し
た結果(4444)であった。
【0039】実施例16、比較例3 30重量%エピクロルヒドリン−ヘキサン溶液の代りに
モル比で98:2からなるエピクロルヒドリンとアリル
グリシジルエーテルを30重量%含むヘキサン溶液60
00gを用いた他は実施例8と同様にして、アリルグリ
シジルエーテルが共重合されたCHR1350gを得
た。取得したポリマーのムーニー粘度は47、ウォーレ
ス硬度は31/28であった。このものを実施例1と同
様に押出し加工性を評価した結果(4444)であっ
た。参考例1の触媒を用いて同様にして得られたアリル
グリシジルエーテルを含むCHRの押出し加工性は(4
332)であった。
【0040】実施例7 100mlのフラスコに参考例1で調製した触媒15g
とトルエン30mlを加え15時間放置して溶解させ
た。続いてアンモニア0.15gを含むトルエン20m
lを上記溶液に0℃で加え、その温度で2時間撹拌後、
減圧下で溶媒を留去しアンモニアで修飾された重合触媒
を残渣として得た。この触媒を5Torrの減圧下、1
00℃で1時間加熱して得られたもののアンモニアの吸
着量は0.91重量%であった。重合触媒として上記の
アンモニアで修飾された触媒10.8gを用いた以外
は、実施例1と同様にしてエピクロルヒドリンを重合
し、CHR1010gを得た。取得したCHRのムーニ
ー粘度は51、ウォーレス硬度は33/28であった。
また実施例と同様に加硫したものの物性値は表1に示し
たものと殆んど同じであった。更に実施例1と同様にし
て押出し加工性を評価した結果(4444)であった。
【0041】実施例18 100mlの反応器に参考例1で調製した触媒15gと
モレキュラーシーブ4Aで乾燥したヘキサン23mlを
加え、窒素気流下撹拌した。ピリジン2.6gをヘキサ
ン20mlに溶解させた溶液を25℃で滴下し、その後
2時間撹拌を続けた。30Torrの減圧下ヘキサンと
過剰のピリジンを留去し、次いで5Torrの減圧下1
00℃で1時間加熱した。この触媒のピリジン吸着量は
8.4重量%であった。上記の修飾された重合触媒を用
い、実施例1と同様にしてエピクロルヒドリンを重合さ
せCHR1350gを得た。取得したCHRのムーニー
粘度は52、ウォーレス硬度は32/28であった。ま
た実施例1と同様にして加硫したものの物性値は表1に
示したものと殆んど同じであった。更に実施例1と同様
にして押出し加工性を評価した結果(4444)であっ
た。
【0042】以上の結果より、本発明の修飾型重合触媒
によるCHRの製造法によれば、修飾を行わない従来の
重合触媒を使用した場合に比べ、重合反応性に不利な結
果を与えることなく、ムーニー粘度や加硫物性も従来の
CHRと同等のものが得られ、加えてウォーレス硬度と
押出し加工性が大幅に改善されていることが明らかであ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明によればウォーレス硬度と押出し
加工性の改善されたクロルヒドリンラバーを得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 伸幸 岡山県倉敷市笹沖460の1 (72)発明者 北川 紀樹 兵庫県尼崎市武庫の里2丁目7−1− 302 (56)参考文献 特公 昭49−11639(JP,B1) 特公 昭52−21039(JP,B2) 特公 昭38−18993(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/24 WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1成分としてアルミニウムアルコキサ
    イド、第2成分としてハロゲン化ケイ素、第3成分とし
    て(a)リン酸エステル又は(b)オキシハロゲン化リ
    ンもしくは無水リン酸とアルコールとの混合物よりなる
    3成分を反応して得た加熱縮合生成物に対し、アンモニ
    ア及び/又は下記一般式(c)〜(i)で示される含窒
    素有機塩基化合物の1種又は2種以上を外数で0.5〜
    40重量%吸着させて得られる修飾型重合触媒の存在
    下、エピクロルヒドリン又はエピクロルヒドリンとアリ
    ルグリシジルエーテルとを脂肪族もしくは脂環族の炭化
    水素溶媒中で重合させることを特徴とするクロルヒドリ
    ンラバーの製造法。 NR1 3 (c) 【化1】 (但し、式中R1 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル
    基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表
    し、互いに同一又は異なっていてもよい。また(c)式
    中、2個のR1 が結合して環状構造をとっていてもよ
    い。R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又
    はアルケニルオキシ基を表し、互いに同一又は異なって
    いてもよい。R 3 は水素原子、メチル基又はエチル基を
    表す。X,Yは窒素原子又はCH基であり、少なくとも
    一方は窒素原子である。) 【化2】 (但し、式中p及びqは0〜4の整数でp+q=3又は
    4、r又はsは0又は1の整数を表し、2個の環は互い
    に共役芳香族性の構造を有する。)
  2. 【請求項2】 加熱縮合生成物の炭素含有量が15〜3
    5重量%である請求項1に記載のクロルヒドリンラバー
    の製造法。
  3. 【請求項3】 第1成分としてアルミニウムイソプロポ
    キシド、第2成分として四塩化ケイ素、第3成分として
    トリブチルホスフェートを反応して得た加熱縮合生成物
    を用いる請求項1又は2に記載のクロルヒドリンラバー
    の製造法。
  4. 【請求項4】 含窒素有機塩基化合物がN,N′−ジメ
    チルアニリン、N,N′−ジエチルアニリン、トリエチ
    ルアミン、n−ブチルアミン、ピリジン又はキノリンで
    ある請求項1〜3のいずれかに記載のクロルヒドリンラ
    バーの製造法。
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